JP2001288222A - ベチュリンから得られるポリマー及びその製造法 - Google Patents

ベチュリンから得られるポリマー及びその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベチュリンから得られるポリマー、ポリエス
テル、ポリウレタン及びエステル化合物並びにそれらの
製造法を提供し、更には、優れたベチュリンモノマーの
抽出法を提供するものである。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 (ここで、Rは夫々独立して‐H又は‐C(O)R
あり、Rはアルキル基、アリール基、アルカリール
基、アラルキル基又はシクロアルキル基を示し、かつn
は2〜3,000,000の整数を示す)で示される繰
返し単位を有するポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベチュリンから得
られるポリマー及びその製造法、並びにベチュリン抽出
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カバノキ科の樹木の外樹皮には、樹皮の
白色を示す成分としてベチュリンと言うトリテルペン系
化合物が多く含まれている。近年、環境への関心から生
分解性高分子等のエコマテリアルの開発が注目されてお
り、このような天然物由来の高分子材料の開発が期待さ
れている。ベチュリンは天然に多量に存在する木質系バ
イオマスであるが、一部の医薬品への応用が検討されて
いる以外には、有効な利用法は確立されていない。ま
た、現在に至るまで、ベチュリンから重合によりポリマ
ーが得られたことは知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベチュリン
から得られるポリマー、ポリエステル、ポリウレタン及
びエステル化合物並びにそれらの製造法を提供し、更に
は、優れたベチュリンモノマーの抽出法を提供するもの
である。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は、(1)下記式
(I)
【化5】 (ここで、Rは夫々独立して‐H又は‐C(O)R
あり、Rはアルキル基、アリール基、アルカリール
基、アラルキル基又はシクロアルキル基を示し、かつn
は2〜3,000,000の整数を示す)で示される繰
返し単位を有するポリマーである。
【0005】本発明者らは、上記のベチュリンから得ら
れるポリマーを製造するに際して種々検討をした結果、
ベチュリンが、下記式(V)
【化6】 で示されるように2個の‐OH基と1個の‐C=C‐結
合とを一分子中に有することから、‐C=C‐結合のみ
を選択的に反応せしめてカチオン重合し所望のポリマー
を得ることが著しく困難であるとの知見を得た。本発明
者らは、かかる知見からベチュリンをどのように反応せ
しめれば‐C=C‐結合のみを選択的に反応し得るかを
鋭意検討した。その結果、重合前にベチュリンが持つ2
個の‐OH基を予めエステル化しておけば、‐C=C‐
結合のみを選択的に反応せしめ得ることを見出した。好
ましくは、ベチュリンが持つ2個の‐OH基のうち第1
級炭素に結合する‐OH基をまずエステル化し、続い
て、残存する第2級炭素に結合する‐OH基をエステル
化すると、著しく効率的にエステル化することができ
て、上記のベチュリンから得られるポリマーを簡便かつ
迅速に製造し得ることを見出したのである。
【0006】好ましい態様として、(2)Rが、炭素
数1〜30個のアルキル基である上記(1)記載のポリ
マー、(3)Rが、炭素数1〜14個のアルキル基で
ある上記(1)記載のポリマー、(4)nが2〜1,0
00,000の整数である上記(1)〜(3)のいずれ
か一つに記載のポリマー、(5)ベチュリンの第一級及
び第二級炭素原子に結合するOH基をモノカルボン酸又
はその酸塩化物と反応せしめてエステル化し、次いで、
得られた生成物をカチオン重合触媒の存在下に重縮合せ
しめて上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のポリ
マーを製造する方法、(6)カチオン重合触媒が、BF
OEt、SnCl、CHSOH、PF 、S
b、HPO、HClO、AlCl、WCl、MoCl、又は
これらと水若しくはアルコールとの共触媒から選ばれる
ところの上記(5)記載の方法、(7)重縮合温度が−
70〜150℃であり、重縮合時間が1分間〜240時
間である上記(5)又は(6)記載の方法、(8)仕込
ベチュリン1モルに対してモノカルボン酸又はその酸塩
化物を1〜20モル加えて、−30〜300℃で10分
間〜24時間反応してベチュリンの第一級炭素原子に結
合するOH基をエステル化した後、更に、モノカルボン
酸又はその酸塩化物を、得られたベチュリンのエステル
化物1モルに対して1〜20モル加えて、−50〜28
0℃で30分間〜26時間反応してベチュリンの第二級
炭素原子に結合するOH基をエステル化することにより
ベチュリンを二段階でエステル化する上記(5)〜
(7)のいずれか一つに記載の方法、(9)モノカルボ
ン酸が、炭素数2〜31個の脂肪族モノカルボン酸であ
る上記(5)〜(8)のいずれか一つに記載の方法、
(10)モノカルボン酸が、炭素数2〜15個の脂肪族
モノカルボン酸である(5)〜(8)のいずれか一つに
記載の方法を挙げることができる。
【0007】また、本発明は、(11)下記式(II)
【化7】 (ここで、Rは夫々独立してアルキレン基、アリーレ
ン基、アルカリーレン基、アラルキレン基又はシクロア
ルキレン基を示し、かつmは2〜3,000,000の
整数を示す)で示される繰返し単位を有するポリエステ
ルである。
【0008】本発明者らは、上記のベチュリンから得ら
れるポリマーを製造するに際して、重合前にベチュリン
が持つ2個の‐OH基を予めエステル化することに成功
した。更には、第1級炭素に結合する‐OH基をまずエ
ステル化し、続いて、残存する第2級炭素に結合する‐
OH基をエステル化すると、ベチュリンを極めて効率的
にエステル化し得ると言う知見を得た。かかる知見に基
いて、本発明者らは、上記のベチュリンを基本骨格とす
るポリエステルを簡便かつ迅速に製造し得ることを見出
したのである。
【0009】好ましい態様として、(12)Rが、炭
素数1〜30個のアルキレン基である上記(11)記載
のポリエステル、(13)Rが、炭素数1〜14個の
アルキレン基である上記(11)記載のポリエステル、
(14)mが2〜1,000,000の整数である上記
(11)〜(13)のいずれか一つに記載のポリエステ
ル、(15)仕込ベチュリン1モルに対してジカルボン
酸又はその酸塩化物を0.5〜20モル加えて、−30
〜300℃で10分間〜24時間反応してベチュリンの
第一級炭素原子に結合するOH基をエステル化してベチ
ュリン2分子を結合した後、更に、ジカルボン酸又はそ
の酸塩化物を得られたベチュリンのエステル化物1モル
に対して0.5〜20モル加えて、−50〜280℃で
30分間〜26時間反応してベチュリンの第二級炭素原
子に結合するOH基をエステル化することにより上記
(11)〜(14)のいずれか一つに記載のポリエステ
ルを製造する方法、(16)ジカルボン酸が、炭素数3
〜32個の脂肪族ジカルボン酸である上記(15)記載
の方法、(17)ジカルボン酸が、炭素数3〜16個の
脂肪族ジカルボン酸である上記(15)記載の方法を挙
げることができる。
【0010】また、本発明は、(18)下記式(III)
【化8】 (ここで、Rは夫々独立してアルキレン基、アリーレ
ン基、アルカリーレン基、アラルキレン基又はシクロア
ルキレン基を示し、かつpは2〜3,000,000の
整数を示す)で示される繰返し単位を有するポリウレタ
ンである。
【0011】好ましい態様として、(19)Rが、炭
素数1〜30個のアルキレン基、又は炭素数6〜24個
のアリーレン基、アルカリーレン基若しくはアラルキレ
ン基である上記(18)記載のポリウレタン、(20)
が、炭素数1〜30個のアルキレン基、又は炭素数
6〜24個のアリーレン基、アルカリーレン基若しくは
アラルキレン基である上記(18)記載のポリウレタ
ン、(21)pが2〜1,000,000の整数である
上記(18)〜(20)のいずれか一つに記載のポリウ
レタン、(22)仕込ベチュリン1モルに対してジイソ
シアネート化合物を1〜20モル加えて−30〜300
℃反応することにより上記(18)〜(21)のいずれ
か一つに記載のポリウレタンを製造する方法を挙げるこ
とができる。
【0012】また、本発明は、(23)下記式(IV)
【化9】 (ここで、Rは夫々独立してアルキル基、アリール
基、アルカリール基、アラルキル基又はシクロアルキル
基を示す)で示されるエステル化合物である。(24)
が、炭素数1〜30個のアルキル基である上記(2
3)記載のエステル化合物、(25)Rが、炭素数1
〜14個のアルキル基である上記(23)記載のエステ
ル化合物、(26)仕込ベチュリン1モルに対してモノ
カルボン酸又はその酸塩化物を1〜20モル加えて、−
30〜300℃で10分間〜24時間反応してベチュリ
ンの第一級炭素原子に結合するOH基をエステル化した
後、更に、モノカルボン酸又はその酸塩化物を得られた
ベチュリンのエステル化物1モルに対して1〜20モル
加えて、−50〜280℃で30分間〜26時間反応し
てベチュリンの第二級炭素原子に結合するOH基をエス
テル化することにより上記(23)〜(25)のいずれ
か一つに記載のエステルを製造する方法、(27)モノ
カルボン酸が、炭素数2〜31個の脂肪族モノカルボン
酸である上記(26)記載の方法、(28)モノカルボ
ン酸が、炭素数2〜15個の脂肪族モノカルボン酸であ
る上記(26)記載の方法を挙げることができる。
【0013】また、本発明は、(29)樹木の外樹皮か
らベチュリンを抽出する方法において、樹木の外樹皮に
炭素数2〜25個のモノカルボン酸を加えて加熱してベ
チュリンを抽出することを特徴とする方法。
【0014】本発明者らは、上記のベチュリンを基本骨
格とする種々のポリマーの原料となるベチュリンが樹木
の外樹皮、好ましくはカバノキ科の樹木の外樹皮中に多
く含まれていると言う知見をもとに、いかなる方法によ
れば、該ベチュリンをより多量かつ簡便に得ることがで
きるかを検討した。従来、ベチュリンは、ジクロロメタ
ン、クロロホルム等の塩素系有機溶媒を使用して樹木の
外樹皮から抽出し、次いで、エタノールで再結晶するこ
とにより得られていた。該方法においては、上記の溶媒
を外樹皮に良好に浸透せしめるために、外樹皮をおよそ
0.005cm 未満の寸法に細かく粉砕していた。ま
た、抽出において、上記の塩素系有機溶媒を多量に使用
していたために、環境汚染や人体への悪影響が懸念され
ていた。本発明者らは、かかる観点に基いて種々検討を
した結果、上記所定の溶媒を使用して抽出すれば、従来
の塩素系有機溶媒に比べて抽出温度を高くしても、環境
汚染や人体への悪影響は殆どなく、かつ外樹皮を従来の
ように細かく粉砕しなくても、従来より著しく多量のベ
チュリンを外樹皮から抽出し得ることを見出したのであ
る。
【0015】好ましい態様として、(30)樹木の外樹
皮からベチュリンを抽出する方法において、樹木の外樹
皮に炭素数2〜25個のモノカルボン酸を加えて加熱し
てベチュリンを抽出した後、得られた抽出物に、炭素数
2〜25個のモノカルボン酸無水物を加えて加熱するこ
とを特徴とする方法、(31)炭素数2〜25個のモノ
カルボン酸が酢酸であり、炭素数2〜25個のモノカル
ボン酸無水物が無水酢酸である上記(29)又は(3
0)記載の方法、(32)樹木がカバノキ科の樹木であ
る上記(29)〜(31)のいずれか一つに記載の方
法、(33)カバノキ科の樹木がシラカンバ又はダケカ
ンバである上記(32)記載の方法を挙げることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のベチュリンから得られる
ポリマーは、下記式(I)
【化10】 で示される繰返し単位を有する。ここで、Rは夫々独立
して‐H又は‐C(O)Rであり、Rはアルキル
基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基又はシ
クロアルキル基を示す。アルキル基としては、好ましく
は炭素数1〜30個のアルキル基、より好ましくは炭素
数1〜14個のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ト
リデシル基等が挙げられる。アリール基として、好まし
くは炭素数6〜24個のアリール基、より好ましくは炭
素数6〜18個のアリール基が挙げられ、例えば、フェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられる。アルカリール基と
しては、好ましくは炭素数7〜21個のアルカリール
基、より好ましくは炭素数7〜14個のアルカリール基
が挙げられ、例えば、ベンジル基が挙げられる。アラル
キル基としては、好ましくは炭素数7〜21個のアラル
キル基、より好ましくは炭素数7〜14個のアラルキル
基が挙げられ、例えば、トリル基、キシリル基等が挙げ
られる。また、nは、下限が2、好ましくは5、より好
ましくは10、更により好ましくは50、特に好ましく
は100、より特に好ましくは200、そして上限が
3,000,000、好ましくは1,000,000、
より好ましくは100,000、更により好ましくは1
0,000、特に好ましくは5,000、より特に好ま
しくは1,000の整数を示す。該式(I)で示される
ポリマーの末端は、水素又はその他の一価の基であり
得、好ましくは水素である。該ポリマーは、他の不飽和
化合物、例えば、他の炭素・炭素二重結合を持つ物質等
がベチュリンの繰返し単位中に結合されていてもよい。
【0017】上記本発明のベチュリンから得られるポリ
マーは、ベチュリンの第一級及び第二級炭素原子に結合
するOH基をモノカルボン酸又はその酸塩化物と反応せ
しめてエステル化し、次いで、得られた生成物をカチオ
ン重合触媒の存在下に重縮合せしめて製造することがで
きる。カチオン重縮合触媒としては、好ましくはBF
OEt、SnCl、CHSOH、PF、Sb
HPO、HClO、AlCl、WCl、MoCl、又はこれら
と水若しくはアルコールとの共触媒等を挙げることがで
き、特に好ましくはSnClを使用することができ
る。該触媒の使用量は、ベチュリンモノマー1モルに対
して1/10000〜1/5モルである。重縮合は、ベ
チュリンのエステル化物を好ましくはジクロロメタンに
溶解し、該溶液に上記触媒を所定量で加えた後、好まし
くは−70〜150℃、より好ましくは10〜50℃の
温度で、好ましくは1分間〜240時間、より好ましく
は15〜30時間反応することにより行われる。
【0018】上記のベチュリンから得られるポリマーを
製造する方法において、ベチュリンのエステル化は好ま
しくは下記の方法により実施される。即ち、仕込ベチュ
リン1モルに対してモノカルボン酸又はその酸塩化物を
1〜20モル、より好ましくは1〜2.5モル加えて、
−30〜300℃、好ましくは100〜250℃で10
分間〜24時間、好ましくは1〜8時間、より好ましく
は2〜3時間反応してベチュリンの第一級炭素原子に結
合するOH基をエステル化した後、更に、モノカルボン
酸又はその酸塩化物を、得られたベチュリンのエステル
化物1モルに対して1〜20モル、より好ましくは1〜
2.5モル加えて、−50〜280℃、より好ましくは
100〜250℃で30分間〜26時間、好ましくは1
〜8時間、より好ましくは3〜4時間反応してベチュリ
ンの第二級炭素原子に結合するOH基をエステル化する
ことによりベチュリンを二段階でエステル化する方法で
ある。
【0019】ベチュリンから得られるポリマーを製造す
る方法において、上記の式(I)におけるRと同一の
アルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル
基又はシクロアルキル基を有するモノカルボン酸又はそ
の酸塩化物が使用される。好ましくは炭素数2〜31個
の脂肪族モノカルボン酸又はその酸塩化物、より好まし
くは炭素数2〜15個の脂肪族モノカルボン酸又はその
酸塩化物が使用され、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブ
タン酸、カプロン酸、オクタン酸、パルミチン酸等が挙
げられる。
【0020】本発明のベチュリンから得られるポリエス
テルは、下記式(II)
【化11】 で示される繰返し単位を有する。ここで、Rは夫々独
立してアルキレン基、アリーレン基、アルカリーレン
基、アラルキレン基又はシクロアルキレン基を示す。ア
ルキレン基としては、好ましくは炭素数1〜24個のア
ルキレン基、より好ましくは炭素数1〜14個のアルキ
レン基が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、トリデシレ
ン基等が挙げられる。アリーレン基として、好ましくは
炭素数6〜24個のアリーレン基、より好ましくは炭素
数6〜18個のアリーレン基が挙げられ、例えば、フェ
ニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。アルカリーレ
ン基としては、好ましくは炭素数7〜21個のアルカリ
ーレン基、より好ましくは炭素数7〜14個のアルカリ
ーレン基が挙げられる。アラルキレン基としては、好ま
しくは炭素数7〜21個のアラルキレン基、より好まし
くは炭素数7〜14個のアラルキレン基が挙げられ、例
えば、トリレン基、キシリレン基等が挙げられる。ま
た、mは、下限が2、好ましくは5、より好ましくは1
0、更により好ましくは50、特に好ましくは100、
より特に好ましくは200、そして上限が3,000,
000、好ましくは1,000,000、より好ましく
は100,000、更により好ましくは10,000、
特に好ましくは5,000、より特に好ましくは1,0
00の整数を示す。該式(II)で示されるポリマーの末
端は、好ましくはベチュリンの水酸基又はジカルボン酸
若しくはその酸塩化物の末端基であり得る。該ポリマー
は、他のジオール、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール等をベチュリンの繰返し単位中に結合
されていてもよい。
【0021】上記本発明のポリエステルは、仕込ベチュ
リン1モルに対してジカルボン酸又はその酸塩化物を
0.5〜20モル、好ましくは1〜2.5モル加えて、
−30〜300℃、好ましくは100〜250℃で10
分間〜24時間、好ましくは1〜8時間、より好ましく
は2〜3時間反応してベチュリンの第一級炭素原子に結
合するOH基をエステル化してベチュリン2分子を結合
した後、更に、ジカルボン酸又はその酸塩化物を、得ら
れたベチュリンのエステル化物1モルに対して0.5〜
20モル、好ましくは1〜2.5モル加えて、−50〜
280℃、好ましくは100〜250℃で30分間〜2
6時間、好ましくは1〜8時間、より好ましくは3〜4
時間反応してベチュリンの第二級炭素原子に結合するO
H基をエステル化することにより製造される。
【0022】上記のポリエステルを製造する方法におい
て、上記の式(II)におけるRと同一のアルキレン
基、アリーレン基、アルカリーレン基、アラルキレン基
若しくはシクロアルキレン基を有するジカルボン酸又は
その酸塩化物が使用される。好ましくは炭素数3〜32
個の脂肪族ジカルボン酸又はその酸塩化物、より好まし
くは炭素数3〜16個の脂肪族ジカルボン酸又はその酸
塩化物が使用される。例えば、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
【0023】本発明のベチュリンから得られるポリウレ
タンは、下記式(III)
【化12】 で示される。ここで、Rは夫々独立してアルキレン
基、アリーレン基、アルカリーレン基、アラルキレン基
又はシクロアルキレン基を示す。アルキレン基として
は、好ましくは炭素数1〜30個のアルキレン基、より
好ましくは炭素数6〜14個のアルキレン基が挙げら
れ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、トリデシレン基等が挙げら
れる。アリーレン基として、好ましくは炭素数6〜24
個のアリーレン基、より好ましくは炭素数6〜12個の
アリーレン基が挙げられ、例えば、フェニレン基、ナフ
チレン基等が挙げられる。アルカリーレン基としては、
好ましくは炭素数7〜21個のアルカリーレン基、より
好ましくは炭素数7〜14個のアルカリーレン基が挙げ
られる。アラルキレン基としては、好ましくは炭素数7
〜21個のアラルキレン基、より好ましくは炭素数7〜
14個のアラルキレン基が挙げられ、例えば、トリレン
基、キシリレン基等が挙げられる。また、
【化13】 であってもよい。pは、下限が2、好ましくは5、より
好ましくは10、更により好ましくは50、特に好まし
くは100、より特に好ましくは200、そして上限が
3,000,000、好ましくは1,000,000、
より好ましくは100,000、更により好ましくは1
0,000、特に好ましくは5,000、より特に好ま
しくは1,000の整数を示す。該式(II)で示される
ポリマーの末端は、好ましくはベチュリンの水酸基又は
ジイソシアネート化合物の末端基であり得る。該ポリマ
ーは、他のジオール、例えば、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール等をベチュリンの繰返し単位中に結
合されていてもよい。
【0024】上記本発明のポリウレタンは、仕込ベチュ
リン1モルに対してジイソシアネート化合物を1〜20
モル、好ましくは2〜2.5モルで加えて、−30〜3
00℃、好ましくは20〜200℃で好ましくは1〜4
8時間、より好ましくは2〜24時間反応して製造され
る。
【0025】上記のポリウレタンを製造する方法におい
て、上記の式(III)におけるRと同一のアルキレン
基、アリーレン基、アルカリーレン基、アラルキレン基
又はシクロアルキレン基を有するジイソシアネート化合
物が使用される。好ましくはヘキサメチレンジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、フェニルジイソシ
アネート等が挙げられる。本発明のベチュリンから得ら
れるエステル化合物は、下記式(IV)
【化14】 で示される。ここで、Rは夫々独立してアルキル基、
アリール基、アルカリール基、アラルキル基又はシクロ
アルキル基を示す。アルキル基としては、好ましくは炭
素数1〜30個のアルキル基、より好ましくは炭素数1
〜14個のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、トリデ
シル基等が挙げられる。アリール基として、好ましくは
炭素数6〜24個のアリール基、より好ましくは炭素数
6〜18個のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル
基、ナフチル基等が挙げられる。アルカリール基として
は、好ましくは炭素数7〜21個のアルカリール基、よ
り好ましくは炭素数7〜14個のアルカリール基が挙げ
られ、例えば、ベンジル基が挙げられる。アラルキル基
としては、好ましくは炭素数7〜21個のアラルキル
基、より好ましくは炭素数7〜14個のアラルキル基が
挙げられ、例えば、トリル基、キシリル基等が挙げられ
る。
【0026】上記本発明のエステル化合物は、上記のベ
チュリンから得られるポリマーを製造する方法におい
て、ベチュリンをエステル化する方法と同一の方法で製
造することができる。
【0027】上記いずれにおいても、原料としてのベチ
ュリンは、下記の方法により樹木の外樹皮、好ましくは
カバノキ科樹木の外樹皮から抽出したものを使用するこ
とができるが、本発明においては、これに限定されるこ
となくベチュリンであれば他の方法、例えば合成により
得られたものも使用することができる。
【0028】上記本発明のベチュリンから得られるポリ
マー、ポリエステル、ポリウレタン及びエステル化合物
は、生分解性を示す再生可能な高分子材料として種々の
用途に使用し得る。ベチュリンから得られるポリマー
は、例えば、ポリエステルフィルム、繊維等として使用
することができ、ポリエステルは、例えば、ポエチレン
テレフタレートやポリラクチド代替品若しくはブレンド
品、偏光フィルム、光学活性な液晶若しくはフィルム、
又は高屈折率レンズ等として使用することができ、ポリ
ウレタンは、例えば、釣糸、タイヤコード、衣服の繊維
等として使用することができる。エステル化合物は、例
えば、可塑剤とりわけポリエチレンフィルムの可塑剤、
不凍液、エチレンガス透過性の包装フィルム等として使
用することができる。従来のポリエチレンフィルムで
は、果物、野菜等の自己熟成作用を有するエチレンガス
を通過して外部に放出できないことから果物、野菜等の
鮮度劣化が速いという欠点を有していた。しかし、本発
明のベチュリンから誘導されたエステル化合物をポリエ
チレンフィルムの可塑剤として使用すれば、該エステル
化合物の分子容が大きいことからエチレンガスを容易に
通過して外部に放出することができる。従って、果物、
野菜等の自己熟成作用を防止して長期間に亘ってその鮮
度を維持することができ、しかも外気温度が上昇すると
その効果が促進されると言う特徴がある。上記の作用は
ベチュリンにも存在するが、本発明のベチュリンから誘
導されたエステル化合物においては、ベチュリンとの反
応に使用されるモノカルボン酸又はその酸塩化物の種
類、分子量等により種々の性質、例えば種々の融点を持
つエステル化合物が得られ、従って、用途に応じて適切
なエステル化合物を選択し得ると言う利点がある。
【0029】本発明は、樹木の外樹皮からベチュリンを
抽出する方法において、樹木の外樹皮に炭素数2〜25
個のモノカルボン酸を加えて加熱してベチュリンを抽出
することを特徴とする方法であり、また、樹木の外樹皮
からベチュリンを抽出する方法において、樹木の外樹皮
に炭素数2〜25個のモノカルボン酸を加えて加熱して
ベチュリンを抽出した後、得られた抽出物に、炭素数2
〜25個のモノカルボン酸無水物を加えて加熱すること
を特徴とする方法である。ここで、炭素数2〜25個の
モノカルボン酸は好ましくは酢酸であり、炭素数2〜2
5個のモノカルボン酸無水物は好ましくは無水酢酸であ
る。また、樹木は好ましくはカバノキ科の樹木が使用さ
れ、より好ましくはシラカンバ、ダケカンバ等が使用さ
れる。
【0030】該抽出法においては、まず、樹木、例えば
シラカンバの外樹皮から酢酸抽出物を得る。まず、樹木
の外樹皮を好ましくは0.01〜5cm程度に粉砕す
る。次いで、これを好ましくは1〜50重量倍、特に好
ましくは2〜30重量倍、より好ましくは3〜10重量
倍の炭素数2〜25個のモノカルボン酸、好ましくは炭
素数2〜10個のモノカルボン酸、より好ましくは酢酸
と混合して加熱する。加熱温度は、使用するモノカルボ
ン酸の種類により異なるが、好ましくは使用するモノカ
ルボン酸の沸点より50℃低い温度から沸点より20℃
高い温度であり、より好ましくは沸点付近である。例え
ば、酢酸を使用する際には、酢酸還流下で抽出するのが
好ましい。抽出時間は、使用するモノカルボン酸の種
類、温度等により変化するが、好ましくは0.1〜24
時間、特に好ましくは3〜6時間抽出して酢酸抽出液を
得る。次に、得られた酢酸抽出液を濃縮した後、好まし
くは0.05〜50重量倍、特に好ましくは0.5〜5
重量倍の水、好ましくは蒸留水と室温にて混合して、好
ましくは0.1〜12時間、特に好ましくは3〜6時間
抽出した後、濾過、乾燥して水不溶物として酢酸抽出物
(粗抽出物)を得る。次いで、好ましくは得られた酢酸
抽出物に、更に、炭素数2〜25個のモノカルボン酸無
水物、好ましくは炭素数2〜10個のモノカルボン酸無
水物、より好ましくは無水酢酸と混合して加熱する。あ
るいは、好ましくは得られた酢酸抽出物に、上記のモノ
カルボン酸無水物とピリジンとを体積比で1:1で混合
して加熱する。あるいは、好ましくは得られた酢酸抽出
物に、上記のモノカルボン酸無水物と硫酸とを混合して
加熱する。次いで、得られた生成物を定法に従って精製
することによりベチュリンをエステル化物として単離す
ることができる。例えば、上記のようにして得られた酢
酸抽出物を減圧乾固し、これに、酢酸を好ましく2〜5
0重量倍のジメトキシエタンに溶解した溶液及びアルカ
リ水溶液、例えばNaOH水溶液を加えて沈殿物を得
て、該沈殿物を好ましくはエタノール、酢酸エチルによ
り再結晶してベチュリンエステル化物の結晶を単離す
る。
【0031】このようにして得られたベチュリンは、上
記のポリマー、ポリエステル、ポリウレタン及びエステ
ル化合物に転換され得る。
【0032】上記本発明によれば、樹木の外樹皮から、
樹皮重量に対して好ましくは20〜30重量%、特に好
ましくは25〜30重量%のベチュリンを抽出すること
ができる。
【0033】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0034】
【実施例】実施例において各測定は下記のようにして実
施した。 <H−NMR>使用した装置は、日本電子製、JNM
−EX270型である。溶媒としては重水素化クロロホ
ルムを使用した。 <C13−NMR>使用した装置は、日本電子製、JN
M−EX270型である。溶媒としては重水素化クロロ
ホルムを使用した。 <GPC>使用した装置は、日本分光株式会社製、GP
C900−1型である。溶出液としてはクロロホルムを
使用した。カラムはShodex 803Lと805L
とをつないで使用した。
【0035】
【実施例1】シラカンバからのベチュリンの抽出 シラカンバの外樹皮500グラムを0.01〜5cm
程度に粉砕した。次に、該シラカンバの外樹皮と酢酸5
リットルを10リットルのフラスコに入れ、該シラカン
バの外樹皮を酢酸還流下に3時間抽出して酢酸抽出液を
得た。次いで、該抽出液200ミリリットルを濾過し、
濾液を減圧乾固して濃縮した。そして、該濃縮物に5重
量倍の蒸留水を攪拌しながら加えて生じた沈殿物を濾過
して分別した後、該沈殿物を凍結乾燥した。該沈殿物2
0グラムに無水酢酸14.1ミリリットル及びピリジン
14.1ミリリットルを加え、室温で24時間反応して
アセチル化した。次いで、該アセチル化物に約100ミ
リリットルの氷水を加えて6時間放置して未反応の無水
酢酸を分解した後、蒸留水で洗浄しながら吸引濾過して
生じた沈殿物を分離した。得られた沈殿物をシリカゲル
クロマトグラフィ(溶出液:ベンゼン)で分別して粗ベ
チュリンジアセテートを得た。次いで、得られた粗ベチ
ュリンジアセテートをエタノールにより10回再結晶し
てベチュリンジアセテート12.81グラムを回収し
た。該回収量は、シラカンバの外樹皮の約30重量%に
相当していた。また、上記の結晶がベチュリンジアセテ
ートであることはその融点及びH−NMR(図3の上
段のスペクトル)を測定し文献値と比較することにより
確認した。図1及び2には、夫々、抽出前及び抽出後の
シラカンバの外樹皮の走査電子顕微鏡写真(図1:55
0倍、図2:2500倍)を示した。シラカンバの外樹
皮中に抽出前に存在していたベチュリンが抽出後には殆
ど認められないことが分かった。
【0036】
【実施例2】実施例1において得られたベチュリンジア
セテート0.04グラム(1ミリモル)を塩化メチレン
100グラムに溶解した。次いで、該溶液を200ミリ
リットルの反応容器に仕込み、次いで、触媒としてSn
Clの1/5グラムを添加して30℃で重合を実施し
た。重合開始2時間40分後に反応器中に10リットル
のヘキサンを添加して重合を停止した。得られた生成物
を濾別し、次いで、該生成物を水及びメタノールで順次
洗浄して精製した。図3には、ベチュリンジアセテート
及び反応生成物のH−NMRのスペクトルを示した。
反応生成物には、4.59ppmと4.69ppmに現
れるベチュリンジアセテートモノマーのゼミナルプロト
ンのシグナルが認められなかったことから、反応生成物
がベチュリンのポリマーであることが確認された。ま
た、GPC分析の結果、該ポリマーの平均分子量は約5
0,000であることが分かった。
【0037】
【実施例3】ベチュリン300ミリグラム(0.68ミ
リモル)とピメリン酸543ミリグラム(3.4ミリモ
ル)とを300ミリリットルの反応容器に仕込んだ。次
いで、窒素雰囲気下、温度250℃で1.5時間反応し
た。反応後、室温に冷却して生成物を得た。該生成物を
クロロホルム50ミリリットルに溶解し、これを450
ミリリットルの水で抽出し、更に200ミリリットルの
水で2回クロロホルム層を抽出した。クロロホルムの有
機層を取出し、これに無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥
し、これを濾過した後、得られた濾液から溶媒を留去し
て、無色透明な結晶生成物300ミリグラム(収率8
7.6%)を得た。該生成物の分子量をGPCを使用し
て測定したところ約1000であり、マススペクトル測
定において分子量1008に対応するピークが現れた
(図6)。次いで、得られた生成物209ミリグラムと
ピメリン酸334ミリグラムとを300ミリリットルの
反応容器に仕込んだ。次いで、窒素雰囲気下、温度17
0℃で3時間30分間反応した。反応後、室温に冷却し
て生成物を得た。次いで、該生成物を上記と同様にして
精製分離した。無色透明な生成物230ミリグラムを得
た。図4には、ベチュリン(下段のスペクトル)、一段
階目の反応生成物(中段のスペクトル)及び二段階目の
反応生成物(上段のスペクトル)の13C−NMRのス
ペクトルを示した。各反応生成物には、173ppm付
近にエステル結合−C(O)−の炭素原子を示すシグ
ナルが認められ、かつ該シグナルは二段階目の反応生成
物においてより大きかった。一方、ベチュリンには該シ
グナルが認められなかった。このことからベチュリンか
ら得られるポリエステルが生成していることが分かっ
た。また、ベチュリン及び各反応生成物には、150p
pm付近にCH−C=CHの炭素原子を示すシグ
ナルが認められ、各生成物においても、ベチュリンに存
在する側鎖の炭素・炭素二重結合は重合されずにそのま
ま存在していることが分かった。図5には、ベチュリン
(下段のスペクトル)、一段階目の反応生成物(中段の
スペクトル)及び二段階目の反応生成物(上段のスペク
トル)のH−NMRのスペクトルを示した。また、G
PC分析の結果、該ポリマーの平均分子量は約6,00
0であることが分かった。
【0038】
【実施例4】ベチュリン400ミリグラム(1ミリモ
ル)とヘキサメチレンジイソシアネート185ミリグラ
ム(1.1ミリモル)とを500ミリリットルの反応容
器に仕込んだ。次いで、窒素雰囲気下、温度50℃で2
4時間反応した。反応後、室温に冷却して、生成物をn
−ヘキサンで洗浄し、濾過、乾燥して生成したポリマー
を得た。GPC分析の結果、該生成物の平均分子量は5
0,000であり、ベチュリンとヘキサメチレンジイソ
シアネートとの間で重合反応が生じていることが分かっ
た。
【0039】
【実施例5】ベチュリン200ミリグラム(0.452
ミリモル)とプロピオン酸100ミリリットル(0.9
ミリモル)とを500ミリリットルの反応容器に仕込ん
だ。次いで、窒素雰囲気下、温度250℃で1.5時間
反応した。反応後、室温に冷却して生成物を得た。該生
成物をクロロホルム50ミリリットルに溶解し、これを
450ミリリットルの水で抽出し、更に200ミリリッ
トルの水で2回クロロホルム層を抽出した。クロロホル
ムの有機層を取出し、これに無水硫酸ナトリウムを加え
て乾燥し、これを濾過した後、得られた濾液から溶媒を
留去して、無色透明な生成物を得た。次いで、得られた
生成物200ミリグラムとプロピオン酸100ミリリッ
トルとを500ミリリットルの反応容器に仕込んだ。次
いで、窒素雰囲気下、温度170℃で3時間30分間反
応した。反応後、室温に冷却して生成物を得た。次い
で、該生成物を上記と同様にして精製分離した。無色透
明な生成物が得られた。これをシリカゲルクロマトグラ
フィー(ガラスカラム、充填剤:Wakogel、展開液:ヘ
キサン/酢酸エチル=4/1)で精製した。該生成物は
m.p.=162.3℃、[a]=+19.5であっ
た。該生成物の分子量をマススペクトルを使用して測定
したところ、分子イオンピークm/zが554であった。
また、実施例3と同様に反応生成物を13C−NMRに
より測定したところ、173ppm付近にエステル結合
−C(O)−の炭素原子を示すシグナルが認められ
た。従って、得られた生成物がベチュリンのジエステル
であることが分かった。同様にして、ベチュリンを酢
酸、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ミリスチン酸
又はパルミチン酸と反応して各エステル化合物を製造し
た。各エステル化合物の融点及び結晶形態を表1に示し
た。各エステル化合物の融点が大きく変化することが分
かった。
【0040】
【表1】
【発明の効果】本発明は、ベチュリンから得られるポリ
マー、ポリエステル、ポリウレタン及びエステル化合物
並びにそれらの製造法を提供し、更には、優れたベチュ
リンモノマーの抽出法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】抽出前後のシラカンバの外樹皮の粒子構造を示
す図である(550倍)
【図2】抽出前後のシラカンバの外樹皮の粒子構造を示
す図である(2500倍)。
【図3】ベチュリンジアセテート及び実施例2の反応生
成物のH−NMRのスペクトルである。
【図4】ベチュリン、実施例3の一段階目の反応生成物
及び二段階目の反応生成物の C−NMRのスペクト
ルである。
【図5】ベチュリン、実施例3の一段階目の反応生成物
及び二段階目の反応生成物のH−NMRのスペクトル
である。
【図6】実施例3の一段階目の反応生成物のマススペク
トルの結果である。
【図7】実施例3の一段階目の反応生成物の13C−N
MRのスペクトルである。
【図8】実施例3の一段階目の反応生成物のH−NM
Rのスペクトルである。
【図9】実施例3の二段階目の反応生成物の13C−N
MRのスペクトルである。
【図10】実施例3の二段階目の反応生成物のH−N
MRのスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/32 B09B 3/00 ZAB 63/199 304Z (72)発明者 市川 暁雄 北海道札幌市北区北22条西4丁目1−20 ブルーベル北22 205号 Fターム(参考) 4D004 AA12 AA50 AC05 BA07 BA10 CA04 CA13 CA22 CA40 CA42 CC04 CC15 4H006 AA01 AB46 BJ30 KA06 4J029 AA03 AB01 AB04 AC01 BD10 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CB04A CC05A GA02 HA01 HB01 KB13 KB22 KD02 KE03 KE06 4J034 BA02 CA04 CB03 CC23 CC26 CC44 CC45 CC54 CC61 CC62 CC65 HA07 HC03 HC12 HC61 HC71 QA07 RA03 RA09 4J100 AD07P AG30P BC01P BC43P CA01 JA11 JA33 JA39 JA58

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (ここで、Rは夫々独立して‐H又は‐C(O)R
    あり、Rはアルキル基、アリール基、アルカリール
    基、アラルキル基又はシクロアルキル基を示し、かつn
    は2〜3,000,000の整数を示す)で示される繰
    返し単位を有するポリマー。
  2. 【請求項2】 ベチュリンの第一級及び第二級炭素原子
    に結合するOH基をモノカルボン酸又はその酸塩化物と
    反応せしめてエステル化し、次いで、得られた生成物を
    カチオン重合触媒の存在下に重縮合せしめて請求項1記
    載のポリマーを製造する方法。
  3. 【請求項3】 仕込ベチュリン1モルに対してモノカル
    ボン酸又はその酸塩化物を1〜20モル加えて、−30
    〜300℃で10分間〜24時間反応してベチュリンの
    第一級炭素原子に結合するOH基をエステル化した後、
    更に、モノカルボン酸又はその酸塩化物を、得られたベ
    チュリンのエステル化物1モルに対して1〜20モル加
    えて、−50〜280℃で30分間〜26時間反応して
    ベチュリンの第二級炭素原子に結合するOH基をエステ
    ル化することによりベチュリンを二段階でエステル化す
    る請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 下記式(II) 【化2】 (ここで、Rは夫々独立してアルキレン基、アリーレ
    ン基、アルカリーレン基、アラルキレン基又はシクロア
    ルキレン基を示し、かつmは2〜3,000,000の
    整数を示す)で示される繰返し単位を有するポリエステ
    ル。
  5. 【請求項5】 仕込ベチュリン1モルに対してジカルボ
    ン酸又はその酸塩化物を0.5〜20モル加えて、−3
    0〜300℃で10分間〜24時間反応してベチュリン
    の第一級炭素原子に結合するOH基をエステル化してベ
    チュリン2分子を結合した後、更に、ジカルボン酸又は
    その酸塩化物を得られたベチュリンのエステル化物1モ
    ルに対して0.5〜20モル加えて、−50〜280℃
    で30分間〜26時間反応してベチュリンの第二級炭素
    原子に結合するOH基をエステル化することにより請求
    項4記載のポリエステルを製造する方法。
  6. 【請求項6】 下記式(III) 【化3】 (ここで、Rは夫々独立してアルキレン基、アリーレ
    ン基、アルカリーレン基、アラルキレン基又はシクロア
    ルキレン基を示し、かつpは2〜3,000,000の
    整数を示す)で示される繰返し単位を有するポリウレタ
    ン。
  7. 【請求項7】 仕込ベチュリン1モルに対してジイソシ
    アネート化合物を1〜20モル加えて−30〜300℃
    で反応することにより請求項6記載のポリウレタンを製
    造する方法。
  8. 【請求項8】 下記式(IV) 【化4】 (ここで、Rは夫々独立してアルキル基、アリール
    基、アルカリール基、アラルキル基又はシクロアルキル
    基を示す)で示されるエステル化合物。
  9. 【請求項9】 仕込ベチュリン1モルに対してモノカル
    ボン酸又はその酸塩化物を1〜20モル加えて、−30
    〜300℃で10分間〜24時間反応してベチュリンの
    第一級炭素原子に結合するOH基をエステル化した後、
    更に、モノカルボン酸又はその酸塩化物を、得られたベ
    チュリンのエステル化物1モルに対して1〜20モル加
    えて、−50〜280℃で30分間〜26時間反応して
    ベチュリンの第二級炭素原子に結合するOH基をエステ
    ル化することにより請求項8記載のエステル化合物を製
    造する方法。
  10. 【請求項10】 樹木の外樹皮からベチュリンを抽出す
    る方法において、樹木の外樹皮に炭素数2〜25個のモ
    ノカルボン酸を加えて加熱してベチュリンを抽出するこ
    とを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 樹木の外樹皮からベチュリンを抽出す
    る方法において、樹木の外樹皮に炭素数2〜25個のモ
    ノカルボン酸を加えて加熱してベチュリンを抽出した
    後、得られた抽出物に、炭素数2〜25個のモノカルボ
    ン酸無水物を加えて加熱することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 炭素数2〜25個のモノカルボン酸が
    酢酸であり、炭素数2〜25個のモノカルボン酸無水物
    が無水酢酸である請求項10又は11記載の方法。
  13. 【請求項13】 樹木がカバノキ科の樹木である請求項
    10〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 カバノキ科の樹木がシラカンバである
    請求項13記載の方法。
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