JP2004034997A - 液体吐出容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記落し蓋4を、弾力性を備え、外縁部より内方に延びる複数のスリット23を放射状に形成することにより、胴部内径より口頸部内径が小さい容器でも落し蓋の装着が容易に行える如く構成した。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体吐出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体吐出容器として、容器体の口頸部に嵌合させた装着キャップにより容器体内にシリンダを垂下させ、また、装着キャップ上方に上方付勢状態で上下動可能に突出したステムの上端に吐出ヘッドを嵌着したポンプを備え、上記ヘッドを上下動させることにより容器体内の液を吸い上げて、ヘッドの噴出口より吐出する如く構成したものが一般に知られている。
【0003】
これら液体吐出容器のうち特に収納液が粘度の高いものを扱うものにあっては、液の減少に伴って下降する落し蓋を液面に載置したものが知られている。これら落し蓋は、例えば吸い上げパイプ外周に内周縁を上下動可能に嵌合させて収納液上面に載置させた鍔状をなしており、これら落し蓋がないと、液を吐出した際に容器体内の液に空隙を生じ、繰り返しの吐出により液の吐出不能を引き起こすという虞がある。即ち、粘度の高い液は流動性に乏しいため、或いは均一性に劣るため、ポンプによる吸い上げのスピードに収納液が充足するスピードが追いつかずに液面に到達する空隙ができ、それが不均一に閉塞されて液内に独立した空隙が生じると思われる。
【0004】
従来のこの種の容器に於いては、落し蓋の存在で容器体の形状等に制限を受ける場合が多く、例えば、実開昭57−183283号に記載がある様に、容器体の胴部内周は落し蓋が下降する関係で略同一径の胴部を必要とするが、その口頸部に対しても胴部と同じ内径を要求される。
【0005】
また、実公平3−35209号に記載がある様に、口頸部を装着筒の肉厚程度小径に構成したものも提案されているが、その場合には落し蓋が胴部の所定位置に装着された際に落し蓋外周縁と胴部内周面との間の隙間が大きくなり、液の注出に伴ってその部分から落し蓋上方に液が移行する不都合を生じる虞がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、使用する容器体の形態に制限が少なく、落し蓋と容器体胴部内周との間に不都合な隙間を生じる虞もなく、しかも構造が簡単で容易に形成できる液体吐出容器を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の液体吐出容器は、上記課題を解決するため、胴部5より肩部6を介して口頸部7を起立した容器体2と、上記口頸部7外周に周壁11を嵌合させて固定した装着キャップ8により容器体2に装着するとともに、容器体2内下端部に至る液吸上げ用のパイプ9を垂下し、且つ、容器体2内の液をパイプ9より吸い上げ上端の吐出口10より吐出する如く構成したポンプ3と、該ポンプ3の容器体内垂下部分外周に形成した案内周面aに、内周縁部を上下動可能に嵌合させて収納液上面に載置した鍔状の落し蓋4とを備え、ポンプ操作による容器体内の液の減少に伴い落し蓋4が下降する如く構成した液体吐出容器に於いて、上記落し蓋4が、弾力性を備え、外縁より内方に延びる複数のスリット23を放射状に形成してなることを特徴とする液体吐出容器として構成した。
【0008】
また、請求項2発明の液体吐出容器は、上記落し蓋4に代えて、弾力性を備えるとともに、テーパ状に上昇した外周縁部27を備え、外縁より内方へ延びる複数のスリット23を少なくとも外周縁部27に放射状に形成した落し蓋を設けてなる請求項1記載の液体吐出容器として構成した。
【0009】
また、請求項3発明の液体吐出容器は、上記落し蓋4が、上記案内周面aに上下動可能に嵌合させた案内筒24を内周縁部に延設してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の液体吐出容器として構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
本発明の液体吐出容器1は、容器体2と、ポンプ3と、落し蓋4とを備えている。
【0012】
容器体2は合成樹脂等により形成されたもので、胴部5より肩部6を介して口頸部7を起立している。また、胴部5内周面は上から下まで同一径に形成している。
【0013】
ポンプ3は、上記口頸部7外周に周壁を嵌合させて固定した装着キャップ8により容器体2に装着するとともに、容器体2内下端部に至る液吸い上げ用のパイプ9を垂下したもので、容器体内の液をパイプ9より吸い上げて上端の吐出口10より吐出する如く構成した公知のポンプ機構を備えたものが使用できる。
【0014】
図示例に於いてポンプ3は、口頸部7外周に嵌合させた周壁11の上端より延設したフランジ状頂壁12内周縁より連結筒13を立設し、また、フランジ状頂壁内周縁より下方に落し蓋4を所定位置に設置するための押圧筒30を垂設した装着キャップ8と、連結筒13外周に嵌合させた嵌合筒14上端縁より内方へフランジ15を延設した嵌合筒部材16と、上記嵌合筒14内周上端部に嵌着固定させたフランジ17を外周上部より突設して容器体2内上部に垂下させたシリンダ18と、シリンダ18内より突設したステム(図示せず)の上端にノズル19付き押下げヘッド20を嵌着させて上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材と、シリンダ18の下端部に上端部を嵌着し、その下端部を容器体2内下端部に垂下させた上記パイプ9とを備えている。
【0015】
また、上記ステム下端部には、シリンダ18内周に摺動可能に嵌合させたピストン(図示せず)を連係させ、シリンダ18内下端部には吸込み弁(図示せず)を、ステム1内には吐出弁(図示せず)を、それぞれ設け、そして、作動部材の上下動により容器体内の液をパイプ9の下端開口より吸い上げてノズル19先端の吐出口10より吐出する如く構成している。尚、図示例では作動部材を押下げて螺着係止した状態を示し、使用時には螺脱して押下げヘッド20が上方へ上昇した状態で使用する。
【0016】
また、ポンプ3の容器体内垂下部分外周には、落し蓋4の内周縁部を上下動可能に嵌合させるための案内周面aを形成している。この案内周面aは、落し蓋4の下降が円滑に行える如く、上から下まで略同一径に形成する。また、図示例の如くシリンダ18の容器体内垂下幅が大きい場合には、シリンダ18外周とパイプ9外周とで案内周面aを構成しても良く、また、シリンダの垂下幅が小さい場合には、垂直に垂下させたパイプの外周面を案内周面としても良い。
【0017】
図示例では、シリンダ18外周を下端部を除いて略同一径とするとともに、下端部を下向き段部21を介してパイプ9の肉厚程度の小径に形成し、該小径部分22にパイプ9の上端部を嵌着させて、シリンダ18の外径とパイプ9の外径が同じ程度になる如く構成し、シリンダ18外周面とパイプ9外周面とで案内周面aを形成している。尚、シリンダ18及びパイプは垂直に垂下させて形成し、剛性を備えて構成している。
【0018】
落し蓋4は、上記案内周面a外周に内周縁を上下動可能に嵌合させて収納液A上面に載置したもので、基本的には、中央に上記案内周面a外周に僅かな隙間をあけて嵌合させる窓孔を備え、外周縁部を容器体胴部5内周と僅かな隙間をあけた大きさを有する鍔状をなしたものであり、合成樹脂やエラストマーなどの弾力性を備えた材質により形成する。本発明では、この落し蓋4の外縁より内方に延びる複数のスリット23を放射状に形成している。この様に構成することにより、落し蓋4の外周縁部が口頸部7の内周縁よりも径が大きい場合でも容易に装着することができる如く構成している。スリット23の数は特に限定されないが、例えば、5〜20程度が考えられるが、当然これに限られない。
【0019】
図示例に於ける落し蓋4は、上記案内周面aに上下動可能に嵌合させた案内筒24を内周縁部に延設している。この案内筒24の存在により落し蓋4の下降がより安定して行える如く構成している。図示例に於いて案内筒24は外周下端部より突設した係止突条25上に落し蓋4の内周縁部を載置してリング26により係止突条25との間に挟持固定して形成している。また、ポンプ及び落し蓋の装着時に落し蓋を適正位置に押し下げるべく、押圧筒30下面によりリング26上面を押し下げ可能に構成している。尚、押圧筒による押下げは必ずしもリングに限らず、落し蓋を押下げ可能に設ければ良い。また、図示例では案内筒24を別部材で構成しているが、一体に形成することも可能である。
【0020】
上記の如く構成した容器1は、落し蓋4を内周径が狭い口頸部より装着する際には、例えば、スリット23両側部分が互いに重なりあう如く弾性変形して容易に口頸部部分を通過することができる。この際の弾性変形の状態は上記以外にも種々の状態を採ると思われる。図1の状態から押下げヘッド20を螺脱して上昇させた後上下動させると、容器体2内の液はパイプ9の下端より吸い上げられて、吐出口10より吐出される。この際容器体2内の液の減少に伴い落し蓋4が下降する。
【0021】
図3及び図4は他の実施例を示すもので、上記落し蓋4が、テーパ状に上昇した外周縁部27を備え、この外周縁部27に複数のスリットを放射状に形成した例を示すものである。この場合には予め外周縁部がテーパ状に形成されているため、落し蓋4外縁と口頸部7内周縁との径差があってもより簡単に装着することができるものである。尚、この場合、各スリット23はテーパ状の外周縁部27のみに穿設した場合に限らずその内方まで延設したものであっても良い。その他は上記実施例と同様であるため説明を省略する。
【0022】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明の液体吐出容器は、既述構成としたことにより、口頸部内周と液を充填する胴部内周との間に径差があっても落し蓋を容易に装着することができ、従って、従来の様に使用する容器体の形態に制限があったり、或いは、小径の口頸部を備えた容器体を使用する場合に、落し蓋と容器体胴部内周との間に不都合な隙間が生じる虞もなく、しかも、構造は従来品と比較しても僅かな変更で済み、容易に形成できるものである。
【0023】
また、請求項2発明の容器では、ポンプ装着時に落し蓋の嵌合が更に容易に行える利点を兼ね備えている。
【0024】
また、請求項3発明の容器では、落し蓋が下降する際にガタつかず、円滑な下降が行える利点をかね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部切欠側面図である。
【図2】同実施例の落し蓋を示す斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す要部断面である。
【図4】同実施例の落し蓋を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…ポンプ,4…落し蓋,5…胴部,6…肩部,7…口頸部、
8…装着キャップ,9…パイプ,10…吐出口,11…周壁,23…スリット,
24…案内筒,27…外周縁部,a…案内周面
Claims (3)
- 胴部5より肩部6を介して口頸部7を起立した容器体2と、上記口頸部7外周に周壁11を嵌合させて固定した装着キャップ8により容器体2に装着するとともに、容器体2内下端部に至る液吸上げ用のパイプ9を垂下し、且つ、容器体2内の液をパイプ9より吸い上げ上端の吐出口10より吐出する如く構成したポンプ3と、該ポンプ3の容器体内垂下部分外周に形成した案内周面aに、内周縁部を上下動可能に嵌合させて収納液上面に載置した鍔状の落し蓋4とを備え、ポンプ操作による容器体内の液の減少に伴い落し蓋4が下降する如く構成した液体吐出容器に於いて、上記落し蓋4が、弾力性を備え、外縁より内方に延びる複数のスリット23を放射状に形成してなることを特徴とする液体吐出容器。
- 上記落し蓋4に代えて、弾力性を備えるとともに、テーパ状に上昇した外周縁部27を備え、外縁より内方へ延びる複数のスリット23を少なくとも外周縁部27に放射状に形成した落し蓋を設けてなる請求項1記載の液体吐出容器。
- 上記落し蓋4が、上記案内周面aに上下動可能に嵌合させた案内筒24を内周縁部に延設してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の液体吐出容器。
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JP2002190492A JP4152680B2 (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 液体吐出容器 |
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JP2008184204A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 液体収納壜容器用浮き蓋体 |
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- 2002-06-28 JP JP2002190492A patent/JP4152680B2/ja not_active Expired - Fee Related
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