JP2004037714A - 液晶表示装置、光学補償シート、偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏光膜と、その両側に偏光板保護フィルムAおよびBを有し、該偏光板保護フィルムが双方とも活性線硬化樹脂層を有するベンド配向型液晶表示装置用である、透湿度等の特定条件を満たすことを特徴とする偏光板。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光板および該偏光板を用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、偏光板と液晶セルから構成されている。現在主流であるTN(Twisted Nematic)モードTFT(Thin Film Transistor)液晶表示装置において、特開平8−50206号および特開平6−347742号の各公報に記載のように光学補償フイルムを偏光板と液晶セルの間に挿入し、表示品位の高い液晶表示装置が実現されている。しかし、この方法によると液晶表示装置自体が厚くなるなどの問題点があった。
【0003】
光学補償フイルムに液晶性化合物を用いることで、様々な表示モードの液晶セルを光学的に補償し、液晶表示装置の表示品位を高めることができる。セルの表示モードの違いにより、液晶性化合物の種類や配向状態が選定される。
【0004】
液晶性化合物として円盤状(ディスコティック)液晶性化合物を用いた光学補償フイルムについては、特開平8−50206号公報などに記載されている。
【0005】
さらに、特開平7−191217号公報、およびに欧州特許0911656A2号明細書に記載されたように、旋光モード、即ちTN型の液晶表示装置に対する光学補償フィルムとしては、光学補償フイルムを直接偏光板の保護フイルムとして用いることで、液晶表示装置を厚くすることなく、耐久性に関する問題を解決している。しかしながら、TN型の液晶表示装置は、例えば画像表示装置として見た場合でも下方向から見たときには画像の反転が起こるなど、表示装置としての能力発展途上であり現行の視野角拡大フィルムを組み合わせた場合でも、実質的な視野角はCRTには遙かに及ばないのが現状である。
【0006】
特開平5−113561号、同10−133206号等の記載通り、光学補償フィルムと垂直配向モードを組み合わせたLCDによって実質的な視野角もCRT並の表示能力をもつようになったものの、動画表示には応答速度の面で問題があり、この問題は特開平7−84254号、同9−96790号等に記載のいわゆるベンド配向を用いた液晶表示装置(OCBモード等の名称がある)によって解決された。さらに、特開2000−304931に、ディスコティック液晶を用いた光学補償シートによるOCB型液晶表示装置の光学補償シートで視野角を広げ、動画表示にも充分対応できるようになったことが記載されている。
【0007】
しかしながら、OCB型の液晶表示装置は、光学補償フィルムの最適化のみならず、光学補償フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた場合、寸法変化等に伴う光学特性の変化の許容幅が非常に小さく、例えば特開2000−304931に記載のセルロース誘導体を用いた支持体と重合性ディスコティック液晶を硬化させた層とを積層した光学補償フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた場合、光学補償フィルムのリタデーション変化、偏光板としての寸法変化などで、旋光モードの液晶表示装置ではほとんど問題にならなかった微妙な変化が液晶表示装置の表示能力に対して影響を及ぼすことが明らかになった。さらに、従来のOCB型液晶表示装置用光学補償フィルム(特開2002−40487に記載の光学補償フィルム)等においてひび割れもしくは剥がれの発生が懸念されており、改善が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、偏光板の製造に悪影響を与えない範囲で、偏光板保護フィルムとして用いる光学補償シートと偏光膜の反対側に配置される偏光板保護フィルムの透湿度をコントロールし、さらに、両側の偏光板保護フィルムに硬化樹脂層を設け、それらの膜厚の割合をコントロールすることで偏光板の寸法変化を抑え、さらに偏光板保護フィルムと活性線硬化樹脂層の膜厚とをコントロールすることで優れた光学補償能をもつ偏光板を提供し液晶表示装置の表示能力を充分に発揮させることである。
【0009】
偏光板保護フィルムの透湿度は高すぎても低すぎても良くないが、一般にセルロースエステルフィルムの透湿度は、可塑剤量か、あるいは膜厚によりコントロールすることが出来る。屈折率差がこの程度の正確な光学補償を有する場合(面内位相差が大きい支持体および光学異方層を有する場合)、可塑剤量を増やすと寸法変化などが大きくなり、光学補償シートを液晶セルに合わせること自体に意味が無くなってしまう。寸法変化量が大きくなると、ECBモード(電界制御複屈折型)の液晶表示装置の場合は特に光漏れの影響が大きく、この観点からも寸法変化に大きく寄与する可塑剤などの添加剤によって、この問題を解決出来ないことは明らかである。特開2002−90546、同2000−266935には透明支持体が吸水性である利点を考慮した上で透明支持体の透湿度が例えば5〜300g/m2・24hと記載されている。また、特開2002−14230には片側に用いる偏光板保護フィルムの透湿度を、硬化樹脂層を設けることで100乃至1000g/m2・24h(JISZ0208、条件Bで測定)にすることで劣化を抑えた偏光板を作成できると記載されている。この方法により透湿度を抑えることで偏光膜の有する偏光能を保つことは可能であるが、実際にはこの方法により得られる光学補償効果を有する偏光板では耐久性に問題があり、更なる改善が望まれていた。また、硬化樹脂層を単純に厚くしてしまうと、透明樹脂層の吸水性が極端に悪くなり、仮に寸法変化が改善して透湿度が前記範囲に収まったとしても偏光板製造上問題を抱える可能性が否定できない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
【0011】
1.偏光膜と、その両側に偏光板保護フィルムAおよびBを有し、該偏光板保護フィルムが双方とも活性線硬化樹脂層を有するベンド配向型液晶表示装置用である下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とする偏光板。
(1)偏光膜の両側に用いられる偏光板保護フィルムAおよびBの透湿度が、25℃、90%RH、24hrsの条件で10〜200g/m2であること。
(2)偏光膜の一方の側に用いられる偏光板保護フィルムAが2.0μm以上の7.0μm以下の活性線硬化樹脂層aを有し、該活性線硬化樹脂層aが液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた層であること。
(3)前記活性線硬化樹脂層aを塗設した偏光板保護フィルムA全体の厚みをdAとし、活性線硬化樹脂層aの厚みをdaとした時、da/dAの値が0.02〜0.15であること。
(4)前記活性線硬化樹脂層aを有する偏光板保護フィルムAと反対の側に用いられる偏光板保護フィルムBが、少なくとも1層の活性線硬化樹脂層bを有し、層a,層bの膜厚をそれぞれda、dbとするとaとbとの膜厚比da/dbが0.2〜0.97であること。
【0012】
2.偏光板の片側に用いられる偏光板保護フィルムAが、平均屈折率差が0.25以内の2層以上の層を有しており、少なくとも下式(I)で表される波長590nmにおける面内リタデーション(R0)が20乃至95nmである層pと、25乃至300nmである層qの2層を有し、層p、層qの波長590nmにおける面内リタデーションR0の波長分散特性を表すDSP(式(II))の符号が異なり、前記層p、層qの少なくとも1層が液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた前記活性線硬化樹脂層aであることを特徴とする前記1に記載の偏光板。
【0013】
(I)R0(λ)=(nx(λ)−ny(λ))×d
λは測定波長を表し、nx(λ)、ny(λ)はそれぞれ波長λにおける面内最大屈折率、それと直交する方向の屈折率を表し、dは層の厚みを表す。
【0014】
(II)DSPp=R0p(λ1)−R0p(λ2)
DSPq=R0q(λ1)−R0q(λ2)
λ1:590nm、λ2:460〜500nmの範囲で選ばれる任意の波長
3.偏光板保護フィルムA,Bがセルロースエステルを用いた透明支持体を有し、該セルロースエステルのアセチル置換度をX、プロピオニル置換度をYとしたときX,Yが下式(1)、(2)を満たすことを特徴とする前記1または2に記載の偏光板。
【0015】
(1)2.5≦(X+Y)≦2.8
(2)0≦Y≦1.0
4.液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた層がハイブリッド配向をしており、該液晶性化合物が該偏光板保護フィルム面となす角度(チルト角)の平均値が5°乃至85°であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
【0016】
5.液晶性化合物がネマティック相を発現することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
【0017】
6.液晶性化合物がディスコティック相を発現することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
【0018】
7.偏光板の両側に用いられる偏光板保護フィルムAが、1層の膜厚が25μm以上170μm以下の透明支持体と、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた活性線硬化樹脂層aとを有し、透明支持体の平均屈折率が1.470乃至1.500であり、透明支持体の前記式(I)で表される波長590nmにおける面内リタデーション(R0)が20〜95nm、式(III)で表されるリタデーション(Rt)が70〜400nmであり、且つ、該層aにおいて液晶性化合物を配向させた方向が、該透明支持体の面内最大屈折率の方向と略45°である、光学補償フィルムであることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
【0019】
式(III)Rt=((nx(λ)+ny(λ))/2−nz(λ))×d
nx(λ)、ny(λ)、nz(λ)はそれぞれ波長λにおける面内最大屈折率、それと直行する方向の屈折率および厚み方向の屈折率を表し、dは透明支持体の厚みを表す。
【0020】
8.活性線硬化樹脂層aが、液晶性化合物がフィルム面となす角度が層の厚み方向にしたがって変化するハイブリッド配向となっており、その配向を固定化した光学異方層を形成していることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
【0021】
9.前記1に記載の偏光板を用いる液晶表示装置であり、偏光膜と液晶セルとの間に、前記活性線硬化樹脂層aを配置したことを特徴とする液晶表示装置。
【0022】
10.前記2に記載の偏光板を用いる液晶表示装置であり、前記層pおよび層qが偏光膜と液晶セルとの間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【0023】
11.前記3〜8のいずれか1項に記載の偏光板を用いる液晶表示装置であり、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた活性線硬化樹脂層aを有する偏光板保護フィルムが偏光膜と液晶セルとの間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【0024】
本発明者らは、研究の結果、偏光板保護フィルムの透湿度のコントロールと偏光膜の両側に用いる偏光板保護フィルムの活性線硬化樹脂層の設置および、偏光板保護フィルムと活性線硬化樹脂層との膜厚の関係を本発明における範囲に収めることで、従来の偏光板および光学補償能を有する偏光板の、ひび割れ、剥がれ等の耐久性における課題を解決できることを見いだした。さらに、本発明者らは上記事項を本発明における光学設計に組み合わせることで、優れた光学補償能、耐久性および生産適性に優れた偏光板を提供できることを見いだした。この優れた光学補償能、耐久性、生産適性を有する偏光板はOCB型の液晶表示装置において優れた効果を発揮する。本発明における偏光板および偏光板を用いた液晶表示装置は前記膜厚と透湿度の関係を有する偏光板を用いることにより効果を発揮するものであるが、その効果は液晶表示装置が大型化するほど顕著に現れるものである。モニターのみならずテレビ用途でも液晶表示装置が大型化する傾向にあり、そこで要求される偏光板の耐久性に対し、本発明の偏光板は効果を発揮する。本発明の偏光板は、偏光板全体が薄くなった場合でも、耐久性に優れた薄型の、光学補償能を有する偏光板として扱うことが出来、液晶表示装置の薄型化に寄与することが出来る。また、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は偏光板貼合の際のリワーク性に優れている。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光学補償シート、偏光板保護フィルム、偏光板が用いられるベンド配向モード(OCB)の液晶表示装置は例えば特開平7−84254号や特開2002−90747等にも記載されており、速い応答速度のみならず光学補償シートとの組合せ次第で広い視野角を持つことはもはや公知である。この方の液晶セルと、二軸性の光学補償シート、あるいは液晶性化合物を配向させた光学補償シートを組み合わせることで視野角が広がることは、例えば特開平8−327822号、同11−316378号、特開2002−131549に記載の通りである。
【0026】
本発明における偏光板は偏光膜およびその両側に偏光板保護フィルムを有している。
【0027】
本発明は、偏光膜およびその両側に活性線硬化性樹脂層を有する偏光板保護フィルムをそれぞれ有する、ベンド配向型液晶表示装置用の偏光板を提供するものである。
【0028】
偏光膜はたとえば特開2002−90546に記載の通り、PVAを延伸し、ヨウ素をドープさせたものなどを用いることが出来る。また、それ以外にも染料を用いた偏光膜など公知の方法により必要に応じた偏光膜を用いることが出来る。
【0029】
本発明の偏光板について説明する。本発明の偏光板においては、偏光板保護フィルムは、偏光膜の両側で異なるものを用いることとなる。
【0030】
本発明のに係わる偏光板はにおいて、偏光膜の両側に用いられる偏光板保護フィルムをそれぞれ偏光板保護フィルムA、偏光板保護フィルムBとする。偏光板保護フィルムAは透明樹脂層(支持体)と活性線硬化樹脂層aとを含んでおり、偏光板保護フィルムBは透明樹脂層(支持体)と活性線硬化樹脂層bとを含んでいる。
【0031】
本発明に係わる偏光板において偏光膜の両側に用いられる偏光板保護フィルムは両者とも透湿度が、25℃、90%RH、24hrsの条件で(JIS0208条件A)10〜200g/m2であり、50〜200g/m2・24hであることが好ましい。
【0032】
また、偏光膜の片側に用いる偏光板保護フィルムについて説明する。偏光膜の片側に用いる偏光板保護フィルム(偏光板保護フィルムA)は少なくとも2層を有し、そのうち1層は活性線硬化樹脂層aであり、またその層と異なる1層は透明樹脂層である。本発明でいう透明とは可視領域の透過率が80%以上であることである。該活性線硬化樹脂層aと該透明樹脂層を有する偏光板保護フィルムAの透湿度は上記のように10〜200g/(m2・24h)(JISZ0208(条件A)にて実施)であり、50〜200g/m2・24hがより好ましい。また、活性線硬化樹脂層aと該偏光板保護フィルムAの膜厚の関係を表すda/dAは0.02〜0.15の範囲にあり、0.025〜0.1が好ましく0.025〜0.09がより好ましい。da、dAはそれぞれ活性線硬化樹脂層a、偏光板保護フィルムAの膜厚を表す。
【0033】
また、該活性線硬化樹脂層aの膜厚daは2.0〜7.0μmであり、さらに該活性線硬化樹脂層aは、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させ、配向を固定化した層である。図1に活性線硬化樹脂層aを有する偏光板保護フィルムAの1例を示した。da、dAがそれぞれ活性線硬化樹脂層a、偏光板保護フィルムAの膜厚を表す。
【0034】
又、本発明に係わる偏光板において、前記活性線硬化樹脂層aを有する偏光板保護フィルムAと反対の側に用いられる偏光板保護フィルム(偏光板保護フィルムBとする)は、少なくとも1層の活性線硬化樹脂層bを有し、前記活性線硬化樹脂層a、活性線硬化樹脂層bの膜厚をそれぞれda、dbとすると膜厚比da/dbが0.2〜0.97の範囲であり、0.4〜0.9がより好ましい。
【0035】
また該透明樹脂層は下記式(I)で表される測定波長590nmにおける面内リタデーションR0が20〜90nmであることが好ましい。
【0036】
式(I) R0(λ)=(nx(λ)−ny(λ))×d
nxは当該層の面内最大屈折率を、nyは面内におけるnxと直交方向の屈折率を表し、dは当該層の厚みを表す。
【0037】
各層の膜厚は公知の方法で測定することができる。断面をSEMやTEM観察することにより膜厚を測定することもできる。また、本発明におけるリタデーション測定は公知の方法にて測定することができる。特に、面内リタデーションは例えば王子計測機器KOBRA21ADH等の自動複屈折計やエリプソメーター、あるいはアッベ型屈折計を用いた測定などが利用できる。
【0038】
また、本発明における偏光板は、液晶表示装置に貼合する際には偏光板保護フィルムAが偏光膜と液晶セルとの間に配置されるようにする。
【0039】
また、該偏光板保護フィルムAに用いる透明樹脂層は面内リタデーションR0が前記範囲にあり、下記式(III)で表されるリタデーションRtが590nmにおいて、70〜400nmであることが好ましく、光学的に二軸性の透明樹脂支持体であることが好ましい。樹脂の例としてはポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ノルボルネン樹脂等を用いることができる。さらに、詳細は後述するが波長分散特性の観点からセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等に代表されるセルロースエステルなど、セルロース系の樹脂がより好ましく用いられる。
【0040】
また、本発明における偏光板はひび割れや剥がれの問題を解決するためには透明樹脂としてはセルロースアセテートプロピオネートが用いられる。あるいは本発明における偏光板の偏光板保護フィルムの前記課題を解決するためにはセルロースアセテートを用いる場合、添加剤を加えることが出来る。可塑剤や紫外線吸収剤、その他の微粒子が含まれるが、特に分子内に2個以上の芳香環を有する芳香族化合物を本発明における添加剤として用いることが出来る。前記芳香族化合物はセルロースアセテート100質量部に対して0.01〜20質量部で用いると良い。また、2種類以上の芳香族化合物を使用しても良く芳香族環には芳香族性ヘテロ環を含めても良い。芳香環は6員環であることが好ましい。これらの化合物として、具体的には、例えば特開2002−40487の13頁〜23頁に記載された化合物(1)〜(96)が挙げられる。
【0041】
式(III) Rt=((nx(λ)+ny(λ))/2−nz(λ))×d
nxは当該層の面内最大屈折率、nyは面内においてnxと直交方向の屈折率であり、nzは当該層の厚み方向の屈折率を表し、dは当該層の厚みを表す。
【0042】
また、該透明樹脂層の面内遅相軸は、例えば透明樹脂層がセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等の透明支持体の場合、製造時の延伸方向と平行、もしくは直交方向と±3°の範囲にあることが好ましく、±1°がより好ましい。面内遅相軸とは透明樹脂層の面内で最も屈折率が大きい方向のことである。
【0043】
また、該透明支持体の面内屈折率nx,ny(nxは面内最大屈折率、面内でnyはnxと直交方向の屈折率)、厚み方向の屈折率nzより得られる(nx+ny)/2−nzの値が0.00041〜0.016であることが好ましい。
【0044】
また、活性線硬化樹脂層は複数層あっても良いが、その中の一層は液晶性化合物を配向させその配向を固定化した層である。液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させ、配向を固定化した層である活性線硬化樹脂層aについて説明する。液晶性化合物は配向を固定化する際にモノドメインであれば良く、広義でのネマティック相の配向状態を取っていることが好ましい。広義でのネマティック相とは、通常のネマティック相の他にディスコティックネマティック相や二軸性ネマティック相などを含み、それらは用いる材料によってモノドメインの配向状態を得るのに最も適した状態による配向処理を選ぶことが出来る。例えば特開平11−316378号等に記載のディスコティック液晶性化合物を用いた場合、それらの材料が広義のネマティック相を発現するのであれば、その状態でモノドメインになるような条件で配向処理を行うことが出来る。
【0045】
本発明に用いる液晶性化合物は光学的に負の特性を有する液晶性化合物が好ましく用いられるが、例えば光学的に正の特性をもつ材料を複数層組み合わせて用いることも出来る。光学的に負の特性をもつ液晶材料は、公知のものであればどの様な化合物を用いても良いが、例えば化学総説22液晶の化学P.60〜、特開平7−325221号に記載の化合物等を用いることが出来る。あるいは光学的に正の特性をもつ液晶材料を2層以上積層しても良い。
【0046】
また、液晶性化合物を配向させ配向を固定化した層で液晶性化合物の配向状態はモノドメインとなっていることが好ましく、さらにハイブリッド配向となっていることが好ましい。ハイブリッド配向については例えば幸書房 液晶入門P.22等の他、数多くの公知記載例があるため詳細は省略する。
【0047】
ハイブリッド配向の有無はフィルムを徐々に傾けてリタデーションを測定し、全ての角度で0とならないことで確認することが出来る。たとえば王子計測機器製KOBRA21ADH等を用いて角度を変えてリタデーションを特定することで確認することが出来るが、当業界においてはこの原理、測定などはいずれも公知であるため詳細は省略する。
【0048】
本発明における液晶性化合物は、偏光板保護フィルム面に対しハイブリッド配向をしていることが好ましい点は前記の通りであるが、液晶性化合物が該偏光板保護フィルム面となす角度の平均値(平均チルト角)は5°〜85°の範囲であることが好ましく、15°〜70°の範囲にあることがより好ましい。この平均チルト角は前記リタデーション測定方法を利用して求めることができる。測定角度を変化させていくと、当該フィルムのリタデーションも変化していき、この値の最大値もしくは最小値をとる角度が見かけ上の平均チルト角であると考えられるが、本来のチルト角はこの値にスネルの法則を加味して計算することができる。
【0049】
モノドメインとなっていることは、偏光顕微鏡などを用いて確認することが出来る。液晶性化合物の配向に欠陥が生じた場合ディスクリネーションが発生するが、本発明でいうモノドメインとは偏光板保護フィルム全体で配向欠陥が5個/cm2以内、もしくは各ドメインの大きさが1μm以上であれば良い。
【0050】
活性線硬化樹脂層は、たとえば紫外線や電子線などのような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。本発明における活性線硬化樹脂層a,bがこれに該当する。一例としてはエチレン性不飽和のモノマーもしくはオリゴマ−を含む成分を重合させて形成した層である。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的な例としてあげられるが紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でも良い。紫外線硬化樹脂としては例えば紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ系樹脂などをあげることができる。
【0051】
また活性線硬化樹脂層が液晶性化合物を配向させ配向を固定化した層の場合(活性線硬化樹脂層a)、前記活性線硬化樹脂aに含まれる活性線反応性基を有す液晶性化合物を有していることが好ましい。
【0052】
本発明における活性線硬化樹脂層a,bの関係について説明する。活性線硬化樹脂層a,bとは偏光膜の両側に用いられる偏光板保護フィルム各々に設けられ、活性線硬化樹脂層aが偏光膜と液晶セルとの間に配置され、活性線硬化樹脂層bは偏光膜の液晶セルと反対の側に配置され、活性線硬化樹脂層a,b各層の膜厚をda、dbとしたとき、da/dbが0.2〜0.97の範囲にあることが好ましい。偏光膜の外側に配置されるb層の膜厚が厚いことが重要であり、この範囲の関係とすることで偏光板保護フィルムの透湿度と偏光板の寸法変化の両方を好ましい範囲とし、結果的に液晶表示装置の表示性能を最大限に引き出すことが出来る。
【0053】
また、本発明は請求項2に記載のように別の見方をすると、偏光板の片側に用いられる偏光板保護フィルムAが、平均屈折率差が0.25以内の2層以上の層を有しており、少なくとも前記式(I)で表される波長590nmにおける面内リタデーション(R0)が20乃至95nmである層pと、25乃至300nmである層qの2層を有し、層p、層qの波長590nmにおける面内リタデーションR0の波長分散特性を示す式(II)で表されるDSP値の符号が異なり、且つ、前記層p、層qの少なくとも1層は、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた前記活性線硬化樹脂層aであることが好ましい。
【0054】
式(II)DSPp=R0p(λ1)−R0p(λ2)
DSPq=R0q(λ1)−R0q(λ2)
λ1:590nm
λ2:460〜500nmの範囲で選ばれる任意の波長
本発明における波長分散特性とは、各層の面内リタデーション(R0)に関するものであり、波長分散とは測定波長を変化させたときの各波長におけるリタデーションの変化を意味する。本発明においては前記層p、q各層の、波長590nmと590nmより短波の波長(460〜500nmの範囲で選ばれる任意の波長)におけるリタデーションの差をDSPp,DSPqとしてDSPpとDSPqの符号が異なることで本発明の偏光板を用いた液晶表示装置の性能を最大限に発揮させることが出来る。詳細に検討した結果、いずれも0となる場合であれば液晶表示装置の性能が悪くなることはないようであるが、符号が逆の場合が最も良い結果が得られている。
【0055】
測定波長590nmとは厳密に590nmに固定する必要はなく、±30nmの程度であれば幅を持たせることが出来る。また、590nmより短波の波長は、好ましくは500nmより短波の波長であり、460〜500nmの範囲で選ばれる任意の波長であるが、480nm以下がより好ましい。これらの波長は前述の通り、厳密に規定するものではなく、測定器機とその光源の種類により波長を選択することが出来る。レーザー光の単波長を用いることも出来れば、分光光源装置、干渉フィルターなどを適宜利用することが出来る。
【0056】
本発明の偏光板に用いられる偏光板保護フィルムの少なくとも片側一方(偏光板保護フィルムA)に設けられた、本発明の波長分散特性を有する2層(層pおよび層q)が、それぞれ、面内リタデーション(R0)が20〜95nmである透明支持体と、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化して、その配向を固定化した層である場合、液晶性化合物の配向軸と透明支持体の面内遅相軸は略45°の角度で交差していることが好ましい。略45°とは45°±10°の範囲にあり、より好ましくは±5°であり、45°が最も好ましい。
【0057】
液晶性化合物を配向させた配向軸とは、ラビング軸など配向方向を決定させる軸のことである。配向方法としては一般に知られているラビング処理を行うことで良いが、ラビング以外にも光配向や電場、磁場等の外部場による配向など公知の方法はどの様な方法でも使うことが出来る。液晶性化合物の配向には配向膜を用いることが出来る。本発明の配向膜とは、液晶性化合物と接触し液晶性化合物を配向させる能力を持つ層のことである。配向膜の材料としてはポリイミド、ポバール、ポリウレタンやポリアクリレートなど公知のものを適宜用いることができるが、最終的に偏光板としたときに配向膜が存在している必要はなく、配向膜は最終的には取り払ってしまっても良い。また、前記材料ばかりでなく、例えば透明支持体自身を配向処理して液晶性化合物を配向させることも可能である。
【0058】
本発明の偏光板に記載の、面内リタデーション(R0)が20〜95nmである前記透明支持体(透明樹脂層)は前記の通りであるが、長尺フィルムを作製する場合、製膜開始から巻き取りを行うまでのプロセスの途中でフィルムの搬送方向に平行または直交する方向に延伸を行い、面内リタデーション(R0)を与えることが好ましい。
【0059】
また該透明支持体(透明樹脂層)がセルロースエステルの場合、例えば特開2001−215331や同2002−90532に記載の可塑剤や紫外線吸収剤、マット剤などの添加剤を必要に応じて用いることが出来る。さらに、該透明支持体がセルロースエステルの場合、アセチル置換度をX、プロピオニル置換度をYとしたときX,Yが下式(1)、(2)を満たすことが好ましい。
(1)2.5≦(X+Y)≦2.8
(2)0≦Y≦1.0
また該セルロースエステルの数平均分子量(Mn)は好ましくは50,000〜250,000の範囲、より好ましくは60,000〜150,000の範囲にあることが好ましい。
【0060】
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド、
カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)、
カラム温度25℃、
試料濃度:0.1質量%、
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)、
ポンプ:L6000(日立製作所製)、
流量:1.0ml/分、
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー製)によるものを使用。
【0061】
本発明の偏光板に用いる、面内リタデーションR0が20〜95nmであり、厚み方向のリタデーションRtが70〜400nmの透明樹脂層は前記方法(前記特開2001−215331や同2002−90532に記載された方法)により作成された透明支持体であることが好ましく、また、これらのリタデーション値は該透明支持体の製造方法により調製することが出来る。具体的には特願2001−162126号等に記載の方法、あるいはこれを参考にした方法によりコントロールすることが出来る。例えば支持体が硬い状態で延伸処理を行えば、一般にリタデーションを高くすることができるが延伸の際のひずみが残ることがあり、逆に柔らかい状態で延伸を行うとひずみは残りにくいが、リタデーションが小さくなることがある。しかし、高いリタデーションを得た場合でも、本発明における活性線硬化樹脂層を設けた偏光板保護フィルムを偏光膜の両側に用いることで偏光板のとして問題を起こさない状態にすることができる。
【0062】
本発明における活性線硬化樹脂層を有する偏光板保護フィルムは、活性線硬化樹脂層が液晶性化合物を配向させ、その配向を固定化した層(活性線硬化樹脂層a)である場合、少なくとも前記活性線硬化樹脂層aと、層aの平均屈折率と当該層の平均屈折率の差が0.25以内である層(層cとする)とを有していることが好ましい。層cは、測定波長590nmにおける面内リタデーション(R0)が20〜95nmであることが好ましく、層の厚みが25μm以上170μm以下であることが好ましく、前記透明支持体(透明樹脂層)、層pまたはqのいずれか等の層がc層であってよい。
【0063】
前記2層の屈折率差が0.25以内でなければ、本発明における偏光板を用いた液晶表示装置の表示性能は充分に発揮できない場合がある。具体的には視野角が狭くなってしまうなどの問題点が出てくることがある。さらに、このときc層の平均屈折率は1.470〜1.500であることが好ましい。
【0064】
さらに、本発明の偏光板には反射防止層、低反射層、防眩層、ハードコート層、帯電防止層、バックコート層の他、本発明に記載の層以外の層を適宜用いることができる。本発明の偏光板に用いる偏光板保護フィルムの活性線硬化樹脂層にこれらの層の機能を持たせることも可能である。例えば液晶表示装置によっては帯電防止層を設ける必要もある。あるいは各層の接着性改善やコンタミを防ぐ目的で下引き層や保護層などを設けることもできる。それらの層は本発明における偏光板の特性を悪化させない限りはどの様な層を配置することも可能である。
【0065】
前記活性線硬化樹脂層がハードコート層を兼ねる場合、例えばクリアハードコート加工のための活性線硬化樹脂層の例と防眩層の例について説明する。活性線硬化樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0066】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号)。
【0067】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号)。
【0068】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0069】
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラムモノサルファイド、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。紫外線硬化性樹脂組成物に用いられる光反応開始剤又光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
【0070】
紫外線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cm2である。近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。
【0071】
この硬化皮膜層に、液晶表示装置パネルの表面に防眩性を与えるために、また他の物質との対密着性を防ぐ性質を与えるために、対擦り傷性等のために無機あるいは有機のマット剤を加えることもできる。例えば、無機粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙げることができ、また有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることが出来る。これらの粒子粉末の平均粒径としては、0.01μm〜10μmであり、紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部となるように配合することが望ましい。防眩効果を付与するには、平均粒径0.1〜1μm、樹脂組成物100質量部に対して1〜15質量部が好適である。
【0072】
また更に、ブロッキング防止機能を果たすものとして、上述したのと同じ成分で、体積平均粒径0.005〜0.1μmの粒子を樹脂組成物100質量部に対して0.1〜5質量部、併せて用いることもできる。
【0073】
また、これらの層に加えて帯電防止層を設けた例について説明する。帯電防止加工とは、透明樹脂フィルムの取扱の際に、この樹脂フィルムが帯電するのを防ぐ機能を付与するものであり、具体的には、イオン導電性物質や導電性微粒子を含有する層を設けることによって行う。ここでイオン導電性物質とは電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例としてはイオン性高分子化合物を挙げることができる。
【0074】
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号、同49−23827号、同47−28937号にみられるようなアニオン性高分子化合物;特公昭55−734号、特開昭50−54672号、特公昭59−14735号、同57−18175号、同57−18176号、同57−56059号などにみられるような、主鎖中に解離基をもつアイオネン型ポリマー;特公昭53−13223号、同57−15376号、同53−45231号、同55−145783号、同55−65950号、同55−67746号、同57−11342号、同57−19735号、同58−56858号、特開昭61−27853号、同62−9346号にみられるような、側鎖中にカチオン性解離基をもつカチオン性ペンダント型ポリマー;等を挙げることができる。
【0075】
本発明における偏光板を液晶表示装置に配置する際には、透過型であれば両側に、反射型であれば少なくとも片側一方に配置する。本発明の偏光板に用いる液晶性化合物を配向させた活性線硬化樹脂層は偏光膜と液晶セルとの間に配置される。これを液晶表示装置に配置させる向きは、例えば特開平8−327822号や特開2001−100208に記載の向きを参考にすればよいためここでは省略する。
【0076】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0077】
実施例
《支持体の作製》
(透明支持体の1〜4の作製)
下記の成分をミキシングタンクに投入し、加熱撹拌して、セルロースアセテート溶液を調製した。
【0078】
セルロースアセテート溶液組成
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 3.9質量部
メチレンクロライド 300質量部
メタノール 54質量部
1−ブタノール 11質量部
別のミキシングタンクに、下記の成分を投入し、加熱撹拌して、上記ドープに添加する溶液を調製した。
【0079】
添加溶液組成
2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン 10質量部
2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン 10.5質量部
メチレンクロライド 80質量部
メタノール 20質量部
上記セルロースアセテート溶液組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し十分に撹拌しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。次に、このドープ組成物を安積濾紙社製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、ドープ組成物474質量部に対し前記添加溶液22質量部を添加し、その後冷却して35℃に保ち、ステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能となるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から剥離した。剥離後の残留溶媒含有量50質量%〜5質量%の間の乾燥ゾーン内でテンターによって搬送方向と直交する方向に15%〜55%程度まで、テンター温度を110℃〜140℃の条件下で延伸しつつ製膜を行った。多数のロールで搬送させながら残留溶媒量1質量%以下となるまで乾燥させ支持体1〜4を作製した。支持体1〜4のリタデーション値は、前記延伸倍率の範囲で延伸開始時の残留溶媒量を35%〜15%の範囲でコントロールして作製した。
【0080】
(透明支持体の5,6の作製)
下記の成分を密閉容器に入れセルロースアセテートプロピオネート溶液を調製した。
【0081】
セルロースアセテートプロピオネート溶液組成
セルロースアセテートプロピオネート 100kg
(アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80(数平均分子量60000))
エチルフタリルエチルグリコレート 5kg
トリフェニルフォスフェイト 3kg
酢酸メチル 175kg
エタノール 75kg
上記の成分混合物をゆっくり攪拌しながら徐々に昇温し、60分かけて65℃で溶解した。このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。また、これとは別に、上記セルロースアセテートプロピオネート5kg、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)6kg、チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4kg、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5kg、酢酸メチル94kgとエタノール8kgを混合し撹拌溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。
【0082】
上記ドープ(セルロースアセテートプロピオネート溶液)100質量部に対して紫外線吸収剤溶液を2質量部の割合で加え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイからステンレスベルト上にドープ温度50℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から55℃の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベルト上に流延し、ウェブ中の残留溶媒量は70質量%の状態で剥離した。次いで同時二軸延伸テンターを用いて115℃〜135℃で巾方向に1.2〜1.5倍、流延方向(長さ方向)に1.05倍延伸した支持体5、6を得た。支持体5,6のリタデーションは、前記延伸倍率の範囲内で延伸開始時の残留溶媒量を15%〜25%としてコントロールし作製した。
【0083】
また、コニカ製TACフィルムをフィルム7とした
(透明支持体の8,9の作製)
また、ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量52,000)15質量部をジオキソラン85質量部に少しずつ加えてドープを作製した。このドープを60℃に保持したガラス板にクリアランス0.8mmのドタクーブレードで流延して、約2分間放置後、80℃、風速0.9m/秒にて15分乾燥後、得られたフィルムをガラス基板から剥離し、150℃、風速1m/秒にて60分加熱処理を行い乾燥した後、延伸倍率1.2〜1.3倍で縦一軸延伸を行い、支持体8,9を得た。
【0084】
表1に得られた各フィルムのリタデーション、可視領域(400〜700nm)での透過率T(%)、平均屈折率(Nave)、膜厚(D(μm))を示す。
【0085】
【表1】
【0086】
次いで、支持体1〜7にゼラチン下引き層を設けた。さらに下記組成の配向膜塗布液を支持体1〜7についてゼラチン下引き層上に塗布し、塗布後65℃の温風で乾燥し、前記支持体の面内遅相軸と45°の角度をなすようにラビング処理を行い配向膜を作製した。
【0087】
配向膜塗布液組成
ポバール1 2質量部
ポバール2 1質量部
水 72質量部
メタノール 18質量部
【0088】
【化1】
【0089】
支持体8,9上にはまた、ポリイミド配向膜を設け、支持体面内遅相軸と45°の方向をなすようにラビング処理を行った。
【0090】
《活性線硬化性樹脂層(セル側)の作成》
配向膜を設けた前記各支持体の配向膜側に下記組成の活性線硬化性樹脂層塗布液を塗布後、乾燥及び各条件での熱処理を行い、酸素濃度2%以下で紫外線照射により配向を固定化した活性線硬化性樹脂層を作成しフィルムNo.1〜9を作製した。尚、この活性線硬化性樹脂層は偏光膜と液晶セルとの間に配置される。各支持体上に塗設された紫外線硬化性樹脂層は同じ条件でガラス基盤上に作成した配向膜上で事前に膜厚(da)、平均チルト角およびリタデーション、平均屈折率、波長分散特性などを測定した。その結果と各フィルムの透湿度、形成した紫外線硬化樹脂層と支持体を構成する層の膜厚比(da/dA)、各層の波長分散特性を示す前記式(II)で表されるDSP値の符号が逆か同じか、活性線硬化樹脂層と支持体との屈折率差(Δn)などを測定し表2に示す。尚、液晶性化合物はディスコティックネマティック相を示した。
【0091】
【0092】
【化2】
【0093】
また、配向膜を設けた支持体3上に下記組成物を以下の方法で塗設し、フィルム10を作製した。
【0094】
組成物
液晶性化合物2 14.4g
液晶性化合物3 8.8g
化合物1 1.1g
シクロヘキサノン 115.3g
MEK 3.7g
イルガキュア907(チバガイギー製) 0.001g
カヤキュアーDETX(日本化薬製) 0.0005g
上記組成物を溶解しフィルター濾過しワイヤーバー#6を用い塗布後120℃で乾燥熱処理後放冷し、紫外線照射し、2.1μmの活性線硬化樹脂層を設けた。
【0095】
【化3】
【0096】
この様に作製したフィルムNo.10についても活性線硬化樹脂層の、膜厚、平均チルト角およびリタデーション、活性線硬化樹脂層の平均屈折率、フィルムの透湿度、形成した活性線硬化樹脂層と支持体を構成する層の波長分散特性、支持体との屈折率差(Δn)などを測定し、やはり表2に示した。
【0097】
【表2】
【0098】
《活性線硬化性樹脂層(外側)の作成》
支持体7上に、下記組成物をワイヤーバー#3〜#10をもちいて塗布後、80℃で1分間乾燥を行い紫外線照射により、各膜厚の活性線硬化性樹脂層を設けたフィルムNo.11,12,13を作成した。各フィルムの番号と、活性線硬化性樹脂層の膜厚(db)、透湿度を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】
《偏光板の作成》
ポリビニルアルコールフィルムを1軸延伸し、ヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの水溶液(68℃)に浸漬し水洗、乾燥し偏光膜を作成した。また、フィルム1〜7および10を鹸化処理し、8,9は鹸化処理することなくポバール系の接着剤を用いて作成した偏光膜の片側に貼合した。この時、偏光膜の吸収軸と支持体の面内遅相軸は直交するように配置した。さらに、フィルム11〜13を鹸化処理後ポバール系接着剤を用いて偏光膜のもう片側に貼合し、偏光板1〜11を作製した。
【0101】
作成した偏光板と、各偏光板における活性線硬化樹脂層aと支持体の膜厚比(da/dA)、両方の偏光板保護フィルムの活性線硬化樹脂層a,bそれぞれの膜厚比(da/db)、また各々100枚の偏光板を作製したときの収率を表4に示す。また、作製した偏光板の概略図を図2に示す。図2において、Iは偏光膜を、Sは支持体、aは液晶性化合物を配向硬化した活性線硬化樹脂層、bはもう1つの活性線硬化樹脂層を示す。尚、配向膜、下引き層等については図において省略した。
【0102】
偏光板1〜7が本発明における実施例であり偏光板8〜11が本発明における比較例である。
【0103】
【表4】
【0104】
《液晶セルの作成》
ITO電極付きのガラス基板にポリイミドを配向膜として設け配向膜面にラビング処理を行った。このガラス基板2枚をラビング方向が平行となる配置で向かい合わせ、セルギャップを6μmに設定し、メルク社製液晶ZLI−1132(Δn=0.1396)を注入しベンド配向液晶セルを作成した。セルAに2.0V、6.0Vの電圧を印加しリタデーションを測定した結果、液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示を2.0V、黒表示を6.0Vのノーマリーホワイトモードとした。
【0105】
《液晶表示装置の作成》
液晶セルの両側に偏光板1〜11を粘着層を用いて貼合した(それぞれを液晶表示装置1〜11)。貼合方向の1例の概略図を図3に示す。(a)に構成を、また(b)に偏光膜の光吸収軸方向、液晶性化合物1を配向させ、硬化することで配向を固定化した活性線硬化樹脂層aの配向軸、液晶セルのラビング方向をそれぞれ示した。
【0106】
《評価》
以下の基準により視野角および反転について、それぞれ評価した。
【0107】
(視野角の測定)
視野角の測定は、上記で得られた各液晶表示装置を、ELDIM社製EZ−contrast 160Dを用いて左右方向の視野角を測定した。視野角の評価としては、液晶表示装置の白表示と黒表示時のコントラスト比が10以上となる領域を示す表示面に対する法線方向からの傾き角の範囲で表した。
【0108】
(反転)
反転は、2.0〜6.0の間で電圧を変え、白〜黒の範囲で光量を変化させ8階調表示とし、中間調の階調反転の有無を液晶表示装置の上下左右45°の範囲まで確認した。中間調の反転についてもELDIM社製EZ−contrast
160Dを用いて測定した。
【0109】
偏光板作成の際、本発明と比較例では明らかな差が認められたが、液晶表示装置2と9で比較したデータを表5に示した。
【0110】
【表5】
【0111】
本発明の液晶表示装置2が全ての項目で比較例である液晶表示装置9より良い結果となった。液晶表示装置2は本発明の例、液晶表示装置9は比較例である。
【0112】
本発明に係わるその他の液晶表示装置も液晶表示装置2と同様に、全ての項目で比較例より良い結果となった。
【0113】
また、偏光板2と偏光板9を60℃、90%RHにて48時間処理、次いで23℃、55%RHにて24時間処理して液晶セルに貼合し視野角の変化を確認した。偏光板2は前記処理前後で変化がみられなかったが、偏光板9は前記処理によって光漏れが大きく拡大した。
【0114】
本発明の液晶表示装置4,6,8,11に用いた偏光板(偏光板4,6,8,11)を用いてリワーク性の確認を行った。リワーク性は偏光板を液晶セルの片側に貼合後、20分で剥がす操作を1つの液晶セルに対し3回繰り返し、続いて偏光板を液晶セルの両側に、本発明の前記実施例の通りに貼合し、同じ偏光板を用いた液晶表示装置と比較した。液晶セルを10個用いそれぞれ試験を行った結果を表6に示す。視野角に変化を生じなかったものは○を、視野角が狭くなった、もしくは色味や黒表示時の光量に辺かが認められたものは△、偏光板を剥がす際に液晶セルが壊れたものは×とした。
【0115】
【表6】
【0116】
【発明の効果】
偏光板の寸法変化を抑えた、優れた光学補償能をもつ偏光板を提供し液晶表示装置の表示能力を充分に発揮させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性線硬化樹脂層を有する偏光板保護フィルムの1例を示す図である。
【図2】作製した偏光板の概略図である。
【図3】偏光板を貼合した液晶表示装置の1例を示す概略図である。
【符号の説明】
a,b 活性線硬化樹脂層
I 偏光膜
S 支持体
Claims (11)
- 偏光膜と、その両側に偏光板保護フィルムAおよびBを有し、該偏光板保護フィルムが双方とも活性線硬化樹脂層を有するベンド配向型液晶表示装置用である下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とする偏光板。
(1)偏光膜の両側に用いられる偏光板保護フィルムAおよびBの透湿度が、25℃、90%RH、24hrsの条件で10〜200g/m2であること。
(2)偏光膜の一方の側に用いられる偏光板保護フィルムAが2.0μm以上の7.0μm以下の活性線硬化樹脂層aを有し、該活性線硬化樹脂層aが液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた層であること。
(3)前記活性線硬化樹脂層aを塗設した偏光板保護フィルムA全体の厚みをdAとし、活性線硬化樹脂層aの厚みをdaとした時、da/dAの値が0.02〜0.15であること。
(4)前記活性線硬化樹脂層aを有する偏光板保護フィルムAと反対の側に用いられる偏光板保護フィルムBが、少なくとも1層の活性線硬化樹脂層bを有し、層a,層bの膜厚をそれぞれda、dbとするとaとbとの膜厚比da/dbが0.2〜0.97であること。 - 偏光板の片側に用いられる偏光板保護フィルムAが、平均屈折率差が0.25以内の2層以上の層を有しており、少なくとも下式(I)で表される波長590nmにおける面内リタデーション(R0)が20乃至95nmである層pと、25乃至300nmである層qの2層を有し、層p、層qの波長590nmにおける面内リタデーションR0の波長分散特性を表すDSP(式(II))の符号が異なり、前記層p、層qの少なくとも1層が液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた前記活性線硬化樹脂層aであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
(I)R0(λ)=(nx(λ)−ny(λ))×d
λは測定波長を表し、nx(λ)、ny(λ)はそれぞれ波長λにおける面内最大屈折率、それと直交する方向の屈折率を表し、dは層の厚みを表す。
(II)DSPp=R0p(λ1)−R0p(λ2)
DSPq=R0q(λ1)−R0q(λ2)
λ1:590nm、λ2:460〜500nmの範囲で選ばれる任意の波長 - 偏光板保護フィルムA,Bがセルロースエステルを用いた透明支持体を有し、該セルロースエステルのアセチル置換度をX、プロピオニル置換度をYとしたときX,Yが下式(1)、(2)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の偏光板。
(1)2.5≦(X+Y)≦2.8
(2)0≦Y≦1.0 - 液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた層がハイブリッド配向をしており、該液晶性化合物が該偏光板保護フィルム面となす角度(チルト角)の平均値が5°乃至85°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
- 液晶性化合物がネマティック相を発現することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
- 液晶性化合物がディスコティック相を発現することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
- 偏光板の両側に用いられる偏光板保護フィルムAが、1層の膜厚が25μm以上170μm以下の透明支持体と、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた活性線硬化樹脂層aとを有し、透明支持体の平均屈折率が1.470乃至1.500であり、透明支持体の前記式(I)で表される波長590nmにおける面内リタデーション(R0)が20〜95nm、式(III)で表されるリタデーション(Rt)が70〜400nmであり、且つ、該層aにおいて液晶性化合物を配向させた方向が、該透明支持体の面内最大屈折率の方向と略45°である、光学補償フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
式(III)Rt=((nx(λ)+ny(λ))/2−nz(λ))×d
nx(λ)、ny(λ)、nz(λ)はそれぞれ波長λにおける面内最大屈折率、それと直行する方向の屈折率および厚み方向の屈折率を表し、dは層の厚みを表す。 - 活性線硬化樹脂層aが、液晶性化合物がフィルム面となす角度が層の厚み方向にしたがって変化するハイブリッド配向となっており、その配向を固定化した光学異方層を形成していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
- 請求項1に記載の偏光板を用いる液晶表示装置であり、偏光膜と液晶セルとの間に、前記活性線硬化樹脂層aを配置したことを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項2に記載の偏光板を用いる液晶表示装置であり、前記層pおよび層qが偏光膜と液晶セルとの間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項3〜8のいずれか1項に記載の偏光板を用いる液晶表示装置であり、液晶性化合物を配向させ、活性線により硬化させた活性線硬化樹脂層aを有する偏光板保護フィルムが偏光膜と液晶セルとの間に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
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