JP2003015172A - 磁性体反転表示パネル - Google Patents

磁性体反転表示パネル

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JP2003015172A
JP2003015172A JP2002066292A JP2002066292A JP2003015172A JP 2003015172 A JP2003015172 A JP 2003015172A JP 2002066292 A JP2002066292 A JP 2002066292A JP 2002066292 A JP2002066292 A JP 2002066292A JP 2003015172 A JP2003015172 A JP 2003015172A
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博史 清本
Tadashi Komatsuzawa
正 小松澤
Norihide Kawasaki
紀英 川崎
Taro Totsuka
太郎 戸塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆記と消去を繰り返しても筆記性と消去性が
変化せず、また長期間放置しても内包液の特性や状態が
良好に維持される磁性体反転表示パネルを提供する。 【解決手段】 磁極を異なる色に着色して色分けした微
小粒子状の磁性表示体と分散媒であるイソパラフィンと
増稠剤を主成分とした降伏値を有する分散液を支持材に
より保持し、微小粒子状の磁性表示体のS面又はN面の
面積の合計を表示パネルの表示面の面積の60〜500
%とした磁性体反転表示パネルにおいて、脂肪族炭化水
素系樹脂及び/または石油系樹脂を3重量%以上配合し
たことを特徴とする、磁性体反転表示パネルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石により磁性表
示体を反転して表示を形成し、同じ面から磁石により反
転して表示を消去する、磁性体反転表示パネルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来用いられている磁気表示パネルは、
微小粒の磁性体を分散液に分散し、磁石を一面から作用
させてその面に該磁性粒子を泳動させて表示を形成し、
不要となれば反対面から磁石を作用して磁性粒子を沈降
させて表示を消去するものである。この磁気表示パネル
は消去をパネルの裏面から行わなければならないので装
置が複雑かつ、大型となる欠点があった。また、表示パ
ネルに該磁性粒子を泳動した時、不要な表示部分のみを
消去させるのは困難であった。また特公昭59−327
96号には表示磁性粒子を反転させて表示を行う磁気表
示パネルが提案されている。このパネルは残留磁気モー
メントが0.2〜10emu/g で、保磁力が500エルス
テッド以上の磁性粒子を分散した降伏値5N/m2 以上
の分散液を用いるものである。ところが、このパネルは
磁石で磁性粒子を反転させて表示を行っても、また消去
を行ってもコントラストが小さく、鮮明さに欠ける問題
があった。また、本出願人は先に特願2000−547
50号で、磁極を異なる色に着色して色分けした微小粒
子状の磁性表示体と分散媒と増稠剤を主成分とした降伏
値を有する分散液を支持材により保持した反転磁気表示
パネルにおいて、微小粒子状の磁性表示体のS面又はN
面の面積の合計が表示パネルの表示面の面積の60〜5
00%であることを特徴とする磁性体反転表示パネルを
提案した。この発明の磁性体反転表示パネルはコントラ
ストが良く、鮮明な表示を行うことができ、優れた効果
を奏するものであるが、長期間放置すると分散液の粘度
が高くなる傾向がみられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は磁性表示体を
反転して表示を行うパネルの表示、消去を繰り返しても
筆記性と消去性が変化せず、また長期間放置しても内包
液の物性が良好に維持されるように、さらに性能を向上
させた磁性体反転表示パネルを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 磁極を異なる色に着色して色分けした微小粒子
状の磁性表示体と分散媒であるイソパラフィンと増稠剤
を主成分とした降伏値を有する分散液を支持材により保
持し、微小粒子状の磁性表示体のS面又はN面の面積の
合計を表示パネルの表示面の面積の60〜500%とし
た磁性体反転表示パネルにおいて、脂肪族炭化水素系樹
脂及び/または石油系樹脂を3重量%以上配合したこと
を特徴とする、磁性体反転表示パネル。 2. 前記微小粒子状の磁性表示体のS面又はN面の面
積の合計が表示パネルの表示面の面積の75〜350%
である、1項に記載された磁性体反転表示パネル。 3. 脂肪族炭化水素系樹脂が水素添加テルペン樹脂、
ポリブテン、パラフィンから選んだ1または2以上であ
る、1項または2項に記載された磁性体反転表示パネ
ル。 4. 石油系樹脂が炭素数4〜5の炭化水素留分とスチ
レン類との共重合体である、1項または2項に記載され
た磁性体反転表示パネル。 5. 増稠剤が水酸基を有する脂肪酸ビスアマイド、水
添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アルキルアマイドから
選んだ1または2以上である、1項ないし4項のいずれ
か1項に記載された磁性体反転表示パネル。 6. 色分けした微小粒子状の磁性表示体が特定の色の
合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に磁性粒子を分散
した層の片面に他の色の着色組成物を塗布した層状体を
裁断または粉砕してなる磁性表示体である、1項ないし
5項のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネ
ル。 7. 磁性表示体が特定の色の合成樹脂及び/または合
成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に他の色の
着色シートをラミネートした層状体を裁断または粉砕し
てなる磁性表示体である、1項ないし5項のいずれか1
項に記載された磁性体反転表示パネル。 8. 磁性表示体を分散した分散液が、降伏値0.15
〜7.5N/m2 で粘度3〜350mPa・sの分散液である、
1項ないし7項のいずれか1項に記載された磁性体反転表
示パネル。 9. 磁性表示体を分散した分散液が、降伏値0.92
〜7.5N/m2 で粘度8〜350mPa・sの分散液である、
1項ないし8項のいずれか1項に記載された磁性体反転表
示パネル。 10. 磁性表示体を分散した分散液の保持が、二枚の
基板間に分散液を封入した保持である、1項ないし9項
のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。 11. 磁性表示体を分散した分散液の保持が、カプセ
ルに分散液を封入して支持体に配置した保持である、1
項ないし10項のいずれか1項に記載された磁性体反転
表示パネル。 12. 磁性表示体を分散した分散液が帯電防止剤を配
合した分散液である、1項ないし11項のいずれか1項
に記載された磁性体反転表示パネル。」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる磁性表示体はN極
とS極の二磁極を夫々異なる色に着色して色分けした磁
性体であり、この磁性体が磁気により反転して表示を形
成するのである。例えば、筆記用磁石のS極でパネルの
表示面を掃くと磁性体のN極面がパネル表面に並びN極
面の色となる。この面を磁気ペンのN極で書くと、磁性
体は反転してS極面が表われ、その色で表示が形成され
る。再び磁気ペンのS極で掃けば反転し表示は消える。
本発明では磁性表示体のS極またはN極の表面積の合計
が表示パネルの表示面の面積の60〜500%、好まし
くは75%〜350%であることが必要である。 表示
パネルの表示面の面積は、磁性表示体を分散した分散液
を封入した表示パネルとして表示を行う平面の面積を意
味する。
【0006】従来の磁性体反転表示パネルの表示が不鮮
明であったのは、表示を行う磁性体のS極またはN極の
表面積がパネルの表示面の面積に対し適切でないために
発生することが本発明者により解明された。表示を行う
磁性体のS極またはN極の表面積がパネルの表示面の面
積の60%より小さいと、表示された色が淡く、しかも
背景である支持体の色との色差が小さくなるためコント
ラストが弱く表示は不鮮明になる。一方500%より大
きくなると、磁性体が互いに干渉する度合が密になりす
ぎるので反転が不良となり反転しないもの、S極とN極
の境面が表われるもの、等が発生するため表示はこれ等
の混合色ととなり、鮮明な表示が形成できない。
【0007】磁性表示体を分散した分散液は特定の降伏
値と粘度を持たなければならない。降伏値は、分散液体
中の磁性表示体が適正に分散されるためと沈降防止に必
要となるものである。粘度は、表示パネルに磁気をかけ
た時に磁気をかけた部分のみ反転するのに必要となるも
のである。すなわち、降伏値0.15〜7.5N/m 2
で粘度3〜350mPa・sの分散液であることが好ましい。ア
エロジルなどの無機物でも降伏値を付与することはでき
るが、無機増稠剤は時間の経過とともに粘度と降伏値が
変化する欠点がある。ところが、脂肪酸ビスアマイド、
水添ヒマシ油、N-アシルアミノ酸アマイドから選んだ有
機増稠剤は磁性表示体分散液に降伏値を付与するが、時
間が経過しても粘度と降伏値が変化しにくい利点がある
ので好ましい。降伏値0.15〜7.5N/m2 、粘度
3〜350mPa・sの範囲外になると形成した表示の維持安定
性が劣化したり、また磁気ペンで書いたとき周辺の磁性
体が集まるので、磁性体の分布が不均一になり反転して
表示を形成する付近と、その周縁部で反転しない磁性体
で形成される表示の背景の色が変化するので全体として
ボケた表示となり、鮮明性が劣化する。
【0008】本発明で使用する磁性表示体は、S極面と
N極面を異なる色で着色されていれば、形状には特に限
定されないが、磁気ペンで書いたときの表示形成性と形
成された表示の鮮明性から色分けした微小粒子状の磁性
表示体が、特定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組
成物に磁性粒子を分散した層の片面に、他の色の着色組
成物を塗布した層状体を裁断または粉砕してなる磁性表
示体または、磁性表示体が特定の色の合成樹脂及び/ま
たは合成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に他
の色の着色シートをラミネートした層状体を裁断または
粉砕してなる磁性表示体が好ましい。本発明者の研究に
よると磁性表示体は反対極の磁力を作用させると反転す
るが、偏平状ないし箔片状の磁性体は重なった状態でず
れながら反転するので、表示の形成速度が大きいだけで
なく、反転しないもの、不完全な反転のものが混在する
ことが少なく、鮮明な表示が形成されるので好ましい。
そして特に偏平状や箔片状の磁性表示体の場合、磁性表
示体のS極またはN極の面積の合計がパネルの表示面積
の500%以上になると、互いに干渉して重なってずれ
ながら反転することができなくなるので注意する必要が
ある。
【0009】磁性表示体は反転時に互いに擦れ静電気が
帯電する傾向があり、特に偏平状や箔片状の磁性表示体
の場合は、重なってずれながら反転するので帯電し易
い。磁性表示体が帯電すると磁性表示体が凝集してしま
い、磁気ペンで磁気をかけてもスムーズに反転しなくな
ったり、また反転しないものも出てくる。これが原因
で、色分けした磁性表示体の鮮明な表示が得られなくな
る場合があるので好ましくない。磁性表示体の分散液に
帯電防止剤を配合すると良好な表示が得られる。
【0010】帯電防止剤としては、ポリブテン硫酸化
物、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、アミノエタ
ノール・エピクロルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼ
ンスルホン酸、アルキルサリチル酸金属塩、スルホコハ
ク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸金属塩から1種または2種以上を選択して
用いられるが、特にポリブテン硫酸化物、脂肪族アルキ
ル第4級アンモニウム塩、アミノエタノール・エピクロ
ルヒドリン重縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸の混
合物やアルキルサリチル酸クロム塩、スルホコハク酸カ
ルシウム塩、ポリマーの混合物が好ましい。
【0011】本発明は磁性表示体を分散する分散媒とし
てイソパラフィンを使用し、脂肪族炭化水素系樹脂及び
/又は石油系樹脂を3重量%以上配合する。このよう
に、分散媒としてイソパラフィンを使用し、脂肪族炭化
水素系樹脂及び/又は石油系樹脂を3重量%以上配合す
ることによって、500回以上の筆記と消去を繰り返し
ても筆記性と消去性に変化は生ぜず、また長時間放置し
ておいても、分散液の物性が変化せず、筆記性と消去性
は劣化しない。脂肪族炭化水素系樹脂や石油系樹脂の配
合量が3重量%未満では十分な効果が得られなくなるの
で好ましくない。
【0012】磁性表示体を分散する分散媒としてイソパ
ラフィンを使用し、脂肪族炭化水素系樹脂及び/又は石
油系樹脂を3重量%以上を使用すると500回以上の多
数回の筆記と消去の繰り返しや、長期間の放置によって
も、筆記性と消去性が劣化しないのか、学問的理由の解
明は必ずしも充分ではないが、反復再現性があることか
ら、分散媒としてイソパラフィンを使用し、脂肪族炭化
水素系樹脂及び/又は石油系樹脂を3重量%以上使用す
ることにより長期の使用や放置によって磁性表示体分散
液に水素結合が生じ、粘度を増加することを防止するた
めであると本発明者は考えている。
【0013】脂肪族炭化水素系樹脂としては、水素添加
テルペン樹脂、ポリブテン等が使用され、石油系樹脂と
しては、炭素数4〜5の炭化水素留分とスチレン類との
共重合体が使用される。勿論、これ等の樹脂を併用して
もよい。ポリブテンにはイソパラフィンも包含される。
磁性表示体分散液を保持する支持体としては特に限定さ
れず、間隔を設けて配設し二枚の周辺を封じた支持体、
この二枚の基板間に正六角形のハニカムセルを配置した
支持体、基板にカプセルを配置した支持体等が適宜使用
される。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を述べるが、本発明は本実施
例によって限定されるものではない。 実施例1 厚さ25μmのPETフィルム上に表1に示す配合
(A)の組成からなる緑色に着色した磁性インキを次の
手段で調整、塗工乾燥し、緑色の磁性シートを得た。こ
の時、磁性インキ層の厚みは10μmであり、塗工重量
は14.0g/m2であった。 (手順1)配合(A)に記載した割合でMEKに樹脂を
溶解し、これに磁性粉を加えた後にアトライタで1時間
分散した。 (手順2)この分散液に、MEKに顔料を分散した御国
色素株式会社製の青色インキ、黄色インキならびに白色
インキを配合(A)の割合で加えた後に混合撹拌し、緑
色を呈する磁性インキを得た。 (手順3)この磁性インキをダイコーターを用いて30
m/分の速度で塗工、乾燥し上述の緑色磁性シートを得
た。次に、このシートの緑色磁性層上に表2に示す配合
(B)の白色インキを塗工乾燥し、緑色磁性層に積層し
た。この白色インキ層の厚みは18μmであり、塗工重
量は35.3g/m2であった。このようにして先に塗
工した緑色の磁性インキ層と合わせ、厚さ28μm、塗
工量49.3g/m2の二色シートをベースフィルム上
に形成した。引き続いて、この二色層をベースフィルム
ごと着磁し、緑色側をN極、白色側がS極とした後に二
色シートをベースフィルムから剥離し、薄片とし、さら
に乳鉢で微粉砕してからふるい分けを行って、粒子径が
63〜212μmの範囲にある緑/白二色に塗り分けら
れた磁性表示体を得た。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】次に、分散媒として25℃における粘度が
2.0mPa・sであるイソパラフィン(エッソ化学株
式会社製:商品名アイソパーM)70重量部と、増稠剤
としてエチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸ア
マイド(伊藤製油株式会社製:商品名ITOHWAX
J−530)を30重量部の割合で加え、これを加熱溶
解した後に冷却し、増稠剤ペーストを配合した。次にイ
ソパラフィン86.85重量部に水素添加テルペン樹脂
(安原油脂工業株式会社製:商品名クリアロンP−11
5)を5.00重量部を加えて撹拌熔解し、上記増稠剤
ペーストを8.00重量部、帯電防止剤(E.I.デュ
ポン社製:商品名STADIS−450)0.15重量
部を添加、撹拌し、降伏値が1.80/m2であり、2
5℃における粘度が21mPa・sの塑性分散液を得
た。降伏値の測定方法は従来から行われているのと同様
にブルックフィールド型粘度計(東京計器株式会社製B
L型)を用い、分散液を低速で回転させた時のローター
のねじれ角度を読み取る方法で測定した。使用したロー
ターは上記BL型粘度計に付属の2号ローターを使用し
た。また、粘度の測定に関してはストレス制御式レオメ
ーター(英国キャリメ社製CSL−100)を用い、シ
ェアストレス10Paの条件における値を測定した。さ
らに引き続き、この塑性分散液に緑/白二色に塗り分け
られた磁性表示体を、分散液100重量部に対し磁性表
示体10重量部の割合で配合し撹拌を行い、分散液中に
磁性表示体が均一に分散してなる分散液体を得た。この
分散液の比重を測定したところ0.88であった。次
に、この分散液体を板厚が0.15mmの塩化ビニル樹
脂フィルムに接着剤を用いて片面に接着した、セルサイ
ズ3mm、正六角形状で高さ0.8mmの塩化ビニル樹
脂製ハニカムセルの、多セル構造物のセル内に充填し、
その後、多セル構造物の開放面を厚み0.08mmの塩
化ビニル樹脂フィルムで接着剤を用いて被覆し、セル中
に分散液体を封入して表示パネルを得た。この時、表示
パネルの表示面に対してパネル中に包含される磁性表示
体の一方の色の面積の総和の割合は以下の計算により1
30%であった。 セルサイズammであるハニカムセルの表示面積は
Sハニカム=(√3/2)×a2となる。したがって、
セルサイズ3mmのハニカムセルではSハニカム=3×
3×√3÷2=7.794mm2 一方、磁性表示体の一色側の層面積の和は S粒子=セル体積×内包液比重×粒子濃度÷粒子比重÷
粒子厚みとなるから S粒子=7.794×0.8×0.88×(10÷11
0)÷(49.3÷28)÷0.028=10.12m
2 したがって、ハニカムの面積に対する磁性表示体の
一方の面の層面積の割合は 10.12÷7.794×100=130(%)とな
る。 このパネルの片側に磁石のS極を接触させ、ハニカムセ
ル内の二色に塗り分けられた磁性表示体を表面側に片寄
せて粒子どうしが一部重なりつつ整列するように並べな
がら緑色の表示面を形成させた。次に、この表示面に対
し、表面の塩化ビニル樹脂フィルムの上から磁石のN極
で筆記操作を行い、緑色の表示面に磁石のN極が通過し
た部位だけ白色の鮮明な表示を得ることができた。次
に、再び磁石のS極を用いて白色の表示部分を上から擦
るように操作したところ白色面を表面に向けていた磁性
表示体が反転し、再び緑色の表示面を戻すことができ
た。
【0018】実施例2 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値が1.85N/m2であり、25
℃における粘度が50mPa・sである分散液を得た。
この分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調
整した磁性表示体5重量部を加えて撹拌し、分散液体を
得た。この分散液体の比重を測定したところ、0.85
であった。次に、この分散液体を板厚が0.125mm
のポリエステルフィルムに接着剤を用いて片面に接着し
たセルサイズ3mmで正六角形状で、高さが0.8mm
のポリエステルフィルム製ハニカムからなる多セル構造
物のセル内に充填し、その後、多セル構造物の開放面を
厚み0.05mmのポリエステルフィルムで接着剤によ
り被覆し、セル中に分散液体を封入して表示パネルを得
た。この時、表示パネルのハニカムセルの表示面積は前
述の計算式より7.794mm2となり、一方、磁性表
示体の一方の色の表示面積の総和は5.12mm2とな
ることから表示面積に対する磁性表示体の一色の面の表
示面積の割合は66%である。この表示パネルを白色板
の上に置き、パネルの表面側から磁石のN極を接触さ
せ、ハニカム内の二色に塗り分けられた磁性表示体をパ
ネルの表面側に片寄せると共に磁性表示体の白色面は表
面側に向くように整列させ、白色の表示面を形成させ
た。次にこの表示面に対し、表面にポリエステルフィル
ムの上から磁石のS極で筆記操作を行ったところ、該磁
石の通過した部位に対応した磁性表示体が反転し、緑色
の表示を視認することができた。
【0019】実施例3 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値3.00N/m2であり、25℃
における粘度が25mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に対し、実施例1と同様に磁性表
示体40重量部を加えて分散液体とし、分散液体を板厚
が0.125mmのポリエステルフィルムに接着剤を用
いて片面に接着したセルサイズ3mmで正六角形状で、
高さが0.8mmのポリエステルフィルム製ハニカムか
らなる、多セル構造物のセル内に充填した後に多セル構
造物の開放面を厚み0.1mmのポリエステルフィルム
を接着剤により被覆し、セル中に分散液体を封入して表
示パネルを得た。この時、セル中に含まれる分散液体の
比重は1.07で、磁性表示体の一方の色の表示面積の
総和は前述の計算式により38.67mm2となり、し
たがって、表示面積に対する磁性表示体の一色の表示面
積の総和の割合は496%でああった。この表示パネル
の片側の表示面に磁石のS極を接触させ、ハニカムセル
内の磁性表示体の緑色の面が表示パネルの表面に接する
ように一部重なりつつ整列して緑色の表示面を形成させ
た。次にこの表示面に磁石のN極で筆記を行ったとこ
ろ、実施例1と同様に筆記した部位には鮮明な白色の記
録を行うことができた。また、このパネルの表面を全面
に渡って磁石のN極を接触させ、ハニカムセル内の磁性
表示体を表面側に白色が位置するように反転させた後、
今度はS極の筆記磁石を用い、筆記を行ったところ、磁
石のS極が通過した部位に対応してハニカムセル内の磁
性表示体が反転し、表面側に緑面が現れ白地に緑の鮮明
な表示を行うことができた。
【0020】実施例4 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値0.92N/m2であり、25℃
における粘度が10mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体5重量部を加えて撹拌し、分散液体を得
た。この分散液体の比重を測定したところ0.84であ
った。次にこの分散液体を実施例1と同様に多セル構造
物のセル中に封入した表示パネルを得た。このパネルに
おける磁性表示体の一色の表示面積の総和は前述の計算
方法から5.06mm2となり、表示面積に対する磁性
表示体の一色の表示面積の総和の割合は65%であっ
た。この表示パネルの片面の表示面に磁石のS極を接触
させ、ハニカムセル内の磁性表示体の緑色の面が表示パ
ネルの表面フィルム内面に接するようにして、一部重な
りつつ整列し緑色の表示面を形成させた。次にこの表示
面に磁石のN極で筆記を行ったところ、実施例1と同様
に筆記した部位には鮮明な白色の記録を行うことができ
た。また、このパネルの表面を全面にわたって磁石のN
極に接触させ、ハニカムセル内の磁性表示体を裏面側に
白色が位置するように反転させた後、今度は磁石のS極
を用い、筆記を行ったところ、磁石のS極が通過した部
位に対応してハニカムセル内の磁性表示体が反転し、表
面側に緑面が現れ白地に緑色の鮮明な表示を行うことが
できた。
【0021】実施例5 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値0.92N/m2であり、25℃
における粘度が15mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体15重量部を加えて撹拌し、分散液体を
得た。この分散液体の比重を測定したところ、0.93
であった。この分散液体を実施例1と同様にしてセルサ
イズ3mmで高さ0.8mmの塩化ビニル樹脂からなる
多セル構造物に封入し、表示面積に対する磁性体一色の
総面積の割合が197%となる表示パネルを作成した。
この表示パネルの片側の表示面に磁石のS極を接触さ
せ、ハニカムセル内の磁性表示体の緑色の面が表示パネ
ルの裏面フィルム内面に接するようにして、一部重なり
つつ整列し緑色の表示面を形成させた。次にこの表示面
に磁石のN極で筆記を行ったところ、実施例1と同様に
筆記した部位には鮮明な白色の記録を行うことができ
た。また、このパネルの表面を全面にわたって磁石のN
極に接触させ、ハニカムセル内の磁性表示体を表面側に
白色が位置するように反転させた後、今度は磁石のS極
を用い、筆記を行ったところ、磁石が通過した部位に対
応してハニカムセル内の磁性表示体が反転し、表面側に
緑面が現れ白地に緑色の鮮明な表示を行うことができ
た。
【0022】実施例6 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値3.50N/m2であり、25℃
における粘度が340mPa・sの塑性分散液を得た。
この分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調
整した磁性表示体15重量部を加えて撹拌し、分散液体
を得た。この分散液体の比重を測定したところ、0.9
5であった。この分散液体を実施例1と同様にしてセル
サイズ3mmで高さが0.8mmの塩化ビニル樹脂製ハ
ニカムセルに封入し、ハニカムの面積に対し磁性表示体
の一方の総面積の割合が201%となるパネルを得た。
この表示パネルの片側に磁石のS極を接触させ、ハニカ
ムセル内の二色に塗り分けられた磁性表示体を裏面側に
引き寄せて粒子同士が一部重なりつつ整列するように並
べながら緑色の表示面を形成させた。次にこの表示面
に、表面の塩化ビニルフィルムの上から磁石のN極で筆
記操作を行ったところ、緑色の面に対して磁石のN極が
通過した部位に白色の鮮明な表示が得られた。
【0023】実施例7 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値4.00N/m2であり、25℃
における粘度が280mPa・sの塑性分散液を得た。
この分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調
整した磁性表示体40重量部を加えて撹拌を行って、比
重1.08の分散液体を得た。この分散液体を実施例1
と同様にしてセルサイズ3mmで高さが0.8mmの塩
化ビニル製ハニカムセルに封入し、ハニカムの面積に対
し磁性表示体の一方の総面積の割合が501%となる表
示パネルを得た。このパネルを用いて、実施例1と同様
に磁石による筆記消去を行ったところ、良好な表示を行
うことができた。
【0024】実施例8 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、このペ
ースト8.50重量部にイソパラフィン61.35重量
部、ポリブテン(日本石油化学製:商品名日石ポリブテ
ンLV−7)30重量部、帯電防止剤(E.I.デュポ
ン社製:商品名STADIS−450)0.15重量部
を添加、撹拌し、降伏値が2.00/m 2であり、25
℃における粘度が22mPa・sの塑性分散液を得た。
次に、実施例1の手順に従い、表1の配合(A)のイン
キを用いて厚み10μm、塗工重量14.0g/m2
緑色磁性シートを作製した。次に、片面に離型処理を施
した厚さ38μmのポリエステルフィルム(東洋メタラ
イジング株式会社製セラピール)の離型処理面に表2の
配合(B)の白色インキを塗工し、乾燥後の厚みが8μ
mで、塗工量が35.3g/m2の白色着色シートを作
製し、さらに、この白色着色シートのインキ塗工面に軟
化点が110℃のポリエステル樹脂を2μmの厚さに塗
工した。この後、緑色磁性シートのインキ層の表面と、
白色着色シートの樹脂塗工面を重ね合わせ、140℃で
圧着、一体化し、その状態で着磁を行い緑色側をN極、
白色側をS極とした。引き続いて、一体となったシート
のベースフィルム同士を180度剥離し、38μmのポ
リエステルフィルムを剥がし、25μmのPETフィル
ム上に緑色磁性インキ層、接着層、白色着色層の順に積
層され、緑色磁性インキ層側をN極、白色着色インキ層
側をS極に着磁したシートとし、さらに25μmのPE
Tフィルムから積層した二色の薄片を剥離し、さらに乳
鉢で微粉砕した後にふるい分けを行い、粒径が63〜2
12μmの範囲にある緑/白二色に塗り分けられた磁性
表示体を得た。上記の分散液100重量部に、上記で調
整した磁性表示体10重量部を加えて撹拌を行って、比
重0.89の分散液体を得た。この分散液体を実施例1
と同様にしてセルサイズ3mmで高さが0.8mmの塩
化ビニル製ハニカムセルに封入し、ハニカムの面積に対
し磁性表示体の一方の総面積の割合が131%となる表
示パネルを得た。このパネルを用いて、実施例1と同様
に磁石による筆記消去を行ったところ、良好な表示を行
うことができた。
【0025】実施例9 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、このペ
ースト7.50重量部にイソパラフィン87.35重量
部、石油系樹脂(日本ゼオン社製:商品名クイントンM
−100)5重量部、帯電防止剤(E.I.デュポン社
製:商品名STADIS−450)0.15重量部を添
加、撹拌し、降伏値が1.70/m2であり、25℃に
おける粘度が190mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体10重量部を加えて撹拌を行って、比重
0.89の分散液体を得た。この分散液体を実施例1と
同様にしてセルサイズ3mmで高さが0.8mmの塩化
ビニル製ハニカムセルに封入し、ハニカムの面積に対し
磁性表示体の一方の総面積の割合が131%となる表示
パネルを得た。このパネルを用いて、実施例1と同様に
磁石による筆記消去を行ったところ、良好な表示を行う
ことができた。
【0026】実施例10 実施例1と同様にして調整した分散液体を用い、オリフ
ィス法により約内径2mmの球状カプセルを形成した。
この時、カプセルの内容量は、4.187mm 3で、表
示パネルのカプセルの表示面積は3.14mm2とな
り、一方、磁性表示体の一色の表示面積の総和は6.7
94mm2となることから表示面積に対する磁性表示体
の一色の面の割合は216%となる。カプセルの膜材ア
ルギン酸ナトリウムの0.5%水溶液を用い、同心円状
に設けられた二重ノズルの外側から膜材の水溶液を押出
しつつ、内側のノズルからは磁性表示体を分散させた分
散液体を押出し、圧力と速度を制御してカプセルの形
状、大きさを整えた。ノズルから押出したカプセルは塩
化カルシウム1%水溶液の中に滴下し、膜材中のアルギ
ン酸ナトリウムゾルを化学的ゲル化剤である塩化カルシ
ウムと反応させることでゲル皮膜を形成することで安定
したカプセルとした。得られたカプセルの粒径は、約2
mmである。このカプセルを深さ2mmの塩化ビニル製
トレーに隙間なく並べ、塩化ビフィルムを重ねた後にト
レーのフランジ部分と塩ビフィルムとを熱融着して、表
示パネルを得た。このパネルの上面から筆記、消去を行
ったところ、好適に筆記消去ができた。
【0027】比較例1 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値0.92N/m2であり、25℃
における粘度が14mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体4重量部を加えて撹拌し、分散液体を得
た。この分散液体の比重を測定したところ、0.83で
あった。次に、この分散液体を実施例2と同じ方法で表
示パネルとした。表示パネルのハニカムセルの表示面積
は7.794mm2であり、磁性表示体の一方の色の表
示面積の総和は4.037mm2となることから表示面
に対する磁性表示体の一方の色の面積の合計の割合は5
2%と少ない例である。この表示パネルを実施例2と同
様に白色板の上に置き、パネル表面から磁石のN極を接
触させ、表示面側に磁性表示体を引付け白色面側を表面
板側に向けて整列させた後、磁石のS極を表面板に接触
させて筆記を行ってみたが、目視で充分に識別できるた
めの緑色の表示は得られなかった。
【0028】比較例2 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値3.00N/m2であり、25℃
における粘度が160mPa・sの塑性分散液を得た。
この分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調
整した磁性表示体50重量部を加えて撹拌し、分散液体
を得た。この分散液体の比重を測定したところ、1.1
2であった。次に、この分散液体を実施例2と同じ方法
で表示パネルを作製した。この時の磁性表示体の一方の
色の表示面積の総和は計算式から47.217mm2
なり、したがって、表示面に対する磁性表示体の一方の
色の面積の割合は606%であった。この表示パネルを
用いて表示面の色を緑色にしてから白色の記録を表示し
たが全体としてはやや不鮮明な状態が認められた。ここ
で、このパネルの裏面を確認したところ裏面に接着した
フィルムとハニカムコアとの接着部分に磁性表示体が挟
まれるように入り込んだ状態となっていることが確認さ
れた。この例は、磁性表示体の面積の割合が多すぎる例
である。
【0029】比較例3 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値3.50N/m2であり、25℃
における粘度が45mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体50重量部を加えて撹拌を行って比重
1.11の分散液体を得た。次に、この分散液体を実施
例2と同じ方法で表示パネルを作製した。このときの磁
性表示体の一方の色の表示面積の総和は計算式から4
6.796mm2となり、したがって、表示面に対する
磁性表示体の一方の色の面積の割合は600%であっ
た。この表示パネルを用いて表示面の色を緑色にしてか
ら白色の記録を表示したところ、やや不鮮明であった。
この例は、樹脂の添加量が少なすぎる例である。
【0030】比較例4 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値0.92N/m2であり、25℃
における粘度が11mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体4重量部を加えて撹拌を行って、比重
0.83の分散液体を得た。次に、この分散液体を実施
例2と同じ方法で表示パネルを作製した。このときの磁
性表示体の一方の色の表示面積の総和は計算式から4.
037mm2となり、したがって、表示面に対する磁性
表示体の一方の色の面積の割合は52%であった。この
例は、樹脂の添加量が少なく磁性表示体の面積割合が少
ない例である。この表示パネルを用いて表示面の色を緑
色にしてから白色の記録を表示したところ、比較例1と
同様に不鮮明であった。
【0031】比較例5 増稠剤ペーストを実施例1と同様にして配合し、塑性分
散液の配合組成を表3の通りとした以外は実施例1と同
様にした結果、降伏値1.70N/m2であり、25℃
における粘度が15mPa・sの塑性分散液を得た。こ
の分散液100重量部に、実施例1と同様の方法で調整
した磁性表示体10重量部を加えて撹拌を行って、比重
0.88の分散液体を得た。次に、この分散液体を実施
例2と同じ方法で表示パネルを作製した。このときの磁
性表示体の一方の色の表示面積の総和は計算式から1
0.118mm2となり、したがって、表示面に対する
磁性表示体の一方の色の面積の割合は130%であっ
た。この表示パネルを実施例2と同様に白色板の上に置
き、パネル表面から磁石のN極を接触させ、表示面側に
磁性表示体を引き付け白色面側を表面板側に向けて整列
させた後、磁石のS極を表示面板に接触させて筆記を行
ってみたところ、樹脂量が少なく表示を行うことができ
たが、経時安定性が悪く耐久性が良くなかった。
【0032】
【表3】
【0033】試験および評価 前記各実施例および比較例における磁性体反転表示パネ
ルにおいて、下記の項目について試験を行い、評価を行
った。尚、表示パネルの筆記と消去の操作の説明は、次
の通り。 a)表示面緑色形成 表示パネルの表示面側に消去具のS極を接触させ消去操
作を行い、パネル内の2色に塗り分けられた磁性表示体
のN極面(緑色)を表示面側に片寄せて粒子同士が一部重
なりつつ整列するように並べながら表示パネルの全表示
面をN極面(緑色)で形成させる。 b)筆記操作 表示パネルの表示面側に筆記具である磁気ペンのN極を
接触して筆記操作を行い、パネル内の磁性表示体のN極
面(緑色)を反転させ、S極面(白色)を表 示することで
筆記線を形成する。 c)消去操作 表示パネルに表示されている筆記線を消去具のS極で消
去操作を行い、磁性表示体のS極面で形成されている筆
記線をN極面(緑色)に反転させ消去する。 (1)鮮明性 筆記した時の筆記線の状態を、目視観察した。 ◎・・・・・筆記部分の幅が一定で、非常に鮮明に表示
されている。 ○・・・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されて
いる。 ×・・・・・筆記部分の幅が一定でなく、また全体に暈
けた状態で表示されている。 (2)耐久性 筆記と消去を同一箇所で、連続して500回繰り返した
後、筆記操作を行い筆記線の状態を目視観察した。 ○・・・・・筆記部分の幅が一定で、鮮明に表示されて
いる。 ×・・・・・筆記部分が掠れて表示されている。 (3)経時安定性 磁性体反転表示パネルを通常の環境下で静止状態のまま
30日間放置した後、筆記と消去を行った時の筆記性能
と消去性能を、調べた。 筆記性能 ○・・・・・筆記の追従が良く、また筆記部分の幅が一
定で、鮮明に表示されている。 ×・・・・・筆記の追従が悪く、また筆記部分が掠れて
表示されている 消去性能 ○・・・・・1回の消去操作で筆記部分が薄くなり、3
回の操作で完全に消去でき、残像することがない。 ×・・・・・1回の消去操作で少しは筆記部分が薄くな
るが、10回の操作でも完全に消去することができず、
残像する。 各試験における評価結果は、表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明の磁性体反転表示パネルは表示と
消去が迅速かつ鮮明であり、表示の維持性も良好である
優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 紀英 神奈川県平塚市西八幡1−4−3 株式会 社パイロット平塚工場内 (72)発明者 戸塚 太郎 神奈川県平塚市西八幡1−4−3 株式会 社パイロット平塚工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極を異なる色に着色して色分けした微
    小粒子状の磁性表示体と分散媒であるイソパラフィンと
    増稠剤を主成分とした降伏値を有する分散液を支持材に
    より保持し、微小粒子状の磁性表示体のS面又はN面の
    面積の合計を表示パネルの表示面の面積の60〜500
    %とした磁性体反転表示パネルにおいて、脂肪族炭化水
    素系樹脂及び/または石油系樹脂を3重量%以上配合し
    たことを特徴とする、磁性体反転表示パネル。
  2. 【請求項2】 前記微小粒子状の磁性表示体のS面又は
    N面の面積の合計が表示パネルの表示面の面積の75〜
    350%である、請求項1に記載された磁性体反転表示
    パネル。
  3. 【請求項3】 脂肪族炭化水素系樹脂が水素添加テルペ
    ン樹脂、ポリブテン、パラフィンから選んだ1または2
    以上である、請求項1または2に記載された磁性体反転
    表示パネル。
  4. 【請求項4】 石油系樹脂が炭素数4〜5の炭化水素留
    分とスチレン類との共重合体である、請求項1または2
    に記載された磁性体反転表示パネル。
  5. 【請求項5】 増稠剤が水酸基を有する脂肪酸ビスアマ
    イド、水添ヒマシ油、N−アシルアミノ酸アルキルアマ
    イドから選んだ1または2以上である、請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
  6. 【請求項6】 色分けした微小粒子状の磁性表示体が特
    定の色の合成樹脂及び/または合成ゴム組成物に磁性粒
    子を分散した層の片面に他の色の着色組成物を塗布した
    層状体を裁断または粉砕してなる磁性表示体である、請
    求項1ないし5のいずれか1項に記載された磁性体反転
    表示パネル。
  7. 【請求項7】 磁性表示体が特定の色の合成樹脂及び/
    または合成ゴム組成物に磁性粒子を分散した層の片面に
    他の色の着色シートをラミネートした層状体を裁断また
    は粉砕してなる磁性表示体である、請求項1ないし5の
    いずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
  8. 【請求項8】 磁性表示体を分散した分散液が、降伏値
    0.15〜7.5N/m2 で粘度3〜350mPa・sの分散液
    である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された磁
    性体反転表示パネル。
  9. 【請求項9】 磁性表示体を分散した分散液が、降伏値
    0.92〜7.5N/m2 で粘度8〜350mPa・sの分散液
    である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された磁
    性体反転表示パネル。
  10. 【請求項10】 磁性表示体を分散した分散液の保持
    が、二枚の基板間に分散液を封入した保持である、請求
    項1ないし9のいずれか1項に記載された磁性体反転表
    示パネル。
  11. 【請求項11】 磁性表示体を分散した分散液の保持
    が、カプセルに分散液を封入して支持体に配置した保持
    である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載され
    た磁性体反転表示パネル。
  12. 【請求項12】 磁性表示体を分散した分散液が帯電防
    止剤を配合した分散液である、請求項1ないし11のい
    ずれか1項に記載された磁性体反転表示パネル。
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