JP2004034456A - インクジェット記録用シート及びその成形加工品 - Google Patents

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Hiromine Yamamoto
山本 寛峰
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Abstract

【課題】従来のインクジェット記録用シートの基本的な特性を有しながら、成形加工を施してもひび割れが発生せず、したがって画像濃度の低下をきたさない、優れたインクジェット記録用シートを提供すること。
【解決手段】基材とインク受理層とからなるインクジェット記録用シートにおいて、基材を成形加工可能な熱可塑性プラスチックフィルムとし、インク受理層を炭酸カルシウムを含む填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤を含有する層、又は、填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤と可塑剤を含有する層とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録用シートに関し、さらに詳しくは、基材とインク受理層とからなり、特に成形加工に適したインクジェット記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
成形加工が可能なプラスチックフィルムや合成紙に、シルクスクリーン印刷やオフセット印刷を施し、その絵柄に合わせた形状の型を作成して成形加工を施すことが行われている。通常は、裏面(印刷していない面)に凸型を押付け、印刷面から見ると絵柄の一部がレリーフ状に盛り上がった形状となる。したがって成形加工品は訴求力が強いものとなるので、成形加工品の用途としては、立体的なポスターや、店内に飾って商品を宣伝するPOP広告物などに用いられている。また、その他には各種の内装やパネル類、家具の表装などの用途に適用できる。
【0003】
ここで言う成形加工とは、熱可塑性があるシート状物を加熱して柔軟化し、型に押付けて形を作った後に冷却固化する成形法である。これは、サーモフォーミングと称されることもある。このうち、代表的なものとして、型に押付ける力として空気の減圧を使う方法、すなわち、シートなどを型に吸引する方法があり、これは真空成形と称される。また、型に押付ける力に圧縮空気を使う方法もあり、これは圧空成形と称される。真空成形と圧空成形を複合させた方法もある。
【0004】
而して、上記用途だけでなく、オリジナルデザインのものや作製部数が少数のもの、適宜可変情報を盛り込みつつ作製頻度が高いものに有用な、簡便な印刷方式であるインクジェット記録方式に対応できる、成形加工が可能な基材にインク受理層を設けたインクジェット記録用シートが求められている。この成形加工が可能な基材にインク受理層を設けたインクジェット記録用シートは、通常、記録用シートにインクジェット記録方式で印画した後に特定の形状に成形加工されるものである。
従来、上記用途の中でも美観が問われないようなサンプル品程度のものを得る、単に成形加工するためのインクジェット記録用シートが存在し、例えば、特開2001−247694に開示されている。
しかしながら従来の成形加工が可能な基材にインク受理層を設けたインクジェット記録用シートにおいて、このインク受理層は、通常、填料と結着剤から形成されるが、従来のインク受理層は、美観が求められるあるいは複雑な形状の上記用途の成形品を得ようとして成形加工を施すと、ひび割れが生じる恐れがある。ひび割れが生じると、ひび割れ自体が目立って外観を損なうことになる。また、目立たない様な微細なひび割れも生じるが、この場合でもひび割れが生じた部分では画像の濃度が低下するという問題が発生する。即ち、画像濃度は、成形加工時の引き伸ばしにより低下するばかりでなく、この微細なひび割れに因ってよりいっそう低下する結果となる。
この為、従来の成形加工が可能な基材にインク受理層を設けたインクジェット記録用シートは、生じたひび割れを隠して成形品の一部を見せる、あるいは美観が問われないようなサンプル品程度には使用できても、美観が求められるあるいは複雑な形状の上記用途に用いることはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況で、インクジェット記録方式に対応できる基本的な特性を有しながら、成形加工を施してもひび割れが発生せず、したがって画像濃度の低下をきたさない、そして美観が求められるあるいは複雑な形状の成形加工品を得ることができるインクジェット記録用シートを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究の結果、インク受理層の結着剤として特定の100%モジュラスの樹脂を用いると共に、填料として炭酸カルシウムを含む填料を使用するか、又は填料と可塑剤を使用することにより、成形加工時のひび割れを防止させ得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基いて完成されたものである。
【0007】
即ち、本発明は、
(1)基材とインク受理層とからなり、基材が成形加工可能な熱可塑性プラスチックフィルムであり、インク受理層が炭酸カルシウムを含む填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート(以下「第1の発明」という。)
及び
(2)基材とインク受理層とからなり、基材が成形加工可能な熱可塑性プラスチックフィルムであり、インク受理層が填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤と可塑剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート(以下「第2の発明」という。)
である。(以下「第1の発明」及び「第2の発明」を併せて、「本発明」という。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録用シートは、成形加工が可能な熱可塑性のプラスチックフィルムからなる基材の少なくとも一方の面に、インク受理層を有するものである。
ここで、成形加工が可能であるとは、成形加工を施すことにより、シート状物を所望の形状に形成することが可能であるということである。加熱時の温度及び時間、加える圧力などの諸条件を調整することにより、シート状物を破らず且つ離型後も型の形が残るように加工できることを意味する。
【0009】
このような、成形加工が可能な熱可塑性のプラスチックフィルムの素材としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、酢酸セルロース類などが使用し得る。さらに、上記の2種以上の樹脂を混合したものであっても良い。特に、加工が容易である点等から、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂が好適である。
【0010】
当然のことながら、プラスチックフィルムは、熱可塑性樹脂以外に各種の添加剤、無機粉末、有機ピグメント等を含有していてもよい。また、生分解性プラスチックや、発泡プラスチックでもよい。また、合成紙と称されるものもここで言うプラスチックフィルムに含まれる。
成形加工が可能であれば、単層構造でも多層構造でもよい。多層構造を形成する方法としては、例えば接着剤を介して層同志を貼り合せる方法、複数の押し出し機から複数の原料を押し出し合流させて製膜するいわゆる共押出方法、フィルムの上に押出機から直接フィルムを押し出しながら貼り合わせて積層するいわゆる押し出しラミネート方法など、公知の各種の方法を用いることができる。
【0011】
インク受理層等との密着性や濡れ性を向上させるなどの目的で、所望により、基材の片面または両面に、酸化法や凹凸法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、熱風処理、などが挙げられ、また、凹凸法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から好ましく用いられる。また、易接着処理を施すこともできる。
【0012】
本発明においては、前記基材の少なくとも一方の面に設けられるインク受理層は、第1の発明の場合は、炭酸カルシウムを含む填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤を含有する層であり、第2の発明の場合は、填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤と可塑剤を含有する層である。
ここで言う100%モジュラスは、試験片(試験片作成条件:120℃×1hr、膜厚:0.1〜0.2mm、形状:ダンベル2号)を引張り試験機で500mm/minのスピードで100%伸ばした時点の応力であり、JIS K 6251−1993に準拠したものである。
【0013】
本発明においては、インク受理層の結着剤として、100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂を用いる。この値が0.1未満の値のものであると、インク受理層の耐擦過性が低下する。特に、印画部の耐擦過性や水を含んだ状態での耐擦過性が大きく低下する。一方、40MPaを超える値のものであると、成形加工を施した際にインク受理層にひび割れが生じやすい。100%モジュラスのより好ましい範囲は、0.5〜20MPaである。
【0014】
かかる条件を満たす結着剤として使用し得る物質としては、ウレタン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、アクリル、塩素化ポリプロピレン及びバーサチック酸ビニル並びにこれらの共重合物、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、などが挙げられる。特に、ウレタンの共重合物、アクリルの共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ゴム系の共重合物は、100%モジュラスの値が小さいものを得やすいので好適である。中でも無黄変型カチオン性ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
これらの結着剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂のみを用いればよいが、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、他の結着剤を混合して用いても良い。
【0015】
更にまた、結着剤は、前記100%モジュラスの測定の場合と同じ試験片についてJIS K 6251−1993に準拠して測定した伸びが、300〜2000%であるものが好ましく、300%未満では成形加工を施した際にインク受理層にひび割れが生じやすく、2000%を超えるとインク受理層の耐擦過性が低下しやすい。特に成形加工後の耐擦過性が低下しやすい。より好ましい伸びの範囲は、500〜1500%である。
インク受理層中の結着剤の含有量は、30〜45重量%、特に35〜40重量%が好ましい。結着剤の含有量がこの範囲より少ないと、インク受理層の強度が低下しやすくなり、逆に、この範囲より多いと、インク吸収性が低下しやすくなる。
【0016】
第1の発明においては、インク受理層に使用する填料として、炭酸カルシウムを含む填料を使用する。ここで、「炭酸カルシウムを含む填料」は、炭酸カルシウムのみからなる填料及び炭酸カルシウムと他の填料との混合物を意味する。
炭酸カルシウムとしては、アラゴナイト質のものが、インク吸収性を向上させるので好適である。
また炭酸カルシウムと混合して使用する「他の填料」としては、有機、無機の制限はなく、シリカ、タルク、クレー、けいそう土、水酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリメタクリレート、酸化チタン、焼成カオリン、含水マグネシウムシリケートなどが挙げられるが、特にインク吸収性、乾燥性に優れることからシリカが好ましく、更に、強度に優れた塗工層を得るのには、ゲル法で製造されたシリカが好ましい。これらの填料は、一種または二種以上を炭酸カルシウムと混合して用いてもよい。但し、填料中の炭酸カルシウムの含有率を20重量%以上とするのが好ましい。
【0017】
第2の発明においては、インク受理層は、填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤と可塑剤を含有するものであるが、使用する填料として、特に制限はなく、炭酸カルシウム及び前記の「他の填料」として例示した填料の一種または二種以上を使用することができる。特にインク吸収性、乾燥性に優れることからシリカが好ましく、更に、強度に優れた塗工層を得るのには、ゲル法で製造されたシリカが好ましい。また、炭酸カルシウムを含む填料も、可塑剤添加による成形加工性を更に向上させるので、好ましい。
【0018】
インク受理層中の填料の含有量は、第1、第2何れの発明の場合においても、40〜60重量%、特に43〜50重量%が好ましい。填料の含有量がこの範囲より少ないと、インク吸収性及び成形加工後の画像濃度が低下しやすくなり、逆に、この範囲より多いと、インク受理層の強度が低下しやすくなる。
【0019】
第2の発明においてインク受理層に含有させる可塑剤は、特に制限はなく、グリコール類、グリセリン、リン酸エステル類、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エステル、エーテルエステル系のものなどを挙げることができる。これらの中で、本発明の効果を向上させる点では、エーテルエステル系のものが好適である。
可塑剤の添加量としては、可塑剤と結着剤とを合わせた固形分中の可塑剤の固形分含有率が5〜30重量%となる範囲が好ましく、5重量%未満では成形加工時にひび割れが生じやすくなり、30重量%を超えるとインク吸収性が低下しやすい。より好ましい範囲は、10〜25重量%である。
【0020】
インク受理層には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、防腐剤、顔料分散剤、増粘剤などの各種添加剤や、発色を向上させる水溶性アルミニウム塩、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの付加重合物、ジシアンジアミド等の水溶性カチオン性物質や成形時の型離れ性を向上させたりブロッキングを防止する粒状の滑剤を含有させることができる。
インク受理層の厚さは、20〜45μm、特に25〜35μmの範囲が好ましい。この範囲より薄いと、インク吸収性、乾燥性が悪化しやすくなり、逆に、この範囲より厚いと、成形加工によりひび割れが発生しやすくなる。
【0021】
第1、第2何れの発明の場合においても、填料の平均粒子径等に関して次の何れかの条件を満たすような調整を行うと、成形加工後の画像濃度低下がより一層抑制され好ましい。
(1)インク受理層の厚みが25〜35μmであり、且つインク受理層が、コールターカウンター法による平均粒子径が2〜6μmである填料をインク受理層の全固形分中、30〜50重量%含有する。
(2)填料のレーザー法によって測定したモード径をrとし、インク受理層の厚みをtとしたときに、0.1t≦r≦0.3tの関係式を満たす。
【0022】
第1の発明の場合の、炭酸カルシウムを含む填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤を含有する層及び第2の発明の場合の、填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤と可塑剤を含有する層(以下、これらの層を「特定インク受理層」ということがある。)は、基材の片面に一層以上設けてもよく、用途に応じ基材の両面に各々一層以上設けてもよい。
【0023】
本発明のインクジェット記録用シートには、本発明の目的が損なわれない範囲で、特定インク受理層以外の層を設けてもよい。
例えば、基材とインク受理層との密着力を向上する為に、アンカーコート層を設けてもよく、紫外線による劣化を防止するために、紫外線吸収層を設けてもよい。又、遮蔽性を向上させる目的で、不透明性が高い層を設けても良い。
アンカーコート層に関しては、単に密着力の強化のみが目的の場合、成形加工時のアンカーコート層のひび割れを防止する為に、結着剤のみで形成することが好ましい。また、密着力の強化のみならず、インク吸収性や不透明度の向上をも目的とする場合は、填料を混合する必要があるが、その場合、結着剤としてはガラス転移温度Tgが40℃以下の樹脂を用いることが好ましい。
【0024】
インク受理層、アンカーコート等の層は、必要な構成成分を適当な溶媒に溶解又は分散させた塗工液を、リバースロールコート、エアナイフコート、グラビアコート、ブレードコートなどの公知の方法により塗工・乾燥することにより形成することができる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、インクジェット記録用シートの性能は、以下に示す要領に従って評価した。また、印画は、セイコーエプソン社製の水性インク(顔料タイプ)用のインクジェットプリンター(機種名:MC9000)で、純正の顔料タイプのインクを使用して行った。
【0026】
(1)引き伸ばされた際のひび割れ
シートを成形加工して53%伸ばしたときの塗工層の割れ(目立つ大きさのもの)を目視で観察し、下記の判定基準で評価した。
○:割れていない
△:割れているが、実用上支障なし
×:割れが多く、実用上支障あり
【0027】
(2)引き伸ばされた際の画像濃度低下率
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの混色をベタ印画したシートを成形加工して53%伸ばした時の画像の反射濃度を、マクベス濃度計RD−918を用いて測定し、下記の式により、算出した。
濃度低下率(%)=〔(伸長前濃度−伸長後濃度)/伸長前濃度〕×100
(3)成形加工品の外観
シートに写真撮影したバナナの画像を実物大に印画し、同じバナナをレリーフ上に浮き彫りした半立体状の型と真空成形機を用いてこれらシートを成形加工して、得られた成形加工品の外観を下記の判定基準で評価した。
◎:ひび割れと画像濃度の低下が殆どなく、展示広告物として好適である
○:ひび割れと画像濃度の低下が少しあるが、展示広告物として充分使用できるレベルである
×:ひび割れや画像濃度の低下がやや目立ち、展示広告物として好ましくない
【0028】
(4)インク吸収性
シートに白抜き文字にじみパターン(インク射出量170%)をレッド(マゼンタとイエローの混色)とグリーン(シアンとイエローの混色)の2パターン印画した後、印画部を軽く擦り、インクが白紙部に移行しなくなるまでの時間を測定し、下記の判定基準で評価した。
○:1分未満
△:1分以上3分未満
×:3分以上
【0029】
(5)にじみ
シートに白抜き文字にじみパターン(インク射出量170%)をレッド(マゼンタとイエローの混色)とグリーン(シアンとイエローの混色)の2パターン印画し、にじみを目視で観察し、下記の判定基準で評価した。
○:にじみなし
△:にじみが発生したが、実用上支障なし
×:にじみの発生が多く、実用上支障あり
【0030】
実施例1
基材として、厚さ150μmの塩化ビニルフィルム〔リケンテクノス社製、Fc1312/PSA(38)〕を用いた。
アンカーコート層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(a) アクリル樹脂〔BASFディスパージョン製、商品名:アクロナールYJ−6221D、固形分濃度:49重量%、ガラス転移温度Tg:26℃〕60重量部
(b) 炭酸カルシウム〔白石中央研究所製、商品名:カルライトSA、固形分濃度:100重量%、アラゴナイト質〕10重量部
【0031】
インク受理層用塗工液として、次の成分の均一混合物を用いた。
(1) シリカ(填料)〔富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア440、固形分濃度:100重量%、コールターカウンター法平均粒子径:3.5μm〕12.02重量部
(2) 炭酸カルシウム(填料)〔丸尾カルシウム社製、商品名:軽質炭酸カルシウム、固形分濃度:100重量%、カルサイト質〕20.03重量部
(3) ウレタン(結着剤)〔旭電化工業社製、商品名:UX−159−10、無黄変カチオン性ポリウレタン樹脂、固形分濃度:30.80重量%、100%モジュラス:5.2MPa、伸び:550%〕88.79重量部
(4) ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの付加重合物(カチオン化剤)〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスRE、固形分濃度:40重量%〕24.32重量部
(5)水44.20重量部
【0032】
基材上に、アンカーコート用塗工液を塗工して、厚さ3μm(乾燥後)のアンカーコート層を形成し、その上にインク受理層形成用塗工液を塗工して、厚さ30μm(乾燥後)の層を形成することにより、インクジェット記録用シートを作製した。
【0033】
実施例2
インク受理層用塗工液として次の成分の均一混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
(1) シリカ(填料)〔富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア440、固形分濃度:100重量%、コールターカウンター法平均粒子径:3.5μm〕24.58重量部
(2)ウレタン(結着剤)〔旭電化工業社製、商品名:UX−159−10、無黄変カチオン性ポリウレタン樹脂、固形分濃度:30.80重量%、100%モジュラス:5.2MPa、伸び:550%〕86.23重量部
(3)エーテルエステル系可塑剤〔旭電化工業社製、商品名:アデカサイザーRS700、固形分濃度:100重量%〕4.53重量部
(4)ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの付加重合物(カチオン化剤)〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスRE、固形分濃度:40重量%〕21.52重量部
(5)水42.52重量部
【0034】
実施例3
インク受理層用塗工液における炭酸カルシウム(填料)を、炭酸カルシウム(填料)〔白石中央研究所社製、商品名:カルライトSA、固形分濃度:100重量%、アラゴナイト質〕20.03重量部に代えた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
【0035】
実施例4
インク受理層用塗工液として次の成分の均一混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
(1) シリカ(填料)〔富士シリシア化学社製、商品名:サイリシア440、固形分濃度:100重量%、コールターカウンター法平均粒子径:3.5μm〕12.28重量部
(2) 炭酸カルシウム(填料)〔白石中央研究所社製、商品名:カルライトSA、固形分濃度:100重量%、アラゴナイト質〕20.48重量部
(3)ウレタン(結着剤)〔旭電化工業社製、商品名:UX−159−10、無黄変カチオン性ポリウレタン樹脂、固形分濃度:30.80重量%、100%モジュラス:5.2MPa、伸び:550%〕86.23重量部
(4)エーテルエステル系可塑剤〔旭電化工業社製、商品名:アデカサイザーRS700、固形分濃度:100重量%〕4.53重量部
(5)ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの付加重合物(カチオン化剤)〔日華化学社製、商品名:ネオフィックスRE、固形分濃度:40重量%〕21.52重量部
(6)水52.52重量部
【0036】
比較例1
インク受理層用塗工液において、炭酸カルシウム(填料)を配合しない代りにシリカ(填料)の使用量を32.05重量部に増やした以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録用シートを作製した。
【0037】
上記実施例1〜4及び比較例1で得られたインクジェット記録用シートそれぞれについて、(1)成形加工して引き伸ばされた際のひび割れ、(2)成形加工して引き伸ばされた際の画像濃度低下率、(3)成形加工品の外観、(4)インク吸収性、及び(5)にじみを評価し、その結果を第1表に示す。
【0038】
【表1】
Figure 2004034456
【0039】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録用シートは、インクジェット記録用シートとしての基本的な特性を有しながら、成形加工を施してもひび割れが発生せず、したがって画像濃度の低下をきたさない、優れたものである。

Claims (9)

  1. 基材とインク受理層とからなり、基材が成形加工可能な熱可塑性プラスチックフィルムであり、インク受理層が炭酸カルシウムを含む填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤とを含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 基材とインク受理層とからなり、基材が成形加工可能な熱可塑性プラスチックフィルムであり、インク受理層が填料と100%モジュラスが0.1〜40MPaの範囲である樹脂からなる結着剤と可塑剤とを含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
  3. インク受理層中の可塑剤の含有量が、結着剤と可塑剤とを合わせた固形分中の含有率として5〜30重量%となる量である請求項2に記載のインクジェット記録用シート。
  4. インク受理層中の填量が炭酸カルシウムとシリカとからなるものである請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  5. インク受理層中の填量が炭酸カルシウムを20重量%以上含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  6. インク受理層中の填量の含有量が40〜60重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  7. インク受理層中の結着剤の含有量が30〜45重量%である請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  8. 結着剤が、300〜2000%の伸びを有するものである請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用シートを用いて製造された成形加工品。
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