JP2004038074A - 磁性体反転表示パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性表示体を反転して表示を行うパネルの表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを提供する。
【解決手段】磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に分子量400〜900の炭化水素系樹脂を配合したり、環式炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネルである。
【選択図】
なし
【解決手段】磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に分子量400〜900の炭化水素系樹脂を配合したり、環式炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネルである。
【選択図】
なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁石により磁性表示体を反転して表示を形成し、同じ面から磁石により反転して表示を消去する磁性体反転表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来用いられている磁気表示パネルは、微小粒の磁性体を分散液に分散し、磁石を一面から作用させてその面に該磁性粒子を泳動させて表示を形成し、不要となれば反対面から磁石を作用して磁性粒子を沈降させて表示を消去するものである。この磁気表示パネルは消去をパネルの裏面から行わなければならないので装置が複雑かつ、大型となる欠点があった。また、表示パネルに該磁性粒子を泳動した時、不要な表示部分のみを消去させるのは困難であった。
また特公昭59−32796号には表示磁性粒子を反転させて表示を行う磁気表示パネルが提案されている。このパネルは特定の残留磁気モーメントと保磁力を有する磁性粒子を分散媒に分散した特定降伏値の分散液を用いるものである。ところが、このパネルは磁石で磁性粒子を反転させて表示を行っても、また消去を行ってもコントラストが小さく、鮮明さに欠ける問題があった。
また、本出願人は先に特願2000−54750号で、磁極を異なる色に着色して色分けした微小粒子状の磁性表示体と分散媒と増稠剤を主成分とした降伏値を有する分散液を支持材により保持した反転磁気表示パネルにおいて、微小粒子状の磁性表示体のS面又はN面の面積の合計が表示パネルの表示面の面積の60〜500%であることを特徴とする磁性体反転表示パネルを提案した。
この発明の磁性体反転表示パネルはコントラストが良く、鮮明な表示を行うことができ、優れた効果を奏するものであるが、パネルを縦置きにし、表示、消去を繰り返していくと徐々に磁性表示体が沈降凝集して反転不良になるものが発生するといった不具合があった。その不具合を解消すべく、分散液の粘度を上げ、沈降防止しようと試みたものもあるが、長期間経時放置するとチクソトロピック性が強く出すぎる傾向があり、経時後の分散液の降伏値や粘度が必要以上に高くなるといった不具合が残っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は磁性表示体を反転して表示を行うパネルの表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを提案することを本発明の目的とし、そのような課題の解決手段を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は磁性表示体を反転して表示を行うパネルの表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを提供する。
すなわち、本発明は、
「1.磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に分子量400〜900の炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネル。
2.磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に環式炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネル。
3.炭化水素系樹脂の分子量が550〜900である第1項または第2項のいずれかに記載の磁性体反転表示パネル。
4.炭化水素系樹脂が脂環族炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、テルペン系樹脂から選ばれた1種または2種以上である第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
5.炭化水素系樹脂が脂環族飽和炭化水素系樹脂である第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
5.炭化水素系樹脂を分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂からなる分散媒系の全量に対し1〜55質量%配合したことを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
6.増稠剤が水酸基を有する脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アルキルアマイドから選んだ1または2以上である第1項ないし第6項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
7.分散媒がイソパラフィンである第1項ないし第7項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
8.磁性表示体を分散した分散液の保持が、二枚の基板間に分散液を封入した保持である第1項ないし第8項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
9.磁性表示体を分散した分散液の保持がカプセルに分散液を封入して支持体に配置した保持である第1項ないし第8項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。」に関する。
【0005】
上記磁気表示パネルによれば、従来のように経時放置後のチクソトロピック性の抑制を考慮するがあまり、初期状態において粘度や降伏値が下がりすぎたり上がりすぎたりすることがなく、良好な初期状態を得ることができ、かつ、最大限チクソトロピック抑制効果を奏することができるという優れた効果を得ることができる。
【0006】
本発明で用いる磁性表示体はN極とS極の二磁極を夫々異なる色に着色して色分けした磁性体であり、この磁性体が磁気により反転して表示を形成するのである。例えば、筆記用磁石のS極でパネルの表示面を掃くと磁性体のN極面がパネル表面に並びN極面の色となる。この面を磁気ペンのN極で書くと、磁性体は反転してS極面が表われ、その色で表示が形成される。再び磁気ペンのS極で掃けば反転し表示は消える。
【0007】
磁性表示体を分散した分散液は特定の降伏値と粘度を持たなければならない。降伏値は、分散液体中の磁性表示体が適正に分散されるためと、表面付近に保持されている必要があるので、その沈降防止に作用するもので、粘度は、磁気をかけたときに磁気をかけた部分のみ反転するのに重要なものである。その降伏値と粘度は、磁性表示体の材質や形状、大きさなどに大きく関与するので、上記作用を満たすものであれば適宜設計可能である。設計思想外の降伏値および粘度になると形成した表示の維持安定性が劣化したり、磁気ペンで書いたときに周辺の磁性体が集まるので、磁性体の分布が不均一になり反転して表示を形成する付近と、その周縁部で反転しない磁性体で形成される表示の背景の色が変化するので全体としてボケた表示となり、鮮明性が劣化する。
【0008】
特定の降伏値と粘度を分散液に与えるためには増稠剤を配合する。大きく分けて無機増稠剤と有機増稠剤とに区別されるが、有機増稠剤の方が比較的安定である。例えば、シリカなどの無機物でも降伏値を付与することはできるが、無機増稠剤は時間の経過とともに粘度と降伏値が大きく変化する欠点がある。ところが、脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アマイドなどから選んだ有機増稠剤は時間が経過しても粘度と降伏値が変化しにくい利点があるので好ましい。
【0009】
上記有機増稠剤を用いても、それだけでは本発明の課題は解決することができなかった。つまりパネルの表示、消去を繰り返した際に磁性表示体を沈降させることなく、筆記性と表示性を維持し、特にパネルを長期間放置した際などにおいても初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性を大きく変化させず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを得ることまではできなかったのである。
【0010】
そこで、本発明においては、分散液に分子量400〜900、さらには分子量550〜900の炭化水素系樹脂を配合したことや、樹脂の分子構造を環式炭化水素系樹脂としたことなどをもって、課題を解決するものである。
【0011】
上記分子量の炭化水素系樹脂は、分散液中において一定の降伏値と粘度を維持しつつ磁性表示体の沈降抑制のために働く。沈降抑制のメカニズムは必ずしも明確に解明されてはいないが、以下のように推測される。
上記炭化水素系樹脂は増稠剤と異なり増稠効果はほとんどないものである。分散液の増稠作用はあくまでも増稠剤が行う。その分散液に経時変化が起こらないようにチクソトロピック性を抑制しながら磁性表示体の沈降を防止するために上記炭化水素系樹脂を配合するのである。分散液は増稠剤によって分散媒にゲル粒子が分散された形態を有するものが多い。上記炭化水素系樹脂は、該分散媒に溶媒和しており、分散液中の複数のゲル粒子同士が接近するのを阻害する効果があるものと考えられる。このゲル粒子同士の接近こそがチクソトロピック性の増大の一因なのである。
また、ゲル粒子はその結晶状態が可逆的に変化することにより経時的に肥大化することが考えられるが、分散液中に上記炭化水素系樹脂が溶媒和もしくは一部析出した状態で存在することによりその成長を阻害する効果もあると考えられる。このような働きも分散液の降伏値及び粘度の増大といった物性の経時的変化を阻害すると考えられ、分散液の経時安定性に寄与すると思われる。
これらをもとにして考えると、配合する炭化水素系樹脂は比較的分子量の大きいものに限定し、分子量400〜900、さらには分子量550〜900であることが好ましい。なお、ここでいう分子量は数平均分子量を表す。
【0012】
一方、炭化水素系樹脂の構造は、直鎖脂肪族系、脂環族系、芳香族系、テルペン系などの構造が挙げられるが、炭化水素系樹脂の分子がチクソトロピック性の増大を抑制するという見地から見れば、該炭化水素系樹脂の構造はより巨大な立体構造を持つ環式炭化水素系樹脂がよい。さらに脂環族系、芳香族系、テルペン系が好ましい。二重結合がない分さらに飽和しているものが不飽和のものに比較してよく、脂環族飽和系樹脂が立体構造が巨大になり好適である。環式炭化水素系樹脂を用いれば、それだけである程度の効果を奏することができる。この理由は、環式炭化水素系樹脂の環状部分が立体障害となり作用することと考えられる。単環のものでも双環のもの、それ以上のものでも使用可能であるが、双環以上のものがより好ましい。もっとも、分子量が上記範囲にあればより一層の効果を上げることができるのはいうまでもない。また、上記樹脂には、ゲル粒子の成長阻害という作用もあり、効果面で同様な傾向がある。
【0013】
飽和系樹脂は不飽和系樹脂に比較して好適であるが、不飽和結合を有するということで分子立体構造面で平面構造を有するか、三次元立体構造を有するかという相違を生み、通常、三次元立体構造を有する方が分子立体構造的に大きいといえ、立体障害作用が大きくなるものと推定される。また、飽和していると反応性が少なくなる傾向があるので、樹脂自体の安定性も良好になる。さらに、飽和系樹脂は不飽和系樹脂に比べて一般的に透明性が良くなるので磁性表示体を分散する分散媒系の透明性も良くなり、表示体の発色を妨げることがないという表示パネルならではの利点もある。
【0014】
このようなメカニズムによるものであることから、分散媒は該炭化水素系樹脂を溶媒和させるものであることが必要で、増稠剤もよりゲル粒子を作りやすいという観点で、有機増稠剤を用いることでその作用、効果を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する磁性表示体は、S極面とN極面を異なる色で着色されていれば、形状には特に限定されないが、磁気ペンで書いたときの表示形成性と形成された表示の鮮明性から、色分けした微小粒子状の磁性表示体が、特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に、他の色の着色組成物を塗布した層状体を裁断または粉砕してなる磁性表示体または、磁性表示体が特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に礎性粒子を分散した層の片面に他の色の着色シートをラミネートした層状体を裁断または粉砕してなる磁性表示体が好ましい。本発明者の研究によると磁性表示体は反対極の磁力を作用させると反転するが、偏平状ないし箔片状の磁性体は重なった状態でずれながら反転するので、表示の形成速度が大きいだけでなく、反転しないもの、不完全な反転のものが混在することが少なく、鮮明な表示が形成されるので好ましい。そして特に偏平状や箔片状の磁性表示体の場合、磁性表示体のS極またはN極の面積の合計がパネルの表示面積の500%以上になると、互いに干渉して重なってずれながら反転することができなくなるので注意する必要がある。
【0016】
磁性表示体は反転時に互いに擦れ静電気が帯電する傾向があり、特に偏平状や箔片状の磁性表示体の場合は、重なってずれながら反転するので帯電し易い。磁性表示体が帯電すると磁性表示体が擬集してしまい、磁気ペンで磁気をかけてもスムーズに反転しなくなったり、また反転しないものも出てくる。これが原因で、色分けした磁性表示体の鮮明な表示が得られなくなる場合があるので好ましくない。磁性表示体の分散液に帯電防止剤を配合すると良好な表示が得られる。
【0017】
帯電防止剤としては、ポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エビクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルサリチル酸金属塩、スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩から1種または2種以上を選択して用いられるが、特にポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エビクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸の混合物やアルキルサリチル酸クロム塩、スルホコハク酸カルシウム塩、ポリマーの混合物が好ましい。
【0018】
本発明において磁性表示体を分散する分散媒としては、油類、脂肪族炭化水素等の無極性溶剤、グリコ−ル類やアルコ−ル類等の極性溶剤などの一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。具体的には、イソパラフィン、スピンドル油、エチレングリコ−ル等が使用され、さらに配合する炭化水素系樹脂との観点からイソパラフィンが好適である。
【0019】
増稠剤としては、無機増稠剤や有機増稠剤の一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。例えば、水酸基を有する脂肪酸ビスアマイド、具体的には、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アマイドや、水添ヒマシ油、あるいはN−アシルアミノ酸アルキルアマイド、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアマイド等を用いる。こうした中から一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明で用いる炭化水素系樹脂としては、脂環族系、芳香族系、テルペン系、直鎖脂肪族系などの構造が挙げられるが、脂環族飽和炭化水素樹脂、水素添加テルペン樹脂、ポリブテン等が使用され、炭化水素系樹脂の分子がゲル粒子の接近を阻害するという見地からも、脂環族飽和炭化水素樹脂がもっとも好適である。
【0021】
炭化水素系樹脂の分子量は400〜900、さらには550〜900であることが好ましい。直鎖脂肪族系の樹脂の場合、長鎖になると分散液の粘度を必要以上に上げてしまったり、溶解性や安定性に問題が出る傾向にあるので、400〜600程度の分子量が好ましい。脂環族系、芳香族系、テルペン系などの場合は、その立体構造上からさらに大きな分子量が可能となり、550〜900の分子量がよい。脂環族系、芳香族系では、同一効果を得ようとした際の配合量が他のものに比べて少なくて済み、同一量での能力に優位性があるので、好ましい。中でも分子量550〜900の脂環族飽和炭化水素樹脂が立体構造が大きくもっとも好適である。
【0022】
炭化水素系樹脂は分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂か〜55質量%配合すると最も良い作用、効果を得ることができる。この範囲を下回ると効果が得られにくくなる傾向があり、上回ると磁性表示体の回転を阻害してしまい、良好な表示と消去を害することとなる傾向があるため好ましくない。少量の添加で大きく作用するという効果が安定性などの面で非常に重要で、芳香族炭化水素系樹脂の場合1〜30質量%、脂環族炭化水素系樹脂の場合1〜30質量%と分子構造により差があり、その他の点を含めて脂環族飽和炭化水素樹脂が立体構造が大きく好適であることがわかる。
【0023】
本発明で使用する炭化水素系樹脂としては、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂、それらの変性物、誘導体などがある。脂肪族炭化水素樹脂としてはポリブテン、流動パラフィン等があり、脂環族炭化水素系樹脂としてはアルコンP−70(荒川化学工業社製)、アルコンP−90(同社製)、アルコンP−100(同社製)、アルコンP−115(同社製)、アルコンP−120(同社製)、アルコンP−125(同社製)、アルコンP−140(同社製)、アルコンM−90(同社製)、アルコンM−100(同社製)、アルコンM−115(同社製)、アルコンM−135(同社製)、クイントン1325(日本ゼオン社製)、クイントン1345(同社製)、エスコレッツ5380(トーネックス化学社製)、エスコレッツ5300(同社製)、エスコレッツ5320(同社製)、エスクリスタルA−100(新日鉄化学社製)、エスクリスタルA−120(同社製)、エスクリスタルA−100S(同社製)、エスクリスタルA−120S(同社製)等がある。芳香族系炭化水素樹脂としては、YSレジンTO−85(ヤスハラケミカル社製)、YSレジンTO−105(同社製)、YSレジンTO−115(同社製)、YSレジンTO−125(同社製)、YSレジンTR−105(同社製)、YSポリスターU115(同社製)、YSポリスター2130(同社製)、YSポリスター2115(同社製)、YSポリスター2100(同社製)、YSポリスターT130(同社製)、YSポリスターT115(同社製)、YSポリスターT100(同社製)、YSポリスターT80(同社製)、YSポリスターN125(同社製)、マイティーエースG150(同社製)、マイティーエースG125(同社製)、YSポリスターTH130(同社製)などがあり、テルペン系炭化水素樹脂としては、クリアロンP−85(同社製)、クリアロンP−105(同社製)、クリアロンP−115(同社製)、クリアロンP−125(同社製)、YSレジンPX−1000(同社製)、YSレジンPX−800(同社製)、YSレジンD−105(同社製)、YSレジンD−115(同社製)、YSレジンA−800(同社製)などが、芳香族変性テルペン樹脂としては、クリアロンM−105(同社製)、クリアロンM−115(同社製)、クリアロンK−100(同社製)、クリアロンK−4090(同社製)等がある。好ましくは、脂環族飽和炭化水素系樹脂が良い。これらは単独または混合して使用することもできる。
【0024】
磁性表示体分散液を保持する方法としては特に限定されず、間隔を設けて配設した二枚の周辺を封じた支持体、この二枚の基板間に正六角形のハニカムセルを配置した支持体、基板にカプセルを配置した支持体等が適宜使用される。
【0025】
【実施例】
本発明の実施例を述べるが、本発明は本実施例によって限定されるものではない。
【0026】
実施例1
分散媒として20℃における粘度が3.2mPa・Sであるイソパラフィン(エツソ化学社製:商品名アイソパーM)70.0質量部と、増稠剤としてエチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アマイド(伊藤製油社製:商品名ITOHWAX J−530)を30.0質量部の割合で加え、これを加熱溶解した後に冷却し、増稠剤ペーストを配合した。次にイソパラフィン89.2質量部に脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業社製:商品名アルコンP100)を分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂からなる分散媒系の全量に対し2.8質量%となるように加え、攪拌溶解し、上記増稠剤ペーストを8.0質量部、帯電防止剤(E.I.デュボン社製:商品名STADIS−450)0.15質量部を添加、攪拌し、降伏値が1.14N/m2であり、20℃における粘度が110mPa・Sの塑性分散液を得た。
降伏値の測定方法は従来から行われているのと同様にブルックフィールド型粘度計(東京計器社製BL型)を用い、分散液を低速で回転させた時のローターのねじれ角度を読み取る方法で測定した。使用したローターは上記BL型粘度計に付属の2号ローターを使用した。
次に、この塑性分散液に緑/白二色に塗り分けられた箔片状の磁性表示体を、分散液100質量部に対し磁性表示体10質量部の割合で配合し攪拌を行い、分散液中に磁性表示体が均一に分散してなる分散液体を得た。
さらに引き続き、この分散液体を板厚が0.125mmの塩化ビニル樹脂フィルムに接着剤を用いて片面に接着したセルサイズ3.5mm、正六角形状で高さ1.0mmの塩化ビニル樹脂製ハニカムセルの多セル構造物のセル内に充填し、その後、多セル構造物の開放面を厚み0.05mmの塩化ビニル樹脂フィルムで接着剤を用いて被覆し、セル中に分散液体を封入して表示パネルを得た。
このパネルの片側に磁石のS極を接触させ、ハニカムセル内の二色に塗り分けられた磁性表示体を表面側に片寄せて粒子どうしが一部重なりつつ整列するように並べながら緑色の表示面を形成させた。次に、この表示面に対し、表面の塩化ビニル樹脂フィルムの上から磁石のN極で筆記操作を行い、緑色の表示面に磁石のN極が通過した部位だけ白色の鮮明な表示を得ることができた。
次に、再び磁石のS極を用いて白色の表示部分を上から擦るように操作したところ白色面を表面に向けていた磁性表示体が反転し、再び緑色の表示面を戻すことができた。その際の評価は表2に示す。
なお、30日経過後の粘度をE型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−2型)を用い測定した。測定にあたっては、20℃で分散液を100rpm/1min、回転させた後、続けて10rpm/5minにて測定した際の値を用いた。使用したジェオメトリーは上記E型粘度計に付属のCP−42コーンスピンドルを使用した。
【0027】
実施例2〜8
増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分散液の配合組成を表1に記載の通りにした以外は実施例1と同様にしてそれぞれ分散液体を得た。
その後、実施例と同様にパネル化して評価を行った。評価結果は表2に示す。
【0028】
実施例9
実施例1と同様にして調整した分散液体を用い、オリフイス法により約内径2mmの球状カプセルを形成した。
カプセルの膜材としてアルギン酸ナトリウムの0.5%水溶液を用い、同心円状に設けられた二重ノズルの外側から膜材の水溶液を押出しつつ、内側のノズルからは磁性表示体を分散させた分散液体を押出し、圧力と速度を制御してカプセルの形状、大きさを整えた。ノズルから押出したカプセルは塩化カルシウム1%水溶液の中に滴下し、膜材中のアルギン酸ナトリウムゾルを化学的ゲル化剤である塩化カルシウムと反応させることでゲル皮膜を形成することで安定したカプセルとした。得られたカプセルの粒径は、約2mmである。
このカプセルを深さ2mmの塩化ビニル製トレーに隙間なく並べ、塩ビフィルムを重ねた後にトレーのフランジ部分と塩ビフィルムとを熱融着して、表示パネルを得た。このパネルの上面から筆記、消去を行ったところ、好適に筆記消去ができた。評価結果は表2に示す。
【0029】
【表1】
*1・・・荒川化学工業社製 アルコンP−100:分子量610
*2・・・荒川化学工業社製 アルコンP−140:分子量860
*3・・・荒川化学工業社製 アルコンM−100:分子量620
*4・・・ヤスハラケミカル社製 クリアロンP−115:分子量650
*5・・・ヤスハラケミカル社製 クリアロンP−125:分子量700
*6・・・ヤスハラケミカル社製 クリアロンM−115:分子量650
*7・・・ヤスハラケミカル社製 YSレジンTO125:分子量800
【0030】
比較例1
増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分散液の配合組成を表1の通りとした以外は実施例1と同様にした結果、降伏値1.31N/m2の塑性分散液を得た。
この分散液100質量部に、実施例1と同様の方法で調整した磁性表示体10質量部を加えて攪拌し、分散液体を得た。その後、実施例1と同様にパネル化して表示パネルを得た。
この表示パネルを実施例1と同様にパネル表面から磁石のN極を接触させ、表示面側に磁性表示体を引き付け白色面側を表面板側に向けて整列させた後、磁石のS極を表示面板に接触させて筆記を行ってみたところ、当初、表示を行うことができたが、当該樹脂が配合されていないため経時安定性に欠けるものであった。
【0031】
試験および評価
前記各実施例および比較例における磁性体反転表示パネルにおいて、下記の項目について試験を行い、評価を行った。尚、表示パネルの筆記と消去の操作の説明は、次の通りである。
a)表示面緑色形成
表示パネルの表示面側に消去具のS極を接触させ消去操作を行い、パネル内の2色に塗り分けられた磁性表示体のN極面(緑色)を表示面側に片寄せて粒子同士が一部重なりつつ整列するように並べながら表示パネルの全表示面をN極面(緑色)で形成させる。
b)筆記操作
表示パネルの表示面側に筆記具である磁気ペンのN極を接触して筆記操作を行い、パネル内の磁性表示体のN極面(緑色)を反転させ、S極面(白色)を表示することで筆記線を形成する。
c)消去操作
表示パネルに表示されている筆記線を消去具のS極で消去操作を行い、磁性表示体のS極面で形成されている筆記線をN極面(緑色)に反転させ消去する。
(1)鮮明性
筆記した時の筆記線の状態を、目視観察した。
○・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されている。
×・・・筆記部分の幅が一定でなく、また全体にぼけた状態で
表示されている。
(2)経時安定性
磁性体反転表示パネルを通常の環境下で静止状態のまま30日間放置
した後、筆記と消去を行った時の筆記性能と消去性能を調べ、あわせて
分散液の経時後の粘度を作成直後と同様にして測定した。なお、各粘度
は、より明確な効果を確認するため、磁性表示体を配合する前の分散液
を予め用意しておき、測定した。
▲1▼筆記性能
◎・・・筆記部分の幅が一定で、非常に鮮明に表示されている。
○・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されている。
△・・・筆記部分が掠れて表示されている。
×・・・筆記不能であった。
▲2▼消去性能
◎・・・1〜5回の消去操作で完全に消去できた。
○・・・6〜10回の消去操作で完全に消去できた。
△・・・11〜200回の消去操作で完全に消去できた。
×・・・200回の消去操作でも完全に消去できず、残像した。
【0032】
各試験における評価結果は粘度測定値を表1に、それ以外を表2に示す。
【表2】
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁性体反転表示パネルは当初の表示と消去が良好であり、表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる優れた効果を奏するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁石により磁性表示体を反転して表示を形成し、同じ面から磁石により反転して表示を消去する磁性体反転表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来用いられている磁気表示パネルは、微小粒の磁性体を分散液に分散し、磁石を一面から作用させてその面に該磁性粒子を泳動させて表示を形成し、不要となれば反対面から磁石を作用して磁性粒子を沈降させて表示を消去するものである。この磁気表示パネルは消去をパネルの裏面から行わなければならないので装置が複雑かつ、大型となる欠点があった。また、表示パネルに該磁性粒子を泳動した時、不要な表示部分のみを消去させるのは困難であった。
また特公昭59−32796号には表示磁性粒子を反転させて表示を行う磁気表示パネルが提案されている。このパネルは特定の残留磁気モーメントと保磁力を有する磁性粒子を分散媒に分散した特定降伏値の分散液を用いるものである。ところが、このパネルは磁石で磁性粒子を反転させて表示を行っても、また消去を行ってもコントラストが小さく、鮮明さに欠ける問題があった。
また、本出願人は先に特願2000−54750号で、磁極を異なる色に着色して色分けした微小粒子状の磁性表示体と分散媒と増稠剤を主成分とした降伏値を有する分散液を支持材により保持した反転磁気表示パネルにおいて、微小粒子状の磁性表示体のS面又はN面の面積の合計が表示パネルの表示面の面積の60〜500%であることを特徴とする磁性体反転表示パネルを提案した。
この発明の磁性体反転表示パネルはコントラストが良く、鮮明な表示を行うことができ、優れた効果を奏するものであるが、パネルを縦置きにし、表示、消去を繰り返していくと徐々に磁性表示体が沈降凝集して反転不良になるものが発生するといった不具合があった。その不具合を解消すべく、分散液の粘度を上げ、沈降防止しようと試みたものもあるが、長期間経時放置するとチクソトロピック性が強く出すぎる傾向があり、経時後の分散液の降伏値や粘度が必要以上に高くなるといった不具合が残っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は磁性表示体を反転して表示を行うパネルの表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを提案することを本発明の目的とし、そのような課題の解決手段を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は磁性表示体を反転して表示を行うパネルの表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを提供する。
すなわち、本発明は、
「1.磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に分子量400〜900の炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネル。
2.磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に環式炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネル。
3.炭化水素系樹脂の分子量が550〜900である第1項または第2項のいずれかに記載の磁性体反転表示パネル。
4.炭化水素系樹脂が脂環族炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、テルペン系樹脂から選ばれた1種または2種以上である第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
5.炭化水素系樹脂が脂環族飽和炭化水素系樹脂である第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
5.炭化水素系樹脂を分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂からなる分散媒系の全量に対し1〜55質量%配合したことを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
6.増稠剤が水酸基を有する脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アルキルアマイドから選んだ1または2以上である第1項ないし第6項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
7.分散媒がイソパラフィンである第1項ないし第7項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
8.磁性表示体を分散した分散液の保持が、二枚の基板間に分散液を封入した保持である第1項ないし第8項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
9.磁性表示体を分散した分散液の保持がカプセルに分散液を封入して支持体に配置した保持である第1項ないし第8項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。」に関する。
【0005】
上記磁気表示パネルによれば、従来のように経時放置後のチクソトロピック性の抑制を考慮するがあまり、初期状態において粘度や降伏値が下がりすぎたり上がりすぎたりすることがなく、良好な初期状態を得ることができ、かつ、最大限チクソトロピック抑制効果を奏することができるという優れた効果を得ることができる。
【0006】
本発明で用いる磁性表示体はN極とS極の二磁極を夫々異なる色に着色して色分けした磁性体であり、この磁性体が磁気により反転して表示を形成するのである。例えば、筆記用磁石のS極でパネルの表示面を掃くと磁性体のN極面がパネル表面に並びN極面の色となる。この面を磁気ペンのN極で書くと、磁性体は反転してS極面が表われ、その色で表示が形成される。再び磁気ペンのS極で掃けば反転し表示は消える。
【0007】
磁性表示体を分散した分散液は特定の降伏値と粘度を持たなければならない。降伏値は、分散液体中の磁性表示体が適正に分散されるためと、表面付近に保持されている必要があるので、その沈降防止に作用するもので、粘度は、磁気をかけたときに磁気をかけた部分のみ反転するのに重要なものである。その降伏値と粘度は、磁性表示体の材質や形状、大きさなどに大きく関与するので、上記作用を満たすものであれば適宜設計可能である。設計思想外の降伏値および粘度になると形成した表示の維持安定性が劣化したり、磁気ペンで書いたときに周辺の磁性体が集まるので、磁性体の分布が不均一になり反転して表示を形成する付近と、その周縁部で反転しない磁性体で形成される表示の背景の色が変化するので全体としてボケた表示となり、鮮明性が劣化する。
【0008】
特定の降伏値と粘度を分散液に与えるためには増稠剤を配合する。大きく分けて無機増稠剤と有機増稠剤とに区別されるが、有機増稠剤の方が比較的安定である。例えば、シリカなどの無機物でも降伏値を付与することはできるが、無機増稠剤は時間の経過とともに粘度と降伏値が大きく変化する欠点がある。ところが、脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アマイドなどから選んだ有機増稠剤は時間が経過しても粘度と降伏値が変化しにくい利点があるので好ましい。
【0009】
上記有機増稠剤を用いても、それだけでは本発明の課題は解決することができなかった。つまりパネルの表示、消去を繰り返した際に磁性表示体を沈降させることなく、筆記性と表示性を維持し、特にパネルを長期間放置した際などにおいても初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性を大きく変化させず、チクソトロピック性を抑制することのできる磁気表示パネルを得ることまではできなかったのである。
【0010】
そこで、本発明においては、分散液に分子量400〜900、さらには分子量550〜900の炭化水素系樹脂を配合したことや、樹脂の分子構造を環式炭化水素系樹脂としたことなどをもって、課題を解決するものである。
【0011】
上記分子量の炭化水素系樹脂は、分散液中において一定の降伏値と粘度を維持しつつ磁性表示体の沈降抑制のために働く。沈降抑制のメカニズムは必ずしも明確に解明されてはいないが、以下のように推測される。
上記炭化水素系樹脂は増稠剤と異なり増稠効果はほとんどないものである。分散液の増稠作用はあくまでも増稠剤が行う。その分散液に経時変化が起こらないようにチクソトロピック性を抑制しながら磁性表示体の沈降を防止するために上記炭化水素系樹脂を配合するのである。分散液は増稠剤によって分散媒にゲル粒子が分散された形態を有するものが多い。上記炭化水素系樹脂は、該分散媒に溶媒和しており、分散液中の複数のゲル粒子同士が接近するのを阻害する効果があるものと考えられる。このゲル粒子同士の接近こそがチクソトロピック性の増大の一因なのである。
また、ゲル粒子はその結晶状態が可逆的に変化することにより経時的に肥大化することが考えられるが、分散液中に上記炭化水素系樹脂が溶媒和もしくは一部析出した状態で存在することによりその成長を阻害する効果もあると考えられる。このような働きも分散液の降伏値及び粘度の増大といった物性の経時的変化を阻害すると考えられ、分散液の経時安定性に寄与すると思われる。
これらをもとにして考えると、配合する炭化水素系樹脂は比較的分子量の大きいものに限定し、分子量400〜900、さらには分子量550〜900であることが好ましい。なお、ここでいう分子量は数平均分子量を表す。
【0012】
一方、炭化水素系樹脂の構造は、直鎖脂肪族系、脂環族系、芳香族系、テルペン系などの構造が挙げられるが、炭化水素系樹脂の分子がチクソトロピック性の増大を抑制するという見地から見れば、該炭化水素系樹脂の構造はより巨大な立体構造を持つ環式炭化水素系樹脂がよい。さらに脂環族系、芳香族系、テルペン系が好ましい。二重結合がない分さらに飽和しているものが不飽和のものに比較してよく、脂環族飽和系樹脂が立体構造が巨大になり好適である。環式炭化水素系樹脂を用いれば、それだけである程度の効果を奏することができる。この理由は、環式炭化水素系樹脂の環状部分が立体障害となり作用することと考えられる。単環のものでも双環のもの、それ以上のものでも使用可能であるが、双環以上のものがより好ましい。もっとも、分子量が上記範囲にあればより一層の効果を上げることができるのはいうまでもない。また、上記樹脂には、ゲル粒子の成長阻害という作用もあり、効果面で同様な傾向がある。
【0013】
飽和系樹脂は不飽和系樹脂に比較して好適であるが、不飽和結合を有するということで分子立体構造面で平面構造を有するか、三次元立体構造を有するかという相違を生み、通常、三次元立体構造を有する方が分子立体構造的に大きいといえ、立体障害作用が大きくなるものと推定される。また、飽和していると反応性が少なくなる傾向があるので、樹脂自体の安定性も良好になる。さらに、飽和系樹脂は不飽和系樹脂に比べて一般的に透明性が良くなるので磁性表示体を分散する分散媒系の透明性も良くなり、表示体の発色を妨げることがないという表示パネルならではの利点もある。
【0014】
このようなメカニズムによるものであることから、分散媒は該炭化水素系樹脂を溶媒和させるものであることが必要で、増稠剤もよりゲル粒子を作りやすいという観点で、有機増稠剤を用いることでその作用、効果を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する磁性表示体は、S極面とN極面を異なる色で着色されていれば、形状には特に限定されないが、磁気ペンで書いたときの表示形成性と形成された表示の鮮明性から、色分けした微小粒子状の磁性表示体が、特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に、他の色の着色組成物を塗布した層状体を裁断または粉砕してなる磁性表示体または、磁性表示体が特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に礎性粒子を分散した層の片面に他の色の着色シートをラミネートした層状体を裁断または粉砕してなる磁性表示体が好ましい。本発明者の研究によると磁性表示体は反対極の磁力を作用させると反転するが、偏平状ないし箔片状の磁性体は重なった状態でずれながら反転するので、表示の形成速度が大きいだけでなく、反転しないもの、不完全な反転のものが混在することが少なく、鮮明な表示が形成されるので好ましい。そして特に偏平状や箔片状の磁性表示体の場合、磁性表示体のS極またはN極の面積の合計がパネルの表示面積の500%以上になると、互いに干渉して重なってずれながら反転することができなくなるので注意する必要がある。
【0016】
磁性表示体は反転時に互いに擦れ静電気が帯電する傾向があり、特に偏平状や箔片状の磁性表示体の場合は、重なってずれながら反転するので帯電し易い。磁性表示体が帯電すると磁性表示体が擬集してしまい、磁気ペンで磁気をかけてもスムーズに反転しなくなったり、また反転しないものも出てくる。これが原因で、色分けした磁性表示体の鮮明な表示が得られなくなる場合があるので好ましくない。磁性表示体の分散液に帯電防止剤を配合すると良好な表示が得られる。
【0017】
帯電防止剤としては、ポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エビクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルサリチル酸金属塩、スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩から1種または2種以上を選択して用いられるが、特にポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エビクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸の混合物やアルキルサリチル酸クロム塩、スルホコハク酸カルシウム塩、ポリマーの混合物が好ましい。
【0018】
本発明において磁性表示体を分散する分散媒としては、油類、脂肪族炭化水素等の無極性溶剤、グリコ−ル類やアルコ−ル類等の極性溶剤などの一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。具体的には、イソパラフィン、スピンドル油、エチレングリコ−ル等が使用され、さらに配合する炭化水素系樹脂との観点からイソパラフィンが好適である。
【0019】
増稠剤としては、無機増稠剤や有機増稠剤の一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。例えば、水酸基を有する脂肪酸ビスアマイド、具体的には、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アマイドや、水添ヒマシ油、あるいはN−アシルアミノ酸アルキルアマイド、例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジ−n−ブチルアマイド等を用いる。こうした中から一種または二種以上を選択して、単独または組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明で用いる炭化水素系樹脂としては、脂環族系、芳香族系、テルペン系、直鎖脂肪族系などの構造が挙げられるが、脂環族飽和炭化水素樹脂、水素添加テルペン樹脂、ポリブテン等が使用され、炭化水素系樹脂の分子がゲル粒子の接近を阻害するという見地からも、脂環族飽和炭化水素樹脂がもっとも好適である。
【0021】
炭化水素系樹脂の分子量は400〜900、さらには550〜900であることが好ましい。直鎖脂肪族系の樹脂の場合、長鎖になると分散液の粘度を必要以上に上げてしまったり、溶解性や安定性に問題が出る傾向にあるので、400〜600程度の分子量が好ましい。脂環族系、芳香族系、テルペン系などの場合は、その立体構造上からさらに大きな分子量が可能となり、550〜900の分子量がよい。脂環族系、芳香族系では、同一効果を得ようとした際の配合量が他のものに比べて少なくて済み、同一量での能力に優位性があるので、好ましい。中でも分子量550〜900の脂環族飽和炭化水素樹脂が立体構造が大きくもっとも好適である。
【0022】
炭化水素系樹脂は分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂か〜55質量%配合すると最も良い作用、効果を得ることができる。この範囲を下回ると効果が得られにくくなる傾向があり、上回ると磁性表示体の回転を阻害してしまい、良好な表示と消去を害することとなる傾向があるため好ましくない。少量の添加で大きく作用するという効果が安定性などの面で非常に重要で、芳香族炭化水素系樹脂の場合1〜30質量%、脂環族炭化水素系樹脂の場合1〜30質量%と分子構造により差があり、その他の点を含めて脂環族飽和炭化水素樹脂が立体構造が大きく好適であることがわかる。
【0023】
本発明で使用する炭化水素系樹脂としては、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂、それらの変性物、誘導体などがある。脂肪族炭化水素樹脂としてはポリブテン、流動パラフィン等があり、脂環族炭化水素系樹脂としてはアルコンP−70(荒川化学工業社製)、アルコンP−90(同社製)、アルコンP−100(同社製)、アルコンP−115(同社製)、アルコンP−120(同社製)、アルコンP−125(同社製)、アルコンP−140(同社製)、アルコンM−90(同社製)、アルコンM−100(同社製)、アルコンM−115(同社製)、アルコンM−135(同社製)、クイントン1325(日本ゼオン社製)、クイントン1345(同社製)、エスコレッツ5380(トーネックス化学社製)、エスコレッツ5300(同社製)、エスコレッツ5320(同社製)、エスクリスタルA−100(新日鉄化学社製)、エスクリスタルA−120(同社製)、エスクリスタルA−100S(同社製)、エスクリスタルA−120S(同社製)等がある。芳香族系炭化水素樹脂としては、YSレジンTO−85(ヤスハラケミカル社製)、YSレジンTO−105(同社製)、YSレジンTO−115(同社製)、YSレジンTO−125(同社製)、YSレジンTR−105(同社製)、YSポリスターU115(同社製)、YSポリスター2130(同社製)、YSポリスター2115(同社製)、YSポリスター2100(同社製)、YSポリスターT130(同社製)、YSポリスターT115(同社製)、YSポリスターT100(同社製)、YSポリスターT80(同社製)、YSポリスターN125(同社製)、マイティーエースG150(同社製)、マイティーエースG125(同社製)、YSポリスターTH130(同社製)などがあり、テルペン系炭化水素樹脂としては、クリアロンP−85(同社製)、クリアロンP−105(同社製)、クリアロンP−115(同社製)、クリアロンP−125(同社製)、YSレジンPX−1000(同社製)、YSレジンPX−800(同社製)、YSレジンD−105(同社製)、YSレジンD−115(同社製)、YSレジンA−800(同社製)などが、芳香族変性テルペン樹脂としては、クリアロンM−105(同社製)、クリアロンM−115(同社製)、クリアロンK−100(同社製)、クリアロンK−4090(同社製)等がある。好ましくは、脂環族飽和炭化水素系樹脂が良い。これらは単独または混合して使用することもできる。
【0024】
磁性表示体分散液を保持する方法としては特に限定されず、間隔を設けて配設した二枚の周辺を封じた支持体、この二枚の基板間に正六角形のハニカムセルを配置した支持体、基板にカプセルを配置した支持体等が適宜使用される。
【0025】
【実施例】
本発明の実施例を述べるが、本発明は本実施例によって限定されるものではない。
【0026】
実施例1
分散媒として20℃における粘度が3.2mPa・Sであるイソパラフィン(エツソ化学社製:商品名アイソパーM)70.0質量部と、増稠剤としてエチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アマイド(伊藤製油社製:商品名ITOHWAX J−530)を30.0質量部の割合で加え、これを加熱溶解した後に冷却し、増稠剤ペーストを配合した。次にイソパラフィン89.2質量部に脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業社製:商品名アルコンP100)を分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂からなる分散媒系の全量に対し2.8質量%となるように加え、攪拌溶解し、上記増稠剤ペーストを8.0質量部、帯電防止剤(E.I.デュボン社製:商品名STADIS−450)0.15質量部を添加、攪拌し、降伏値が1.14N/m2であり、20℃における粘度が110mPa・Sの塑性分散液を得た。
降伏値の測定方法は従来から行われているのと同様にブルックフィールド型粘度計(東京計器社製BL型)を用い、分散液を低速で回転させた時のローターのねじれ角度を読み取る方法で測定した。使用したローターは上記BL型粘度計に付属の2号ローターを使用した。
次に、この塑性分散液に緑/白二色に塗り分けられた箔片状の磁性表示体を、分散液100質量部に対し磁性表示体10質量部の割合で配合し攪拌を行い、分散液中に磁性表示体が均一に分散してなる分散液体を得た。
さらに引き続き、この分散液体を板厚が0.125mmの塩化ビニル樹脂フィルムに接着剤を用いて片面に接着したセルサイズ3.5mm、正六角形状で高さ1.0mmの塩化ビニル樹脂製ハニカムセルの多セル構造物のセル内に充填し、その後、多セル構造物の開放面を厚み0.05mmの塩化ビニル樹脂フィルムで接着剤を用いて被覆し、セル中に分散液体を封入して表示パネルを得た。
このパネルの片側に磁石のS極を接触させ、ハニカムセル内の二色に塗り分けられた磁性表示体を表面側に片寄せて粒子どうしが一部重なりつつ整列するように並べながら緑色の表示面を形成させた。次に、この表示面に対し、表面の塩化ビニル樹脂フィルムの上から磁石のN極で筆記操作を行い、緑色の表示面に磁石のN極が通過した部位だけ白色の鮮明な表示を得ることができた。
次に、再び磁石のS極を用いて白色の表示部分を上から擦るように操作したところ白色面を表面に向けていた磁性表示体が反転し、再び緑色の表示面を戻すことができた。その際の評価は表2に示す。
なお、30日経過後の粘度をE型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−2型)を用い測定した。測定にあたっては、20℃で分散液を100rpm/1min、回転させた後、続けて10rpm/5minにて測定した際の値を用いた。使用したジェオメトリーは上記E型粘度計に付属のCP−42コーンスピンドルを使用した。
【0027】
実施例2〜8
増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分散液の配合組成を表1に記載の通りにした以外は実施例1と同様にしてそれぞれ分散液体を得た。
その後、実施例と同様にパネル化して評価を行った。評価結果は表2に示す。
【0028】
実施例9
実施例1と同様にして調整した分散液体を用い、オリフイス法により約内径2mmの球状カプセルを形成した。
カプセルの膜材としてアルギン酸ナトリウムの0.5%水溶液を用い、同心円状に設けられた二重ノズルの外側から膜材の水溶液を押出しつつ、内側のノズルからは磁性表示体を分散させた分散液体を押出し、圧力と速度を制御してカプセルの形状、大きさを整えた。ノズルから押出したカプセルは塩化カルシウム1%水溶液の中に滴下し、膜材中のアルギン酸ナトリウムゾルを化学的ゲル化剤である塩化カルシウムと反応させることでゲル皮膜を形成することで安定したカプセルとした。得られたカプセルの粒径は、約2mmである。
このカプセルを深さ2mmの塩化ビニル製トレーに隙間なく並べ、塩ビフィルムを重ねた後にトレーのフランジ部分と塩ビフィルムとを熱融着して、表示パネルを得た。このパネルの上面から筆記、消去を行ったところ、好適に筆記消去ができた。評価結果は表2に示す。
【0029】
【表1】
*1・・・荒川化学工業社製 アルコンP−100:分子量610
*2・・・荒川化学工業社製 アルコンP−140:分子量860
*3・・・荒川化学工業社製 アルコンM−100:分子量620
*4・・・ヤスハラケミカル社製 クリアロンP−115:分子量650
*5・・・ヤスハラケミカル社製 クリアロンP−125:分子量700
*6・・・ヤスハラケミカル社製 クリアロンM−115:分子量650
*7・・・ヤスハラケミカル社製 YSレジンTO125:分子量800
【0030】
比較例1
増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分散液の配合組成を表1の通りとした以外は実施例1と同様にした結果、降伏値1.31N/m2の塑性分散液を得た。
この分散液100質量部に、実施例1と同様の方法で調整した磁性表示体10質量部を加えて攪拌し、分散液体を得た。その後、実施例1と同様にパネル化して表示パネルを得た。
この表示パネルを実施例1と同様にパネル表面から磁石のN極を接触させ、表示面側に磁性表示体を引き付け白色面側を表面板側に向けて整列させた後、磁石のS極を表示面板に接触させて筆記を行ってみたところ、当初、表示を行うことができたが、当該樹脂が配合されていないため経時安定性に欠けるものであった。
【0031】
試験および評価
前記各実施例および比較例における磁性体反転表示パネルにおいて、下記の項目について試験を行い、評価を行った。尚、表示パネルの筆記と消去の操作の説明は、次の通りである。
a)表示面緑色形成
表示パネルの表示面側に消去具のS極を接触させ消去操作を行い、パネル内の2色に塗り分けられた磁性表示体のN極面(緑色)を表示面側に片寄せて粒子同士が一部重なりつつ整列するように並べながら表示パネルの全表示面をN極面(緑色)で形成させる。
b)筆記操作
表示パネルの表示面側に筆記具である磁気ペンのN極を接触して筆記操作を行い、パネル内の磁性表示体のN極面(緑色)を反転させ、S極面(白色)を表示することで筆記線を形成する。
c)消去操作
表示パネルに表示されている筆記線を消去具のS極で消去操作を行い、磁性表示体のS極面で形成されている筆記線をN極面(緑色)に反転させ消去する。
(1)鮮明性
筆記した時の筆記線の状態を、目視観察した。
○・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されている。
×・・・筆記部分の幅が一定でなく、また全体にぼけた状態で
表示されている。
(2)経時安定性
磁性体反転表示パネルを通常の環境下で静止状態のまま30日間放置
した後、筆記と消去を行った時の筆記性能と消去性能を調べ、あわせて
分散液の経時後の粘度を作成直後と同様にして測定した。なお、各粘度
は、より明確な効果を確認するため、磁性表示体を配合する前の分散液
を予め用意しておき、測定した。
▲1▼筆記性能
◎・・・筆記部分の幅が一定で、非常に鮮明に表示されている。
○・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されている。
△・・・筆記部分が掠れて表示されている。
×・・・筆記不能であった。
▲2▼消去性能
◎・・・1〜5回の消去操作で完全に消去できた。
○・・・6〜10回の消去操作で完全に消去できた。
△・・・11〜200回の消去操作で完全に消去できた。
×・・・200回の消去操作でも完全に消去できず、残像した。
【0032】
各試験における評価結果は粘度測定値を表1に、それ以外を表2に示す。
【表2】
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁性体反転表示パネルは当初の表示と消去が良好であり、表示、消去を繰り返しても筆記性と表示性が変化せず、初期状態および長期間経時放置後の内包液の物性が大きく変化せず、チクソトロピック性を抑制することのできる優れた効果を奏するものである。
Claims (10)
- 磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に分子量400〜900の炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネル。
- 磁極の色が異なる微小粒子状の磁性表示体、分散媒および増稠剤を主成分とする降伏値を有する分散液と前記分散液を保持する支持材とを備えた磁性体反転表示パネルにおいて、該分散液に環式炭化水素系樹脂を配合したことを特徴とする磁性体反転表示パネル。
- 炭化水素系樹脂の分子量が550〜900である請求項1または2のいずれかに記載の磁性体反転表示パネル。
- 炭化水素系樹脂が脂環族炭化水素系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、テルペン系樹脂から選ばれた1種または2種以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
- 炭化水素系樹脂が脂環族飽和炭化水素系樹脂である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
- 炭化水素系樹脂を分散媒、増稠剤および炭化水素系樹脂からなる分散媒系の全量に対し1〜55質量%配合したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁性体反転表示パネル。
- 増稠剤が水酸基を有する脂肪酸ビスアマイド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アルキルアマイドから選んだ1または2以上である請求項1ないし6のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
- 分散媒がイソパラフィンである請求項1ないし7のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
- 磁性表示体を分散した分散液の保持が、二枚の基板間に分散液を封入した保持である請求項1ないし8のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
- 磁性表示体を分散した分散液の保持がカプセルに分散液を封入して支持体に配置した保持である請求項1ないし8のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198543A JP2004038074A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 磁性体反転表示パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002198543A JP2004038074A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 磁性体反転表示パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004038074A true JP2004038074A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31705969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002198543A Pending JP2004038074A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 磁性体反転表示パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004038074A (ja) |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198543A patent/JP2004038074A/ja active Pending
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