JP2004036571A - 内燃機関における燃焼性改善方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排出ガスを安価に且つ効果的に浄化させ得る、内燃機関における燃焼改善方法と燃焼改善装置とを提供する。
【解決手段】遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段14,18,22を、内燃機関内への空気供給路内に、空気と接触するように配置する一方、希土類金属からなる永久磁石28を、その磁界内において、該空気が流通せしめられるように配置して、それら遠赤外線放射手段14,18,22と永久磁石28とからそれぞれ放射される遠赤外線と磁力とによって、内燃機関に供給される空気を改質するように構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段14,18,22を、内燃機関内への空気供給路内に、空気と接触するように配置する一方、希土類金属からなる永久磁石28を、その磁界内において、該空気が流通せしめられるように配置して、それら遠赤外線放射手段14,18,22と永久磁石28とからそれぞれ放射される遠赤外線と磁力とによって、内燃機関に供給される空気を改質するように構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、内燃機関における燃焼性改善方法及び装置に係り、特に、内燃機関内に燃料と共に供給される空気を改質することにより、内燃機関の燃焼性の改善を図り、以て排出ガスを浄化するようにした内燃機関における燃焼性改善方法と内燃機関おける燃焼性改善装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関の排出ガス中には、人体に有害となる様々な物質が含まれている。このため、そのような内燃機関のうち、特に自動車用エンジンに対しては、大気汚染防止の点から、排出ガス中の有害物質の濃度を制限する排出ガス規制が、従来から実施されている。そして、この排出ガス規制は、年々、厳しくなる傾向にあり、特に、排出ガス中におけるCOやHC、或いはNOX等の濃度は、排出ガス規制が実施される前に比べて1/10以下にまで低減させることが、義務化されているのである。
【0003】
そこで、近年では、エンジン内に供給される空気の量や温度等に応じて、エンジン内への燃料の供給量や、その供給のタイミングをコントロールしたり、或いは燃焼温度を制御したりすることによって、エンジンの燃焼性を改善し、以て排出ガス中の有害物質の濃度を低減せしめて、排出ガスを浄化するようにした装置が、自動車用エンジンの多くのものに搭載されているのであるが、このような装置の殆どが、コンピュータ等の高価な電子機器を内蔵しているため、コスト高となってしまうことが避けられなかったのである。
【0004】
かかる状況下、特開平7−77115号公報等には、エンジンの燃焼性の改善による排出ガスの浄化を安価に実現可能ならしめる技術が、開示されている。即ち、この公報には、特殊な機器等を有することなく、単に、遠赤外線を放射するセラミック材を用いて構成されただけの安価なフィルタを、自動車用エンジン内への燃料や空気の供給路内にそれぞれ配置して、燃料や空気が各供給路内のフィルタを通過する際に、それら燃料や空気に対して遠赤外線が放射せしめられるように為すことによって、エンジンに供給される燃料と空気の混合気を均一化、微細化せしめて、エンジン内での燃焼状態を安定化させ、以てエンジンの高出力化と低燃費化とを達成すると共に、排出ガス中の有害物質を低減せしめて、排出ガスを浄化することが、明らかにされているのである。
【0005】
ところが、本発明者等が、そのような公報に開示された技術による排出ガスの浄化効果についての検証を行なったところ、確かに、ある程度の効果は認められるものの、その効果が、十分に満足し得る程のものでないことが、判明したのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性をより一層有利に改善することにより、排出ガス中の有害物質を更に十分に低減せしめて、排出ガスを安価に且つ効果的に浄化させ得るようにした、内燃機関における燃焼改善方法と、そのような方法が有利に実現可能な内燃機関における燃焼改善装置とを提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明者等が、種々検討を繰り返す課程において、内燃機関における燃焼性を改善するのに、磁力を利用することを発想した。即ち、磁力は、燃料の分子同士の結合体を分離せしめて、それらの分子を活性化することにより、燃料を改質することが、一般に知られている。そこで、この磁力を遠赤外線と共に内燃機関に供給される空気に放射せしめることを、着想したのである。そして、この着想に基づいて、本発明者等が更に鋭意研究を重ねた結果、内燃機関に供給される空気に、遠赤外線と共に、強力な磁力を放射せしめることによって、かかる空気がより十分に改質されて、内燃機関の燃焼性が改善されることを、見出したのである。
【0008】
而して、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、遠赤外線を放射する遠赤外線放射材を、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気と接触するように配置する一方、希土類金属からなる永久磁石を、その磁界内において、該空気が流通せしめられるように配置して、それら遠赤外線放射材と永久磁石とからそれぞれ放射される遠赤外線と磁力とによって該空気を改質するようにしたことを特徴とする内燃機関における燃焼性改善方法にある。
【0009】
すなわち、この本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法にあっては、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気に対して、遠赤外線と、希土類金属からなる磁石から発せられる強力な磁力とを放射することによって、かかる空気を改質するようにしたものであるところから、遠赤外線と強力な磁力との相乗効果により、単に遠赤外線のみを放射せしめる場合に比して、空気を更に一層十分に改質することが可能となり、それによって、内燃機関の燃焼性を極めて効果的に高め得て、内燃機関内での燃料の完全燃焼化をより有利に促進せしめ得るのであり、以て、排出ガス中の有害物質を、より十分に低減せしめることが可能となるのである。
【0010】
しかも、かかる本発明手法においては、内燃機関に供給される空気を改質するために、例えば、コンピュータ等の高価な電子機器等を何等用いることなく、単に、比較的に安価な遠赤外線放射材と希土類金属からなる永久磁石とを用いるに過ぎないため、空気の改質、ひいては内燃機関の燃焼性の改善を、可及的に低いコストで実現することが出来るのである。
【0011】
従って、かくの如き本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法によれば、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性をより一層有利に改善することが出来、それによって、排出ガス中の有害物質を更に十分に低減せしめて、排出ガスを安価に且つ効果的に浄化させることが出来るのである。そして、その結果として、内燃機関の排出ガスにて、人体に悪影響が及ぼされることや大気汚染が発生するようなことが、低コストで且つ確実に防止され得ることとなるのである。
【0012】
また、この本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法においては、前述せる如く、内燃機関内での燃料の完全燃焼化をより有利に促進せしめ得るところから、燃費が効果的に向上せしめられ得るばかりでなく、内燃機関の燃焼効率の向上が達成され得て、内燃機関の高出力化が極めて有利に実現され得ることとなるのである。
【0013】
なお、このような本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法の好ましい態様の一つによれば、前記希土類金属からなる永久磁石を、その磁界内において、前記内燃機関内に供給される燃料が流通せしめられるように、更に配置して、該永久磁石から放射される磁力によって該燃料を改質するように、構成される。
【0014】
かかる構成を有する内燃機関における燃焼性改善方法にあっては、遠赤外線と磁力とによる空気の改質効果と、磁力による燃料の改質効果とが相俟って、内燃機関内での燃料の完全燃焼化が、更に一層有利に促進され得るのであり、それによって、排出ガスの浄化と燃費の向上と内燃機関の高出力化とが、より高いレベルで効果的に実現せしめられ得ることとなるのである。
【0015】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法の別の有利な態様の一つによれば、前記遠赤外線放射材を、前記内燃機関内に供給される燃料と接触するように、更に配置して、該遠赤外線放射材から放射される遠赤外線によって該燃料を改質するように、構成される。
【0016】
このような構成を有する内燃機関における燃焼性改善方法にあっては、様々な物質の分子を活性化させる働きを有することで知られる遠赤外線を、遠赤外線放射材から燃料に放射することによって、燃料を改質するようにしたものであるところから、この遠赤外線による燃料の改質と、遠赤外線と磁力とによる空気の改質との相乗効果によって、内燃機関内での燃料の完全燃焼化が、更に一層有利に促進され得るのであり、それによって、排出ガスの浄化と燃費の向上と内燃機関の高出力化とが、更に高いレベルで有利に達成され得るのである。
【0017】
そして、本発明にあっては、前記技術的課題を解決するために、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気と接触するように配置されて、該空気に対して遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段と、該空気が磁界内において流通せしめられるように配置されて、該空気に対して磁力を放射する希土類金属からなる永久磁石とを含み、それら遠赤外線放射手段と永久磁石による該空気に対する遠赤外線と磁力の放射によって、該空気を改質し得るように構成したことを特徴とする内燃機関における燃焼性改善装置をも、また、その要旨とするものである。
【0018】
すなわち、この本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置にあっては、遠赤外線放射手段から放射される遠赤外線と、希土類金属からなる永久磁石から発せられる強力な磁力とを、内燃機関内に供給される空気に放射せしめて、かかる空気を改質し得るようになっているところから、上述せる如き内燃機関における燃焼性改善方法を有利に実現することが出来るのである。
【0019】
従って、このような本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置を用いれば、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性がより有利に改善され得て、かかる内燃機関内での燃料の完全燃焼化が効果的に達成され得るのであり、それによって、排出ガスが、安価に且つ効果的に浄化され得ると共に、燃費の向上と内燃機関の高出力化が、より一層有利に実現せしめられ得ることとなるのである。そして、その結果として、排出ガスによる大気汚染の防止と内燃機関性能の向上とが、低コストで且つ確実に達成され得るのである。
【0020】
なお、かくの如き本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の望ましい態様の一つによれば、前記遠赤外線放射手段と前記永久磁石とが、シート状乃至はプレート状の固定体の表面に固定された状態で、前記内燃機関内への該空気の供給路内に配置せしめられるように構成される。
【0021】
このような構成を有する内燃機関における燃焼性改善装置にあっては、遠赤外線放射材と永久磁石とを一緒に取り扱うことが可能となるため、取扱性や使用性が、効果的に高められ得るのである。
【0022】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の別の有利な態様の一つによれば、前記遠赤外線放射手段と前記永久磁石とが、空気と磁力とを透過可能な収容体内に収容された状態で、前記内燃機関内への該空気の供給路内に配置せしめられるように構成される。
【0023】
かかる構成を有する内燃機関における燃焼性改善装置にあっても、遠赤外線放射材と永久磁石とを一緒に取り扱うことが可能となって、取扱性や使用性の向上が、有利に図られ得るのである。
【0024】
そして、特に、このような本発明装置においては、遠赤外線手段や永久磁石を、内部で自由に移動し得る状態で収容せしめれば、装置全体の変形が容易となって、内燃機関内への空気の供給路の内部における様々な形状の隙間等に容易に配置され得るといった利点が得られるのであり、しかも、収容体を、例えば、遠赤外線手段や永久磁石が容易には通過しない細かい網目のメッシュ乃至はネット形態をもって構成したり、或いは通気性を有する布地等にて構成すれば、遠赤外線手段や永久磁石が、比較的に小さなブロック状形態や粒状形態において収容体内に収容せしめた際にも、また、かかる収容体内で、遠赤外線手段や永久磁石が何等かの理由で破損して、その破片が生じた際等にも、それら遠赤外線手段自体や永久磁石自体、或いはそれらの破片等が、空気の供給路を通じて内燃機関内に侵入したりするようなことが、未然に防止され得ることとなるのである。
【0025】
さらに、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の好ましい他の態様の一つによれば、前記遠赤外線放射手段が、所定の塗料に含有せしめられた微粒子状形態を有して構成されると共に、前記永久磁石の表面に、かかる塗料からなる塗膜層が形成されることにより、該微粒子状の遠赤外線放射手段が、該永久磁石の表面に固着せしめられることとなる。これによって、燃焼改善装置のコンパクト化が有利に図られ得るのである。
【0026】
更にまた、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の更に他の有利な態様の一つによれば、前記遠赤外線放射材が、ブラックシリカを含んで構成される。これによって、遠赤外線放射材から、空気の改質に対して、より有効な波長帯の遠赤外線が、常温で、より強力に放射されることとなり、以て、内燃機関内に供給される空気が、遠赤外線と磁力とによって、更に一層十分に改質され得て、排出ガスの浄化と燃費の向上と内燃機関の高出力化とが、より効果的に実現せしめられ得ることとなるのである。なお、ここで言うブラックシリカとは、グラファイトシリカ・シンメイストーンなる学術名を有するもので、一般に、黒鉛珪石、若しくは神明石等と称されるものである。以下、同じ。
【0027】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の望ましい別の態様の一つによれば、前記内燃機関が、自動車用エンジンにて構成される。これによって、自動車用エンジンにおける排出ガスの浄化と燃費の向上と高出力化とが、経済的に有利に、しかもより高いレベルで効果的に実現せしめられ得ることとなるのである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る内燃機関における燃焼性改善方法と装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0029】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法を有利に実現可能な、本発明に従う構造を有する内燃機関における燃焼性改善装置の一実施形態として、自動車用エンジンにおける燃焼性改善装置が、その斜視形態と横断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の燃焼性改善装置10は、全体として、矩形ブロック形状を呈しており、そのような全体形状を与える、収容体としてのバスケット12内に、複数の木炭14と、永久磁石付遠赤外線放射プレート16とが、袋体18内に封入された状態で、収容されて、構成されている。
【0030】
より具体的には、この燃焼性改善装置10を構成するバスケット12は、適度な可撓性と優れた強度を有するポリプロピレン等の合成樹脂材料からなるメッシュ乃至はネット形態を有しており、これによって、矩形ブロック状の全体形状をある程度維持しつつ、所定範囲内での撓み変形が許容され得るようになっている。
【0031】
なお、後述する如く、ここでは、燃焼性改善装置10が、例えば、自動車用エンジンのエアクリーナ内に収容されて、使用されるようになっているところから、燃焼性改善装置10の全体形状を与えるバスケット12の全体の大きさが、一般的な乗用車のエンジンのエアクリーナ内に収容せしめられ得る程度とされている。勿論、この大きさは、特に限定されるものではなく、エンジン内における燃焼性改善装置10の配置部位の大きさに応じて、適宜に変更されるものである。また、このようなバスケット12を与える材料も、例示したポリプロピレンに、何等限定されるものではないものの、好ましくは、適度な可撓性や柔軟性と十分な強度を有する材料、例えば、そのような特性を有するポリプロピレン以外の合成樹脂材料や針金等の金属材料、或いは竹籤等の竹材料等が、用いられる。そして、それらの材料からメッシュ乃至はネット形態の袋体や籠体を形成して、バスケット12を構成しても良いのである。
【0032】
一方、そのようなバスケット12の内部に収容された複数の木炭14は、図3に示される如く、互いに並列して並べられた状態で、例えば、ポリプロピレン等の優れた強度を有する合成樹脂製のバンド20にて結束せしめられている。また、それら複数の木炭14の表面には、細長い帯状の遠赤外線放射シート22が、螺旋を描くように巻き掛けられた状態で、貼り付けられている。なお、この遠赤外線放射シート22は、所定の不織布の表面上に、遠赤外線を放射する天然鉱石であるブラックシリカの微粒子19が無数に固着せしめられて、構成されている。また、このブラックシリカは、4〜14μm程度の波長帯の極めて有用な遠赤外線を強力に放射する物質として、一般に知られるものである。
【0033】
かくして、ここでは、複数の木炭14と、それら各木炭14の表面に貼り付けられた遠赤外線放射シート22とから、常温で、強力な遠赤外線が放射されるようになっているのである。
【0034】
なお、本実施形態では、バスケット12内に木炭14を収容せしめたが、この木炭14と同様な遠赤外線を放射する竹炭や笹炭、或いはセラミックス等を、木炭14に代えて、バスケット12内に収容せしめても良い。また、バスケット12内に木炭14を収容せしめる場合にあっても、その種類が特に限定されるものではないものの、より強力な遠赤外線が放射されるものとして知られる備長炭等が、有利に選択されることとなる。更に、バスケット12内に収容せしめられる木炭14、或いはそれと同様な遠赤外線を放射する炭類やセラミックス等の量は、エンジンの大きさ(総排気量等)に応じて、適宜に決定されるものである。
【0035】
また、このような複数の木炭14と共に、バスケット12内に収容される永久磁石付遠赤外線放射プレート16は、図4に示される如く、全体として、略碁盤格子形状を呈する、金属製の薄肉平板からなるベースプレート24を有している。即ち、このベースプレート24は、金属製の薄肉平板からなる矩形の枠体の内側において、該枠体の縦方向と横方向とにそれぞれ一体的に延びる、該枠体と同じ金属製の薄肉平板からなる複数の縦辺部と複数の横辺部とが格子状に組み合わされて、適度な可撓性をもって、構成されているのである。なお、このベースプレート24の材質も、例示のものに何等限定されるものでないことは、勿論である。
【0036】
そして、このベースプレート24の厚さ方向一方の面における縦辺部と横辺部の互いの交差部位には、円形の凹所26が設けられ、この凹所26内に、それに対応した円板形状を呈する永久磁石28が嵌め込まれて、固着せしめられている。これらの永久磁石28は、何れも、極めて強力な磁力を発揮する希土類磁石の一種たるネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)にて、構成されている。勿論、永久磁石14として、サマリウムコバルト磁石(Sm−Co系磁石)等の別の希土類磁石を用いることも、可能である。また、この永久磁石付遠赤外線放射プレート16に固着される永久磁石28の個数や大きさは、エンジンの大きさ(総排気量)等に応じて、適宜に決定されるところである。
【0037】
また、ベースプレート24の永久磁石28が固着される側の面における縦辺部と横辺部の交差部位を除いた部位と、枠体とには、前記木炭14の表面に貼り付けられたものと同様な構成を有する、細長い帯状の遠赤外線放射シート22が、それぞれ貼り付けられている。これによって、永久磁石付遠赤外線放射プレート16から、極めて強力な磁力と遠赤外線とが、共に放射せしめられるようになっているのである。
【0038】
さらに、そのような構成とされた永久磁石付遠赤外線放射プレート16と複数の木炭14とを封入する袋体18は、布地を用いて、形成されている。これによって、袋体18が、十分な通気性を有するように構成されていると共に、内部に封入される木炭14が何等かの原因で破損した場合にも、その破片が外部に飛散して、エンジン内に侵入するようなことが防止され得るようになっているのである。
【0039】
また、かかる袋体18を与える布地の織り込まれた繊維同士の間には、遠赤外線を放射する天然鉱石であるブラックシリカの微粒子19が無数に埋設されており、それによって、袋体18からも、強力な遠赤外線が放射され得るようになっているのである。このことから明らかなように、本実施形態では、複数の木炭14とその表面に貼り付けられた遠赤外線放射シート22、永久磁石付遠赤外線放射プレート16、及び袋体18にて、遠赤外線放射手段が、構成されているのである。
【0040】
そして、図2に示される如く、そのような永久磁石付遠赤外線放射プレート16と前記バンド20にて結束された複数の木炭14とが、それぞれ直立し、且つ互いに対向する状態で、袋体18内に封入されていると共に、かかる袋体18が、内部に封入された永久磁石付遠赤外線放射プレート16と複数の木炭14とを、バスケット12の厚さ方向に並べるように配置しつつ、バスケット12内に収容されているのである。
【0041】
ところで、かくの如き構造とされた燃焼性改善装置10を用いて、自動車用エンジンの燃焼性を改善する際には、この燃焼性改善装置10を、例えば、図5に示されるように、エアクリーナの本体30内に収容するのである。即ち、エアクリーナ本体30内において、吸入パイプ32を通じて空気を外部から吸入するために、エアクリーナ本体30に設けられた吸入口34と、エアクリーナ本体30内に収容されたエレメント36との間に形成される隙間に、燃焼性改善装置10を、吸入口34の前に立ちはだかるように直立せしめて、配置するのである。
【0042】
このとき、燃焼性改善装置10は、エアクリーナ本体30内の吸引口34とエレメント36との間の隙間が有する円弧形状に対応して撓み変形せしめられることにより、かかる隙間内に、無理なく配置せしめられる。また、そのようなエアクリーナ本体30内への燃焼性改善装置10の収容状態下では、好ましくは、焼性改善装置10のバスケット12内に収容された複数の木炭14と永久磁石付遠赤外線放射プレート16のうち、複数の木炭14が、空気取入口34側に位置せしめられる一方、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が、エレメント36側に位置せしめられることとなる。
【0043】
かくして、ここでは、燃焼性改善装置10の内部に収容される、常温で強力な遠赤外線を放射する部材、つまり、表面に遠赤外線放射シート22が貼り付けられた複数の木炭14、永久磁石付遠赤外線放射プレート16、及び袋体18が、外部からエアクリーナ本体30内に吸入されて、キャブレタやインテークマニホールド(共に図示せず)を通じてエンジン内に供給される空気と接触せしめられると共に、そのような空気が、永久磁石付遠赤外線放射プレート16に固定された複数の永久磁石28の磁界内に流通せしめられるように、燃焼性改善装置10が、エアクリーナ本体30内に収容配置されるようになっているのである。
【0044】
そして、これによって、吸引パイプ32と吸入口34とを通じてエアクリーナ本体30内に吸入された空気に対して、強力な遠赤外線と強力な磁力とが放射せしめられて、かかる空気が、それと共にエンジン内に供給される燃料の完全燃焼化を促進せしめ得るような特性を有するように、改質されることとなるのである。なお、この遠赤外線と磁力の放射によって空気が改質される理由は、空気中の酸素や水等が活性化されることによるものと考えられる。
【0045】
また、本実施形態においては、上述の如く、燃焼性改善装置10をエアクリーナ本体30内に収容配置せしめる一方で、図6に示されるように、かかる燃焼性改善装置10の内部に収容されるものと同様な構造を有する永久磁石付遠赤外線放射プレート16を、それに固定される永久磁石28の磁力により、燃料パイプ38の内面に吸着させて、燃料パイプ38内に固定的に配置せしめている。
【0046】
かくして、永久磁石付遠赤外線放射プレート16のベースプレート24に貼り付けられた遠赤外線放射シート22が、燃料パイプ38内を流通せしめられる燃料(ガソリンや軽油)に接触せしめられると共に、そのような燃料が、ベースプレート24に固定された永久磁石28の磁界内に流通せしめられるように、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が、燃料パイプ38内に配置せしめられるようになっているのである。そして、これによって、燃料パイプ38内を流通せしめられて、エンジン内に供給される燃料に対して、強力な遠赤外線と強力な磁力とが放射せしめられて、かかる燃料が、エンジン内での完全燃焼化が促進され得るような特性を有するように、改質されることとなるのである
【0047】
このように、本実施形態においては、バスケット12内に、複数の木炭14と永久磁石付遠赤外線放射プレート16とを収容せしめただけの単純な構造を有し、それ故に安価に製造可能な燃焼性改善装置10をエアクリーナ本体30内に配置することによって、外部からエアクリーナ本体30内に吸入された空気に対して、強力な遠赤外線と強力な磁力とが共に放射せしめられて、かかる空気が、エンジン内での燃料の完全燃焼化を促進させる特性を有するように改質されるところから、可及的に小さな経済負担で、エンジンの燃焼性が極めて効果的に高められて、エンジン内での燃料の完全燃焼化が効果的に促進され得るのであり、それによって、エンジンから排出される排出ガス中の有毒物質が、より十分に低減せしめられ得るのである。しかも、そのように、エンジン内での燃料の完全燃焼化が効果的に促進され得るところから、燃費が効果的に向上せしめられ得るばかりでなく、エンジンの燃焼効率の向上が達成され得て、エンジンの高出力化が極めて有利に実現され得るのである。
【0048】
従って、このような本実施形態によれば、排出ガスの浄化と燃費の向上とエンジンの高出力化とが、可及的に小さな経済負担で、より高いレベルで有利に達成され得るのであり、その結果として、自動車用エンジンの排出ガスにて、人体に悪影響が及ぼされることや大気汚染が発生するようなことが、低コストで且つ確実に防止され得ると共に、エンジンの高性能化が有利に実現され得ることとなるのである。
【0049】
しかも、本実施形態では、燃料パイプ38内に、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が固定的に配置されて、燃料パイプ38内を流通せしめられる燃料に対して、永久磁石付遠赤外線放射プレート16から、強力な遠赤外線と磁力とが放射せしめられて、燃料も改質されるようになっているところから、かかる燃料のエンジン内での完全燃焼化が更に効果的に促進され得るのであり、それによって、排出ガスの浄化と燃費の向上とエンジンの高出力化とが、何れも、更に一層有利に且つ確実に実現され得るのである。
【0050】
また、ここでは、強力な磁力を発する永久磁石28が、遠赤外線を放射する遠赤外線放射シート22が貼り付けられたベースプレート24に固定されて、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が構成され、また、この磁力と遠赤外線とを共に放射する永久磁石付遠赤外線放射プレート16と、強力な遠赤外線を放射する複数の木炭14と、それに貼り付けられた遠赤外線放射シート22とが、それらと同様な遠赤外線を放射する袋体18に封入された状態で、可撓性を有し、ある程度の変形が許容されるバスケット12内に収容されて、燃焼性改善装置10が構成されているところから、かかる燃焼性改善装置10において、磁力を放射する部材と遠赤外線を放射する部材とを一緒に取り扱うことが出来る他、軽量で持運びが手軽である等の良好な取扱性が発揮され得ると共に、エアクリーナ本体30内に収容せしめる際に、その収容空間に応じて変形させつつ、無理なくに配置出来る等の優れた使用性も、有利に発揮され得るのである。
【0051】
さらに、このような燃焼性改善装置10においては、遠赤外線を放射する永久磁石付遠赤外線放射プレート16と、複数の木炭14に貼り付けられた遠赤外線放射シート22と、袋体18とが、それぞれ、より強力で有用なブラックシリカを含んで構成されているため、空気が、更に一層十分に改質され得るといった利点も得られるのである。
【0052】
ここにおいて、本発明に従う燃焼性改善装置とそれを用いた燃焼性改善方法とが、前述の如き優れた特徴を発揮し得るものであることを確認するために、本発明者等によって行われた幾つかの試験について、詳述することとする。
【0053】
先ず、総排気量:650cc、総走行距離数:23900km、及び初年度登録平成10年11月であるガソリンエンジンを搭載した軽トラックを準備する一方、縦×横×厚さが15mm×6mm×2.8mmの大きさと2800ガウスの磁束密度とを有する永久磁石であるネオジム磁石の複数個と、所定量の木炭とをそれぞれ準備した。
【0054】
次いで、準備された複数個のネオジム磁石のうちの3個と、500gの木炭とを、布製のメッシュバック内に混在するように収容せしめて、封入し、これを、ガソリンエンジンを搭載した軽トラックのエアクリーナの本体内の隙間に、配置した。また、それと共に、燃料タンクの底部外面に5個のネオジム磁石を吸着せしめる一方、燃料パイプの筒壁部外面にも3個のネオジム磁石を吸着せしめ、更に、燃料噴射ポンプの外面にも4個のネオジム磁石を吸着させて、配置した。
【0055】
そして、上述のようにして、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とが放射せしめられる一方、燃料に対して磁力が放射せしめられるように、木炭とネオジム磁石とが配置された軽トラックを、走行停止状態で、5分間だけ無負荷運転した後、アクセルペダルを急速に踏み込む操作を繰り返し3回行って、エンジンの回転数を4000rpmにした時に排出される排出ガス中のCO濃度とHC濃度とを、公知の測定器[陸運局認定(社団法人)自動車整備振興会指定型式番号 ALTAS−100D]を用いて測定するCO、HC濃度測定試験を行った。そして、このCO、HC濃度測定試験を3回行った結果、何れの測定試験においても、CO濃度とHC濃度は零となった。
【0056】
また、比較のために、準備された軽トラックのエンジン内への空気の供給路や燃料の供給路に、ネオジム磁石や木炭を何等配置しない状態で、上述せる如き操作と同様な操作にて、CO、HC濃度測定試験を、3回行った。その結果、CO濃度の測定値の平均値が0.45vol%で、HC濃度の測定値の平均値が90ppmとなった。
【0057】
さらに、準備された軽トラックのエアクリーナ本体の隙間内に、3個のネオジム磁石を吸着させて配置する一方、燃料タンクの底部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、3個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、CO、HC濃度測定試験を、3回行った。その結果、CO濃度の測定値の平均値が0.25vol%で、HC濃度の測定値の平均値が40ppmとなった。
【0058】
更にまた、準備された軽トラックのエアクリーナ本体の隙間内に、500gの木炭を配置する一方、燃料タンクの底部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、3個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、CO、HC濃度測定試験を、3回行った。その結果、CO濃度の測定値の平均値が0.25vol%で、HC濃度の測定値の平均値が40ppmとなった。
【0059】
また、ガソリンエンジンを搭載した軽トラックとは別に、総排気量:2830cc、総走行距離数:76200km、及び初年度登録平成9年4月であるディーゼルエンジンを搭載した普通乗用車を準備した。そして、先に準備された複数個のネオジム磁石のうちの5個と、700gの木炭とを、布製のメッシュバック内に混在するように収容せしめて、封入し、これを、ディーゼルエンジンを搭載した普通乗用車のエアクリーナの本体内の隙間に配置した。また、それと共に、燃料タンクの底部外面に10個のネオジム磁石を吸着せしめる一方、燃料パイプの筒壁部外面にも5個のネオジム磁石を吸着せしめ、更に、燃料噴射ポンプの外面にも4個のネオジム磁石を吸着させて、配置した。
【0060】
そして、そのような普通乗用車を、走行停止状態で、5分間だけ無負荷運転した後、アクセルペダルを急速に踏み込む操作を繰り返し3回行って、エンジンの回転数を4000rpmにした時に排出される排出ガス中の黒煙濃度を、公知の測定器(陸運局型式認定番号 BS−7、機械型式 ST−100)を用いて測定する黒煙濃度測定試験を行った。そして、この黒煙濃度測定試験を3回行った結果、何れの測定試験においても、黒煙濃度が10%となった。
【0061】
また、比較のために、準備された普通乗用車のエンジン内への空気の供給路や燃料の供給路に、ネオジム磁石や木炭を何等配置しない状態で、上述せる如き操作と同様な操作にて、黒煙濃度測定試験を、3回行った。その結果、黒煙濃度の測定値の平均値が40%となった。
【0062】
さらに、準備された普通乗用車のエアクリーナ本体の隙間内に、5個のネオジム磁石を吸着させて配置する一方、燃料タンクの底部外面に、10個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、黒煙濃度測定試験を、3回行った。その結果、黒煙濃度の測定値の平均値が25%となった。
【0063】
更にまた、準備された普通乗用車のエアクリーナ本体の隙間内に、700gの木炭を配置する一方、燃料タンクの底部外面に、10個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、黒煙濃度測定試験を、3回行った。その結果、黒煙濃度の測定値の平均値が25%となった。
【0064】
これらガソリンエンジンを搭載した軽トラックとディーゼルエンジンを搭載した普通乗用車とを用いてそれぞれ行ったCO、HC濃度測定試験と黒煙濃度測定試験の結果から明らかなように、本発明に従って、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とを放射するように、木炭やネオジム磁石を配置した場合には、それらを何等配置しない場合や、それらのうちの何れか一方のみを配置した場合等に比べて、ディーゼルエンジンの排出ガス中の黒煙濃度が、明らかに低減せしめられ(木炭やネオジム磁石を配置しない場合に比べて、1/4以下で、それらの何れか一方を配置したものに比べても、1/2以下)、また、ガソリンエンジンの排出ガス中のCO濃度とHC濃度に至っては、それらが零となって、排出ガスが、COやHCを全く含まない状態となるのである。このことから、本発明に従って、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とを放射するように、木炭やネオジム磁石を配置すれば、燃料の種類(ガソリンと軽油)に拘わらず、自動車用エンジンの排出ガスが、極めて効果的に浄化され得ることが、明確に認識され得るのである。
【0065】
また、因みに、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とが放射せしめられる一方、燃料に対して磁力が放射せしめられるように、木炭とネオジム磁石とが空気供給路や燃料供給路に配置された、上述せるCO、HC濃度測定試験に供された軽トラック(最大積載量:350kg)の荷台に、1050kg(最大積載量の3倍の重さ)の荷物を積載した状態で、かかる軽トラックの走行試験を行ったところ、5速(トップギヤ)で、平地を時速50〜60kmで順調に走行し、また傾斜角度が15度の坂道を時速40〜45kmで順調に走行した。これに対して、そのような走行試験に供された軽トラックから、空気供給路や燃料供給路から木炭とネオジム磁石とを全て除去して、その荷台に700kg(最大積載量の2倍の重さ)の荷物を積載した状態で、走行試験を行ったところ、平地走行では、3速(サードギヤ)での時速30km程度の走行が限界となり、また傾斜角度15度の坂道走行では、2速(セカンドギヤ)での時速20km程度の走行が限界となった。これらの走行試験の結果から、本発明に従って、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とを放射するように、木炭やネオジム磁石を配置すれば、エンジンの高出力化が達成し得ることも、認識され得るのである。
【0066】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0067】
例えば、前記実施形態では、複数の木炭14とその表面に貼り付けられた遠赤外線放射シート22、永久磁石付遠赤外線放射プレート16、及び袋体18にて、遠赤外線放射手段が構成されていたが、この遠赤外線放射手段は、文字通り、遠赤外線を放射し得るものであれば、その構造が何等限定されるものではなく、従って、例えば、かかる遠赤外線放射手段を、木炭14と遠赤外線放射シート22と永久磁石付遠赤外線放射プレート16と袋体18の少なくとも何れか一つにて、或いはそれらの部材とは異なる遠赤外線の放射部材にて、遠赤外線放射手段を構成することも、可能である。
【0068】
また、前記実施形態では、上述の如き幾つかの部材にて構成された遠赤外線放射手段が、エアクリーナ本体30内に収容されていたが、かかる遠赤外線放射手段は、エンジン内への空気の供給路に配置されておれば良く、それ故に、エアクリーナ本体30に一体形成された吸入パイプやエアクリーナ本体30内に収容されたエレメント36の内部、或いはキャブレタ内やインテークマニホールド内に収容配置せしめても、良いのである。
【0069】
さらに、そのような遠赤外線放射手段と共に空気の供給路内に配置される永久磁石も、必ずしも、永久磁石付遠赤外線放射プレート16に固着せしめられている必要はなく、独立した永久磁石を、袋体18やバスケット12内に収容せしめた状態で、或いはそれらから取り出した状態で、上述の如き空気の供給路内の何れに配置しても良いのである。
【0070】
また、例えば、永久磁石の表面に、ブラックシリカ等の遠赤外線放射材の微粒子を含有する塗料からなる塗膜層を形成することにより、固着して、遠赤外線放射手段と永久磁石との一体品を構成し、これを、空気の供給路内に配置することも、可能である。これによって、燃焼改善装置全体のコンパクト化が有利に図られ得ることとなる。
【0071】
さらに、前記実施形態では、燃料の改質を図るために、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が、燃料パイプ38内に収容配置せしめられていたが、上述の如き遠赤外線放射手段と永久磁石の何れか一方のみを、燃料パイプ38や、それ以外の燃料供給路、例えば、燃料タンク、燃料噴射ノズル、及びストレーナ等の内部や外部に配置することも、可能である。
【0072】
更にまた、燃料供給路内に、永久磁石を配置する場合には、かかる永久磁石の形状を多面体形状や球面形状とされていることが、望ましい。それによって、磁力が、可及的に全方位に放射せしめられ得ることとなる。
【0073】
加えて、前記実施形態では、自動車用エンジンにおける燃焼性改善方法と燃焼性改善装置とに対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、船舶や重機、各種土木作業車、或いは草刈機や芝刈機等に搭載される内燃機関等、自動車用エンジン以外の各種の内燃機関における燃焼性改善方法と燃焼性改善装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0074】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法によれば、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性がより有利に改善され得て、かかる内燃機関内での燃料の完全燃焼化が効果的に達成され得るのであり、それによって、排出ガスが、安価に且つ効果的に浄化され得ると共に、燃費の向上と内燃機関の高出力化が、より一層有利に実現せしめられ得ることとなるのである。そして、その結果として、内燃機関の排出ガスにて、人体に悪影響が及ぼされることや大気汚染が発生するようなことが、低コストで且つ確実に防止され得ることとなるのである。
【0076】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置を用いれば、排出ガスの浄化と燃費の向上とエンジンの高出力化とが、可及的に小さな経済負担で、より高いレベルにおいて有利に実現され得るのであり、以て、排出ガスによる人体への悪影響や大気汚染の発生の防止と内燃機関の高性能化とが、低コストで且つ確実に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する燃焼性改善装置の一例を示す斜視説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示された燃焼性改善装置に内蔵される複数の木炭を示す正面説明図である。
【図4】図1に示された燃焼性改善装置に内蔵される永久磁石付遠赤外線放射プレートを示す正面説明図である。
【図5】図1に示された燃焼性改善装置の使用状態の一例を説明するための図であって、かかる燃焼性改善装置をエアクリーナ本体内に収容配置せしめた状態を示している。
【図6】図1に示された燃焼性改善装置をエアクリーナ本体内に収容配置する一方で、燃料の改質を図るために、かかる燃焼性改善装置に内蔵されるものと同様な構造を有する永久磁石付遠赤外線放射プレートを、燃料パイプ内に収容配置せしめた状態を示している。
【符号の説明】
10 燃焼性改善装置 12 バスケット
14 木炭 16 永久磁石付遠赤外線放射プレート
18 袋体 22 遠赤外線放射シート
28 永久磁石 30 エアクリーナ本体
38 燃料パイプ
【技術分野】
本発明は、内燃機関における燃焼性改善方法及び装置に係り、特に、内燃機関内に燃料と共に供給される空気を改質することにより、内燃機関の燃焼性の改善を図り、以て排出ガスを浄化するようにした内燃機関における燃焼性改善方法と内燃機関おける燃焼性改善装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関の排出ガス中には、人体に有害となる様々な物質が含まれている。このため、そのような内燃機関のうち、特に自動車用エンジンに対しては、大気汚染防止の点から、排出ガス中の有害物質の濃度を制限する排出ガス規制が、従来から実施されている。そして、この排出ガス規制は、年々、厳しくなる傾向にあり、特に、排出ガス中におけるCOやHC、或いはNOX等の濃度は、排出ガス規制が実施される前に比べて1/10以下にまで低減させることが、義務化されているのである。
【0003】
そこで、近年では、エンジン内に供給される空気の量や温度等に応じて、エンジン内への燃料の供給量や、その供給のタイミングをコントロールしたり、或いは燃焼温度を制御したりすることによって、エンジンの燃焼性を改善し、以て排出ガス中の有害物質の濃度を低減せしめて、排出ガスを浄化するようにした装置が、自動車用エンジンの多くのものに搭載されているのであるが、このような装置の殆どが、コンピュータ等の高価な電子機器を内蔵しているため、コスト高となってしまうことが避けられなかったのである。
【0004】
かかる状況下、特開平7−77115号公報等には、エンジンの燃焼性の改善による排出ガスの浄化を安価に実現可能ならしめる技術が、開示されている。即ち、この公報には、特殊な機器等を有することなく、単に、遠赤外線を放射するセラミック材を用いて構成されただけの安価なフィルタを、自動車用エンジン内への燃料や空気の供給路内にそれぞれ配置して、燃料や空気が各供給路内のフィルタを通過する際に、それら燃料や空気に対して遠赤外線が放射せしめられるように為すことによって、エンジンに供給される燃料と空気の混合気を均一化、微細化せしめて、エンジン内での燃焼状態を安定化させ、以てエンジンの高出力化と低燃費化とを達成すると共に、排出ガス中の有害物質を低減せしめて、排出ガスを浄化することが、明らかにされているのである。
【0005】
ところが、本発明者等が、そのような公報に開示された技術による排出ガスの浄化効果についての検証を行なったところ、確かに、ある程度の効果は認められるものの、その効果が、十分に満足し得る程のものでないことが、判明したのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性をより一層有利に改善することにより、排出ガス中の有害物質を更に十分に低減せしめて、排出ガスを安価に且つ効果的に浄化させ得るようにした、内燃機関における燃焼改善方法と、そのような方法が有利に実現可能な内燃機関における燃焼改善装置とを提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明者等が、種々検討を繰り返す課程において、内燃機関における燃焼性を改善するのに、磁力を利用することを発想した。即ち、磁力は、燃料の分子同士の結合体を分離せしめて、それらの分子を活性化することにより、燃料を改質することが、一般に知られている。そこで、この磁力を遠赤外線と共に内燃機関に供給される空気に放射せしめることを、着想したのである。そして、この着想に基づいて、本発明者等が更に鋭意研究を重ねた結果、内燃機関に供給される空気に、遠赤外線と共に、強力な磁力を放射せしめることによって、かかる空気がより十分に改質されて、内燃機関の燃焼性が改善されることを、見出したのである。
【0008】
而して、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、遠赤外線を放射する遠赤外線放射材を、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気と接触するように配置する一方、希土類金属からなる永久磁石を、その磁界内において、該空気が流通せしめられるように配置して、それら遠赤外線放射材と永久磁石とからそれぞれ放射される遠赤外線と磁力とによって該空気を改質するようにしたことを特徴とする内燃機関における燃焼性改善方法にある。
【0009】
すなわち、この本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法にあっては、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気に対して、遠赤外線と、希土類金属からなる磁石から発せられる強力な磁力とを放射することによって、かかる空気を改質するようにしたものであるところから、遠赤外線と強力な磁力との相乗効果により、単に遠赤外線のみを放射せしめる場合に比して、空気を更に一層十分に改質することが可能となり、それによって、内燃機関の燃焼性を極めて効果的に高め得て、内燃機関内での燃料の完全燃焼化をより有利に促進せしめ得るのであり、以て、排出ガス中の有害物質を、より十分に低減せしめることが可能となるのである。
【0010】
しかも、かかる本発明手法においては、内燃機関に供給される空気を改質するために、例えば、コンピュータ等の高価な電子機器等を何等用いることなく、単に、比較的に安価な遠赤外線放射材と希土類金属からなる永久磁石とを用いるに過ぎないため、空気の改質、ひいては内燃機関の燃焼性の改善を、可及的に低いコストで実現することが出来るのである。
【0011】
従って、かくの如き本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法によれば、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性をより一層有利に改善することが出来、それによって、排出ガス中の有害物質を更に十分に低減せしめて、排出ガスを安価に且つ効果的に浄化させることが出来るのである。そして、その結果として、内燃機関の排出ガスにて、人体に悪影響が及ぼされることや大気汚染が発生するようなことが、低コストで且つ確実に防止され得ることとなるのである。
【0012】
また、この本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法においては、前述せる如く、内燃機関内での燃料の完全燃焼化をより有利に促進せしめ得るところから、燃費が効果的に向上せしめられ得るばかりでなく、内燃機関の燃焼効率の向上が達成され得て、内燃機関の高出力化が極めて有利に実現され得ることとなるのである。
【0013】
なお、このような本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法の好ましい態様の一つによれば、前記希土類金属からなる永久磁石を、その磁界内において、前記内燃機関内に供給される燃料が流通せしめられるように、更に配置して、該永久磁石から放射される磁力によって該燃料を改質するように、構成される。
【0014】
かかる構成を有する内燃機関における燃焼性改善方法にあっては、遠赤外線と磁力とによる空気の改質効果と、磁力による燃料の改質効果とが相俟って、内燃機関内での燃料の完全燃焼化が、更に一層有利に促進され得るのであり、それによって、排出ガスの浄化と燃費の向上と内燃機関の高出力化とが、より高いレベルで効果的に実現せしめられ得ることとなるのである。
【0015】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法の別の有利な態様の一つによれば、前記遠赤外線放射材を、前記内燃機関内に供給される燃料と接触するように、更に配置して、該遠赤外線放射材から放射される遠赤外線によって該燃料を改質するように、構成される。
【0016】
このような構成を有する内燃機関における燃焼性改善方法にあっては、様々な物質の分子を活性化させる働きを有することで知られる遠赤外線を、遠赤外線放射材から燃料に放射することによって、燃料を改質するようにしたものであるところから、この遠赤外線による燃料の改質と、遠赤外線と磁力とによる空気の改質との相乗効果によって、内燃機関内での燃料の完全燃焼化が、更に一層有利に促進され得るのであり、それによって、排出ガスの浄化と燃費の向上と内燃機関の高出力化とが、更に高いレベルで有利に達成され得るのである。
【0017】
そして、本発明にあっては、前記技術的課題を解決するために、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気と接触するように配置されて、該空気に対して遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段と、該空気が磁界内において流通せしめられるように配置されて、該空気に対して磁力を放射する希土類金属からなる永久磁石とを含み、それら遠赤外線放射手段と永久磁石による該空気に対する遠赤外線と磁力の放射によって、該空気を改質し得るように構成したことを特徴とする内燃機関における燃焼性改善装置をも、また、その要旨とするものである。
【0018】
すなわち、この本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置にあっては、遠赤外線放射手段から放射される遠赤外線と、希土類金属からなる永久磁石から発せられる強力な磁力とを、内燃機関内に供給される空気に放射せしめて、かかる空気を改質し得るようになっているところから、上述せる如き内燃機関における燃焼性改善方法を有利に実現することが出来るのである。
【0019】
従って、このような本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置を用いれば、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性がより有利に改善され得て、かかる内燃機関内での燃料の完全燃焼化が効果的に達成され得るのであり、それによって、排出ガスが、安価に且つ効果的に浄化され得ると共に、燃費の向上と内燃機関の高出力化が、より一層有利に実現せしめられ得ることとなるのである。そして、その結果として、排出ガスによる大気汚染の防止と内燃機関性能の向上とが、低コストで且つ確実に達成され得るのである。
【0020】
なお、かくの如き本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の望ましい態様の一つによれば、前記遠赤外線放射手段と前記永久磁石とが、シート状乃至はプレート状の固定体の表面に固定された状態で、前記内燃機関内への該空気の供給路内に配置せしめられるように構成される。
【0021】
このような構成を有する内燃機関における燃焼性改善装置にあっては、遠赤外線放射材と永久磁石とを一緒に取り扱うことが可能となるため、取扱性や使用性が、効果的に高められ得るのである。
【0022】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の別の有利な態様の一つによれば、前記遠赤外線放射手段と前記永久磁石とが、空気と磁力とを透過可能な収容体内に収容された状態で、前記内燃機関内への該空気の供給路内に配置せしめられるように構成される。
【0023】
かかる構成を有する内燃機関における燃焼性改善装置にあっても、遠赤外線放射材と永久磁石とを一緒に取り扱うことが可能となって、取扱性や使用性の向上が、有利に図られ得るのである。
【0024】
そして、特に、このような本発明装置においては、遠赤外線手段や永久磁石を、内部で自由に移動し得る状態で収容せしめれば、装置全体の変形が容易となって、内燃機関内への空気の供給路の内部における様々な形状の隙間等に容易に配置され得るといった利点が得られるのであり、しかも、収容体を、例えば、遠赤外線手段や永久磁石が容易には通過しない細かい網目のメッシュ乃至はネット形態をもって構成したり、或いは通気性を有する布地等にて構成すれば、遠赤外線手段や永久磁石が、比較的に小さなブロック状形態や粒状形態において収容体内に収容せしめた際にも、また、かかる収容体内で、遠赤外線手段や永久磁石が何等かの理由で破損して、その破片が生じた際等にも、それら遠赤外線手段自体や永久磁石自体、或いはそれらの破片等が、空気の供給路を通じて内燃機関内に侵入したりするようなことが、未然に防止され得ることとなるのである。
【0025】
さらに、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の好ましい他の態様の一つによれば、前記遠赤外線放射手段が、所定の塗料に含有せしめられた微粒子状形態を有して構成されると共に、前記永久磁石の表面に、かかる塗料からなる塗膜層が形成されることにより、該微粒子状の遠赤外線放射手段が、該永久磁石の表面に固着せしめられることとなる。これによって、燃焼改善装置のコンパクト化が有利に図られ得るのである。
【0026】
更にまた、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の更に他の有利な態様の一つによれば、前記遠赤外線放射材が、ブラックシリカを含んで構成される。これによって、遠赤外線放射材から、空気の改質に対して、より有効な波長帯の遠赤外線が、常温で、より強力に放射されることとなり、以て、内燃機関内に供給される空気が、遠赤外線と磁力とによって、更に一層十分に改質され得て、排出ガスの浄化と燃費の向上と内燃機関の高出力化とが、より効果的に実現せしめられ得ることとなるのである。なお、ここで言うブラックシリカとは、グラファイトシリカ・シンメイストーンなる学術名を有するもので、一般に、黒鉛珪石、若しくは神明石等と称されるものである。以下、同じ。
【0027】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置の望ましい別の態様の一つによれば、前記内燃機関が、自動車用エンジンにて構成される。これによって、自動車用エンジンにおける排出ガスの浄化と燃費の向上と高出力化とが、経済的に有利に、しかもより高いレベルで効果的に実現せしめられ得ることとなるのである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る内燃機関における燃焼性改善方法と装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0029】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法を有利に実現可能な、本発明に従う構造を有する内燃機関における燃焼性改善装置の一実施形態として、自動車用エンジンにおける燃焼性改善装置が、その斜視形態と横断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の燃焼性改善装置10は、全体として、矩形ブロック形状を呈しており、そのような全体形状を与える、収容体としてのバスケット12内に、複数の木炭14と、永久磁石付遠赤外線放射プレート16とが、袋体18内に封入された状態で、収容されて、構成されている。
【0030】
より具体的には、この燃焼性改善装置10を構成するバスケット12は、適度な可撓性と優れた強度を有するポリプロピレン等の合成樹脂材料からなるメッシュ乃至はネット形態を有しており、これによって、矩形ブロック状の全体形状をある程度維持しつつ、所定範囲内での撓み変形が許容され得るようになっている。
【0031】
なお、後述する如く、ここでは、燃焼性改善装置10が、例えば、自動車用エンジンのエアクリーナ内に収容されて、使用されるようになっているところから、燃焼性改善装置10の全体形状を与えるバスケット12の全体の大きさが、一般的な乗用車のエンジンのエアクリーナ内に収容せしめられ得る程度とされている。勿論、この大きさは、特に限定されるものではなく、エンジン内における燃焼性改善装置10の配置部位の大きさに応じて、適宜に変更されるものである。また、このようなバスケット12を与える材料も、例示したポリプロピレンに、何等限定されるものではないものの、好ましくは、適度な可撓性や柔軟性と十分な強度を有する材料、例えば、そのような特性を有するポリプロピレン以外の合成樹脂材料や針金等の金属材料、或いは竹籤等の竹材料等が、用いられる。そして、それらの材料からメッシュ乃至はネット形態の袋体や籠体を形成して、バスケット12を構成しても良いのである。
【0032】
一方、そのようなバスケット12の内部に収容された複数の木炭14は、図3に示される如く、互いに並列して並べられた状態で、例えば、ポリプロピレン等の優れた強度を有する合成樹脂製のバンド20にて結束せしめられている。また、それら複数の木炭14の表面には、細長い帯状の遠赤外線放射シート22が、螺旋を描くように巻き掛けられた状態で、貼り付けられている。なお、この遠赤外線放射シート22は、所定の不織布の表面上に、遠赤外線を放射する天然鉱石であるブラックシリカの微粒子19が無数に固着せしめられて、構成されている。また、このブラックシリカは、4〜14μm程度の波長帯の極めて有用な遠赤外線を強力に放射する物質として、一般に知られるものである。
【0033】
かくして、ここでは、複数の木炭14と、それら各木炭14の表面に貼り付けられた遠赤外線放射シート22とから、常温で、強力な遠赤外線が放射されるようになっているのである。
【0034】
なお、本実施形態では、バスケット12内に木炭14を収容せしめたが、この木炭14と同様な遠赤外線を放射する竹炭や笹炭、或いはセラミックス等を、木炭14に代えて、バスケット12内に収容せしめても良い。また、バスケット12内に木炭14を収容せしめる場合にあっても、その種類が特に限定されるものではないものの、より強力な遠赤外線が放射されるものとして知られる備長炭等が、有利に選択されることとなる。更に、バスケット12内に収容せしめられる木炭14、或いはそれと同様な遠赤外線を放射する炭類やセラミックス等の量は、エンジンの大きさ(総排気量等)に応じて、適宜に決定されるものである。
【0035】
また、このような複数の木炭14と共に、バスケット12内に収容される永久磁石付遠赤外線放射プレート16は、図4に示される如く、全体として、略碁盤格子形状を呈する、金属製の薄肉平板からなるベースプレート24を有している。即ち、このベースプレート24は、金属製の薄肉平板からなる矩形の枠体の内側において、該枠体の縦方向と横方向とにそれぞれ一体的に延びる、該枠体と同じ金属製の薄肉平板からなる複数の縦辺部と複数の横辺部とが格子状に組み合わされて、適度な可撓性をもって、構成されているのである。なお、このベースプレート24の材質も、例示のものに何等限定されるものでないことは、勿論である。
【0036】
そして、このベースプレート24の厚さ方向一方の面における縦辺部と横辺部の互いの交差部位には、円形の凹所26が設けられ、この凹所26内に、それに対応した円板形状を呈する永久磁石28が嵌め込まれて、固着せしめられている。これらの永久磁石28は、何れも、極めて強力な磁力を発揮する希土類磁石の一種たるネオジム磁石(Nd−Fe−B系磁石)にて、構成されている。勿論、永久磁石14として、サマリウムコバルト磁石(Sm−Co系磁石)等の別の希土類磁石を用いることも、可能である。また、この永久磁石付遠赤外線放射プレート16に固着される永久磁石28の個数や大きさは、エンジンの大きさ(総排気量)等に応じて、適宜に決定されるところである。
【0037】
また、ベースプレート24の永久磁石28が固着される側の面における縦辺部と横辺部の交差部位を除いた部位と、枠体とには、前記木炭14の表面に貼り付けられたものと同様な構成を有する、細長い帯状の遠赤外線放射シート22が、それぞれ貼り付けられている。これによって、永久磁石付遠赤外線放射プレート16から、極めて強力な磁力と遠赤外線とが、共に放射せしめられるようになっているのである。
【0038】
さらに、そのような構成とされた永久磁石付遠赤外線放射プレート16と複数の木炭14とを封入する袋体18は、布地を用いて、形成されている。これによって、袋体18が、十分な通気性を有するように構成されていると共に、内部に封入される木炭14が何等かの原因で破損した場合にも、その破片が外部に飛散して、エンジン内に侵入するようなことが防止され得るようになっているのである。
【0039】
また、かかる袋体18を与える布地の織り込まれた繊維同士の間には、遠赤外線を放射する天然鉱石であるブラックシリカの微粒子19が無数に埋設されており、それによって、袋体18からも、強力な遠赤外線が放射され得るようになっているのである。このことから明らかなように、本実施形態では、複数の木炭14とその表面に貼り付けられた遠赤外線放射シート22、永久磁石付遠赤外線放射プレート16、及び袋体18にて、遠赤外線放射手段が、構成されているのである。
【0040】
そして、図2に示される如く、そのような永久磁石付遠赤外線放射プレート16と前記バンド20にて結束された複数の木炭14とが、それぞれ直立し、且つ互いに対向する状態で、袋体18内に封入されていると共に、かかる袋体18が、内部に封入された永久磁石付遠赤外線放射プレート16と複数の木炭14とを、バスケット12の厚さ方向に並べるように配置しつつ、バスケット12内に収容されているのである。
【0041】
ところで、かくの如き構造とされた燃焼性改善装置10を用いて、自動車用エンジンの燃焼性を改善する際には、この燃焼性改善装置10を、例えば、図5に示されるように、エアクリーナの本体30内に収容するのである。即ち、エアクリーナ本体30内において、吸入パイプ32を通じて空気を外部から吸入するために、エアクリーナ本体30に設けられた吸入口34と、エアクリーナ本体30内に収容されたエレメント36との間に形成される隙間に、燃焼性改善装置10を、吸入口34の前に立ちはだかるように直立せしめて、配置するのである。
【0042】
このとき、燃焼性改善装置10は、エアクリーナ本体30内の吸引口34とエレメント36との間の隙間が有する円弧形状に対応して撓み変形せしめられることにより、かかる隙間内に、無理なく配置せしめられる。また、そのようなエアクリーナ本体30内への燃焼性改善装置10の収容状態下では、好ましくは、焼性改善装置10のバスケット12内に収容された複数の木炭14と永久磁石付遠赤外線放射プレート16のうち、複数の木炭14が、空気取入口34側に位置せしめられる一方、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が、エレメント36側に位置せしめられることとなる。
【0043】
かくして、ここでは、燃焼性改善装置10の内部に収容される、常温で強力な遠赤外線を放射する部材、つまり、表面に遠赤外線放射シート22が貼り付けられた複数の木炭14、永久磁石付遠赤外線放射プレート16、及び袋体18が、外部からエアクリーナ本体30内に吸入されて、キャブレタやインテークマニホールド(共に図示せず)を通じてエンジン内に供給される空気と接触せしめられると共に、そのような空気が、永久磁石付遠赤外線放射プレート16に固定された複数の永久磁石28の磁界内に流通せしめられるように、燃焼性改善装置10が、エアクリーナ本体30内に収容配置されるようになっているのである。
【0044】
そして、これによって、吸引パイプ32と吸入口34とを通じてエアクリーナ本体30内に吸入された空気に対して、強力な遠赤外線と強力な磁力とが放射せしめられて、かかる空気が、それと共にエンジン内に供給される燃料の完全燃焼化を促進せしめ得るような特性を有するように、改質されることとなるのである。なお、この遠赤外線と磁力の放射によって空気が改質される理由は、空気中の酸素や水等が活性化されることによるものと考えられる。
【0045】
また、本実施形態においては、上述の如く、燃焼性改善装置10をエアクリーナ本体30内に収容配置せしめる一方で、図6に示されるように、かかる燃焼性改善装置10の内部に収容されるものと同様な構造を有する永久磁石付遠赤外線放射プレート16を、それに固定される永久磁石28の磁力により、燃料パイプ38の内面に吸着させて、燃料パイプ38内に固定的に配置せしめている。
【0046】
かくして、永久磁石付遠赤外線放射プレート16のベースプレート24に貼り付けられた遠赤外線放射シート22が、燃料パイプ38内を流通せしめられる燃料(ガソリンや軽油)に接触せしめられると共に、そのような燃料が、ベースプレート24に固定された永久磁石28の磁界内に流通せしめられるように、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が、燃料パイプ38内に配置せしめられるようになっているのである。そして、これによって、燃料パイプ38内を流通せしめられて、エンジン内に供給される燃料に対して、強力な遠赤外線と強力な磁力とが放射せしめられて、かかる燃料が、エンジン内での完全燃焼化が促進され得るような特性を有するように、改質されることとなるのである
【0047】
このように、本実施形態においては、バスケット12内に、複数の木炭14と永久磁石付遠赤外線放射プレート16とを収容せしめただけの単純な構造を有し、それ故に安価に製造可能な燃焼性改善装置10をエアクリーナ本体30内に配置することによって、外部からエアクリーナ本体30内に吸入された空気に対して、強力な遠赤外線と強力な磁力とが共に放射せしめられて、かかる空気が、エンジン内での燃料の完全燃焼化を促進させる特性を有するように改質されるところから、可及的に小さな経済負担で、エンジンの燃焼性が極めて効果的に高められて、エンジン内での燃料の完全燃焼化が効果的に促進され得るのであり、それによって、エンジンから排出される排出ガス中の有毒物質が、より十分に低減せしめられ得るのである。しかも、そのように、エンジン内での燃料の完全燃焼化が効果的に促進され得るところから、燃費が効果的に向上せしめられ得るばかりでなく、エンジンの燃焼効率の向上が達成され得て、エンジンの高出力化が極めて有利に実現され得るのである。
【0048】
従って、このような本実施形態によれば、排出ガスの浄化と燃費の向上とエンジンの高出力化とが、可及的に小さな経済負担で、より高いレベルで有利に達成され得るのであり、その結果として、自動車用エンジンの排出ガスにて、人体に悪影響が及ぼされることや大気汚染が発生するようなことが、低コストで且つ確実に防止され得ると共に、エンジンの高性能化が有利に実現され得ることとなるのである。
【0049】
しかも、本実施形態では、燃料パイプ38内に、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が固定的に配置されて、燃料パイプ38内を流通せしめられる燃料に対して、永久磁石付遠赤外線放射プレート16から、強力な遠赤外線と磁力とが放射せしめられて、燃料も改質されるようになっているところから、かかる燃料のエンジン内での完全燃焼化が更に効果的に促進され得るのであり、それによって、排出ガスの浄化と燃費の向上とエンジンの高出力化とが、何れも、更に一層有利に且つ確実に実現され得るのである。
【0050】
また、ここでは、強力な磁力を発する永久磁石28が、遠赤外線を放射する遠赤外線放射シート22が貼り付けられたベースプレート24に固定されて、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が構成され、また、この磁力と遠赤外線とを共に放射する永久磁石付遠赤外線放射プレート16と、強力な遠赤外線を放射する複数の木炭14と、それに貼り付けられた遠赤外線放射シート22とが、それらと同様な遠赤外線を放射する袋体18に封入された状態で、可撓性を有し、ある程度の変形が許容されるバスケット12内に収容されて、燃焼性改善装置10が構成されているところから、かかる燃焼性改善装置10において、磁力を放射する部材と遠赤外線を放射する部材とを一緒に取り扱うことが出来る他、軽量で持運びが手軽である等の良好な取扱性が発揮され得ると共に、エアクリーナ本体30内に収容せしめる際に、その収容空間に応じて変形させつつ、無理なくに配置出来る等の優れた使用性も、有利に発揮され得るのである。
【0051】
さらに、このような燃焼性改善装置10においては、遠赤外線を放射する永久磁石付遠赤外線放射プレート16と、複数の木炭14に貼り付けられた遠赤外線放射シート22と、袋体18とが、それぞれ、より強力で有用なブラックシリカを含んで構成されているため、空気が、更に一層十分に改質され得るといった利点も得られるのである。
【0052】
ここにおいて、本発明に従う燃焼性改善装置とそれを用いた燃焼性改善方法とが、前述の如き優れた特徴を発揮し得るものであることを確認するために、本発明者等によって行われた幾つかの試験について、詳述することとする。
【0053】
先ず、総排気量:650cc、総走行距離数:23900km、及び初年度登録平成10年11月であるガソリンエンジンを搭載した軽トラックを準備する一方、縦×横×厚さが15mm×6mm×2.8mmの大きさと2800ガウスの磁束密度とを有する永久磁石であるネオジム磁石の複数個と、所定量の木炭とをそれぞれ準備した。
【0054】
次いで、準備された複数個のネオジム磁石のうちの3個と、500gの木炭とを、布製のメッシュバック内に混在するように収容せしめて、封入し、これを、ガソリンエンジンを搭載した軽トラックのエアクリーナの本体内の隙間に、配置した。また、それと共に、燃料タンクの底部外面に5個のネオジム磁石を吸着せしめる一方、燃料パイプの筒壁部外面にも3個のネオジム磁石を吸着せしめ、更に、燃料噴射ポンプの外面にも4個のネオジム磁石を吸着させて、配置した。
【0055】
そして、上述のようにして、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とが放射せしめられる一方、燃料に対して磁力が放射せしめられるように、木炭とネオジム磁石とが配置された軽トラックを、走行停止状態で、5分間だけ無負荷運転した後、アクセルペダルを急速に踏み込む操作を繰り返し3回行って、エンジンの回転数を4000rpmにした時に排出される排出ガス中のCO濃度とHC濃度とを、公知の測定器[陸運局認定(社団法人)自動車整備振興会指定型式番号 ALTAS−100D]を用いて測定するCO、HC濃度測定試験を行った。そして、このCO、HC濃度測定試験を3回行った結果、何れの測定試験においても、CO濃度とHC濃度は零となった。
【0056】
また、比較のために、準備された軽トラックのエンジン内への空気の供給路や燃料の供給路に、ネオジム磁石や木炭を何等配置しない状態で、上述せる如き操作と同様な操作にて、CO、HC濃度測定試験を、3回行った。その結果、CO濃度の測定値の平均値が0.45vol%で、HC濃度の測定値の平均値が90ppmとなった。
【0057】
さらに、準備された軽トラックのエアクリーナ本体の隙間内に、3個のネオジム磁石を吸着させて配置する一方、燃料タンクの底部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、3個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、CO、HC濃度測定試験を、3回行った。その結果、CO濃度の測定値の平均値が0.25vol%で、HC濃度の測定値の平均値が40ppmとなった。
【0058】
更にまた、準備された軽トラックのエアクリーナ本体の隙間内に、500gの木炭を配置する一方、燃料タンクの底部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、3個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、CO、HC濃度測定試験を、3回行った。その結果、CO濃度の測定値の平均値が0.25vol%で、HC濃度の測定値の平均値が40ppmとなった。
【0059】
また、ガソリンエンジンを搭載した軽トラックとは別に、総排気量:2830cc、総走行距離数:76200km、及び初年度登録平成9年4月であるディーゼルエンジンを搭載した普通乗用車を準備した。そして、先に準備された複数個のネオジム磁石のうちの5個と、700gの木炭とを、布製のメッシュバック内に混在するように収容せしめて、封入し、これを、ディーゼルエンジンを搭載した普通乗用車のエアクリーナの本体内の隙間に配置した。また、それと共に、燃料タンクの底部外面に10個のネオジム磁石を吸着せしめる一方、燃料パイプの筒壁部外面にも5個のネオジム磁石を吸着せしめ、更に、燃料噴射ポンプの外面にも4個のネオジム磁石を吸着させて、配置した。
【0060】
そして、そのような普通乗用車を、走行停止状態で、5分間だけ無負荷運転した後、アクセルペダルを急速に踏み込む操作を繰り返し3回行って、エンジンの回転数を4000rpmにした時に排出される排出ガス中の黒煙濃度を、公知の測定器(陸運局型式認定番号 BS−7、機械型式 ST−100)を用いて測定する黒煙濃度測定試験を行った。そして、この黒煙濃度測定試験を3回行った結果、何れの測定試験においても、黒煙濃度が10%となった。
【0061】
また、比較のために、準備された普通乗用車のエンジン内への空気の供給路や燃料の供給路に、ネオジム磁石や木炭を何等配置しない状態で、上述せる如き操作と同様な操作にて、黒煙濃度測定試験を、3回行った。その結果、黒煙濃度の測定値の平均値が40%となった。
【0062】
さらに、準備された普通乗用車のエアクリーナ本体の隙間内に、5個のネオジム磁石を吸着させて配置する一方、燃料タンクの底部外面に、10個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、黒煙濃度測定試験を、3回行った。その結果、黒煙濃度の測定値の平均値が25%となった。
【0063】
更にまた、準備された普通乗用車のエアクリーナ本体の隙間内に、700gの木炭を配置する一方、燃料タンクの底部外面に、10個のネオジム磁石と、燃料パイプの筒壁部外面に、5個のネオジム磁石と、燃料噴射ポンプの外面に、4個のネオジム磁石を、それぞれ吸着させて、配置した。そして、上述せる如き操作と同様な操作にて、黒煙濃度測定試験を、3回行った。その結果、黒煙濃度の測定値の平均値が25%となった。
【0064】
これらガソリンエンジンを搭載した軽トラックとディーゼルエンジンを搭載した普通乗用車とを用いてそれぞれ行ったCO、HC濃度測定試験と黒煙濃度測定試験の結果から明らかなように、本発明に従って、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とを放射するように、木炭やネオジム磁石を配置した場合には、それらを何等配置しない場合や、それらのうちの何れか一方のみを配置した場合等に比べて、ディーゼルエンジンの排出ガス中の黒煙濃度が、明らかに低減せしめられ(木炭やネオジム磁石を配置しない場合に比べて、1/4以下で、それらの何れか一方を配置したものに比べても、1/2以下)、また、ガソリンエンジンの排出ガス中のCO濃度とHC濃度に至っては、それらが零となって、排出ガスが、COやHCを全く含まない状態となるのである。このことから、本発明に従って、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とを放射するように、木炭やネオジム磁石を配置すれば、燃料の種類(ガソリンと軽油)に拘わらず、自動車用エンジンの排出ガスが、極めて効果的に浄化され得ることが、明確に認識され得るのである。
【0065】
また、因みに、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とが放射せしめられる一方、燃料に対して磁力が放射せしめられるように、木炭とネオジム磁石とが空気供給路や燃料供給路に配置された、上述せるCO、HC濃度測定試験に供された軽トラック(最大積載量:350kg)の荷台に、1050kg(最大積載量の3倍の重さ)の荷物を積載した状態で、かかる軽トラックの走行試験を行ったところ、5速(トップギヤ)で、平地を時速50〜60kmで順調に走行し、また傾斜角度が15度の坂道を時速40〜45kmで順調に走行した。これに対して、そのような走行試験に供された軽トラックから、空気供給路や燃料供給路から木炭とネオジム磁石とを全て除去して、その荷台に700kg(最大積載量の2倍の重さ)の荷物を積載した状態で、走行試験を行ったところ、平地走行では、3速(サードギヤ)での時速30km程度の走行が限界となり、また傾斜角度15度の坂道走行では、2速(セカンドギヤ)での時速20km程度の走行が限界となった。これらの走行試験の結果から、本発明に従って、エンジン内に供給される空気に対して磁力と遠赤外線とを放射するように、木炭やネオジム磁石を配置すれば、エンジンの高出力化が達成し得ることも、認識され得るのである。
【0066】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0067】
例えば、前記実施形態では、複数の木炭14とその表面に貼り付けられた遠赤外線放射シート22、永久磁石付遠赤外線放射プレート16、及び袋体18にて、遠赤外線放射手段が構成されていたが、この遠赤外線放射手段は、文字通り、遠赤外線を放射し得るものであれば、その構造が何等限定されるものではなく、従って、例えば、かかる遠赤外線放射手段を、木炭14と遠赤外線放射シート22と永久磁石付遠赤外線放射プレート16と袋体18の少なくとも何れか一つにて、或いはそれらの部材とは異なる遠赤外線の放射部材にて、遠赤外線放射手段を構成することも、可能である。
【0068】
また、前記実施形態では、上述の如き幾つかの部材にて構成された遠赤外線放射手段が、エアクリーナ本体30内に収容されていたが、かかる遠赤外線放射手段は、エンジン内への空気の供給路に配置されておれば良く、それ故に、エアクリーナ本体30に一体形成された吸入パイプやエアクリーナ本体30内に収容されたエレメント36の内部、或いはキャブレタ内やインテークマニホールド内に収容配置せしめても、良いのである。
【0069】
さらに、そのような遠赤外線放射手段と共に空気の供給路内に配置される永久磁石も、必ずしも、永久磁石付遠赤外線放射プレート16に固着せしめられている必要はなく、独立した永久磁石を、袋体18やバスケット12内に収容せしめた状態で、或いはそれらから取り出した状態で、上述の如き空気の供給路内の何れに配置しても良いのである。
【0070】
また、例えば、永久磁石の表面に、ブラックシリカ等の遠赤外線放射材の微粒子を含有する塗料からなる塗膜層を形成することにより、固着して、遠赤外線放射手段と永久磁石との一体品を構成し、これを、空気の供給路内に配置することも、可能である。これによって、燃焼改善装置全体のコンパクト化が有利に図られ得ることとなる。
【0071】
さらに、前記実施形態では、燃料の改質を図るために、永久磁石付遠赤外線放射プレート16が、燃料パイプ38内に収容配置せしめられていたが、上述の如き遠赤外線放射手段と永久磁石の何れか一方のみを、燃料パイプ38や、それ以外の燃料供給路、例えば、燃料タンク、燃料噴射ノズル、及びストレーナ等の内部や外部に配置することも、可能である。
【0072】
更にまた、燃料供給路内に、永久磁石を配置する場合には、かかる永久磁石の形状を多面体形状や球面形状とされていることが、望ましい。それによって、磁力が、可及的に全方位に放射せしめられ得ることとなる。
【0073】
加えて、前記実施形態では、自動車用エンジンにおける燃焼性改善方法と燃焼性改善装置とに対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、船舶や重機、各種土木作業車、或いは草刈機や芝刈機等に搭載される内燃機関等、自動車用エンジン以外の各種の内燃機関における燃焼性改善方法と燃焼性改善装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
【0074】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善方法によれば、可及的に小さな経済負担で、内燃機関における燃焼性がより有利に改善され得て、かかる内燃機関内での燃料の完全燃焼化が効果的に達成され得るのであり、それによって、排出ガスが、安価に且つ効果的に浄化され得ると共に、燃費の向上と内燃機関の高出力化が、より一層有利に実現せしめられ得ることとなるのである。そして、その結果として、内燃機関の排出ガスにて、人体に悪影響が及ぼされることや大気汚染が発生するようなことが、低コストで且つ確実に防止され得ることとなるのである。
【0076】
また、本発明に従う内燃機関における燃焼性改善装置を用いれば、排出ガスの浄化と燃費の向上とエンジンの高出力化とが、可及的に小さな経済負担で、より高いレベルにおいて有利に実現され得るのであり、以て、排出ガスによる人体への悪影響や大気汚染の発生の防止と内燃機関の高性能化とが、低コストで且つ確実に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する燃焼性改善装置の一例を示す斜視説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示された燃焼性改善装置に内蔵される複数の木炭を示す正面説明図である。
【図4】図1に示された燃焼性改善装置に内蔵される永久磁石付遠赤外線放射プレートを示す正面説明図である。
【図5】図1に示された燃焼性改善装置の使用状態の一例を説明するための図であって、かかる燃焼性改善装置をエアクリーナ本体内に収容配置せしめた状態を示している。
【図6】図1に示された燃焼性改善装置をエアクリーナ本体内に収容配置する一方で、燃料の改質を図るために、かかる燃焼性改善装置に内蔵されるものと同様な構造を有する永久磁石付遠赤外線放射プレートを、燃料パイプ内に収容配置せしめた状態を示している。
【符号の説明】
10 燃焼性改善装置 12 バスケット
14 木炭 16 永久磁石付遠赤外線放射プレート
18 袋体 22 遠赤外線放射シート
28 永久磁石 30 エアクリーナ本体
38 燃料パイプ
Claims (9)
- 遠赤外線を放射する遠赤外線放射材を、内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気と接触するように配置する一方、希土類金属からなる永久磁石を、その磁界内において、該空気が流通せしめられるように配置して、それら遠赤外線放射材と永久磁石とからそれぞれ放射される遠赤外線と磁力とによって該空気を改質するようにしたことを特徴とする内燃機関における燃焼性改善方法。
- 前記希土類金属からなる永久磁石を、その磁界内において、前記内燃機関内に供給される燃料が流通せしめられるように、更に配置して、該永久磁石から放射される磁力によって該燃料を改質するようにした請求項1に記載の内燃機関における燃焼性改善方法。
- 前記遠赤外線放射材を、前記内燃機関内に供給される燃料と接触するように、更に配置して、該遠赤外線放射材から放射される遠赤外線によって該燃料を改質するようにした請求項1又は請求項2に記載の内燃機関における燃焼性改善方法。
- 内燃機関内に燃料と共に供給せしめられる空気と接触するように配置されて、該空気に対して遠赤外線を放射する遠赤外線放射手段と、該空気が磁界内において流通せしめられるように配置されて、該空気に対して磁力を放射する希土類金属からなる永久磁石とを含み、それら遠赤外線放射手段と永久磁石による該空気に対する遠赤外線と磁力の放射によって、該空気を改質し得るように構成したことを特徴とする内燃機関における燃焼性改善装置。
- 前記遠赤外線放射手段と前記永久磁石とが、シート状乃至はプレート状の固定体の表面に固定された状態で、前記内燃機関内への該空気の供給路内に配置せしめられるように構成されている請求項4に記載の内燃機関における燃焼性改善装置。
- 前記遠赤外線放射手段と前記永久磁石とが、空気と磁力とを透過可能な収容体内に収容された状態で、前記内燃機関内への該空気の供給路内に配置せしめられるように構成されている請求項4又は請求項5に記載の内燃機関における燃焼性改善装置。
- 前記遠赤外線放射手段が、所定の塗料に含有せしめられた微粒子状形態を有して構成されると共に、前記永久磁石の表面に、かかる塗料からなる塗膜層が形成されることにより、該微粒子状の遠赤外線放射手段が、該永久磁石の表面に固着せしめられている請求項4乃至請求項6の何れかに記載の内燃機関における燃焼性改善装置。
- 前記遠赤外線放射材が、ブラックシリカを含んで構成されている請求項4乃至請求項7の何れかに記載の内燃機関おける燃焼性改善装置。
- 前記内燃機関が自動車用エンジンである請求項4乃至請求項8の何れかに記載の内燃機関における燃焼性改善装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014122686A1 (ja) | 2013-02-05 | 2014-08-14 | Aoki Koutarou | 燃焼促進方法、燃焼促進装置および熱機関 |
CN106178697A (zh) * | 2016-07-12 | 2016-12-07 | 崔德亮 | 一种滤芯及滤芯装置 |
JP6176759B1 (ja) * | 2016-07-04 | 2017-08-09 | 冨澤物産株式会社 | 燃焼装置用積層体および燃焼装置 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197402A patent/JP2004036571A/ja active Pending
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