JP2004033580A - カテ−テル補強材 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡張カテ−テルの座屈限界荷重を低下させることなく細径化の可能なカテ−テル補強材を提供する。
【解決手段】比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと、同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと、前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部を備えた拡張カテ−テルの前記本体部を形成する中間部分14に、断面形状が異形の金属線2で構成した補強材1を埋込むことにより、拡張カテ−テルの座屈限界荷重を低下させることなく細径化を可能にした。
【選択図】図1
【解決手段】比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと、同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと、前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部を備えた拡張カテ−テルの前記本体部を形成する中間部分14に、断面形状が異形の金属線2で構成した補強材1を埋込むことにより、拡張カテ−テルの座屈限界荷重を低下させることなく細径化を可能にした。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、血管内拡張用カテ−テルや血管内治療診断用カテ−テル等のカテ−テルの補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、心筋梗塞または狭心症に用いられる経皮的経管式冠状動脈血管形成術用カテ−テル(以下「拡張カテ−テル」という)として、特開2001−95923号公報に記載されたものが知られている。
この拡張カテ−テルについて、図3〜図6により説明すると、この拡張カテ−テル10はガイドワイヤ20に沿って血管内に挿入される、いわゆるオ−バ−ザワイヤ型のカテ−テルであって、基端側からハブ16、基部シャフト15、中間部分14、先端シャフト13、バル−ン12および内管シャフト11からなり、基部シャフト15の先端から所定長さ離間した位置に、ガイドワイヤ開口部141が形成されており、このガイドワイヤ開口部141よりも先端側の部分のみが、ガイドワイヤをたどる構成となっている。
【0003】
ハブ16は、インフレ−タ−のような圧力印加装置と接続可能となっている。さらに、ハブ16には、金属のような比較的剛性の高い材質からなる基部シャフト15が流体連通可能に接合されている。符号151は基部シャフト15に設けられた深度マ−カ−を、符号111は先端チップを、符号121は造影マ−カ−を、符号11aはガイドワイヤ用ル−メンを示している。
【0004】
基部シャフト15の先端側に中間部分14が流体連通可能に接合されている。さらに、中間部分14の先端に樹脂などの比較的剛性の低い材質からなる先端シャフト13が流体連通可能に設けられている。 中間部分14は、内層144と外層143とからなり、この内層144と外層143との間に、円形断面の線状体145を格子状に編組した編組体からなる補強材142が埋め込まれている。
【0005】
このように中間部分14に補強材142を埋め込むことにより、中間部分14は基部シャフト15よりも剛性が低く(柔らかく)、先端シャフト13よりも剛性が高く(硬く)なる。その結果、基部から先端にかけて段階的に剛性が変化し、中間部分14が急激に曲がるような時にも、応力が一か所に集中することがなく、キンクを低減することが可能となる。しかも補強材142が中間部分14に埋め込まれる構造となっているため、インフレ−ションル−メン断面積を広く保つことができ、バル−ン拡張時間を短くでき、その結果、バル−ン拡張時に血流を止める時間を短縮できるので、患者の侵襲を低く抑えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カテ−テルの血管への挿入時における患者の侵襲を低く抑えるためには、カテ−テルが細径であることが望ましいことはいうまでもない。
上記の従来のカテ−テルは、その補強材として、ステンレス鋼(主としてSUS304 WPB材)や樹脂を素材とした円形断面の線材を用いている。この構造のもとで、カテ−テルの細径化を図ろうとすると、線材を細くしなければならず、そうすると、使用時に、カテ−テルがつぶれたり、座屈したりする。つまり補強材としてステンレス鋼(主としてSUS304 WPB材)や樹脂では限界があり、また、単なる丸線では細径化が難しいなどの課題がある。
【0007】
上記の例のほか、補強材として、ステンレス鋼や樹脂を素材とした平線を用いたカテ−テルも従来提案されている。この例の場合には、厚みを薄くすることによりカテ−テルの細径化を図ることになるが、この場合でも使用時に、カテ−テルがつぶれたり、座屈したりするという課題がある。
本発明は、このような課題の解決を図ろうとするもので、使用時に、つぶれたり座屈したりするおそれがなく、かつカテ−テルの細径化を可能にしたカテ−テル補強材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部とを備えたカテ−テルの、前記本体部に埋込まれる補強材であって、同補強材を、断面形状が異形の金属線で形成して課題解決の手段としている。
【0009】
また、比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部と、前記基部シャフトの基端部付近に取り付けられた圧力印加装置の取り付け部としてのハブと、前記先端シャフトの先端部に連通可能に設けられ前記ハブより圧力を印加されるバル−ンと、同バル−ンの先端よりも先端側に形成された先端側開口部および同バル−ンの基端よりも基端側に形成された基端側開口部と、ガイドワイヤの挿通用ガイドワイヤ用ル−メンとを備えた拡張カテ−テルの、前記本体部の所要箇所に埋込まれる補強材を、断面形状が異形の金属線で形成して課題解決の手段としている。
【0010】
さらに、前記本体部の所要箇所を、前記本体部の中間部分とすることで課題解決の手段としている。
【0011】
また、前記金属線を、ステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材料を素材とすることで課題解決の手段としている。
【0012】
さらにまた、前記金属線を、タングステンまたはタングステン系合金とすることで課題解決の手段としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面とともに本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態としてのカテ−テル補強材をカテ−テルの中間部分とともに示す断面図、図2は座屈特性の説明図である。なお、拡張カテ−テルの構成は上述の従来のものと同じであるので、以下の説明において、拡張カテ−テル自体については、図3〜図6を参照するものとする。
【0014】
図1は、図5のA矢部に相当するもので、図1に示すように、この実施形態のカテ−テル補強材1は、その断面形状を偏平な四角形に形成さた金属線(平線、異形線)2で形成される。この実施形態では、金属線2は、ステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材質のものが用いられている。その1例として、タングステンまたはタングステン系合金を挙げることができる。
【0015】
このような金属線2が、上述の従来例の場合と同様に、格子状に編組されて編組体の形態(図6(b)参照)のカテ−テル補強材1が構成される。そしてこの形態のカテ−テル補強材1が、この例の場合、拡張カテ−テル10の中間部分14に埋め込まれる。このとき、金属線2(補強材1)を上述の従来例と同様に、二層構造の中間部分14の内層144と外層143(図6参照)との間に埋め込むようにしてもよく、また中間部分14の成形加工時に、中間部分の内腔に接するように中間部分14の内面に埋め込むようにしてもよい。
【0016】
このようにしてカテ−テル補強材1を埋め込まれた拡張カテ−テル10の中間部分14が、基部シャフト15(図4参照)よりも剛性が低く(柔らかく)、先端シャフト13よりも剛性が高く(硬く)なり、その結果、中間部分14は基部から先端にかけて段階的に剛性が変化し、中間部分14が急激に曲がるような時にも、応力が一か所に集中することがなく、キンクを低減することが可能となる。しかも補強材1が中間部分14に埋め込まれる構造となっているため、インフレ−ションル−メン断面積を広く保つことができ、バル−ン拡張時間を短くでき、バル−ン拡張時に血流を止める時間を短縮でき、患者の侵襲を低く抑えることができる、などの効果を有する点は、上述の従来例の場合と同様であるが、この実施形態によれば、カテ−テル補強材1を構成する金属線2は、そのヤング率がステンレス鋼のほぼ2倍の素材であるので、座屈限界荷重を低下させることなくカテ−テル補強材1を構成する金属線2を薄くすることができ、このことにより、拡張カテ−テルの細径化を可能にしている。また、金属線2は平線であるため、厚みを薄くする加工が、丸線を細径化する加工にくらべて容易であるので、拡張カテ−テルの細径化を容易に達成できる。
【0017】
ところで、上述の説明は、カテ−テル補強材1が拡張カテ−テルの中間部分14に埋込まれた構成を例にしてなされている。しかし本発明のカテ−テル補強材1は、中間部分14にのみ埋込まれるものではない。すなはち、カテ−テル補強材1を中間部分14のほか先端シャフト13に埋込んで、中間部分14と先端シャフト13との剛性の調整を図ることも可能であり、さらに必要ならば、基部シャフト15にも埋込んで基部シャフト15の剛性を高めることも可能である。
また、先端シャフト13にのみ、あるいは基部シャフト15のみに埋込んで当該部分の剛性調整を行うことも可能である。
つまり、本発明によると、上述のカテ−テル補強材1を、基部シャフト15、中間部分14および先端シャフト13からなる本体部の所要の箇所に埋込むことにより、本体部の剛性調整が可能となり、このことにより、カテ−テルの座屈限界荷重を低下させることなく拡張カテ−テルの細径化を達成することができることになる。
【0018】
また、本発明のカテ−テル補強材1は、拡張カテ−テルのほか、通常「カテ−テル」と呼ばれている、血管、消化管、気管、尿道などに診察、検査、治療などの目的で挿入するチュ−ブ状の医療器具に適用して同様に効果が得られることはいうまでもない。
【0019】
カテ−テルが血管内に挿入された際に、座屈しない、ということは、カテ−テルにとって重要な特性の一つである。この実施形態のものでは、カテ−テル補強材1を構成する金属線2が、例えばタングステンまたはタングステン系合金のようなステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材質のもので形成されているので、金属線2の厚さを薄くしても、金属線2の座屈に対する強度を増すことが可能となる。
【0020】
この点について図2により説明する。図2に示すような、一端が固定され他端が自由端である角材Yの座屈について考えてみるに、このときの限界荷重Pは、オイラ−の公式によれば
P=(π2EI/4L2)=(π2Ehb3/48L2)
である。(ここで、E:ヤング率、I:断面2次モ−メント)
この数式は、座屈の限界荷重Pは、材料の強さによるものではなく、曲げ剛性EIと角材Yの長さLとにのみ依存することを示している。
つまり、比較のため、長さLを一定とすると、限界荷重Pが大きい材料とは、ヤング率が大きい材料であるということができる。
【0021】
鉄(ステンレス鋼を含む)系材料では、ヤング率は200KN/mm2(正確には純鉄で211.4KN/mm2)であるが、タングステンでは、ヤング率は411KN/mm2 である。したがって、カテ−テル補強材1を構成する金属線2の素材をタングステンとするとき、その断面形状を偏平な四角形に形成された平線の厚みを薄くすることが可能となる。理論的には、ヤング率が2倍になれば厚みを20%減らすことができる。
1例として、ステンレス鋼の金属線を用いていた従来のカテ−テル補強材は、その厚さが25μmであるのに対し、タングステンを用いたこの実施形態のカテ−テル補強材では、厚さを20μmにすることができた。なおヤング率がステンレス鋼のほぼ2倍のタングステン系合金でも同様の効果が得られることは確認されている。
【0022】
このように、この実施形態のカテ−テル補強材では、カテ−テル補強材1を構成する金属線2はステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有するタングステンで形成されているので、金属線2を座屈限界荷重を低下させることなく薄くすることができ、しかも、金属線2が平線であるので、丸線を細径化する加工にくらべて簡単な加工で薄くすることができる。このことにより、カテ−テルの10の厚みを低減することが可能となり、患者への低侵襲が可能なカテ−テルを容易に得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカテ−テル補強材によれば、カテ−テルの厚みを低減することが可能となり、患者への低侵襲が可能なカテ−テルを得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのカテ−テル補強材をカテ−テルの中間部分とともに示す断面図。
【図2】座屈特性の説明図。
【図3】従来の拡張カテ−テルの概略図。
【図4】同主要構成部材の拡大図。
【図5】同中間部分の断面図。
【図6】(a)同中間部分における補強材の配置を示す断面図。
(b)同斜視図。
【符号の説明】
1:補強材、2:金属線、10:拡張カテ−テル、11:内管シャフト、111:先端チップ、12:バル−ン、13:先端シャフト、14:中間部分、143:外層、144:内層、145:線状体、15:基部シャフト、16:ハブ、20:ガイドワイヤ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、血管内拡張用カテ−テルや血管内治療診断用カテ−テル等のカテ−テルの補強材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、心筋梗塞または狭心症に用いられる経皮的経管式冠状動脈血管形成術用カテ−テル(以下「拡張カテ−テル」という)として、特開2001−95923号公報に記載されたものが知られている。
この拡張カテ−テルについて、図3〜図6により説明すると、この拡張カテ−テル10はガイドワイヤ20に沿って血管内に挿入される、いわゆるオ−バ−ザワイヤ型のカテ−テルであって、基端側からハブ16、基部シャフト15、中間部分14、先端シャフト13、バル−ン12および内管シャフト11からなり、基部シャフト15の先端から所定長さ離間した位置に、ガイドワイヤ開口部141が形成されており、このガイドワイヤ開口部141よりも先端側の部分のみが、ガイドワイヤをたどる構成となっている。
【0003】
ハブ16は、インフレ−タ−のような圧力印加装置と接続可能となっている。さらに、ハブ16には、金属のような比較的剛性の高い材質からなる基部シャフト15が流体連通可能に接合されている。符号151は基部シャフト15に設けられた深度マ−カ−を、符号111は先端チップを、符号121は造影マ−カ−を、符号11aはガイドワイヤ用ル−メンを示している。
【0004】
基部シャフト15の先端側に中間部分14が流体連通可能に接合されている。さらに、中間部分14の先端に樹脂などの比較的剛性の低い材質からなる先端シャフト13が流体連通可能に設けられている。 中間部分14は、内層144と外層143とからなり、この内層144と外層143との間に、円形断面の線状体145を格子状に編組した編組体からなる補強材142が埋め込まれている。
【0005】
このように中間部分14に補強材142を埋め込むことにより、中間部分14は基部シャフト15よりも剛性が低く(柔らかく)、先端シャフト13よりも剛性が高く(硬く)なる。その結果、基部から先端にかけて段階的に剛性が変化し、中間部分14が急激に曲がるような時にも、応力が一か所に集中することがなく、キンクを低減することが可能となる。しかも補強材142が中間部分14に埋め込まれる構造となっているため、インフレ−ションル−メン断面積を広く保つことができ、バル−ン拡張時間を短くでき、その結果、バル−ン拡張時に血流を止める時間を短縮できるので、患者の侵襲を低く抑えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カテ−テルの血管への挿入時における患者の侵襲を低く抑えるためには、カテ−テルが細径であることが望ましいことはいうまでもない。
上記の従来のカテ−テルは、その補強材として、ステンレス鋼(主としてSUS304 WPB材)や樹脂を素材とした円形断面の線材を用いている。この構造のもとで、カテ−テルの細径化を図ろうとすると、線材を細くしなければならず、そうすると、使用時に、カテ−テルがつぶれたり、座屈したりする。つまり補強材としてステンレス鋼(主としてSUS304 WPB材)や樹脂では限界があり、また、単なる丸線では細径化が難しいなどの課題がある。
【0007】
上記の例のほか、補強材として、ステンレス鋼や樹脂を素材とした平線を用いたカテ−テルも従来提案されている。この例の場合には、厚みを薄くすることによりカテ−テルの細径化を図ることになるが、この場合でも使用時に、カテ−テルがつぶれたり、座屈したりするという課題がある。
本発明は、このような課題の解決を図ろうとするもので、使用時に、つぶれたり座屈したりするおそれがなく、かつカテ−テルの細径化を可能にしたカテ−テル補強材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部とを備えたカテ−テルの、前記本体部に埋込まれる補強材であって、同補強材を、断面形状が異形の金属線で形成して課題解決の手段としている。
【0009】
また、比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部と、前記基部シャフトの基端部付近に取り付けられた圧力印加装置の取り付け部としてのハブと、前記先端シャフトの先端部に連通可能に設けられ前記ハブより圧力を印加されるバル−ンと、同バル−ンの先端よりも先端側に形成された先端側開口部および同バル−ンの基端よりも基端側に形成された基端側開口部と、ガイドワイヤの挿通用ガイドワイヤ用ル−メンとを備えた拡張カテ−テルの、前記本体部の所要箇所に埋込まれる補強材を、断面形状が異形の金属線で形成して課題解決の手段としている。
【0010】
さらに、前記本体部の所要箇所を、前記本体部の中間部分とすることで課題解決の手段としている。
【0011】
また、前記金属線を、ステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材料を素材とすることで課題解決の手段としている。
【0012】
さらにまた、前記金属線を、タングステンまたはタングステン系合金とすることで課題解決の手段としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面とともに本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態としてのカテ−テル補強材をカテ−テルの中間部分とともに示す断面図、図2は座屈特性の説明図である。なお、拡張カテ−テルの構成は上述の従来のものと同じであるので、以下の説明において、拡張カテ−テル自体については、図3〜図6を参照するものとする。
【0014】
図1は、図5のA矢部に相当するもので、図1に示すように、この実施形態のカテ−テル補強材1は、その断面形状を偏平な四角形に形成さた金属線(平線、異形線)2で形成される。この実施形態では、金属線2は、ステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材質のものが用いられている。その1例として、タングステンまたはタングステン系合金を挙げることができる。
【0015】
このような金属線2が、上述の従来例の場合と同様に、格子状に編組されて編組体の形態(図6(b)参照)のカテ−テル補強材1が構成される。そしてこの形態のカテ−テル補強材1が、この例の場合、拡張カテ−テル10の中間部分14に埋め込まれる。このとき、金属線2(補強材1)を上述の従来例と同様に、二層構造の中間部分14の内層144と外層143(図6参照)との間に埋め込むようにしてもよく、また中間部分14の成形加工時に、中間部分の内腔に接するように中間部分14の内面に埋め込むようにしてもよい。
【0016】
このようにしてカテ−テル補強材1を埋め込まれた拡張カテ−テル10の中間部分14が、基部シャフト15(図4参照)よりも剛性が低く(柔らかく)、先端シャフト13よりも剛性が高く(硬く)なり、その結果、中間部分14は基部から先端にかけて段階的に剛性が変化し、中間部分14が急激に曲がるような時にも、応力が一か所に集中することがなく、キンクを低減することが可能となる。しかも補強材1が中間部分14に埋め込まれる構造となっているため、インフレ−ションル−メン断面積を広く保つことができ、バル−ン拡張時間を短くでき、バル−ン拡張時に血流を止める時間を短縮でき、患者の侵襲を低く抑えることができる、などの効果を有する点は、上述の従来例の場合と同様であるが、この実施形態によれば、カテ−テル補強材1を構成する金属線2は、そのヤング率がステンレス鋼のほぼ2倍の素材であるので、座屈限界荷重を低下させることなくカテ−テル補強材1を構成する金属線2を薄くすることができ、このことにより、拡張カテ−テルの細径化を可能にしている。また、金属線2は平線であるため、厚みを薄くする加工が、丸線を細径化する加工にくらべて容易であるので、拡張カテ−テルの細径化を容易に達成できる。
【0017】
ところで、上述の説明は、カテ−テル補強材1が拡張カテ−テルの中間部分14に埋込まれた構成を例にしてなされている。しかし本発明のカテ−テル補強材1は、中間部分14にのみ埋込まれるものではない。すなはち、カテ−テル補強材1を中間部分14のほか先端シャフト13に埋込んで、中間部分14と先端シャフト13との剛性の調整を図ることも可能であり、さらに必要ならば、基部シャフト15にも埋込んで基部シャフト15の剛性を高めることも可能である。
また、先端シャフト13にのみ、あるいは基部シャフト15のみに埋込んで当該部分の剛性調整を行うことも可能である。
つまり、本発明によると、上述のカテ−テル補強材1を、基部シャフト15、中間部分14および先端シャフト13からなる本体部の所要の箇所に埋込むことにより、本体部の剛性調整が可能となり、このことにより、カテ−テルの座屈限界荷重を低下させることなく拡張カテ−テルの細径化を達成することができることになる。
【0018】
また、本発明のカテ−テル補強材1は、拡張カテ−テルのほか、通常「カテ−テル」と呼ばれている、血管、消化管、気管、尿道などに診察、検査、治療などの目的で挿入するチュ−ブ状の医療器具に適用して同様に効果が得られることはいうまでもない。
【0019】
カテ−テルが血管内に挿入された際に、座屈しない、ということは、カテ−テルにとって重要な特性の一つである。この実施形態のものでは、カテ−テル補強材1を構成する金属線2が、例えばタングステンまたはタングステン系合金のようなステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材質のもので形成されているので、金属線2の厚さを薄くしても、金属線2の座屈に対する強度を増すことが可能となる。
【0020】
この点について図2により説明する。図2に示すような、一端が固定され他端が自由端である角材Yの座屈について考えてみるに、このときの限界荷重Pは、オイラ−の公式によれば
P=(π2EI/4L2)=(π2Ehb3/48L2)
である。(ここで、E:ヤング率、I:断面2次モ−メント)
この数式は、座屈の限界荷重Pは、材料の強さによるものではなく、曲げ剛性EIと角材Yの長さLとにのみ依存することを示している。
つまり、比較のため、長さLを一定とすると、限界荷重Pが大きい材料とは、ヤング率が大きい材料であるということができる。
【0021】
鉄(ステンレス鋼を含む)系材料では、ヤング率は200KN/mm2(正確には純鉄で211.4KN/mm2)であるが、タングステンでは、ヤング率は411KN/mm2 である。したがって、カテ−テル補強材1を構成する金属線2の素材をタングステンとするとき、その断面形状を偏平な四角形に形成された平線の厚みを薄くすることが可能となる。理論的には、ヤング率が2倍になれば厚みを20%減らすことができる。
1例として、ステンレス鋼の金属線を用いていた従来のカテ−テル補強材は、その厚さが25μmであるのに対し、タングステンを用いたこの実施形態のカテ−テル補強材では、厚さを20μmにすることができた。なおヤング率がステンレス鋼のほぼ2倍のタングステン系合金でも同様の効果が得られることは確認されている。
【0022】
このように、この実施形態のカテ−テル補強材では、カテ−テル補強材1を構成する金属線2はステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有するタングステンで形成されているので、金属線2を座屈限界荷重を低下させることなく薄くすることができ、しかも、金属線2が平線であるので、丸線を細径化する加工にくらべて簡単な加工で薄くすることができる。このことにより、カテ−テルの10の厚みを低減することが可能となり、患者への低侵襲が可能なカテ−テルを容易に得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカテ−テル補強材によれば、カテ−テルの厚みを低減することが可能となり、患者への低侵襲が可能なカテ−テルを得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのカテ−テル補強材をカテ−テルの中間部分とともに示す断面図。
【図2】座屈特性の説明図。
【図3】従来の拡張カテ−テルの概略図。
【図4】同主要構成部材の拡大図。
【図5】同中間部分の断面図。
【図6】(a)同中間部分における補強材の配置を示す断面図。
(b)同斜視図。
【符号の説明】
1:補強材、2:金属線、10:拡張カテ−テル、11:内管シャフト、111:先端チップ、12:バル−ン、13:先端シャフト、14:中間部分、143:外層、144:内層、145:線状体、15:基部シャフト、16:ハブ、20:ガイドワイヤ。
Claims (5)
- 比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと、同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと、前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部を備えたカテ−テルの、前記本体部に埋込まれる補強材であって、
同補強材が、断面形状が異形の金属線で形成されていることを特徴とするカテ−テル補強材。 - 比較的剛性の高いチュ−ブ状の基部シャフトと、同基部シャフトよりも剛性の低いチュ−ブ状の先端シャフトと、前記の基部シャフトと先端シャフトとの間に位置するチュ−ブ状の中間部分とからなる本体部と、
前記基部シャフトの基端部付近に取り付けられた圧力印加装置の取り付け部としてのハブと、
前記先端シャフトの先端部に連通可能に設けられ前記ハブより圧力を印加されるバル−ンと、
同バル−ンの先端よりも先端側に形成された先端側開口部および同バル−ンの基端よりも基端側に形成された基端側開口部と、
ガイドワイヤの挿通用ガイドワイヤ用ル−メンとを備えた拡張カテ−テルの、前記本体部の所要箇所に埋込まれる補強材であって、
同補強材が、断面形状が異形の金属線で形成されていることを特徴とするカテ−テル補強材。 - 前記本体部の所要箇所が、前記本体部の中間部分であることを特徴とする請求項2に記載のカテ−テル補強材。
- 前記金属線が、ステンレス鋼のほぼ2倍のヤング率を有する材料を素材とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカテ−テル補強材。
- 前記金属線が、タングステンまたはタングステン系合金であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカテ−テル補強材。
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