JP2004034109A - 高温鋼材の冷却方法と冷却装置および熱間圧延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)鋼板上面における冷却水の衝突圧力がノズル孔直下で4.9kPa以上になるようにヘッダ内の冷却水をノズル孔から吐出させる冷却方法。(2)上部ヘッダのノズル孔の内径d(mm)と孔長さL(mm)との関係が下記(1)式を満たす冷却装置。ノズル孔の数Nは下記(2)式を満たすことが好ましい。(3)Ar3変態点より高い温度で仕上げた後、「Ar3変態点−50」℃より高い温度域から冷却を開始し、600℃以下まで5℃/秒以上の冷却速度で冷却するに際し、その上面を上記(1)の方法により冷却する熱間圧延鋼板の製造方法。
L≧0.404d2 ・・・・・・・・(1)
N≧14400/(3.14×)d2 ・・・・(2)
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温の鋼材、より詳しくは熱間圧延後の鋼板などの高温鋼材の上面冷却方法とこの方法に使用して好適な冷却装置およびその上面冷却方法を用いた熱間圧延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼材の製造プロセスにおいては、熱間圧延直後の鋼材に強制冷却を施して所望の特性を付与する場合が多い。
【0003】
オンラインでの強制冷却は、ライン上に配置された強制冷却装置内に鋼材を通し、その表面に冷却水を供給するのが一般的である。
【0004】
この強制冷却は、高性能かつ高品質な鋼板、具体的には厚鋼板を製造する際に適用される場合が多く、そのための強制冷却装置、特に鋼板の上面側に配置される上部ヘッダとしては、高い冷却能を有するものであることが要求される。
【0005】
図1は、厚鋼板の強制冷却に多用されている従来の上部ヘッダの一例とその設置態様を示す一部透視の斜視図である。図に示すように、従来の上部ヘッダ1は、全体として扁平な矩形状の箱体で、鋼板2の上面と対向する面の板材3に多数のノズル孔4が直接穿設されている。
【0006】
多数のノズル孔4は、例えば、図2に示すように、正三角形の各頂点、言い換えれば各孔の中心点間の距離が相互に等しくなるように千鳥状に配置されている。これは、正四角形の各頂点に位置するように千鳥状に配置するなどの他の配置に比べ、各ノズル孔4から吐出した冷却水が鋼板の上面上で同心円状に広がって相互に接触した時点における冷却水の不存在領域5を最も小さくでき、より均一な冷却が可能になるからである。
【0007】
ノズル孔4の内径dは2〜10mm程度とされる。また、上部ヘッダ1は、通常、その板材3の下面と鋼板2の上面との間隔H(後述する図4参照)が1m以内となる位置に設置される。さらに、ヘッダ内の内圧は5〜25kPa程度、ヘッダからの冷却水の供給量は2〜10m3/分程度とされる。
【0008】
なお、図1中の6は搬送ローラ、7は拘束ローラである。拘束ローラ7は、鋼板2の長手方向に複数配置される各上部ヘッダ1から供給される冷却水の相互干渉を防止する役目を担う。
【0009】
以上に説明したような上部ヘッダ1による鋼板の上面の強制冷却においては、幅方向の両縁にしか冷却水の逃げ場なく、供給された冷却水の大半が両縁から流れ落ちるために両縁部が過冷却される。
【0010】
両縁部の過冷却は、例えば、特開平7−150229号公報や同12−237815号公報に示されるように、両縁部の上方に遮蔽板を設けることにより防ぐことができる。
【0011】
しかし、遮蔽板を用いた場合、供給された冷却水が幅方向の中央部に溜まやすく、特に上記従来の上部ヘッダ1の場合にはその傾向が著しく、冷却能が不足して所望の製品が安定して製造できないという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実状に鑑みなされたもので、第1の目的は幅方向の中央部に冷却水が滞留する場合でも必要な冷却能を確保することができる高温鋼材の冷却方法を提供することにある。また、第2の目的は第1の目的を達成するのに使用して好適な安価な高温鋼材の冷却装置を提供することにある。さらに、第3の目的は所望の製品を安定して製造することができる熱間圧延鋼板の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)の高温鋼材の上面冷却方法、下記(2)〜(5)の高温鋼材の上面冷却装置、および下記(6)の熱間圧延鋼板の製造方法にある。
【0014】
(1)冷却すべき高温鋼材の上面に対向する面に複数のノズル孔が穿設された上部ヘッダを冷却すべき高温鋼材の上面から1m以内の位置に配置し、ヘッダ内の冷却水をノズル孔から吐出させて鋼材の上面冷却を行うに際し、鋼材の上面における冷却水の衝突圧力がノズル孔の直下で4.9kPa以上になるようにヘッダ内の冷却水をノズル孔から吐出させる高温鋼材の冷却方法。
【0015】
(2)上記(1)に記載の高温鋼材の冷却方法の実施に使用する冷却装置であり、上部ヘッダのノズル孔の内径d(mm)と孔長さL(mm)との関係が下記の(1)式を満たす高温鋼材の冷却装置。
【0016】
L≧0.404×d2 ・・・・・(1)
ただし、d=1.5〜8.0mmとする。
【0017】
(3)1m2当たりのノズル孔の数Nが、下記の(2)式を満たす上記(2)に記載の高温鋼材の冷却装置。
【0018】
N≧14400/(3.14×d2) ・・・・(2)
(4)ノズル孔の孔長さLが、下記の(3)式を満たす上記(2)または(3)に記載の高温鋼材の冷却装置。
【0019】
L≦1.20×d2 ・・・・・・(3)
(5)ノズル孔が、正三角形の各頂点に位置するように千鳥状に配置されている上記(2)から(4)までのいずれかに記載の高温鋼材の冷却装置。
【0020】
(6)Ar3変態点より高い温度で仕上げた後、「Ar3変態点−50」℃より高い温度域から冷却を開始し、600℃以下まで5℃/秒以上の冷却速度で冷却するに際し、その上面を上記(1)に記載の方法により冷却する熱間圧延鋼板の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記の課題を達成するために、ノズル孔の配置態様が図2に示す千鳥状の図1に示した従来の上部ヘッダ1による厚鋼板のオンライン強制冷却を模擬し、ノズル孔からの吐出圧力を種々変えてアクリル製の透明板の上面に冷却水を供給してその流動態様を詳細に調べる実験を行い、以下のことを知見して上記の本発明を完成させた。
(a)鋼板の上面に供給された冷却水の逃げ場は幅方向の両縁であるが、鋼板の幅方向と長手方向の両方に多数のノズル孔が設けれた上部ヘッダの場合、周囲のノズル孔からの冷却水が障壁になるだけでなく、その一部が流れ込む幅方向の中央部分における冷却水の滞留量が予想外に多く、幅方向の中央部分に厚さが100〜200mmという異常に厚い滞留水膜が形成され、この滞留水膜によりノズル孔から吐出した冷却水の鋼板表面への直接供給が妨げられる結果、中央部分の冷却能が低下する。
(b)一方、幅方向の両縁部では、供給された冷却水が両縁から迅速に流れ落ちるために上記のような異常に厚い滞留水膜は形成されず、ノズル孔から吐出した冷却水が鋼板表面に直接到達し、所定の冷却能が確保される。
【0022】
そこで、ノズル孔の直下の透明板上に歪ゲージ式の圧力センサーを配置してノズル孔から吐出した冷却水の透明板に対する衝突圧力を測定するとともに、透明板の上面における冷却水の流動態様を透明板の下面から詳細に観察した。その結果、次のことが判明した。
(c)ノズル孔から吐出した冷却水は透明板の上面で同心円状に広がるが、ノズル孔から吐出した冷却水が透明板に到達していない場合、言い換えれば100〜200mmという異常に厚い滞留水膜を突き破っていない場合には特別な模様は観察されなかった。これに対し、異常に厚い滞留水膜を突き破っている場合には、図3に示すように、各ノズル孔から吐出した冷却水が相互に干渉したきれいな正六角形のハニカム模様8が明確に観察される。このハニカム模様8はノズル孔4から吐出した冷却水の透明板に対する衝突圧力が4.9kPa以上の場合に生じる。
【0023】
このように、冷却すべき高温鋼材の上面における冷却水の衝突圧力がノズル孔の直下で4.9kPa以上になるようにヘッダ内の冷却水をノズル孔から吐出させると、幅方向の中央部の鋼板表面に対しても常に新たな冷却水が直接供給されるので冷却むらが生じず、幅方向の均一冷却が可能となる。このことは、後述する実施例の結果から明らかである。
【0024】
上記の衝突圧力は高ければ高いほどよいので上限は規定しない。しかし、あまり高すぎると表面スケールの剥離が生じ、それに伴う温度むらが発生する。従って、上限は20kPaとするのが望ましい。
【0025】
上記4.9kPa以上の衝突圧力は、例えば、ヘッダ内の圧力上昇、言い換えれば上部ヘッダ1に冷却水を注入するポンプの能力アップや上部ヘッダ1の設置高さH(図4参照)を調整することにより得られる。しかし、前者の方法は設備費とランニングコストの上昇を招き経済的でない。また、後者の方法は調整に工数と時間がかかり生産能率の低下を招く。
【0026】
そこで、設置高さHが通常の1m以内であればポンプの能力アップや設置高さHの調整をしなくても上記4.9kPa以上の衝突圧力が得られる上部ヘッダを得るべく、ノズル孔の形状に注目して種々検討した。その結果、次のことが判明した。
(d)ノズル孔の内径をd(mm)、孔長さをL(mm)としたとき、dが1.5〜8.0mmで、かつLが下記の(1) 式を満たすノズル孔であれば、上記4.9kPa以上の衝突圧力が確保できる。
【0027】
L≧0.404×d2 ・・・・・(1)
これは、次の理由による。図4は、Lが上記の(1) 式を満たさない場合と満たす場合におけるノズル孔からの冷却水の吐出態様の観察結果を示す図で、同図の(a)はLが上記の(1) 式を満たさない場合、(b)は満たす場合である。図に示すように、Lが上記の(1) 式を満たさない場合には、ノズル孔4内における冷却水の流れが層流でないために吐出直後に冷却水が拡散して圧力低下が生じ、異常に厚い滞留水膜9を突き破れない。これに対し、Lが上記の(1) 式を満たす場合には、ノズル孔40内における冷却水の流れが層流となり、吐出直後に冷却水が拡散することがなくて圧力低下は生じないので、異常に厚い滞留水膜9を突き破ることができる。
【0028】
Lの確保は、図4(b)に示す短管10の取り付けに代えて上部ヘッダ1の下面の板材3の厚さtを厚くして確保するようにしてもよい。しかし、板材3の厚肉化では上部ヘッダ1全体の重量が増し、その支持部材等の補強が必要になる。従って、必要なLの確保は、短管10の取り付により確保する方が望ましく、取り付けはその管端面が板材3の下面と同一面とするかまたは若干突出する貫通状態に取り付けるのが好ましい。
【0029】
Lは長いほどよいのでその上限は特に規定しない。しかし、あまり長すぎるとノズル詰まり等の問題も生じ、メンテナンスの負荷が大きくなる。従って、Lの上限は下記の(3) 式を満たす長さとするのが好ましい。
【0030】
L≦1.20×d2 ・・・・・・(3)
ノズル孔40の配置態様は、前述したように、正三角形の各頂点に位置するように千鳥状に配置するのが最も望ましいが、これに限らず、例えば正四角形の各頂点に位置するように千鳥状に配置するなどの他の配置にしてもよい。
【0031】
上記の(1) 式を満たすノズル孔40から吐出した冷却水は、幅方向の中央部に形成される異常に厚い滞留水膜9を突き破って鋼板2の上面に直接到達するが、所定の冷却能が得られる有効面積はdのおよそ8倍程度である。従って、幅方向の均一冷却を確実なものとするためには配置すべきノズル孔40の数が重要になるが、1m2当たり下記の(2) 式を満たす数Nであれば、幅方向の均一冷却が達成される。
【0032】
N≧14400/(3.14×d2) ・・・・(2)
ノズル孔40の数Nは多いほど幅方向の均一冷却精度が向上するので、特に上限は規定しないが、板材3の強度確保の観点から、Nの上限は「250000/(3.14×d2)」とするのが望ましい。
【0033】
図5は、上記のノズル孔40を有する上部ヘッダを厚鋼板の強制冷却に適用した場合の一例を示す一部透視の斜視図であるが、ノズル孔40が異なる以外は図1に示したのと同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
図5に示す装置構成、言い換えれば鋼板2の上面における冷却水の衝突圧力がノズル孔の直下で4.9kPa以上になるノズル孔40を備えた上部ヘッダ10を用いて強制冷却すると、長手方向および幅方向ともに機械的性質の均一な製品鋼板を安定して製造することができる。ただし、圧延終了温度、ならびに強制冷却の開始温度、終了温度および冷却速度は、それぞれAr3変態点より高い温度、「Ar3変態点−50」℃より高い温度、600℃以下および5℃/秒以上とする必要がある。その理由は以下のとおりである。
【0035】
1.圧延終了温度
Ar3変態点以下であると、圧延により伸張したままの未回復のフェライト粒が残存し、所望の靭性が確保できない。
【0036】
2.強制冷却の開始温度
「Ar3変態点−50」℃以下であると、2次スケールの生成が進みすぎているために均一冷却を確保できない。
【0037】
3.強制冷却の終了温度
600℃を超えると、加速冷却による強度や靭性の向上効果が明確でない。
【0038】
4.強制冷却の冷却速度
5℃/秒未満では、加速冷却による組織変化が明確でなく、確実な強度、靭性の向上が期待できない。冷却速度は速いほどよいので上限は規定しない。しかし、あまり速すぎると停止温度精度が確保できないので、上限は30℃/秒とするのがよい。
【0039】
【実施例】
実施例1
表1に示す諸元のノズル孔を有する3種類の上部ヘッダをそれぞれ30個準備
した。ノズル孔の配置はいずれも正三角形の各頂点に位置するように配置した。
準備した上部ヘッダは、それぞれ、図1または図5に示すのと同様の態様で、ライン上にH=300mm、ライン方向のヘッダ間隔750mmの条件で連続的に設置した。
【0040】
そして、表2に示す化学組成を有し、圧延終了温度830℃で仕上げられた厚さ21mm、幅3m、長さ15mの厚鋼板を800℃から450℃まで12.5℃/秒で強制冷却する試験に供し、冷却直後の鋼板の表面温度を測定した。
【0041】
なお、冷却時のノズル孔直下の鋼板上面における冷却水の衝突圧力は、厚鋼板に代えてアクリル板を配置し、前述した方法により事前に測定した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
測定結果を、図6〜図10に示した。即ち、衝突圧力の測定結果は、符号Aの上部ヘッダの場合を図6、符号Cの上部ヘッダの場合を図7に示した。なお、符号Bの上部ヘッダの場合の測定結果は図6と同様であったので記載を省略した。
【0045】
表面温度の測定結果は、符号Aの上部ヘッダの場合を図8、符号Bの上部ヘッダの場合を図9、符号Cの上部ヘッダの場合を図10に示した。
【0046】
図6からわかるように、本発明の上部ヘッダA(およびB)の場合には約11.8kPaの衝突圧力が得られている。その結果、図8に示すように、幅方向に均一に冷却されている。また、ノズル孔の数Nが100個/m2と少ない符号Bの上部ヘッダの場合は、図9に示すように、符号Aの上部ヘッダに比べて温度のばらつきは大きいものの全体として幅方向に均一に冷却されている。即ち、温度のばらつきが小さい状態で幅方向に均一に冷却するには、ノズル孔の数Nを前記(2) 式を満たす数にすればよいことがわかる。
【0047】
これに対して、図7からわかるように、比較例の上部ヘッダの場合には約2kPaの衝突圧力しか得られていない。その結果、図10に示すように、幅方向に均一に冷却されていない。
【0048】
実施例2
実施例1で用いた符号Aの上部ヘッダを使用して鋼板の上面を冷却強制する加速冷却法により、化学組成が表2と同じ、厚さ25mm、幅3m、長さ25mのの厚鋼板(目標の引張強さ:490MPa、降伏強さ:355MPa、靭性:vE−20℃≧34J)を製造した。
【0049】
その際、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度および冷却速度を表3に示すように種々変化させた。
【0050】
得られた厚鋼板について、幅方向の中央部と両縁部から引張試験片と衝撃試験片を採取し、引張強さ、降伏強さおよび靭性を調べ、その結果を、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度および冷却速度とともに表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】
表3からわかるように、いずれの試験番号も中央部と両縁部とで引張強さ、降伏強さおよび靭性に差がなく、幅方向に均一冷却されている。また、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度および冷却速度のいずれもが本発明で規定する範囲内の試験番号1の厚鋼板の引張強さ、降伏強さおよび靭性は目標値を満足している。
【0053】
これに対し、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度および冷却速度のうちのいずれかが本発明で規定する範囲を外れる試験番号2〜5の厚鋼板は、引張強さ、降伏強さおよび靭性のうちのいずれかが目標値を満足していない。
【0054】
【発明の効果】
本発明の冷却方法によれば熱間鋼材が幅の広い鋼板でもその幅方向を確実に均一に冷却することができる。また、本発明の冷却装置を構成する上部ヘッダは高さ調整やヘッダへの冷却水注入用ポンプの能力増等が不要なため、生産性を阻害したりコスト上昇を招くことがない。さらに、本発明の熱間圧延鋼板の製造方法によれば、長手方向は当然のことながら幅方向の特性ばらつきが極めて小さい鋼板が確実かつ安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の上部ヘッダの一例とその設置態様を示す一部透視の斜視図である。
【図2】ノズル孔の一般的な配置態様を示す平面図である。
【図3】ノズル孔から吐出した冷却水が鋼材の上面に形成された滞留水膜を突き破っている場合に見られる冷却水の干渉模様の一例を示す図である。
【図4】ノズル孔からの冷却水の吐出態様の観察結果を示す模式図で、同図の(a)は従来の上部ヘッダの場合、同図(b)は本発明の上部ヘッダの場合である。
【図5】本発明の上部ヘッダを厚鋼板の強制冷却に適用した場合における設置態様を示す一部透視の斜視図である。
【図6】実施例の結果を示す図で、本発明の上部ヘッダの場合における衝突圧力の測定結果である。
【図7】実施例の結果を示す図で、従来の上部ヘッダの場合における衝突圧力の測定結果である。
【図8】実施例の結果を示す図で、本発明の上部ヘッダの場合における幅方向温度の測定結果である。
【図9】実施例の結果を示す図で、本発明の他の上部ヘッダの場合における幅方向温度の測定結果である。
【図10】実施例の結果を示す図で、従来の上部ヘッダの場合における幅方向温度の測定結果である。
【符号の説明】
1、10:上部ヘッダ、
2:鋼板、
3:上部ヘッダの下面を構成する板材、
4、40:ノズル孔、
5:冷却水の不存在領域、
6:搬送ロール、
7:拘束ロール、
8:ハニカム模様、
9:冷却水膜、
10:短管。
Claims (6)
- 冷却すべき高温鋼材の上面に対向する面に複数のノズル孔が穿設された上部ヘッダを冷却すべき高温鋼材の上面から1m以内の位置に配置し、ヘッダ内の冷却水をノズル孔から吐出させて鋼材の上面冷却を行うに際し、鋼材の上面における冷却水の衝突圧力がノズル孔の直下で4.9kPa以上になるようにヘッダ内の冷却水をノズル孔から吐出させることを特徴とする高温鋼材の冷却方法。
- 請求項1に記載の高温鋼材の冷却方法の実施に使用する冷却装置であり、上部ヘッダのノズル孔の内径d(mm)と孔長さL(mm)との関係が下記の(1)式を満たすことを特徴とする高温鋼材の冷却装置。
L≧0.404×d2 ・・・・・(1)
ただし、d=1.5〜8.0mmとする。 - 1m2当たりのノズル孔の数Nが、下記の(2)式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の高温鋼材の冷却装置。
N≧14400/(3.14×d2) ・・・・(2) - ノズル孔の長さLが、下記の(3)式を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の高温鋼材の冷却装置。
L≦1.20×d2 ・・・・・・(3) - ノズル孔が、正三角形の各頂点に位置するように千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項2から4までのいずれかに記載の高温鋼材の冷却装置。
- Ar3変態点より高い温度で仕上げた後、「Ar3変態点−50」℃より高い温度域から冷却を開始し、600℃以下まで5℃/秒以上の冷却速度で冷却するに際し、その上面を請求項1に記載の方法により冷却することを特徴とする熱間圧延鋼板の製造方法。
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