JP2004032427A - 画像処理方法、画像処理装置及びそれを備えた画像形成装置、撮像装置、並びにコンピュータプログラム、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力画像の画像品質を向上させるために入力画像の明度階調を補正する。
【解決手段】入力画像から明度情報を抽出して明度分布を求め(ヒストグラムを生成し)、この明度分布から入力画像の明度の特徴を示す領域を特定し、この領域に対応する明度累積頻度を求める。求めた少なくとも一点以上の明度累積頻度に始点と終点とを加えた少なくとも三点以上の点の間を補間することにより補正曲線、即ち明度階調補正特性を求め、この補正曲線に基づいて画像の明度値を補正することにより、人間の感性に近い明度補正を行なうことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】入力画像から明度情報を抽出して明度分布を求め(ヒストグラムを生成し)、この明度分布から入力画像の明度の特徴を示す領域を特定し、この領域に対応する明度累積頻度を求める。求めた少なくとも一点以上の明度累積頻度に始点と終点とを加えた少なくとも三点以上の点の間を補間することにより補正曲線、即ち明度階調補正特性を求め、この補正曲線に基づいて画像の明度値を補正することにより、人間の感性に近い明度補正を行なうことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像の特徴情報、特に、明度情報(又は輝度情報)に基づいて適切な明度階調補正を行なうことが可能な画像処理方法及び画像処理装置に関する。また本発明はプリンタ、複写機等のような装置のための上述のような本発明の画像処理装置を備えた画像形成装置、デジタルカメラ等のような装置のための上述のような本発明の画像処理装置を備えた撮像装置に関し、更に本発明の画像処理方法及び装置を汎用コンピュータシステムで実現するためのコンピュータプログラム及びそれを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の明度階調の補正は一般的には、入力明度と出力明度とを対応付けた階調補正特性曲線を用いて行なわれる。また、この階調補正特性曲線は明度ヒストグラムの特徴に基づいて定められる。
【0003】
図11は明度階調補正を行なうための原理を説明するためのグラフである。このグラフでは、入力信号の明度(入力明度)と、これを補正した出力信号の明度(出力明度)との関係が示されている。
【0004】
図11に示すように、横軸に示す入力明度の区間の幅がいずれもΔLで等しい二つの区間の実線で示す階調補正特性の傾きが比較的緩やかである場合と比較的急である場合とについて考える。前者に対応する縦軸に示す出力明度は比較的狭い区間ΔLo1に写像され、後者に対応する出力明度は比較的広い区間ΔLo2に写像される(ΔLo1<ΔLo2)。従って、明度ヒストグラムとして考えた場合には、頻度が高い明度区分に対応する区間では階調補正特性の傾きを急峻にし、逆に頻度が低い明度区分に相当する区間では傾きを緩やかにすることにより、それぞれの頻度に応じた階調数を割り当てることができる。
【0005】
このように明度信号のヒストグラムにより階調補正特性を決定する従来の一般的な方法として、ヒストグラムの累積値を求めてそれを階調補正特性として利用する方法が知られている。具体的には、ヒストグラムの明度区分に対応する各区間における補正特性の傾きをヒストグラムの全要素数、即ち入力画像の全画素数に対する明度区分の頻度数の比率とする方法である。たとえば、ヒストグラムのある明度区分が全画素数の5%の頻度を有する場合、最大明度をLmax とすると、補正特性はそれに対応する区間において0.05Lmax だけ上昇すると定義する。このとき、階調補正特性は入力明度と出力明度との双方が0の点を起点として入出力明度が最大明度となる点まで単調増加で連続しているため、各区間の始点の値はその直前の区間の傾きによって定まる。従って、各区間の傾きを頻度の割合により決定する場合には、線形近似された階調補正特性が求められる。また、各区間の始点と終点とを非線形な補間関数、たとえば多項近似曲線等を用いて補間すれば滑らかな階調補正特性を求めることも可能である。
【0006】
しかしこのような従来の方法では、入力画像の特性によっては階調補正特性が著しく変化する明度領域において擬似輪郭が発生し易いという問題があった。そのため、従来技術としてたとえば特開平10−210323号公報には、各区間における傾きの最大、最小値に制限を設けることにより擬似輪郭の発生を抑えるようにした発明が提案されている。この従来技術では、各区間の傾きに上限と下限とを設定することにより、階調補正特性の急激な変化を抑制するようにしている。しかし、この従来技術では、階調補正特性の終点が入出力明度の最大明度となる点に一致しない場合が生じる可能性があるため、このような場合には階調補正特性を求めた後に、終点が入出力最大明度の点となるように補正する必要が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術としての特開平10−210323号の発明では擬似輪郭の発生を抑えた良好な補正が可能となるが、以下のような問題が残されている。即ち、図12に示すように、明度ヒストグラムの頻度の変化が単調で無い場合、上述の従来技術により求められる補正特性の傾きは図12に実線で示すように高頻度で変化して細かい折れ線になる。このように補正特性の傾きの変化が著しくかつ頻繁な領域では擬似輪郭が発生しやすくなる。また、この擬似輪郭を抑制するために傾きの最大、最小値を厳しく制限した場合には、補正特性は線形に近くなり、従って画像全体に対する補正の効果がほとんど目立たなくなってしまう。いずれにしても、図12に示すような明度分布の特徴を有する画像に対しては、従来技術では十分な補正効果を得ることが困難であった。
【0008】
本発明は図12に示すような明度特性を有する画像に対しても十分な補正効果を得ることが可能な画像処理方法及び画像処理装置の提供を主たる目的とする。またそのような画像処理方法及び装置を汎用コンピュータシステムで実現するためのコンピュータプログラム及びそれを記録した記録媒体の提供も目的とする。更に、上述のような画像処理装置を備えた画像形成装置、撮像装置の提供をも目的とする。なお、本発明は明度のみならず輝度を対象として同様の作用・効果を奏することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理方法は、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理方法において、各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度を求め、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出し、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定し、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間し、該補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正することを特徴とする。
【0010】
このような本発明の画像処理方法では、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から、各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度が求められ、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域が抽出され、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度が明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定され、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点としてこれらの各点の間が補間され、この補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調が補正されることにより、明度(又は輝度)階調が補正された画像が出力される。
【0011】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出することにより前記特徴領域を抽出することを特徴とする。
【0012】
このような本発明の画像処理方法では、上述の発明において、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値が求められ、求められた平均値に所定値が加減算されることにより上限閾値と下限閾値とが求められ、上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とがそれぞれ抽出されることにより特徴領域が決定され、これに対応する特徴点が特定される。
【0013】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択することを特徴とする。
【0014】
このような本発明の画像処理方法では、上述の発明において、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つが特徴点として選択され、明度(又は輝度)階調の補正に使用される。
【0015】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度のいずれかを特徴点として選択することを特徴とする。
【0016】
このような本発明の画像処理方法では、上述の発明において、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度が所定の手順に従って間引かれた残りの明度(又は輝度)累積頻度が特徴点として選択され、明度(又は輝度)階調の補正に使用される。
【0017】
本発明に係る画像処理装置は、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成するヒストグラム生成部と、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像補正部とを備えた画像処理装置において、前記ヒストグラム生成部が生成した各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度を求める明度(又は輝度)累積頻度計算部と、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出する特徴領域抽出部と、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定する特徴点特定部と、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間する補間処理部とを備え、前記画像補正部は、前記補間処理部による補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
このような本発明の画像処理装置では、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成するヒストグラム生成部と、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像補正部とを備え、ヒストグラム生成部が求めた各明度(又は各輝度)区分の頻度を明度(又は輝度)累積頻度計算部が低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積して明度(又は輝度)累積頻度を求め、特徴領域抽出部が明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出する。そして、特徴点特定部が抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定し、補間処理部が特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間することにより、明度(又は輝度)階調補正特性が求められる。最後に、画像補正部が、補間処理部による補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する。
【0019】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴領域抽出部は、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出することにより前記特徴領域を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
このような本発明の画像処理装置では、上述の発明において、特徴領域抽出部が全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出することにより特徴領域を抽出する。そして、この特徴領域抽出部が抽出した特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特徴点特定部が特定する。
【0021】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴領域抽出部は、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択するようにしてあることを特徴とする。
【0022】
このような本発明の画像処理装置では、上述の発明において、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、特徴領域抽出部が連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択する。そして、この特徴領域抽出部が選択した特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特徴点特定部が特定する。
【0023】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴領域抽出部は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度を特徴点として選択するようにしてあることを特徴とする。
【0024】
このような本発明の画像処理装置では、上述の発明において、特徴領域抽出部が、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、特徴領域抽出部が連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度を特徴点として選択する。そして、この特徴領域抽出部が選択した特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点を特徴点特定部が特定する。
【0025】
本発明に係る画像形成装置は、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えることを特徴とする。
【0026】
このような本発明の画像形成装置では、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えているので、それぞれの発明の画像処理装置が処理した結果を利用して画像形成を行なう。
【0027】
本発明に係る撮像装置は、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えることを特徴とする。
【0028】
このような本発明の撮像装置では、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えているので、それぞれの発明の画像処理装置が処理した結果を利用して画像の撮像を行なう。
【0029】
本発明に係るコンピュータプログラムは、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせる手順と、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させる手順と、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させる手順と、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順と、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる手順とを実行させることを特徴とする。
【0030】
このような本発明のコンピュータプログラムでは、これがコンピュータに読み込まれることにより、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、この求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させることができ、その際に、コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせ、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させ、抽出させた少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させ、特定させた特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点としてこれらの各点の間を補間させ、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる。
【0031】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、前記特徴領域を抽出させる手順は、コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせる手順と、コンピュータに、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせる手順と、コンピュータに、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ前記特徴領域として抽出させる手順とを更に実行させることを特徴とする。
【0032】
このような本発明のコンピュータプログラムでは、上述の発明において、コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせ、求めさせた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせ、上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ特徴領域として抽出させることにより、特徴領域を抽出させる。
【0033】
本発明に係る記録媒体は、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせる手順と、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させる手順と、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させる手順と、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順と、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる手順とを含むコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
【0034】
また本発明に係る記録媒体は上述の発明において、前記特徴領域を抽出させる手順は、コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせる手順と、コンピュータに、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせる手順と、コンピュータに、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ前記特徴領域として抽出させる手順とを更に含み、コンピュータに前記特徴領域を抽出させるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
【0035】
これらの本発明の記録媒体では、これらに記録されているコンピュータプログラムをコンピュータに読み込ませることにより、上述のコンピュータプログラムの発明と同様の動作を行なわせることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下の説明においては、基本的には明度を対象として説明するが、明度に代えて輝度を対象としても本発明は同様の作用・効果を得ることができる。
【0037】
図1は本発明に係る画像処理装置に備えられる明度階調補正部1の機能構成例を示す機能ブロック図である。なお、この明度階調補正部1は、後述するように、たとえばパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータシステムに本発明の記録媒体から同じくコンピュータプログラムとしてインストールされたソフトウェア的機能として実現することも可能であり、またたとえば複写機等の画像形成装置、デジタルカメラ等の撮像装置にソフトウェア(ファームウェア)機能としてインストールしておくことも、またはLSIチップ等として構成した回路を実装させたハードウェア的機能として備えることも可能である。
【0038】
図2は本発明の画像処理装置に備えられる明度階調補正部1による処理手順、即ち本発明の画像処理方法の手順を示すフローチャートである。以下、図1、図2を参照して本発明の画像処理装置により実行される処理手順について説明する。
【0039】
明度階調補正部1へは、まず、入力画像データがCIEL* a* b* 信号(CIE: Commission International de l’Eclairage:国際照明委員会。L* :明度、a* 及びb* :色度)等の均等色空間に変換される等の処理を受けて明度信号と色度信号とに分離されて入力される(ステップS11)。但し、この処理を明度階調補正部1内で必ずしも行なう必要はなく、明度階調補正部1の前段に色変換部を介在させて適宜に処理を行なわせればよい(この点に関しては後述する)。なお、明度信号ではなく、RGB(R:Red 、G:Green 、B:Blue)信号として明度階調補正部1へ入力された画像データを下記式に基づいて輝度信号に変換して使用してもよい。
【0040】
Yj = 0.30Rj +0.59Gj +0.11Bj
Yj :各画素の輝度信号
Rj ,Gj ,Bj :各画素の色成分の濃度値
【0041】
次に、ヒストグラム生成部11において、上述のような明度階調補正部1へ入力される明度信号を複数の明度区分に区分した各明度区分の頻度から明度分布が生成される。なおこの場合、以下の処理を全自動で実行するのであれば明度分布を視覚化する必要は無いが、たとえば本発明の画像処理方法をパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトウェアとして実現するような場合には、必要に応じてヒストグラムをディスプレイに表示してユーザに提示するようにしてもよい。
【0042】
ヒストグラム生成部11は図3に示すようなヒストグラムHl(n)を生成する。ここで、nは「n=1, 2, 3・・・Lmax 」の整数であり、ヒストグラムのいずれの明度区分であるかを特定するインデクスである。たとえば、Lmax =16、即ち16階調である場合、入力信号の明度を16の明度区分に区分して明度分布(ヒストグラムHl(n))を求める(ステップS12)。
【0043】
次に、明度累積頻度計算部12により、ヒストグラム生成部11が求めた明度分布を、各明度区分の頻度を低明度側から高明度側へ累積した明度累積頻度(累積ヒストグラムAHl(n))が計算される(ステップS13)。なおこの場合も上記同様に、本発明をパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトウェアとして実現する場合には、必要に応じて累積ヒストグラムAHl(n)をディスプレイに表示してユーザに提示するようにしてもよい。
【0044】
なお、図3には累積ヒストグラムAHl(n)そのものは示していないが、「○」で示した明度累積頻度(累積頻度)を各明度区分の頻度として表したヒストグラムが累積ヒストグラムAHl(n)である。この「○」で示されている明度累積頻度を線形、または非線形の関数で近似して各明度累積頻度の間を補間して結んだ線が明度累積曲線である。また、この明度累積曲線の生成に際しては、必要に応じて傾きに対する制限とその結果生じる可能性のある終端でのずれに対する補正とを行なってもよい。
【0045】
なお上述の明度累積曲線は、従来技術においてはこれ自体が明度階調補正のための特性曲線として使用されていたものであることは前述した。
【0046】
一方、本発明では次に特徴領域抽出部13において、明度分布、即ちヒストグラムHl(n)上の特徴領域を抽出する。特徴領域とは、ヒストグラムHl(n)上で階調補正特性を決定する際に重要な特徴となる明度区分のことである。
【0047】
特徴領域抽出部13が特徴領域を抽出する方法としてはたとえば以下のような手法を採ることが可能である。即ち、特徴領域抽出部13は図4に示すようにヒストグラムHl(n)の各明度区分の頻度から頻度平均値Mf を求め、この頻度平均値Mf から予め定められた規則に従って得られる値を加減算することにより上限閾値Tha と下限閾値Thb とを計算する(ステップS14)。但し、両閾値Tha 、Thb と平均値Mf との差ΔFa 、ΔFb は下記式にて表されるが、必ずしも均等である必要はない。
【0048】
ΔFa =Tha −Mf 、
ΔFb =Mf −Thb
【0049】
また、この両閾値Tha 、Thb と平均値Mf との差ΔFa 、ΔFb を予め定数として定めておく必要もない。たとえば、上限閾値Tha を明度区分の頻度の最大値と頻度平均値Mf との中間値として、また下限閾値Thb を頻度の最小値と頻度平均値Mf との中間値としてそれぞれ求めてもよい。
【0050】
次に、特徴領域抽出部13は、上述のようにして得られた上限閾値Tha を上回るヒストグラムHl(n)上の頻度を有する明度区分と下限閾値Thb を下回るヒストグラムHl(n)上の頻度を有する明度区分とをそれぞれ特徴領域CA(m) として抽出する(ステップS15)。ここで、mは「m=1, 2, 3・・・」の正の整数であり、特徴領域がヒストグラムHl(n)のいずれの明度区分であるかを特定するインデクスである。
【0051】
次に、特徴点特定部14が、上述のステップS15において特徴領域抽出部13が抽出した二つの特徴領域CA(m) の明度区分に相当する累積ヒストグラムAHl(n)上の点をそれぞれ特徴点CP(k) として特定する(ステップS16)。ここで、kは「k=1, 2, 3・・・」の正の整数であり、特徴点ヒストグラムHl(n)のいずれの明度区分であるかを特定するインデクスである。このようにして特徴点を決定する理由は、ヒストグラムから階調補正特性を推定する際に、頻度の相対的に少ない領域と多い領域とが特に重要な特徴領域となるためである。
【0052】
即ち、画像の明度の階調補正をコンピュータシステム等で自動的に行なった画像と、人間がコンピュータシステム上で画像処理ソフト等を用いて明度ヒストグラムを参照して手動で行なった画像とを比較した場合、一般的には人間が手動で補正した画像の方が主観的な評価が高くなる傾向がある。具体的には、人間が階調補正を手動で行なう場合、人間の感性に従ってヒストグラムから度数が高いか、または低いか等の特徴となる点を認識して階調補正特性の補正を行ない、他の点は特徴となる点に基づいて画像処理ツールを用いて自動的に補間する場合が多い。
【0053】
本発明は、このような人間が手動で画像の明度補正を行なう際の特徴に着目することにより、明度ヒストグラムから前述したような手順で画像の特徴を自動的に抽出し、その結果を用いて階調補正を行なうようにしているため、多くの人間が好ましいと感じる補正に近似した補正を行なうことが可能になる。
【0054】
ステップS16において特定されたヒストグラムHl(n)上の少なくとも一つの特徴点CP(k) と、始点となる入出力明度値が最小明度値の点と、終点となる入出力明度値が最大明度値の点とを加え、合計3点以上の点を基準として補間処理部15が任意の補間手法を用いてこれらの点の間をそれぞれ補間処理する (ステップS17)。これにより、特徴点を通る補正曲線、即ち階調補正特性曲線CC(L) 、即ち明度階調補正特性が決定される。なお、具体的な補間手法としては、たとえばベジェ曲線を用いることが可能である。
【0055】
最後に、補正処理部(画像補正部)16では、補間処理部15が求めた補正曲線CC(L) を用いて入力画像データの明度の階調を補正処理し(ステップS18)、出力画像の明度を求める。この補正処理部16による補正処理そのものは従来公知の手法である。
【0056】
以上のようにして明度階調補正部1により階調補正特性、即ち補正曲線CC(L) を決定することにより、図4に示すように、補正特性全体の特徴を維持したままで、従来は擬似輪郭の原因となっていた局所的なヒストグラムの変化に基づく補正特性の頻繁な傾きの変化を抑制することができる。即ち、従来技術では、図4に破線で示すように、階調補正特性の傾きの変化が著しいために擬似輪郭が発生し易い。しかし本発明では図4に実線で示すように、階調補正特性が滑らかに変化する補正曲線CC(L) が得られるため、疑似輪郭の発生が抑制される。
【0057】
また、前述したように従来技術においては、疑似輪郭の発生を抑えるために階調補正特性の区間における傾きの最大値、最小値を制限していたため、その結果として、全体的な階調補正の効果も抑制されてしまうような場合があった。しかし本発明によればそのような場合においても、階調補正特性の傾きに対する制限を緩めることが可能になるため、全体的な補正の効果を高く維持することができる。
【0058】
ところで、上述の本発明の画像処理装置においてヒストグラムの明度区分数が十分に多い場合、たとえば明度区分数が8以上の場合には、図5に示すように、特徴領域が複数の明度区分に跨って連続する場合があり得る。このような場合には、複数の連続する明度区分中の各明度区分のそれぞれに特徴点が対応することになるが、それらの複数の特徴点から代表点を選択してそれを特徴点とする。
【0059】
ここで、代表点を決定する方法としては、連続して一つの特徴領域を形成する特徴点の両端を代表点とする方法、また別の方法としては連続して一つの特徴領域を形成する特徴点の中間点を代表点とする方法、更には一つの特徴領域を形成する特徴点の個数に制限を設けておき、この制限を超える場合には特徴点を間引く方法、等のいずれもが可能である。最後の特徴点を間引く方法としては、たとえば前述した二つの方法の何れかを用いてもよいし、予め定めた間隔で特徴点を間引いてもよい。
【0060】
次に、上述のような本発明の実際の適用例について説明する。まず、汎用コンピュータ用のアプリケーションソフトウェアとして本発明を適用する場合について説明する。
【0061】
本発明を汎用コンピュータのアプリケーションソフトウェアに適用する場合、具体的にはスキャナ等の画像入力装置で取り込んだ画像データに対してコンピュータシステム上で画像データ全体、またはその内の一部を選択した画像領域の色を調整する等の色調補正処理及びエッジを強調するフィルタ処理等と共に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理をアプリケーションソフトウェアとして実行し、処理後の画像をディスプレイ等の画像表示装置に表示したり、プリンタ等の画像出力装置から出力したりすることが可能になる。
【0062】
図6は一般的なコンピュータシステムの構成例を示すブロック図であり、上述した本発明の画像処理装置としての明度階調補正部1の機能を本発明のコンピュータプログラムを記録してある記録媒体からインストールして実現することが可能である。
【0063】
コンピュータシステム20は、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラ等の画像入力装置21、コンピュータプログラムがロードされることにより本発明の画像処理方法を含む種々の処理を行なうコンピュータ本体22、マウス、キーボード等の入力手段としてのユーザーインターフェース23、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等の画像表示装置24及びコンピュータの処理結果を紙等に出力するプリンタ等の画像出力装置25等により構成される。
【0064】
なお、コンピュータシステム20は、データ、コンピュータプログラム等を保存するための外部記憶装置26、LAN、インターネット等のネットワークを介してサーバ等の他のコンピュータシステムに接続するための通信手段27としてモデム、ネットワークカード等を備えている。
【0065】
ところで、前述した本発明の画像処理方法は、たとえば図2に示すフローチャートのような処理手順をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体からコンピュータシステム20にインストールすることによって実現することができる。従って、本発明の画像処理方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体をコンピュータシステムと分離して、汎用コンピュータ用のアプリケーションプログラムとして提供することができる。
【0066】
なおここで、コンピュータプログラムを記録した記録媒体としては、コンピュータ本体22の内部で処理を行なうための図示しない内部記憶装置、たとえばROMのような記録媒体に不揮発的に記録しておいてファームウェア的な使用方法を採ってもよいし、また外部記憶装置26によりコンピュータプログラムの読み取りが可能な種々の記録媒体であってもよい。
【0067】
いずれの場合においても、格納されているプログラムは、コンピュータ本体22のプロセッサがアクセスして実行する構成であってもよいし、外部記憶装置26に格納されているコンピュータプログラムを読み出し、読み出したコンピュータプログラムを、コンピュータ本体22の図示しないプログラム記憶領域に一旦ロードし、それを実行する構成であってもよい。
【0068】
なお、上述のような本発明の記録媒体としては、コンピュータ本体22と分離可能な、磁気テープ、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体やCD−ROM/CD−R/MD/DVD等の光学記録媒体、またはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory )、フラッシュROM等の半導体メモリを含む不揮発性の記録媒体であってもよい。
【0069】
また、図6に示すコンピュータシステム20は通信手段27によりLAN、インターネット等の通信ネットワークに接続可能な構成であるので、通信ネットワークを介して他のコンピュータシステム等からプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークを介してプログラムをダウンロードする場合には、プログラム自体をダウンロードするためのプログラムがコンピュータ本体22に予めインストールされている必要があるが、そのようなプログラムは予めコンピュータ本体22に格納しておいてもよいし、または本発明の記録媒体とは別の記録媒体から事前にインストールするようにしてもよい。
【0070】
具体的には、コンピュータシステム20のコンピュータ本体22には、本発明の記録媒体から読み取られた本発明のコンピュータプログラムを含むアプリケーションプログラム30がインストールされており、前述した如く、本発明の明度階調補正部1、色調補正処理部31、フィルタ処理部32として機能する。
【0071】
図7は上述の図6に示されているコンピュータシステム20にインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容を示す模式図であり、本発明の記録媒体としてのCD−ROM260に記録されている。なお、このCD−ROM260は、コンピュータシステム20の外部記憶装置26がCD−ROMドライブ対応である場合に、これによってその記録内容が読み取り可能な記録媒体である。
【0072】
CD−ROM260に記録されているコンピュータプログラムは、入力画像から明度情報を抽出し、抽出された明度情報を複数の明度区分に区分した各明度区分の頻度から明度分布を生成し、生成された明度分布から明度階調補正特性を求め、求められた明度階調補正特性に基づいて入力画像の明度階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、「明度分布の各明度区分の頻度を低明度側から高明度側へ累積した値を求めさせる手順(P11)」と、「明度分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域CA(m) を抽出させる手順(P12)」と、「抽出された少なくとも一つの特徴領域CA(m) に対応する明度区分の明度累積頻度を明度階調補正特性上の特徴点CP(k) として特定させる手順(P13)」と、「特定された特徴点CP(k) と、最低及び最高の明度区分にそれぞれ対応する最小明度値と最大明度値とを明度階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順(P14)」と、「補間結果に基づいて入力画像の明度階調を補正させる手順(P15)」とを含む。
【0073】
また本発明に係るコンピュータプログラムは、上述の手順(P12)が更に、コンピュータに、「全明度区分の頻度の平均値Mf を求めさせる手順(P21)」と、「求められた平均値Mf に所定値を加減算して上限閾値Tha と下限閾値Thb とを求めさせる手順(P22)」と、「上限閾値Tha を上回る頻度を有する明度区分と、下限閾値Thb を下回る頻度を有する明度区分とをそれぞれ特徴領域CA(m) として抽出させる手順(P23)」とを含む。
【0074】
次に本発明の画像処理装置に備えられる明度階調補正部1を含むデジタルスチルカメラを実現する場合について説明する。
【0075】
デジタルスチルカメラの画像補正処理機能の一つとして本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を組み込むことにより、デジタルスチルカメラで撮像した画像をデジタルスチルカメラ内で明度階調補正処理を施して出力することが可能になる。
【0076】
図8はデジタルスチルカメラの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部1を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【0077】
画像入力装置41は、たとえば光学レンズ、カラーフィルタ、受光素子であるCCD(Charge Coupled Device)等により構成されており、画像を撮像して画像データを出力する。なお、この画像入力装置41から出力される画像データはCCDにおいて画像の明度、色度等を電気的信号に変換したRGBのアナログ信号である。
【0078】
画像処理装置40のA/D(Analog/Digital)変換部42において、画像入力装置41から出力されたアナログ信号はデジタル信号に変換される。そして、入力補正部43において画像入力装置41の結像系、撮像系で発生した各種の歪みを取り除く処理、及び光源の色温度に基づくホワイトバランスの調整等が行なわれる。
【0079】
次に、入力補正部43からの出力信号は第1色変換部44においてたとえばCIE1976L* a* b* 信号に変換する等の処理により、明度信号と色度信号とに分離される。次に、本発明の明度階調補正部1において、第1色変換部44からの出力信号の内の明度信号を対象として前述した本発明の画像処理方法を実行することにより明度階調を補正する。
【0080】
次に、第2色変換部45では、明度階調補正部1からの出力信号である明度信号と第1色変換部44からの出力信号である色度信号とを入力して再度RGB信号に変換する。圧縮処理部46では、第2色変換部45からの出力信号を、記憶装置の容量を節約するため、またデータ転送に要する時間を短縮するため等の目的でJPEG(Joint Picture Experts Group)方式等に従ってデータサイズを圧縮する。
【0081】
このようにして圧縮処理部46においてデータ圧縮された画像データは、メモリカード等の記憶媒体を利用した記憶部47に格納される。記憶部47に格納された画像データはデジタルスチルカメラ本体に付属する液晶ディスプレイ等の画像表示装置48に表示することが可能であり、また出力画像データとしてコンピュータシステムを介して、または直接的にプリンタ等の画像出力装置へ出力することもできる。
【0082】
なお上述のような本発明の明度階調補正部1をデジタルスチルカメラに組み込む場合には、明度階調補正部1による処理を全自動的に実行させるのであれば、ヒストグラム生成部11によるヒストグラムHl(n)及び明度累積曲線生成部12による累積ヒストグラムAHl(n)を表示させる必要はない。しかし、それらを画像表示装置48に表示することによりユーザが手動で補正を行なうような場合のために、実際にヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を表示するようにしてもよい。
【0083】
次に本発明の画像処理装置に備えられる明度階調補正部1をプリンタとして実現する場合について説明する。但し以下の例では、デジタルスチルカメラ、フラットベッドスキャナ等の画像入力装置により得られた画像データをコンピュータを介さずに直接プリンタへ入力して出力(プリントアウト)するために、プリンタのファームウェアに本発明の画像処理装置である明度階調補正部1の機能を組み込むことにより明度階調の補正を実行する場合について説明する。
【0084】
図9はプリンタの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部1を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【0085】
デジタルスチルカメラ等の画像入力装置から入力されたRGB画像データは、プリンタ50の本体であるカラー画像処理装置500へ入力され、第1色変換部51においてたとえばCIE1976L* a* b* 信号に変換する等の処理により、明度信号と色度信号とに分離される。
【0086】
本発明の明度階調補正部1では、第1色変換部51の出力信号の内の明度信号を対象として前述した本発明の画像処理方法を実行することにより明度階調を補正する。
【0087】
第2色変換部52へは、第1色変換部51からの出力信号の内の色度信号と本発明の明度階調補正部1からの補正済の明度信号とが与えられる。第2色変換部52では、これらの信号をRGB信号、またはRGB信号を補色反転したCMY(C:Cyan、M:Magenta 、Y:Yellow)信号に再変換する処理を行なう。なお、以下の説明においては、第2色変換部52がCMY信号を出力する場合について説明する。
【0088】
次の色補正部53では、第2色変換部52からの出力信号であるCMY信号(またはRGB信号)に対して色補正処理を施す。ここで、色補正処理とは、色再現の忠実化を目的として不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理である。なお、図9においては、第2色変換部52と色補正部53とを別個の構成要素として示しているが、両者を一つにまとめる構成も可能である。
【0089】
黒生成下色除去部54は図示しないが黒生成部と下色除去部とから構成されいる。黒生成下色除去部54の黒生成部では色補正部53の出力信号である色補正されたCMY信号に基づいて、黒(K)生成処理を行なう。一方、黒生成下色除去部54の下色除去部では、黒信号から計算される下色の量をCMY信号から減算してCMYKの4色のデータに変換する。
【0090】
次に、黒生成下色除去部54において得られたCMYKの4色のデータに対して、空間フィルタ処理部55がデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行なうことにより、空間周波数特性を補正して出力画像のぼやけ、粒状性劣化等を防ぐ処理を行なう。
【0091】
そして、出力階調補正部56において、濃度信号等の信号をカラー画像出力装置58の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行ない、最終的に階調再現処理部57において、画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理を行なう。
【0092】
上述した各処理が施された画像データは、一旦、図示しない記憶装置に記憶され、所定のタイミングで記憶装置から読み出されてカラー画像出力装置58へ出力される。カラー画像出力装置58は、画像データを紙等の記録媒体上に出力(プリントアウト)する装置であり、たとえばインクジェット方式、熱転写方式のいわゆるヘッドに相当する部分であるが、特に限定されるものではない。
【0093】
また、操作パネル59には、図示はしないが、モード選択ボタン、設定ボタン、テンキー等の入力手段が備えられており、ユーザの指示を受け付けると共に、設定されている出力モード等をユーザに対して報知する機能を有している。ユーザは、この操作パネル59を操作してモードを選択することにより、プリンタ50の種々の処理機能をON/OFFしたり、任意にパラメータを設定したりすることができる。
【0094】
なお上述のような本発明の明度階調補正部1をプリンタ等に組み込む場合には、明度階調補正部1による処理を全自動的に実行させるのであれば、ヒストグラム生成部11によるヒストグラムHl(n)及び明度累積曲線生成部12による累積ヒストグラムAHl(n)を表示させる必要はない。しかし、操作パネル59の操作により明度補正のパラメータの設定を行なうような場合には、ヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を図示しない表示装置に表示することによりユーザが明度補正のパラメータ補正を行なう際に参照することが可能になる。従って、このような場合のために、実際にヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を表示するようにしてもよい。
【0095】
次に本発明の明度階調補正部1をデジタルカラー複写機に備えられる画像処理装置に適用する場合について説明する。但し以下の例では、スキャナ等の画像入力装置から読み込まれた原稿画像に対して、デジタルカラー複写機のファームウェアに本発明の明度階調補正部の機能を組み込むことにより明度階調の補正を実行する場合について説明する。
【0096】
図10はデジタルカラー複写機の一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部1を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【0097】
デジタルカラー複写機70は、カラー画像入力装置71、カラー画像処理装置700、及びカラー画像出力装置83により構成される。
【0098】
カラー画像入力装置71は、たとえばCCD等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナであり、原稿からの反射光像をRGBのアナログ電気信号として読み取って出力する。
【0099】
カラー画像入力装置71により読み取られたアナログ電気信号は、カラー画像処理装置700内を、A/D変換部72、シェーディング補正部73、入力階調補正部74、領域分離処理部75、第1色変換部76、本発明の画像処理装置である明度階調補正部1、第2色変換部77、色補正部78、黒生成下色除去部79、空間フィルタ処理部80、出力階調補正部81、及び階調再現処理部82の順に送られつつ処理され、CMYKのデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置83へ出力される。
【0100】
A/D変換部72は、カラー画像入力装置71からの出力信号であるRGBのアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。このデジタル信号への変換後の信号は、シェーディング補正部73において、カラー画像入力装置71の照明系、結像系、撮像系等で発生する各種の歪みを取り除く処理が施される。
【0101】
入力階調補正部74は、シェーディング補正部73において各種の歪みが取り除かれたRGB信号に対して、カラーバランスを調整すると共に、濃度信号等のようなカラー画像処理装置700で採用している画像処理システムが扱い易い信号に変換する処理を施す。
【0102】
領域分離処理部75は、入力階調補正部74の出力信号であるRGB信号を対象として、入力画像中の各画素を公知の方法により文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離する。そして領域分離処理部75は、分離結果に基づいて各画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部79、空間フィルタ処理部80、及び階調再現処理部82へ出力すると共に、入力階調補正部74から出力された信号をそのまま後段の第1色変換部76へ出力する。
【0103】
第1色変換部76においては、領域分離処理部75から出力されたRGB信号を入力してたとえばCIE1976L* a* b* 信号に変換する等の処理により色度信号と明度信号とに分離する。これらの内の明度信号に関しては本発明の明度階調補正部1に与えられ、前述した如く本発明の画像処理方法としての明度階調補正が施される。
【0104】
第2色変換部77では、第1色変換部76から出力された色度信号と明度階調補正部1から出力された補正済の明度信号とを入力してRGB信号を補色反転したCMY信号に変換する。
【0105】
色補正部78では、色再現の忠実化を図るために、第2色変換部77からの出力信号に対して不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行なう。なお、この例においても、第2色変換部77と色補正部78とを一つにまとめた構成要素としてもよい。
【0106】
黒生成下色除去部79は、色補正部78での色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成の処理と、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを行なう。この黒生成下色除去部79での処理により、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0107】
空間フィルタ処理部80は、黒生成下色除去部79から入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部75から与えられている領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行なうことにより空間周波数特性を補正する。この空間フィルタ処理部80での処理により、出力画像のぼやけ、粒状性劣化等が軽減される。階調再現処理部82では、空間フィルタ処理部80と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部75から与えられている領域識別信号に基づいて以下のような処理を施す。
【0108】
たとえば、領域分離処理部75において文字として分離された領域に対しては、文字の再現性を高めるために空間フィルタ処理部80での処理用の空間フィルタとして高周波成分の強調量が大きいフィルタが用いられる。同時に、階調再現処理部82においては、高域周波成分の再現に適した高解像度のスクリーンによる二値化または多値化処理が施される。
【0109】
また、領域分離処理部75において網点として分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部80において、入力網点成分を除去するためのローパスフィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部81では、濃度信号等の信号をカラー画像出力装置83の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行なう。この後、階調再現処理部82において、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理が施される。
【0110】
なお、領域分離処理部75において写真として分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化、または多値化処理が行なわれる。
【0111】
上述したような各処理が施された画像データは、一旦記憶装置に記憶され、所定のタイミングで記憶装置から読み出されてカラー画像出力装置83へ入力される。カラー画像出力装置83は、画像データを紙等の記録媒体上に出力する装置であり、たとえば、電子写真方式やインクジェット方式等のカラー画像出力装置を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0112】
また、操作パネル84には、図示はしないが、モード選択ボタン、設定ボタン、テンキー等の入力手段が備えられており、ユーザの指示を受け付けると共に、設定されている読み取りモード、出力モード等をユーザに対して報知する機能を有している。ユーザは、この操作パネル84を操作してモードを選択することにより、デジタルカラー複写機70の種々の処理機能をON/OFFしたり、任意にパラメータを設定したりすることができる。
【0113】
なお上述のような本発明の明度階調補正部1をデジタルカラー複写機等に組み込む場合には、明度階調補正部1による処理を全自動的に実行させるのであれば、ヒストグラム生成部11によるヒストグラムHl(n)及び明度累積曲線生成部12による累積ヒストグラムAHl(n)を表示する必要はない。しかし、操作パネル84の操作により明度補正のパラメータの設定を行なうような場合には、ヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を図示しない表示装置に表示することによりユーザが明度補正のパラメータ補正を行なう際に参照することが可能になる。従って、このような場合のために、実際にヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を表示するようにしてもよい。
【0114】
以上の説明においては、基本的には明度を対象として説明したが、明度に代えて輝度を対象としても本発明は同様の作用・効果を得ることができる。
【0115】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、入力画像から明度情報を抽出し、明度情報に基づいて明度分布(明度ヒストグラム)を求め、この明度分布から明度累積頻度を計算し(累積ヒストグラム生成し)、一方では明度分布の特徴を示す領域を決定し、明度階調補正特性上での先に求めた明度累積頻度と対応する点を特徴点として特定する。このようにして得られた特徴点を補間し(補正曲線を決定し)、これに基づいて明度階調を補正する。従って、明度階調補正特性上の特徴点を抽出することにより、明度分布の局所的な特性の影響を抑えて全体的な特性に基づく階調補正特性を決定することが可能になるので、従来方式では適切に補正することが困難であった明度分布上の頻度変化が一様でないような画像に対しても良好な補正結果が得られる。
【0116】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、明度分布上の特徴領域を決定する際に明度分布の頻度平均値を求め、これに対して上限閾値と下限閾値とを決定し、上限閾値を上回る頻度の明度区分と下限閾値を下回る頻度の明度区分とをそれぞれ特徴領域とする。従って、平均値を基準に閾値を決定して特徴領域を抽出することにより、入力画像に応じて人間の感性に近い適切な補正が可能になる。
【0117】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点を決定する際に、連続した一つの特徴領域に対して複数の特徴点が対応する場合にはこれらの特徴点から代表点を抽出し新たな特徴点とする。従って、特徴点の個数を制限することで明度分布の局所的な特性による影響を抑制する効果がある。
【0118】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点から代表点を決定する方法として、連続した一つの特徴領域に対応する特徴点の両端の点を代表点として抽出して新たな特徴点とする。従って、明度分布の局所的な特性を残しつつ、その影響を抑制することができる。
【0119】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点から代表点を決定する方法として、連続した一つの特徴領域に対応する特徴点の中間点を代表点として抽出して新たな特徴点とする。従って、間引かれる特徴点の個数が多くなるため、明度分布の局所的な特性による影響をより大きく抑制することができる。
【0120】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点から代表点を決定する方法として、連続した一つの特徴領域に対応する特徴点の個数が予め定めた値を超える場合に予め定めた規則に則り特徴点を間引く。従って、特徴点の個数に対する閾値と間引きの規則とを調整することにより、明度分布の局所的な特性による影響の抑制効果を調整することができる。
【0121】
本発明の撮像装置によれば、上述のような画像処理装置を備えることにより、たとえばデジタルスチルカメラ等に組み込んだ場合において、明暗が著しく明度が一様でない画像に対しても階調を適性に補正してトーンギャップを抑制することができるので、品質の良い画像を出力することができる。
【0122】
本発明の画像形成装置によれば、上述のような画像処理装置を備えることにより、たとえばプリンタ、デジタルカラー複写機等に組み込んだ場合において、明暗が著しく変化し明度が一様でない画像に対しても階調を適性に補正してトーンギャップを抑制することができるので、品質の良い画像を出力することができる。
【0123】
本発明のコンピュータプログラム及び記録媒体によれば、前述のような画像処理方法及び装置を、汎用コンピュータシステムにより実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の明度階調補正部の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の明度階調補正部による処理手順、即ち本発明の画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の明度階調補正部へ入力される明度信号から生成されるヒストグラムの模式図である。
【図4】本発明の明度階調補正部による特徴領域を抽出する方法を説明するための模式図である。
【図5】本発明の明度階調補正部による特徴領域を抽出する際にヒストグラムの明度区分数が十分に多い場合の状態を示す模式図である。
【図6】本発明の画像処理装置としての明度階調補正部の機能がインストールされた一般的なコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。
【図7】コンピュータシステムにインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容を示す模式図である。
【図8】デジタルスチルカメラの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【図9】プリンタの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【図10】デジタルカラー複写機の一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】明度階調補正を行なうための原理を説明するためのグラフである。
【図12】従来技術としての特開平10−210323号の発明の説明図である。
【符号の説明】
1 明度階調補正部
11 ヒストグラム生成部
12 明度累積頻度計算部
13 特徴領域抽出部
14 特徴点特定部
15 補間処理部
16 補正処理部
20 コンピュータシステム
26 外部記憶装置
40 画像処理装置
50 プリンタ
70 デジタルカラー複写機
260 CD−ROM(記録媒体)
500 カラー画像処理装置
700 カラー画像処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像の特徴情報、特に、明度情報(又は輝度情報)に基づいて適切な明度階調補正を行なうことが可能な画像処理方法及び画像処理装置に関する。また本発明はプリンタ、複写機等のような装置のための上述のような本発明の画像処理装置を備えた画像形成装置、デジタルカメラ等のような装置のための上述のような本発明の画像処理装置を備えた撮像装置に関し、更に本発明の画像処理方法及び装置を汎用コンピュータシステムで実現するためのコンピュータプログラム及びそれを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の明度階調の補正は一般的には、入力明度と出力明度とを対応付けた階調補正特性曲線を用いて行なわれる。また、この階調補正特性曲線は明度ヒストグラムの特徴に基づいて定められる。
【0003】
図11は明度階調補正を行なうための原理を説明するためのグラフである。このグラフでは、入力信号の明度(入力明度)と、これを補正した出力信号の明度(出力明度)との関係が示されている。
【0004】
図11に示すように、横軸に示す入力明度の区間の幅がいずれもΔLで等しい二つの区間の実線で示す階調補正特性の傾きが比較的緩やかである場合と比較的急である場合とについて考える。前者に対応する縦軸に示す出力明度は比較的狭い区間ΔLo1に写像され、後者に対応する出力明度は比較的広い区間ΔLo2に写像される(ΔLo1<ΔLo2)。従って、明度ヒストグラムとして考えた場合には、頻度が高い明度区分に対応する区間では階調補正特性の傾きを急峻にし、逆に頻度が低い明度区分に相当する区間では傾きを緩やかにすることにより、それぞれの頻度に応じた階調数を割り当てることができる。
【0005】
このように明度信号のヒストグラムにより階調補正特性を決定する従来の一般的な方法として、ヒストグラムの累積値を求めてそれを階調補正特性として利用する方法が知られている。具体的には、ヒストグラムの明度区分に対応する各区間における補正特性の傾きをヒストグラムの全要素数、即ち入力画像の全画素数に対する明度区分の頻度数の比率とする方法である。たとえば、ヒストグラムのある明度区分が全画素数の5%の頻度を有する場合、最大明度をLmax とすると、補正特性はそれに対応する区間において0.05Lmax だけ上昇すると定義する。このとき、階調補正特性は入力明度と出力明度との双方が0の点を起点として入出力明度が最大明度となる点まで単調増加で連続しているため、各区間の始点の値はその直前の区間の傾きによって定まる。従って、各区間の傾きを頻度の割合により決定する場合には、線形近似された階調補正特性が求められる。また、各区間の始点と終点とを非線形な補間関数、たとえば多項近似曲線等を用いて補間すれば滑らかな階調補正特性を求めることも可能である。
【0006】
しかしこのような従来の方法では、入力画像の特性によっては階調補正特性が著しく変化する明度領域において擬似輪郭が発生し易いという問題があった。そのため、従来技術としてたとえば特開平10−210323号公報には、各区間における傾きの最大、最小値に制限を設けることにより擬似輪郭の発生を抑えるようにした発明が提案されている。この従来技術では、各区間の傾きに上限と下限とを設定することにより、階調補正特性の急激な変化を抑制するようにしている。しかし、この従来技術では、階調補正特性の終点が入出力明度の最大明度となる点に一致しない場合が生じる可能性があるため、このような場合には階調補正特性を求めた後に、終点が入出力最大明度の点となるように補正する必要が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術としての特開平10−210323号の発明では擬似輪郭の発生を抑えた良好な補正が可能となるが、以下のような問題が残されている。即ち、図12に示すように、明度ヒストグラムの頻度の変化が単調で無い場合、上述の従来技術により求められる補正特性の傾きは図12に実線で示すように高頻度で変化して細かい折れ線になる。このように補正特性の傾きの変化が著しくかつ頻繁な領域では擬似輪郭が発生しやすくなる。また、この擬似輪郭を抑制するために傾きの最大、最小値を厳しく制限した場合には、補正特性は線形に近くなり、従って画像全体に対する補正の効果がほとんど目立たなくなってしまう。いずれにしても、図12に示すような明度分布の特徴を有する画像に対しては、従来技術では十分な補正効果を得ることが困難であった。
【0008】
本発明は図12に示すような明度特性を有する画像に対しても十分な補正効果を得ることが可能な画像処理方法及び画像処理装置の提供を主たる目的とする。またそのような画像処理方法及び装置を汎用コンピュータシステムで実現するためのコンピュータプログラム及びそれを記録した記録媒体の提供も目的とする。更に、上述のような画像処理装置を備えた画像形成装置、撮像装置の提供をも目的とする。なお、本発明は明度のみならず輝度を対象として同様の作用・効果を奏することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理方法は、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理方法において、各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度を求め、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出し、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定し、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間し、該補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正することを特徴とする。
【0010】
このような本発明の画像処理方法では、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から、各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度が求められ、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域が抽出され、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度が明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定され、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点としてこれらの各点の間が補間され、この補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調が補正されることにより、明度(又は輝度)階調が補正された画像が出力される。
【0011】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出することにより前記特徴領域を抽出することを特徴とする。
【0012】
このような本発明の画像処理方法では、上述の発明において、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値が求められ、求められた平均値に所定値が加減算されることにより上限閾値と下限閾値とが求められ、上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とがそれぞれ抽出されることにより特徴領域が決定され、これに対応する特徴点が特定される。
【0013】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択することを特徴とする。
【0014】
このような本発明の画像処理方法では、上述の発明において、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つが特徴点として選択され、明度(又は輝度)階調の補正に使用される。
【0015】
また本発明に係る画像処理方法は上述の発明において、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度のいずれかを特徴点として選択することを特徴とする。
【0016】
このような本発明の画像処理方法では、上述の発明において、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度が所定の手順に従って間引かれた残りの明度(又は輝度)累積頻度が特徴点として選択され、明度(又は輝度)階調の補正に使用される。
【0017】
本発明に係る画像処理装置は、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成するヒストグラム生成部と、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像補正部とを備えた画像処理装置において、前記ヒストグラム生成部が生成した各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度を求める明度(又は輝度)累積頻度計算部と、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出する特徴領域抽出部と、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定する特徴点特定部と、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間する補間処理部とを備え、前記画像補正部は、前記補間処理部による補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
このような本発明の画像処理装置では、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成するヒストグラム生成部と、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像補正部とを備え、ヒストグラム生成部が求めた各明度(又は各輝度)区分の頻度を明度(又は輝度)累積頻度計算部が低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積して明度(又は輝度)累積頻度を求め、特徴領域抽出部が明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出する。そして、特徴点特定部が抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定し、補間処理部が特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間することにより、明度(又は輝度)階調補正特性が求められる。最後に、画像補正部が、補間処理部による補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する。
【0019】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴領域抽出部は、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出することにより前記特徴領域を抽出するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
このような本発明の画像処理装置では、上述の発明において、特徴領域抽出部が全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出することにより特徴領域を抽出する。そして、この特徴領域抽出部が抽出した特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特徴点特定部が特定する。
【0021】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴領域抽出部は、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択するようにしてあることを特徴とする。
【0022】
このような本発明の画像処理装置では、上述の発明において、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、特徴領域抽出部が連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択する。そして、この特徴領域抽出部が選択した特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特徴点特定部が特定する。
【0023】
また本発明に係る画像処理装置は上述の発明において、前記特徴領域抽出部は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度を特徴点として選択するようにしてあることを特徴とする。
【0024】
このような本発明の画像処理装置では、上述の発明において、特徴領域抽出部が、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、特徴領域抽出部が連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度を特徴点として選択する。そして、この特徴領域抽出部が選択した特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点を特徴点特定部が特定する。
【0025】
本発明に係る画像形成装置は、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えることを特徴とする。
【0026】
このような本発明の画像形成装置では、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えているので、それぞれの発明の画像処理装置が処理した結果を利用して画像形成を行なう。
【0027】
本発明に係る撮像装置は、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えることを特徴とする。
【0028】
このような本発明の撮像装置では、前述の各発明の画像処理装置のいずれかを備えているので、それぞれの発明の画像処理装置が処理した結果を利用して画像の撮像を行なう。
【0029】
本発明に係るコンピュータプログラムは、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせる手順と、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させる手順と、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させる手順と、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順と、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる手順とを実行させることを特徴とする。
【0030】
このような本発明のコンピュータプログラムでは、これがコンピュータに読み込まれることにより、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、この求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させることができ、その際に、コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせ、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させ、抽出させた少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させ、特定させた特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点としてこれらの各点の間を補間させ、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる。
【0031】
また本発明に係るコンピュータプログラムは上述の発明において、前記特徴領域を抽出させる手順は、コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせる手順と、コンピュータに、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせる手順と、コンピュータに、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ前記特徴領域として抽出させる手順とを更に実行させることを特徴とする。
【0032】
このような本発明のコンピュータプログラムでは、上述の発明において、コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせ、求めさせた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせ、上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ特徴領域として抽出させることにより、特徴領域を抽出させる。
【0033】
本発明に係る記録媒体は、入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせる手順と、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させる手順と、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させる手順と、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順と、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる手順とを含むコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
【0034】
また本発明に係る記録媒体は上述の発明において、前記特徴領域を抽出させる手順は、コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせる手順と、コンピュータに、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせる手順と、コンピュータに、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ前記特徴領域として抽出させる手順とを更に含み、コンピュータに前記特徴領域を抽出させるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
【0035】
これらの本発明の記録媒体では、これらに記録されているコンピュータプログラムをコンピュータに読み込ませることにより、上述のコンピュータプログラムの発明と同様の動作を行なわせることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下の説明においては、基本的には明度を対象として説明するが、明度に代えて輝度を対象としても本発明は同様の作用・効果を得ることができる。
【0037】
図1は本発明に係る画像処理装置に備えられる明度階調補正部1の機能構成例を示す機能ブロック図である。なお、この明度階調補正部1は、後述するように、たとえばパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータシステムに本発明の記録媒体から同じくコンピュータプログラムとしてインストールされたソフトウェア的機能として実現することも可能であり、またたとえば複写機等の画像形成装置、デジタルカメラ等の撮像装置にソフトウェア(ファームウェア)機能としてインストールしておくことも、またはLSIチップ等として構成した回路を実装させたハードウェア的機能として備えることも可能である。
【0038】
図2は本発明の画像処理装置に備えられる明度階調補正部1による処理手順、即ち本発明の画像処理方法の手順を示すフローチャートである。以下、図1、図2を参照して本発明の画像処理装置により実行される処理手順について説明する。
【0039】
明度階調補正部1へは、まず、入力画像データがCIEL* a* b* 信号(CIE: Commission International de l’Eclairage:国際照明委員会。L* :明度、a* 及びb* :色度)等の均等色空間に変換される等の処理を受けて明度信号と色度信号とに分離されて入力される(ステップS11)。但し、この処理を明度階調補正部1内で必ずしも行なう必要はなく、明度階調補正部1の前段に色変換部を介在させて適宜に処理を行なわせればよい(この点に関しては後述する)。なお、明度信号ではなく、RGB(R:Red 、G:Green 、B:Blue)信号として明度階調補正部1へ入力された画像データを下記式に基づいて輝度信号に変換して使用してもよい。
【0040】
Yj = 0.30Rj +0.59Gj +0.11Bj
Yj :各画素の輝度信号
Rj ,Gj ,Bj :各画素の色成分の濃度値
【0041】
次に、ヒストグラム生成部11において、上述のような明度階調補正部1へ入力される明度信号を複数の明度区分に区分した各明度区分の頻度から明度分布が生成される。なおこの場合、以下の処理を全自動で実行するのであれば明度分布を視覚化する必要は無いが、たとえば本発明の画像処理方法をパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトウェアとして実現するような場合には、必要に応じてヒストグラムをディスプレイに表示してユーザに提示するようにしてもよい。
【0042】
ヒストグラム生成部11は図3に示すようなヒストグラムHl(n)を生成する。ここで、nは「n=1, 2, 3・・・Lmax 」の整数であり、ヒストグラムのいずれの明度区分であるかを特定するインデクスである。たとえば、Lmax =16、即ち16階調である場合、入力信号の明度を16の明度区分に区分して明度分布(ヒストグラムHl(n))を求める(ステップS12)。
【0043】
次に、明度累積頻度計算部12により、ヒストグラム生成部11が求めた明度分布を、各明度区分の頻度を低明度側から高明度側へ累積した明度累積頻度(累積ヒストグラムAHl(n))が計算される(ステップS13)。なおこの場合も上記同様に、本発明をパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトウェアとして実現する場合には、必要に応じて累積ヒストグラムAHl(n)をディスプレイに表示してユーザに提示するようにしてもよい。
【0044】
なお、図3には累積ヒストグラムAHl(n)そのものは示していないが、「○」で示した明度累積頻度(累積頻度)を各明度区分の頻度として表したヒストグラムが累積ヒストグラムAHl(n)である。この「○」で示されている明度累積頻度を線形、または非線形の関数で近似して各明度累積頻度の間を補間して結んだ線が明度累積曲線である。また、この明度累積曲線の生成に際しては、必要に応じて傾きに対する制限とその結果生じる可能性のある終端でのずれに対する補正とを行なってもよい。
【0045】
なお上述の明度累積曲線は、従来技術においてはこれ自体が明度階調補正のための特性曲線として使用されていたものであることは前述した。
【0046】
一方、本発明では次に特徴領域抽出部13において、明度分布、即ちヒストグラムHl(n)上の特徴領域を抽出する。特徴領域とは、ヒストグラムHl(n)上で階調補正特性を決定する際に重要な特徴となる明度区分のことである。
【0047】
特徴領域抽出部13が特徴領域を抽出する方法としてはたとえば以下のような手法を採ることが可能である。即ち、特徴領域抽出部13は図4に示すようにヒストグラムHl(n)の各明度区分の頻度から頻度平均値Mf を求め、この頻度平均値Mf から予め定められた規則に従って得られる値を加減算することにより上限閾値Tha と下限閾値Thb とを計算する(ステップS14)。但し、両閾値Tha 、Thb と平均値Mf との差ΔFa 、ΔFb は下記式にて表されるが、必ずしも均等である必要はない。
【0048】
ΔFa =Tha −Mf 、
ΔFb =Mf −Thb
【0049】
また、この両閾値Tha 、Thb と平均値Mf との差ΔFa 、ΔFb を予め定数として定めておく必要もない。たとえば、上限閾値Tha を明度区分の頻度の最大値と頻度平均値Mf との中間値として、また下限閾値Thb を頻度の最小値と頻度平均値Mf との中間値としてそれぞれ求めてもよい。
【0050】
次に、特徴領域抽出部13は、上述のようにして得られた上限閾値Tha を上回るヒストグラムHl(n)上の頻度を有する明度区分と下限閾値Thb を下回るヒストグラムHl(n)上の頻度を有する明度区分とをそれぞれ特徴領域CA(m) として抽出する(ステップS15)。ここで、mは「m=1, 2, 3・・・」の正の整数であり、特徴領域がヒストグラムHl(n)のいずれの明度区分であるかを特定するインデクスである。
【0051】
次に、特徴点特定部14が、上述のステップS15において特徴領域抽出部13が抽出した二つの特徴領域CA(m) の明度区分に相当する累積ヒストグラムAHl(n)上の点をそれぞれ特徴点CP(k) として特定する(ステップS16)。ここで、kは「k=1, 2, 3・・・」の正の整数であり、特徴点ヒストグラムHl(n)のいずれの明度区分であるかを特定するインデクスである。このようにして特徴点を決定する理由は、ヒストグラムから階調補正特性を推定する際に、頻度の相対的に少ない領域と多い領域とが特に重要な特徴領域となるためである。
【0052】
即ち、画像の明度の階調補正をコンピュータシステム等で自動的に行なった画像と、人間がコンピュータシステム上で画像処理ソフト等を用いて明度ヒストグラムを参照して手動で行なった画像とを比較した場合、一般的には人間が手動で補正した画像の方が主観的な評価が高くなる傾向がある。具体的には、人間が階調補正を手動で行なう場合、人間の感性に従ってヒストグラムから度数が高いか、または低いか等の特徴となる点を認識して階調補正特性の補正を行ない、他の点は特徴となる点に基づいて画像処理ツールを用いて自動的に補間する場合が多い。
【0053】
本発明は、このような人間が手動で画像の明度補正を行なう際の特徴に着目することにより、明度ヒストグラムから前述したような手順で画像の特徴を自動的に抽出し、その結果を用いて階調補正を行なうようにしているため、多くの人間が好ましいと感じる補正に近似した補正を行なうことが可能になる。
【0054】
ステップS16において特定されたヒストグラムHl(n)上の少なくとも一つの特徴点CP(k) と、始点となる入出力明度値が最小明度値の点と、終点となる入出力明度値が最大明度値の点とを加え、合計3点以上の点を基準として補間処理部15が任意の補間手法を用いてこれらの点の間をそれぞれ補間処理する (ステップS17)。これにより、特徴点を通る補正曲線、即ち階調補正特性曲線CC(L) 、即ち明度階調補正特性が決定される。なお、具体的な補間手法としては、たとえばベジェ曲線を用いることが可能である。
【0055】
最後に、補正処理部(画像補正部)16では、補間処理部15が求めた補正曲線CC(L) を用いて入力画像データの明度の階調を補正処理し(ステップS18)、出力画像の明度を求める。この補正処理部16による補正処理そのものは従来公知の手法である。
【0056】
以上のようにして明度階調補正部1により階調補正特性、即ち補正曲線CC(L) を決定することにより、図4に示すように、補正特性全体の特徴を維持したままで、従来は擬似輪郭の原因となっていた局所的なヒストグラムの変化に基づく補正特性の頻繁な傾きの変化を抑制することができる。即ち、従来技術では、図4に破線で示すように、階調補正特性の傾きの変化が著しいために擬似輪郭が発生し易い。しかし本発明では図4に実線で示すように、階調補正特性が滑らかに変化する補正曲線CC(L) が得られるため、疑似輪郭の発生が抑制される。
【0057】
また、前述したように従来技術においては、疑似輪郭の発生を抑えるために階調補正特性の区間における傾きの最大値、最小値を制限していたため、その結果として、全体的な階調補正の効果も抑制されてしまうような場合があった。しかし本発明によればそのような場合においても、階調補正特性の傾きに対する制限を緩めることが可能になるため、全体的な補正の効果を高く維持することができる。
【0058】
ところで、上述の本発明の画像処理装置においてヒストグラムの明度区分数が十分に多い場合、たとえば明度区分数が8以上の場合には、図5に示すように、特徴領域が複数の明度区分に跨って連続する場合があり得る。このような場合には、複数の連続する明度区分中の各明度区分のそれぞれに特徴点が対応することになるが、それらの複数の特徴点から代表点を選択してそれを特徴点とする。
【0059】
ここで、代表点を決定する方法としては、連続して一つの特徴領域を形成する特徴点の両端を代表点とする方法、また別の方法としては連続して一つの特徴領域を形成する特徴点の中間点を代表点とする方法、更には一つの特徴領域を形成する特徴点の個数に制限を設けておき、この制限を超える場合には特徴点を間引く方法、等のいずれもが可能である。最後の特徴点を間引く方法としては、たとえば前述した二つの方法の何れかを用いてもよいし、予め定めた間隔で特徴点を間引いてもよい。
【0060】
次に、上述のような本発明の実際の適用例について説明する。まず、汎用コンピュータ用のアプリケーションソフトウェアとして本発明を適用する場合について説明する。
【0061】
本発明を汎用コンピュータのアプリケーションソフトウェアに適用する場合、具体的にはスキャナ等の画像入力装置で取り込んだ画像データに対してコンピュータシステム上で画像データ全体、またはその内の一部を選択した画像領域の色を調整する等の色調補正処理及びエッジを強調するフィルタ処理等と共に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理をアプリケーションソフトウェアとして実行し、処理後の画像をディスプレイ等の画像表示装置に表示したり、プリンタ等の画像出力装置から出力したりすることが可能になる。
【0062】
図6は一般的なコンピュータシステムの構成例を示すブロック図であり、上述した本発明の画像処理装置としての明度階調補正部1の機能を本発明のコンピュータプログラムを記録してある記録媒体からインストールして実現することが可能である。
【0063】
コンピュータシステム20は、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラ等の画像入力装置21、コンピュータプログラムがロードされることにより本発明の画像処理方法を含む種々の処理を行なうコンピュータ本体22、マウス、キーボード等の入力手段としてのユーザーインターフェース23、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等の画像表示装置24及びコンピュータの処理結果を紙等に出力するプリンタ等の画像出力装置25等により構成される。
【0064】
なお、コンピュータシステム20は、データ、コンピュータプログラム等を保存するための外部記憶装置26、LAN、インターネット等のネットワークを介してサーバ等の他のコンピュータシステムに接続するための通信手段27としてモデム、ネットワークカード等を備えている。
【0065】
ところで、前述した本発明の画像処理方法は、たとえば図2に示すフローチャートのような処理手順をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体からコンピュータシステム20にインストールすることによって実現することができる。従って、本発明の画像処理方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体をコンピュータシステムと分離して、汎用コンピュータ用のアプリケーションプログラムとして提供することができる。
【0066】
なおここで、コンピュータプログラムを記録した記録媒体としては、コンピュータ本体22の内部で処理を行なうための図示しない内部記憶装置、たとえばROMのような記録媒体に不揮発的に記録しておいてファームウェア的な使用方法を採ってもよいし、また外部記憶装置26によりコンピュータプログラムの読み取りが可能な種々の記録媒体であってもよい。
【0067】
いずれの場合においても、格納されているプログラムは、コンピュータ本体22のプロセッサがアクセスして実行する構成であってもよいし、外部記憶装置26に格納されているコンピュータプログラムを読み出し、読み出したコンピュータプログラムを、コンピュータ本体22の図示しないプログラム記憶領域に一旦ロードし、それを実行する構成であってもよい。
【0068】
なお、上述のような本発明の記録媒体としては、コンピュータ本体22と分離可能な、磁気テープ、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体やCD−ROM/CD−R/MD/DVD等の光学記録媒体、またはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory )、フラッシュROM等の半導体メモリを含む不揮発性の記録媒体であってもよい。
【0069】
また、図6に示すコンピュータシステム20は通信手段27によりLAN、インターネット等の通信ネットワークに接続可能な構成であるので、通信ネットワークを介して他のコンピュータシステム等からプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークを介してプログラムをダウンロードする場合には、プログラム自体をダウンロードするためのプログラムがコンピュータ本体22に予めインストールされている必要があるが、そのようなプログラムは予めコンピュータ本体22に格納しておいてもよいし、または本発明の記録媒体とは別の記録媒体から事前にインストールするようにしてもよい。
【0070】
具体的には、コンピュータシステム20のコンピュータ本体22には、本発明の記録媒体から読み取られた本発明のコンピュータプログラムを含むアプリケーションプログラム30がインストールされており、前述した如く、本発明の明度階調補正部1、色調補正処理部31、フィルタ処理部32として機能する。
【0071】
図7は上述の図6に示されているコンピュータシステム20にインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容を示す模式図であり、本発明の記録媒体としてのCD−ROM260に記録されている。なお、このCD−ROM260は、コンピュータシステム20の外部記憶装置26がCD−ROMドライブ対応である場合に、これによってその記録内容が読み取り可能な記録媒体である。
【0072】
CD−ROM260に記録されているコンピュータプログラムは、入力画像から明度情報を抽出し、抽出された明度情報を複数の明度区分に区分した各明度区分の頻度から明度分布を生成し、生成された明度分布から明度階調補正特性を求め、求められた明度階調補正特性に基づいて入力画像の明度階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータに、「明度分布の各明度区分の頻度を低明度側から高明度側へ累積した値を求めさせる手順(P11)」と、「明度分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域CA(m) を抽出させる手順(P12)」と、「抽出された少なくとも一つの特徴領域CA(m) に対応する明度区分の明度累積頻度を明度階調補正特性上の特徴点CP(k) として特定させる手順(P13)」と、「特定された特徴点CP(k) と、最低及び最高の明度区分にそれぞれ対応する最小明度値と最大明度値とを明度階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順(P14)」と、「補間結果に基づいて入力画像の明度階調を補正させる手順(P15)」とを含む。
【0073】
また本発明に係るコンピュータプログラムは、上述の手順(P12)が更に、コンピュータに、「全明度区分の頻度の平均値Mf を求めさせる手順(P21)」と、「求められた平均値Mf に所定値を加減算して上限閾値Tha と下限閾値Thb とを求めさせる手順(P22)」と、「上限閾値Tha を上回る頻度を有する明度区分と、下限閾値Thb を下回る頻度を有する明度区分とをそれぞれ特徴領域CA(m) として抽出させる手順(P23)」とを含む。
【0074】
次に本発明の画像処理装置に備えられる明度階調補正部1を含むデジタルスチルカメラを実現する場合について説明する。
【0075】
デジタルスチルカメラの画像補正処理機能の一つとして本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を組み込むことにより、デジタルスチルカメラで撮像した画像をデジタルスチルカメラ内で明度階調補正処理を施して出力することが可能になる。
【0076】
図8はデジタルスチルカメラの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部1を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【0077】
画像入力装置41は、たとえば光学レンズ、カラーフィルタ、受光素子であるCCD(Charge Coupled Device)等により構成されており、画像を撮像して画像データを出力する。なお、この画像入力装置41から出力される画像データはCCDにおいて画像の明度、色度等を電気的信号に変換したRGBのアナログ信号である。
【0078】
画像処理装置40のA/D(Analog/Digital)変換部42において、画像入力装置41から出力されたアナログ信号はデジタル信号に変換される。そして、入力補正部43において画像入力装置41の結像系、撮像系で発生した各種の歪みを取り除く処理、及び光源の色温度に基づくホワイトバランスの調整等が行なわれる。
【0079】
次に、入力補正部43からの出力信号は第1色変換部44においてたとえばCIE1976L* a* b* 信号に変換する等の処理により、明度信号と色度信号とに分離される。次に、本発明の明度階調補正部1において、第1色変換部44からの出力信号の内の明度信号を対象として前述した本発明の画像処理方法を実行することにより明度階調を補正する。
【0080】
次に、第2色変換部45では、明度階調補正部1からの出力信号である明度信号と第1色変換部44からの出力信号である色度信号とを入力して再度RGB信号に変換する。圧縮処理部46では、第2色変換部45からの出力信号を、記憶装置の容量を節約するため、またデータ転送に要する時間を短縮するため等の目的でJPEG(Joint Picture Experts Group)方式等に従ってデータサイズを圧縮する。
【0081】
このようにして圧縮処理部46においてデータ圧縮された画像データは、メモリカード等の記憶媒体を利用した記憶部47に格納される。記憶部47に格納された画像データはデジタルスチルカメラ本体に付属する液晶ディスプレイ等の画像表示装置48に表示することが可能であり、また出力画像データとしてコンピュータシステムを介して、または直接的にプリンタ等の画像出力装置へ出力することもできる。
【0082】
なお上述のような本発明の明度階調補正部1をデジタルスチルカメラに組み込む場合には、明度階調補正部1による処理を全自動的に実行させるのであれば、ヒストグラム生成部11によるヒストグラムHl(n)及び明度累積曲線生成部12による累積ヒストグラムAHl(n)を表示させる必要はない。しかし、それらを画像表示装置48に表示することによりユーザが手動で補正を行なうような場合のために、実際にヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を表示するようにしてもよい。
【0083】
次に本発明の画像処理装置に備えられる明度階調補正部1をプリンタとして実現する場合について説明する。但し以下の例では、デジタルスチルカメラ、フラットベッドスキャナ等の画像入力装置により得られた画像データをコンピュータを介さずに直接プリンタへ入力して出力(プリントアウト)するために、プリンタのファームウェアに本発明の画像処理装置である明度階調補正部1の機能を組み込むことにより明度階調の補正を実行する場合について説明する。
【0084】
図9はプリンタの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部1を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【0085】
デジタルスチルカメラ等の画像入力装置から入力されたRGB画像データは、プリンタ50の本体であるカラー画像処理装置500へ入力され、第1色変換部51においてたとえばCIE1976L* a* b* 信号に変換する等の処理により、明度信号と色度信号とに分離される。
【0086】
本発明の明度階調補正部1では、第1色変換部51の出力信号の内の明度信号を対象として前述した本発明の画像処理方法を実行することにより明度階調を補正する。
【0087】
第2色変換部52へは、第1色変換部51からの出力信号の内の色度信号と本発明の明度階調補正部1からの補正済の明度信号とが与えられる。第2色変換部52では、これらの信号をRGB信号、またはRGB信号を補色反転したCMY(C:Cyan、M:Magenta 、Y:Yellow)信号に再変換する処理を行なう。なお、以下の説明においては、第2色変換部52がCMY信号を出力する場合について説明する。
【0088】
次の色補正部53では、第2色変換部52からの出力信号であるCMY信号(またはRGB信号)に対して色補正処理を施す。ここで、色補正処理とは、色再現の忠実化を目的として不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理である。なお、図9においては、第2色変換部52と色補正部53とを別個の構成要素として示しているが、両者を一つにまとめる構成も可能である。
【0089】
黒生成下色除去部54は図示しないが黒生成部と下色除去部とから構成されいる。黒生成下色除去部54の黒生成部では色補正部53の出力信号である色補正されたCMY信号に基づいて、黒(K)生成処理を行なう。一方、黒生成下色除去部54の下色除去部では、黒信号から計算される下色の量をCMY信号から減算してCMYKの4色のデータに変換する。
【0090】
次に、黒生成下色除去部54において得られたCMYKの4色のデータに対して、空間フィルタ処理部55がデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行なうことにより、空間周波数特性を補正して出力画像のぼやけ、粒状性劣化等を防ぐ処理を行なう。
【0091】
そして、出力階調補正部56において、濃度信号等の信号をカラー画像出力装置58の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行ない、最終的に階調再現処理部57において、画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理を行なう。
【0092】
上述した各処理が施された画像データは、一旦、図示しない記憶装置に記憶され、所定のタイミングで記憶装置から読み出されてカラー画像出力装置58へ出力される。カラー画像出力装置58は、画像データを紙等の記録媒体上に出力(プリントアウト)する装置であり、たとえばインクジェット方式、熱転写方式のいわゆるヘッドに相当する部分であるが、特に限定されるものではない。
【0093】
また、操作パネル59には、図示はしないが、モード選択ボタン、設定ボタン、テンキー等の入力手段が備えられており、ユーザの指示を受け付けると共に、設定されている出力モード等をユーザに対して報知する機能を有している。ユーザは、この操作パネル59を操作してモードを選択することにより、プリンタ50の種々の処理機能をON/OFFしたり、任意にパラメータを設定したりすることができる。
【0094】
なお上述のような本発明の明度階調補正部1をプリンタ等に組み込む場合には、明度階調補正部1による処理を全自動的に実行させるのであれば、ヒストグラム生成部11によるヒストグラムHl(n)及び明度累積曲線生成部12による累積ヒストグラムAHl(n)を表示させる必要はない。しかし、操作パネル59の操作により明度補正のパラメータの設定を行なうような場合には、ヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を図示しない表示装置に表示することによりユーザが明度補正のパラメータ補正を行なう際に参照することが可能になる。従って、このような場合のために、実際にヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を表示するようにしてもよい。
【0095】
次に本発明の明度階調補正部1をデジタルカラー複写機に備えられる画像処理装置に適用する場合について説明する。但し以下の例では、スキャナ等の画像入力装置から読み込まれた原稿画像に対して、デジタルカラー複写機のファームウェアに本発明の明度階調補正部の機能を組み込むことにより明度階調の補正を実行する場合について説明する。
【0096】
図10はデジタルカラー複写機の一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部1を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【0097】
デジタルカラー複写機70は、カラー画像入力装置71、カラー画像処理装置700、及びカラー画像出力装置83により構成される。
【0098】
カラー画像入力装置71は、たとえばCCD等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナであり、原稿からの反射光像をRGBのアナログ電気信号として読み取って出力する。
【0099】
カラー画像入力装置71により読み取られたアナログ電気信号は、カラー画像処理装置700内を、A/D変換部72、シェーディング補正部73、入力階調補正部74、領域分離処理部75、第1色変換部76、本発明の画像処理装置である明度階調補正部1、第2色変換部77、色補正部78、黒生成下色除去部79、空間フィルタ処理部80、出力階調補正部81、及び階調再現処理部82の順に送られつつ処理され、CMYKのデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置83へ出力される。
【0100】
A/D変換部72は、カラー画像入力装置71からの出力信号であるRGBのアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。このデジタル信号への変換後の信号は、シェーディング補正部73において、カラー画像入力装置71の照明系、結像系、撮像系等で発生する各種の歪みを取り除く処理が施される。
【0101】
入力階調補正部74は、シェーディング補正部73において各種の歪みが取り除かれたRGB信号に対して、カラーバランスを調整すると共に、濃度信号等のようなカラー画像処理装置700で採用している画像処理システムが扱い易い信号に変換する処理を施す。
【0102】
領域分離処理部75は、入力階調補正部74の出力信号であるRGB信号を対象として、入力画像中の各画素を公知の方法により文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離する。そして領域分離処理部75は、分離結果に基づいて各画素がいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部79、空間フィルタ処理部80、及び階調再現処理部82へ出力すると共に、入力階調補正部74から出力された信号をそのまま後段の第1色変換部76へ出力する。
【0103】
第1色変換部76においては、領域分離処理部75から出力されたRGB信号を入力してたとえばCIE1976L* a* b* 信号に変換する等の処理により色度信号と明度信号とに分離する。これらの内の明度信号に関しては本発明の明度階調補正部1に与えられ、前述した如く本発明の画像処理方法としての明度階調補正が施される。
【0104】
第2色変換部77では、第1色変換部76から出力された色度信号と明度階調補正部1から出力された補正済の明度信号とを入力してRGB信号を補色反転したCMY信号に変換する。
【0105】
色補正部78では、色再現の忠実化を図るために、第2色変換部77からの出力信号に対して不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行なう。なお、この例においても、第2色変換部77と色補正部78とを一つにまとめた構成要素としてもよい。
【0106】
黒生成下色除去部79は、色補正部78での色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成の処理と、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを行なう。この黒生成下色除去部79での処理により、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0107】
空間フィルタ処理部80は、黒生成下色除去部79から入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部75から与えられている領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行なうことにより空間周波数特性を補正する。この空間フィルタ処理部80での処理により、出力画像のぼやけ、粒状性劣化等が軽減される。階調再現処理部82では、空間フィルタ処理部80と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部75から与えられている領域識別信号に基づいて以下のような処理を施す。
【0108】
たとえば、領域分離処理部75において文字として分離された領域に対しては、文字の再現性を高めるために空間フィルタ処理部80での処理用の空間フィルタとして高周波成分の強調量が大きいフィルタが用いられる。同時に、階調再現処理部82においては、高域周波成分の再現に適した高解像度のスクリーンによる二値化または多値化処理が施される。
【0109】
また、領域分離処理部75において網点として分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部80において、入力網点成分を除去するためのローパスフィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部81では、濃度信号等の信号をカラー画像出力装置83の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行なう。この後、階調再現処理部82において、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理が施される。
【0110】
なお、領域分離処理部75において写真として分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化、または多値化処理が行なわれる。
【0111】
上述したような各処理が施された画像データは、一旦記憶装置に記憶され、所定のタイミングで記憶装置から読み出されてカラー画像出力装置83へ入力される。カラー画像出力装置83は、画像データを紙等の記録媒体上に出力する装置であり、たとえば、電子写真方式やインクジェット方式等のカラー画像出力装置を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0112】
また、操作パネル84には、図示はしないが、モード選択ボタン、設定ボタン、テンキー等の入力手段が備えられており、ユーザの指示を受け付けると共に、設定されている読み取りモード、出力モード等をユーザに対して報知する機能を有している。ユーザは、この操作パネル84を操作してモードを選択することにより、デジタルカラー複写機70の種々の処理機能をON/OFFしたり、任意にパラメータを設定したりすることができる。
【0113】
なお上述のような本発明の明度階調補正部1をデジタルカラー複写機等に組み込む場合には、明度階調補正部1による処理を全自動的に実行させるのであれば、ヒストグラム生成部11によるヒストグラムHl(n)及び明度累積曲線生成部12による累積ヒストグラムAHl(n)を表示する必要はない。しかし、操作パネル84の操作により明度補正のパラメータの設定を行なうような場合には、ヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を図示しない表示装置に表示することによりユーザが明度補正のパラメータ補正を行なう際に参照することが可能になる。従って、このような場合のために、実際にヒストグラムHl(n)及び累積ヒストグラムAHl(n)を表示するようにしてもよい。
【0114】
以上の説明においては、基本的には明度を対象として説明したが、明度に代えて輝度を対象としても本発明は同様の作用・効果を得ることができる。
【0115】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、入力画像から明度情報を抽出し、明度情報に基づいて明度分布(明度ヒストグラム)を求め、この明度分布から明度累積頻度を計算し(累積ヒストグラム生成し)、一方では明度分布の特徴を示す領域を決定し、明度階調補正特性上での先に求めた明度累積頻度と対応する点を特徴点として特定する。このようにして得られた特徴点を補間し(補正曲線を決定し)、これに基づいて明度階調を補正する。従って、明度階調補正特性上の特徴点を抽出することにより、明度分布の局所的な特性の影響を抑えて全体的な特性に基づく階調補正特性を決定することが可能になるので、従来方式では適切に補正することが困難であった明度分布上の頻度変化が一様でないような画像に対しても良好な補正結果が得られる。
【0116】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、明度分布上の特徴領域を決定する際に明度分布の頻度平均値を求め、これに対して上限閾値と下限閾値とを決定し、上限閾値を上回る頻度の明度区分と下限閾値を下回る頻度の明度区分とをそれぞれ特徴領域とする。従って、平均値を基準に閾値を決定して特徴領域を抽出することにより、入力画像に応じて人間の感性に近い適切な補正が可能になる。
【0117】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点を決定する際に、連続した一つの特徴領域に対して複数の特徴点が対応する場合にはこれらの特徴点から代表点を抽出し新たな特徴点とする。従って、特徴点の個数を制限することで明度分布の局所的な特性による影響を抑制する効果がある。
【0118】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点から代表点を決定する方法として、連続した一つの特徴領域に対応する特徴点の両端の点を代表点として抽出して新たな特徴点とする。従って、明度分布の局所的な特性を残しつつ、その影響を抑制することができる。
【0119】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点から代表点を決定する方法として、連続した一つの特徴領域に対応する特徴点の中間点を代表点として抽出して新たな特徴点とする。従って、間引かれる特徴点の個数が多くなるため、明度分布の局所的な特性による影響をより大きく抑制することができる。
【0120】
また本発明の画像処理方法及び画像処理装置によれば、特徴点から代表点を決定する方法として、連続した一つの特徴領域に対応する特徴点の個数が予め定めた値を超える場合に予め定めた規則に則り特徴点を間引く。従って、特徴点の個数に対する閾値と間引きの規則とを調整することにより、明度分布の局所的な特性による影響の抑制効果を調整することができる。
【0121】
本発明の撮像装置によれば、上述のような画像処理装置を備えることにより、たとえばデジタルスチルカメラ等に組み込んだ場合において、明暗が著しく明度が一様でない画像に対しても階調を適性に補正してトーンギャップを抑制することができるので、品質の良い画像を出力することができる。
【0122】
本発明の画像形成装置によれば、上述のような画像処理装置を備えることにより、たとえばプリンタ、デジタルカラー複写機等に組み込んだ場合において、明暗が著しく変化し明度が一様でない画像に対しても階調を適性に補正してトーンギャップを抑制することができるので、品質の良い画像を出力することができる。
【0123】
本発明のコンピュータプログラム及び記録媒体によれば、前述のような画像処理方法及び装置を、汎用コンピュータシステムにより実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の明度階調補正部の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の明度階調補正部による処理手順、即ち本発明の画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の明度階調補正部へ入力される明度信号から生成されるヒストグラムの模式図である。
【図4】本発明の明度階調補正部による特徴領域を抽出する方法を説明するための模式図である。
【図5】本発明の明度階調補正部による特徴領域を抽出する際にヒストグラムの明度区分数が十分に多い場合の状態を示す模式図である。
【図6】本発明の画像処理装置としての明度階調補正部の機能がインストールされた一般的なコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。
【図7】コンピュータシステムにインストールされる本発明のコンピュータプログラムの内容を示す模式図である。
【図8】デジタルスチルカメラの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【図9】プリンタの一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【図10】デジタルカラー複写機の一般的な構成に本発明の画像処理方法、即ち明度階調補正処理を実行する明度階調補正部を組み込んだ場合の構成例を示す機能ブロック図である。
【図11】明度階調補正を行なうための原理を説明するためのグラフである。
【図12】従来技術としての特開平10−210323号の発明の説明図である。
【符号の説明】
1 明度階調補正部
11 ヒストグラム生成部
12 明度累積頻度計算部
13 特徴領域抽出部
14 特徴点特定部
15 補間処理部
16 補正処理部
20 コンピュータシステム
26 外部記憶装置
40 画像処理装置
50 プリンタ
70 デジタルカラー複写機
260 CD−ROM(記録媒体)
500 カラー画像処理装置
700 カラー画像処理装置
Claims (14)
- 入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理方法において、
各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度を求め、
明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出し、
抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定し、
特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間し、
該補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正すること
を特徴とする画像処理方法。 - 全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、
求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、
前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出すること
により前記特徴領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択することを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
- 前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は両端の輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は中央の輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度のいずれかを特徴点として選択することを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。
- 入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成するヒストグラム生成部と、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像補正部とを備えた画像処理装置において、
前記ヒストグラム生成部が生成した各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した明度(又は輝度)累積頻度を求める明度(又は輝度)累積頻度計算部と、
明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出する特徴領域抽出部と、
抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定する特徴点特定部と、
特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分に対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とをそれぞれ明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間する補間処理部と
を備え、
前記画像補正部は、前記補間処理部による補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正するようにしてあることを特徴とする画像処理装置。 - 前記特徴領域抽出部は、
全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求め、
求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求め、
前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ抽出すること
により前記特徴領域を抽出するようにしてあることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記特徴領域抽出部は、明度(又は輝度)分布中の連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が一つの特徴領域として抽出された場合に、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度の内の一つを特徴点として選択するようにしてあることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記特徴領域抽出部は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の両端の明度(又は両端の輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分の中央の明度(又は中央の輝度)区分に対応する明度(又は輝度)累積頻度、または前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分が所定数を超える場合は、前記連続した複数の明度(又は複数の輝度)区分に対応する複数の明度(又は複数の輝度)累積頻度を所定の手順に従って間引いた残りの明度(又は輝度)累積頻度のいずれかを特徴点として選択するようにしてあることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 請求項5乃至8のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項5乃至8のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする撮像装置。
- 入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせる手順と、
コンピュータに、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させる手順と、
コンピュータに、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させる手順と、
コンピュータに、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順と、
コンピュータに、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる手順と
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記特徴領域を抽出させる手順は、
コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせる手順と、
コンピュータに、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせる手順と、
コンピュータに、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ前記特徴領域として抽出させる手順と
を更に実行させることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータプログラム。 - 入力画像から明度情報(又は輝度情報)を抽出し、抽出された明度情報(又は輝度情報)を複数の明度(又は複数の輝度)区分に区分した各明度(又は各輝度)区分の頻度から明度(又は輝度)分布を生成し、生成された明度(又は輝度)分布から明度(又は輝度)階調補正特性を求め、求められた明度(又は輝度)階調補正特性に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正する画像処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
コンピュータに、明度(又は輝度)分布の各明度(又は各輝度)区分の頻度を低明度(又は低輝度)側から高明度(又は高輝度)側へ累積した値を求めさせる手順と、
コンピュータに、明度(又は輝度)分布の特徴を示す少なくとも一つの特徴領域を抽出させる手順と、
コンピュータに、抽出された少なくとも一つの特徴領域に対応する明度(又は輝度)区分の明度(又は輝度)累積頻度を明度(又は輝度)階調補正特性上の特徴点として特定させる手順と、
コンピュータに、特定された特徴点と、最低及び最高の明度(又は輝度)区分にそれぞれ対応する最小明度(又は最小輝度)値と最大明度(又は最大輝度)値とを明度(又は輝度)階調補正特性上の始点及び終点とし、これらの各点の間を補間させる手順と、
コンピュータに、補間結果に基づいて入力画像の明度(又は輝度)階調を補正させる手順と
を含むコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。 - 前記特徴領域を抽出させる手順は、
コンピュータに、全明度(又は全輝度)区分の頻度の平均値を求めさせる手順と、
コンピュータに、求められた平均値に所定値を加減算して上限閾値と下限閾値とを求めさせる手順と、
コンピュータに、前記上限閾値を上回る頻度を有する明度(又は輝度)区分と、前記下限閾値を下回る頻度を有する明度(又は輝度)区分とをそれぞれ前記特徴領域として抽出させる手順と
を更に含み、コンピュータに前記特徴領域を抽出させるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする請求項13に記載の記録媒体。
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