JP2005331413A - 距離画像取得システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 距離画像取得システムは、光源モジュール3とカメラ装置19とを備える。光源モジュール3は、レーザ光を放射する光源、およびこの光源から放射されたレーザ光を異なる光路を通過させることにより同心円的な形状の干渉模様を対象物に形成する光学レンズを有する。カメラ装置19はこの干渉模様を撮影する。光源モジュールの発光に同期して前記カメラ装置が前記干渉模様を撮影し、この撮影情報に基づいて距離画像を取得する。光源モジュール3は複数個備えることができる。また、光源モジュール3はカメラ装置19にフラッシュ装置のように搭載することができる。カメラ装置19は例えばデジタルカメラとされる。
【選択図】 図9
Description
前記光源モジュールは前記カメラ装置にフラッシュ装置のように搭載することができる。前記光源モジュールを搭載した前記カメラ装置はロボットの目として用いることができる。前記カメラ装置は、前記対象物との距離に基づいてその背景に相当する領域を除いた領域のみを画像として抽出することができる。
また、前記光源モジュールは赤外レーザ光を放射し、前記赤外レーザ光で形成された前記同心円状の干渉模様を撮影するカメラ装置は可視光などの光を遮断し前記赤外レーザ光を透過するフィルターを有する。前記光源モジュールは、半導体レーザおよびリング形状レンズを備えて構成することができる。また、前記撮影情報に基づいて距離画像を取得するための演算装置が備えられる。前記演算装置はコンピュータ(PC)とすることができる。演算装置は前記カメラ装置内に設けることができる。
本発明に係るカメラ装置は、対象物に投影された同心円状の干渉模様を撮影するイメージセンサーと、前記イメージセンサーから得られた撮影情報に基づいて前記対象物までの距離情報を演算する演算装置とを備える。さらに、このカメラ装置は、レーザ光を放射する光源および前記光源から放射されたレーザ光を光軸上平面において仮想的に2つ以上の光源から放出された光であるように対象物に投影し同心円状の干渉模様を形成する光学レンズを有する光源モジュールを搭載することができる。前記演算装置は、カメラ装置に内蔵されたコンピュータとすることができる。
前記同心円状の干渉模様とは、ほぼ同心円の干渉模様を含み、さらには円や楕円だけではなくこれに類する形状の干渉模様を含むものである。
本発明では、干渉模様を対象物に投影するが、干渉模様は距離の遠近に関わらず常にクリアーな像が形成されるので、検出や画像処理を行いやすいという利点がある。また、本発明では、干渉模様を対象物に投影するが、干渉模様は距離の遠近に関わらず常にクリアーな像が形成されるので、焦点合わせが不要であり、低コスト、高速に距離画像を取得できる効果がある。
本発明では、カメラが一つであるので、距離画像を取得する際に、対象物の特徴点照合などが不要で、誤認識が少なく、信頼性高く距離画像を取得できる効果がある。本発明では、対象物をモニターで見ながら、その距離に応じてコマンドを実行させることができる。コマンドとしては、例えば、人が家に近づいた場合に、アラームが鳴る、ビデオを録画する、などの操作を実行させることができる。
図1(a)、(b)は、光学レンズの上側半分と下側半分を通過した光が干渉を起こす原理を説明するための図である。図1(a)は光学レンズの光軸を通過する平面におけるレンズ断面を示し、図1(b)は円錐形状の光学レンズの断面図と正面図を示している。図示のように、光学レンズ1−1は光入射面が円錐形状であり、光出射面は平面で構成されている。光学レンズ1−1uは、レンズ1−1を光源方向から見た正面図である。このように、光学レンズ1−1は、光軸上あるいは光軸近傍に形状の特異点があるレンズ面を有している。
E=exp(2πL1/λ*i)+exp(2πL2/λ*i)
=2cos(π*ΔL/λ)*exp(iπ(L1+L2)/λ) 式(1)
ここで、iは虚数単位、λはレーザ光の波長である。また、光路長は空気とレンズの屈折率を考慮した値となる。ここで、光の強度Iは電界強度の2乗で表されるので、
I=|E|2 式(2)
となる。
光学レンズ1−1は光軸対称の形状を有しているので、光軸を中心とした同心円の干渉模様が形成されることが予想された。円錐レンズを用いて実際に干渉模様が形成されるかどうかを調べた。その結果を図2に示す。図2は、CCDに直接干渉模様を投影して撮影したときの干渉模様を示す図である。このとき、CCDサイズは約12mm×10mmで、レンズからCCDの距離は60cmとした。円錐レンズの形状はレンズ径Φ16mm、円錐部の高さ1.5mm、円錐高さを含む全体の厚さ5mmとした。円錐レンズの頂上とレーザ光源の距離は1〜2mm程度とした。その結果、図2に示すような同心円が実際に形成できることが確認できた。ここで、円錐レンズはレーザ光を対象物上で重ね合わせる働きをしている。
本例では、図3(a)に示すように、光軸に窪みのある光軸対象のリング形状レンズ1−3を用いる。図3(b)において、レンズ1−3はレンズの断面図を示し、レンズ1−3uはレンズを光源方向から見た正面図を示すものである。ここで、レンズ外径は3mmとした。光軸上の平面におけるレンズの入射面はx=0.5*(y―1.5)1.5(単位はmm)の非球面で構成されている。ここで、xは光軸で光の進行方向を正とし、yは光軸に垂直な半径方向の軸である。レンズ1−3の光出射面は平面とした。レンズ素材の屈折率は1.51とした。
本例では、図5(a)に示すように、光軸中心付近のインナーレンズ1−4−inとその外側を取り囲むアウターレンズ1−4−outで構成されるレンズ1−4を用いる。図5(b)において、レンズ1−4はレンズの断面図を示し、レンズ1−4uはレンズを光源方向から見た正面図を示すものである。インナーレンズの光入射面はその断面形状を二次曲線(放物曲線)面x=0.6*y*y(単位はmm)とした。ここで、xは光軸で光の進行方向を正とし、yはこれに垂直な方向とした。インナーレンズ1−4−inのレンズ径は2.0mmとした。アウターレンズ1−4−outの光入射面はn=1.52のn次曲線面x=1.4*(y−3)^1.52とした(記号^は階乗を表す)。アウターレンズのレンズ径は3mmとした。この式はアウターレンズの非球面がx−y平面においてy=3を中心としたn次曲線であることを示しており、これは最外周部を通過する光はレンズを直進して通過し、屈折せずに進むことを示している。レンズの屈折率は1.51とした。
上記の同心円模様のある部分を撮影したカメラの画素を点Piとし、このPiに対応する対象物11上の実際の点をPする。点Piはそれが存在する同心円の番号と位相から、光源モジュールを頂点とする下記の円錐を決定することができる。この円錐をCpとする。
ここで、xは光源モジュールから同心円中心までの距離で、y軸z軸はxに垂直な平面を構成する直交軸である。aは係数である。この式は、距離xに比例して円の半径が変化することを表しており、円錐を規定している。この円錐上に対象物上の点Pが存在する。
点Pは、点Pを撮影したカメラ装置19内のイメージセンサー41の画素位置Piで決定される直線Lの上にも存在する。直線Lは
図11に示すように、同心円を投影した対象物11は上下2段に積まれた箱である。上の箱は下の箱より奥に引っ込んでおり、大きな段差ができていた。カメラ19はその段差部分より下方にあるために、段差部分はカメラからは見えない位置にあった。即ち、オクルージョン(隠れ)が発生していたので、カメラ19ではその段差部分は撮影できなかった。同心円干渉模様は図11に示すように投影されたが、カメラ19からは同心円中心を撮影できなかったので、カメラの撮影した画像からは同心円の番号を数えることができず、実施例5で行ったような方法では、距離画像を取得できないことが分かった。
(y−yb)^2+z^2=(b*(nb+pb/2π)*x)^2 式(6)
ここで、a,bは同心円AとBのピッチ間隔を表す係数である。光源モジュールyaのy座標はゼロであり、光源モジュール3bのy座標はybである。光源モジュール3bは、光源モジュール3aに対して、x、z座標は同じで、y座標のみが異なった位置にある。上式(3)、(4)に式(2)を代入して、x、y、zをmlで置き換えると、上式(3)、(4)はmlの2次式となる。a,b,pa,pbは全て既知であるので、未知数は、ml,na,nbである。これら二つのmlの2次方程式において、na,nbを1,2,3,・・・と変化させて、mlの解を得る。na,nbの上限は同心円干渉模様の広がり角45度程度に対応する番号となる。例えば、同心円ピッチ1mmで同心円の最大半径が1mであるならば、na,nbの最大値は100となる。二つの方程式の解mlが同一になった点が求めている解である。
また、この解mlは、対象物の距離が数十cm〜数mの距離にある条件を入れることに狭められ、複数個の解が出た場合に、正しい解を抽出できる。
このような三次元画像取得技術では、対象物の特徴点抽出や、その照合(パターンマッチング)などは不要である。また、レーザ光源として半導体レーザを利用できるので消費電力は少ない。また、レーザ素子は通常そのサイズが直径Φ5.6mmやΦ3.3mmなどであり、光学レンズも同程度のサイズなので小型化が実現される。また、干渉模様なので焦点合わせが不要で常に焦点の合った鮮明な同心円模様が形成される特徴がある。
先ず、イメージセンサーにはRGBIrの4色を検出するCCDセンサーを用いた。図13に示すように、RGBIrの光を透過するフィルターが各素子に取り付けられており、各素子はRGBIrだけを検出する。この2×2に配列されがRGBIrの素子を1セットとして、CCDイメージセンサー全体に配置することにより、通常のRGBイメージの像を撮像することができると同時に、赤外光の同心円干渉模様を対象物に投影することにより、その三次元画像を取得することができる。
本実施例では、赤外光を検出する受光素子をRGBに追加したが、これを追加することなく通常のRGB受光素子を利用し、RGBの光を放出する光源モジュールを利用することができる。
本実施例では普通画像と距離画像を一つの距離画像把握システムが撮影する方法について述べたが、本システムをロボットに搭載すれば、対象物の検出や認識に利用することができる。本システムが取得する距離画像の情報にもとづいて、ロボットは対象物を避けて移動したり、対象物に接近したりすることが出来る。また、ロボットは対象物を手でつかんだり、足で蹴ったりすることが出来る。このように、本システムはロボットの目として利用できる。
本発明は、普通のビデオカメラを利用し、これにフラッシュのように発光する光源モジュールを搭載するだけで、所望の映像領域を抽出できるシステムであり、極めて簡単な構成で、簡易に、小型で、低コストで、送りたい映像だけを抽出して相手側に送信するシステムを構築することができる。
2 レーザ光源
3 光源モジュール
5 同心円干渉模様
11 対象物
19 カメラ装置
Claims (19)
- レーザ光を放射する光源および前記光源から放射されたレーザ光を光軸上平面において仮想的に2つ以上の光源から放出された光であるように対象物に投影し同心円状の干渉模様を形成する光学レンズを有する光源モジュールと、前記干渉模様を撮影するカメラ装置とを備え、前記光源モジュールの発光により形成される前記干渉模様を前記カメラ装置が撮影し、この撮影情報に基づいて距離画像を取得することを特徴とする距離画像取得システム。
- 前記光源モジュールを複数個備え、前記各光源モジュールの発光により形成された前記各干渉模様を前記カメラ装置が撮影し、この複数の撮影情報に基づいて距離画像を取得することを特徴とする請求項1記載の距離画像取得システム。
- 前記カメラ装置が、イメージセンサーを搭載したデジタルカメラであり、前記光源モジュールの発光に同期して前記カメラ装置が前記各干渉模様を撮影することを特徴とする請求項1または2記載の距離画像取得システム。
- 前記イメージセンサーが、光の三原色を受光する素子および赤外光を受光する素子を備えたことを特徴とする請求項3記載の距離画像取得システム。
- 前記カメラ装置が、イメージセンサーを搭載したビデオカメラであることを特徴とする請求項1または2記載の距離画像取得システム。
- 前記光源モジュールが、ビデオカメラの撮影の1フレーム分に相当する時間だけ発光することを特徴とする請求項5記載の距離画像取得システム。
- 前記ビデオカメラで撮影した画像から、移動体の距離情報を取得し、前記移動体の位置を検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の距離画像取得システム。
- 前記移動体がある距離より近づいた場合にアラームを発することを特徴とする請求項7記載の距離画像取得システム。
- 前記光源モジュールが前記カメラ装置にフラッシュ装置のように搭載されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の距離画像取得システム。
- 前記光源モジュールを搭載した前記カメラ装置をロボットの目として用いることを特徴とする請求項8記載の距離画像取得システム。
- 前記カメラ装置が、前記対象物との距離に基づいてその背景に相当する領域を除いた領域のみを画像として抽出することを特徴とする請求項1または2記載の距離画像取得システム。
- 前記光源モジュールが赤外レーザ光を放射し、前記赤外レーザ光で形成された前記同心円状の干渉模様を撮影するカメラ装置が可視光を遮断し前記赤外レーザ光を透過するフィルターを有していることを特徴とする距離画像取得システム。
- 前記光源モジュールが、半導体レーザおよびリング形状レンズを備えたことを特徴とする請求項1記載の距離画像取得システム。
- 前記撮影情報に基づいて距離画像を取得するための演算装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の距離画像取得システム。
- 前記演算装置がコンピュータであることを特徴とする請求項14記載の距離画像取得システム。
- 前記演算装置が前記カメラ装置内に設けられたことを特徴とする請求項14または15記載の距離画像取得システム。
- 対象物に投影された同心円状の干渉模様を撮影するイメージセンサーと、前記イメージセンサーから得られた撮影情報に基づいて前記対象物までの距離情報を演算する演算装置とを備えたことを特徴とするカメラ装置。
- レーザ光を放射する光源および前記光源から放射されたレーザ光を光軸上平面において仮想的に2つ以上の光源から放出された光であるように対象物に投影し同心円状の干渉模様を形成する光学レンズを有する光源モジュールを搭載したことを特徴とする請求項17記載のカメラ装置。
- 前記演算装置が、内蔵されたコンピュータであることを特徴とする請求項17または18記載のカメラ装置。
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JP2004150972A JP2005331413A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 距離画像取得システム |
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2004
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