JP2004036549A - 海上機関用の燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】高圧用の電動ポンプ内に海水を含む燃料が吸入されても、電動ポンプのモータ部に金属石鹸が生成されることのない海上機関に好適な燃料噴射装置を提供する。
【構成】高圧用の燃料ポンプHPは、ポンプハウジング1内にポンプ部Pとモータ部とを備え、ポンプ部PはベーパーセパレータV内の燃料を吸入し、ポンプ部Pにて昇圧された高圧燃料は、モータ部の周囲を通過して吐出される。
高圧用の電動ポンプHPのモータ部はブラシレスモータ部として形成され、ブラシレスモータ部を構成する駆動コイル6Bの外周に樹脂材料がモールドされ、駆動コイル6Bと燃料との接触を遮断する。
【選択図】 図1
【構成】高圧用の燃料ポンプHPは、ポンプハウジング1内にポンプ部Pとモータ部とを備え、ポンプ部PはベーパーセパレータV内の燃料を吸入し、ポンプ部Pにて昇圧された高圧燃料は、モータ部の周囲を通過して吐出される。
高圧用の電動ポンプHPのモータ部はブラシレスモータ部として形成され、ブラシレスモータ部を構成する駆動コイル6Bの外周に樹脂材料がモールドされ、駆動コイル6Bと燃料との接触を遮断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は海上を走行する船外機等の海上機関に用いられる燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の海上機関用の燃料噴射装置について図3によって説明する。
Tは内部に燃料が貯溜される燃料タンクであり、Vは内部に一定なる燃料液面X−Xを形成するベーパーセパレータであり、Dは機関の吸気管K内に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁Jを備える燃料分配管である。
そして、前記ベーパーセパレータVは以下により構成される。
20は有底カップ状の筐体であり、筐体20の上部開口はカバー21によって閉塞される。
FはベーパーセパレータV内に一定の燃料液面X−Xを形成保持する定液面制御機構であり、カバー21に形成される流入路22に接続されてベーパーセパレータV内に開口するバルブシート23と、バルブシート23を開閉するフロートバルブ24と、軸25に回転自在に支持され、ベーパーセパレータV内に形成される液面高さに応じて揺動し、フロートバルブ24を介してバルブシート23を開閉制御するフロート26と、によって構成される。
又、ベーパーセパレータV内には高圧用の電動ポンプHPが配置されるもので、この電動ポンプHPは、直流モーター部DMとポンプ部Pとによって構成される。ポンプ部Pは筒状のポンプハウジング27の下方に配置される第1ケーシング28と第2ケーシング29との間に形成されるポンプ室凹部30内に、その周縁部に複数の羽根溝を備えるインペラ31が回転自在に配置される。
そして、前記ポンプ室凹部30にはポンプ流入路32とポンプ流出路33とが開口配置されるもので、ポンプ流入路32の上流側は下方に向かって開口し、ベーパーセパレータV内へ開口する。一方ポンプ流出路33の下流側は第1ケーシング28の上方のポンプハウジング27内へ開口する。(以後の説明において上流、下流とは燃料の流れ方向においていう)
直流モータ部DMは、その両端が回転自在に軸支されたモータ軸34に装着されたアーマチュア35と、モータ軸34に装着されるとともにアーマチュア35に接続されたコンミテータ36と、コンミテータ36に摺動接触するブラシ37と、ポンプハウジング27の内方にあってアーマチュア35に臨んで配置される半円筒状の永久磁石38と、により構成され、これら直流モータ部DMは、ポンプハウジング27の内方に配置される。
又、ポンプハウジング27の上方開口は、ポンプカバー39によって閉塞され、このポンプカバー39にはポンプ吐出路40が形成され、このポンプ吐出路40の上流は、直流モータ部DMが収納されるポンプハウジング27内に連絡され、下流は外方に向かって開口する。
かかる直流モータ部DM、ポンプ部Pを備える高圧用の電動ポンプHPは例えば特公昭63−63756号公報に示される。
そして、前記電動ポンプHPはベーパーセパレータV内に配置されるもので、ポンプ吐出路40はカバー21に設けた吐出路41に接続され、ポンプ流入路32は吸入側フィルター42を介してベーパーセパレータV内の一定液面X−X下に開口配置される。
【0003】
そして海上用機関の燃料噴射装置は以下によって形成される。
燃料タンクTとベーパーセパレータVとは低圧用の燃料ポンプLPを介して連絡されるもので低圧用の燃料ポンプLPと燃料タンクTとが低圧燃料吸入路40にて連絡され、低圧用の燃料ポンプLPとベーパーセパレータVの流入路22とが低圧燃料吐出路44によって連絡される。
又、燃料分配管Dと高圧用の電動ポンプHPとは高圧燃料フィルターHFを介して連絡されるもので、高圧燃料フィルターHFとカバー21の吐出路41とが第1高圧燃料吐出路45によって連絡され、高圧燃料ポンプHFと燃料分配管Dとが第2高圧燃料吐出路46によって連絡される。
更に燃料分配管DにはプレッシャーレギュレータRが装着されるものでプレッシャーレギュレターRのリターン燃料管47はベーパーセパレータV内へと連絡される。
【0004】
以上よりなる海上機関用の燃料噴射装置によると、燃料タンクT内の燃料は低圧燃料吸入路43を介して低圧用の燃料ポンプLP内に吸入され、該燃料ポンプLPによって低圧(例えば0.3kg/cm2)に昇圧された燃料は低圧燃料吐出路44、流入路22、バルブシート23を介してベーパーセパレータV内へ供給される。
ベーパーセパレータVにあっては、前記低圧燃料が供給されることによってベーパーセパレータV内に燃料が貯溜されるもので、ベーパーセパレータV内には定液面制御機構Fによって一定なる燃料液面X−Xが形成保持される。
一方、高圧用の電動ポンプHPの直流モータ部DHが回転駆動することによると、インペラ31もまたモータ軸34によってポンプ室凹部30内において回転するもので、これによるとベーパーセパレータV内の燃料は、吸入側フィルター42、ポンプ流入路32を介してポンプ室凹部30内へ吸入され、ポンプ室凹部30内において高圧(例えば3kg/cm2)に昇圧された高圧燃料は、ポンプ流出路33、直流モータ部DMとそれを囲繞するポンプケーシング27の内方との間に形成されるモータ空間部A、を介してポンプ吐出路40に達する。
そして、ポンプ吐出路40の高圧燃料はカバー吐出路41、第1高圧燃料吐出路45を介して高圧燃料フィルターHPに供給され、高圧燃料フィルターHPによって異物が除去された高圧燃料は、第2高圧燃料吐出路46を介して燃料分配管D内へと供給され、この燃料が燃料噴射弁Jを介して吸気管K内へ電動供給される。
一方、燃料分配管D内の燃料圧力が所定圧力を超えて上昇すると、プレッシャーレギュレターRはリターン燃料管47を開放するもので、これによると余剰燃料はリターン燃料管47を介して再びベーパーセパレータV内へ還流される。
而して燃料分配管D内には所定の燃料圧力を有する燃料を維持できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の高圧用の電動ポンプHPの直流モータ部DMはポンプハウジング27内に配置され、この直流モータ部DMにはポンプ部Pからポンプ吐出路40に向かって流れるポンプハウジング27内の高圧燃料が接触する。
すなわち、高圧燃料は直流モータ部DMに接触しつつポンプ吐出路40に向かって流下する。
これは直流モータ部DMの冷却、コンミテータ36とブラシ37との潤滑、モータ軸34と軸受部分の潤滑、を図る為である。
ここで、かかる燃料噴射装置を海上機関用として用いた場合、燃料タンクT及びベーパーセパレータV内に海水を含んだ蒸気、海水の飛まつが侵入する恐れがあるもので、例えば燃料配管の接続作業時における侵入、あるいは燃料タンクT、ベーパーセパレータVのエアベント孔の開口部からの侵入、等が考えられる。
そして、前記において海水が混入した燃料(ガソリンあるいはガソリンとエンジンオイルの混合燃料)が高圧用の電動ポンプHPのポンプ部Pによって昇圧され、この海水含有燃料がかくはんされて微細な海水の直流モータ部DMを構成するアーマチュア35、コンミテータ36、ブラシ37と接触すると、海水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の金属イオンが結合し、金属石鹸を生成することがある。
そして、かかる金属石鹸はその周囲を流れる高圧燃料によって直流モータ部DMより剥離され、この金属石鹸は第1高圧燃料吐出路45を介して高圧燃料フィルターHFによって補そくされる。
ここで高圧燃料フィルターHFは一定時間の使用後において運転者によって清掃することが義務づけられるものであるが、仮にこの清掃が行なわれなかった場合、高圧燃料フィルターHFによる流路抵抗が増加し、燃料分配管Dへの供給燃料が減少するという不具合を生ずる。
又、前期清掃が相当の長期に渡って実施されない場合、金属石鹸による高圧燃料フィルターHFの目詰まりは進行し、高圧燃料フィルターHFは高圧燃料によって大きく変形する恐れがある。
更に、高圧用の電動ポンプHPが長期間に渡って不使用状態にあるとき、コンミテータ36とブラシ37の先端部と、の接触部以外のコンミテータ36の外周表面に海水による酸化被膜が生成され易いもので、これによるとコンミテータ36とブラシ37との通電に好ましいものでない。
更に又、近年ガソリン燃料にエタノールを混合することが行なわれるが、これによるとアルコールの介在によって海水とガソリンとの混合が促進され、前記不具合は助長される。
更に又、直流モータ部とポンプ部とをカップリング部によって隔離し、ポンプ部によって昇圧された燃料を直流モータ部へ進入させない、いわゆるドライモータ式が考慮されるが、これによると燃料ポンプの体格が大型化するとともに部品点数が大きく増加し、実用上好ましいものではない。
【0006】
本発明になる燃料噴射装置は、前記課題に鑑み成されたもので、燃料タンク、ベーパーセパレータ内の燃料中に海水が侵入したとしても、高圧用の電動ポンプのモータ部において金属石鹸が生成されることがなく、高圧燃料フィルターのフィルター詰まりを長期間に渡って防止できる海上機関に好適な燃料噴射装置を提供することを第1の目的とする。
【0007】
【課題を達成する為の手段】
本発明になる海上機関用の燃料噴射装置は、前記目的を達成する為に、燃料タンク内の燃料が低圧用の燃料ポンプによって昇圧され、該燃料が内部に一定なる燃料液面を形成するベーパーセパレータ内へ供給され、
一方、ベーパーセパレータ内の燃料が高圧用の電動ポンプのポンプ部によって昇圧され、該燃料が電動ポンプ内に配置されるモータ部を通過して、機関に臨んで配置された燃料噴射弁に向けて供給される燃料噴射装置において、
前記高圧用の電動ポンプは、ポンプ部とモータ部とをポンプハウジング内に備えるとともに該モータ部はブラシレスモータ部として形成され、更にポンプハウジング内に固定配置されるブラシレスモータ部の駆動コイルの外周を樹脂材料にてモールドしたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
高圧用の電動ポンプを構成するモータ部はブラシレスモータ部として構成され、且つブラシレスモータ部を構成する駆動コイルの外周が樹脂材料によってモールドされる。以上によると、ポンプハウジング内を海水含有燃料が流下したとしても、駆動コイル等の電気構成部分に海水が接触することがなく、電気構成部分における金属石鹸の生成が行なわれない。
又、前記電気構成部分は固定された駆動コイルによって形成されるので樹脂材料のモールドを極めて容易に行なうことができる。
【0009】
【実施例】
図2によって本発明になる海上機関用の燃料噴射装置に用いられる高圧用の電動ポンプHPについて説明する。
1は下方の底部1Cがポンプ室凹部1Aを介して下方に向かって開口するとともに上方が開口するポンプハウジングであり、ポンプ室凹部1Aの下方開口は下方ケーシング2によって閉塞され、環状凹部をなすポンプ室3が形成される。
そしてポンプ室3内には周縁部に複数の羽根溝を備えるインペラ4が回転自在に配置されてポンプ部Pが形成される。
尚、2Aは下方ケーシング2に形成されるポンプ流入路であり、その上流は下方に向かって開口し、下流はポンプ室3内に向かって開口し、又、ポンプハウジング1の底部1Cに形成されるポンプ流出路1Bの上流はポンプ室3内に開口し、下流はポンプハウジング1内に開口する。
又、前記ポンプハウジング1の上方開口は、ポンプカバー5によって閉塞されるものでポンプカバー5のポンプハウジング1内に臨む下面5Aには界磁鉄心6が固着される。
界磁鉄心6は磁性材料によって形成され、円筒状をなす筒状部6Aが下面5Aよりポンプハウジング1内において下方に向かって立設され、更に筒状部6Aには駆動コイル6Bが巻き回される。
7は筒状部6Aの内方に回転自在に配置されるモータ軸であり、モータ軸7の上方は第1ベアリング8Aによって筒状部6Aの基部に回転自在に支持され、モータ軸7の下方は筒状部6Aを通過してポンプハウジング1の底部1Cに第2ベアリング8Bを介して回転自在に支持される。
又、前記モータ軸7の下端はポンプ室3内に進入するもので、モータ軸7の下端のDカット部がインペラ4のDカット孔に挿入され、これによってモータ軸7の回転がインペラ4に伝達され、モータ軸7とインペラ4とが同期的に回転する。9はモータ軸7と一体形成された有底カップ状をなすカップ体であり、カップ体9は駆動コイル6Bに沿って配置されるとともにカップ体9の内方には、駆動コイル6Bに間隙をもって臨む環状のマグネットロータ10が一体的に配置される。すなわち、モータ軸7が回転すると、カップ体9はモータ軸7と同期的に回転し、これによってマグネットロータ10が駆動コイル6Bの外周に臨んで回転することになる。
尚、9Aはカップ体9の下方に穿設した通孔であり、又駆動コイル6Bからのびる配線Cはポンプカバー5に貫通して配置されるリード線11に接続され、リード線11より駆動コイル6Bに電気信号が入力される。
更にポンプカバー5に設けたポンプ吐出路12はポンプハウジング1内に向かって連絡され、このポンプ吐出路12にはポンプハウジング1内からポンプ吐出路12内に向かう燃料流れを許容し、ポンプ吐出路12からポンプハウジング1内に向かう燃料流れを阻止する逆止弁13が配置される。
以上によると、モータ部は、界磁鉄心6、駆動コイル6B、マグネットロータ10によってブラシレスモータ部として形成されるもので、かかるブラシレスモータ部はホール素子駆動回路、ホール電圧の増幅回路、3相ロジック、駆動回路、からなる制御回路によって回転駆動される。
尚、上記ブラシレスモータ部は公知のものであって、本発明によれば前記ブラシレスモータ部の固定部分である、駆動コイル6B及び配線6Cの外周に樹脂材料Gをモールドして構成した。
そして、かかるポンプハウジング1内にポンプ部Pとブラシレスモータ部を備える高圧用の電動ポンプHPは、従来と同様にベーパーセパレータV内に配置されるもので、これは図1に示される。
尚、従来と同一構造部分については同一符号を使用し説明を省略する。
【0010】
次にその作用について説明する。
海上用機関の運転に当り、リード線11、配線6Cを介して駆動コイル6Bに電気信号が入力され、マグネットロータ10を含むカップ体9が回転すると、この回転はモータ軸7に伝達され、モータ軸7はカップ体9と同期的に回転する。
一方、前記モータ軸7の回転によると、この回転はインペラ4に伝達されてインペラ4も同期的に回転するもので、このインペラ4の回転によると、ベーパーセパレータV内の燃料はポンプ流入路2Aからポンプ室3内に吸入され、ポンプ室3内において昇圧された燃料はポンプ流出路1Bを介してポンプハウジング1内へ吐出される。
そして、ポンプハウジング1内の昇圧された燃料は、駆動コイル6Bを冷却するとともにモータ軸7の軸受部を潤滑し、ポンプハウジング1内よりポンプ吐出路12に向けて昇圧された燃料が吐出される。
そして、この燃料は第1高圧燃料吐出路45、高圧燃料フィルターHF、第2高圧燃料吐出路46を介して燃料分配管Dへと供給され、この燃料が燃料噴射弁Jを介して吸気管K内へと噴射供給される。
【0011】
ここで、本発明になる海上機関用の燃料噴射装置の特徴的なことは、高圧用の電動ポンプのモータ部としてブラシレスモータ部を用い、更にブラシレスモータ部の駆動コイル6Bのポンプハウジング1内に臨んで露出する部位を樹脂材料によってモールドしたことである。
以上によると、ポンプハウジング1内を海水を含んだ燃料が通過した際にあっても、駆動コイル6Bと燃料との接触を完全に遮断することができるので、モータ部における金属石鹸の生成を完全に抑止できたものである。
従って、高圧燃料フィルターHFにおける金属石鹸による目詰まりを防止でき、高圧燃料フィルターHFのフィルター機能を長期間に渡って保証できるとともに高圧燃料フィルターHFのメンテナンス時期を大きくのばすことができたものである。
又、機関の停止時にあっても駆動コイル6Bを燃料と非接触状態に保持することができるので、長期間に渡る不使用時にあっても、金属石鹸の生成が抑止され、モータ機能が損なわれることがない。
又、ブラシレスモータ部を用いたことによると、モータ部の電気部分を固定状態に保持できるので、樹脂材料のモールドを極めて簡単に行なうことができるとともに回転による樹脂材料が摩耗することもない。
尚、駆動コイル6Bとリード線11とを連絡する配線6Cを樹脂材料によってモールドすれば前記効果を一層向上できる。
又、前記実施例に代えてモータ部をステッピングモータとしてもよく、更に高圧用の電動ポンプHPをベーパーセパレータVの外方に配置してもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明になる海上機関用の燃料噴射装置によると、ベーパーセパレータ内の燃料を吸入して吐出する高圧用の電動ポンプのモータ部としてブラシレスモータ部を用い、ブラシレスモータ部を構成する駆動コイルの外周を樹脂材料によってモールドしたので、ポンプハウジング内を流れる海水を含む燃料と駆動コイルとの接触を完全に遮断することができ、これによって電気部分である駆動コイルにおける金属石鹸の生成を抑止できる。
従って高圧燃料ポンプから吐出される燃料中に金属石鹸が混入することがなく、もって高圧燃料フィルターのフィルター機能を長期に渡って保証できるとともにそのメンテナンス時期をのばすことができる。
又、ブラシレスモータ部を用いたことによって、駆動コイルは固定状態に配置されるもので駆動コイルに対する樹脂材料のモールドを容易にできるとともにモータの回転時において樹脂材料が摩耗することもない。
又、従来のブラシレスモータ部に対し、その駆動コイルの外周に樹脂材料をモールドするだけであるので、電動ポンプの体格が大きくなることもなく、その実施が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる海上機関用の燃料噴射装置の一実施例を示す全体構成図。
【図2】図1に用いられる高圧用の電動ポンプの一実施例を示す縦断面図。
【図3】従来の海上機関用の燃料噴射装置の全体構成図。
【符号の説明】
1 ポンプハウジング
6 界磁鉄心
6B 駆動コイル
G 樹脂材料
7 燃料タンク
V ベーパーセパレータ
HF 高圧燃料フィルター
【産業上の利用分野】
本発明は海上を走行する船外機等の海上機関に用いられる燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の海上機関用の燃料噴射装置について図3によって説明する。
Tは内部に燃料が貯溜される燃料タンクであり、Vは内部に一定なる燃料液面X−Xを形成するベーパーセパレータであり、Dは機関の吸気管K内に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁Jを備える燃料分配管である。
そして、前記ベーパーセパレータVは以下により構成される。
20は有底カップ状の筐体であり、筐体20の上部開口はカバー21によって閉塞される。
FはベーパーセパレータV内に一定の燃料液面X−Xを形成保持する定液面制御機構であり、カバー21に形成される流入路22に接続されてベーパーセパレータV内に開口するバルブシート23と、バルブシート23を開閉するフロートバルブ24と、軸25に回転自在に支持され、ベーパーセパレータV内に形成される液面高さに応じて揺動し、フロートバルブ24を介してバルブシート23を開閉制御するフロート26と、によって構成される。
又、ベーパーセパレータV内には高圧用の電動ポンプHPが配置されるもので、この電動ポンプHPは、直流モーター部DMとポンプ部Pとによって構成される。ポンプ部Pは筒状のポンプハウジング27の下方に配置される第1ケーシング28と第2ケーシング29との間に形成されるポンプ室凹部30内に、その周縁部に複数の羽根溝を備えるインペラ31が回転自在に配置される。
そして、前記ポンプ室凹部30にはポンプ流入路32とポンプ流出路33とが開口配置されるもので、ポンプ流入路32の上流側は下方に向かって開口し、ベーパーセパレータV内へ開口する。一方ポンプ流出路33の下流側は第1ケーシング28の上方のポンプハウジング27内へ開口する。(以後の説明において上流、下流とは燃料の流れ方向においていう)
直流モータ部DMは、その両端が回転自在に軸支されたモータ軸34に装着されたアーマチュア35と、モータ軸34に装着されるとともにアーマチュア35に接続されたコンミテータ36と、コンミテータ36に摺動接触するブラシ37と、ポンプハウジング27の内方にあってアーマチュア35に臨んで配置される半円筒状の永久磁石38と、により構成され、これら直流モータ部DMは、ポンプハウジング27の内方に配置される。
又、ポンプハウジング27の上方開口は、ポンプカバー39によって閉塞され、このポンプカバー39にはポンプ吐出路40が形成され、このポンプ吐出路40の上流は、直流モータ部DMが収納されるポンプハウジング27内に連絡され、下流は外方に向かって開口する。
かかる直流モータ部DM、ポンプ部Pを備える高圧用の電動ポンプHPは例えば特公昭63−63756号公報に示される。
そして、前記電動ポンプHPはベーパーセパレータV内に配置されるもので、ポンプ吐出路40はカバー21に設けた吐出路41に接続され、ポンプ流入路32は吸入側フィルター42を介してベーパーセパレータV内の一定液面X−X下に開口配置される。
【0003】
そして海上用機関の燃料噴射装置は以下によって形成される。
燃料タンクTとベーパーセパレータVとは低圧用の燃料ポンプLPを介して連絡されるもので低圧用の燃料ポンプLPと燃料タンクTとが低圧燃料吸入路40にて連絡され、低圧用の燃料ポンプLPとベーパーセパレータVの流入路22とが低圧燃料吐出路44によって連絡される。
又、燃料分配管Dと高圧用の電動ポンプHPとは高圧燃料フィルターHFを介して連絡されるもので、高圧燃料フィルターHFとカバー21の吐出路41とが第1高圧燃料吐出路45によって連絡され、高圧燃料ポンプHFと燃料分配管Dとが第2高圧燃料吐出路46によって連絡される。
更に燃料分配管DにはプレッシャーレギュレータRが装着されるものでプレッシャーレギュレターRのリターン燃料管47はベーパーセパレータV内へと連絡される。
【0004】
以上よりなる海上機関用の燃料噴射装置によると、燃料タンクT内の燃料は低圧燃料吸入路43を介して低圧用の燃料ポンプLP内に吸入され、該燃料ポンプLPによって低圧(例えば0.3kg/cm2)に昇圧された燃料は低圧燃料吐出路44、流入路22、バルブシート23を介してベーパーセパレータV内へ供給される。
ベーパーセパレータVにあっては、前記低圧燃料が供給されることによってベーパーセパレータV内に燃料が貯溜されるもので、ベーパーセパレータV内には定液面制御機構Fによって一定なる燃料液面X−Xが形成保持される。
一方、高圧用の電動ポンプHPの直流モータ部DHが回転駆動することによると、インペラ31もまたモータ軸34によってポンプ室凹部30内において回転するもので、これによるとベーパーセパレータV内の燃料は、吸入側フィルター42、ポンプ流入路32を介してポンプ室凹部30内へ吸入され、ポンプ室凹部30内において高圧(例えば3kg/cm2)に昇圧された高圧燃料は、ポンプ流出路33、直流モータ部DMとそれを囲繞するポンプケーシング27の内方との間に形成されるモータ空間部A、を介してポンプ吐出路40に達する。
そして、ポンプ吐出路40の高圧燃料はカバー吐出路41、第1高圧燃料吐出路45を介して高圧燃料フィルターHPに供給され、高圧燃料フィルターHPによって異物が除去された高圧燃料は、第2高圧燃料吐出路46を介して燃料分配管D内へと供給され、この燃料が燃料噴射弁Jを介して吸気管K内へ電動供給される。
一方、燃料分配管D内の燃料圧力が所定圧力を超えて上昇すると、プレッシャーレギュレターRはリターン燃料管47を開放するもので、これによると余剰燃料はリターン燃料管47を介して再びベーパーセパレータV内へ還流される。
而して燃料分配管D内には所定の燃料圧力を有する燃料を維持できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の高圧用の電動ポンプHPの直流モータ部DMはポンプハウジング27内に配置され、この直流モータ部DMにはポンプ部Pからポンプ吐出路40に向かって流れるポンプハウジング27内の高圧燃料が接触する。
すなわち、高圧燃料は直流モータ部DMに接触しつつポンプ吐出路40に向かって流下する。
これは直流モータ部DMの冷却、コンミテータ36とブラシ37との潤滑、モータ軸34と軸受部分の潤滑、を図る為である。
ここで、かかる燃料噴射装置を海上機関用として用いた場合、燃料タンクT及びベーパーセパレータV内に海水を含んだ蒸気、海水の飛まつが侵入する恐れがあるもので、例えば燃料配管の接続作業時における侵入、あるいは燃料タンクT、ベーパーセパレータVのエアベント孔の開口部からの侵入、等が考えられる。
そして、前記において海水が混入した燃料(ガソリンあるいはガソリンとエンジンオイルの混合燃料)が高圧用の電動ポンプHPのポンプ部Pによって昇圧され、この海水含有燃料がかくはんされて微細な海水の直流モータ部DMを構成するアーマチュア35、コンミテータ36、ブラシ37と接触すると、海水中に含まれるカルシウム、マグネシウム等の金属イオンが結合し、金属石鹸を生成することがある。
そして、かかる金属石鹸はその周囲を流れる高圧燃料によって直流モータ部DMより剥離され、この金属石鹸は第1高圧燃料吐出路45を介して高圧燃料フィルターHFによって補そくされる。
ここで高圧燃料フィルターHFは一定時間の使用後において運転者によって清掃することが義務づけられるものであるが、仮にこの清掃が行なわれなかった場合、高圧燃料フィルターHFによる流路抵抗が増加し、燃料分配管Dへの供給燃料が減少するという不具合を生ずる。
又、前期清掃が相当の長期に渡って実施されない場合、金属石鹸による高圧燃料フィルターHFの目詰まりは進行し、高圧燃料フィルターHFは高圧燃料によって大きく変形する恐れがある。
更に、高圧用の電動ポンプHPが長期間に渡って不使用状態にあるとき、コンミテータ36とブラシ37の先端部と、の接触部以外のコンミテータ36の外周表面に海水による酸化被膜が生成され易いもので、これによるとコンミテータ36とブラシ37との通電に好ましいものでない。
更に又、近年ガソリン燃料にエタノールを混合することが行なわれるが、これによるとアルコールの介在によって海水とガソリンとの混合が促進され、前記不具合は助長される。
更に又、直流モータ部とポンプ部とをカップリング部によって隔離し、ポンプ部によって昇圧された燃料を直流モータ部へ進入させない、いわゆるドライモータ式が考慮されるが、これによると燃料ポンプの体格が大型化するとともに部品点数が大きく増加し、実用上好ましいものではない。
【0006】
本発明になる燃料噴射装置は、前記課題に鑑み成されたもので、燃料タンク、ベーパーセパレータ内の燃料中に海水が侵入したとしても、高圧用の電動ポンプのモータ部において金属石鹸が生成されることがなく、高圧燃料フィルターのフィルター詰まりを長期間に渡って防止できる海上機関に好適な燃料噴射装置を提供することを第1の目的とする。
【0007】
【課題を達成する為の手段】
本発明になる海上機関用の燃料噴射装置は、前記目的を達成する為に、燃料タンク内の燃料が低圧用の燃料ポンプによって昇圧され、該燃料が内部に一定なる燃料液面を形成するベーパーセパレータ内へ供給され、
一方、ベーパーセパレータ内の燃料が高圧用の電動ポンプのポンプ部によって昇圧され、該燃料が電動ポンプ内に配置されるモータ部を通過して、機関に臨んで配置された燃料噴射弁に向けて供給される燃料噴射装置において、
前記高圧用の電動ポンプは、ポンプ部とモータ部とをポンプハウジング内に備えるとともに該モータ部はブラシレスモータ部として形成され、更にポンプハウジング内に固定配置されるブラシレスモータ部の駆動コイルの外周を樹脂材料にてモールドしたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
高圧用の電動ポンプを構成するモータ部はブラシレスモータ部として構成され、且つブラシレスモータ部を構成する駆動コイルの外周が樹脂材料によってモールドされる。以上によると、ポンプハウジング内を海水含有燃料が流下したとしても、駆動コイル等の電気構成部分に海水が接触することがなく、電気構成部分における金属石鹸の生成が行なわれない。
又、前記電気構成部分は固定された駆動コイルによって形成されるので樹脂材料のモールドを極めて容易に行なうことができる。
【0009】
【実施例】
図2によって本発明になる海上機関用の燃料噴射装置に用いられる高圧用の電動ポンプHPについて説明する。
1は下方の底部1Cがポンプ室凹部1Aを介して下方に向かって開口するとともに上方が開口するポンプハウジングであり、ポンプ室凹部1Aの下方開口は下方ケーシング2によって閉塞され、環状凹部をなすポンプ室3が形成される。
そしてポンプ室3内には周縁部に複数の羽根溝を備えるインペラ4が回転自在に配置されてポンプ部Pが形成される。
尚、2Aは下方ケーシング2に形成されるポンプ流入路であり、その上流は下方に向かって開口し、下流はポンプ室3内に向かって開口し、又、ポンプハウジング1の底部1Cに形成されるポンプ流出路1Bの上流はポンプ室3内に開口し、下流はポンプハウジング1内に開口する。
又、前記ポンプハウジング1の上方開口は、ポンプカバー5によって閉塞されるものでポンプカバー5のポンプハウジング1内に臨む下面5Aには界磁鉄心6が固着される。
界磁鉄心6は磁性材料によって形成され、円筒状をなす筒状部6Aが下面5Aよりポンプハウジング1内において下方に向かって立設され、更に筒状部6Aには駆動コイル6Bが巻き回される。
7は筒状部6Aの内方に回転自在に配置されるモータ軸であり、モータ軸7の上方は第1ベアリング8Aによって筒状部6Aの基部に回転自在に支持され、モータ軸7の下方は筒状部6Aを通過してポンプハウジング1の底部1Cに第2ベアリング8Bを介して回転自在に支持される。
又、前記モータ軸7の下端はポンプ室3内に進入するもので、モータ軸7の下端のDカット部がインペラ4のDカット孔に挿入され、これによってモータ軸7の回転がインペラ4に伝達され、モータ軸7とインペラ4とが同期的に回転する。9はモータ軸7と一体形成された有底カップ状をなすカップ体であり、カップ体9は駆動コイル6Bに沿って配置されるとともにカップ体9の内方には、駆動コイル6Bに間隙をもって臨む環状のマグネットロータ10が一体的に配置される。すなわち、モータ軸7が回転すると、カップ体9はモータ軸7と同期的に回転し、これによってマグネットロータ10が駆動コイル6Bの外周に臨んで回転することになる。
尚、9Aはカップ体9の下方に穿設した通孔であり、又駆動コイル6Bからのびる配線Cはポンプカバー5に貫通して配置されるリード線11に接続され、リード線11より駆動コイル6Bに電気信号が入力される。
更にポンプカバー5に設けたポンプ吐出路12はポンプハウジング1内に向かって連絡され、このポンプ吐出路12にはポンプハウジング1内からポンプ吐出路12内に向かう燃料流れを許容し、ポンプ吐出路12からポンプハウジング1内に向かう燃料流れを阻止する逆止弁13が配置される。
以上によると、モータ部は、界磁鉄心6、駆動コイル6B、マグネットロータ10によってブラシレスモータ部として形成されるもので、かかるブラシレスモータ部はホール素子駆動回路、ホール電圧の増幅回路、3相ロジック、駆動回路、からなる制御回路によって回転駆動される。
尚、上記ブラシレスモータ部は公知のものであって、本発明によれば前記ブラシレスモータ部の固定部分である、駆動コイル6B及び配線6Cの外周に樹脂材料Gをモールドして構成した。
そして、かかるポンプハウジング1内にポンプ部Pとブラシレスモータ部を備える高圧用の電動ポンプHPは、従来と同様にベーパーセパレータV内に配置されるもので、これは図1に示される。
尚、従来と同一構造部分については同一符号を使用し説明を省略する。
【0010】
次にその作用について説明する。
海上用機関の運転に当り、リード線11、配線6Cを介して駆動コイル6Bに電気信号が入力され、マグネットロータ10を含むカップ体9が回転すると、この回転はモータ軸7に伝達され、モータ軸7はカップ体9と同期的に回転する。
一方、前記モータ軸7の回転によると、この回転はインペラ4に伝達されてインペラ4も同期的に回転するもので、このインペラ4の回転によると、ベーパーセパレータV内の燃料はポンプ流入路2Aからポンプ室3内に吸入され、ポンプ室3内において昇圧された燃料はポンプ流出路1Bを介してポンプハウジング1内へ吐出される。
そして、ポンプハウジング1内の昇圧された燃料は、駆動コイル6Bを冷却するとともにモータ軸7の軸受部を潤滑し、ポンプハウジング1内よりポンプ吐出路12に向けて昇圧された燃料が吐出される。
そして、この燃料は第1高圧燃料吐出路45、高圧燃料フィルターHF、第2高圧燃料吐出路46を介して燃料分配管Dへと供給され、この燃料が燃料噴射弁Jを介して吸気管K内へと噴射供給される。
【0011】
ここで、本発明になる海上機関用の燃料噴射装置の特徴的なことは、高圧用の電動ポンプのモータ部としてブラシレスモータ部を用い、更にブラシレスモータ部の駆動コイル6Bのポンプハウジング1内に臨んで露出する部位を樹脂材料によってモールドしたことである。
以上によると、ポンプハウジング1内を海水を含んだ燃料が通過した際にあっても、駆動コイル6Bと燃料との接触を完全に遮断することができるので、モータ部における金属石鹸の生成を完全に抑止できたものである。
従って、高圧燃料フィルターHFにおける金属石鹸による目詰まりを防止でき、高圧燃料フィルターHFのフィルター機能を長期間に渡って保証できるとともに高圧燃料フィルターHFのメンテナンス時期を大きくのばすことができたものである。
又、機関の停止時にあっても駆動コイル6Bを燃料と非接触状態に保持することができるので、長期間に渡る不使用時にあっても、金属石鹸の生成が抑止され、モータ機能が損なわれることがない。
又、ブラシレスモータ部を用いたことによると、モータ部の電気部分を固定状態に保持できるので、樹脂材料のモールドを極めて簡単に行なうことができるとともに回転による樹脂材料が摩耗することもない。
尚、駆動コイル6Bとリード線11とを連絡する配線6Cを樹脂材料によってモールドすれば前記効果を一層向上できる。
又、前記実施例に代えてモータ部をステッピングモータとしてもよく、更に高圧用の電動ポンプHPをベーパーセパレータVの外方に配置してもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明になる海上機関用の燃料噴射装置によると、ベーパーセパレータ内の燃料を吸入して吐出する高圧用の電動ポンプのモータ部としてブラシレスモータ部を用い、ブラシレスモータ部を構成する駆動コイルの外周を樹脂材料によってモールドしたので、ポンプハウジング内を流れる海水を含む燃料と駆動コイルとの接触を完全に遮断することができ、これによって電気部分である駆動コイルにおける金属石鹸の生成を抑止できる。
従って高圧燃料ポンプから吐出される燃料中に金属石鹸が混入することがなく、もって高圧燃料フィルターのフィルター機能を長期に渡って保証できるとともにそのメンテナンス時期をのばすことができる。
又、ブラシレスモータ部を用いたことによって、駆動コイルは固定状態に配置されるもので駆動コイルに対する樹脂材料のモールドを容易にできるとともにモータの回転時において樹脂材料が摩耗することもない。
又、従来のブラシレスモータ部に対し、その駆動コイルの外周に樹脂材料をモールドするだけであるので、電動ポンプの体格が大きくなることもなく、その実施が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる海上機関用の燃料噴射装置の一実施例を示す全体構成図。
【図2】図1に用いられる高圧用の電動ポンプの一実施例を示す縦断面図。
【図3】従来の海上機関用の燃料噴射装置の全体構成図。
【符号の説明】
1 ポンプハウジング
6 界磁鉄心
6B 駆動コイル
G 樹脂材料
7 燃料タンク
V ベーパーセパレータ
HF 高圧燃料フィルター
Claims (1)
- 燃料タンク内の燃料が低圧用の燃料ポンプによって昇圧され、該燃料が内部に一定なる燃料液面を形成するベーパーセパレータ内へ供給され、一方、ベーパーセパレータ内の燃料が高圧用の電動ポンプのポンプ部によって昇圧され、該燃料が電動ポンプ内に配置されるモータ部を通過して、機関に臨んで配置された燃料噴射弁に向けて供給される燃料噴射装置において、
前記高圧用の電動ポンプHPは、ポンプ部Pとモータ部とをポンプハウジング1内に備えるとともに該モータ部はブラシレスモータ部として形成され、更にポンプハウジング1内に固定配置されるブラシレスモータ部の駆動コイル6Bの外周を樹脂材料Gにてモールドしたことを特徴とする船外機用の燃料噴射装置。
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