JP2004035639A - 吸水性樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体適合性、生分解性等の特性をもつ新規な機能性ゲルとして、医用材料、衛生材料、農漁業、土木資材などの分野で応用が期待されるゲルを提供すること。
【解決手段】少なくとも
(A)下記式(1)
【化1】
[式中、pは0以上10以下の整数を示す。Xは水素原子、水酸基又は炭素数10以下のアルコキシル基を示す。qは1〜3の整数を示す。R1、R2は水素原子、アルカリ金属、、アンモニウムイオン又は炭素数20以下の有機基を示す。R3は水素原子又は炭素数10以下の炭化水素基を示すが少なくとも1つは水素原子以外の基である。]
で表される化合物
及び
(B)下記式(2)
【化2】
[式中Yは炭素数20以下の炭化水素基を示す。]
で表される化合物を重合して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも
(A)下記式(1)
【化1】
[式中、pは0以上10以下の整数を示す。Xは水素原子、水酸基又は炭素数10以下のアルコキシル基を示す。qは1〜3の整数を示す。R1、R2は水素原子、アルカリ金属、、アンモニウムイオン又は炭素数20以下の有機基を示す。R3は水素原子又は炭素数10以下の炭化水素基を示すが少なくとも1つは水素原子以外の基である。]
で表される化合物
及び
(B)下記式(2)
【化2】
[式中Yは炭素数20以下の炭化水素基を示す。]
で表される化合物を重合して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された生分解性を有する吸水性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸水性樹脂として現在多く使われているポリアクリル酸ナトリウムは優れた吸水性を有し、紙おむつなどの衛生商品や土壌保水剤などの農業土木資材分野に広く使われている。しかしながら、ポリアクリル酸ナトリウムは生分解性を有しておらず、その使用後は焼却処理されたり、自然環境中に放置されたりするなど、環境負荷の高い方法で処理されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
制御された生分解性を有する吸水性樹脂およびその製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するべく検討を重ねた結果、本発明の制御された生分解性を有する吸水性樹脂を着想し、本発明を完成させた。すなわち本発明は
【0004】
(1)少なくとも
(A)下記式(1)
【0005】
【化5】
【0006】
[式中、pは0以上10以下の整数を示す。Xは水素原子、水酸基又は炭素数10以下のアルコキシル基を示す。qは1〜3の整数を示す。R1、R2は水素原子、アルカリ金属、、アンモニウムイオン又は炭素数20以下の有機基を示す。R3は水素原子又は炭素数10以下の炭化水素基を示すが少なくとも1つは水素原子以外の基である。]
で表される化合物
及び
(B)下記式(2)
【0007】
【化6】
【0008】
[式中Yは炭素数20以下の炭化水素基を示す。]
で表される化合物を重合して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(2)重合成分(C)として、下記式(3)
【0009】
【化7】
【0010】
[式中、p、X、R1及びR2は式(1)におけるのと同じ意味を表す。qは2又は3を示す。]
で表される化合物を使用する前記(1)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(3)重合成分(D)として、前記式(1)及び(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用する上記(1)又は(2)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(4)少なくとも
(A)’上記式(3)で表される化合物及び
(B)’上記式(2)で表される化合物
を重合して得られるポリエステル樹脂中の−N−(H)qの水素原子のうち少なくとも1個を炭素数10以下の炭化水素基に置換して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(5)重合成分(A)’として、前記式(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用する上記(4)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(6)少なくとも下記式(4)
【0011】
【化8】
【0012】
[式中、p、X、R3、及びqは式(1)におけるのと同じ意味を表す。]
で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
(7)置換基(1)として、−NHCOCH3または−NHCOCH2CH2COOHを有する上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(8)置換基(2)として、−N(CH3)2を有する上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(9)置換基(1)と置換基(2)の含有割合(モル比)が10:90〜90:10である上記(8)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(10)少なくとも前記式(4)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂のアミノ基又はアンモニウム基を水素原子以外の置換基で置換することを特徴とする吸水性樹脂の生分解性速度制御方法、
(11)架橋剤がアミノ基および/または水酸基と反応しうる官能基を2つ以上含む化合物である、上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の記載の吸水性樹脂、
(12)架橋剤が多価イソシアネート化合物および/または多価エポキシ化合物である、上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の記載の吸水性樹脂、
(13)生分解性のある上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(14)細胞培養用基質材料用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(15)組織培養支持体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(16)固定化酵素の担体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(17)固定化細胞の担体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(18)ドラッグデリバリーシステムの担体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(19)遺伝子治療における遺伝子キャリアー用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(20)吸水性樹脂用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
なお、本明細書において生分解性とは、土壌、堆肥、コンポスト、湖沼などの自然環境下において、水、二酸化炭素などに分解され得る性質を表す。
前記式(1)において、pは0以上10以下の整数を示し、好ましくは0または1である。Xは水素原子、水酸基、炭素数10以下のアルコキシル基を示す。この炭素数10以下のアルコキシル基としては、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、イソプロポキシル基、ブトキシル基、イソブトキシル基、s―ブトキシル基、t−ブトキシル基、ペントキシル基、イソペントキシル基、ネオペントキシル基、ヘキオキシル基、ヘプトキシル基、オクトキシル基、ノノキシル基、デソキシル基などのアルコキシル基があげられる。このXの好ましい態様としては、水素原子、水酸基または、メトキシ基、エトキシ基である。
【0014】
R1、R2は水素原子、アルカリ金属、、アンモニウムイオン、炭素数20以下の有機基を示す。この炭素数20以下の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s―ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などアルキル基、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オキサロ基、ヒドロキシマロニル基、ヒドロキシスクシニル基、ヒドロキシグルタリル基、ヒドロキシアジポイル基、ヒドロキシスベロイル基などのアシル基、およびピラニル基などである。このR1、R2の好ましい態様としては、水素原子、メチル基、エチル基である。
【0015】
R3は水素原子、炭素数10以下の有機基を示す。炭素数10以下の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s―ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などアルキル基、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、、サクシニル基、ヘキサノイル基、オキサロ基、ヒドロキシマロニル基、ヒドロキシスクシニル基、ヒドロキシグルタリル基、ヒドロキシアジポイル基、ヒドロキシスベロイル基などのアシル基、およびピラニル基などである。qは1〜3の整数を示す。これらのうちアセチル基、サクシニル基、メチル基が好ましく、−NHCOCH3または−NHCOCH2CH2COOH(以下、これらをあわせて置換基(1)という)、−N(CH3)2(以下、置換基(2)という)の形で結合しているのが特に好ましい。本発明のポリエステル樹脂において、特に置換基(1)と置換基(2)の両者を有するのが好ましく、その割合は特に限定されないが、置換基(1):置換基(2)=10:90〜90:10(モル比)である。
【0016】
前記式(2)においてYは炭素数20以下の有機基を示す。この炭素数20以下の有機基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、3−メチルペンチレン基などの脂肪族炭化水素基およびこれから誘導される複合基、フェニレン基、ナフチレン基などの芳香族炭化水素基およびこれらから誘導される複合基などが挙げられ、好ましくは、エチレン基、トリエチレン基、テトラエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、3−メチルペンチル基である。
前記式(3)において、p、X、R1及びR2は式(1)におけるのと同じ意味を表す。qは2又は3を示す。
前記式(4)において、p、q、X、R3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。
前記(3)項において、前記式(1)、(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物である重合成分(D)としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピマリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、(無水)シクロヘキサンジカルボン酸、(無水)シクロヘキセンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など芳香族ジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸およびそれらの誘導体などの酸性アミノ酸および類縁体並びにこれらの混合物などが挙げらるが、これらに限定されるのではない。
【0017】
本発明において使用するポリエステル樹脂(以下、本発明のポリエステル樹脂という)は、例えば次のような方法で製造することができる。
第1法としては、重合成分(A)として前記式(1)で表される化合物、及び重合成分(B)として前記式(2)の化合物並びに必要により重合成分(C)として、前記式(3)の化合物を必要に応じて触媒、溶媒の存在下で重縮合して得ることができる。
第2法しては、重合成分(A)’として前記式(3)で表される化合物と重合成分(B)’として前記式(2)で表される化合物を必要に応じて触媒、溶媒の存在下で重縮合したのち、アミノ基の水素原子を所望の基に変換することにより得ることができる。
なお、第1法及び第2法において、任意の割合で重合成分(D)として、式(1)及び式(3)の化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂は、少なくとも式(4)で表される繰り返し単位を有し、第1法においては、式(1)の化合物において、R3が水素原子以外の基である化合物の使用割合を、また、第2法においては、重縮合反応後のアミノ基の置換割合を制御することにより、アミノ基又はアンモニウム基が水素原子以外の基で置換されている割合(置換割合)を所望する範囲に制御することができる。本発明のポリエステル樹脂において、該置換割合は1モル%以上80モル%以下の範囲である。このように置換割合を変化させることにより、本発明の吸水性樹脂は、その生分解性速度を制御することができる。
【0018】
以下、本発明のポリエステル樹脂の製造法を詳細に説明する。
まず、第1法により製造する場合について説明する。
反応は必要に応じて溶媒中で行うことができる。ここで用いることができる溶媒は、原料である前記式(1)、式(2)、式(3)で表される化合物、および反応生成物、必要に応じて用いられることもある触媒と反応しなければ、特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランおよびこれらの混合溶媒が利用可能である。
【0019】
溶媒を用いた場合の原料化合物の濃度は、通常10重量%から80重量%、好ましくは20重量%から50重量%である。
原料として用いる、前記式(1)、式(2)、式(3)で表された化合物の量関係は、式(1)の化合物のモル量をAC1と式(3)の化合物(任意成分)のモル量をAC3、式(2)の化合物のモル量をALとすると、(AC1+AC3):AL=1:0.9〜1:1.1であり、AC1:AC3は10:90〜90:10である。
反応温度は原料である前記式(1)、式(2)、式(3)の化合物、生成物、必要に応じて用いられることもある触媒、必要に応じて用いられることもある溶媒が熱分解しない範囲であれば特に限定されないが、80℃から180℃、好ましくは90℃から160℃である。反応中の圧力は、大気圧以下で行うことが可能である。反応時間は2時間から48時間、好ましくは8時間から24時間である。
【0020】
触媒は必要に応じて用いることができる。このとき用いることができる触媒は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、などの有機酸、フェニルボロン酸誘導体であり、好ましくは、塩酸、p−トルエンスルホン酸、フェニルボロン酸誘導体である。
原料として用いる、式(1)、(2)、(3)で表される化合物は例えば次のような方法で得ることができる。
式(1)で表される化合物は、p=0,X=H、R1=R2=Hのときは市販のアスパラギン酸から誘導することができる。このとき、R3に炭素数10以下の炭化水素基を導入する方法としては、対応するハロゲン化アルキル基を反応させればよい。p=1、X=H、R1=R2=Hのときは市販のグルタミン酸から誘導することができる。このとき、R3に炭素数10以下の炭化水素基を導入する方法としては、対応するハロゲン化アルキル基を反応させればよい。p=0、X=OH、R1=R2=Hのときは、エポキシマレイン酸に対応するアルキルアミンまたはジアルキルアミンを反応させることにより得ることができる。
【0021】
式(2)で表される化合物は、市販品をそのまま、または必要に応じて精製して用いることができる。
式(3)で表される化合物は、p=0、X=Hのときはアスパラギン酸、p=1、X=Hのときはグルタミン酸である。p=0、X=OH、R1=R2=Hのときは、エポキシマレイン酸にアンモニアを反応させることにより得ることができる。
【0022】
次に第2法の方法について説明する。
第2法しては、重合成分(B)として前記式(2)で表される化合物と重合成分(C)として前記式(3)で表される化合物とを必要に応じて触媒、溶媒の存在下で重縮合したのち、アミノ基の水素原子を所望の基に変換する反応は必要に応じて溶媒中で行うことができる。ここで用いることができる溶媒は、原料である前記式(2)、式(3)で表される化合物、反応生成物、必要に応じて用いられることもある触媒と反応しなければ、特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランおよびこれらの混合溶媒が利用可能である。
【0023】
溶媒を用いた場合の原料化合物の濃度は、通常10重量%から80重量%、好ましくは20重量%から50重量%である。
原料として用いる、前記式(2)、式(3)で表される化合物の量関係は、式(3)の化合物のモル量をAC3、式(2)の化合物のモル量をALとすると、AC3:ALが通常0.90:1.00〜1.10:1.00である。
反応温度は原料である前記式(2)、式(3)の化合物、生成物、必要に応じて用いられることもある触媒、必要に応じて用いられることもある溶媒が熱分解しない範囲であれば特に限定されないが、通常80℃から180℃、好ましくは90℃から160℃である。反応中の圧力は、大気圧以下で行うことが可能である。反応時間は2時間から48時間、好ましくは8時間から24時間である。
【0024】
触媒は必要に応じて用いることができる。このとき用いることができる触媒は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、などの有機酸、フェニルボロン酸誘導体であり、好ましくは、塩酸、p−トルエンスルホン酸、フェニルボロン酸誘導体である。
【0025】
こうして得られた化合物を無水酢酸、無水コハク酸などの酸無水物やハロゲン化アルキルなどを反応させることにより本発明のポリエステル樹脂を得ることができる。反応は、上記のようにして得られた重縮合物を必要により溶媒に溶解し、酸無水物、ハロゲン化アルキルを滴下して行う。なお、重縮合物を得る際に酸性触媒を使用した場合、重縮合物がアンモニウム基を有し置換反応が進行しづらい場合があるので、トリエチルアミン等を反応系に共存させるのが好ましい。
反応終了後、溶媒を使用した場合、酢酸エチル等の貧溶媒を反応系に添加して、本発明のポリエステル樹脂を析出させることができる。
【0026】
次に本発明において使用する架橋剤について説明する。
用いることができる架橋剤は、水酸基または/およびアミノ基と反応しうる官能基を2つ以上もつ化合物であれば特に制限はない。例えば、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、テトラカルボン酸無水物などが挙げられる。多価イソシアネート化合物としては、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、オルソトリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなど脂肪族ジイソシアネート並びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0027】
多価エポキシ化合物としては、ネオペンチルジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジグリシジルエーテル、1,7−ヘプタンジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジグリシジルエーテル、1,9−ノナンジグリシジルエーテル、1,10−デカンジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ソルビトールグリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートなどの脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、1,5−ナフタレンジグリシジルエーテル、1,6−ナフタレンジグリシジルエーテル、2,7−ナフタレンジグリシジルエーテルなどの芳香族系エポキシ化合物並びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0028】
テトラカルボン酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸二無水物、メソ−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、 1,2,3,4−シクロペタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物、 エチレンジアミンテトラカルボン酸二無水物、 ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
これらの架橋剤のうち、好ましくは、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物であり、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ソルビトールグリシジルエーテルである。
【0029】
ポリエステル樹脂と架橋剤の反応は、両者の混合物を必要により、溶媒及び触媒の存在下、加熱して行う。
このとき使用できる溶媒は、ポリエステル樹脂および架橋剤が溶解し、かつ、ポリエステル樹脂および架橋剤と反応しなければよい。具体的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランなどであり、好ましくは、ジメチルホルムアミドである。
【0030】
溶媒を使用する場合のその使用量は、ポリエステル樹脂および架橋剤が溶解する範囲であれば特に制限はないが、固形分濃度で1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%となる量使用する。
ポリエステル樹脂と架橋剤の量関係は、ポリエステル樹脂の反応基に対して、架橋剤が通常0.1当量以上1.0当量未満、好ましくは0.2当量以上〜1.0当量未満である。
反応温度は、通常10〜80℃、好ましくは20〜70℃である。
反応時間は通常5時間〜120時間、好ましくは12〜72時間である。
【0031】
反応に際し、架橋剤の種類に応じた反応触媒を用いることもできる。即ち、架橋剤がイソシアネート化合物の場合はスズ化合物、エポキシ化合物の場合はイミダゾール化合物を用いることができる。触媒の使用量は、架橋剤に対して通常0.01〜10mol%、好ましくは1〜5mol%である。
用いうるスズ化合物としては、アリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリフェニルスズ、ビス(トリ−n−ブチルスズ)、ジ−n−ジブチルスズ二塩化物、テトラ−n−ブチルスズ、テトラフェニルスズ、トリ−n−ブチルスズ1フッ化物、テトラメチルスズ、トリ−n−ブチル(2−ピリジル)スズ、トリメチル(2−ピリジル)スズ、トリ−n−ブチルエチレンスズ、トリ−n−ブチルビニルスズ、トリ−n−ブチル(2−フリル)スズ、トリ−n−ブチル(チエニル)スズ、トリ−n−ブチル(トリメチルシリルエチニル)スズ、トリ−n−ブチル(トエメチルシリルメチル)スズ、トリメチル(4−ピリジル)スズ、2−エチルヘキサン酸スズ、ジドデカン酸ジブチルスズなどが挙げられ、好ましくは2−エチルヘキサン酸スズ、ジドデカン酸ジブチルスズである。
【0032】
用いうるイミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。
【0033】
反応は、ポリエステル樹脂と架橋剤並びに必要により溶媒及び触媒の混合物を攪拌しながら所定温度で、所定時間加熱して行う。反応終了後、溶媒を使用した場合は真空乾燥等のそれ自身公知の方法で乾燥し、本発明の吸水性樹脂を得ることができる。
【0034】
本発明の吸水性樹脂は構造中に水酸基やアミノ基を併せ持つことを特徴とし、各種の機能性ゲルとして、特に生分解性高分子、生体適合性高分子としての応用が期待できる。構造中の官能基を利用して蛋白質、DNA、糖、細胞などの生体成分や医薬などを結合したり吸着したりすることが可能である。多くの動物細胞を生体外で培養する場合、基質材料への接着が必要であり、通常増殖因子を修飾したコラーゲンが用いられている。このような増殖因子は本発明の吸水性樹脂ヘの結合及び/又は接着も可能であることより、本発明の吸水性樹脂を細胞培養用基質材料として利用でき、組織培養支持体への応用も可能である。
【0035】
また、本発明の吸水性樹脂に酵素や細胞を固定化することができ、これをバイオリアクターへ応用して医薬品や合成で製造しにくい化学品を製造することができ、また診断や治療に利用できる。
医薬品を本発明の吸水性樹脂に結合することによって医薬を必要な時に、必要な量だけ、必要な所へ送達することが可能であり、すなわちドラッグデリバリーシステムの担体として利用できる。
本発明の吸水性樹脂は、吸水性を有しており、使い捨ておむつ、生理用品などの衛生用品、緩衝材などの日用雑貨品、保水材などの農業・土木資材などへの用途に期待できる。
本発明の吸水性樹脂は、生分解性を有しており、地球環境上極めて有用であり、特に回収が困難な用途、例えば、農業用資材、土木用資材への用途に期待できる。
【0036】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
参考例1:β―ヒドロキシアスパラギン酸の製造
水酸化ナトリウム470gを溶かした、水3Lに、マレイン酸880gを溶解した。これにタングステン酸ナトリウム2水和物25gを加え、よく溶解した。さらに、33%過酸化水素水860mLを加え、65℃で3時間反応させた。反応終了後、500gのアンモニア水を加え、25℃、4時間反応させた。反応終了後、400gの塩酸を加え、目的物を析出させ、濾別した。このとき収量は800gであった。
【0038】
参考例2:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸の製造
水酸化ナトリウム470gを溶かした、水3Lに、マレイン酸880gを溶解した。これにタングステン酸ナトリウム2水和物25gを加え、よく溶解した。さらに、33%過酸化水素水860mLを加え、65℃で3時間反応させた。反応終了後、500gのジメチルアミン水溶液を加え、25℃、4時間反応させた。反応終了後、400gの塩酸を加え、目的物を析出させ、濾別した。このとき収量は900gであった。
【0039】
参考例3:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルの製造
分離管、攪拌機、冷却管を備えた反応器に、参考例1で得た、β―ヒドロキシアスパラギン酸14.91gと、参考例2で得た、N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸17.72g、ヘキサンジオール23.63g、トルエン80mLを加えた。続いて、パラトルエンスルホン酸45.2gを加え、留出する水を除きながら、16時間乾留した。
反応終了後、ジメチルホルムアミド(以下、DMF) 108gを加え溶解した後、トリエチルアミン23.83g、無水酢酸19.28gを加え、室温で12時間反応させ、ポリエステル樹脂のDMF溶液を得た。
【0040】
参考例4:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルの製造
分離管、攪拌機、冷却管を備えた反応器に、参考例2で得た、 N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸17.73g(0.1mol)、1,6−ヘキサンジオール11.82(0.1mol)、塩酸15.6g(0.13mol)、トルエン100gを加えた。これを油浴中で加熱還流した。留出する水を分離管で除去した。10時間の反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、トルエンをデカントで除去したのち、真空下120℃で8時間乾燥して、ポリエステル樹脂を得た。
【0041】
参考例5:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤から得られる吸水性樹脂の製造
参考例4で合成したポリエステル樹脂0.496gを1mLのジメチルホルムアミドに溶解した。ここへヘキサンジイソシアネート163.2mg、ジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加え、25℃で48時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し吸水性樹脂を得た。
【0042】
参考例6:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤から得られる吸水性樹脂の製造
参考例4で合成したポリエステル樹脂0.4853gを1mLのジメチルホルムアミドに溶解した。ここへヘキサンジイソシアネート138.2mg、ジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加え、25℃で48時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し吸水性樹脂を得た。
【0043】
参考例7:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤から得られる吸水性樹脂の製造
参考例4で合成したポリエステル樹脂0.8405gを1mLのジメチルホルムアミドに溶解した。ここへヘキサンジイソシアネート155.4mg、ジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加え、25℃で48時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し吸水性樹脂を得た。
【0044】
実施例1:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液3.055gにヘキサンジイソシアネート24.4mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0045】
実施例2:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液3.100gにヘキサンジイソシアネート66.8mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0046】
実施例3:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液2.935gにヘキサンジイソシアネート82.8mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0047】
実施例4:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液3.584gにヘキサンジイソシアネート139.1mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0048】
試験例1:生分解性モデル試験
生分解性の評価に際し、生分解をモデル化した加水分解性を評価した。
参考例5〜7および実施例1〜4で製造した吸水性樹脂を、100mMのリン酸緩衝液(pH7.4)に、表1の濃度で溶解し、50℃で加温した。このとき加水分解により遊離してくるヘキサンジオールを高速液体クロマトグラフィーにて定量した。定量条件は表1に示した。定量されたヘキサンジオール濃度から加水分解率を求めた。加水分解率は、100%加水分解されたときに生成するヘキサンジオール量を分母とし、定量されたヘキサンジオール量を分子にとったときの百分率で表し図1、図2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
試験例2:吸水性試験
生分解性の評価に際し、生分解をモデル化した加水分解性を評価した。
試験例1で調製した試験液を用いて、反応開始後14日目に、内液を捨て、残存していた吸水性樹脂を含水状態のまま秤量した。この秤量値を、初めに加えた吸水性樹脂量で除して、百分率で表した値を吸水率とした。結果を図3、図4に示した。
【0051】
【発明の効果】
本発明の制御された生分解性を有する吸水性樹脂は、回収不能または回収困難な用途、例えば、農業用資材、水産業用資材などの用途への利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1から4で得られた吸水性樹脂の加水分解性試験の結果
【図2】参考例5から7で得られた吸水性樹脂の加水分解性試験の結果
【図3】実施例1から4で得られた吸水性樹脂の吸水性試験の結果
【図4】参考例5から7で得られた吸水性樹脂の吸水性試験の結果
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された生分解性を有する吸水性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸水性樹脂として現在多く使われているポリアクリル酸ナトリウムは優れた吸水性を有し、紙おむつなどの衛生商品や土壌保水剤などの農業土木資材分野に広く使われている。しかしながら、ポリアクリル酸ナトリウムは生分解性を有しておらず、その使用後は焼却処理されたり、自然環境中に放置されたりするなど、環境負荷の高い方法で処理されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
制御された生分解性を有する吸水性樹脂およびその製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するべく検討を重ねた結果、本発明の制御された生分解性を有する吸水性樹脂を着想し、本発明を完成させた。すなわち本発明は
【0004】
(1)少なくとも
(A)下記式(1)
【0005】
【化5】
【0006】
[式中、pは0以上10以下の整数を示す。Xは水素原子、水酸基又は炭素数10以下のアルコキシル基を示す。qは1〜3の整数を示す。R1、R2は水素原子、アルカリ金属、、アンモニウムイオン又は炭素数20以下の有機基を示す。R3は水素原子又は炭素数10以下の炭化水素基を示すが少なくとも1つは水素原子以外の基である。]
で表される化合物
及び
(B)下記式(2)
【0007】
【化6】
【0008】
[式中Yは炭素数20以下の炭化水素基を示す。]
で表される化合物を重合して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(2)重合成分(C)として、下記式(3)
【0009】
【化7】
【0010】
[式中、p、X、R1及びR2は式(1)におけるのと同じ意味を表す。qは2又は3を示す。]
で表される化合物を使用する前記(1)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(3)重合成分(D)として、前記式(1)及び(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用する上記(1)又は(2)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(4)少なくとも
(A)’上記式(3)で表される化合物及び
(B)’上記式(2)で表される化合物
を重合して得られるポリエステル樹脂中の−N−(H)qの水素原子のうち少なくとも1個を炭素数10以下の炭化水素基に置換して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(5)重合成分(A)’として、前記式(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用する上記(4)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(6)少なくとも下記式(4)
【0011】
【化8】
【0012】
[式中、p、X、R3、及びqは式(1)におけるのと同じ意味を表す。]
で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
(7)置換基(1)として、−NHCOCH3または−NHCOCH2CH2COOHを有する上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(8)置換基(2)として、−N(CH3)2を有する上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(9)置換基(1)と置換基(2)の含有割合(モル比)が10:90〜90:10である上記(8)記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂、
(10)少なくとも前記式(4)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂のアミノ基又はアンモニウム基を水素原子以外の置換基で置換することを特徴とする吸水性樹脂の生分解性速度制御方法、
(11)架橋剤がアミノ基および/または水酸基と反応しうる官能基を2つ以上含む化合物である、上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の記載の吸水性樹脂、
(12)架橋剤が多価イソシアネート化合物および/または多価エポキシ化合物である、上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の記載の吸水性樹脂、
(13)生分解性のある上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(14)細胞培養用基質材料用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(15)組織培養支持体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(16)固定化酵素の担体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(17)固定化細胞の担体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(18)ドラッグデリバリーシステムの担体用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(19)遺伝子治療における遺伝子キャリアー用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂、
(20)吸水性樹脂用の上記(1)〜(9)の何れか1項に記載の吸水性樹脂
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
なお、本明細書において生分解性とは、土壌、堆肥、コンポスト、湖沼などの自然環境下において、水、二酸化炭素などに分解され得る性質を表す。
前記式(1)において、pは0以上10以下の整数を示し、好ましくは0または1である。Xは水素原子、水酸基、炭素数10以下のアルコキシル基を示す。この炭素数10以下のアルコキシル基としては、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、イソプロポキシル基、ブトキシル基、イソブトキシル基、s―ブトキシル基、t−ブトキシル基、ペントキシル基、イソペントキシル基、ネオペントキシル基、ヘキオキシル基、ヘプトキシル基、オクトキシル基、ノノキシル基、デソキシル基などのアルコキシル基があげられる。このXの好ましい態様としては、水素原子、水酸基または、メトキシ基、エトキシ基である。
【0014】
R1、R2は水素原子、アルカリ金属、、アンモニウムイオン、炭素数20以下の有機基を示す。この炭素数20以下の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s―ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などアルキル基、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オキサロ基、ヒドロキシマロニル基、ヒドロキシスクシニル基、ヒドロキシグルタリル基、ヒドロキシアジポイル基、ヒドロキシスベロイル基などのアシル基、およびピラニル基などである。このR1、R2の好ましい態様としては、水素原子、メチル基、エチル基である。
【0015】
R3は水素原子、炭素数10以下の有機基を示す。炭素数10以下の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s―ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などアルキル基、フォルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、、サクシニル基、ヘキサノイル基、オキサロ基、ヒドロキシマロニル基、ヒドロキシスクシニル基、ヒドロキシグルタリル基、ヒドロキシアジポイル基、ヒドロキシスベロイル基などのアシル基、およびピラニル基などである。qは1〜3の整数を示す。これらのうちアセチル基、サクシニル基、メチル基が好ましく、−NHCOCH3または−NHCOCH2CH2COOH(以下、これらをあわせて置換基(1)という)、−N(CH3)2(以下、置換基(2)という)の形で結合しているのが特に好ましい。本発明のポリエステル樹脂において、特に置換基(1)と置換基(2)の両者を有するのが好ましく、その割合は特に限定されないが、置換基(1):置換基(2)=10:90〜90:10(モル比)である。
【0016】
前記式(2)においてYは炭素数20以下の有機基を示す。この炭素数20以下の有機基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、3−メチルペンチレン基などの脂肪族炭化水素基およびこれから誘導される複合基、フェニレン基、ナフチレン基などの芳香族炭化水素基およびこれらから誘導される複合基などが挙げられ、好ましくは、エチレン基、トリエチレン基、テトラエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、3−メチルペンチル基である。
前記式(3)において、p、X、R1及びR2は式(1)におけるのと同じ意味を表す。qは2又は3を示す。
前記式(4)において、p、q、X、R3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。
前記(3)項において、前記式(1)、(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物である重合成分(D)としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピマリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、(無水)シクロヘキサンジカルボン酸、(無水)シクロヘキセンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など芳香族ジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸およびそれらの誘導体などの酸性アミノ酸および類縁体並びにこれらの混合物などが挙げらるが、これらに限定されるのではない。
【0017】
本発明において使用するポリエステル樹脂(以下、本発明のポリエステル樹脂という)は、例えば次のような方法で製造することができる。
第1法としては、重合成分(A)として前記式(1)で表される化合物、及び重合成分(B)として前記式(2)の化合物並びに必要により重合成分(C)として、前記式(3)の化合物を必要に応じて触媒、溶媒の存在下で重縮合して得ることができる。
第2法しては、重合成分(A)’として前記式(3)で表される化合物と重合成分(B)’として前記式(2)で表される化合物を必要に応じて触媒、溶媒の存在下で重縮合したのち、アミノ基の水素原子を所望の基に変換することにより得ることができる。
なお、第1法及び第2法において、任意の割合で重合成分(D)として、式(1)及び式(3)の化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用することができる。
また、本発明のポリエステル樹脂は、少なくとも式(4)で表される繰り返し単位を有し、第1法においては、式(1)の化合物において、R3が水素原子以外の基である化合物の使用割合を、また、第2法においては、重縮合反応後のアミノ基の置換割合を制御することにより、アミノ基又はアンモニウム基が水素原子以外の基で置換されている割合(置換割合)を所望する範囲に制御することができる。本発明のポリエステル樹脂において、該置換割合は1モル%以上80モル%以下の範囲である。このように置換割合を変化させることにより、本発明の吸水性樹脂は、その生分解性速度を制御することができる。
【0018】
以下、本発明のポリエステル樹脂の製造法を詳細に説明する。
まず、第1法により製造する場合について説明する。
反応は必要に応じて溶媒中で行うことができる。ここで用いることができる溶媒は、原料である前記式(1)、式(2)、式(3)で表される化合物、および反応生成物、必要に応じて用いられることもある触媒と反応しなければ、特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランおよびこれらの混合溶媒が利用可能である。
【0019】
溶媒を用いた場合の原料化合物の濃度は、通常10重量%から80重量%、好ましくは20重量%から50重量%である。
原料として用いる、前記式(1)、式(2)、式(3)で表された化合物の量関係は、式(1)の化合物のモル量をAC1と式(3)の化合物(任意成分)のモル量をAC3、式(2)の化合物のモル量をALとすると、(AC1+AC3):AL=1:0.9〜1:1.1であり、AC1:AC3は10:90〜90:10である。
反応温度は原料である前記式(1)、式(2)、式(3)の化合物、生成物、必要に応じて用いられることもある触媒、必要に応じて用いられることもある溶媒が熱分解しない範囲であれば特に限定されないが、80℃から180℃、好ましくは90℃から160℃である。反応中の圧力は、大気圧以下で行うことが可能である。反応時間は2時間から48時間、好ましくは8時間から24時間である。
【0020】
触媒は必要に応じて用いることができる。このとき用いることができる触媒は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、などの有機酸、フェニルボロン酸誘導体であり、好ましくは、塩酸、p−トルエンスルホン酸、フェニルボロン酸誘導体である。
原料として用いる、式(1)、(2)、(3)で表される化合物は例えば次のような方法で得ることができる。
式(1)で表される化合物は、p=0,X=H、R1=R2=Hのときは市販のアスパラギン酸から誘導することができる。このとき、R3に炭素数10以下の炭化水素基を導入する方法としては、対応するハロゲン化アルキル基を反応させればよい。p=1、X=H、R1=R2=Hのときは市販のグルタミン酸から誘導することができる。このとき、R3に炭素数10以下の炭化水素基を導入する方法としては、対応するハロゲン化アルキル基を反応させればよい。p=0、X=OH、R1=R2=Hのときは、エポキシマレイン酸に対応するアルキルアミンまたはジアルキルアミンを反応させることにより得ることができる。
【0021】
式(2)で表される化合物は、市販品をそのまま、または必要に応じて精製して用いることができる。
式(3)で表される化合物は、p=0、X=Hのときはアスパラギン酸、p=1、X=Hのときはグルタミン酸である。p=0、X=OH、R1=R2=Hのときは、エポキシマレイン酸にアンモニアを反応させることにより得ることができる。
【0022】
次に第2法の方法について説明する。
第2法しては、重合成分(B)として前記式(2)で表される化合物と重合成分(C)として前記式(3)で表される化合物とを必要に応じて触媒、溶媒の存在下で重縮合したのち、アミノ基の水素原子を所望の基に変換する反応は必要に応じて溶媒中で行うことができる。ここで用いることができる溶媒は、原料である前記式(2)、式(3)で表される化合物、反応生成物、必要に応じて用いられることもある触媒と反応しなければ、特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランおよびこれらの混合溶媒が利用可能である。
【0023】
溶媒を用いた場合の原料化合物の濃度は、通常10重量%から80重量%、好ましくは20重量%から50重量%である。
原料として用いる、前記式(2)、式(3)で表される化合物の量関係は、式(3)の化合物のモル量をAC3、式(2)の化合物のモル量をALとすると、AC3:ALが通常0.90:1.00〜1.10:1.00である。
反応温度は原料である前記式(2)、式(3)の化合物、生成物、必要に応じて用いられることもある触媒、必要に応じて用いられることもある溶媒が熱分解しない範囲であれば特に限定されないが、通常80℃から180℃、好ましくは90℃から160℃である。反応中の圧力は、大気圧以下で行うことが可能である。反応時間は2時間から48時間、好ましくは8時間から24時間である。
【0024】
触媒は必要に応じて用いることができる。このとき用いることができる触媒は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、などの有機酸、フェニルボロン酸誘導体であり、好ましくは、塩酸、p−トルエンスルホン酸、フェニルボロン酸誘導体である。
【0025】
こうして得られた化合物を無水酢酸、無水コハク酸などの酸無水物やハロゲン化アルキルなどを反応させることにより本発明のポリエステル樹脂を得ることができる。反応は、上記のようにして得られた重縮合物を必要により溶媒に溶解し、酸無水物、ハロゲン化アルキルを滴下して行う。なお、重縮合物を得る際に酸性触媒を使用した場合、重縮合物がアンモニウム基を有し置換反応が進行しづらい場合があるので、トリエチルアミン等を反応系に共存させるのが好ましい。
反応終了後、溶媒を使用した場合、酢酸エチル等の貧溶媒を反応系に添加して、本発明のポリエステル樹脂を析出させることができる。
【0026】
次に本発明において使用する架橋剤について説明する。
用いることができる架橋剤は、水酸基または/およびアミノ基と反応しうる官能基を2つ以上もつ化合物であれば特に制限はない。例えば、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、テトラカルボン酸無水物などが挙げられる。多価イソシアネート化合物としては、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、オルソトリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなど脂肪族ジイソシアネート並びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0027】
多価エポキシ化合物としては、ネオペンチルジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジグリシジルエーテル、1,7−ヘプタンジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジグリシジルエーテル、1,9−ノナンジグリシジルエーテル、1,10−デカンジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ソルビトールグリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートなどの脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、1,5−ナフタレンジグリシジルエーテル、1,6−ナフタレンジグリシジルエーテル、2,7−ナフタレンジグリシジルエーテルなどの芳香族系エポキシ化合物並びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0028】
テトラカルボン酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸二無水物、メソ−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、 1,2,3,4−シクロペタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物、 エチレンジアミンテトラカルボン酸二無水物、 ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
これらの架橋剤のうち、好ましくは、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物であり、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ソルビトールグリシジルエーテルである。
【0029】
ポリエステル樹脂と架橋剤の反応は、両者の混合物を必要により、溶媒及び触媒の存在下、加熱して行う。
このとき使用できる溶媒は、ポリエステル樹脂および架橋剤が溶解し、かつ、ポリエステル樹脂および架橋剤と反応しなければよい。具体的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、スルホランなどであり、好ましくは、ジメチルホルムアミドである。
【0030】
溶媒を使用する場合のその使用量は、ポリエステル樹脂および架橋剤が溶解する範囲であれば特に制限はないが、固形分濃度で1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%となる量使用する。
ポリエステル樹脂と架橋剤の量関係は、ポリエステル樹脂の反応基に対して、架橋剤が通常0.1当量以上1.0当量未満、好ましくは0.2当量以上〜1.0当量未満である。
反応温度は、通常10〜80℃、好ましくは20〜70℃である。
反応時間は通常5時間〜120時間、好ましくは12〜72時間である。
【0031】
反応に際し、架橋剤の種類に応じた反応触媒を用いることもできる。即ち、架橋剤がイソシアネート化合物の場合はスズ化合物、エポキシ化合物の場合はイミダゾール化合物を用いることができる。触媒の使用量は、架橋剤に対して通常0.01〜10mol%、好ましくは1〜5mol%である。
用いうるスズ化合物としては、アリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリフェニルスズ、ビス(トリ−n−ブチルスズ)、ジ−n−ジブチルスズ二塩化物、テトラ−n−ブチルスズ、テトラフェニルスズ、トリ−n−ブチルスズ1フッ化物、テトラメチルスズ、トリ−n−ブチル(2−ピリジル)スズ、トリメチル(2−ピリジル)スズ、トリ−n−ブチルエチレンスズ、トリ−n−ブチルビニルスズ、トリ−n−ブチル(2−フリル)スズ、トリ−n−ブチル(チエニル)スズ、トリ−n−ブチル(トリメチルシリルエチニル)スズ、トリ−n−ブチル(トエメチルシリルメチル)スズ、トリメチル(4−ピリジル)スズ、2−エチルヘキサン酸スズ、ジドデカン酸ジブチルスズなどが挙げられ、好ましくは2−エチルヘキサン酸スズ、ジドデカン酸ジブチルスズである。
【0032】
用いうるイミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。
【0033】
反応は、ポリエステル樹脂と架橋剤並びに必要により溶媒及び触媒の混合物を攪拌しながら所定温度で、所定時間加熱して行う。反応終了後、溶媒を使用した場合は真空乾燥等のそれ自身公知の方法で乾燥し、本発明の吸水性樹脂を得ることができる。
【0034】
本発明の吸水性樹脂は構造中に水酸基やアミノ基を併せ持つことを特徴とし、各種の機能性ゲルとして、特に生分解性高分子、生体適合性高分子としての応用が期待できる。構造中の官能基を利用して蛋白質、DNA、糖、細胞などの生体成分や医薬などを結合したり吸着したりすることが可能である。多くの動物細胞を生体外で培養する場合、基質材料への接着が必要であり、通常増殖因子を修飾したコラーゲンが用いられている。このような増殖因子は本発明の吸水性樹脂ヘの結合及び/又は接着も可能であることより、本発明の吸水性樹脂を細胞培養用基質材料として利用でき、組織培養支持体への応用も可能である。
【0035】
また、本発明の吸水性樹脂に酵素や細胞を固定化することができ、これをバイオリアクターへ応用して医薬品や合成で製造しにくい化学品を製造することができ、また診断や治療に利用できる。
医薬品を本発明の吸水性樹脂に結合することによって医薬を必要な時に、必要な量だけ、必要な所へ送達することが可能であり、すなわちドラッグデリバリーシステムの担体として利用できる。
本発明の吸水性樹脂は、吸水性を有しており、使い捨ておむつ、生理用品などの衛生用品、緩衝材などの日用雑貨品、保水材などの農業・土木資材などへの用途に期待できる。
本発明の吸水性樹脂は、生分解性を有しており、地球環境上極めて有用であり、特に回収が困難な用途、例えば、農業用資材、土木用資材への用途に期待できる。
【0036】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
参考例1:β―ヒドロキシアスパラギン酸の製造
水酸化ナトリウム470gを溶かした、水3Lに、マレイン酸880gを溶解した。これにタングステン酸ナトリウム2水和物25gを加え、よく溶解した。さらに、33%過酸化水素水860mLを加え、65℃で3時間反応させた。反応終了後、500gのアンモニア水を加え、25℃、4時間反応させた。反応終了後、400gの塩酸を加え、目的物を析出させ、濾別した。このとき収量は800gであった。
【0038】
参考例2:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸の製造
水酸化ナトリウム470gを溶かした、水3Lに、マレイン酸880gを溶解した。これにタングステン酸ナトリウム2水和物25gを加え、よく溶解した。さらに、33%過酸化水素水860mLを加え、65℃で3時間反応させた。反応終了後、500gのジメチルアミン水溶液を加え、25℃、4時間反応させた。反応終了後、400gの塩酸を加え、目的物を析出させ、濾別した。このとき収量は900gであった。
【0039】
参考例3:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルの製造
分離管、攪拌機、冷却管を備えた反応器に、参考例1で得た、β―ヒドロキシアスパラギン酸14.91gと、参考例2で得た、N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸17.72g、ヘキサンジオール23.63g、トルエン80mLを加えた。続いて、パラトルエンスルホン酸45.2gを加え、留出する水を除きながら、16時間乾留した。
反応終了後、ジメチルホルムアミド(以下、DMF) 108gを加え溶解した後、トリエチルアミン23.83g、無水酢酸19.28gを加え、室温で12時間反応させ、ポリエステル樹脂のDMF溶液を得た。
【0040】
参考例4:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルの製造
分離管、攪拌機、冷却管を備えた反応器に、参考例2で得た、 N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸17.73g(0.1mol)、1,6−ヘキサンジオール11.82(0.1mol)、塩酸15.6g(0.13mol)、トルエン100gを加えた。これを油浴中で加熱還流した。留出する水を分離管で除去した。10時間の反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、トルエンをデカントで除去したのち、真空下120℃で8時間乾燥して、ポリエステル樹脂を得た。
【0041】
参考例5:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤から得られる吸水性樹脂の製造
参考例4で合成したポリエステル樹脂0.496gを1mLのジメチルホルムアミドに溶解した。ここへヘキサンジイソシアネート163.2mg、ジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加え、25℃で48時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し吸水性樹脂を得た。
【0042】
参考例6:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤から得られる吸水性樹脂の製造
参考例4で合成したポリエステル樹脂0.4853gを1mLのジメチルホルムアミドに溶解した。ここへヘキサンジイソシアネート138.2mg、ジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加え、25℃で48時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し吸水性樹脂を得た。
【0043】
参考例7:N,N−ジメチル−β−ヒドロキシアスパラギン酸−ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤から得られる吸水性樹脂の製造
参考例4で合成したポリエステル樹脂0.8405gを1mLのジメチルホルムアミドに溶解した。ここへヘキサンジイソシアネート155.4mg、ジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加え、25℃で48時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し吸水性樹脂を得た。
【0044】
実施例1:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液3.055gにヘキサンジイソシアネート24.4mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0045】
実施例2:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液3.100gにヘキサンジイソシアネート66.8mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0046】
実施例3:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液2.935gにヘキサンジイソシアネート82.8mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0047】
実施例4:N,N−ジメチル−β―ヒドロキシアスパラギン酸、β―ヒドロキシアスパラギン酸、ヘキサンジオールポリエステルと架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂の製造
参考例3で得た、ポリエステル樹脂のDMF溶液3.584gにヘキサンジイソシアネート139.1mg、触媒としてジドデカン酸ジブチルスズ10μLを加えて、25℃で12時間反応させた。反応終了後100℃で10時間、真空乾燥した。乾燥物を粉砕し本発明の吸水性樹脂を得た。
【0048】
試験例1:生分解性モデル試験
生分解性の評価に際し、生分解をモデル化した加水分解性を評価した。
参考例5〜7および実施例1〜4で製造した吸水性樹脂を、100mMのリン酸緩衝液(pH7.4)に、表1の濃度で溶解し、50℃で加温した。このとき加水分解により遊離してくるヘキサンジオールを高速液体クロマトグラフィーにて定量した。定量条件は表1に示した。定量されたヘキサンジオール濃度から加水分解率を求めた。加水分解率は、100%加水分解されたときに生成するヘキサンジオール量を分母とし、定量されたヘキサンジオール量を分子にとったときの百分率で表し図1、図2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
試験例2:吸水性試験
生分解性の評価に際し、生分解をモデル化した加水分解性を評価した。
試験例1で調製した試験液を用いて、反応開始後14日目に、内液を捨て、残存していた吸水性樹脂を含水状態のまま秤量した。この秤量値を、初めに加えた吸水性樹脂量で除して、百分率で表した値を吸水率とした。結果を図3、図4に示した。
【0051】
【発明の効果】
本発明の制御された生分解性を有する吸水性樹脂は、回収不能または回収困難な用途、例えば、農業用資材、水産業用資材などの用途への利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1から4で得られた吸水性樹脂の加水分解性試験の結果
【図2】参考例5から7で得られた吸水性樹脂の加水分解性試験の結果
【図3】実施例1から4で得られた吸水性樹脂の吸水性試験の結果
【図4】参考例5から7で得られた吸水性樹脂の吸水性試験の結果
Claims (20)
- 少なくとも
(A)下記式(1)
で表される化合物
及び
(B)下記式(2)
で表される化合物を重合して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。 - 重合成分(D)として、前記式(1)及び(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用する請求項1又は2記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
- 少なくとも
(A)’上記式(3)で表される化合物及び
(B)’上記式(2)で表される化合物
を重合して得られるポリエステル樹脂中の−N−(H)qの水素原子のうち少なくとも1個を炭素数10以下の炭化水素基に置換して得られるポリエステル樹脂であって、アミノ基又はアンモニウム基が、水素原子以外の置換基で置換されている割合が1モル%以上80モル%以下であるポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。 - 重合成分(A)’として、更に前記式(3)で表される化合物以外のジカルボン酸又はその酸無水物を使用する請求項4記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
- 置換基(1)として、−NHCOCH3または−NHCOCH2CH2COOHを有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
- 置換基(2)として、−N(CH3)2を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
- 置換基(1)と置換基(2)の含有割合(モル比)が10:90〜90:10である請求項8記載のポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂。
- 少なくとも前記式(4)で表される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂と架橋剤とを反応させて得られる吸水性樹脂のアミノ基又はアンモニウム基を水素原子以外の置換基で置換することを特徴とする吸水性樹脂の生分解性速度制御方法。
- 架橋剤がアミノ基および/または水酸基と反応しうる官能基を2つ以上含む化合物である、請求項1〜9の何れか1項に記載の記載の吸水性樹脂。
- 架橋剤が多価イソシアネート化合物および/または多価エポキシ化合物である、請求項1〜9の何れか1項に記載の記載の吸水性樹脂。
- 生分解性のある請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- 細胞培養用基質材料用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- 組織培養支持体用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- 固定化酵素の担体用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- 固定化細胞の担体用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- ドラッグデリバリーシステムの担体用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- 遺伝子治療における遺伝子キャリアー用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
- 吸水性樹脂用の請求項1〜9の何れか1項に記載の吸水性樹脂。
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WO2024075941A1 (ko) * | 2022-10-04 | 2024-04-11 | 인천대학교 산학협력단 | 세포밖 소포체 또는 세포의 고흡수성 수지 기반 표면 고정 기술 |
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