JP5595884B2 - 液体噴出容器 - Google Patents

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本発明は、ヘッドの操作によってポンプを駆動させることで容器本体内に配置された可動皿が内容物を押し上げつつ上昇することにより、内容物の効率的な取り出しが可能な液体噴出容器に関するものである。
従来の液体噴出容器としては、ヘッドの押下げ動作及び復帰動作の繰り返しにより容器本体に装着されたポンプを駆動させると共に、容器本体内に配置された可動皿が内容物を押し上げつつ上昇することで、高粘度等の、流動性の悪い内容物を無駄なく効率的に取り出すことができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−68859号公報
しかしながら、こうした液体噴出容器は、容器本体の内側に可動皿を収納するため、底蓋部材を別体に組み付ける必要がある。このため、落下等によって大きな衝撃が生じると、底蓋部材が容器本体から外れてしまうことが考慮される。
本発明の目的とするところは、ヘッドの操作によってポンプを駆動させることで容器本体内に配置された可動皿が内容物を押し上げつつ上昇する液体噴出容器において、底蓋部材の脱落を防止することにある。
本発明は、内容物を充填する胴部の下端を底蓋部材で閉じた容器本体と、この容器本体に装着されるポンプと、このポンプの動作を生起させて内容物が取り出されるヘッドと、容器本体の胴部内側に摺動可能に配置され内容物の取り出しに伴い上昇する可動皿とを備える液体噴出容器において、
前記底蓋部材は、容器本体に装着される装着部と、当該装着部の内側を閉じる本体部とからなり、
前記装着部を、容器本体に装着するための強度を有する材料で構成し、
前記本体部を、衝撃吸収材料で構成したものであり、
前記本体部に、容器軸線に向かって縮径しながら容器本体の内側に向かって突出する傾斜部を設けたことを特徴とするものである。
前記底蓋部材は、インサート成形品であることが好ましい。
前記容器本体及び前記装着部を同材料、例えば、耐衝撃性、耐薬品性及び耐熱性に優れたポリプロピレンで構成し、前記本体部を、例えば、ゴムや熱可塑性エラストマで構成することが好ましい。
本発明によれば、底蓋部材の装着部を、容器本体に装着するための強度を有する材料で構成したことで、容器本体に対して確実に装着させることができる。また、底蓋部材の本体部を衝撃吸収材料で構成したことで、落下等により大きな衝撃が生じても、その衝撃は本体部そのものの変形によって吸収される。
従って、本発明によれば、落下等により大きな衝撃が生じても、底蓋部材が外れて底抜けを生じることを防止できる。
即ち、本発明によれば、ヘッドの操作によってポンプを駆動させることで容器本体内に配置された可動皿が内容物を押し上げつつ上昇する液体噴出容器において、底蓋部材の脱落を防止することができる。
本発明の液体噴出容器の一形態である、エアレス容器を示す側面図である。 エアレス容器1の未使用状態を一部断面で示す側面図である。 (a)は、図2の要部拡大図であり、(b)は、底蓋部材の他の形態を示す要部拡大図である。 同エアレス容器の未使用状態を図面左半分で示すと共に、落下等により衝撃を受けた状態を図面右半分で示す要部断面側面図である。 従来のエアレス容器の未使用状態を図面左半分で示すと共に、落下等により衝撃を受けた状態を図面右半分で示す要部断面側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の液体噴出容器の一形態である、エアレス容器1を詳細に説明する。
図面において、符号2は、内容物を充填する口部(図示省略)を有し、肩部3を介して繋がる胴部4の下端を底蓋部材5で閉じたボトル型の容器本体である。容器本体2は、ボトル軸線Oの周りを取り囲む側壁からなり、例えば、ポリプロピレンで構成されている。
符号6は、容器本体2の口部に装着されるポンプである。ポンプ6は、ヘッド7の押下げ動作及び復帰動作の繰り返しにより、容器本体2内に充填された高粘度の化粧料を内容物として、その吸引、圧縮及び圧送を行う既存のポンプである。ポンプ6より圧送された内容物は、ヘッド7の形成された注出口7aを通して外界に注出される。
符号8は、容器本体2内に配置される可動皿である。可動皿8の外周には、図2等に示すように、環状のシール部8aが、ボトル軸線Oに沿って間隔を空けて2箇所に設けられている。シール部8aはそれぞれ、胴部4の内周面4fに摺動可能に保持される。これにより、可動皿8は、ボトル軸線Oに沿って昇降させることができる。
また、可動皿8の上側には、容器本体2と共に、内容物を充填するための充填空間Rが形成される。従って、充填空間Rは、ノズルヘッド7からの内容物の取り出し量に従って可動皿8が上昇することにより、その容積も減少する。
可動皿8は、図3(a)等に示すように、受圧面側(充填空間R側)に、可動皿8の中心領域を取り囲むように窪ませてなる平坦な最深部8bが形成されている。また、可動皿8の下部には、筒状の周壁8cが設けられている。この周壁8cは、最深部8bの周縁部から一体に垂下する。
一方、底蓋部材5は、容器本体2(胴部4)に装着される装着部51と、この装着部51の内側を閉じる本体部52からなる。
装着部51は、図3(a)等に示すように、筒状部51aを有し、その下端にフランジ部51bが一体に形成されている。装着部51は、容器本体2と同様、ポリプロピレンで構成されている。ポリプロピレンは、耐衝撃性、耐薬品性及び耐熱性に優れる。このため、容器本体2及び装着部51を構成する材料として好適である。但し、本発明に従えば、容器本体2及び装着部51を構成する材料はポリプロピレンに限定されるものではない。
筒状部51aは、図3(a)に示すように、その外周面に、ボトル軸線O周りに周回する環状突起51pがボトル軸線Oに沿って間隔を空けて二箇所に設けられている。また、胴部内周面4fには、軸線O周りに周回する環状溝52nが軸線Oに沿って間隔を空けて二箇所に設けられている。筒状部51aに形成された環状突起51pはそれぞれ、環状溝4nに引っ掛かって係止される。このため、底蓋部材5は、胴部4の周方向に全周に亘って内部嵌合することにより、容器本体2に装着される。即ち、底蓋部材5は、いわゆる打栓により、容器本体2に対して装着される。
なお、フランジ部51bは、胴部下端4eに接触できるように構成されている。これにより、底蓋部材5は、胴部4の内部に押し込まれることなく、容器本体2に対して装着できる。また、底蓋部材5は、胴部4を取り囲むように筒状部51aを形成することで、容器本体2に対して外部嵌合させることも可能である。但し、この場合、フランジ部51bは、適宜省略することができる。
本体部52は、装着部51の内側に形作られた開口部を閉じて容器本体2と外界とを仕切る仕切壁52aを有する。仕切壁52aは、フランジ部51bが一体に固定される環状の接地部52a1を有する。接地部52a1は、先細りの傾斜部52a2を介して上げ底部52a3に一体に繋がる。
上げ底部52a3には、内周壁52bが一体に起立している。内周壁52bは、その上端に、可動皿8の周壁8cの下端が当接することで、可動皿8の下降を規制する。また、傾斜部52a2は、図3(a)等に示すように、軸線Oに向かって縮径しながら容器本体2の内側に向かって突出している。更に、傾斜部52a2には、同図に示すように、内周壁52bを取り囲むようにボトル軸線O周りに間隔を空けて外周壁52cが一体に起立している。
本体部52は、その外側が接地部52a1から傾斜部52a2を経て外周壁52cに至るまで一体に成形されている。本体部52は、衝撃吸収材料で構成されている。衝撃吸収材料としては、例えば、ゴムや熱可塑性エラストマに代表されるエラストマが挙げられる。但し、本発明に従えば、本体部52を構成する材料は、ゴムやエラストマに限定されるものではない。
本形態の如く、底蓋部材5の装着部51を、容器本体2に装着するための強度を有する材料で構成すれば、容器本体2に対して確実に装着させることができる。また、底蓋部材5の本体部52を衝撃吸収材料で構成すれば、落下等により大きな衝撃が生じても、図4の右半面で示すように、その衝撃は本体部52そのものの変形によって吸収される。
従って、本発明によれば、落下等により大きな衝撃が生じても、底蓋部材5が外れて底抜けを生じることを防止できる。
即ち、本発明によれば、ヘッド7の操作によってポンプ6を駆動させることで容器本体2内に配置された可動皿8が内容物を押し上げつつ上昇するエアレス容器において、底蓋部材5の脱落を防止することができる。また、本発明によれば、本体部52で衝撃が吸収されることで、衝撃による底蓋部材5の割れや欠け等も併せて防止できる。
本形態の如く、傾斜部52a2がボトル軸線Oに向かって縮径しながら容器本体2の内側に向かって突出するように構成すれば、本体部52は、図4の右半面で示すように、落下等による大きな衝撃を、自己の変形によって効率的に吸収できる。なお、傾斜部52a2については、本形態のように、円錐状(直線状)の形状に限定されることなく、例えば、ドーム状(湾曲状)の形状とすることもできる。
なお、傾斜部52a2には、外気導入孔Aが形成されている。これにより、可動皿8が底蓋部材5との間に生じる負圧によって動作不良を起こすことがない。
これに対し、図5に示すように、同一材料のみで構成された従来の底蓋部材55の場合、落下等により大きな衝撃が生じると、容器本体2に形成された環状溝4nに引っ掛かっていた底蓋部材55の環状突起55pがそれぞれ、図5に示すように、環状溝4nから外れることで、容器本体2から脱落し、或いは、同図に示すように、破損してしまうことが考えられる。
ところで、本発明に従う底蓋部材5は、装着部51と本体部52の二部材で構成されている。このため、単に組み付けただけであると、落下等による大きな衝撃に伴い、装着部51と本体部52が分解されてしまうことも考慮される。
しかし、本形態の如く、装着部51と本体部52を一体に成形すれば、本体部52が装着部51に対して外れることを防止できる。特に、衝撃吸収材料として熱可塑性エラストマを用い、装着部51をインサート品として、底蓋部材5を、いわゆるインサート成形すれば、装着部51及び本体部52を構成する材料として、様々な材料を選択できる。
図3(b)は、図3(a)に示す底蓋部材5の変形例である。この形態では、本体部52の外周壁52cを省略している。但し、この場合も、装着部51をインサート品として、底蓋部材5をインサート成形することができる。
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、本発明に従えば、様々な変更が可能である。例えば、ポンプ6は、既存の様々なものを採用することができる。また、底蓋部材5及び可動皿8の形状は、用途及び機能に応じて、様々なものを採用することができる。
本発明は、クリームや練物等の、粘度の高い内容物を充填・注出するものであれば、化粧料容器に限定されることなく、様々なものに採用できる。
1 エアレス容器
2 容器本体
3 肩部
4 胴部
5 底蓋部材
6 ポンプ
7 ヘッド
8 可動皿
8b 最深部
8c 周壁
51 装着部
51a 筒状部
51p 環状突起
52 本体部
52a1 接地部
52a2 傾斜部
52a3 上げ底部
51b フランジ部
C オーバーキャップ

Claims (3)

  1. 内容物を充填する胴部の下端を底蓋部材で閉じた容器本体と、この容器本体の口部に装着されるポンプと、このポンプの動作を生起させて内容物が取り出されるヘッドと、容器本体の胴部内側に摺動可能に配置され内容物の取り出しに伴い上昇する可動皿とを備える液体噴出容器において、
    前記底蓋部材は、容器本体に装着される筒状部を有する装着部と、当該装着部の内側を閉じる本体部とからなり、
    前記装着部を、胴部に装着するための強度を有する材料で構成し、
    前記本体部を、衝撃吸収材料で構成したものであり、
    前記本体部に、容器軸線に向かって縮径しながら容器本体の内側に向かって突出する傾斜部を設けたことを特徴とする液体噴出容器。
  2. 請求項1において、前記底蓋部材は、インサート成形品であることを特徴とする液体噴出容器。
  3. 請求項1又は2において、前記容器本体及び前記装着部を同材料で構成し、
    前記本体部をエラストマで構成したことを特徴とする液体噴出容器。
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