JP2004037317A - 三次元形状測定方法、三次元形状測定装置 - Google Patents

三次元形状測定方法、三次元形状測定装置 Download PDF

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柳澤 邦晃
Akira Nishiki
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Abstract

【課題】精度良く測定できる三次元形状測定方法、及び三次元形状測定装置を提供する。
【解決手段】光源2と、光源の光軸上に配置され、上記光源からの光によりスリット光を形成するためのパターン形成手段3と、スリット光を測定対象物に対して集光するための投光レンズ4とを備える光学系1を設ける。上記スリット光を絞るための、スリット方向のサイズよりスリット方向と垂直方向のサイズが小さい開口部を有する非対称絞り5を設ける。上記スリット光による測定対象物6からの反射光に基づき上記測定対象物6の三次元形状を測定するための撮像光学系8を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品や半田バンプ、導電性ペーストの三次元形状を光切断法により測定するための三次元形状測定方法、及び三次元形状測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品といった測定対象物を、無傷にて全数検査し、かつ検査を高速化するために、測定対象物の三次元形状を非接触で測定したいという要求がある。そのような測定法の一つとして光切断法が知られている。
【0003】
上記光切断法は、測定台上の測定対象物に対してスリット光を投影し、測定対象物から反射される光切断像をカメラで画像データとして取り込み、三角測量の原理から測定対象物の表面における三次元形状(凹凸の位置)を求めるという方法であり、アパレル用や医用の検査装置に用いられている。
【0004】
また、上記光切断法においては、スリット光は一本よりも、複数本のスリット光(以下、マルチスリット光)を同時に測定対象物に対して投影する方法(パターン光投影法)が有効である。これは、同時に複数点の測定を行い測定時間を大幅に短縮することができるからである。
【0005】
従来、上記のような、光切断法において、マルチスリット法を利用した三次元形状測定では、例えば、図12に示すように、投光光学系において、光源21(例えば、高輝度、集光特性の点から、光源にレーザ光源)から出射されるスポット光をシリンドリカルレンズ等のスリット形成手段22で単一スリット光にし、ポリゴンミラー等の走査機構23でマルチスリット光24を形成する、という方法を用いていた。そして、上記マルチスリット光を測定対象物に投影し、この反射光を撮像光学系により撮像することにより、三次元形状測定を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
高精度で三次元形状測定を可能にするために、マルチスリット光を測定対象物に投影する際には、測定対象物に焦点を合わせ、ボケのないマルチスリット光を測定対象物に投影する必要がある。測定対象物に高さの差があると、マルチスリット光を投影する際に、その測定対象物におけるすべての領域で焦点を合わせることが困難である。これを解消するためには、投光光学系の焦点深度を大きくすればよく、光学の一般的な既知技術として、投光光学系に絞りを用いることが知られている。
【0007】
ところが、投光光学系に絞りを用いる場合、実際には焦点深度と光量とのバランスによりその両者の限界値が決まる。つまり、絞りの径(開口部)を小さくすればするほど焦点深度は大きくなるが、光量が小さくなるという短所がある。光量が小さすぎると、測定結果の信頼性が低下し、精度の良い測定ができないことがある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、光量低下の程度が小さく且つマルチスリット光の焦点深度を大きくすることにより、精度良く測定できる三次元形状測定方法、及び三次元形状測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の三次元形状測定方法は、上記課題を解決するために、光切断法を用いた三次元形状測定方法において、光源を備える光学系からのスリット光を、スリット方向と垂直方向に絞り、測定対象物に投影し、上記スリット光による測定対象物からの反射光に基づき上記測定対象物の三次元形状を測定することを特徴としている。
【0010】
上記の方法によれば、スリット光をスリット方向と垂直方向に絞っている。これにより、上記光学系における焦点深度を大きくすることができる。従来、焦点深度を大きくするには、絞りを用いることは一般的であるが、この絞りは、円形と正多角形の形状の開口部を有し、いわゆる縦方向と横方向ともサイズが同一であった。つまり、縦方向と横方向とも同様に光を制限するため、光量低下が著しかった。これに対し、上記の方法によれば、方向性を有するスリット光に対し、スリット方向と垂直方向に絞っているので、制限される光量低下の程度を小さくすることができる。従って、光量低下を抑えつつ、投光光学系における焦点深度を大きくすることができ、高さ方向の分解能が必要となる電子部品や半田バンプ、導電性ペースト等の三次元形状測定における高精度な測定が可能となる。
【0011】
上記測定方法においては、スリット光は、複数本であってもよい。上記方法によれば、スリット光を複数本用いることにより、測定を効率化できる。
【0012】
上記測定方法においては、光源は、レーザ光と比べて低コヒーレントな光源であることが好ましく、さらに白色光源であることが好ましい。上記方法によれば、光源にレーザ光と比べて低コヒーレントな光源、中でも白色光源を用いたので、高さ分解能が高精細な測定対象物である、電子部品や半田バンプ、導電性ペースト等の三次元形状測定において、より一層高精度な測定が可能となる。
【0013】
その上、従来のように、レーザ光を用いてマルチスリット光を形成するためには、走査機構及びその制御が必要であるのに対し、本発明の方法では、レーザ光と比べて低コヒーレントな光源を用いてマルチスリット光を形成するには、スリットパターンを介して投影するだけでよいので、構成が簡易でかつ安価な測定装置とすることができる。
【0014】
本発明の三次元形状測定装置は、上記課題を解決するために、光源と、光源の光軸上に配置され、上記光源からの光によりスリット光を形成するためのパターン形成手段と、スリット光を測定対象物に対して集光するための投光レンズとを備える光学系と、上記スリット光を絞るための、スリット方向のサイズよりスリット方向と垂直方向のサイズが小さい開口部を有する非対称絞りと、上記スリット光による測定対象物からの反射光に基づき上記測定対象物の三次元形状を測定するための検出部とを有することを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、非対称絞りを備えている。これにより、光学系における焦点深度を大きくすることができる。従来、焦点深度を大きくするには、絞りを用いることは一般的であるが、この絞りは、円形と正多角形の形状の開口部を有し、いわゆる縦方向と横方向ともサイズが同一であった。つまり、縦方向と横方向とも同様に光を制限するため、光量低下が著しかった。これに対し、上記の構成では、非対称絞りが方向性を有するスリット光に用いられているので、スリット方向(縦方向)に対して垂直方向(横方向)に絞りさえすればよい。即ち、横方向にサイズの小さい開口部を有していればよい。これにより、この非対称絞りにより制限される光量低下の程度を小さくすることができる。従って、光量低下を抑えつつ、投光光学系における焦点深度を大きくすることができ、高さ方向の分解能が必要となる電子部品や半田バンプ、導電性ペースト等の三次元形状測定における高精度な測定が可能となる。
【0016】
また、上記パターン形成手段は、複数本のスリット光を形成することが好ましい。上記の構成によれば、スリット光を複数本用いることにより、測定を効率化できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る、三次元形状測定方法、及び三次元形状測定装置の実施に各形態について以下に説明する。
【0018】
(実施の第一形態)
図1は、本発明における実施の第一形態に係る三次元形状測定方法、及び三次元形状測定装置の構成図である。上記三次元形状測定装置では、図1に示すように、投光光学系1が設けられている。投光光学系1は、光源2、光学スリットであるパターン形成手段3、及び例えば焦点距離f=48mmの集光レンズである投光レンズ4を有している。
【0019】
また、投光レンズ4と測定対象物6との間に、非対称絞り(絞り)5を備えている。この非対称絞り5は、例えば、図2に示すように、上記パターン形成手段3のスリット方向(スリットの長辺の方向(縦方向))に垂直方向(横方向)のサイズが、スリット方向と平行方向(縦方向)のサイズよりも小さい矩形の開口部5aを有している。つまり、上記非対称絞り5は、上記開口部の縦方向と横方向とでそのサイズが非対称となっている構成の絞りである。この非対称絞り5は、投光レンズ4とパターン形成手段3との間に備えていてもよい。
【0020】
さらに、上記非対称絞り5は、例えば、図3に示すように、楕円形の開口部5bを有してもよい。この楕円形の開口部5bは、その長軸がスリット方向と平行方向となっている。つまり、縦方向のサイズが横方向のサイズよりも大きくなっている。さらに、上記非対称絞り5は、図4に示すように、多角形形状の開口部5cを備えていてもよい。この開口部5cの多角形形状は、特に限定されることはなく、いかなる形状であってもよい。但し、上記多角形形状は、縦方向に対して平行方向の最長部分(縦方向のサイズ)が、横方向に対して平行方向の最長部分(横方向のサイズ)よりも大きい構成となっている。
【0021】
光源2としては、レーザ光(可干渉距離が数mm以上)と比べて低コヒーレントな光源(可干渉距離が1mm以下)であればよいが、干渉性の低さから、ハロゲン光源、メタルハライド光源といった白色光源(可干渉距離が10μm以下の数μm程度)が好ましい。なお、上記白色光源に代えて、可干渉距離が10μm〜20μm程度の、単一波長光源である、発光ダイオードを光源2として用いてもよい。レーザ光は、単一波長光源であり、可干渉距離が、レーザダイオードでは数mm程度、He−Neレーザでは20cm〜30cm程度である。
【0022】
パターン形成手段3の光学スリットは、光学ガラスなどの光透過性に優れた素材からなる基板の表面に、光を反射するクロムなどの誘電体層をスリット部分と異なる部分に蒸着しスリットを形成したものである。なお、上記光学スリットに代えて、エアスリットを用いることもできる。エアスリットは、ステンレス鋼などの硬く不透明な(光を遮断する)素材からなる基板に対し、レーザ等によりスリット状に穴あけ加工してスリットを形成したものである。
【0023】
光源2から出射した光はその光軸上にあるパターン形成手段3でスリット光になり、投光レンズ4により集光され、さらに非対称絞り5により絞られて(制限されて)、略直方体形状の測定対象物6に投光角度α(本実施の形態では、0度、つまり測定対象物6の表面方向に対して直交する角度(法線方向))で投影される。
【0024】
また、非対称絞り5が投光レンズ4とパターン形成手段3との間にある場合には、光源2から出射した光はその光軸上にあるパターン形成手段3でスリット光になり、非対称絞り5により絞られ(制限され)、投光レンズ4により集光されて、略直方体形状の測定対象物6に投光角度αで投影される。
【0025】
このとき投影されるスリット光の線幅は、投光角度α及び投光光学系1の倍率で決まり、その倍率をm=(b/a)、パターン形成手段3のスリット幅をw0 とすると、スリット光線幅w=m×(w0 /cosα)となる。
【0026】
測定対象物6に投影されたスリット光は、図5に示す正反射光10、散乱光11、及び拡散光12の反射成分の内、測定対象物6の反射特性に応じた割合で測定対象物6の表面から反射される。反射光のうち撮像角度β(本実施の形態では、上記法線に対して60度に設定されている)で反射する光は、撮像レンズ8により表面形状に応じた光切断像として、CCD素子9にて撮像される。上記撮像レンズ8及びCCD素子9により撮像光学系(検出部)7が形成されている、上記撮像レンズ8としては、例えば焦点距離f=50mmのCCTVレンズ(ビデオレンズ)である。
【0027】
以上のように、本実施の第一形態においては、非対称絞り5を備えている。これにより、投光光学系1における焦点深度を大きくすることができる。従来、焦点深度を大きくするには、絞りを用いることは一般的であるが、この絞りは、円形と正多角形の形状の開口部を有し、いわゆる縦方向と横方向ともサイズが同一であった。つまり、縦方向と横方向とも同様に光を制限するため、光量低下が著しかった。これに対し、本実施の形態では、非対称絞り5は方向性を有するスリット光に用いられているので、スリット方向(縦方向)に対して垂直方向(横方向)に絞りさえすればよい。即ち、横方向にサイズの小さい開口部を有していればよい。これにより、この非対称絞り5により制限される光量低下の程度を小さくすることができる。
【0028】
従って、本実施の形態では、光量低下を抑えつつ、投光光学系における焦点深度を大きくすることができ、高さ方向の分解能が必要となる電子部品や半田バンプ、導電性ペースト等の三次元形状測定における高精度な測定が可能となる。
【0029】
(実施の第二形態)
以下に、本発明に係る実施の第二形態における三次元形状測定方法、及び三次元形状測定装置について説明する。図6は、本発明に係る実施の第二形態における三次元形状測定装置の概略構成図である。上記三次元形状測定装置では、図6に示すように、投光光学系1に、光源2、複数スリット状のパターン形成手段3a、投光レンズ4が設けられている。なお、以下の本実施の各形態では、上記の実施の第一形態と同一の機能を有する各部材には同一の部材番号を付与してそれらの説明を省いた。
【0030】
図7に示す複数スリット状のパターン形成手段3aは遮光部13及び透過部14で構成され、透過部14のみ光が通過できる。光源2から出射した光はその光軸上にある複数スリット状のパターン形成手段3aに応じたマルチスリット光になり、投光レンズ4により測定対象物6に投光角度αで投影される。
【0031】
このとき投影されるマルチスリット光の線幅、スリット間隔は、投光角度α及び投光光学系1の倍率で決まり、その倍率をm=(b/a)、複数スリット状のパターン形成手段3aのスリット幅をw0 、スリット間隔をt0 とすると、スリット光線幅w=m×(w0 /cosα)、スリット光間隔t=m×(t0 /cosα)となる。上記の光学的な諸条件は前記実施の第一形態と、スリット光間隔(t)以外同一である。
【0032】
測定対象物6に投影されたスリット光は、図5に示す正反射光10、散乱光11、拡散光12の反射成分の内、測定対象物6の反射特性に応じた割合で測定対象物6の表面から反射される。反射光のうち撮像角度βで反射する光は、撮像レンズ8により表面形状に応じた光切断像として、CCD素子9にて撮像される。
【0033】
次に、本実施の第二形態の作用・効果について説明する。実施の第一形態の作用・効果に加え、走査機構が不要なため簡単な構成で、マルチスリット光を投影できる投光光学系1を構成できる。
【0034】
ところで、測定対象物の反射成分が正反射光以外の散乱光、拡散光を含む場合、光切断像は投影されたスリット光線幅よりも大きくなり、散乱光、拡散光の割合が大きい場合、隣り合う光切断像を識別できなくなることがある。
【0035】
このような測定対象物の場合でも、本実施の第二形態の三次元形状測定方法は、投光光学系1の倍率を変えることで、隣り合う光切断像の識別が可能な任意のスリット光間隔のマルチスリット光を投影することができる。つまり、投光光学系1の倍率を変えることで測定対象物6の反射特性に応じた線幅、間隔のマルチスリット光が投影可能である。
【0036】
また、複数スリット状のパターン形成手段3aを写真(フォト)エッチングで形成することで、寸法誤差の小さく複雑なパターンのマルチスリット光を、より正確に投影できる。
【0037】
(実施の第三形態)
以下に、本発明の実施の第三形態に係る三次元形状測定装置について図8および図9に基づいて説明する。
【0038】
上記三次元形状測定装置には、図8に示すように、さらに、測定対象物6と撮像光学系(検出部)7との光路上に、測定対象物6に照射された投光光学系1からの照射光の光軸と、撮像光学系(検出部)7に入射する測定対象物6からの反射光の光軸とがほぼ平行となるように、上記反射光を反射するミラー(反射光学系)15が設けられている。
【0039】
このミラー15を設けたことによって、測定装置全体の(図8では縦方向つまり投光光学系1から測定対象物6に到る光の光軸に対して直交する方向)サイズを小さく設定することが可能となる。
【0040】
上記三次元形状測定装置の一変形例を図9に基づいて説明する。上記実施の第三形態では、測定対象物6と撮像光学系(検出部)7との光路上に、ミラー15が設けられた例を挙げたが、上記に限定されるものではなく、例えば図9に示すように、上記ミラー15に代えて、投光光学系1から測定対象物6に到る光の光路上に、測定対象物6に照射された投光光学系1からの照射光の光軸と、撮像光学系(検出部)7に入射する測定対象物6からの反射光の光軸とがほぼ平行となるように、上記照射光を反射するミラー(反射光学系)16を設けてもよい。
【0041】
また、上記ミラー16は、上記照射光を、測定対象物6に対して、測定対象物6上の仮想の法線方向に対して、入射角αにて入射するように、かつ、測定対象物6にからの反射角が上記法線方向に対してβとなるように設定されていることが望ましい。
【0042】
上記ミラー16を設けたことによって、測定装置全体の(図9では縦方向および横方向すなわち投光光学系1から測定対象物6に到る光の光軸に対して直交する方向および上記光軸方向)サイズを小さく設定することが可能となる。
【0043】
本実施の第三形態に係る三次元形状測定方法は、光切断法を用いた三次元形状測定方法において、光源に白色光源を使用し、その光軸上に配置されるパターン形成手段および投光レンズにより形成されるスリット光(シングルスリット光、複数スリット光)を、スリット方向と垂直方向に絞って、測定対象物に投影し、その投影されたスリット光を反射光学系を介して撮像して、測定対象物の三次元形状を測定する方法である。
【0044】
本実施の第三形態に係る他の三次元形状測定方法は、光切断法を用いた三次元形状測定方法において、光源に白色光源を使用し、その光軸上に配置されるパターン形成手段および投光レンズにより形成されるスリット光(シングルスリット光、複数スリット光)をスリット方向と垂直方向に絞って、反射光学系を介して測定対象物に投影し、その投影されたスリット光を撮像して、測定対象物の三次元形状を測定する方法である。
【0045】
上記各方法によれば、反射光学系を用いることで、測定装置全体を小型化できる。
【0046】
(実施の第四形態)
本発明の実施の第四形態について図10および図11に基づいて以下に説明する。本実施の第四形態では、前述の実施の第一形態において、さらに、図10に示すように、撮像光学系(検出部)7が複数、例えば2つ設けられている。
【0047】
これにより、本実施の第四形態においては、投光光学系1は、測定対象物6に対して、投光光学系1から測定対象物6に到る光の光軸が測定対象物6上の仮想法線に沿うように設定されている。
【0048】
さらに、各撮像光学系(検出部)7は、測定対象物6からの反射光の光軸である撮像角度がそれぞれβ、β’となるように設定されている。また、複数の各撮像光学系7は、測定対象物6上の仮想法線に対して、互いに等間隔(つまり等角度)にそれぞれ設定されていてもよい。
【0049】
ところで、光切断法を用いた三次元形状測定方法では、投光光学系1と撮像光学系とが互いに異なる角度に設置されるため、測定対象物の近辺に壁などの障害物があると、その影に隠れて測定対象物6の一部が見えなくなる(死角となる)場合があり、三次元形状の測定が不正確になることがあった。
【0050】
しかしながら、本実施の第四形態のように複数の各撮像光学系7を設けたことによって、障害物による死角を排除できて、測定対象物6の全範囲を測定することが可能となり、測定精度を改善できる。
【0051】
本実施の第四形態では、さらに、図11に示すように、前述の本実施の第三形態と同様に、各ミラー15を設けてもよい。これにより、測定精度の向上と小型化を同時に実現できる。
【0052】
こうように本実施の第四形態に係る三次元形状測定方法は、光切断法を用いた三次元形状測定方法において、光源に白色光源を使用し、その光軸上に配置されるパターン形成手段および投光レンズにより形成されるスリット光(シングルスリット光、複数スリット光)を、スリット方向と垂直方向に絞って、測定対象物に投影し、その投影されたスリット光を、それぞれ異なる方向から二組以上の撮像光学系により撮像して、測定対象物の三次元形状を測定する方法である。
【0053】
本実施の第四形態に係る他の三次元形状測定方法は、光切断法を用いた三次元形状測定方法において、光源に白色光源を使用し、その光軸上に配置されるパターン形成手段および投光レンズにより形成されるスリット光(シングルスリット光、複数スリット光)を、スリット方向と垂直方向に絞って、反射光学系を介して測定対象物に投影し、その投影されたスリット光を、それぞれ異なる方向から二組以上の撮像光学系により反射光学系を介して撮像することにより、上記測定対象物の三次元形状を測定する方法である。
【0054】
上記各方法によれば、二組以上の撮像光学系を用いることによって、形状測定の精度を改善でき、さらに反射光学系を用いることで、測定装置全体を小型化できる。
【0055】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の三次元形状測定方法は、以上に示したように、光源からのスリット光を非対称絞りにより絞って測定対象物に投影し、上記スリット光による測定対象物からの反射光に基づき上記測定対象物の三次元形状を光切断法により測定する方法である。
【0057】
それゆえ、光量低下の程度が小さく且つマルチスリット光の焦点深度を大きくすることができ、精度良く三次元形状を測定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元形状測定方法及び三次元形状測定装置に係る実施の第一形態の概略構成図である。
【図2】上記三次元形状測定方法に用いられる非対称絞りの一例を示す正面図である。
【図3】上記三次元形状測定方法に用いられる非対称絞りの変形例を示す正面図である。
【図4】上記三次元形状測定方法に用いられる非対称絞りの他の変形例を示す正面図である。
【図5】上記三次元形状測定法における各種の反射光に関する説明図である。
【図6】本発明の三次元形状測定方法及び三次元形状測定装置に係る実施の第二形態の概略構成図である。
【図7】上記三次元形状測定方法及び三次元形状測定装置における、複数のスリットを有するパターン形成手段の正面図である。
【図8】本発明の実施の第三形態における三次元形状測定装置の概略構成図である。
【図9】上記三次元形状測定装置の一変形例の概略構成図である。
【図10】本発明の実施の第四形態における三次元形状測定装置の概略構成図である。
【図11】上記三次元形状測定装置の一変形例の概略構成図である。
【図12】従来の三次元形状測定方法におけるスリット光の形成方法を示す概略構成図である。
【符号の説明】
2  光源
3  パターン形成手段
4  投光レンズ
5  非対称絞り(絞り)
6  測定対象物
7  撮像光学系(検出部)

Claims (6)

  1. 光切断法を用いた三次元形状測定方法において、
    光源を備える光学系からのスリット光を、スリット方向と垂直方向に絞り、測定対象物に投影し、
    上記スリット光による測定対象物からの反射光に基づき上記測定対象物の三次元形状を測定することを特徴とする三次元形状測定方法。
  2. スリット光は、複数本であることを特徴とする請求項1記載の三次元形状測定方法。
  3. 光源は、レーザ光と比べて低コヒーレントな光源であることを特徴とする請求項1または2記載の三次元形状測定方法。
  4. 光源は、白色光源であることを特徴とする請求項1、2または3記載の三次元形状測定方法。
  5. 光源と、光源の光軸上に配置され、上記光源からの光によりスリット光を形成するためのパターン形成手段と、スリット光を測定対象物に対して集光するための投光レンズとを備える光学系と、
    上記スリット光を絞るための、スリット方向のサイズよりスリット方向と垂直方向のサイズが小さい開口部を有する非対称絞りと、
    上記スリット光による測定対象物からの反射光に基づき上記測定対象物の三次元形状を測定するための検出部とを有することを特徴とする三次元形状測定装置。
  6. 上記パターン形成手段は、複数本のスリット光を形成することを特徴とする請求項5記載の三次元形状測定装置。
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