JP2004034665A - ラミネート装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な厚みのシート状物品及びプラスチックフィルムに応じてそれぞれ適正なラミネート処理を安定して行うラミネート装置を提供すること。
【解決手段】プラスチックフィルムを両面側からヒータ部10で加熱して、該プラスチックフィルムを両面側から加圧して圧着ローラで圧着するラミネート装置において、ヒータ部10では上下ヒータ11a・11bがそれぞれ上下取付部材14a・14bに取り付けられており、上取付部材14aはバネ15a・15bを介して装置3の枠体に支持されている。
【選択図】 図1
【解決手段】プラスチックフィルムを両面側からヒータ部10で加熱して、該プラスチックフィルムを両面側から加圧して圧着ローラで圧着するラミネート装置において、ヒータ部10では上下ヒータ11a・11bがそれぞれ上下取付部材14a・14bに取り付けられており、上取付部材14aはバネ15a・15bを介して装置3の枠体に支持されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状のラミネート対象物をラミネートフィルムでラミネート処理するためのラミネート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラミネート処理は、ラミネート対象物であるシート状物品をラミネートフィルムであるプラスチックフィルムでコートし、シート状物品の耐久性を向上させたり美観をおこさせたりするものである。例えば、会員証、免許証、身分証明証、メニュー、及びパネル等に使用される。
【0003】
前記プラスチックフィルムには、一方面に熱溶融性の接着剤からなる接着層を有するものが用いられる。このようなプラスチックフィルムでは、シート状物品とともに加熱・圧着することでラミネート処理が行われる。
【0004】
また、前記ラミネート装置には、プラスチックフィルムを加熱する加熱手段と、プラスチックフィルムをシート状物品に圧着させる圧着手段としての圧着ローラとを有するものがある。シート状物品の両面を同時にラミネート処理する場合には、プラスチックフィルムの接着層がシート状物品に対向するようにプラスチックフィルムでシート状物品を挟持し、ラミネート装置に挿入する。
【0005】
前記加熱手段には、加熱部が対向した一対の加熱部材が用いられる。前記一対の加熱部材の間にプラスチックフィルムが挿入されることで、プラスチックフィルムが上面及び下面から加熱される。
【0006】
図6に従来例のラミネート装置の断面図を示す。
【0007】
図6に示すラミネート装置3では、シート状物品2を挟持したプラスチックフィルム1を挿入口部4から挿入し、ヒータ部10でプラスチックフィルム1を加熱しプラスチックフィルム1の接着層を溶融し、圧着ローラ対7a・7bでプラスチックフィルム1をシート状物品2に圧着することで、ラミネート処理を行う。
【0008】
前記装置3では、プラスチックフィルム1は、挿入口部4から挿入され、搬送方向Aに直線的に搬送されながら、案内路(搬送路)17を通って、排出口部5から排出される。
【0009】
上下挿入ガイド8a・8bは、それぞれ前記挿入口部4の上下切り欠き部から装置3の内部へ水平方向に形成され、使用者がプラスチックフィルム1を装置3に挿入するときに、プラスチックフィルム1を送りローラ対6a・6bまで案内する。なお、下挿入ガイド8bは上挿入ガイド8aより長くなっている。
【0010】
前記上下挿入ガイド8a・8bの搬送方向A下流側には、互いに対向するニップ部で搬送方向Aに移動するように回転駆動される送りローラ対6a・6bが配設される。前記送りローラ対6a・6bは、プラスチックフィルム1を搬送方向A下流側のヒータ部(加熱手段)10に送り込む。
【0011】
前記ヒータ部10の搬送方向A下流側には、ヒータ部10で加熱されたプラスチックフィルム1をシート状物品2に圧着しながら搬送方向Aへ搬送する圧着ローラ対7a・7bが配設される。
【0012】
前記圧着ローラ対7a・7bの搬送方向A下流側には、それぞれ前記排出口部5の上下切り欠き部から装置3の内部へと水平方向に形成され、プラスチックフィルム1を圧着ローラ対7a・7bから機外に案内する上下排出ガイド9a・9bが配設される。
【0013】
上記したヒータ部10は、送りローラ対6a・6bと圧着ローラ対7a・7bの間に配設され、案内路17の上方及び下方に、それぞれ上下ヒータ(一対の加熱部材)11a・11b、上下絶縁材12a・12b、上下サーミスタ13a・13b、及び上下取付部材14a・14bを有する。
【0014】
前記ヒータ部10は、シート状物品2を挟んだプラスチックフィルム1が通過しやすく、かつ、プラスチックフィルム1に対して加熱しやすくするため、上下ヒータ11a・11bを所定の空隙(1mm前後)をもって対向させた構造になっている。
【0015】
また、下ヒータ11bはプラスチックフィルム1の下側の面を支持し、上ヒータ11aはプラスチックフィルム1の上側の面を支持するようになっている。前記上下ヒータ11a・11bはそれぞれ上下取付部材14a・14bによって装置3の枠体に取り付けられる。
【0016】
前記上下ヒータ11a・11bは、それぞれ短冊状の平板形状をしており、長手方向(図中奥行方向)においてプラスチックフィルム1の幅より(プラスチックフィルム1の通過方向と交差する方向の長さより)も充分に長く設定されている。
【0017】
また、前記上下ヒータ11a・11bは、それぞれその裏面側を上下絶縁材12a・12bを介して上下取付部材14a・14bの溝状の凹部14a1・b1内に接着等によって固定される。
【0018】
このように、上下ヒータ11a・11bを凹部14a1・14b1内に固定することによって、上下ヒータ11a・11bのプラスチックフィルム1の案内面11a2・11b2と、上下取付部材14a・14bのプラスチックフィルム1の案内面14a2・14b2とを同一面(面一)にして、プラスチックフィルム1が上下ヒータ11a・11bに引っ掛からないようにするとともに、プラスチックフィルム1を上下ヒータ11a・11bに確実に接触あるいは接近させることができる。
【0019】
装置3に電源を投入すると、上下ヒータ11a・11bに電力が供給されて、上下ヒータ11a・11bが所望のラミネート温度に達する。このラミネート温度は上下サーミスタ13a・13bによって検知され、この検知結果に応じて不図示の温度調節回路(温度調節手段)によって上下ヒータ11a・11bへの電力供給をON−OFFする等により、ラミネート温度を常時一定に保つことができる。
【0020】
ヒータ部10において上下ヒータ11a・11bは所定の空隙をもって対向しているが、当然のことながらシート状物品2の厚み及びプラスチックフィルム1の厚みのトータル以上の空隙が必要になる。一方で、プラスチックフィルム1の接着層を完全に溶融するために、上下ヒータ11a・11bをそれぞれプラスチックフィルム1にできるだけ接近させる必要がある。これより、上下ヒータ11a・11bの空隙は1mm程度に設定される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際はヒータ部を構成する各部品の精度のバラツキのために、上下ヒータ間の空隙をヒータ部全域で一定に保持することは非常に困難であった。
【0022】
その結果、空隙が狭くなりすぎると、製品仕様内の厚みであるシート状物品を流した場合においても搬送抵抗が増大してしまい、搬送に悪影響を及ぼしてしまったり、また最悪の場合シート状物品が滞留してしまうことが考えられた。
【0023】
また、逆に空隙が広すぎてしまうと、プラスチックフィルムへの熱容量が不足してしまいラミネートが不完全な部分が発生してしまうという問題があった。
【0024】
従来においては、このような問題点を解決するために、部品精度を厳しく管理したり、また組み付け後、一対のヒータ間の空隙をチェックしていたために余分な工程数が必要であった。
【0025】
本発明の目的は、上記したような問題点を解決するものであり、余分な工程数を要さずに、シート状物品のラミネート処理を安定したより良い品質で行なうことができるとともに、様々な厚みのシート状物品及びラミネートフィルムを用いてもそれぞれ適正にラミネート処理を行なうことができるラミネート装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の構成は、ラミネート対象物を挟持したラミネートフィルムを両面側から加熱する加熱手段と、前記ラミネートフィルムを両面側から加圧し前記ラミネート対象物に圧着する圧着手段とを有し、前記ラミネートフィルムを前記加熱手段と前記圧着手段とに順次に搬送しラミネート処理を行うラミネート装置において、前記加熱手段は、前記ラミネートフィルムの上面側及び下面側をそれぞれ加熱する一対の加熱部材を有し、前記一対の加熱部材の間の距離は、前記ラミネートフィルムの厚みに応じて移動可能であるラミネート装置である。
【0027】
本発明に係る第2の構成は、上記第1の構成において、前記一対の加熱部材の内少なくとも一方の加熱部材は、弾性部材によって他方の加熱部材側に付勢されるラミネート装置である。
【0028】
本発明に係る第3の構成は、上記第2の構成において、前記弾性部材はコイルバネ又は板バネであるラミネート装置である。
【0029】
本発明に係る第4の構成は、上記第1の構成において、前記一対の加熱部材の内少なくとも一方の加熱部材は、支軸を中心に回動するアームによって他方の加熱部材側に付勢されるラミネート装置である。
【0030】
本発明に係る第5の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成において、前記ラミネートフィルムの非通紙時に、前記一対の加熱部材は互いに離間しているラミネート装置である。
【0031】
本発明に係る第6の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成において、前記ラミネートフィルムの非通紙時に、前記一対の加熱部材は互いに接触しているラミネート装置である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において本実施の形態の例示が本発明を限定することはない。
【0033】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る第1の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。なお、各図に共通する部材には同一の符号を付し、また、上記した図6と共通する部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0034】
図1は、本第1の実施の形態に係るラミネート装置のヒータ部10の断面図である。
【0035】
図1において、一対の加熱部材である上ヒータ11a及び下ヒータ11bは、ラミネートフィルムとしてのプラスチックフィルム1の搬送方向Aに一定幅を有し、かつ長手方向(図中奥行方向)にプラスチックフィルム1の幅に渡って配置される。
【0036】
下ヒータ11bが支持される下取付部材14bは、下ヒータ11bが上方を向くように装置3の枠体に支持される。また、上ヒータ11aが支持される上取付部材14aは、上ヒータ11aが下方を向き、かつ前記下ヒータ11bと対向するように装置3の枠体にバネ15a・15bを介して支持される。
【0037】
前記上下取付部材14a・14bは、それぞれ搬送方向A中央部に長手方向に沿って凹部14a1・14b1が設けられ、搬送方向A上流側及び下流側が案内面14a2・14b2となる。また、上下取付部材14a・14bの搬送方向A上流側端部及び下流側端部は上方又は下方に折り曲がっている。
【0038】
上下取付部材14a・14bの凹部14a1・14b1にそれぞれ上下ヒータ11a・11bを支持すると、上下取付部材14a・14bの案内面14a2・14b2と上下ヒータ11a・11bの案内面11a2・11b2の高さがほぼ同等となる。
【0039】
また、前記バネ15a・15bには、圧縮コイルバネが用いられる。前記バネ15a・15bは、それぞれ上取付部材14aの搬送方向A上流側部及び下流側部を支持し、上取付部材14aを下方向に付勢する。また、前記バネ15a・15bはヒータ部10の長手方向に適当間隔で複数個配置される。本第1の実施の形態では手前側端部及び奥側端部の2個所に設けられる。
【0040】
上側のヒータ部10の重量は一定であるので、バネ15a・15bの荷重を調整することで、上下ヒータ11a・11bの間の空隙を任意に設定することができる。本第1の実施の形態では該空隙の上下高さがt1となるようにバネ15a・15bの荷重を調整している。
【0041】
このようにバネ15a・15bを調整すると、上下ヒータ11a・11bの間と、上下取付部材14a・14bの間にそれぞれt1の空隙が形成され、プラスチックフィルム1が搬送される案内路17となる。以下の説明では、この空隙部分をヒータ部10の案内路17aと称する。
【0042】
市販されているプラスチックフィルム1の厚みは、一般的に約100μmであり、薄いもので約80μm、厚いもので約150μmのものがある。
【0043】
例えば、0.2mm厚のシート状物品(ラミネート対象物)2を100μmのプラスチックフィルムで挟持しラミネート処理をしようとすると、トータルの厚みは0.2mm+100μm(0.1mm)×2=0.4mmとなる。
【0044】
したがって、一般的なシート状物品2及びプラスチックフィルム1に対しては、案内路17aの高さt1を0.4mmとすれば、最適なラミネート処理が施される。
【0045】
このような場合では、上取付部材14aはバネ15a・15bの弾性で上方に移行可能なため、案内路17aの高さt1に多少の誤差があってもプラスチックフィルム1を搬送することができ、さらには、上下取付部材14a・14bの位置調整を従来例ほど精密に行わなくてもよい。
【0046】
一方、厚紙等のシート状物品2を150μmのプラスチックフィルム1で挟持しラミネート処理をするときには、トータル厚みが0.4mmを超え、図2に示すように、トータル厚みが案内路17aの高さt1より厚くなる場合がある。
【0047】
このような場合、本第1の実施の形態によれば、プラスチックフィルム1が搬送されて案内路17aに到達すると、プラスチックフィルム1の先端部は、下面を下取付部材14bに支えられながら、上面で上取付部材14aを押し上げ、上下取付部材14a・14bに挟み込まれる。このとき、上取付部材14aは、バネ15a・15bにより下方に付勢され、プラスチックフィルム1を下取付部材14bに押し付けるため、プラスチックフィルム1の上面及び下面は、それぞれ上下取付部材14a・14bに接触された状態となる。
【0048】
さらにプラスチックフィルム1が搬送されると、図3に示すように、プラスチックフィルム1の上面及び下面がそれぞれ上下ヒータ11a・11bによって接触された状態となる。これにより、プラスチックフィルム1は良好に加熱される。
【0049】
そして、プラスチックフィルム1の後端部が上下取付部材11a・11bの搬送方向A下流側端部を通過すると、上取付部材11bはバネ15a・15bの付勢により下方に移行して、案内路17aの高さが再度t1となる。
【0050】
なお、前記バネ15a・15bの荷重は、プラスチックフィルム1が案内路17aに挿入されるときに上取付部材14aが上方に押し上げられるように調整され、かつ、プラスチックフィルム1が案内路17aを搬送されるときに上下取付部材14a・14bと上下ヒータ11a・11bとのそれぞれの摩擦抵抗に抗ってプラスチックフィルム1が搬送されるように調整されている。また、このような摩擦抵抗を低減するために、上下取付部材14a・14bと上下ヒータ11a・11bとをそれぞれ表面粗さが低減するように表面処理してもよい。
【0051】
また、前記バネ15a・15bの荷重は互いに等しく調整されているため、上ヒータ11a面はプラスチックフィルム1を全面に渡り均等に加熱することができ、良好なラミネート処理を行なうことができる。
【0052】
また、上記した上下取付部材14a・14bは、それぞれ搬送方向A上流側端部及び下流側端部が案内路17aから遠ざかる方向に折り曲げられているため、厚手のプラスチックフィルム1等でもスムースに案内路17aに挿入することができる。
【0053】
また、上記した構成では、案内路17aの高さt1を0.4mmに設定しているため、シート状物品2がヒータ部10を通過するときに、上ヒータ11aを上方に押し上げる力が小さくてすみ、シート状物品2の搬送抵抗が低減する。
【0054】
また、案内路17aの高さt1は、上記した構成では0.4mmと設定したが、この数値に限定されることはなく、ラミネート装置の用途等に応じて所定値に設定してもよい。例えば、t1を0、すなわち上下ヒータ11a・11bを接触させておく構成にすると、上下ヒータ11a・11bの加熱効率が向上したり、シート状物品2の加熱が確実に行われる。このような構成の場合は、厚みのあるシート状物品2を挟持したプラスチックフィルム1を案内路17aに搬送するときに、プラスチックフィルム1と案内路17aの内周面との摩擦抵抗がより増大するので、不図示のプラスチックフィルム搬送手段の駆動用モータのトルクを増大させて対応させるとよい。
【0055】
また、上記した構成では、上取付部材14a側を移動可能としているが、下取付部材14b側にバネ15a・15bを固定して移動可能とすることもできる。さらには、上下取付部材14a・14bにそれぞれバネ部材を設けてもよい。
【0056】
このように、本第1の実施の形態によれば、ヒータ部10の案内路17aの高さt1を調整するために部品寸法や組立ての精度を従来ほど高くすることなく、また、組立ててから該高さt1の検査を行なうことなく、上下ヒータ11a・11bによるプラスチックフィルム1の加熱を適性に行なうことができ、かつ、ヒータ部10でのジャムを低減することができる。
【0057】
また、前記高さt1を通常の厚みのシート状物品2及びラミネートフィルム1に適応させて調整させても、それ以上の厚みのものにもラミネート処理をすることができるため、装置3の用途が広がる。
【0058】
上記した構成のラミネート装置3によれば、装置3組立ての際の工程数を抑えながら、様々な厚みのシート状物品2及びラミネートフィルム1に対応して、安定して良質なラミネート処理を行なうことができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る第2の実施の形態について図4を用いて説明する。なお、前出した各図に共通する部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0060】
図4は、本第2の実施の形態に係るラミネート装置3のヒータ部10の断面図である。
【0061】
図4に示す構成は上記した第1の実施の形態とほぼ同様であるが、上取付部材14aが板バネ16を介して装置3に支持されていることに特徴がある。
【0062】
前記板バネ16は、板面を水平にして、搬送方向A下流側端部を上取付部材14aに、搬送方向A上流側端部を装置3の枠体に固定され、上取付部材14aを下方に付勢する。
【0063】
また、前記板バネ16は、ヒータ部10の長手方向に適当間隔で複数個配置される。本第2の実施の形態では、ヒータ部10は搬送方向A上流側の送りローラ対6a・6bより長手方向(図中奥行方向)に長く設置され、前記板バネ16はヒータ部10の長手方向手前側端部と奥側端部に配置される。
【0064】
本第2の実施の形態では、ヒータ部10の案内路17aの高さt2が0となるように前記板バネ16の荷重が調整される。なお、前記高さt2は上記した第1の実施の形態のように所定の数値としてもよい。
【0065】
また、ラミネートフィルム1が案内路17aに挿入されるときに、上取付部材14aがラミネートフィルム1の高さ分上方に押し上げられるとともに上取付部材14aが下方に付勢され、かつラミネートフィルム1が上取付部材14aによる付勢に抗って搬送されるように、板バネ16の荷重は調整されている。
【0066】
また、上取付部材14aは、板バネ16の腕の長さL2(図4に示す)が長いほど、上下方向の動作がより鉛直方向に近づき、プラスチックフィルム1を全面に渡って均等に押し付けることができるようになる。そのため、装置3の枠体や内部部品の構成に応じて前記長さL2を可能な限り長くするとよい。
【0067】
このように、本第2の実施の形態によれば、上記した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、上取付部材14aに付勢手段を設置するスペースが少ないとき、特に上取付部材14aと上方の装置3の枠体との間が狭い場合に有効である。
【0068】
(第3の実施の形態)
以下、本発明に係る第3の実施の形態について図5を用いて説明する。なお、前出した各図に共通する部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0069】
図5は、本第3の実施の形態に係るラミネート装置3のヒータ部10の断面図である。
【0070】
図5に示す構成は上記した第1の実施の形態とほぼ同様であるが、上取付部材14aがアーム18を介して装置3に支持されていることに特徴がある。
【0071】
前記アーム18は、搬送方向A下流側端部を上取付部材14aに固定され、搬送方向A上流側端部を装置3の枠体に固定された支軸19に回動自在に支持される。
【0072】
また、前記アーム18は、ヒータ部10の長手方向に適当間隔で複数個配置される。本第3の実施の形態では、ヒータ部10は搬送方向A上流側の送りローラ対6a・6bより長手方向(図中奥行方向)に長く設置され、前記アーム18はヒータ部10の長手方向手前側端部と奥側端部に配置される。
【0073】
また、前記支軸19の上下方向位置は、アーム18を水平にしたときにヒータ部10の案内路17aの高さt3が0となるように調整される。
【0074】
前記アーム18は、アーム18及び上取付部材14aの自重によって、上取付部材14aが下方に付勢されるように支軸19に支持される。
【0075】
また、ヒータ部10の案内路17aにプラスチックフィルム1が挿入されるときには、プラスチックフィルム1が上取付部材14aを押し上げるように、かつ上取付部材14aの付勢に抗ってプラスチックフィルム1が搬送されるように、アーム18及び支軸19は構成されている。
【0076】
なお、上下ヒータ11a・11bに余分な付加を与えないために、ストッパーを設けて前記アーム18が水平方向より下方に移行しないようにしてもよい。また、アーム18を図中時計回り方向に付勢するバネを支軸19に設けたり、アーム18の回動を制御する制御手段を設けたりして、上取付部材14aの下方への付勢を調整することができる。このような構成では、案内路17aの高さt3を上記した第1の実施の形態のように所定の数値としてもよい。
【0077】
また、上取付部材14aは、アーム18の腕の長さL3(図5に示す)が長いほど、上下方向の動作がより鉛直方向に近づき、プラスチックフィルム1を全面に渡って均等に押し付けることができるようになる。そのため、装置3の枠体や内部部品の構成に応じて前記長さL3を可能な限り長くするとよい。
【0078】
このように、本第3の実施の形態によれば、上記した第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、アーム18及び上ヒータ11aの重量が下ヒータ11bに対する押圧力になるため、安定した押圧力が確保でき、ラミネート処理を良好に行うことができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡便な組立てで、様々な厚みのラミネート対象物及びラミネートフィルムに応じて適性にラミネート処理を行なうことができ、また、ラミネート品質を安定させ、ラミネート対象物のヒータ部での滞留を防止するラミネート装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図であり、厚いシート状物品の挿入前の図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図であり、厚いシート状物品の搬送中の図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図である。
【図6】従来例のラミネート装置の断面図である。
【符号の説明】
1‥‥プラスチックフィルム
2‥‥シート状物品
3‥‥ラミネート装置本体
4‥‥挿入口部
5‥‥排出口部
6a・6b‥‥送りローラ対
7a・7b‥‥圧着ローラ対
8a・8b‥‥上下挿入ガイド
9a・9b‥‥上下排出ガイド
10‥‥ヒータ部(加熱部)
11a・11b‥‥上下ヒータ
11a2・11b2‥‥上下プラスチックフィルム案内面
12a・12b‥‥上下絶縁材
13a・13b‥‥上下サーミスタ
14a・14b‥‥上下取付部材
14a1・14b1‥‥上下取付部材凹部
14a2・14b2‥‥上下プラスチックフィルム案内面
15a・15b‥‥バネ
16‥‥板バネ
17‥‥案内路
17a‥‥ヒータ部の案内路
18‥‥アーム
19‥‥支軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状のラミネート対象物をラミネートフィルムでラミネート処理するためのラミネート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ラミネート処理は、ラミネート対象物であるシート状物品をラミネートフィルムであるプラスチックフィルムでコートし、シート状物品の耐久性を向上させたり美観をおこさせたりするものである。例えば、会員証、免許証、身分証明証、メニュー、及びパネル等に使用される。
【0003】
前記プラスチックフィルムには、一方面に熱溶融性の接着剤からなる接着層を有するものが用いられる。このようなプラスチックフィルムでは、シート状物品とともに加熱・圧着することでラミネート処理が行われる。
【0004】
また、前記ラミネート装置には、プラスチックフィルムを加熱する加熱手段と、プラスチックフィルムをシート状物品に圧着させる圧着手段としての圧着ローラとを有するものがある。シート状物品の両面を同時にラミネート処理する場合には、プラスチックフィルムの接着層がシート状物品に対向するようにプラスチックフィルムでシート状物品を挟持し、ラミネート装置に挿入する。
【0005】
前記加熱手段には、加熱部が対向した一対の加熱部材が用いられる。前記一対の加熱部材の間にプラスチックフィルムが挿入されることで、プラスチックフィルムが上面及び下面から加熱される。
【0006】
図6に従来例のラミネート装置の断面図を示す。
【0007】
図6に示すラミネート装置3では、シート状物品2を挟持したプラスチックフィルム1を挿入口部4から挿入し、ヒータ部10でプラスチックフィルム1を加熱しプラスチックフィルム1の接着層を溶融し、圧着ローラ対7a・7bでプラスチックフィルム1をシート状物品2に圧着することで、ラミネート処理を行う。
【0008】
前記装置3では、プラスチックフィルム1は、挿入口部4から挿入され、搬送方向Aに直線的に搬送されながら、案内路(搬送路)17を通って、排出口部5から排出される。
【0009】
上下挿入ガイド8a・8bは、それぞれ前記挿入口部4の上下切り欠き部から装置3の内部へ水平方向に形成され、使用者がプラスチックフィルム1を装置3に挿入するときに、プラスチックフィルム1を送りローラ対6a・6bまで案内する。なお、下挿入ガイド8bは上挿入ガイド8aより長くなっている。
【0010】
前記上下挿入ガイド8a・8bの搬送方向A下流側には、互いに対向するニップ部で搬送方向Aに移動するように回転駆動される送りローラ対6a・6bが配設される。前記送りローラ対6a・6bは、プラスチックフィルム1を搬送方向A下流側のヒータ部(加熱手段)10に送り込む。
【0011】
前記ヒータ部10の搬送方向A下流側には、ヒータ部10で加熱されたプラスチックフィルム1をシート状物品2に圧着しながら搬送方向Aへ搬送する圧着ローラ対7a・7bが配設される。
【0012】
前記圧着ローラ対7a・7bの搬送方向A下流側には、それぞれ前記排出口部5の上下切り欠き部から装置3の内部へと水平方向に形成され、プラスチックフィルム1を圧着ローラ対7a・7bから機外に案内する上下排出ガイド9a・9bが配設される。
【0013】
上記したヒータ部10は、送りローラ対6a・6bと圧着ローラ対7a・7bの間に配設され、案内路17の上方及び下方に、それぞれ上下ヒータ(一対の加熱部材)11a・11b、上下絶縁材12a・12b、上下サーミスタ13a・13b、及び上下取付部材14a・14bを有する。
【0014】
前記ヒータ部10は、シート状物品2を挟んだプラスチックフィルム1が通過しやすく、かつ、プラスチックフィルム1に対して加熱しやすくするため、上下ヒータ11a・11bを所定の空隙(1mm前後)をもって対向させた構造になっている。
【0015】
また、下ヒータ11bはプラスチックフィルム1の下側の面を支持し、上ヒータ11aはプラスチックフィルム1の上側の面を支持するようになっている。前記上下ヒータ11a・11bはそれぞれ上下取付部材14a・14bによって装置3の枠体に取り付けられる。
【0016】
前記上下ヒータ11a・11bは、それぞれ短冊状の平板形状をしており、長手方向(図中奥行方向)においてプラスチックフィルム1の幅より(プラスチックフィルム1の通過方向と交差する方向の長さより)も充分に長く設定されている。
【0017】
また、前記上下ヒータ11a・11bは、それぞれその裏面側を上下絶縁材12a・12bを介して上下取付部材14a・14bの溝状の凹部14a1・b1内に接着等によって固定される。
【0018】
このように、上下ヒータ11a・11bを凹部14a1・14b1内に固定することによって、上下ヒータ11a・11bのプラスチックフィルム1の案内面11a2・11b2と、上下取付部材14a・14bのプラスチックフィルム1の案内面14a2・14b2とを同一面(面一)にして、プラスチックフィルム1が上下ヒータ11a・11bに引っ掛からないようにするとともに、プラスチックフィルム1を上下ヒータ11a・11bに確実に接触あるいは接近させることができる。
【0019】
装置3に電源を投入すると、上下ヒータ11a・11bに電力が供給されて、上下ヒータ11a・11bが所望のラミネート温度に達する。このラミネート温度は上下サーミスタ13a・13bによって検知され、この検知結果に応じて不図示の温度調節回路(温度調節手段)によって上下ヒータ11a・11bへの電力供給をON−OFFする等により、ラミネート温度を常時一定に保つことができる。
【0020】
ヒータ部10において上下ヒータ11a・11bは所定の空隙をもって対向しているが、当然のことながらシート状物品2の厚み及びプラスチックフィルム1の厚みのトータル以上の空隙が必要になる。一方で、プラスチックフィルム1の接着層を完全に溶融するために、上下ヒータ11a・11bをそれぞれプラスチックフィルム1にできるだけ接近させる必要がある。これより、上下ヒータ11a・11bの空隙は1mm程度に設定される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際はヒータ部を構成する各部品の精度のバラツキのために、上下ヒータ間の空隙をヒータ部全域で一定に保持することは非常に困難であった。
【0022】
その結果、空隙が狭くなりすぎると、製品仕様内の厚みであるシート状物品を流した場合においても搬送抵抗が増大してしまい、搬送に悪影響を及ぼしてしまったり、また最悪の場合シート状物品が滞留してしまうことが考えられた。
【0023】
また、逆に空隙が広すぎてしまうと、プラスチックフィルムへの熱容量が不足してしまいラミネートが不完全な部分が発生してしまうという問題があった。
【0024】
従来においては、このような問題点を解決するために、部品精度を厳しく管理したり、また組み付け後、一対のヒータ間の空隙をチェックしていたために余分な工程数が必要であった。
【0025】
本発明の目的は、上記したような問題点を解決するものであり、余分な工程数を要さずに、シート状物品のラミネート処理を安定したより良い品質で行なうことができるとともに、様々な厚みのシート状物品及びラミネートフィルムを用いてもそれぞれ適正にラミネート処理を行なうことができるラミネート装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の構成は、ラミネート対象物を挟持したラミネートフィルムを両面側から加熱する加熱手段と、前記ラミネートフィルムを両面側から加圧し前記ラミネート対象物に圧着する圧着手段とを有し、前記ラミネートフィルムを前記加熱手段と前記圧着手段とに順次に搬送しラミネート処理を行うラミネート装置において、前記加熱手段は、前記ラミネートフィルムの上面側及び下面側をそれぞれ加熱する一対の加熱部材を有し、前記一対の加熱部材の間の距離は、前記ラミネートフィルムの厚みに応じて移動可能であるラミネート装置である。
【0027】
本発明に係る第2の構成は、上記第1の構成において、前記一対の加熱部材の内少なくとも一方の加熱部材は、弾性部材によって他方の加熱部材側に付勢されるラミネート装置である。
【0028】
本発明に係る第3の構成は、上記第2の構成において、前記弾性部材はコイルバネ又は板バネであるラミネート装置である。
【0029】
本発明に係る第4の構成は、上記第1の構成において、前記一対の加熱部材の内少なくとも一方の加熱部材は、支軸を中心に回動するアームによって他方の加熱部材側に付勢されるラミネート装置である。
【0030】
本発明に係る第5の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成において、前記ラミネートフィルムの非通紙時に、前記一対の加熱部材は互いに離間しているラミネート装置である。
【0031】
本発明に係る第6の構成は、上記第1から第4のいずれかの構成において、前記ラミネートフィルムの非通紙時に、前記一対の加熱部材は互いに接触しているラミネート装置である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において本実施の形態の例示が本発明を限定することはない。
【0033】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る第1の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。なお、各図に共通する部材には同一の符号を付し、また、上記した図6と共通する部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0034】
図1は、本第1の実施の形態に係るラミネート装置のヒータ部10の断面図である。
【0035】
図1において、一対の加熱部材である上ヒータ11a及び下ヒータ11bは、ラミネートフィルムとしてのプラスチックフィルム1の搬送方向Aに一定幅を有し、かつ長手方向(図中奥行方向)にプラスチックフィルム1の幅に渡って配置される。
【0036】
下ヒータ11bが支持される下取付部材14bは、下ヒータ11bが上方を向くように装置3の枠体に支持される。また、上ヒータ11aが支持される上取付部材14aは、上ヒータ11aが下方を向き、かつ前記下ヒータ11bと対向するように装置3の枠体にバネ15a・15bを介して支持される。
【0037】
前記上下取付部材14a・14bは、それぞれ搬送方向A中央部に長手方向に沿って凹部14a1・14b1が設けられ、搬送方向A上流側及び下流側が案内面14a2・14b2となる。また、上下取付部材14a・14bの搬送方向A上流側端部及び下流側端部は上方又は下方に折り曲がっている。
【0038】
上下取付部材14a・14bの凹部14a1・14b1にそれぞれ上下ヒータ11a・11bを支持すると、上下取付部材14a・14bの案内面14a2・14b2と上下ヒータ11a・11bの案内面11a2・11b2の高さがほぼ同等となる。
【0039】
また、前記バネ15a・15bには、圧縮コイルバネが用いられる。前記バネ15a・15bは、それぞれ上取付部材14aの搬送方向A上流側部及び下流側部を支持し、上取付部材14aを下方向に付勢する。また、前記バネ15a・15bはヒータ部10の長手方向に適当間隔で複数個配置される。本第1の実施の形態では手前側端部及び奥側端部の2個所に設けられる。
【0040】
上側のヒータ部10の重量は一定であるので、バネ15a・15bの荷重を調整することで、上下ヒータ11a・11bの間の空隙を任意に設定することができる。本第1の実施の形態では該空隙の上下高さがt1となるようにバネ15a・15bの荷重を調整している。
【0041】
このようにバネ15a・15bを調整すると、上下ヒータ11a・11bの間と、上下取付部材14a・14bの間にそれぞれt1の空隙が形成され、プラスチックフィルム1が搬送される案内路17となる。以下の説明では、この空隙部分をヒータ部10の案内路17aと称する。
【0042】
市販されているプラスチックフィルム1の厚みは、一般的に約100μmであり、薄いもので約80μm、厚いもので約150μmのものがある。
【0043】
例えば、0.2mm厚のシート状物品(ラミネート対象物)2を100μmのプラスチックフィルムで挟持しラミネート処理をしようとすると、トータルの厚みは0.2mm+100μm(0.1mm)×2=0.4mmとなる。
【0044】
したがって、一般的なシート状物品2及びプラスチックフィルム1に対しては、案内路17aの高さt1を0.4mmとすれば、最適なラミネート処理が施される。
【0045】
このような場合では、上取付部材14aはバネ15a・15bの弾性で上方に移行可能なため、案内路17aの高さt1に多少の誤差があってもプラスチックフィルム1を搬送することができ、さらには、上下取付部材14a・14bの位置調整を従来例ほど精密に行わなくてもよい。
【0046】
一方、厚紙等のシート状物品2を150μmのプラスチックフィルム1で挟持しラミネート処理をするときには、トータル厚みが0.4mmを超え、図2に示すように、トータル厚みが案内路17aの高さt1より厚くなる場合がある。
【0047】
このような場合、本第1の実施の形態によれば、プラスチックフィルム1が搬送されて案内路17aに到達すると、プラスチックフィルム1の先端部は、下面を下取付部材14bに支えられながら、上面で上取付部材14aを押し上げ、上下取付部材14a・14bに挟み込まれる。このとき、上取付部材14aは、バネ15a・15bにより下方に付勢され、プラスチックフィルム1を下取付部材14bに押し付けるため、プラスチックフィルム1の上面及び下面は、それぞれ上下取付部材14a・14bに接触された状態となる。
【0048】
さらにプラスチックフィルム1が搬送されると、図3に示すように、プラスチックフィルム1の上面及び下面がそれぞれ上下ヒータ11a・11bによって接触された状態となる。これにより、プラスチックフィルム1は良好に加熱される。
【0049】
そして、プラスチックフィルム1の後端部が上下取付部材11a・11bの搬送方向A下流側端部を通過すると、上取付部材11bはバネ15a・15bの付勢により下方に移行して、案内路17aの高さが再度t1となる。
【0050】
なお、前記バネ15a・15bの荷重は、プラスチックフィルム1が案内路17aに挿入されるときに上取付部材14aが上方に押し上げられるように調整され、かつ、プラスチックフィルム1が案内路17aを搬送されるときに上下取付部材14a・14bと上下ヒータ11a・11bとのそれぞれの摩擦抵抗に抗ってプラスチックフィルム1が搬送されるように調整されている。また、このような摩擦抵抗を低減するために、上下取付部材14a・14bと上下ヒータ11a・11bとをそれぞれ表面粗さが低減するように表面処理してもよい。
【0051】
また、前記バネ15a・15bの荷重は互いに等しく調整されているため、上ヒータ11a面はプラスチックフィルム1を全面に渡り均等に加熱することができ、良好なラミネート処理を行なうことができる。
【0052】
また、上記した上下取付部材14a・14bは、それぞれ搬送方向A上流側端部及び下流側端部が案内路17aから遠ざかる方向に折り曲げられているため、厚手のプラスチックフィルム1等でもスムースに案内路17aに挿入することができる。
【0053】
また、上記した構成では、案内路17aの高さt1を0.4mmに設定しているため、シート状物品2がヒータ部10を通過するときに、上ヒータ11aを上方に押し上げる力が小さくてすみ、シート状物品2の搬送抵抗が低減する。
【0054】
また、案内路17aの高さt1は、上記した構成では0.4mmと設定したが、この数値に限定されることはなく、ラミネート装置の用途等に応じて所定値に設定してもよい。例えば、t1を0、すなわち上下ヒータ11a・11bを接触させておく構成にすると、上下ヒータ11a・11bの加熱効率が向上したり、シート状物品2の加熱が確実に行われる。このような構成の場合は、厚みのあるシート状物品2を挟持したプラスチックフィルム1を案内路17aに搬送するときに、プラスチックフィルム1と案内路17aの内周面との摩擦抵抗がより増大するので、不図示のプラスチックフィルム搬送手段の駆動用モータのトルクを増大させて対応させるとよい。
【0055】
また、上記した構成では、上取付部材14a側を移動可能としているが、下取付部材14b側にバネ15a・15bを固定して移動可能とすることもできる。さらには、上下取付部材14a・14bにそれぞれバネ部材を設けてもよい。
【0056】
このように、本第1の実施の形態によれば、ヒータ部10の案内路17aの高さt1を調整するために部品寸法や組立ての精度を従来ほど高くすることなく、また、組立ててから該高さt1の検査を行なうことなく、上下ヒータ11a・11bによるプラスチックフィルム1の加熱を適性に行なうことができ、かつ、ヒータ部10でのジャムを低減することができる。
【0057】
また、前記高さt1を通常の厚みのシート状物品2及びラミネートフィルム1に適応させて調整させても、それ以上の厚みのものにもラミネート処理をすることができるため、装置3の用途が広がる。
【0058】
上記した構成のラミネート装置3によれば、装置3組立ての際の工程数を抑えながら、様々な厚みのシート状物品2及びラミネートフィルム1に対応して、安定して良質なラミネート処理を行なうことができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る第2の実施の形態について図4を用いて説明する。なお、前出した各図に共通する部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0060】
図4は、本第2の実施の形態に係るラミネート装置3のヒータ部10の断面図である。
【0061】
図4に示す構成は上記した第1の実施の形態とほぼ同様であるが、上取付部材14aが板バネ16を介して装置3に支持されていることに特徴がある。
【0062】
前記板バネ16は、板面を水平にして、搬送方向A下流側端部を上取付部材14aに、搬送方向A上流側端部を装置3の枠体に固定され、上取付部材14aを下方に付勢する。
【0063】
また、前記板バネ16は、ヒータ部10の長手方向に適当間隔で複数個配置される。本第2の実施の形態では、ヒータ部10は搬送方向A上流側の送りローラ対6a・6bより長手方向(図中奥行方向)に長く設置され、前記板バネ16はヒータ部10の長手方向手前側端部と奥側端部に配置される。
【0064】
本第2の実施の形態では、ヒータ部10の案内路17aの高さt2が0となるように前記板バネ16の荷重が調整される。なお、前記高さt2は上記した第1の実施の形態のように所定の数値としてもよい。
【0065】
また、ラミネートフィルム1が案内路17aに挿入されるときに、上取付部材14aがラミネートフィルム1の高さ分上方に押し上げられるとともに上取付部材14aが下方に付勢され、かつラミネートフィルム1が上取付部材14aによる付勢に抗って搬送されるように、板バネ16の荷重は調整されている。
【0066】
また、上取付部材14aは、板バネ16の腕の長さL2(図4に示す)が長いほど、上下方向の動作がより鉛直方向に近づき、プラスチックフィルム1を全面に渡って均等に押し付けることができるようになる。そのため、装置3の枠体や内部部品の構成に応じて前記長さL2を可能な限り長くするとよい。
【0067】
このように、本第2の実施の形態によれば、上記した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、上取付部材14aに付勢手段を設置するスペースが少ないとき、特に上取付部材14aと上方の装置3の枠体との間が狭い場合に有効である。
【0068】
(第3の実施の形態)
以下、本発明に係る第3の実施の形態について図5を用いて説明する。なお、前出した各図に共通する部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0069】
図5は、本第3の実施の形態に係るラミネート装置3のヒータ部10の断面図である。
【0070】
図5に示す構成は上記した第1の実施の形態とほぼ同様であるが、上取付部材14aがアーム18を介して装置3に支持されていることに特徴がある。
【0071】
前記アーム18は、搬送方向A下流側端部を上取付部材14aに固定され、搬送方向A上流側端部を装置3の枠体に固定された支軸19に回動自在に支持される。
【0072】
また、前記アーム18は、ヒータ部10の長手方向に適当間隔で複数個配置される。本第3の実施の形態では、ヒータ部10は搬送方向A上流側の送りローラ対6a・6bより長手方向(図中奥行方向)に長く設置され、前記アーム18はヒータ部10の長手方向手前側端部と奥側端部に配置される。
【0073】
また、前記支軸19の上下方向位置は、アーム18を水平にしたときにヒータ部10の案内路17aの高さt3が0となるように調整される。
【0074】
前記アーム18は、アーム18及び上取付部材14aの自重によって、上取付部材14aが下方に付勢されるように支軸19に支持される。
【0075】
また、ヒータ部10の案内路17aにプラスチックフィルム1が挿入されるときには、プラスチックフィルム1が上取付部材14aを押し上げるように、かつ上取付部材14aの付勢に抗ってプラスチックフィルム1が搬送されるように、アーム18及び支軸19は構成されている。
【0076】
なお、上下ヒータ11a・11bに余分な付加を与えないために、ストッパーを設けて前記アーム18が水平方向より下方に移行しないようにしてもよい。また、アーム18を図中時計回り方向に付勢するバネを支軸19に設けたり、アーム18の回動を制御する制御手段を設けたりして、上取付部材14aの下方への付勢を調整することができる。このような構成では、案内路17aの高さt3を上記した第1の実施の形態のように所定の数値としてもよい。
【0077】
また、上取付部材14aは、アーム18の腕の長さL3(図5に示す)が長いほど、上下方向の動作がより鉛直方向に近づき、プラスチックフィルム1を全面に渡って均等に押し付けることができるようになる。そのため、装置3の枠体や内部部品の構成に応じて前記長さL3を可能な限り長くするとよい。
【0078】
このように、本第3の実施の形態によれば、上記した第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、アーム18及び上ヒータ11aの重量が下ヒータ11bに対する押圧力になるため、安定した押圧力が確保でき、ラミネート処理を良好に行うことができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡便な組立てで、様々な厚みのラミネート対象物及びラミネートフィルムに応じて適性にラミネート処理を行なうことができ、また、ラミネート品質を安定させ、ラミネート対象物のヒータ部での滞留を防止するラミネート装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図であり、厚いシート状物品の挿入前の図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図であり、厚いシート状物品の搬送中の図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るラミネート装置におけるヒータ部の断面図である。
【図6】従来例のラミネート装置の断面図である。
【符号の説明】
1‥‥プラスチックフィルム
2‥‥シート状物品
3‥‥ラミネート装置本体
4‥‥挿入口部
5‥‥排出口部
6a・6b‥‥送りローラ対
7a・7b‥‥圧着ローラ対
8a・8b‥‥上下挿入ガイド
9a・9b‥‥上下排出ガイド
10‥‥ヒータ部(加熱部)
11a・11b‥‥上下ヒータ
11a2・11b2‥‥上下プラスチックフィルム案内面
12a・12b‥‥上下絶縁材
13a・13b‥‥上下サーミスタ
14a・14b‥‥上下取付部材
14a1・14b1‥‥上下取付部材凹部
14a2・14b2‥‥上下プラスチックフィルム案内面
15a・15b‥‥バネ
16‥‥板バネ
17‥‥案内路
17a‥‥ヒータ部の案内路
18‥‥アーム
19‥‥支軸
Claims (6)
- ラミネート対象物を挟持したラミネートフィルムを両面側から加熱する加熱手段と、前記ラミネートフィルムを両面側から加圧し前記ラミネート対象物に圧着する圧着手段とを有し、前記ラミネートフィルムを前記加熱手段と前記圧着手段とに順次に搬送しラミネート処理を行うラミネート装置において、前記加熱手段は、前記ラミネートフィルムの上面側及び下面側をそれぞれ加熱する一対の加熱部材を有し、前記一対の加熱部材の間の距離は、前記ラミネートフィルムの厚みに応じて移動可能であることを特徴とするラミネート装置。
- 前記一対の加熱部材の内少なくとも一方の加熱部材は、弾性部材によって他方の加熱部材側に付勢されることを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
- 前記弾性部材はコイルバネ又は板バネであることを特徴とする請求項2に記載のラミネート装置。
- 前記一対の加熱部材の内少なくとも一方の加熱部材は、支軸を中心に回動するアームによって他方の加熱部材側に付勢されることを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
- 前記ラミネートフィルムの非通紙時に、前記一対の加熱部材は互いに離間していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のラミネート装置。
- 前記ラミネートフィルムの非通紙時に、前記一対の加熱部材は互いに接触していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のラミネート装置。
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Cited By (4)
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JP2008147255A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Nisshinbo Ind Inc | 太陽電池モジュールのラミネート装置。 |
JP2009039960A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Hitachi Aic Inc | 平板ラミネート装置 |
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- 2002-07-08 JP JP2002198847A patent/JP2004034665A/ja active Pending
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20090731 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |