JP2004034993A - 梱包用バンド - Google Patents
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Abstract
【構成】乳酸系ポリマー(A)と、アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)の重量比が、95:5〜30:70である樹脂組成物からなる生分解性梱包用バンド。
【効果】高速仕様の自動梱包機にも好適に使用できる生分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
ポリプロピレン製梱包用バンドと同等の実用性(引張強度、シール強度)を有し、さらに高速仕様の自動梱包機にも好適に使用することのできる生分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
【選択図】 なし
【効果】高速仕様の自動梱包機にも好適に使用できる生分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
ポリプロピレン製梱包用バンドと同等の実用性(引張強度、シール強度)を有し、さらに高速仕様の自動梱包機にも好適に使用することのできる生分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速仕様の自動梱包機にも好適に使用できる生分解性を有する梱包用バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
[梱包用バンドの市場背景]
荷造りなどに使用される梱包用バンドは、現在、ポリプロピレン製のものが軽量、高強度、耐薬品性、熱融着性の点で優れており、特に自動梱包機での使用に適し、また価格面でも安価であることから、梱包用バンドとして各種産業分野で大量に使用されている。
【0003】
[ポリプロピレン製梱包用バンドの技術的背景]
現在用いられているポリプロピレン製梱包用バンドは、例えば、特開平3−658号公報、特公平4−76769号公報、特公平5−34229号公報などに開示されている公知技術により得ることができる。
すなわち、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを溶融押出して帯状の成形物とし、これを長手方向に延伸した後、エンボス加工によって、表裏両面に多数の凹凸をつくることによって得られる。これら一連の加工操作により、引張強度の向上、縦割れの防止、見かけ厚み増加などにより、梱包用バントとしての使用過程における必要な性能に加えて、自動梱包機で使用する場合に必要な性能を維持しつつ、当該バンドの軽量化を実現している。
【0004】
[環境保全の技術的背景]
一般にポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリレート系、ポリカーボネート系、ポリイミド系などに代表される高分子材料は、様々な産業用資材として有効に利用されてきた。これら通常の汎用高分子材料は、その使用を終え、廃棄されると、自然環境下でほとんど分解されないために、埋設処理した場合には、半永久的に地中に残留し、焼却処分した場合には、廃棄ガスや廃棄熱エネルギーが問題となる場合がある。さらには、通常の汎用高分子材料は、自然環境下でほとんど分解されないために、景観を損ねたり、海洋生物の生活環境を破壊したり、多くの環境保全上の問題を抱えている。 このような背景から、分解性又は生分解性を有する熱可塑性樹脂として、乳酸系ポリマーが注目を集めてきた。
ポリ乳酸は、動物の体内で数カ月から1年以内に100%生分解し、また、土壌や海水中等の湿潤状態に放置された場合、数週間程度で強度が著しく低下し、約1年から数年程度で原形を留めずに消滅し、さらに分解生成物は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水になるという特徴を有している。
ポリ乳酸の原料である乳酸は、発酵法や化学合成法により製造されている。最近では、特に発酵法によるL−乳酸が大量に製造され、価格も安価となってきており、各種用途の開発が進められている。
【0005】
[自動梱包機]
一般に広く使用されている自動梱包機は、ポリプロピレン製梱包用バンドの利用を前提に設計・調整されている。近年、梱包ラインの高速化に伴い、従来よりも高速仕様の梱包機も使用され始めている。これらを特別な改造・調整なしに、分解性を有する梱包用バンドで使用可能にすることは、梱包用バンドの製造業者及び消費者、梱包機の製造業者及び利用者など広範囲にわたって、非常に有益であり、このような特徴を持つ分解性を有する梱包用バンドが切望されている。
【0006】
[分解性ポリマー製梱包用バンドの技術的背景]
環境保全上の問題を解決するため、既に特許2662494号には、熱安定性および機械強度に優れ、分解性を有する梱包用バンドとして、特定の脂肪族ポリエステルを主成分とするポリエステル製梱包用バンドが開示されている。また、特開平2000−335627号公報には、ポリ乳酸系重合体と、主として脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアルコール成分からなる脂肪族ポリエステルを、95:5〜30:70の重量割合で混合し、適正な延伸・熱固定処理を行うことで得られる生分解性梱包用バンドが開示されており、一般的な梱包に要求される十分な強力を有し、耐縦割れ性も良好で、さらに自動梱包機で100回連続して梱包を行うことができることが記載されている。しかしながら、これらに記載の技術で得られる生分解性梱包バンドを高速仕様の自動梱包機で使用した場合、梱包機フィードロール付近での摩擦熱によりバンドが部分的に融解し、バンドの破損や梱包不良が起こる等の問題が発生する場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような実状を鑑み、本発明は生分解性を有するポリマーからなり、高速自動梱包機にも好適に使用することのできる生分解性ポリマー製梱包用バンドに関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、乳酸系ポリマー(A)と、アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)からなる樹脂組成物を用いることで、「発明が解決しようとする課題」を解決できるとの知見を見出し、本出願の発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の事項により特定される。
乳酸系ポリマー(A)と、
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)の重量比が、95:5〜30:70である樹脂組成物からなる生分解性梱包用バンド。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において乳酸系ポリマーとは、重合に供するモノマーの重量に換算して、乳酸成分を50重量%以上含むポリマーを包含する。その具体例としては、例えば、
▲1▼ ポリ乳酸、
▲2▼ 乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、
▲3▼ 乳酸、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸とのコポリマー、
▲4▼ ▲1▼〜▲3▼のいずれかの組み合わせによる混合物
等が挙げられる。
【0010】
本発明で用いられる乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸またはそれらの混合物、または乳酸の環状二量体であるラクタイドを挙げることができる。特に、得られた乳酸系ポリマーは、L−乳酸とD−乳酸を混合して用いる場合、L−乳酸またはD−乳酸の何れかが75重量%以上であることが好ましい。
【0011】
本発明において使用される乳酸系ポリマーの製造方法の具体例としては、例えば、
▲1▼ 乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許第5310865号に示されている製造方法)、
▲2▼ 乳酸の環状二量体(ラクタイド)を溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許第2758987号に開示されている製造方法)、
▲3▼ 乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状二量体、例えば、ラクタイドやグリコライドとε−カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許第4057537号に開示されている製造方法)、
▲4▼ 乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許第5428126号に開示されている製造方法)、▲5▼ ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合する方法(例えば欧州特許公報第0712880A2号に開示されている製造方法)、
▲6▼ 乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行う事によりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合を行う方法
等を挙げることができるが、その製造方法は特に限定されない。
【0012】
また、少量のトリメチロールプロパン、グリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて共重合させても良く、またジイソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げても良いし、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシドのような過酸化物で架橋させてもよい。
【0013】
乳酸系ポリマーの重量平均分子量(Mw)や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されない。一般的には、Mwは6〜100万が好ましく、8〜50万がより好ましく、10〜30万が最も好ましい。一般に、Mwが6万より小さい場合、樹脂組成物を成形加工して得られた成形体の機械物性が十分でなかったり、逆に分子量が100万を超える場合、成形加工時の溶融粘度が極端に高くなり取扱い困難となったり、製造上不経済となったりする場合がある。
【0014】
本発明で示す脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができ、さらに、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができる。これらは、単独で又は二種以上組合せて使用することができる。
【0015】
本発明で示す脂肪族二価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
【0016】
本発明で示す脂肪族二塩基酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
【0017】
本発明で用いるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)としては、エコフレックス(BASF社製)が挙げられる。
【0018】
乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)をブレンドすることによって、梱包用バンドを高速仕様の自動梱包機で好適に使用できるようになる。乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)のブレンド割合は、90:5〜30:70が好ましく、90:5〜50:50がより好ましく、90:5〜70:30が最も好ましい。アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)が5重量部より少なくなると、ポリ乳酸の剛直性の為に、梱包用バンドを自動梱包機で用いた場合、粉や剥離が発生し、梱包トラブルが発生する場合がある。
【0019】
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)のポリエステル分子中におけるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位のモル比は、それぞれ、10〜50モル%、10〜50モル%及び30〜70モル%(三者の合計は100モル%)が好ましい。
但し、通常、アジピン酸由来構造単位とテレフタル酸由来構造単位の合計モル数と、ブタンジオール由来構造単位のモル数は、ほぼ同じ値である。
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)であるエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)のポリエステル分子中におけるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位のモル比は、それぞれ、25モル%、25モル%及び50モル%である(発明者の分析値)。
【0020】
本発明で用いるブレンドポリマーには、目的(例えば成形性、二次加工性、分解性、引張強度、耐熱性、保存安定性、耐候性、スリップ性、耐摩耗性、柔軟性等の向上)に応じて各種添加剤(無機充填剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、外部離形剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、天然物)等を添加することができる。特に無機充填剤は、引張強度、腰の強さ、耐摩耗性、スリップ性を向上させる効果があり、また、滑剤、可塑剤は、自動梱包機内における走行性の向上、摩擦、摩耗の低減、柔軟性の向上、結晶化促進等の効果があるため、添加することが好ましい。
【0021】
本発明の梱包用バンドは、引張強度、腰の強さ、耐摩耗性、スリップ性等を増すためや縦割れを抑制するために、無機充填剤を添加することが好ましい。本発明に用いることのできる無機充填剤の例としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、クレー、タルク等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも特に、ケイ酸(SiO2)成分を30%以上含む結晶性の無機充填剤が好ましく、その具体例としては、タルク、カオリン、クレー、シリカが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、また、二種以上を混合して使用しても良い。無機充填材の配合量は、乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)とのブレンドポリマー100重量部に対し、0.1〜25重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましい。25重量部を超えると、強度の低下を招いたり、シール強度が不十分となる場合がある。
【0022】
本発明の梱包用バンドは、柔軟性、表面滑り性、スリップ性等を増すために可塑剤を添加することが好ましい。本発明に用いることのできる可塑剤は、特に限定されないが、例えばフタル酸系、脂肪族多塩基酸系、グリセリン系、クエン酸系、グリコール系等が挙げられる。特に生分解性を有し、乳酸系ポリマーとの相溶性に優れる脂肪族多塩基酸系、グリセリン系、クエン酸系、グリコール系の可塑剤が好ましく、その例としては、アセチルトリブチルクエン酸、ジブチルジグリコールアジペート等が挙げられる。これらの可塑剤は単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。可塑剤の配合量は、乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)とのブレンドポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。10重量部を超えると、梱包用バンド成形時に可塑剤がブリードし、成形トラブル等の問題を起こす場合がある。
本発明の梱包用バンドは、バンドの自動梱包機内における摩擦、摩耗を軽減するために、滑剤を加えることが好ましい。本発明に用いることのできる滑剤の種類は限定されない。好ましい具体例としては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等の脂肪酸アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系滑剤、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられる。これらのうち、エルカ酸アマイド、モンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等が好ましい。
滑剤の添加量は乳酸系ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部であることが好ましい。添加量が0.1重量部未満の場合は、得られる梱包バンドの自動梱包機内における走行性が悪く、摩擦、摩耗が大きくなるので好ましくない。5重量部を越えると、乳酸系ポリマー組成物を溶融押出成形する際の、溶融時の粘度が低下して、バンドの成形が困難にることがあるため、好ましくない。
【0023】
本発明において、乳酸系ポリマーとその他添加剤を、混合・混練して梱包バンドの原料とする方法は、公知公用の混練技術、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等で各原料をドライブレンドし、押出機等を用いて溶融混合する方法を採用することができる。また、押出機での溶融混合とバンド製造を同時に行うこともできる。
本発明の乳酸系ポリマー製梱包バンドの自動梱包機内における走行性が良くし、摩擦、摩耗を軽減するために、乳酸系ポリマーに滑剤を加えることが好ましい。本発明に用いる滑剤の種類は限定されない。
滑剤の好ましい態様としては、例えば、脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、金属石鹸系滑剤等を挙げることができる。
滑剤の好ましい具体例としては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等の脂肪酸アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系滑剤、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられる。これらのうち、エルカ酸アマイド、モンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
滑剤の添加量は、乳酸系ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部であることが好ましい。通常、添加量が0.1重量部未満の場合は、得られる梱包バンドの自動梱包機内における走行性が低下し、摩擦、摩耗が大きくなるので好ましくない。通常、5重量部を超えると、乳酸系ポリマー組成物を溶融押出成形する際の、溶融時の粘度が低下して、バンドの成形が困難になり、成形可能であってもバンドの引張強度が低下し、好ましくない。
【0024】
以下に、本発明の生分解性梱包用バンドの製造方法について説明する。
乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)及び各種添加剤からなる樹脂組成物を、押出成形機のスリット状ダイにより帯状に溶融押出し、その後、冷却水槽に導き急冷する。冷却水槽の水温は20〜80℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。水温が上記範囲よりも低い場合、冷却水槽中のバンドの走行が乱れたり、バンドが過度に硬質になるため、走行の乱れが周囲に伝搬し易くなり、製品形状に悪影響を与える場合がある。水温が上記範囲より高い場合には、帯状成形物の冷却が不足して、軟質のまま次の延伸行程へ導入され、引き取りローラー(延伸ローラー)での巻き取り不良を引き起こす場合がある。
【0025】
次に、この冷却されたバンドを、乳酸系ポリマーのガラス転移温度(Tg)以上、乳酸系ポリマーの融点(Tm)以下の温度に加熱して延伸を行う。好ましい延伸温度は、(Tg+5℃)〜(Tm−20℃)であり、(Tg+10℃)〜(Tm−40℃)がより好ましい。延伸時のバンドの温度がTgに満たない場合やTmを越える場合は、延伸を行うことが困難となる。尚、延伸時の加熱方法は、水槽、オーブン、熱ロール等いずれを用いてもよい。
延伸倍率は、3〜15倍が好ましく、3〜7倍がより好ましい。延伸倍率が3倍に満たない場合は、延伸による強度発現が少なく、十分な強度を持つ製品が得られない。15倍を越える延伸倍率では、延伸切れや、バンドの縦割れなどのトラブルが発生しやすくなる。
延伸を行う方法としては、1段で行う他に、2段、3段〜多段の構成とし、各段で小倍率の延伸を行い、全体の延伸倍率を3〜15倍とする方法もとることができる。多段の延伸を行う場合には、例えば、1段目で1.7〜5倍、2段目で1.5〜4倍、3段目では1.2〜3倍のように、順次延伸倍率を下げ、全体的な延伸倍率を3〜15倍となるようにし、加熱条件は上記温度範囲において、1段目を一番低く、段数を増す毎に順次温度を高くする方法が好ましい。
【0026】
エンボス加工を施した表面に凹凸を有する梱包バンドの見かけ厚みは、例えば、マイクロメーターで1サンプルにつき、10点測定してその平均値を求めることにより評価することができる。本発明においては、表面の凹凸が、0.2〜0.8mmの見かけ厚みを有するものであることが好ましい。この数値範囲内においては、自動梱包機で使用する際に、給送部での送り性や、アーチ部での通過性が特に好適である。
本発明においては、表面の凹凸が、凸部厚みが、凹部厚みの1.6〜2.0倍であることが好ましい。この数値範囲内においては、自動梱包機で使用する際に、給送部での送り性や、アーチ部での通過性が特に好適である。
さらに、このバンドを乳酸系ポリマーのガラス転移温度(Tg)〜融点(Tm)の間の温度に設定した加熱槽に導き、熱処理(熱固定)を行った後、冷却槽において冷却し、最後に巻取機により巻き取り、製品を得る。
熱処理には、延伸操作の場合と同様に、水槽、オーブン、熱ロール等いずれを用いてもよい。
このようにして得られた梱包用バンドの好適な平均幅は、5〜18mmであり、単位長さ当たりの重量(目付)が7g/m以下である。
【0027】
本発明においては、自動梱包機による結束テストにおいて結束失敗がなく、JIS Z1527に準拠して測定した引張強度が0.49〜1.96kN/15.5mm幅{50〜200kgf/15.5mm幅}の範囲、好ましくは0.78〜1.96kN/15.5mm幅{80〜200kgf/15.5mm幅}の範囲、シール強度が引張強度の75〜100%、好ましくは80〜100%、である梱包用バンドが得られる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術範囲を超えない限り、これに限定されるものではない。
[物性評価]
梱包用バンドの評価条件は以下のとおりである。
▲1▼ 結束テスト
高速仕様の自動梱包機(50結束/分、ナイガイ(株)製)を用い、200×200×200mmの箱にバンド掛けを500回連続で行った。この間の(1) バンドの走行性、(2) 縦割れの有無、(3) 粉・剥離発生による梱包不良の有無を確認し、これら全てが良好な場合、総合評価を○とし、これらの内一つでも不良が認められた場合、総合評価を×とした。
▲2▼ 引張強度
日本工業規格 JIS Z1527に準じ、引張強度を測定した。
▲3▼ シール強度
上記▲1▼と同じ条件で結束テストを行い、ヒートシール部分を中心にして長さ200mmのサンプルとし、日本工業規格 JIS Z1527に準じて、ヒートシール部分に剪断応力が働くように、バンド長手方向の引張強度を測定してシール強度とした。
【0029】
[実施例1]
ポリ乳酸(LACEA H−100PL、三井化学(株)製)とエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)を90:10の重量比でブレンドし、押出機シリンダー設定温度170〜190℃、スリットダイ設定温度170℃から帯状の成形物を押し出し、スリットダイ直下に設けられた水温40℃に調節した冷却水槽に導き冷却した。
ここで、アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)であるエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)のポリエステル分子中におけるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位のモル比は、それぞれ、25モル%、25モル%及び50モル%である(発明者の分析値)。
続いて、延伸用加熱槽として温度制御が可能な水槽を用い、設定温度を85℃とし、前後に配置した延伸ローラーの速度比により延伸倍率を5倍として延伸した後、エンボスロールにより表面に凹凸を賦形した後、巻取機で巻き取り、幅15.5mm、見掛け厚み0.5mmの梱包用バンドを得た。この梱包用バンドの評価結果を表1に示す。
【0030】
[実施例2]
ポリ乳酸(LACEA H−100PL、三井化学(株)製)とエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)を70:30の重量比でブレンドした他は実施例1と同様にして、幅15.5mm、見かけ厚み0.5mmの梱包用バンドを得た。
【0031】
[比較例1]
ポリ乳酸(LACEA H−100PL、三井化学(株)製)、ポリブチレンサクシネート(ビオノーレ#1001、昭和高分子(株)製)を70:30の重量比でブレンドした他は実施例1と同様にして、幅15.5mm、見かけ厚み0.5mmの梱包用バンドを得た。このバンドで結束テストを実施したところ、梱包機フィードロール付近で粉や剥離が発生し、またバンド切れが発生して、安定して梱包を行うことができなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明により、高速仕様の自動梱包機にも好適に使用できる生分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
本発明により、自動梱包機において良好に結束可能であり、機械的強度、剪断シール強度、分解性に優れた樹脂製梱包用バンドを提供することができる。
市販のポリプロピレン製梱包用バンド(以下、PPバンドという。)と同等の梱包機特性を達成し得る生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。すなわち、市販汎用自動梱包機(市販のPPバンドを荷物の結束および融着接合するのに好適な条件に設定された自動梱包機)に、従来の技術による生分解性ポリマー製梱包用バンドをセットして使用したのでは、PPバンドと同等には使用できなかったことに鑑み、上記市販汎用自動梱包機において、PPバンドと同等の実用性(融着接合性、走行性等)を達成し得る生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
より具体的には、現在一般に広く使用されている自動梱包機(ポリプロピレン製梱包用バンドの利用を前提に設計・調整されたもの)を、特別な改造・調整なしに使用できる分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
エンボスを付与することにより、強度を維持して軽量化を達成した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
エンボスを付与することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構やアーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。エンボスを付与することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構やアーチ部分を問題なく通過させるために必要な剛性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
滑剤を添加することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構やアーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速仕様の自動梱包機にも好適に使用できる生分解性を有する梱包用バンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
[梱包用バンドの市場背景]
荷造りなどに使用される梱包用バンドは、現在、ポリプロピレン製のものが軽量、高強度、耐薬品性、熱融着性の点で優れており、特に自動梱包機での使用に適し、また価格面でも安価であることから、梱包用バンドとして各種産業分野で大量に使用されている。
【0003】
[ポリプロピレン製梱包用バンドの技術的背景]
現在用いられているポリプロピレン製梱包用バンドは、例えば、特開平3−658号公報、特公平4−76769号公報、特公平5−34229号公報などに開示されている公知技術により得ることができる。
すなわち、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを溶融押出して帯状の成形物とし、これを長手方向に延伸した後、エンボス加工によって、表裏両面に多数の凹凸をつくることによって得られる。これら一連の加工操作により、引張強度の向上、縦割れの防止、見かけ厚み増加などにより、梱包用バントとしての使用過程における必要な性能に加えて、自動梱包機で使用する場合に必要な性能を維持しつつ、当該バンドの軽量化を実現している。
【0004】
[環境保全の技術的背景]
一般にポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリレート系、ポリカーボネート系、ポリイミド系などに代表される高分子材料は、様々な産業用資材として有効に利用されてきた。これら通常の汎用高分子材料は、その使用を終え、廃棄されると、自然環境下でほとんど分解されないために、埋設処理した場合には、半永久的に地中に残留し、焼却処分した場合には、廃棄ガスや廃棄熱エネルギーが問題となる場合がある。さらには、通常の汎用高分子材料は、自然環境下でほとんど分解されないために、景観を損ねたり、海洋生物の生活環境を破壊したり、多くの環境保全上の問題を抱えている。 このような背景から、分解性又は生分解性を有する熱可塑性樹脂として、乳酸系ポリマーが注目を集めてきた。
ポリ乳酸は、動物の体内で数カ月から1年以内に100%生分解し、また、土壌や海水中等の湿潤状態に放置された場合、数週間程度で強度が著しく低下し、約1年から数年程度で原形を留めずに消滅し、さらに分解生成物は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水になるという特徴を有している。
ポリ乳酸の原料である乳酸は、発酵法や化学合成法により製造されている。最近では、特に発酵法によるL−乳酸が大量に製造され、価格も安価となってきており、各種用途の開発が進められている。
【0005】
[自動梱包機]
一般に広く使用されている自動梱包機は、ポリプロピレン製梱包用バンドの利用を前提に設計・調整されている。近年、梱包ラインの高速化に伴い、従来よりも高速仕様の梱包機も使用され始めている。これらを特別な改造・調整なしに、分解性を有する梱包用バンドで使用可能にすることは、梱包用バンドの製造業者及び消費者、梱包機の製造業者及び利用者など広範囲にわたって、非常に有益であり、このような特徴を持つ分解性を有する梱包用バンドが切望されている。
【0006】
[分解性ポリマー製梱包用バンドの技術的背景]
環境保全上の問題を解決するため、既に特許2662494号には、熱安定性および機械強度に優れ、分解性を有する梱包用バンドとして、特定の脂肪族ポリエステルを主成分とするポリエステル製梱包用バンドが開示されている。また、特開平2000−335627号公報には、ポリ乳酸系重合体と、主として脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアルコール成分からなる脂肪族ポリエステルを、95:5〜30:70の重量割合で混合し、適正な延伸・熱固定処理を行うことで得られる生分解性梱包用バンドが開示されており、一般的な梱包に要求される十分な強力を有し、耐縦割れ性も良好で、さらに自動梱包機で100回連続して梱包を行うことができることが記載されている。しかしながら、これらに記載の技術で得られる生分解性梱包バンドを高速仕様の自動梱包機で使用した場合、梱包機フィードロール付近での摩擦熱によりバンドが部分的に融解し、バンドの破損や梱包不良が起こる等の問題が発生する場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような実状を鑑み、本発明は生分解性を有するポリマーからなり、高速自動梱包機にも好適に使用することのできる生分解性ポリマー製梱包用バンドに関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、乳酸系ポリマー(A)と、アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)からなる樹脂組成物を用いることで、「発明が解決しようとする課題」を解決できるとの知見を見出し、本出願の発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の事項により特定される。
乳酸系ポリマー(A)と、
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)の重量比が、95:5〜30:70である樹脂組成物からなる生分解性梱包用バンド。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において乳酸系ポリマーとは、重合に供するモノマーの重量に換算して、乳酸成分を50重量%以上含むポリマーを包含する。その具体例としては、例えば、
▲1▼ ポリ乳酸、
▲2▼ 乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、
▲3▼ 乳酸、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸とのコポリマー、
▲4▼ ▲1▼〜▲3▼のいずれかの組み合わせによる混合物
等が挙げられる。
【0010】
本発明で用いられる乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸またはそれらの混合物、または乳酸の環状二量体であるラクタイドを挙げることができる。特に、得られた乳酸系ポリマーは、L−乳酸とD−乳酸を混合して用いる場合、L−乳酸またはD−乳酸の何れかが75重量%以上であることが好ましい。
【0011】
本発明において使用される乳酸系ポリマーの製造方法の具体例としては、例えば、
▲1▼ 乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許第5310865号に示されている製造方法)、
▲2▼ 乳酸の環状二量体(ラクタイド)を溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許第2758987号に開示されている製造方法)、
▲3▼ 乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状二量体、例えば、ラクタイドやグリコライドとε−カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば、米国特許第4057537号に開示されている製造方法)、
▲4▼ 乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば、米国特許第5428126号に開示されている製造方法)、▲5▼ ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合する方法(例えば欧州特許公報第0712880A2号に開示されている製造方法)、
▲6▼ 乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行う事によりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合を行う方法
等を挙げることができるが、その製造方法は特に限定されない。
【0012】
また、少量のトリメチロールプロパン、グリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて共重合させても良く、またジイソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げても良いし、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシドのような過酸化物で架橋させてもよい。
【0013】
乳酸系ポリマーの重量平均分子量(Mw)や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されない。一般的には、Mwは6〜100万が好ましく、8〜50万がより好ましく、10〜30万が最も好ましい。一般に、Mwが6万より小さい場合、樹脂組成物を成形加工して得られた成形体の機械物性が十分でなかったり、逆に分子量が100万を超える場合、成形加工時の溶融粘度が極端に高くなり取扱い困難となったり、製造上不経済となったりする場合がある。
【0014】
本発明で示す脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができ、さらに、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができる。これらは、単独で又は二種以上組合せて使用することができる。
【0015】
本発明で示す脂肪族二価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
【0016】
本発明で示す脂肪族二塩基酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上の組合せて使用することができる。
【0017】
本発明で用いるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)としては、エコフレックス(BASF社製)が挙げられる。
【0018】
乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)をブレンドすることによって、梱包用バンドを高速仕様の自動梱包機で好適に使用できるようになる。乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)のブレンド割合は、90:5〜30:70が好ましく、90:5〜50:50がより好ましく、90:5〜70:30が最も好ましい。アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)が5重量部より少なくなると、ポリ乳酸の剛直性の為に、梱包用バンドを自動梱包機で用いた場合、粉や剥離が発生し、梱包トラブルが発生する場合がある。
【0019】
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)のポリエステル分子中におけるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位のモル比は、それぞれ、10〜50モル%、10〜50モル%及び30〜70モル%(三者の合計は100モル%)が好ましい。
但し、通常、アジピン酸由来構造単位とテレフタル酸由来構造単位の合計モル数と、ブタンジオール由来構造単位のモル数は、ほぼ同じ値である。
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)であるエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)のポリエステル分子中におけるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位のモル比は、それぞれ、25モル%、25モル%及び50モル%である(発明者の分析値)。
【0020】
本発明で用いるブレンドポリマーには、目的(例えば成形性、二次加工性、分解性、引張強度、耐熱性、保存安定性、耐候性、スリップ性、耐摩耗性、柔軟性等の向上)に応じて各種添加剤(無機充填剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、外部離形剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、天然物)等を添加することができる。特に無機充填剤は、引張強度、腰の強さ、耐摩耗性、スリップ性を向上させる効果があり、また、滑剤、可塑剤は、自動梱包機内における走行性の向上、摩擦、摩耗の低減、柔軟性の向上、結晶化促進等の効果があるため、添加することが好ましい。
【0021】
本発明の梱包用バンドは、引張強度、腰の強さ、耐摩耗性、スリップ性等を増すためや縦割れを抑制するために、無機充填剤を添加することが好ましい。本発明に用いることのできる無機充填剤の例としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、クレー、タルク等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも特に、ケイ酸(SiO2)成分を30%以上含む結晶性の無機充填剤が好ましく、その具体例としては、タルク、カオリン、クレー、シリカが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、また、二種以上を混合して使用しても良い。無機充填材の配合量は、乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)とのブレンドポリマー100重量部に対し、0.1〜25重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましい。25重量部を超えると、強度の低下を招いたり、シール強度が不十分となる場合がある。
【0022】
本発明の梱包用バンドは、柔軟性、表面滑り性、スリップ性等を増すために可塑剤を添加することが好ましい。本発明に用いることのできる可塑剤は、特に限定されないが、例えばフタル酸系、脂肪族多塩基酸系、グリセリン系、クエン酸系、グリコール系等が挙げられる。特に生分解性を有し、乳酸系ポリマーとの相溶性に優れる脂肪族多塩基酸系、グリセリン系、クエン酸系、グリコール系の可塑剤が好ましく、その例としては、アセチルトリブチルクエン酸、ジブチルジグリコールアジペート等が挙げられる。これらの可塑剤は単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。可塑剤の配合量は、乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)とのブレンドポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。10重量部を超えると、梱包用バンド成形時に可塑剤がブリードし、成形トラブル等の問題を起こす場合がある。
本発明の梱包用バンドは、バンドの自動梱包機内における摩擦、摩耗を軽減するために、滑剤を加えることが好ましい。本発明に用いることのできる滑剤の種類は限定されない。好ましい具体例としては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等の脂肪酸アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系滑剤、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられる。これらのうち、エルカ酸アマイド、モンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等が好ましい。
滑剤の添加量は乳酸系ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部であることが好ましい。添加量が0.1重量部未満の場合は、得られる梱包バンドの自動梱包機内における走行性が悪く、摩擦、摩耗が大きくなるので好ましくない。5重量部を越えると、乳酸系ポリマー組成物を溶融押出成形する際の、溶融時の粘度が低下して、バンドの成形が困難にることがあるため、好ましくない。
【0023】
本発明において、乳酸系ポリマーとその他添加剤を、混合・混練して梱包バンドの原料とする方法は、公知公用の混練技術、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等で各原料をドライブレンドし、押出機等を用いて溶融混合する方法を採用することができる。また、押出機での溶融混合とバンド製造を同時に行うこともできる。
本発明の乳酸系ポリマー製梱包バンドの自動梱包機内における走行性が良くし、摩擦、摩耗を軽減するために、乳酸系ポリマーに滑剤を加えることが好ましい。本発明に用いる滑剤の種類は限定されない。
滑剤の好ましい態様としては、例えば、脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、金属石鹸系滑剤等を挙げることができる。
滑剤の好ましい具体例としては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等の脂肪酸アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル系滑剤、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪酸金属塩である金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられる。これらのうち、エルカ酸アマイド、モンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
滑剤の添加量は、乳酸系ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部であることが好ましい。通常、添加量が0.1重量部未満の場合は、得られる梱包バンドの自動梱包機内における走行性が低下し、摩擦、摩耗が大きくなるので好ましくない。通常、5重量部を超えると、乳酸系ポリマー組成物を溶融押出成形する際の、溶融時の粘度が低下して、バンドの成形が困難になり、成形可能であってもバンドの引張強度が低下し、好ましくない。
【0024】
以下に、本発明の生分解性梱包用バンドの製造方法について説明する。
乳酸系ポリマー(A)とアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)及び各種添加剤からなる樹脂組成物を、押出成形機のスリット状ダイにより帯状に溶融押出し、その後、冷却水槽に導き急冷する。冷却水槽の水温は20〜80℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。水温が上記範囲よりも低い場合、冷却水槽中のバンドの走行が乱れたり、バンドが過度に硬質になるため、走行の乱れが周囲に伝搬し易くなり、製品形状に悪影響を与える場合がある。水温が上記範囲より高い場合には、帯状成形物の冷却が不足して、軟質のまま次の延伸行程へ導入され、引き取りローラー(延伸ローラー)での巻き取り不良を引き起こす場合がある。
【0025】
次に、この冷却されたバンドを、乳酸系ポリマーのガラス転移温度(Tg)以上、乳酸系ポリマーの融点(Tm)以下の温度に加熱して延伸を行う。好ましい延伸温度は、(Tg+5℃)〜(Tm−20℃)であり、(Tg+10℃)〜(Tm−40℃)がより好ましい。延伸時のバンドの温度がTgに満たない場合やTmを越える場合は、延伸を行うことが困難となる。尚、延伸時の加熱方法は、水槽、オーブン、熱ロール等いずれを用いてもよい。
延伸倍率は、3〜15倍が好ましく、3〜7倍がより好ましい。延伸倍率が3倍に満たない場合は、延伸による強度発現が少なく、十分な強度を持つ製品が得られない。15倍を越える延伸倍率では、延伸切れや、バンドの縦割れなどのトラブルが発生しやすくなる。
延伸を行う方法としては、1段で行う他に、2段、3段〜多段の構成とし、各段で小倍率の延伸を行い、全体の延伸倍率を3〜15倍とする方法もとることができる。多段の延伸を行う場合には、例えば、1段目で1.7〜5倍、2段目で1.5〜4倍、3段目では1.2〜3倍のように、順次延伸倍率を下げ、全体的な延伸倍率を3〜15倍となるようにし、加熱条件は上記温度範囲において、1段目を一番低く、段数を増す毎に順次温度を高くする方法が好ましい。
【0026】
エンボス加工を施した表面に凹凸を有する梱包バンドの見かけ厚みは、例えば、マイクロメーターで1サンプルにつき、10点測定してその平均値を求めることにより評価することができる。本発明においては、表面の凹凸が、0.2〜0.8mmの見かけ厚みを有するものであることが好ましい。この数値範囲内においては、自動梱包機で使用する際に、給送部での送り性や、アーチ部での通過性が特に好適である。
本発明においては、表面の凹凸が、凸部厚みが、凹部厚みの1.6〜2.0倍であることが好ましい。この数値範囲内においては、自動梱包機で使用する際に、給送部での送り性や、アーチ部での通過性が特に好適である。
さらに、このバンドを乳酸系ポリマーのガラス転移温度(Tg)〜融点(Tm)の間の温度に設定した加熱槽に導き、熱処理(熱固定)を行った後、冷却槽において冷却し、最後に巻取機により巻き取り、製品を得る。
熱処理には、延伸操作の場合と同様に、水槽、オーブン、熱ロール等いずれを用いてもよい。
このようにして得られた梱包用バンドの好適な平均幅は、5〜18mmであり、単位長さ当たりの重量(目付)が7g/m以下である。
【0027】
本発明においては、自動梱包機による結束テストにおいて結束失敗がなく、JIS Z1527に準拠して測定した引張強度が0.49〜1.96kN/15.5mm幅{50〜200kgf/15.5mm幅}の範囲、好ましくは0.78〜1.96kN/15.5mm幅{80〜200kgf/15.5mm幅}の範囲、シール強度が引張強度の75〜100%、好ましくは80〜100%、である梱包用バンドが得られる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術範囲を超えない限り、これに限定されるものではない。
[物性評価]
梱包用バンドの評価条件は以下のとおりである。
▲1▼ 結束テスト
高速仕様の自動梱包機(50結束/分、ナイガイ(株)製)を用い、200×200×200mmの箱にバンド掛けを500回連続で行った。この間の(1) バンドの走行性、(2) 縦割れの有無、(3) 粉・剥離発生による梱包不良の有無を確認し、これら全てが良好な場合、総合評価を○とし、これらの内一つでも不良が認められた場合、総合評価を×とした。
▲2▼ 引張強度
日本工業規格 JIS Z1527に準じ、引張強度を測定した。
▲3▼ シール強度
上記▲1▼と同じ条件で結束テストを行い、ヒートシール部分を中心にして長さ200mmのサンプルとし、日本工業規格 JIS Z1527に準じて、ヒートシール部分に剪断応力が働くように、バンド長手方向の引張強度を測定してシール強度とした。
【0029】
[実施例1]
ポリ乳酸(LACEA H−100PL、三井化学(株)製)とエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)を90:10の重量比でブレンドし、押出機シリンダー設定温度170〜190℃、スリットダイ設定温度170℃から帯状の成形物を押し出し、スリットダイ直下に設けられた水温40℃に調節した冷却水槽に導き冷却した。
ここで、アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)であるエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)のポリエステル分子中におけるアジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位のモル比は、それぞれ、25モル%、25モル%及び50モル%である(発明者の分析値)。
続いて、延伸用加熱槽として温度制御が可能な水槽を用い、設定温度を85℃とし、前後に配置した延伸ローラーの速度比により延伸倍率を5倍として延伸した後、エンボスロールにより表面に凹凸を賦形した後、巻取機で巻き取り、幅15.5mm、見掛け厚み0.5mmの梱包用バンドを得た。この梱包用バンドの評価結果を表1に示す。
【0030】
[実施例2]
ポリ乳酸(LACEA H−100PL、三井化学(株)製)とエコフレックス(Ecoflex、BASF社製、商品名)を70:30の重量比でブレンドした他は実施例1と同様にして、幅15.5mm、見かけ厚み0.5mmの梱包用バンドを得た。
【0031】
[比較例1]
ポリ乳酸(LACEA H−100PL、三井化学(株)製)、ポリブチレンサクシネート(ビオノーレ#1001、昭和高分子(株)製)を70:30の重量比でブレンドした他は実施例1と同様にして、幅15.5mm、見かけ厚み0.5mmの梱包用バンドを得た。このバンドで結束テストを実施したところ、梱包機フィードロール付近で粉や剥離が発生し、またバンド切れが発生して、安定して梱包を行うことができなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明により、高速仕様の自動梱包機にも好適に使用できる生分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
本発明により、自動梱包機において良好に結束可能であり、機械的強度、剪断シール強度、分解性に優れた樹脂製梱包用バンドを提供することができる。
市販のポリプロピレン製梱包用バンド(以下、PPバンドという。)と同等の梱包機特性を達成し得る生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。すなわち、市販汎用自動梱包機(市販のPPバンドを荷物の結束および融着接合するのに好適な条件に設定された自動梱包機)に、従来の技術による生分解性ポリマー製梱包用バンドをセットして使用したのでは、PPバンドと同等には使用できなかったことに鑑み、上記市販汎用自動梱包機において、PPバンドと同等の実用性(融着接合性、走行性等)を達成し得る生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
より具体的には、現在一般に広く使用されている自動梱包機(ポリプロピレン製梱包用バンドの利用を前提に設計・調整されたもの)を、特別な改造・調整なしに使用できる分解性を有する梱包用バンドを提供することができる。
エンボスを付与することにより、強度を維持して軽量化を達成した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
エンボスを付与することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構やアーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。エンボスを付与することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構やアーチ部分を問題なく通過させるために必要な剛性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
滑剤を添加することにより、市販汎用自動梱包機の走給機構やアーチ部分の走行性を改善した生分解性ポリマー製梱包用バンドを提供することができる。
Claims (1)
- 乳酸系ポリマー(A)と、
アジピン酸由来構造単位、テレフタル酸由来構造単位、及びブタンジオール由来構造単位を含むポリエステル樹脂(B)を、
(A):(B)の重量比を95:5〜30:70で含んでなる樹脂組成物からなる生分解性梱包用バンド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002190221A JP2004034993A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 梱包用バンド |
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JP2002190221A JP2004034993A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 梱包用バンド |
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JP2004034993A true JP2004034993A (ja) | 2004-02-05 |
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ID=31700199
Family Applications (1)
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JP2002190221A Pending JP2004034993A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 梱包用バンド |
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JP (1) | JP2004034993A (ja) |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190221A patent/JP2004034993A/ja active Pending
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