JP2004032437A - フィルムアンテナ用給電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルムアンテナ18の給電端子18aに電気的接続する給電装置である。導電ケーブル12を電気的接続したスプリングコネクタ10を金型にインサートして、プランジャ10aの先端を取付面14aより突出させて取付部材14を絶縁樹脂で成形する。プランジャ10aの先端に給電端子18aを対向させた状態で、プランジャ10aの先端の突出部分を含む取付面14aの一隅で略矩形状にフィルムアンテナ18の給電部分が対応するようになし、取付面14aのフィルムアンテナ18が対応しない略L字状の部分に、フィルムアンテナ18よりも厚い両面テープ16を略L字状に貼着する。プランジャ10aの先端を半球状とし、その半径をフィルムアンテナ18の厚さの少なくとも3.5倍以上に設定する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車のリアガラスやフロントガラスなどの窓ガラスに貼設されるフィルムアンテナの給電端子に電気的接続するフィルムアンテナ用給電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルムアンテナ用給電装置の一例が、特開2000−196327号公報に示されている。この従来技術を簡単に説明する。接触子としての湾曲状の板バネの基端部が配設基板に接続固定され、この配線基板が接触子を突出させてケースに収容保持される。そして、接触子の突出部分を除くケースの取付面に、両面テープが貼着される。かかる構成で、フィルムアンテナの給電端子に接触子を弾接させた状態で、窓ガラスにケースが両面テープで貼着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術にあっては、接触子として板バネを用いるために、フィルムアンテナ用給電端子に対する接触圧力が安定しない。また、板バネの弾性変形を確実に許容するためには、従来技術のごとくケースに収容する構造が簡単であるが、全体として小型に製造し難い。そこで、ケースに代えて、板バネをインサートして一体成形することを考えた場合に、板バネの弾性変形を考慮した金型が複雑となり、安価に製造がなし得ない。
【0004】
ここで、フィルムアンテナ用給電装置は窓ガラスに両面テープで貼着されて固定されるものであり、固定のための機械的強度が大であるとは言い難い。そこで、フィルムアンテナ用給電装置が大型で重量が大であるほど、車の事故などによる衝撃で固定が外れて不測の事態を生じる虞がある。かかる理由から、フィルムアンテナ用給電装置をより小型軽量化することが望ましい。
【0005】
本発明は、上述のごとき事情に鑑みてなされたもので、容易に小型軽量化することのできるフィルムアンテナ用給電装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明のフィルムアンテナ用給電装置は、フィルムアンテナの給電端子に電気的接続する給電装置であって、導電ケーブルを電気的接続したスプリングコネクタをインサートして、プランジャの先端を取付面より突出させて取付部材を絶縁樹脂で成形し、前記プランジャの先端が突出する付近を除いて、前記取付面に両面テープを貼着して構成されている。
【0007】
また、導電ケーブルを電気的接続したスプリングコネクタをインサートして、プランジャの先端を取付面より突出させて取付部材を絶縁樹脂で成形し、前記プランジャの先端に前記給電端子を対向させた状態で、前記取付面の前記フィルムアンテナが対応しない部分に、前記フィルムアンテナよりも厚い両面テープを貼着して構成しても良い。
【0008】
さらに、前記プランジャの先端に前記給電端子を対向させてた状態で、前記取付面で、前記プランジャの先端の突出部分を含む一隅の略矩形状に、前記フィルムアンテナの給電部分が対応するようになし、前記フィルムアンテナが対応しない部分の前記取付面に略L字状に前記両面テープを貼設して構成することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図7を参照して説明する。図1は、本発明のフィルムアンテナ用給電装置の外観図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は左側面図である。図2は、図1は(a)のA−A断面矢視拡大図である。図3は、フィルムアンテナの給電部分に本発明のフィルムアンテナ用給電装置を配設した平面図である。図4は、フィルムアンテナの給電端子にスプリングコネクタを弾接した状態の本発明のフィルムアンテナ用給電装置の縦断面拡大図である。図5は、図4のB−B断面矢視図である。図6は、プランジャの先端の半球状とフィルムアンテナの厚さを示す図である。図7は、プランジャの先端の変形例の円錐状とフィルムアンテナの厚さを示す図である。
【0010】
まず、導電チューブの一端からプランジャ10aの先端が軸方向に移動自在に突出するスプリングコネクタ10の導電チューブの他端部に、導電ケーブル12の導電線が半田付けなどにより適宜に電気的接続されるとともに固定される。この導電ケーブル12が電気的接続されたスプリングコネクタ10が、金型にインサートされて絶縁樹脂により取付部材14が一体成形される。なお、プランジャ10aの先端が、取付部材14の取付面14aより若干突出した状態に形成される。
【0011】
この取付部材14のインサート成形において、スプリングコネクタ10の導電チューブのプランジャ10a側の先端部分を金型の凹孔に挿入するとともに導電チューブの他端側を適宜に押圧することで、金型に対してスプリングコネクタ10を容易に位置決めできる。しかも、導電チューブから突出するプランジャ10aの突出部が、金型の凹孔で保護され、成形樹脂の侵入により移動が阻害されるようなことがない。もって、取付部材14を成形するための金型の構造が比較的に簡単であり、安価に取付部材14を成形することができる。
【0012】
さらに、取付部材14の取付面14aで、プランジャ10aの突出部分を含む一隅の略矩形状を除いて、略L字状に両面テープ16が貼着される。この両面テープ16の厚さは、剥離シール16aを剥がした状態で、フィルムアンテナ18よりも厚く設定される。そして、図3および図5に示すごとく、フィルムアンテナ18の給電端子18aにプランジャ10aの先端を弾接させて取付部材14を窓ガラス20に配設すると、両面テープ16の略L字状の切り欠きにフィルムアンテナ18の給電部分の直交する2辺が対応するように形成される。
【0013】
かかる構成において、図5に示すごとく、窓ガラス20に適宜に貼着されたフィルムアンテナ18の給電部分の給電端子18aに、プランジャ10aの先端を弾接させるようにして、両面テープ16で取付部材14を窓ガラス20に貼着固定させる。もって、フィルムアンテナ18の給電端子18aは、スプリングコネクタ10および導電ケーブル12を介して適宜なアンテナ回路に電気的接続され得る。なお、取付部材14の貼着にあっては、フィルムアンテナ18の給電部分の一隅の直交する2辺に、両面テープ18の略L字状の切り欠きを対応させるための目標として、取付部材14の側面に目印用の突起14bが設けられている。
この取付部材14が貼着された状態で、プランジャ10aが給電端子18aに当接して弾力に抗して少しチューブ内に引き込まされた状態にあり、この弾力が所定の圧力となるようにスプリングコネクタ10のスプリングが設定されることで、所望の小さな接触抵抗値が得られる。なお、両面テープ16がフィルムアンテナ18より厚いために、取付部材14の貼着が窓ガラス20から浮き上がるようなことがなく、確実に貼着がなし得る。
【0014】
ところで、フィルムアンテナ18の給電部分が、窓ガラス20に貼着されない構造ならば、給電部分を窓ガラス20に添ってずらすことができる。そこで、図6のごとく、プランジャ10aの先端を半球状とし、その半径Rをフィルムアンテナ18の厚さtよりもかなり大きくするならば、窓ガラス20に予め取付部材14を両面テープ16で貼着したものに、フィルムアンテナ18の給電部分を差し込み、プランジャ10aの先端の半球状によるくさび効果でプランジャ10aを押し上げて、給電端子18aにプランジャ10aを当接する位置とすることができる。そして、両面テープ16の略L字状の切り欠きに、フィルムアンテナ18の給電部分の直交する2辺が当接するまで差し込んで、取付部材14に対する位置決めとして作用させることができる。発明者らの実験によれば、フィルムアンテナ18の差し込みより、プランジャ10aを押し上げるように軸方向に作用する力が軸方向と直交方向に作用する力より大きければ、プランジャ10aを弾力に抗して押し上げてフィルムアンテナ18の差し込みが可能であった。そこで、フィルムアンテナ18の厚さtに対して、プランジャ10aの先端の半球状の半径Rが約3.5倍以上であれば良い。
【0015】
さらに、フィルムアンテナ18の差し込みによるくさび効果でプランジャ10aを押し上げるために変形例として、図7に示すごとく、プランジャ10aの先端を略円錐状としたものであっても良い。この略円錐状の軸方向の寸法dがフィルムアンテナ18の厚さtよりも大であれば良い。
【0016】
図8は、フイルムアンテナ上に本発明の給電装置を貼着した他の実施例の平面図である。図8において、図1ないし図7と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0017】
図8に示す他の実施例にあっては、本発明のフイルムアンテナ用給電装置が、プランジャ10aの先端をフイルムアンテナ18の給電端子18aに弾接させて、フイルムアンテナ18上に取付部材14の取付面14aに設けられた両面テープ16で貼着される。ここで、両面テープ16は、取付面14aのプランジャ10aが突出する付近を除いて設けることができる。そして、両面テープ16の厚さは、如何なるものであっても良い。両面テープ16の面積を大きく設定でき、それだけ機械的に強度に貼着が可能である。
【0018】
なお、上記実施例ではスプリングコネクタ10の導電チューブに対して導電ケーブル12を半田付けするように説明したが、適宜なカシメによりスプリングコネクタ10の導電チューブに導電ケーブル12を電気的接続させても良い。また、取付部材14の取付面14aに貼着される両面テープ16は、略L字状に限られず、プランジャ10aの先端が突出する部分と両面テープ16が貼着された部分とが直線で区分されても良い。さらに、取付部材14の取付面14aに、プランジャ10aが突出する部分と段差で区分されて、両面テープ16が貼着される略L字状に対応した部分が形成されても良い。かかる場合には、この段差と両面テープ16の合計の厚さが、フィルムアンテナ18より大きくなるように形成されれば良い。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフィルムアンテナ用給電装置は構成されているので、以下のごとき格別な作用効果を奏する。
【0020】
請求項1記載のフィルムアンテナ用給電装置にあっては、導電ケーブルを電気的接続されたスプリングコネクタをインサートして取付部材を成形するので、小型かつ軽量に構成できる。しかも、成形金型の構造が簡単であって、安価に製造することができる。
【0021】
請求項2記載のフィルムアンテナ用給電装置にあっては、プランジャの先端が給電端子に対向した状態で、フイルムアンテナが対応しない取付部材の取付面の部分に、フイルムアンテナより厚い両面テープを貼着したので、取付部材を窓ガラスに両面テープで直接貼着することができ、本発明の給電装置を機械的に強固に固定することができる。
【0022】
請求項3記載のフィルムアンテナ用給電装置にあっては、取付装置の取付面に略L字状に両面テープを貼設するので、この略L字状の切り欠きをフィルムアンテナの給電部分の隅に一致させて、双方を容易に位置決めすることができる。
【0023】
請求項4または5記載のフィルムアンテナ用給電装置にあっては、フィルムアンテナの給電部分を窓ガラスに添ってずらすことができるならば、窓ガラスに予め貼着された取付部材のプランジャが突出する部分で、取付部材と窓ガラスとの隙間にフィルムアンテナを差し込み、くさび効果でプランジャを弾力に抗して押し上げて、プランジャを給電端子に弾接させることができる。フィルムアンテナの交換の際に窓ガラスに予め貼着された取付部材を活用でき、有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルムアンテナ用給電装置の外観図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は左側面図である。
【図2】図1は(a)のA−A断面矢視拡大図である。
【図3】フィルムアンテナの給電部分に本発明のフィルムアンテナ用給電装置を配設した平面図である。
【図4】フィルムアンテナの給電端子にスプリングコネクタを弾接した状態の本発明のフィルムアンテナ用給電装置の縦断面拡大図である。
【図5】図4のB−B断面矢視図である。
【図6】プランジャの先端の半球状とフィルムアンテナの厚さを示す図である。
【図7】プランジャの先端の変形例の円錐状とフィルムアンテナの厚さを示す図である。
【図8】フイルムアンテナ上に本発明の給電装置を貼着した他の実施例の平面図である。
【符号の説明】
10 スプリングコネクタ
10a プランジャ
12 導電ケーブル
14 取付部材
14a 取付面
14b 目印用の突起
16 両面テープ
18 フィルムアンテナ
18a 給電端子
20 窓ガラス
Claims (5)
- フィルムアンテナの給電端子に電気的接続する給電装置であって、導電ケーブルを電気的接続したスプリングコネクタをインサートして、プランジャの先端を取付面より突出させて取付部材を絶縁樹脂で成形し、前記プランジャの先端が突出する付近を除いて、前記取付面に両面テープを貼着して構成したことを特徴とするフィルムアンテナ用給電装置。
- フィルムアンテナの給電端子に電気的接続する給電装置であって、導電ケーブルを電気的接続したスプリングコネクタをインサートして、プランジャの先端を取付面より突出させて取付部材を絶縁樹脂で成形し、前記プランジャの先端に前記給電端子を対向させた状態で、前記取付面の前記フィルムアンテナが対応しない部分に、前記フィルムアンテナよりも厚い両面テープを貼着して構成したことを特徴とするフィルムアンテナ用給電装置。
- 請求項2記載のフィルムアンテナ用給電装置において、前記プランジャの先端に前記給電端子を対向させてた状態で、前記取付面で、前記プランジャの先端の突出部分を含む一隅の略矩形状に、前記フィルムアンテナの給電部分が対応するようになし、前記フィルムアンテナが対応しない部分の前記取付面に略L字状に前記両面テープを貼設して構成したことを特徴とするフィルムアンテナ用給電装置。
- 請求項2または3記載のフィルムアンテナ用給電装置において、前記プランジャの先端が半球状であり、前記半球状の半径を前記フィルムアンテナの厚さの少なくとも3.5倍以上に設定して構成したことを特徴とするフィルムアンテナ用給電装置。
- 請求項2または3記載のフィルムアンテナ用給電装置において、前記プランジャの先端が円錐状であり、前記円錐状の軸方向寸法を前記フィルムアンテナの厚さより長く設定して構成したことを特徴とするフィルムアンテナ用給電装置。
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