JP2004034819A - 先行車追従制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加速上限設定部343は、追従中の先行車を見失ったとき、車速指令値V*の変化量を制限する加速度制限値ACCmaxを0.6Gから0.3Gに設定して車速指令値制限部344へ出力し、車速指令値V*の加速変化を制限する。先行車が加速状態で車間距離センサ1の検出範囲外に移動した場合には、見失う直前の加速制限値ACCmaxを0.6Gのまま維持して車速指令値制限部344へ出力する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車が存在するとき、運転者がセットした車速を上限とし、先行車との車間距離を保ちながら追従走行する先行車追従制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の先行車追従制御装置としては、例えば、特開2002−29283号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、追従走行中に先行車を見失ったとき、追従走行中に許容している上限加速度より低い値で自車を加速させて設定車速まで復帰させるように自車を制御する技術が記載されている。さらに、その加速度制限値を高速域と低速域とで切り換え、高速域では加速を許容し、低速域では加速を禁止もしくは減速に制限する技術が記載されている。
【0004】
すなわち、この従来技術では、設定車速以下で追従走行中に先行車を見失った場合に、車速を設定車速まで復帰させる際の急激な加速を回避することにより、先行車への過度な接近を防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にあっては、高速域では先行車を見失った直後の加速を許容しているが、その許容値は、急激な加速を回避するために追従走行制御中の上限加速よりも低い値に設定されている。
【0006】
従って、追従中の先行車が加速している状態で、先行車がレーダの認識範囲外(遠方、もしくは他車線)へ移動した場合には、加速度が一旦小さくなってしまうので、運転者に加速不足感を与えてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、加速中に先行車を見失った場合でも、自車の加速度が変化せず、運転者に加速不足感を与えることがない先行車追従制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、自車に先行して走行する先行車が存在する場合に、車速に応じた車間距離を維持する追従走行制御を実行し、追従走行制御中に先行車を見失ったとき、予め設定された設定距離もしくは設定時間走行するまで車速増加を制限する車速増加制限制御を実行する追従走行制御手段を備えた先行車追従制御装置において、先行車が車間距離検出手段の検出範囲外に移動したかどうかを判断する先行車検出範囲外移動判断手段を備え、前記追従走行制御手段は、先行車を見失ったとき、先行車が車間距離検出手段の検出範囲外に移動したと判断される場合には、車速増加制限制御を解除する車速増加制限解除部を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明では、追従走行制御中に先行車を見失ったとき、先行車検出範囲外移動判断手段により先行車が車間距離検出手段の検出範囲外にあると判断された場合には、車速増加制限解除部により車速増加制限制御が解除される。
【0010】
従って、追従制御中に先行車が加速して自車から離れた場合、または先行車が車線変更した場合には、無用な車速増加制限が実行されない。よって、自車が加速中に先行車を見失ったときの不自然な加速度の減少をなくし、運転者の感覚に合った走行を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の先行車追従制御装置を実現する実施の形態を、請求項1,2に係る発明に対応する第1実施例と、請求項1,2,3に係る発明に対応する第2実施例と、請求項1,2,4,5に係る発明に対応する第3実施例とに基づいて説明する。
【0012】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は本実施の形態の先行車追従制御装置を示すシステム構成図である。図1において、1は車間距離センサ、2は車速センサ、3は先行車追従制御コントローラ、4は車速制御コントローラ、5はエンジンコントローラ、6は自動ブレーキアクチュエータ、7はトランスミッションである。
【0013】
前記車間距離センサ1は、レーザ光あるいは電波を用いて先行車との距離Lと相対速度ΔVとを検出する。
【0014】
前記車速センサ2は、タイヤの回転数等から車両の実車速Vを検出する。
【0015】
前記先行車追従制御コントローラ3は、車間距離L、相対速度ΔVおよび実車速Vに基づいて、自車と先行車との車間距離と相対速度とが最適になるような車速指令値V*を算出する。
【0016】
前記車速制御コントローラ4は、先行車追従制御コントローラ3で算出された車速指令値V*に実車速Vが一致するようエンジントルク指令値、ブレーキトルク指令値および変速指令値を算出し、各指令値をエンジンコントローラ5、自動ブレーキアクチュエータ6およびトランスミッション7に出力する。この車速制御コントローラ4は、フィードバック手法や、特開平10−272963号公報に示すロバストモデルマッチング手法などを用いて構成することができる。なお、この先行車追従制御コントローラ3の詳細な構成については後述する。
【0017】
前記エンジンコントローラ5は、エンジントルクが指令値となるよう燃料、スロットルバルブを制御する。
【0018】
前記自動ブレーキアクチュエータ6は、ブレーキトルクが指令値となるよう液圧を決定し、ブレーキ圧力を制御する。
【0019】
前記トランスミッション7は、変速指令値に基づき変速制御を行う。なお、変速機は、有段変速機でも無段変速機でもよい。
【0020】
次に、前記先行車追従制御コントローラ3の構成を説明する。
この先行車追従制御コントローラ3は、目標車間距離演算部31、目標車間距離演算用定数決定部32、車間距離指令値演算部33および車速指令値演算部34から構成される。
【0021】
前記目標車間距離演算部31は、相対速度ΔVと自車速Vとから求めた先行車速度VTから、最終的に追従させる目標車間距離L*を算出する。
【0022】
前記目標車間距離演算用定数決定部32は、車間距離L、相対速度ΔVおよび目標車間距離L*から車間距離指令値を演算する際のモデルとなる定数を決定する。
【0023】
前記車間距離指令値演算部33は、現在の車間距離Lから目標車間距離L*に至るまでの過渡的な車間距離と相対速度の各指令値LT,ΔVTを、規範モデルを用いて算出する。この際、規範モデルの定数は、前記目標車間距離演算用定数決定部32において決定された値を用いる。
【0024】
前記車速指令値演算部34は、前記車間距離指令値演算部33で算出された車間距離指令値LTと相対速度指令値ΔVTに、実際の車間距離Lと相対速度ΔVが一致するように車速指令値を算出する。
【0025】
次に、前記車速指令値演算部34の詳細な構成について説明する。
図2は、車速指令値演算部34の詳細なブロック図である。本実施例では、2自由度制御手法を用いて車間制御系を構成した。この構成は、図1の車間距離指令値演算部33と位相補償器341とでフィードフォワード補償器を構成している。
【0026】
前記車間距離指令値演算部33は、伝達関数GT(s)で表される規範モデルとし、目標車間距離に至るまでの過渡的な車間距離指令値LTと相対速度指令値ΔVTとを算出する。下記の(1)式に伝達関数GT(s)を示す。
【数1】
【0027】
前記位相補償器341は、制御対象の伝達関数の逆系1/GP(s)と規範モデルの伝達関数GT(s)とで構成され、制御対象を規範モデルの特性に補償する。下記の(2)式に伝達関数GP(s)を示す。
【数2】
【0028】
目標車間距離LTを入力として制御対象が規範モデル特性となるように車速指令値VFFを算出する。
∴VFF=GC(s)・LT ...(3)
【0029】
フィードバック補償器342は、伝達関数GB(s)で表され、規範モデルの車間距離指令値LTと相対速度指令値ΔVTに対して実際の応答が一致するように車速指令値VFBを算出する。
GB(s)=sfV+fD
∴VFB=fV(ΔVT−ΔV)+fD(LT−L) ...(4)
【0030】
加速上限設定部343は、本発明の主となる部分であり、車間距離センサ1の出力である車間距離Lと相対速度ΔV、および車速センサ2の出力である実車速Vから、前記位相補償器341の出力VFFとフィードバック補償器342の出力VFBとを足し合わせて決定される車速指令値V*の変化量を制限する加速度制限値ACCmaxを設定する。
【0031】
次に、作用を説明する。
[従来の加速上限設定制御処理]
図3は、従来の加速度制限値ACCmaxの設定制御処理を示すフローチャートであり、先行車を追従している場合と、先行車を見失った場合とで車速指令値V*の加速度制限値ACCmaxを切り換えている。
【0032】
ステップS101では、先行車追従中かどうかを判断し、追従中である場合にはステップS103へ進み、追従中でなければステップS102へ進む。
【0033】
ステップS102では、先行車を追従中であるかどうかを示す追従状態フラグfACCSTATEがセットされているかどうかを確認し、セットされている場合にはステップS104へ進み、クリアされている場合にはステップS105へ進む。
【0034】
ステップS103では、加速度制限値ACCmaxを0.6Gに設定する。
【0035】
ステップS104では、追従状態から見失った状態となったため、加速度制限値ACCmaxを0.3Gに設定する。また、車速が設定車速に到達、あるいは運転者がアクセルを踏んだ場合には、加速度制限値ACCmaxを0.6Gに変更するため、追従状態フラグfACCSTATEをクリアする。
【0036】
ステップS105では、先行車がいない単独走行時であるため、加速度制限値ACCmaxは0.6Gにセットする。
【0037】
上記フローチャートにおいて、先行車が加速しながら車間距離センサの検出範囲外に移動した場合には、ステップS101→ステップS102→ステップS104へと進む流れとなる。すなわち、ステップS102により先行車を見失ったと判断され、ステップS102により追従状態フラグfACCSTATEがセットされていると判断される。次に、ステップS104により、加速度制限値ACCmaxが0.3Gにセットされる。
【0038】
従って、従来の加速度制限値の設定方法では、先行車が加速しながら車間距離センサの検出範囲外に移動した場合に、加速度が低い値に制限されてしまうため、運転者に加速不足感を与えてしまう。
【0039】
[本発明の加速度上限設定制御処理]
本発明の加速度制限値ACCmaxの設定制御処理を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
ステップS1では、先行車追従中かどうかを判断し、追従中である場合にはステップS31へ進み、追従中ではない場合には、ステップS2へ進む。
【0041】
ステップS2では、追従状態フラグfACCSTATEがセットされているかどうかを確認し、セットされている場合にはステップS61へ進み、クリアされている場合にはステップS5へ進む。
【0042】
ステップS31では、追従走行中であるため、加速度制限値ACCmax=0.6G、追従状態フラグfACCSTATE=1をセットする。
【0043】
ステップS32では、追従中の先行車の状態を判断し、先行車が加速中(自車との相対速度>0)である場合にはステップS34へ進み、先行車が一定速または減速中である場合にはステップS33へ進む。
【0044】
ステップS33では、先行車状態フラグfPREV_ACC=0をセットして本制御を終了する。
【0045】
ステップS34では、先行車状態フラグfPREV_ACC=1をセットして本制御を終了する。
【0046】
ステップS5では、単独走行であるため、加速度制限値ACCmaxを0.6Gにセットするとともに、追従状態フラグfACCSTATEと先行車状態フラグfPREV_ACCとをクリアして本制御を終了する。
【0047】
ステップS61では、見失った直前の先行車が加速状態であるかどうかを、先行車状態フラグfPREV_ACCから判断する。先行車状態フラグfPREV_ACC=0の場合はステップS4に進み、先行車状態フラグfPREV_ACC≠0の場合はステップS62へ進む。
【0048】
ステップS4では、加速度制限値を0.3Gに設定して本制御を終了する。
【0049】
ステップS62では、先行車状態フラグfPREV_ACCが2であるかまたは1であるかを判断し、2である場合にはステップS63へ進み、1である場合にはステップS64へ進む。
【0050】
ステップS63では、既にセット車速に到達しているため、加速度制限値ACCmaxを0.6Gに設定する(解除する)とともに追従状態フラグfACCSTATEと先行車追従フラグfPREV_ACCとをクリアして本制御を終了する。
【0051】
ステップS64では、加速度制限値ACCmaxを0.6Gに設定する。
【0052】
ステップS65では、セット車速に到達したかどうかを判断する。車速がセット車速に到達している場合にはステップS66へ進み、到達していない場合には本制御を終了する。
【0053】
ステップS66では、先行車状態フラグfPREV_ACCに、車速がセット車速に到達していることを示す2をセットして本制御を終了する。
【0054】
前記車速指令値制限部344は、上述した処理の1制御周期毎に、決定された車速指令値V*の変化量に制限をかける。このとき、加速度制限値ACCmaxは、上述した加速度上限値設定部343の算出値を用いる。
【0055】
[加速上限設定制御作用]
以上説明してきた加速度制限値ACCmaxの設定制御処理について、その効果の概略を図5のタイムチャートに示す。図5において、(a)は時車間距離Lの変化、(b)は車速Vの変化を表している。
【0056】
(追従定速走行時)
t0〜t1の区間では、先行車が定速走行状態であり、このときの加速度制限値ACCmaxの設定制御処理は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS31→ステップS32→ステップS33へと進む流れとなる。
【0057】
すなわち、ステップS1により先行車追従中と判断され、ステップS31により加速度制限値ACCmaxが0.6Gに設定されるとともに、追従状態フラグfACCSTATE=0とされる。次に、ステップS32により先行車は加速中ではないと判断され、ステップステップS33により先行車は加速状態ではないので先行車状態フラグfPREV_ACC=0として本制御を終了する。
【0058】
(追従加速走行時)
t1〜t2の区間では、先行車が加速走行状態であり、このときの加速度制限値ACCmaxの設定制御処理は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS31→ステップS32→ステップS34へと進む流れとなる。
【0059】
すなわち、ステップS1により先行車追従中と判断され、ステップS31により加速度制限値ACCmax=0.6Gが継続され、追従状態フラグfACCSTATE=1とされる。続いて、ステップS32により先行車が加速中と判断され、ステップS34により先行車追従フラグfPREV_ACC=1とされる。
【0060】
よって、自車は0.6Gの加速度で追従走行を行うが、先行車はそれ以上の加速度で走行しているため、図5に示すように、目標車間距離L*に比して実車間距離Lが大きくなっている。
【0061】
(先行車見失い後の加速走行時)
t2では、先行車が車間距離センサ1の車間距離検出範囲外に移動し、先行車を見失った状態となっている。このときの加速度制限値ACCmaxの設定制限処理は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS61→ステップS62→ステップS64→ステップS65へと進む流れとなる。
【0062】
すなわち、ステップS1により先行車追従中ではないと判断され、ステップS2により直前まで先行車を追従中であったと判断される。続いて、S61により見失う直前に先行車が加速状態であったと判断され、ステップS62によりセット車速に到達していないと判断される。次に、ステップS64により加速度制限値ACCmaxが0.6に設定され、先行車を見失う直前の加速度が維持される。続いて、ステップS65によりセット車速に到達していないので、現在の先行車状態フラグfPREV_ACC=1を維持して処理を終了する。
【0063】
このとき、従来装置では、先行車見失い後に加速度制限値ACCmaxが0.6Gから0.3Gに変化するので、運転者に加速不足感を与えてしまう。これに対し、本発明では、加速度が一定(0.6G)であるため、運転者に加速不足感を与えることはない。
【0064】
t3では、車速がセット車速となるため、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS61→ステップS62→ステップS64→ステップS65→ステップS66へと進み、ステップS66により先行車状態フラグfPREV_ACC=2とされる。
【0065】
次の制御周期では、ステップS1→ステップS2→ステップS61→ステップS62→ステップS63へと進み、ステップS63により加速度制限値ACCmaxが解除されるとともに、追従状態フラグfACCSTATEと先行車状態フラグfPREV_ACCが0とされる。
【0066】
(定速走行時)
t3以降、車速がセット車速に到達した後は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS5へと進む流れとなり、定速走行状態となる。
【0067】
[シミュレーション結果]
図6は、従来の加速上限設定制御を用いたシミュレーション結果であり、追従中に先行車が加速(0.6G以上:時刻10s地点)、自車も追従しようと加速するが、加速許容値0.6Gで制限されてしまうため、先行車との距離が次第に広がり(時刻10s〜25s)、やがて認識距離外(120m以上)に達してしまい先行車を見失った状態になる(時刻:25s)。
【0068】
このとき、自車の車速は85km/hであり、設定車速100km/hまで加速させるが、先行車を見失った状態であるため、加速度を0.3Gに制限する(時刻:25s〜37s)。
【0069】
このため、見失う前は0.6Gで加速していたにも拘わらず、見失った後に0.3Gまで加速度が落ちるため、運転者に加速不足感を与えてしまう。
【0070】
図7は、本発明のシミュレーション結果であり(先行車の条件は図6と同じ)、先行車が加速し追従するよう自車も0.6Gで加速する。このとき、先行車が加速状態であることを記憶し、先行車を見失った後もこの状態を維持するようにしているため、見失い後も加速変動はなく、運転者に加速不足感を与えない。
【0071】
次に、効果を説明する。
本実施例の先行車追従制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0072】
(1) 追従制御中に先行車が加速して自車から離れた場合、または先行車が車線変更した場合には、加速度制限値ACCmaxを0.6Gのまま維持するため、無用な車速増加制限が実行されない。よって、自車が加速中に先行車を見失ったときの、加速度の減少をなくし、運転者の感覚に合った走行を実現することができる。
【0073】
(2) 先行車が自車から離れていく状態での先行車見失いであれば、車間距離センサ1の検出範囲外であると判断することにより、実際には先行車との車間距離が車間距離センサ1の認識範囲内であるにも拘わらず、車両の姿勢変化(カーブ走行や車両のピッチング等)により生じた先行車見失いと区別することができる。
【0074】
(第2実施例)
第2実施例は、先行車を見失う直前の車間距離が、目標車間距離を越える予め設定された設定値以上である場合に、先行車が車間距離センサ1の検出範囲外にあると判断する例である。なお、第2実施例の構成は、第1実施例と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0075】
次に、作用を説明する。
[加速上限設定制御処理]
第2実施例の加速度制限値の設定制御処理を、図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、第2実施例の加速度制限値の設定制御処理は、基本的部分は第1実施例と同じであるため、図4に示した第1実施例のフローチャートと異なる部分のみ説明する。
【0076】
ステップS61では、先行車状態フラグfPREV_ACCの状態に応じて処理を選択する。先行車状態フラグfPREV_ACC=0であれば、追従中の先行車が加速状態ではなかったと判断してS4へ進み、加速度制限値ACCmaxを0.3Gに制限する。先行車状態フラグfPREV_ACC=1であれば、見失う直前に先行車が加速状態であったと判断してステップS611へ進む。また、先行車状態フラグfPREV_ACC>1であれば、ステップS62へ進む。
【0077】
ステップS611では、見失った直前の車間距離を判断する。車間距離が追従時の目標車間距離DIST_COMの1.5倍未満である場合にはステップS4へ進んで加速度制限値ACCmaxを0.3Gに制限する。一方、1.5倍以上である場合にはステップS612へ進む。
【0078】
ステップS612では、DIST_COMの1.5倍以上であることを先行車状態フラグfPREV_ACCに反映させ、先行車状態フラグfPREV_ACC=2とする。
【0079】
ステップS62では、先行車状態フラグfPREV_ACCの状態に応じて処理を選択する。fPREV_ACC=2であれば、見失う直前に先行車が加速、かつ車間距離が目標車間距離の1.5倍以上と判断し、ステップS64へ進む。一方、fPREV_ACC=3であれば、セット車速まで到達したと判断し、ステップS63へ進む。
【0080】
次に、効果を説明する。
この第2実施例の先行車追従制御装置にあっては、第1実施例の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
【0081】
(3) 先行車を見失う直前に先行車が加速状態であると判断し、かつ、見失う直前の車間距離が、追従時の目標車間距離DIST_COMの1.5倍以上である場合に、加速度制限値ACCmaxを解除する。よって、雨天等環境条件により車間距離センサ1の認識能力が晴天時とは異なる場合においても、車間距離センサ1の認識範囲外であるとの判断をより確実に実行することができる。
【0082】
(第3実施例)
第3実施例は、先行車を見失う直前の自車の加速度が、追従走行制御における最大加速度であった場合に、車速増加制限制御を実行しない例である。なお、第3実施例の構成は、第1実施例および第2実施例と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0083】
次に、作用を説明する。
[加速上限設定制御処理]
第3実施例の加速度制限値の設定制御処理を、図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、第3実施例の加速度制限値の設定制御処理は、基本的部分は第1実施例および第2実施例と同じであるため、図4に示した第1実施例のフローチャートと異なる部分のみ説明する。
【0084】
ステップS32では、追従中の先行車の状態を判断し、先行車加速中である場合にはステップS321へ進み、先行車が一定速または減速中である場合にはステップS33へ進む。
【0085】
ステップS321では、追従中の加速度合い、すなわち、追従中の加速度が最大加速度(所定値以上でも可)かどうかを判断する。最大加速度未満である場合には、ステップS33へ進んで先行車追従フラグfPREV_ACC=0とし、次の制御周期においてステップS4(図4)により加速度制限値ACCmaxを0.3Gに制限する。
【0086】
一方、最大加速度である場合には、ステップS34へ進んで、先行車追従フラグfPREV_ACC=1とし、次の制御周期においてステップS64により加速度制限値ACCmaxを0.6Gとする。
【0087】
次に、効果を説明する。
この第3実施例の先行車追従制御装置にあっては、第1実施例の効果に加えて、下記の効果を得ることができる。
【0088】
(4) 先行車の加速度が自車の追従走行制御における最大加速度よりも大きいことに起因して先行車を見失った場合には、加速度制限値ACCmaxを解除するため、加速変動を回避して運転者の感覚に合った走行を実現することができる。
【0089】
(その他の実施例)
以上、本発明の先行車追従制御装置を第1〜第3実施例に基づき説明してきたが、本発明の具体的な構成については、各実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0090】
例えば、第1〜第3実施例では、先行車を見失った後、0.6Gに至るまでは加速度の上昇を許容する構成としたが、先行車を見失う直前の自車の加速度が追従制御における最大加速度以下である場合には、所定時間その加速度を維持した後、最大加速度まで加速度を上げる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の先行車追従制御装置を示すシステム構成図である。
【図2】車速指令値演算部の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の加速上限設定制御を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例の加速上限設定制御を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例の効果を示すタイムチャートである。
【図6】従来の加速上限設定制御のシミュレーション結果である。
【図7】第1実施例の加速上限設定制御のシミュレーション結果である。
【図8】第2実施例の加速上限設定制御を示すフローチャートである。
【図9】第3実施例の加速上限設定制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車間距離センサ
2 車速センサ
3 先行追従制御コントローラ
4 車速制御コントローラ
5 エンジンコントローラ
6 自動ブレーキアクチュエータ
7 トランスミッション
31 目標車間距離演算部
32 目標車間距離演算用定数決定部
33 車間距離指令値演算部
34 車速指令値演算部
341 位相補償器
342 フィードバック補償器
343 加速上限設定部
344 車速指令値制限部
Claims (5)
- 自車に先行して走行する先行車が存在する場合に、車速に応じた車間距離を維持する追従走行制御を実行し、追従走行制御中に先行車を見失ったとき、予め設定された設定距離もしくは設定時間走行するまで車速増加を制限する車速増加制限制御を実行する追従走行制御手段を備えた先行車追従制御装置において、
先行車が車間距離検出手段の検出範囲外に移動したかどうかを判断する先行車検出範囲外移動判断手段を備え、
前記追従走行制御手段は、先行車を見失ったとき、先行車が車間距離検出手段の検出範囲外に移動したと判断される場合には、車速増加制限制御を解除する車速増加制限解除部を備えることを特徴とする先行車追従制御装置。 - 請求項1に記載の先行車追従制御装置において、
先行車と自車との車間距離が増加しているかどうかを判断する車間距離増減判断手段を備え、
前記先行車検出範囲外移動判断手段は、先行車を見失う直前の自車と先行車との車間距離が増加していると判断された場合に、先行車が車間距離検出手段の検出範囲外に移動したと判断することを特徴とする先行車追従制御装置。 - 請求項1または2に記載の先行車追従制御装置において、
前記先行車検出範囲外移動判断手段は、先行車を見失う直前の自車と先行車との車間距離が、目標車間距離を越える予め設定された設定値以上である場合に、先行車が車間距離検出手段の検出範囲外に移動したと判断することを特徴とする先行車追従制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載の先行車追従制御装置において、
前記車速増加制限解除部は、先行車を見失う直前の自車の加速度が、予め設定された設定値以上である場合に、車速増加制限制御を解除することを特徴とする先行車追従制御装置。 - 請求項4に記載の先行車追従制御装置において、
前記車速増加制限解除部は、先行車を見失う直前の自車の加速度が、追従走行制御において設定された最大加速度である場合に、車速増加制限制御を解除することを特徴とする先行車追従制御装置。
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---|---|---|---|---|
JP2009292383A (ja) * | 2008-06-06 | 2009-12-17 | Toyota Motor Corp | 車両用走行制御装置 |
JP2015089789A (ja) * | 2013-11-07 | 2015-05-11 | 富士重工業株式会社 | 車両制御装置 |
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