JP2004214908A - 画像処理装置、及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】領域分離による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高める。
【解決手段】領域分離処理部4における設定部45は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲を設定する。補正部44は、設定部45にて設定される補正範囲で、領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果を補正する。
【選択図】 図1
【解決手段】領域分離処理部4における設定部45は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲を設定する。補正部44は、設定部45にて設定される補正範囲で、領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果を補正する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は入力された画像データより特徴量を求め、その特徴量に基づいて画像データを文字領域・網点領域・写真(印画紙写真)領域などの複数の領域に分離する領域分離手段を備えた画像処理装置、プログラム、記録媒体、及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機等の画像形成装置では、良好な画像を得るために、入力された画像データの識別精度を高め、識別結果に応じた適切な画像処理を行う必要がある。そこで、一般に、スキャナ等の画像入力装置より読み込まれた画像データは、文字領域・網点領域・写真(印画紙写真)領域の何れかの領域のみからなる原稿であるか、或いは、各領域が混在するような原稿であるかが識別される。そして、識別結果に基づいて、何れかの領域のみからなる原稿であれば、その領域に応じた画像処理が全体的に施され、各領域が混在するような原稿であれば、各々の領域に応じた画像処理が領域ごとに施される。また、カラー原稿の再現性を高めるために、例えば、各領域の有彩無彩を判定し、同じ文字領域であっても、色文字領域と黒文字領域とで異なる画像処理を施すようになっているものもある。
【0003】
ここで、画像データをブロック単位で識別する方法の一例として、ブロック分離変換法(Block Separate Transformation Method:BSTM法)と称されるものについて説明する。
【0004】
これにおいては、まず、画像処理の対象となる画像データを、m×n画素のミクロなブロックに分割する。次いで、ブロック内の各画素の画像信号レベルを求め、ブロック内にて画像信号レベルの最大値Lmax及び最小値Lminを決定し、両者の差Lmax−Lminの値を求める。
【0005】
その後、差Lmax−Lminの値を、予め定められた基準値Qと比較する。この比較結果により、Lmax−Lmin<Qであるブロックを、写真領域と判定する。このような判定は、写真領域は、局所的に見て濃淡差が小さく、これに対し、文字領域や網点領域は、局所的に見て濃淡差が大きいといった特徴を用いている。
【0006】
Lmax−Lmin≧Qであると判定されたブロックに対しては、ブロック内の各画素について求めた画像信号レベルの平均値を算出し、この平均値に基づいて各画素を2値化する。具体的には、平均値未満の画像信号レベルの画素を「0」に変換し、平均値以上の画像信号レベルの画素を「1」に変換する。続いて、ブロック内の主走査方向に連続する画素間にて生じる「0」・「1」の変化の回数KHを求める。同様に、ブロック内の副走査方向についても、連続する画素間にて生じる「0」・「1」の変化の回数KVを求める。
【0007】
その後、変化の回数KH・KVを、予め定められた基準値Tと比較し、KH≧T且つKV≧Tであるブロックを網点領域と判定し、KH<T又はKV<Tであるブロックを文字領域と判定する。このような判定は、網点領域は網点のドットが分散してなるため、ドットの有無に応じて画像信号レベルが変化する回数が多くなり、反対に、文字領域は、ドットが連続しているため、このような画像信号レベルの極端な変化が少ないといった特徴を用いている。
【0008】
しかしながら、このような各領域の判定に同じサイズのブロックを用いて判定した場合、判定時の情報の過不足等に起因して、誤判定が生じることがある。このような誤判定によって得られた識別結果に基づいて、画像処理を行うと、誤った画像処理が施されることになり、出力画像の連続性を損なう等、出力画像の劣化を引き起こす。
【0009】
そこで、上記識別結果に対して、以下のような補正処理を行うようになっている。まず、文字領域の判定では、文字ストロークの末端部分で誤判定が発生しやすい。文字ストロークでの誤判定は、文字のつぶれを招き、画質の著しい劣化を引き起こす。そこで、主走査方向又は副走査方向に連続する3つのブロックを対象とし、外側のブロックが両方とも文字領域であると判定された場合には、これらの外側のブロックに挟まれる中央のブロックは文字領域であると判定するように、補正を施す。これにより、文字領域の判定精度を向上することができる。
【0010】
また、粗い網点領域では、網点領域の識別精度が低くなるために、画質の劣化が生じる。そこで、上記した変化の回数KH・KVを基準値Tと比較する際に、基準値Tとして2つの値を設定する。そして、注目しているブロックの近傍に存在するブロックのうちの網点領域と判定されるブロックの数に応じて、基準値Tとして用いる値を選択し、網点領域であるか否かの判定を行う。これにより、網点領域の識別に対して、識別精度が向上するように補正を施すことができ、網点領域の画質を改善することができる。
【0011】
網点領域に対する上記の補正によれば、網点領域の識別精度を向上することができるが、その一方で、文字領域であるのに網点領域と誤判定されるブロックが増加する。そこで、画像信号レベルの平均値が急激に変化しているブロックを、文字ストロークの輪郭部分として抽出することで、文字領域を精度よく検出している(例えば、非特許文献1に記載)。
【0012】
【非特許文献1】
電子情報通信学会論文誌(1987/2 Vol.2 J70−B No.2 p.222〜p.232.「網点写真の識別方法」)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像処理方法では、領域判定処理の判定結果を補正するにおいて、判定結果の補正にそれぞれの判定結果を情報として用いる補正範囲を、判定する構成要素の特徴に応じて設定するようにはなっていない。
【0014】
例えば、領域判定の補正方法として文字領域に対する補正方法が挙げられている。この方法は、連続する3ブロック以上が続けて誤判定されることは少ないといったシミュレーションの結果を基に、主走査方向及び副走査方向の3つの連続するブロックの判定結果を用いて補正を行うものであり、補正に用いる周囲範囲を文字領域の特徴として設定するのではなく、誤判定の発生する確率に応じて設定している。この方法では、補正に用いる周辺ブロックが誤判定されている可能性があり、その場合、補正精度が低下するという問題がある。
【0015】
また、網点領域の補正では、注目しているブロックの近傍に存在するブロックのうちの網点領域と判定されるブロックの数に応じて、基準値Tとして用いる値を選択するようになっているが、上記したように、文字領域で網点と誤判定されるブロックが増加し精度の低下を招く。さらに、これを改善するために新たな別の処理が必要であり、処理が複雑になるという問題もある
つまり、構成要素の判定結果の補正を行うにおいては、用いる情報を算出する範囲が狭すぎても情報が不足してしまって補正精度が低下し、反対に広すぎて必要のない情報までも過剰に使用しても補正精度が低下してしまう。
【0016】
特に、画像データの有彩無彩といった色判定を行う際に、構成要素の判定を行う場合と同じブロックを単位として色判定を行うと、識別精度を十分に高めることができない可能性がある。これは、一般的に、画像データ中の有彩領域又は無彩領域は、画像データ中の文字領域・網点領域・写真領域等に局所的に存在するため、構成要素の判定を行うのに適したブロックサイズと、上記色判定を行う際に適したブロックサイズとが異なる場合が多いためである。構成要素の判定と色判定とを、同一のブロックサイズを用いて判定を行うと、多くの誤判定が発生することになる。
【0017】
また、領域判定処理の場合も同様で、領域判定処理にて判定される構成要素毎に、領域判定処理を実施する判定対象範囲を切り換えるようにはなっておらず、画像データにおけるm×nといった固定のブロック内で、領域を分離するための特徴を抽出して判定処理するようになっている。そのため、判定の精度を十分に高めることができず、結果として判定結果の補正を必要としている。
【0018】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、領域判定処理の判定結果の補正や色判定処理の判定結果の補正、或いは、各々の判定処理において、補正処理或いは判定処理に最適な量の情報を提供し得る範囲にて補正や判定を行って、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることのできる画像処理装置、プログラム、記録媒体、及びそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行い、かつ、これら領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施す領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことを特徴としている。
【0020】
上記構成では、領域分離手段は、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩無彩を判定する色判定処理とを行い、例えば画素毎(或いは数画素からなるブロック毎)に領域判定処理の判定結果と色判定処理の判定結果とを得る。
【0021】
ここで、領域判定処理は、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に画像データ(或いは画素ブロック)を分離する処理であるが、例えば、文字領域、網点領域、写真領域の各構成要素それぞれの特徴で分離しても、構成要素の一部を残して、つまり、例えば文字領域、網点領域を各々の特徴で分離し、文字領域でも網点領域でもない場合に、写真領域を含むその他の領域として分離してもよい。
【0022】
また、色判定処理においても同様で、入力画像データ(或いは数画素からなるブロック毎)に対して、有彩、無彩の各特徴を用いて有彩と無彩とを両方判定しても、或いは、有彩か無彩かの何れか一方のみをその特徴で判定し、有彩でない場合にその入力画像データを、無彩を含む有彩以外とする、無彩でない場合にその入力画像データを、有彩を含む無彩以外と判定してもよい。
【0023】
そして、領域分離手段は、これら判定結果の精度を上げるべく、領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施している。なお、領域判定処理において、何れの領域にも分離しない結果、その他の領域として分離されたものは、特徴を基にした各分離精度を上げることで、その他の領域としての精度も上がる。
【0024】
ここで、例えば、網点領域や、写真領域は、原稿中の比較的広い範囲に存在することが多いため、網点領域、写真領域、文字領域等の構成要素の補正には、補正範囲を大きく設定して広い範囲の情報(判定結果)を使って補正することで、補正の精度を向上させることができる。
【0025】
これに対し、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、補正範囲をあまり大きく設定して補正を行うと、不要な情報(判定結果)までも補正に使われてしまい、補正の精度が低下してしまう。
【0026】
つまり、構成要素を補正する領域判定処理の判定結果の補正には、構成要素の補正に適した補正範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩を補正する色判定処理の判定結果の補正には、有彩無彩を補正するのに適した補正範囲の大きさが存在している。
【0027】
そこで、本発明では、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うようになっている。
【0028】
したがって、それぞれの補正に適した量の情報を使って補正を行うことができ、各補正における補正精度が向上し、ひいては、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0029】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果の補正に、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることを特徴としている。
【0030】
上述したように、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、網点領域や写真領域、文字領域などの構成要素を補正する補正範囲よりも小さい補正範囲内の判定結果を使用して補正を行うことで、精度を高めることができる。
【0031】
これに対し、網点領域や、写真領域、文字領域などの構成要素は、通常、同一の構成要素が広く続いているため、補正に用いる補正範囲としては大きく設定し、広い範囲の情報(判定結果)を使って補正することで、精度を高めることができる。
【0032】
したがって、上記構成のように、領域判定処理の判定結果の補正には、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0033】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理の判定結果の補正においては、構成要素に応じて少なくとも2つのの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことを特徴としている。
【0034】
網点領域、写真領域、文字領域などの構成要素の中でも、網点領域や写真領域は、原稿の中で大部分を占めているため、補正範囲を大きく設定し、できるだけ広い情報を使った方が補正精度を高めることができ、ひいては判定結果の精度を高めることができる。これに対し、文字領域は、網点領域や写真領域よりも補正範囲を小さくした方が、補正精度を高めることができる。つまり、各構成要素の中でも、構成要素毎に補正に適した大きさ補正範囲が存在することとなる。
【0035】
そこで、上記の構成では、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正に際しては、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うようになっている。
【0036】
したがって、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正が、それぞれの補正に適した大きさの補正範囲内の判定結果を用いて行われるようになり、構成要素の補正に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の補正における補正精度が向上する。
【0037】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができる。
【0038】
本発明の第2の画像処理装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩無彩を判定する色判定処理とを行う領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことを特徴としている。
【0039】
上記構成では、領域分離手段は、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩無彩を判定する色判定処理とを行い、例えば画素毎(或いは数画素からなるブロック毎)に領域判定処理の判定結果と色判定処理の判定結果とを得る。
【0040】
上述したように、ここでも、領域判定処理は、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に画像データ(或いは画素ブロック)を分離するにあたり、文字領域、網点領域、写真領域の各構成要素それぞれの特徴で分離しても、構成要素の一部を残して、つまり、例えば文字領域、網点領域を各々の特徴で分離し、文字領域でも網点領域でもない場合に、写真領域を含むその他の領域として分離してもよい。
【0041】
同様に、色判定処理においても、入力画像データ(或いは数画素からなるブロック毎)に対して、有彩、無彩の各特徴を用いて有彩と無彩とを両方判定しても、或いは、有彩か無彩かの何れか一方のみをその特徴で判定し、有彩でない場合にその入力画像データを、無彩を含む有彩以外とする、無彩でない場合にその入力画像データを、有彩を含む無彩以外と判定してもよい。
【0042】
例えば、網点領域や、写真領域は、原稿中の比較的広い範囲に存在することが多いため、網点領域、写真領域、文字領域等の構成要素に分離する判定処理には、対象とする画像データの範囲を大きく設定して広い範囲の情報(画像データ)を使って判定することで、判定の精度を向上させることができる。
【0043】
これに対し、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、処理の対象とする画像データの範囲をあまり大きく設定して判定を行うと、不要な情報(画像データ)までも補正に使われてしまい、判定の精度が低下してしまう。
【0044】
つまり、構成要素に分離する領域判定処理には、構成要素の分離に適した画像データの範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩を判定する色判定処理には、有彩無彩を判定するのに適した画像データの範囲の大きさが存在している。
【0045】
そこで、本発明では、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うようになっている。
【0046】
したがって、それぞれの処理に適した量の情報を使って処理を行うことができ、各処理における判定結果の精度が向上し、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0047】
本発明の第2の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理に、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0048】
上述したように、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、網点領域や写真領域、文字領域などの構成要素を分離するための領域判定処理に用いる画像データの範囲よりも小さい画像データの範囲を使用して処理することで精度を高めることができる。
【0049】
これに対し、網点領域や、写真領域、文字領域などの構成要素は、通常、同一の構成要素が広く続いているため、対象とする画像データの範囲としては大きく設定し、広い範囲の情報(画像データ)を使って補正することで、精度を高めることができる。
【0050】
したがって、上記構成のように、領域判定処理には、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0051】
本発明の第2の画像形成装置は、上記領域分離手段が、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0052】
網点領域、写真領域、文字領域などの構成要素の中でも、網点領域や写真領域は、原稿の中で大部分を占めているため、処理の対象とする画像データの範囲を大きく設定し、できるだけ広い情報を使った方が判定結果の精度を高めることができる。これに対し、文字領域は、網点領域や写真領域よりも画像データの範囲を小さくした方が、判定精度を高めることができる。
【0053】
つまり、各構成要素の中でも、構成要素毎に判定処理に適した大きさ画像データの範囲が存在することとなる。
【0054】
そこで、上記の構成では、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いるようになっている。
【0055】
したがって、領域判定処理が、それぞれの構成要素の分離判定に適した大きさの画像データの範囲を用いて行われるようになり、構成要素の分離に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の分離における判定精度が向上する。
【0056】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができる。
【0057】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置で画像処理が施された画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、上記画像処理装置が、上記した本発明の第1、第2の画像処理装置であることを特徴としている。
【0058】
本発明の第1、第2の画像処理装置では、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるので、このような画像処理装置を備えることで、品質の良い画像を出力することができる画像形成装置を提供することができる。
【0059】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した本発明第1、第2の画像処理装置として機能させるためのプログラムであり、また、本発明の記録媒体は、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
これにより、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるので、この画像処理装置を汎用的なものとすることができ、また、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるプログラムを容易に供給することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態について図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0062】
ここでは、本発明にかかる実施の一形態の画像処理装置を、デジタルカラー複写機等の画像形成装置の画像処理装置として搭載された場合を例示する。
【0063】
図2に示すように、デジタルカラー複写機は、カラー画像入力装置10、カラー画像処理装置(画像処理装置)11、カラー画像出力装置12を備えている。
【0064】
上記カラー画像処理装置12は、A/D(アナログ/デジタル)変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4、色補正部5、黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、出力階調補正部8、及び階調再現処理部9を備えている。
【0065】
カラー画像入力装置10は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置11に入力するものである。
【0066】
カラー画像入力装置10にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置11内を、A/D変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4、色補正部5、黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、出力階調補正部8、階調再現処理部9の順で送られ、CMYKのデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置12へ出力される。
【0067】
A/D変換部1は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換するもので、シェーディング補正部2は、A/D変換部より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置10の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すものである。
【0068】
入力階調補正部3は、シェーディング補正部2にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整えると同時に、濃度信号などカラー画像処理装置11に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施すものである。
【0069】
領域分離処理部4は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域等の構成要素の何れかに分離すると共に、有彩無彩等の色判定を行う領域分離処理を行い、その結果である領域識別信号を出力するものであり、詳細については後述する。また、領域分離処理部4は、領域分離処理結果に基づいて、領域識別信号を、黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、階調再現処理部9へと出力すると共に、入力階調補正部3より出力された入力信号をそのまま後段の色補正部5に出力する。
【0070】
色補正部5は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。
【0071】
黒生成下色除去部6は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものであって、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0072】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y,出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式1で表される。
【0073】
【数1】
【0074】
空間フィルタ処理部7は、黒生成下色除去部6より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理するものである。階調再現処理部9も、空間フィルタ処理部7と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処理を施するものである。
【0075】
例えば、領域分離処理部4にて文字に分離された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部7による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部9においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が選択される。
【0076】
また、領域分離処理部4にて網点に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部7において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部8では、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置12の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部9で、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。領域分離処理部4にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
【0077】
上述した各処理が施された画像データは、一旦記憶手段に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置12に入力される。このカラー画像出力装置12は、画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。尚、以上の処理は不図示のCPU(Central Processing Unit)により制御される。
【0078】
次に、上記カラー画像処理装置11に搭載された、領域分離処理部4について詳細に説明する。
【0079】
領域分離処理部4は、RGB信号(R:赤,G:緑,B:青)にて表される画像データについて、画素毎に、文字領域・網点領域・写真領域・下地等の構成要素の判定、及び有彩無彩といった色判定を行うと共に、それらの判定結果である領域分離結果に対して補正を施して、構成要素の判定や色判定等の判定結果に関する情報を含む領域識別信号を生成するものである。
【0080】
図1に示すように、領域分離処理部4は、文字領域判定部41と、色判定部42と、網点領域判定部43と、補正部44と、設定部45とを備えている。
【0081】
上記文字領域判定部41は、画像データを構成する各画素の情報より、画素1つずつについて当該画素が文字領域に属する文字画素であるか否かを判定するものであり、例えば、判定の対象となる画素を注目画素として、該注目画素の周囲に位置する周辺画素との濃度差に基づいて、該注目画素が文字画素(以下、エッジと称する場合もある)に相当するか否かを判定する。
【0082】
ここでは、図3(a)に示すように、注目画素P1を中心として、例えば3×3の画素からなるマスク(対象となる画像データの範囲)M1を設定し、注目画素P1と、該注目画素P1の周囲に位置する8つの隣接画素との濃度差を求める。そして、この濃度差を予め設定された閾値と比較し、上記マスクM1にて求められた8つの濃度差のうち、少なくとも1つの濃度差が閾値以上あると判定されれば、注目画素P1を文字画素であると判定する。この判定は、R,G,B各信号に対して行われ、何れかの信号にて文字画素であると判定されると、補正部44にエッジ信号を出力する。
【0083】
なお、ここでは、文字領域判定部41は、マスクM1を設定してエッジ判定を行う構成としているが、これに限定されず、ゾーベルフィルタ等のエッジ検出用フィルタを用いてエッジ判定を行う構成としてもよい。
【0084】
色判定部42は、画像データを構成する各画素の情報より、画素1つずつについて当該画素が有彩であるか無彩であるかを判定するもので、例えば、判定の対象となる画素を注目画素として、そのR,G,B各信号の強度の、最大値と最小値より判定する。
【0085】
ここでは、図3(a)に示すように、注目画素P1のR,G,B各信号の強度の最大値と最小値を求め、両者の差分値の絶対値を算出する。そして、この差分値の絶対値と予め設定された閾値THとを比較し、差分値の絶対値が閾値TH以下である場合は、無彩であると判断して、有彩無彩信号として「オン」を補正部44に出力する。一方、差分値の絶対値が閾値THよりも大きい場合は、有彩であると判断して、有彩無彩信号として「オフ」を補正部44に出力する。
【0086】
網点領域判定部43は、画像データを構成する各画素の情報より、画素1つずつについて当該画素が網点領域に属する網点画素であるか否か判定するもので、判定の対象となる画素を注目画素として、注目画素P1が網点領域に属する網点画素であるか否かを判定するものである。判定には、例えば、「網点領域は、小さな領域における濃度の変動が大きい」という特徴、及び「網点領域は、背景に比べて濃度が高い」という特徴を利用する。
【0087】
ここでは、図3(a)に示すように、注目画素P1を中心として、3×3の画素からなるマスクM1を設定し、マスクM1内の9画素に対して平均濃度値Daveを求める。この平均濃度値Daveと、マスクM1内の各画素の濃度値とを比較することによって、マスクM1内の画素を2値化する。すなわち、平均濃度値Dave未満の画像信号レベルの画素を「0」に変換し、平均濃度値Dave以上の画像信号レベルの画素を「1」に変換する。また、同時に、マスクM1内の画素のうち、濃度値の最大と最小とを求め、最大値Dmax 、最小値Dminとする。
【0088】
続いて、2値化されたデータに対して、マスクM1内の主走査方向における「0」・「1」の変化の回数KHを求める。同様に、ブロックM1内の副走査方向についても、「0」・「1」の変化の回数KVを求める。そして、上記平均濃度値Dave、最大値Dmax、最小値Dminに基づいて、以下に示すように、閾値B1、B2、TR、TVとの比較を行う。これにより、注目画素P1が網点画素であるか、非網点画素であるかを判定する。
【0089】
【数2】
【0090】
なお、網点領域判定部43での上記処理は、R,G,Bの信号毎に個別に行われ、これらの各信号の何れかにて、注目画素P1が網点画素と判定された場合には、補正部44に対し、網点領域信号として「オン」を出力し、注目画素P1が網点画素と判定されない場合には、補正部44に対し、網点領域信号として「オフ」を出力する。
【0091】
補正部44は、入力されるエッジ信号、網点領域信号、及び有彩無彩信号より、文字領域・網点領域・その他領域等の構成要素の判定、及び、有彩無彩等の色判定によって得られた各画素の色判定(以下、これらをまとめて、領域分離処理と記載する)の結果(以下、領域分離結果と記載する)を蓄積し、かつ、各画素の領域分離結果の補正を行うものである。
【0092】
なお、補正部44は、上記文字領域判定部41及び網点領域判定部43の各判定にて、エッジとも判定されず、かつ、網点画素とも判定されなかった注目画素P1は、写真領域や下地等のその他の領域と判定する。
【0093】
なお、本実施の形態においては、エッジとも網点画素とも判定されなかった注目画素P1についてはその他の領域に属すると判定しているが、予め定められる大きさのマスクを設け、マスク内の最大濃度値と最小濃度値との差、主走査方向や副走査方向の隣接画素の濃度差の絶対値の総和である繁雑度など公知の特徴量を抽出して写真領域に属する画素を判定するようにしても良い。
【0094】
詳細には、補正部44は、任意の画素の領域分離結果を補正するにあたり、任意のある画素の構成要素の判定結果を補正するには、対象となる画素を注目画素とし、該注目画素の周囲にある周辺画素の構成要素の判定結果を用いて、補正を行う。一方、任意のある画素の色判定の判定結果を補正するには、対象となる画素を注目画素とし、該注目画素の周囲にある周辺画素の色判定の判定結果を用いて、補正を行う
そして特に、本実施の形態の補正部44では、設定部45による設定に基づいて、補正に用いられる注目画素を中心として周辺画素よりなる補正範囲の大きさを、構成要素の判定結果の補正と、色判定の判定結果の補正とで切り換えるようになっている。
【0095】
設定部45は、上記補正部44にて実行される補正処理に用いる周辺画素を規定する補正範囲の大きさを、構成要素の判定結果の補正と、色判定の判定結果の補正とで切り換え、各々の補正に適した大きさの補正範囲とする。
【0096】
ここでは、図3(b)に示すように、注目画素P2に関し、文字領域・網点領域・その他の領域等の構成要素の補正を行う場合は、注目画素P2を中心としたマスクM2を設定する。一方、注目画素P2に関し、上記色判定の補正を行う場合は、マスクM2よりも狭い(周辺画素数の少ない)マスクM3を設定する。
【0097】
マスクM2及びマスクM3の範囲の一例を挙げれば、以下のとおりである。注目画素P2を中心として設定されている。
【0098】
【数3】
【0099】
図4〜図6を用いて、上記領域分離処理部1にて実施される領域分離結果に対する補正処理の手順を説明する。
【0100】
図4に示すように、画像データの各画素について、文字領域判定部41、網点領域判定部43、色判定部42にて、領域分離及び色判定処理が行われ(S1)、各画素の領域分離処理に基づく領域分離結果が、補正部44に蓄積される(S2)。
【0101】
なお、S1では、文字領域判定部41及び網点領域判定部43により、各画素に対して、文字画素、網点画素、その他の領域に属するその他の画素の何れであるかが、判定結果として得られ、また、色判定部42により、各画素に対して、有彩画素、無彩画素、及び、有彩でも無彩でもないその他の画素の何れであるかが、判定結果として得られるとする。
【0102】
S2にて、領域分離結果が蓄積されると、設定部45は、領域分離結果における構成要素の判定結果を補正するためのマスクM2と、領域分離結果における色判定結果を補正するためのマスクM3とを設定する(図3(b)参照、S3)。上記したように、構成要素の判定結果を補正するためのマスクM2の範囲は、色判定の判定結果を補正するためのマスクM3よりも大きい範囲となっている。
【0103】
補正部44は、S3にて設定されたマスクM2或いはM3を用いて、各画素における構成要素の判定結果及び色判定の判定結果の各補正を実行する。ここでは、構成要素の判定結果の補正と、色判定の判定結果の補正とを、並行して処理する。
【0104】
まず、構成要素の判定結果の補正処理について説明する。該補正処理は、S11〜S19にて行われる。S11では、注目画素P2に着目し、該注目画素P2を中心としてマスクM2を配置し(図3(b)参照)、S2にて蓄積された領域分離結果に基づいて、マスクM2内の画素のうち、文字画素と判定された画素数Cnt_Text、網点画素と判定された画素数Cnt_Halftone、第2のその他と判定された画素数Cnt_Other2の算出を開始する。
【0105】
Cnt_Text、Cnt_Halftone、Cnt_Other2は、数式では以下のように表すことができる。
【0106】
【数4】
【0107】
なお、Cnt_M2は、マスクM2内に含まれる画素のうち、Cnt_Text、Cnt_Halftone、Cnt_Other2のうちのいずれかにカウントされた画素の数を表す。
【0108】
画素数の算出開始にあたり、まずは、マスクM2内の画素に対して、上記の各構成要素(文字領域画素、網点領域画素、その他)の初期化を行い、すべて画素数を0に設定する(S11)。
【0109】
次に、各画素の領域分離結果に基づいて、マスクM2内の注目画素P2が、文字画素であるか否かを判定する(S12)。ここで、注目画素P2が文字画素である場合は、Cnt_Textの値に1を加えて(S13)、S17に進む。一方、文字画素でない場合は、注目画素P2が網点画素であるか否かを判定する(S14)。そして、注目画素P2が網点画素であれば、Cnt_Halftoneの値に1を加え(S15)、S17に進む。一方、網点画素でもない場合は、Cnt_Other2の値に1を加えて(S16)、S17に進む。
【0110】
S17では、上記S12〜S16の処理を経ることで、注目画素P2は、領域分離結果に基づいて、Cnt_Text、Cnt_Halftone、Cnt_Other2のうちのいずれかにカウントされるので、Cnt_M2に1を加える。
【0111】
次に、Cnt_M2の値と、マスクM2内の画素数とを比較する(S18)。ここで、Cnt_M2の値がマスクM2内の画素数よりも小さければS12に戻り、Cnt_M2の値がマスクM2内の画素数が等しくなるまで、上記のS12〜S18までの処理を繰り返す。そして、S18にて、Cnt_M2の値がマスクM2内の画素数と同じになれば、構成要素補正結果判定を行う(S19)
S19における構成要素補正結果判定は、閾値THTextと閾値THHalftoneとに基づいて、以下に示す条件にて行われる。
【0112】
【数5】
【0113】
図5に、図4のS19の処理を示す。まず、第2のその他画素として算出されたCnt_Other2の値を除き、Cnt_Textの値とCnt_Halftoneの値とを比較して、画素数が最大の構成要素の選択する(S20)。次に、画素数が最大の構成要素として文字画素が選択されていると共に、かつ、文字画素の数であるCnt_Textの値が閾値THtext以上であるか否かを判定し(S21)、ここで、YESと判定すれば、注目画素P2を文字画素に補正する(S22)。
【0114】
一方、S21にて、NOと判定すれば、続いて、画素数が最大の構成要素として網点画素が選択されていると共に、かつ、網点画素の数であるCnt_Halftoneの値が閾値THtext以上であるか否かを判定する(S23)。そして、ここで、YESと判定すれば、注目画素P2を網点画素に補正する(S24)。なお、ここでもNOと判定すれば、注目画素P2に対する補正を行わない、又は、その他の領域に属する画素とする(S25)。以上の補正が行われると、図4のS4に戻る。
【0115】
次に、並行して実施される色判定の判定結果の補正処理について説明する。該補正処理は、S31〜S39にて行われる。S31では、注目画素P2に着目し、該注目画素P2を中心としてマスクM3を配置し(図3(b)参照)、S2にて蓄積された領域分離結果に基づいて、マスクM3内の画素のうち、有彩画素と判定された画素数Cnt_Color、無彩画素と判定された画素数Cnt_Gray、第1のその他と判定された画素数Cnt_Other1の算出を開始する。
【0116】
Cnt_Color、Cnt_Gray、Cnt_Other1は、数式では以下のように表すことができる。
【0117】
【数6】
【0118】
なお、Cnt_M3は、マスクM3内に含まれる画素のうち、Cnt_Color、Cnt_Gray、Cnt_Other1のうちのいずれかにカウントされた画素の数を表す。
【0119】
画素数の算出開始にあたり、まずは、マスクM3内の画素に対して、上記各色(有彩画素、無彩画素、その他)の初期化が行われ、すべて画素数は0に設定する(S31)。
【0120】
次に、各画素の領域分離結果に基づいて、マスクM3内の注目画素P2が、有彩画素であるか否かを判定する(S32)。ここで、注目画素P2が有彩画素である場合は、Cnt_Colorの値に1を加えて(S33)、S37に進む。一方、有彩画素でない場合は、注目画素P2が無彩画素であるか否かを判定する(S34)。そして、注目画素P2が無彩画素であれば、Cnt_Grayの値に1を加え(S35)、S37に進む。一方、無彩画素でもない場合は、Cnt_Other1の値に1を加えて(S36)、S37に進む。
【0121】
S37では、上記S32〜S36の処理を経ることで、注目画素P2は、領域分離結果に基づいて、Cnt_Color、Cnt_Gray、Cnt_Other1のうちのいずれかにカウントされるので、Cnt_M3に1を加える。
【0122】
次に、Cnt_M3の値と、マスクM3内の画素数とを比較する(S38)。ここで、Cnt_M3の値がマスクM3内の画素数よりも小さければS32に戻り、Cnt_M3の値がマスクM3内の画素数が等しくなるまで、上記のS32〜S38までの処理を繰り返す。そして、S38にて、Cnt_M3の値がマスクM3内の画素数と同じになれば、有彩無彩補正結果判定を行う(S39)
S39における有彩無彩補正結果判定は、閾値THcolor,THgrayに基づいて、以下に示す条件にて行われる。なお、上記α、βは、重み付けのための定数である。
【0123】
【数7】
【0124】
図6に、図4のS39の処理を示す。まず、Cnt_Colorの値が閾値THcolor以上であり、かつ、Cnt_Colorの値がCnt_Grayの値よりも大きいかどうか(有彩画素数が無彩画素数より多いか)を判定し(S40)、YESと判定すれば、注目画素P2を有彩画素に補正する(S41)。一方、S40にて、NOと判定した場合は、続いて、Cnt_Grayの値が閾値THgray以上であり、かつ、Cnt_Grayの値がCnt_Colorの値よりも大きいか(無彩画素数が有彩画素数より多いか)どうかを判定し(S42)、YESと判定すれば、注目画素P2を無彩画素に補正する(S43)。なお、ここでもNOと判定すれば、注目画素P2に対する補正を行わない、又は、その他の領域に属する画素とする(S44)。以上の補正が行われると、図4のS4に戻る。
【0125】
このようにして、S1にて領域判定処理が施された各画素に対して、S2、S3、S11〜S19を経て構成要素の判定結果の補正が行われ、また、S2、S3、S31〜S39を経て色判定結果の補正が行われると、S4では、以下に示す条件にて、最終的な補正の判定結果を算出する。
【0126】
【数8】
【0127】
つまり、注目画素P2が文字画素であり、かつ、有彩画素である場合には、注目画素P2を色文字画素と判定する。また、注目画素P2が文字画素であり、かつ、無彩画素である場合には、注目画素P2を黒文字画素と判定する。一方、注目画素P2が網点画素である場合には、有彩画素・無彩画素を問わず、網点画素と判定する。なお、注目画素P2が、文字画素とも網点画素とも判定されなかった場合には、有彩画素・無彩画素を問わず、その他の画素と判定する。
【0128】
領域分離処理部4は、S1の領域分離結果に対して、このような補正を施した後の結果を、各画素の領域識別信号として出力する。
【0129】
以上のように、本実施の形態のカラー画像処理装置11における領域分離処理部4では、補正部44が、構成要素の判定結果及び色判定の判定結果をそれぞれ補正するにあたり、注目画素P2を中心として、各々の補正に適した大きさのマスク、つまり、構成要素の判定結果の補正には大きいマスクM2を用い、色判定の判定結果の補正にはマスクM2よりも小さいマスクM3を用いて補正するようになっている。これにより、各々の補正が、適切な情報量で行われるようになり、補正精度が向上し、精度の高い領域識別信号を出力することができる。
【0130】
なお、ここでは、大きさの異なる2種類のマスクM2、マスクM3として、相似形のマスクを例示したが、マスクの形状は何らこれに限定されることはなく、例えば、図10(a)に示すマスクM2’、マスクM3’というように、マスク毎に違っていてもよい。この場合、アルゴリズムについては同一で単なる形状の変更だけで対応可能である。但し、相似形が、最も一般的でかつコストがかからないといった点で優れている。
【0131】
また、本実施の形態では、領域分離処理部4の設定部45は、上記した図4のフローチャートのS3において、各構成要素共通の補正範囲としてマスクM2を設定したが、構成要素毎に補正に適した大きさ補正範囲が存在するため、補正範囲を構成要素毎に別々に設定してもよい。
【0132】
つまり、網点領域、写真領域、文字領域などの構成要素の中でも、網点領域や写真領域は、原稿の中で大部分を占めているため、補正範囲を大きく設定し、できるだけ広い情報を使った方が補正精度を高めることができ、ひいては判定結果の精度を高めることができる。これに対し、文字領域は、網点領域や写真領域よりも補正範囲を小さくした方が、補正精度を高めることができる。
【0133】
したがって、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正に際しては、構成要素に応じた補正範囲を各々別々に用いて補正を行うことで、構成要素の補正に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の補正における補正精度が向上する。図3(c)に、その場合の一例を示す。ここでは、図3(b)に示した前述のマスクM2・M3に加えて、マスクM2とマスクM3との間のサイズとなる、文字領域の補正に適した文字領域補正用のマスクM4を新に設けている。また、図10(b)に、マスクが相似形でない場合のマスクM2’〜M4’を示す。
【0134】
なお、本実施の形態では、画像処理装置を、デジタルカラー複写機に搭載した例を挙げたが、スキャナ等の画像読取装置の画像処理装置、デジタルカメラ等の撮像装置の画像処理装置として、好適に用いることができる。また、アプリケーションソフトウェア等に設けることもできる。以下、図7〜図9を用いて説明する。
【0135】
図7は、本発明に係る実施の一形態の画像処理装置を、カラー画像読取装置に搭載した場合の構成を示している。カラー画像読取装置は、上記カラー画像入力装置10と、カラー画像処理装置13とを備えている。カラー画像処理装置13は、図2に基づいて説明したカラー画像処理装置11における、A/D変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4までの部材を備えた構成である。
【0136】
上記カラー画像読取装置では、カラー画像入力装置10から出力されたRGB信号が、A/D変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4にて処理される。領域分離処理部4では、上述したように領域識別信号を生成するが、この場合、生成した領域識別信号は、コンピュータやプリンタ等の外部装置へと出力される。
【0137】
図8は、本発明に係る実施の一形態の画像処理装置を、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載した場合の構成を示している。デジタルカメラは、画像入力装置14、画像処理装置16、画像表示装置15を備えている。
【0138】
画像入力装置14は、例えば光学レンズ・カラーフィルタ・受光素子であるCCD(Charge Coupled Device)などにより構成される。画像入力装置14より出力される画像データは、CCDにおいて電気的信号に変換されたRGBのアナログ信号である。
【0139】
画像処理装置16は、図2に基づいて説明したカラー画像処理装置11における、A/D変換部1、領域分離処理部4を備えると共に、入力処理部22、圧縮処理部23、及び記憶部24を備えた構成である。
【0140】
A/D変換部1において入力のアナログ信号はデジタル信号に変換される。そして入力補正部22にて画像入力装置の結像系・撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理や光源の色温度に基づくホワイトバランスの調整が行われる。その後、領域分離処理部4にて、上記にて説明した処理を行う。
【0141】
圧縮処理部23では、画像データが占める記憶手段の容量を節約したり、データ転送する際の時間を短縮したりするために、例えば、JPEG(Joint Picture Experts Group)方式などを用いてデータサイズを圧縮する。JPEG方式が用いられる場合、RGB信号はYCrCb(Y:輝度、Cr・Cb:色差)信号に変換されて行われる。圧縮された画像データは、メモリカードなどの記憶媒体により構成される記憶部24に格納される。記憶部24に格納された画像データは、液晶ディスプレイなどの画像表示装置15に表示される。また、コンピュータを介してあるいは直接にプリンタなどの画像出力装置に出力される。
【0142】
図9は、本発明に係る実施の一形態の画像処理装置を、コンピュータ30上のアプリケーションソフトウェア31に適用した場合の構成を示している。コンピュータ30は、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラ等の画像入力装置14、CRTディスプレイ・液晶ディスプレイ等の画像表示装置15、プリンタ等の画像出力装置16、データを保存するための外部記憶装置17、ネットワークを介してサーバ等に接続するためのモデム・ネットワークカード等の通信手段18、キーボード・マウス19等のユーザインターフェースに接続されている。
【0143】
コンピュータ30は、アプリケーションソフトウェア31を備え、所定のプログラムがロードされることにより、上記画像処理等の種々の処理を実行する。具体的には、画像入力装置14に入力された画像データに対して、コンピュータ30上で画像データ全体あるいは選択した画像領域の色を調整するなどの色調補正処理やエッジを強調するフィルタ処理などと共に、領域判定処理を実施する。なお、これらの処理に際して、キーボード・マウス19を介して、ユーザからの指示を受け付けてもよい。
【0144】
上記のアプリケーションソフトウェア31にて画像処理が施された画像は、画像表示装置15に表示される、プリンタ等の画像出力装置16に出力してプリンタ・ドライバにて色補正処理(RGB→CMYK)や中間調処理が施される、画像処理を施した画像を外部記憶装置17に格納される、通信手段18を介して他のコンピュータ等に出力される等、コンピュータ30に接続された上記装置のいずれかに出力されて処理される。
【0145】
また、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記の画像処理方法を記録するものとすることもできる。その結果、画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0146】
なお、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるためのメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0147】
何れの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0148】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
【0149】
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
【0150】
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
【0151】
〔実施の形態2〕
本発明に係る実施のその他の形態について、図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0152】
前述した実施の形態1の画像処理装置における領域分離処理部4では、補正部44が、画素1つずつの領域分離結果(構成要件の判定結果及び色判定の判定結果)を当該画素の周辺に位置する周辺画素の領域分離結果を用いて補正する際、構成要素の補正と色判定の補正とで、設定部45が補正範囲を調整するようになっていた。
【0153】
これに対し、図11に示すように、本実施の形態の画像処理装置における領域分離処理部20では、文字領域判定部41’、網点領域判定部43’、及び色判定部42’による領域判定処理の際に周辺画素数の調整がなされ、各々の判定に適した周辺画素数にて領域判定処理が行われるようになっている。
【0154】
領域分離処理部20は、文字領域判定部41’、色判定部42’、網点領域判定部43’、及び設定部45’を備えている。
【0155】
上記文字領域判定部41’、網点領域判定部43’は、上記したように、任意の1つの画素について、当該画素の周辺に位置する周辺画素との比較を行うことによって、構成要素の判定を行っている。また、色判定部42’は、1つの画素にて、R,G,Bの各信号に基づいて、色判定を行っている。このように、領域判定処理によって用いられる画素の数が異なるため、上記設定部21は、予め定められている最適な画素範囲を領域毎に設定する。
【0156】
つまり、図3(c)に示すように、判定の対象となる画素を注目画素として、注目画素P2に対し、分離すべき領域の種類に応じて、種々の大きさのマスクM2〜M4を設定する。ここでは、構成要素の判定処理のうち、網点画素(及び写真画素)を判定する際に用いる画素ブロックをマスクM2とし、文字画素を判定する際に用いる画素ブロックをマスクM4とし、色判定に用いる画素ブロックをマスクM3と設定する。マスクM2〜M4の大きさは、領域に応じて適宜設定すればよいが、通常は、マスクM3<マスクM4<マスクM2となるように設定することが好ましい。
【0157】
この理由は、一般的に、画像データ中の有彩画素又は無彩画素からなる領域は、画像データ中の文字画素・網点画素・写真画素等の構成要素からなる領域中に局所的に存在するためである。また、文字画素は、網点画素・写真画素に比べると、画像データ中の狭い範囲に一様に存在することが多いためである。
【0158】
また、上記の場合、色判定処理としては、マスク2内において各色成分の平均値を求め、色成分の平均値の最大値と最小値の差の絶対値を用いて、あるいは、マスク2内の各色成分の最大値を用いて、有彩であるか無彩であるかの判定がなされる。
【0159】
このように、各領域判定処理に応じて、異なる大きさのマスクを用い、異なる大きさの画像データの範囲にて領域分離処理を行うことよって、領域分離結果の判定精度を向上することができる。
【0160】
なお、さらなる分離精度の向上を図って、領域分離結果を補正する補正部を備えさせる構成としてもよい。その場合も、実施の形態1で説明したように、補正する項目によって、マスクの大きさを切り換えることで、補正精度を上げて、分離の精度をより一層向上させることができる。
【0161】
なお、記載するまでもないが、領域分離処理部20を備えた本実施の形態の画像処理装置も、実施の形態1で説明した画像処理装置と同様に、画像読取装置、撮像装置、アプリケーションソフトウェアに適用することができる。
【0162】
また、上記した実施の形態1,2では、領域分離処理を、画素毎に行う構成としていたが、従来技術で説明したように、数画素からなる画素ブロック単位で行う構成であってもよい。
【0163】
【発明の効果】
本発明の第1の画像処理装置は、以上のように、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行い、かつ、これら領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施す領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことを特徴としている。
【0164】
構成要素を補正する領域判定処理の判定結果の補正には、構成要素の補正に適した補正範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩を補正する色判定処理の判定結果の補正には、有彩無彩を補正するのに適した補正範囲の大きさが存在している。したがって、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことで、それぞれの補正に適した量の情報を使って補正を行うことができ、各補正における補正精度が向上し、ひいては、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0165】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果の補正に、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることを特徴としている。
【0166】
このように、領域判定処理の判定結果の補正には、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0167】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理の判定結果の補正においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことを特徴としている。
【0168】
各構成要素の中でも、構成要素毎に補正に適した大きさ補正範囲が存在することとなる。したがって、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正に際しては、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことで、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正が、それぞれの補正に適した大きさの補正範囲内の判定結果を用いて行われるようになり、構成要素の補正に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の補正における補正精度が向上する。
【0169】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができるという効果を奏する。
【0170】
本発明の第2の画像処理装置は、以上のように、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行う領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことを特徴としている。
【0171】
構成要素に分離する領域判定処理には、構成要素の分離に適した画像データの範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩かを判定する色判定処理には、有彩無彩を判定するのに適した画像データの範囲の大きさが存在している。したがって、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことで、それぞれの処理に適した量の情報を使って処理を行うことができ、各処理における判定結果の精度が向上し、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0172】
本発明の第2の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理に、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0173】
このように、領域判定処理には、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0174】
本発明の第2の画像処理装置は、上記領域分離手段が、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0175】
各構成要素の中でも、構成要素毎に判定処理に適した大きさ画像データの範囲が存在することとなる。したがって、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることで、領域判定処理が、それぞれの構成要素の分離判定に適した大きさの画像データの範囲を用いて行われるようになり、構成要素の分離に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の分離における判定精度が向上する。
【0176】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができるという効果を奏する。
【0177】
本発明の画像形成装置は、以上のように、入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置で画像処理が施された画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、上記画像処理装置が、上記した本発明の第1、第2の画像処理装置であることを特徴としている。
【0178】
本発明の第1、第2の画像処理装置では、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるので、このような画像処理装置を備えることで、品質の良い画像を出力することができる画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【0179】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した本発明第1、第2の画像処理装置として機能させるためのプログラムであり、また、本発明の記録媒体は、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0180】
これにより、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるので、この画像処理装置を汎用的なものとすることができ、また、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるプログラムを容易に供給することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、カラー画像処理装置における領域分離処理部の構成を示すブロック図である。
【図2】上記カラー画像処理装置を搭載するデジタルカラー複写機の構成を示すブック図である。
【図3】図3(a)〜(c)共に、上記領域分離処理部の各処理に用いられるマスクを示す説明図である。
【図4】上記領域分離処理部で実施される領域分離結果の補正処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】上記領域分離処理部で実施される領域分離結果の補正処理における構成要素補正結果判定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図6】上記領域分離処理部で実施される領域分離結果の補正処理における有彩無彩補正結果判定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図7】上記領域分離処理部を備えた画像処理装置を、カラー画像読取装置に搭載した場合の構成を示すブロック図である。
【図8】上記領域分離処理部を備えた画像処理装置を、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載した場合の構成を示すブロック図である。
【図9】上記領域分離処理部を備えた画像処理装置を、コンピュータ30上のアプリケーションソフトウェア31に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図10】図10(a)(b)共に、上記領域分離処理部の各処理に用いられる別のマスクを示す説明図である。
【図11】本発明のその他の実施の形態を示すもので、カラー画像処理装置における領域分離処理部の構成を示すブロック図である。
【符合の説明】
4 領域分離処理部(領域分離手段)
11 カラー画像処理装置(画像処理装置)
12 カラー画像出力装置(画像出力装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は入力された画像データより特徴量を求め、その特徴量に基づいて画像データを文字領域・網点領域・写真(印画紙写真)領域などの複数の領域に分離する領域分離手段を備えた画像処理装置、プログラム、記録媒体、及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機等の画像形成装置では、良好な画像を得るために、入力された画像データの識別精度を高め、識別結果に応じた適切な画像処理を行う必要がある。そこで、一般に、スキャナ等の画像入力装置より読み込まれた画像データは、文字領域・網点領域・写真(印画紙写真)領域の何れかの領域のみからなる原稿であるか、或いは、各領域が混在するような原稿であるかが識別される。そして、識別結果に基づいて、何れかの領域のみからなる原稿であれば、その領域に応じた画像処理が全体的に施され、各領域が混在するような原稿であれば、各々の領域に応じた画像処理が領域ごとに施される。また、カラー原稿の再現性を高めるために、例えば、各領域の有彩無彩を判定し、同じ文字領域であっても、色文字領域と黒文字領域とで異なる画像処理を施すようになっているものもある。
【0003】
ここで、画像データをブロック単位で識別する方法の一例として、ブロック分離変換法(Block Separate Transformation Method:BSTM法)と称されるものについて説明する。
【0004】
これにおいては、まず、画像処理の対象となる画像データを、m×n画素のミクロなブロックに分割する。次いで、ブロック内の各画素の画像信号レベルを求め、ブロック内にて画像信号レベルの最大値Lmax及び最小値Lminを決定し、両者の差Lmax−Lminの値を求める。
【0005】
その後、差Lmax−Lminの値を、予め定められた基準値Qと比較する。この比較結果により、Lmax−Lmin<Qであるブロックを、写真領域と判定する。このような判定は、写真領域は、局所的に見て濃淡差が小さく、これに対し、文字領域や網点領域は、局所的に見て濃淡差が大きいといった特徴を用いている。
【0006】
Lmax−Lmin≧Qであると判定されたブロックに対しては、ブロック内の各画素について求めた画像信号レベルの平均値を算出し、この平均値に基づいて各画素を2値化する。具体的には、平均値未満の画像信号レベルの画素を「0」に変換し、平均値以上の画像信号レベルの画素を「1」に変換する。続いて、ブロック内の主走査方向に連続する画素間にて生じる「0」・「1」の変化の回数KHを求める。同様に、ブロック内の副走査方向についても、連続する画素間にて生じる「0」・「1」の変化の回数KVを求める。
【0007】
その後、変化の回数KH・KVを、予め定められた基準値Tと比較し、KH≧T且つKV≧Tであるブロックを網点領域と判定し、KH<T又はKV<Tであるブロックを文字領域と判定する。このような判定は、網点領域は網点のドットが分散してなるため、ドットの有無に応じて画像信号レベルが変化する回数が多くなり、反対に、文字領域は、ドットが連続しているため、このような画像信号レベルの極端な変化が少ないといった特徴を用いている。
【0008】
しかしながら、このような各領域の判定に同じサイズのブロックを用いて判定した場合、判定時の情報の過不足等に起因して、誤判定が生じることがある。このような誤判定によって得られた識別結果に基づいて、画像処理を行うと、誤った画像処理が施されることになり、出力画像の連続性を損なう等、出力画像の劣化を引き起こす。
【0009】
そこで、上記識別結果に対して、以下のような補正処理を行うようになっている。まず、文字領域の判定では、文字ストロークの末端部分で誤判定が発生しやすい。文字ストロークでの誤判定は、文字のつぶれを招き、画質の著しい劣化を引き起こす。そこで、主走査方向又は副走査方向に連続する3つのブロックを対象とし、外側のブロックが両方とも文字領域であると判定された場合には、これらの外側のブロックに挟まれる中央のブロックは文字領域であると判定するように、補正を施す。これにより、文字領域の判定精度を向上することができる。
【0010】
また、粗い網点領域では、網点領域の識別精度が低くなるために、画質の劣化が生じる。そこで、上記した変化の回数KH・KVを基準値Tと比較する際に、基準値Tとして2つの値を設定する。そして、注目しているブロックの近傍に存在するブロックのうちの網点領域と判定されるブロックの数に応じて、基準値Tとして用いる値を選択し、網点領域であるか否かの判定を行う。これにより、網点領域の識別に対して、識別精度が向上するように補正を施すことができ、網点領域の画質を改善することができる。
【0011】
網点領域に対する上記の補正によれば、網点領域の識別精度を向上することができるが、その一方で、文字領域であるのに網点領域と誤判定されるブロックが増加する。そこで、画像信号レベルの平均値が急激に変化しているブロックを、文字ストロークの輪郭部分として抽出することで、文字領域を精度よく検出している(例えば、非特許文献1に記載)。
【0012】
【非特許文献1】
電子情報通信学会論文誌(1987/2 Vol.2 J70−B No.2 p.222〜p.232.「網点写真の識別方法」)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像処理方法では、領域判定処理の判定結果を補正するにおいて、判定結果の補正にそれぞれの判定結果を情報として用いる補正範囲を、判定する構成要素の特徴に応じて設定するようにはなっていない。
【0014】
例えば、領域判定の補正方法として文字領域に対する補正方法が挙げられている。この方法は、連続する3ブロック以上が続けて誤判定されることは少ないといったシミュレーションの結果を基に、主走査方向及び副走査方向の3つの連続するブロックの判定結果を用いて補正を行うものであり、補正に用いる周囲範囲を文字領域の特徴として設定するのではなく、誤判定の発生する確率に応じて設定している。この方法では、補正に用いる周辺ブロックが誤判定されている可能性があり、その場合、補正精度が低下するという問題がある。
【0015】
また、網点領域の補正では、注目しているブロックの近傍に存在するブロックのうちの網点領域と判定されるブロックの数に応じて、基準値Tとして用いる値を選択するようになっているが、上記したように、文字領域で網点と誤判定されるブロックが増加し精度の低下を招く。さらに、これを改善するために新たな別の処理が必要であり、処理が複雑になるという問題もある
つまり、構成要素の判定結果の補正を行うにおいては、用いる情報を算出する範囲が狭すぎても情報が不足してしまって補正精度が低下し、反対に広すぎて必要のない情報までも過剰に使用しても補正精度が低下してしまう。
【0016】
特に、画像データの有彩無彩といった色判定を行う際に、構成要素の判定を行う場合と同じブロックを単位として色判定を行うと、識別精度を十分に高めることができない可能性がある。これは、一般的に、画像データ中の有彩領域又は無彩領域は、画像データ中の文字領域・網点領域・写真領域等に局所的に存在するため、構成要素の判定を行うのに適したブロックサイズと、上記色判定を行う際に適したブロックサイズとが異なる場合が多いためである。構成要素の判定と色判定とを、同一のブロックサイズを用いて判定を行うと、多くの誤判定が発生することになる。
【0017】
また、領域判定処理の場合も同様で、領域判定処理にて判定される構成要素毎に、領域判定処理を実施する判定対象範囲を切り換えるようにはなっておらず、画像データにおけるm×nといった固定のブロック内で、領域を分離するための特徴を抽出して判定処理するようになっている。そのため、判定の精度を十分に高めることができず、結果として判定結果の補正を必要としている。
【0018】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、領域判定処理の判定結果の補正や色判定処理の判定結果の補正、或いは、各々の判定処理において、補正処理或いは判定処理に最適な量の情報を提供し得る範囲にて補正や判定を行って、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることのできる画像処理装置、プログラム、記録媒体、及びそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像処理装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行い、かつ、これら領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施す領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことを特徴としている。
【0020】
上記構成では、領域分離手段は、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩無彩を判定する色判定処理とを行い、例えば画素毎(或いは数画素からなるブロック毎)に領域判定処理の判定結果と色判定処理の判定結果とを得る。
【0021】
ここで、領域判定処理は、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に画像データ(或いは画素ブロック)を分離する処理であるが、例えば、文字領域、網点領域、写真領域の各構成要素それぞれの特徴で分離しても、構成要素の一部を残して、つまり、例えば文字領域、網点領域を各々の特徴で分離し、文字領域でも網点領域でもない場合に、写真領域を含むその他の領域として分離してもよい。
【0022】
また、色判定処理においても同様で、入力画像データ(或いは数画素からなるブロック毎)に対して、有彩、無彩の各特徴を用いて有彩と無彩とを両方判定しても、或いは、有彩か無彩かの何れか一方のみをその特徴で判定し、有彩でない場合にその入力画像データを、無彩を含む有彩以外とする、無彩でない場合にその入力画像データを、有彩を含む無彩以外と判定してもよい。
【0023】
そして、領域分離手段は、これら判定結果の精度を上げるべく、領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施している。なお、領域判定処理において、何れの領域にも分離しない結果、その他の領域として分離されたものは、特徴を基にした各分離精度を上げることで、その他の領域としての精度も上がる。
【0024】
ここで、例えば、網点領域や、写真領域は、原稿中の比較的広い範囲に存在することが多いため、網点領域、写真領域、文字領域等の構成要素の補正には、補正範囲を大きく設定して広い範囲の情報(判定結果)を使って補正することで、補正の精度を向上させることができる。
【0025】
これに対し、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、補正範囲をあまり大きく設定して補正を行うと、不要な情報(判定結果)までも補正に使われてしまい、補正の精度が低下してしまう。
【0026】
つまり、構成要素を補正する領域判定処理の判定結果の補正には、構成要素の補正に適した補正範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩を補正する色判定処理の判定結果の補正には、有彩無彩を補正するのに適した補正範囲の大きさが存在している。
【0027】
そこで、本発明では、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うようになっている。
【0028】
したがって、それぞれの補正に適した量の情報を使って補正を行うことができ、各補正における補正精度が向上し、ひいては、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0029】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果の補正に、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることを特徴としている。
【0030】
上述したように、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、網点領域や写真領域、文字領域などの構成要素を補正する補正範囲よりも小さい補正範囲内の判定結果を使用して補正を行うことで、精度を高めることができる。
【0031】
これに対し、網点領域や、写真領域、文字領域などの構成要素は、通常、同一の構成要素が広く続いているため、補正に用いる補正範囲としては大きく設定し、広い範囲の情報(判定結果)を使って補正することで、精度を高めることができる。
【0032】
したがって、上記構成のように、領域判定処理の判定結果の補正には、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0033】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理の判定結果の補正においては、構成要素に応じて少なくとも2つのの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことを特徴としている。
【0034】
網点領域、写真領域、文字領域などの構成要素の中でも、網点領域や写真領域は、原稿の中で大部分を占めているため、補正範囲を大きく設定し、できるだけ広い情報を使った方が補正精度を高めることができ、ひいては判定結果の精度を高めることができる。これに対し、文字領域は、網点領域や写真領域よりも補正範囲を小さくした方が、補正精度を高めることができる。つまり、各構成要素の中でも、構成要素毎に補正に適した大きさ補正範囲が存在することとなる。
【0035】
そこで、上記の構成では、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正に際しては、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うようになっている。
【0036】
したがって、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正が、それぞれの補正に適した大きさの補正範囲内の判定結果を用いて行われるようになり、構成要素の補正に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の補正における補正精度が向上する。
【0037】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができる。
【0038】
本発明の第2の画像処理装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩無彩を判定する色判定処理とを行う領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことを特徴としている。
【0039】
上記構成では、領域分離手段は、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩無彩を判定する色判定処理とを行い、例えば画素毎(或いは数画素からなるブロック毎)に領域判定処理の判定結果と色判定処理の判定結果とを得る。
【0040】
上述したように、ここでも、領域判定処理は、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に画像データ(或いは画素ブロック)を分離するにあたり、文字領域、網点領域、写真領域の各構成要素それぞれの特徴で分離しても、構成要素の一部を残して、つまり、例えば文字領域、網点領域を各々の特徴で分離し、文字領域でも網点領域でもない場合に、写真領域を含むその他の領域として分離してもよい。
【0041】
同様に、色判定処理においても、入力画像データ(或いは数画素からなるブロック毎)に対して、有彩、無彩の各特徴を用いて有彩と無彩とを両方判定しても、或いは、有彩か無彩かの何れか一方のみをその特徴で判定し、有彩でない場合にその入力画像データを、無彩を含む有彩以外とする、無彩でない場合にその入力画像データを、有彩を含む無彩以外と判定してもよい。
【0042】
例えば、網点領域や、写真領域は、原稿中の比較的広い範囲に存在することが多いため、網点領域、写真領域、文字領域等の構成要素に分離する判定処理には、対象とする画像データの範囲を大きく設定して広い範囲の情報(画像データ)を使って判定することで、判定の精度を向上させることができる。
【0043】
これに対し、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、処理の対象とする画像データの範囲をあまり大きく設定して判定を行うと、不要な情報(画像データ)までも補正に使われてしまい、判定の精度が低下してしまう。
【0044】
つまり、構成要素に分離する領域判定処理には、構成要素の分離に適した画像データの範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩を判定する色判定処理には、有彩無彩を判定するのに適した画像データの範囲の大きさが存在している。
【0045】
そこで、本発明では、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うようになっている。
【0046】
したがって、それぞれの処理に適した量の情報を使って処理を行うことができ、各処理における判定結果の精度が向上し、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0047】
本発明の第2の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理に、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0048】
上述したように、有彩無彩を判定する色判定は、網点領域、写真領域、及び文字領域等の各領域において、局所的に白黒からカラーに変化するものであるため、網点領域や写真領域、文字領域などの構成要素を分離するための領域判定処理に用いる画像データの範囲よりも小さい画像データの範囲を使用して処理することで精度を高めることができる。
【0049】
これに対し、網点領域や、写真領域、文字領域などの構成要素は、通常、同一の構成要素が広く続いているため、対象とする画像データの範囲としては大きく設定し、広い範囲の情報(画像データ)を使って補正することで、精度を高めることができる。
【0050】
したがって、上記構成のように、領域判定処理には、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0051】
本発明の第2の画像形成装置は、上記領域分離手段が、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0052】
網点領域、写真領域、文字領域などの構成要素の中でも、網点領域や写真領域は、原稿の中で大部分を占めているため、処理の対象とする画像データの範囲を大きく設定し、できるだけ広い情報を使った方が判定結果の精度を高めることができる。これに対し、文字領域は、網点領域や写真領域よりも画像データの範囲を小さくした方が、判定精度を高めることができる。
【0053】
つまり、各構成要素の中でも、構成要素毎に判定処理に適した大きさ画像データの範囲が存在することとなる。
【0054】
そこで、上記の構成では、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いるようになっている。
【0055】
したがって、領域判定処理が、それぞれの構成要素の分離判定に適した大きさの画像データの範囲を用いて行われるようになり、構成要素の分離に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の分離における判定精度が向上する。
【0056】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができる。
【0057】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置で画像処理が施された画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、上記画像処理装置が、上記した本発明の第1、第2の画像処理装置であることを特徴としている。
【0058】
本発明の第1、第2の画像処理装置では、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるので、このような画像処理装置を備えることで、品質の良い画像を出力することができる画像形成装置を提供することができる。
【0059】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した本発明第1、第2の画像処理装置として機能させるためのプログラムであり、また、本発明の記録媒体は、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0060】
これにより、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるので、この画像処理装置を汎用的なものとすることができ、また、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるプログラムを容易に供給することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明に係る実施の一形態について図1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0062】
ここでは、本発明にかかる実施の一形態の画像処理装置を、デジタルカラー複写機等の画像形成装置の画像処理装置として搭載された場合を例示する。
【0063】
図2に示すように、デジタルカラー複写機は、カラー画像入力装置10、カラー画像処理装置(画像処理装置)11、カラー画像出力装置12を備えている。
【0064】
上記カラー画像処理装置12は、A/D(アナログ/デジタル)変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4、色補正部5、黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、出力階調補正部8、及び階調再現処理部9を備えている。
【0065】
カラー画像入力装置10は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置11に入力するものである。
【0066】
カラー画像入力装置10にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置11内を、A/D変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4、色補正部5、黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、出力階調補正部8、階調再現処理部9の順で送られ、CMYKのデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置12へ出力される。
【0067】
A/D変換部1は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換するもので、シェーディング補正部2は、A/D変換部より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置10の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すものである。
【0068】
入力階調補正部3は、シェーディング補正部2にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整えると同時に、濃度信号などカラー画像処理装置11に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施すものである。
【0069】
領域分離処理部4は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域等の構成要素の何れかに分離すると共に、有彩無彩等の色判定を行う領域分離処理を行い、その結果である領域識別信号を出力するものであり、詳細については後述する。また、領域分離処理部4は、領域分離処理結果に基づいて、領域識別信号を、黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、階調再現処理部9へと出力すると共に、入力階調補正部3より出力された入力信号をそのまま後段の色補正部5に出力する。
【0070】
色補正部5は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。
【0071】
黒生成下色除去部6は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものであって、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
【0072】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y,出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式1で表される。
【0073】
【数1】
【0074】
空間フィルタ処理部7は、黒生成下色除去部6より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理するものである。階調再現処理部9も、空間フィルタ処理部7と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処理を施するものである。
【0075】
例えば、領域分離処理部4にて文字に分離された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部7による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部9においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が選択される。
【0076】
また、領域分離処理部4にて網点に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部7において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部8では、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置12の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部9で、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。領域分離処理部4にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
【0077】
上述した各処理が施された画像データは、一旦記憶手段に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置12に入力される。このカラー画像出力装置12は、画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。尚、以上の処理は不図示のCPU(Central Processing Unit)により制御される。
【0078】
次に、上記カラー画像処理装置11に搭載された、領域分離処理部4について詳細に説明する。
【0079】
領域分離処理部4は、RGB信号(R:赤,G:緑,B:青)にて表される画像データについて、画素毎に、文字領域・網点領域・写真領域・下地等の構成要素の判定、及び有彩無彩といった色判定を行うと共に、それらの判定結果である領域分離結果に対して補正を施して、構成要素の判定や色判定等の判定結果に関する情報を含む領域識別信号を生成するものである。
【0080】
図1に示すように、領域分離処理部4は、文字領域判定部41と、色判定部42と、網点領域判定部43と、補正部44と、設定部45とを備えている。
【0081】
上記文字領域判定部41は、画像データを構成する各画素の情報より、画素1つずつについて当該画素が文字領域に属する文字画素であるか否かを判定するものであり、例えば、判定の対象となる画素を注目画素として、該注目画素の周囲に位置する周辺画素との濃度差に基づいて、該注目画素が文字画素(以下、エッジと称する場合もある)に相当するか否かを判定する。
【0082】
ここでは、図3(a)に示すように、注目画素P1を中心として、例えば3×3の画素からなるマスク(対象となる画像データの範囲)M1を設定し、注目画素P1と、該注目画素P1の周囲に位置する8つの隣接画素との濃度差を求める。そして、この濃度差を予め設定された閾値と比較し、上記マスクM1にて求められた8つの濃度差のうち、少なくとも1つの濃度差が閾値以上あると判定されれば、注目画素P1を文字画素であると判定する。この判定は、R,G,B各信号に対して行われ、何れかの信号にて文字画素であると判定されると、補正部44にエッジ信号を出力する。
【0083】
なお、ここでは、文字領域判定部41は、マスクM1を設定してエッジ判定を行う構成としているが、これに限定されず、ゾーベルフィルタ等のエッジ検出用フィルタを用いてエッジ判定を行う構成としてもよい。
【0084】
色判定部42は、画像データを構成する各画素の情報より、画素1つずつについて当該画素が有彩であるか無彩であるかを判定するもので、例えば、判定の対象となる画素を注目画素として、そのR,G,B各信号の強度の、最大値と最小値より判定する。
【0085】
ここでは、図3(a)に示すように、注目画素P1のR,G,B各信号の強度の最大値と最小値を求め、両者の差分値の絶対値を算出する。そして、この差分値の絶対値と予め設定された閾値THとを比較し、差分値の絶対値が閾値TH以下である場合は、無彩であると判断して、有彩無彩信号として「オン」を補正部44に出力する。一方、差分値の絶対値が閾値THよりも大きい場合は、有彩であると判断して、有彩無彩信号として「オフ」を補正部44に出力する。
【0086】
網点領域判定部43は、画像データを構成する各画素の情報より、画素1つずつについて当該画素が網点領域に属する網点画素であるか否か判定するもので、判定の対象となる画素を注目画素として、注目画素P1が網点領域に属する網点画素であるか否かを判定するものである。判定には、例えば、「網点領域は、小さな領域における濃度の変動が大きい」という特徴、及び「網点領域は、背景に比べて濃度が高い」という特徴を利用する。
【0087】
ここでは、図3(a)に示すように、注目画素P1を中心として、3×3の画素からなるマスクM1を設定し、マスクM1内の9画素に対して平均濃度値Daveを求める。この平均濃度値Daveと、マスクM1内の各画素の濃度値とを比較することによって、マスクM1内の画素を2値化する。すなわち、平均濃度値Dave未満の画像信号レベルの画素を「0」に変換し、平均濃度値Dave以上の画像信号レベルの画素を「1」に変換する。また、同時に、マスクM1内の画素のうち、濃度値の最大と最小とを求め、最大値Dmax 、最小値Dminとする。
【0088】
続いて、2値化されたデータに対して、マスクM1内の主走査方向における「0」・「1」の変化の回数KHを求める。同様に、ブロックM1内の副走査方向についても、「0」・「1」の変化の回数KVを求める。そして、上記平均濃度値Dave、最大値Dmax、最小値Dminに基づいて、以下に示すように、閾値B1、B2、TR、TVとの比較を行う。これにより、注目画素P1が網点画素であるか、非網点画素であるかを判定する。
【0089】
【数2】
【0090】
なお、網点領域判定部43での上記処理は、R,G,Bの信号毎に個別に行われ、これらの各信号の何れかにて、注目画素P1が網点画素と判定された場合には、補正部44に対し、網点領域信号として「オン」を出力し、注目画素P1が網点画素と判定されない場合には、補正部44に対し、網点領域信号として「オフ」を出力する。
【0091】
補正部44は、入力されるエッジ信号、網点領域信号、及び有彩無彩信号より、文字領域・網点領域・その他領域等の構成要素の判定、及び、有彩無彩等の色判定によって得られた各画素の色判定(以下、これらをまとめて、領域分離処理と記載する)の結果(以下、領域分離結果と記載する)を蓄積し、かつ、各画素の領域分離結果の補正を行うものである。
【0092】
なお、補正部44は、上記文字領域判定部41及び網点領域判定部43の各判定にて、エッジとも判定されず、かつ、網点画素とも判定されなかった注目画素P1は、写真領域や下地等のその他の領域と判定する。
【0093】
なお、本実施の形態においては、エッジとも網点画素とも判定されなかった注目画素P1についてはその他の領域に属すると判定しているが、予め定められる大きさのマスクを設け、マスク内の最大濃度値と最小濃度値との差、主走査方向や副走査方向の隣接画素の濃度差の絶対値の総和である繁雑度など公知の特徴量を抽出して写真領域に属する画素を判定するようにしても良い。
【0094】
詳細には、補正部44は、任意の画素の領域分離結果を補正するにあたり、任意のある画素の構成要素の判定結果を補正するには、対象となる画素を注目画素とし、該注目画素の周囲にある周辺画素の構成要素の判定結果を用いて、補正を行う。一方、任意のある画素の色判定の判定結果を補正するには、対象となる画素を注目画素とし、該注目画素の周囲にある周辺画素の色判定の判定結果を用いて、補正を行う
そして特に、本実施の形態の補正部44では、設定部45による設定に基づいて、補正に用いられる注目画素を中心として周辺画素よりなる補正範囲の大きさを、構成要素の判定結果の補正と、色判定の判定結果の補正とで切り換えるようになっている。
【0095】
設定部45は、上記補正部44にて実行される補正処理に用いる周辺画素を規定する補正範囲の大きさを、構成要素の判定結果の補正と、色判定の判定結果の補正とで切り換え、各々の補正に適した大きさの補正範囲とする。
【0096】
ここでは、図3(b)に示すように、注目画素P2に関し、文字領域・網点領域・その他の領域等の構成要素の補正を行う場合は、注目画素P2を中心としたマスクM2を設定する。一方、注目画素P2に関し、上記色判定の補正を行う場合は、マスクM2よりも狭い(周辺画素数の少ない)マスクM3を設定する。
【0097】
マスクM2及びマスクM3の範囲の一例を挙げれば、以下のとおりである。注目画素P2を中心として設定されている。
【0098】
【数3】
【0099】
図4〜図6を用いて、上記領域分離処理部1にて実施される領域分離結果に対する補正処理の手順を説明する。
【0100】
図4に示すように、画像データの各画素について、文字領域判定部41、網点領域判定部43、色判定部42にて、領域分離及び色判定処理が行われ(S1)、各画素の領域分離処理に基づく領域分離結果が、補正部44に蓄積される(S2)。
【0101】
なお、S1では、文字領域判定部41及び網点領域判定部43により、各画素に対して、文字画素、網点画素、その他の領域に属するその他の画素の何れであるかが、判定結果として得られ、また、色判定部42により、各画素に対して、有彩画素、無彩画素、及び、有彩でも無彩でもないその他の画素の何れであるかが、判定結果として得られるとする。
【0102】
S2にて、領域分離結果が蓄積されると、設定部45は、領域分離結果における構成要素の判定結果を補正するためのマスクM2と、領域分離結果における色判定結果を補正するためのマスクM3とを設定する(図3(b)参照、S3)。上記したように、構成要素の判定結果を補正するためのマスクM2の範囲は、色判定の判定結果を補正するためのマスクM3よりも大きい範囲となっている。
【0103】
補正部44は、S3にて設定されたマスクM2或いはM3を用いて、各画素における構成要素の判定結果及び色判定の判定結果の各補正を実行する。ここでは、構成要素の判定結果の補正と、色判定の判定結果の補正とを、並行して処理する。
【0104】
まず、構成要素の判定結果の補正処理について説明する。該補正処理は、S11〜S19にて行われる。S11では、注目画素P2に着目し、該注目画素P2を中心としてマスクM2を配置し(図3(b)参照)、S2にて蓄積された領域分離結果に基づいて、マスクM2内の画素のうち、文字画素と判定された画素数Cnt_Text、網点画素と判定された画素数Cnt_Halftone、第2のその他と判定された画素数Cnt_Other2の算出を開始する。
【0105】
Cnt_Text、Cnt_Halftone、Cnt_Other2は、数式では以下のように表すことができる。
【0106】
【数4】
【0107】
なお、Cnt_M2は、マスクM2内に含まれる画素のうち、Cnt_Text、Cnt_Halftone、Cnt_Other2のうちのいずれかにカウントされた画素の数を表す。
【0108】
画素数の算出開始にあたり、まずは、マスクM2内の画素に対して、上記の各構成要素(文字領域画素、網点領域画素、その他)の初期化を行い、すべて画素数を0に設定する(S11)。
【0109】
次に、各画素の領域分離結果に基づいて、マスクM2内の注目画素P2が、文字画素であるか否かを判定する(S12)。ここで、注目画素P2が文字画素である場合は、Cnt_Textの値に1を加えて(S13)、S17に進む。一方、文字画素でない場合は、注目画素P2が網点画素であるか否かを判定する(S14)。そして、注目画素P2が網点画素であれば、Cnt_Halftoneの値に1を加え(S15)、S17に進む。一方、網点画素でもない場合は、Cnt_Other2の値に1を加えて(S16)、S17に進む。
【0110】
S17では、上記S12〜S16の処理を経ることで、注目画素P2は、領域分離結果に基づいて、Cnt_Text、Cnt_Halftone、Cnt_Other2のうちのいずれかにカウントされるので、Cnt_M2に1を加える。
【0111】
次に、Cnt_M2の値と、マスクM2内の画素数とを比較する(S18)。ここで、Cnt_M2の値がマスクM2内の画素数よりも小さければS12に戻り、Cnt_M2の値がマスクM2内の画素数が等しくなるまで、上記のS12〜S18までの処理を繰り返す。そして、S18にて、Cnt_M2の値がマスクM2内の画素数と同じになれば、構成要素補正結果判定を行う(S19)
S19における構成要素補正結果判定は、閾値THTextと閾値THHalftoneとに基づいて、以下に示す条件にて行われる。
【0112】
【数5】
【0113】
図5に、図4のS19の処理を示す。まず、第2のその他画素として算出されたCnt_Other2の値を除き、Cnt_Textの値とCnt_Halftoneの値とを比較して、画素数が最大の構成要素の選択する(S20)。次に、画素数が最大の構成要素として文字画素が選択されていると共に、かつ、文字画素の数であるCnt_Textの値が閾値THtext以上であるか否かを判定し(S21)、ここで、YESと判定すれば、注目画素P2を文字画素に補正する(S22)。
【0114】
一方、S21にて、NOと判定すれば、続いて、画素数が最大の構成要素として網点画素が選択されていると共に、かつ、網点画素の数であるCnt_Halftoneの値が閾値THtext以上であるか否かを判定する(S23)。そして、ここで、YESと判定すれば、注目画素P2を網点画素に補正する(S24)。なお、ここでもNOと判定すれば、注目画素P2に対する補正を行わない、又は、その他の領域に属する画素とする(S25)。以上の補正が行われると、図4のS4に戻る。
【0115】
次に、並行して実施される色判定の判定結果の補正処理について説明する。該補正処理は、S31〜S39にて行われる。S31では、注目画素P2に着目し、該注目画素P2を中心としてマスクM3を配置し(図3(b)参照)、S2にて蓄積された領域分離結果に基づいて、マスクM3内の画素のうち、有彩画素と判定された画素数Cnt_Color、無彩画素と判定された画素数Cnt_Gray、第1のその他と判定された画素数Cnt_Other1の算出を開始する。
【0116】
Cnt_Color、Cnt_Gray、Cnt_Other1は、数式では以下のように表すことができる。
【0117】
【数6】
【0118】
なお、Cnt_M3は、マスクM3内に含まれる画素のうち、Cnt_Color、Cnt_Gray、Cnt_Other1のうちのいずれかにカウントされた画素の数を表す。
【0119】
画素数の算出開始にあたり、まずは、マスクM3内の画素に対して、上記各色(有彩画素、無彩画素、その他)の初期化が行われ、すべて画素数は0に設定する(S31)。
【0120】
次に、各画素の領域分離結果に基づいて、マスクM3内の注目画素P2が、有彩画素であるか否かを判定する(S32)。ここで、注目画素P2が有彩画素である場合は、Cnt_Colorの値に1を加えて(S33)、S37に進む。一方、有彩画素でない場合は、注目画素P2が無彩画素であるか否かを判定する(S34)。そして、注目画素P2が無彩画素であれば、Cnt_Grayの値に1を加え(S35)、S37に進む。一方、無彩画素でもない場合は、Cnt_Other1の値に1を加えて(S36)、S37に進む。
【0121】
S37では、上記S32〜S36の処理を経ることで、注目画素P2は、領域分離結果に基づいて、Cnt_Color、Cnt_Gray、Cnt_Other1のうちのいずれかにカウントされるので、Cnt_M3に1を加える。
【0122】
次に、Cnt_M3の値と、マスクM3内の画素数とを比較する(S38)。ここで、Cnt_M3の値がマスクM3内の画素数よりも小さければS32に戻り、Cnt_M3の値がマスクM3内の画素数が等しくなるまで、上記のS32〜S38までの処理を繰り返す。そして、S38にて、Cnt_M3の値がマスクM3内の画素数と同じになれば、有彩無彩補正結果判定を行う(S39)
S39における有彩無彩補正結果判定は、閾値THcolor,THgrayに基づいて、以下に示す条件にて行われる。なお、上記α、βは、重み付けのための定数である。
【0123】
【数7】
【0124】
図6に、図4のS39の処理を示す。まず、Cnt_Colorの値が閾値THcolor以上であり、かつ、Cnt_Colorの値がCnt_Grayの値よりも大きいかどうか(有彩画素数が無彩画素数より多いか)を判定し(S40)、YESと判定すれば、注目画素P2を有彩画素に補正する(S41)。一方、S40にて、NOと判定した場合は、続いて、Cnt_Grayの値が閾値THgray以上であり、かつ、Cnt_Grayの値がCnt_Colorの値よりも大きいか(無彩画素数が有彩画素数より多いか)どうかを判定し(S42)、YESと判定すれば、注目画素P2を無彩画素に補正する(S43)。なお、ここでもNOと判定すれば、注目画素P2に対する補正を行わない、又は、その他の領域に属する画素とする(S44)。以上の補正が行われると、図4のS4に戻る。
【0125】
このようにして、S1にて領域判定処理が施された各画素に対して、S2、S3、S11〜S19を経て構成要素の判定結果の補正が行われ、また、S2、S3、S31〜S39を経て色判定結果の補正が行われると、S4では、以下に示す条件にて、最終的な補正の判定結果を算出する。
【0126】
【数8】
【0127】
つまり、注目画素P2が文字画素であり、かつ、有彩画素である場合には、注目画素P2を色文字画素と判定する。また、注目画素P2が文字画素であり、かつ、無彩画素である場合には、注目画素P2を黒文字画素と判定する。一方、注目画素P2が網点画素である場合には、有彩画素・無彩画素を問わず、網点画素と判定する。なお、注目画素P2が、文字画素とも網点画素とも判定されなかった場合には、有彩画素・無彩画素を問わず、その他の画素と判定する。
【0128】
領域分離処理部4は、S1の領域分離結果に対して、このような補正を施した後の結果を、各画素の領域識別信号として出力する。
【0129】
以上のように、本実施の形態のカラー画像処理装置11における領域分離処理部4では、補正部44が、構成要素の判定結果及び色判定の判定結果をそれぞれ補正するにあたり、注目画素P2を中心として、各々の補正に適した大きさのマスク、つまり、構成要素の判定結果の補正には大きいマスクM2を用い、色判定の判定結果の補正にはマスクM2よりも小さいマスクM3を用いて補正するようになっている。これにより、各々の補正が、適切な情報量で行われるようになり、補正精度が向上し、精度の高い領域識別信号を出力することができる。
【0130】
なお、ここでは、大きさの異なる2種類のマスクM2、マスクM3として、相似形のマスクを例示したが、マスクの形状は何らこれに限定されることはなく、例えば、図10(a)に示すマスクM2’、マスクM3’というように、マスク毎に違っていてもよい。この場合、アルゴリズムについては同一で単なる形状の変更だけで対応可能である。但し、相似形が、最も一般的でかつコストがかからないといった点で優れている。
【0131】
また、本実施の形態では、領域分離処理部4の設定部45は、上記した図4のフローチャートのS3において、各構成要素共通の補正範囲としてマスクM2を設定したが、構成要素毎に補正に適した大きさ補正範囲が存在するため、補正範囲を構成要素毎に別々に設定してもよい。
【0132】
つまり、網点領域、写真領域、文字領域などの構成要素の中でも、網点領域や写真領域は、原稿の中で大部分を占めているため、補正範囲を大きく設定し、できるだけ広い情報を使った方が補正精度を高めることができ、ひいては判定結果の精度を高めることができる。これに対し、文字領域は、網点領域や写真領域よりも補正範囲を小さくした方が、補正精度を高めることができる。
【0133】
したがって、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正に際しては、構成要素に応じた補正範囲を各々別々に用いて補正を行うことで、構成要素の補正に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の補正における補正精度が向上する。図3(c)に、その場合の一例を示す。ここでは、図3(b)に示した前述のマスクM2・M3に加えて、マスクM2とマスクM3との間のサイズとなる、文字領域の補正に適した文字領域補正用のマスクM4を新に設けている。また、図10(b)に、マスクが相似形でない場合のマスクM2’〜M4’を示す。
【0134】
なお、本実施の形態では、画像処理装置を、デジタルカラー複写機に搭載した例を挙げたが、スキャナ等の画像読取装置の画像処理装置、デジタルカメラ等の撮像装置の画像処理装置として、好適に用いることができる。また、アプリケーションソフトウェア等に設けることもできる。以下、図7〜図9を用いて説明する。
【0135】
図7は、本発明に係る実施の一形態の画像処理装置を、カラー画像読取装置に搭載した場合の構成を示している。カラー画像読取装置は、上記カラー画像入力装置10と、カラー画像処理装置13とを備えている。カラー画像処理装置13は、図2に基づいて説明したカラー画像処理装置11における、A/D変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4までの部材を備えた構成である。
【0136】
上記カラー画像読取装置では、カラー画像入力装置10から出力されたRGB信号が、A/D変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4にて処理される。領域分離処理部4では、上述したように領域識別信号を生成するが、この場合、生成した領域識別信号は、コンピュータやプリンタ等の外部装置へと出力される。
【0137】
図8は、本発明に係る実施の一形態の画像処理装置を、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載した場合の構成を示している。デジタルカメラは、画像入力装置14、画像処理装置16、画像表示装置15を備えている。
【0138】
画像入力装置14は、例えば光学レンズ・カラーフィルタ・受光素子であるCCD(Charge Coupled Device)などにより構成される。画像入力装置14より出力される画像データは、CCDにおいて電気的信号に変換されたRGBのアナログ信号である。
【0139】
画像処理装置16は、図2に基づいて説明したカラー画像処理装置11における、A/D変換部1、領域分離処理部4を備えると共に、入力処理部22、圧縮処理部23、及び記憶部24を備えた構成である。
【0140】
A/D変換部1において入力のアナログ信号はデジタル信号に変換される。そして入力補正部22にて画像入力装置の結像系・撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理や光源の色温度に基づくホワイトバランスの調整が行われる。その後、領域分離処理部4にて、上記にて説明した処理を行う。
【0141】
圧縮処理部23では、画像データが占める記憶手段の容量を節約したり、データ転送する際の時間を短縮したりするために、例えば、JPEG(Joint Picture Experts Group)方式などを用いてデータサイズを圧縮する。JPEG方式が用いられる場合、RGB信号はYCrCb(Y:輝度、Cr・Cb:色差)信号に変換されて行われる。圧縮された画像データは、メモリカードなどの記憶媒体により構成される記憶部24に格納される。記憶部24に格納された画像データは、液晶ディスプレイなどの画像表示装置15に表示される。また、コンピュータを介してあるいは直接にプリンタなどの画像出力装置に出力される。
【0142】
図9は、本発明に係る実施の一形態の画像処理装置を、コンピュータ30上のアプリケーションソフトウェア31に適用した場合の構成を示している。コンピュータ30は、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラ等の画像入力装置14、CRTディスプレイ・液晶ディスプレイ等の画像表示装置15、プリンタ等の画像出力装置16、データを保存するための外部記憶装置17、ネットワークを介してサーバ等に接続するためのモデム・ネットワークカード等の通信手段18、キーボード・マウス19等のユーザインターフェースに接続されている。
【0143】
コンピュータ30は、アプリケーションソフトウェア31を備え、所定のプログラムがロードされることにより、上記画像処理等の種々の処理を実行する。具体的には、画像入力装置14に入力された画像データに対して、コンピュータ30上で画像データ全体あるいは選択した画像領域の色を調整するなどの色調補正処理やエッジを強調するフィルタ処理などと共に、領域判定処理を実施する。なお、これらの処理に際して、キーボード・マウス19を介して、ユーザからの指示を受け付けてもよい。
【0144】
上記のアプリケーションソフトウェア31にて画像処理が施された画像は、画像表示装置15に表示される、プリンタ等の画像出力装置16に出力してプリンタ・ドライバにて色補正処理(RGB→CMYK)や中間調処理が施される、画像処理を施した画像を外部記憶装置17に格納される、通信手段18を介して他のコンピュータ等に出力される等、コンピュータ30に接続された上記装置のいずれかに出力されて処理される。
【0145】
また、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記の画像処理方法を記録するものとすることもできる。その結果、画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0146】
なお、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるためのメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0147】
何れの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0148】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
【0149】
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
【0150】
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
【0151】
〔実施の形態2〕
本発明に係る実施のその他の形態について、図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0152】
前述した実施の形態1の画像処理装置における領域分離処理部4では、補正部44が、画素1つずつの領域分離結果(構成要件の判定結果及び色判定の判定結果)を当該画素の周辺に位置する周辺画素の領域分離結果を用いて補正する際、構成要素の補正と色判定の補正とで、設定部45が補正範囲を調整するようになっていた。
【0153】
これに対し、図11に示すように、本実施の形態の画像処理装置における領域分離処理部20では、文字領域判定部41’、網点領域判定部43’、及び色判定部42’による領域判定処理の際に周辺画素数の調整がなされ、各々の判定に適した周辺画素数にて領域判定処理が行われるようになっている。
【0154】
領域分離処理部20は、文字領域判定部41’、色判定部42’、網点領域判定部43’、及び設定部45’を備えている。
【0155】
上記文字領域判定部41’、網点領域判定部43’は、上記したように、任意の1つの画素について、当該画素の周辺に位置する周辺画素との比較を行うことによって、構成要素の判定を行っている。また、色判定部42’は、1つの画素にて、R,G,Bの各信号に基づいて、色判定を行っている。このように、領域判定処理によって用いられる画素の数が異なるため、上記設定部21は、予め定められている最適な画素範囲を領域毎に設定する。
【0156】
つまり、図3(c)に示すように、判定の対象となる画素を注目画素として、注目画素P2に対し、分離すべき領域の種類に応じて、種々の大きさのマスクM2〜M4を設定する。ここでは、構成要素の判定処理のうち、網点画素(及び写真画素)を判定する際に用いる画素ブロックをマスクM2とし、文字画素を判定する際に用いる画素ブロックをマスクM4とし、色判定に用いる画素ブロックをマスクM3と設定する。マスクM2〜M4の大きさは、領域に応じて適宜設定すればよいが、通常は、マスクM3<マスクM4<マスクM2となるように設定することが好ましい。
【0157】
この理由は、一般的に、画像データ中の有彩画素又は無彩画素からなる領域は、画像データ中の文字画素・網点画素・写真画素等の構成要素からなる領域中に局所的に存在するためである。また、文字画素は、網点画素・写真画素に比べると、画像データ中の狭い範囲に一様に存在することが多いためである。
【0158】
また、上記の場合、色判定処理としては、マスク2内において各色成分の平均値を求め、色成分の平均値の最大値と最小値の差の絶対値を用いて、あるいは、マスク2内の各色成分の最大値を用いて、有彩であるか無彩であるかの判定がなされる。
【0159】
このように、各領域判定処理に応じて、異なる大きさのマスクを用い、異なる大きさの画像データの範囲にて領域分離処理を行うことよって、領域分離結果の判定精度を向上することができる。
【0160】
なお、さらなる分離精度の向上を図って、領域分離結果を補正する補正部を備えさせる構成としてもよい。その場合も、実施の形態1で説明したように、補正する項目によって、マスクの大きさを切り換えることで、補正精度を上げて、分離の精度をより一層向上させることができる。
【0161】
なお、記載するまでもないが、領域分離処理部20を備えた本実施の形態の画像処理装置も、実施の形態1で説明した画像処理装置と同様に、画像読取装置、撮像装置、アプリケーションソフトウェアに適用することができる。
【0162】
また、上記した実施の形態1,2では、領域分離処理を、画素毎に行う構成としていたが、従来技術で説明したように、数画素からなる画素ブロック単位で行う構成であってもよい。
【0163】
【発明の効果】
本発明の第1の画像処理装置は、以上のように、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行い、かつ、これら領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施す領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことを特徴としている。
【0164】
構成要素を補正する領域判定処理の判定結果の補正には、構成要素の補正に適した補正範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩を補正する色判定処理の判定結果の補正には、有彩無彩を補正するのに適した補正範囲の大きさが存在している。したがって、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことで、それぞれの補正に適した量の情報を使って補正を行うことができ、各補正における補正精度が向上し、ひいては、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0165】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果の補正に、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることを特徴としている。
【0166】
このように、領域判定処理の判定結果の補正には、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0167】
本発明の第1の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理の判定結果の補正においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことを特徴としている。
【0168】
各構成要素の中でも、構成要素毎に補正に適した大きさ補正範囲が存在することとなる。したがって、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正に際しては、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことで、領域判定処理の判定結果である構成要素の補正が、それぞれの補正に適した大きさの補正範囲内の判定結果を用いて行われるようになり、構成要素の補正に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の補正における補正精度が向上する。
【0169】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができるという効果を奏する。
【0170】
本発明の第2の画像処理装置は、以上のように、入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行う領域分離手段を備えた画像処理装置において、上記領域分離手段は、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことを特徴としている。
【0171】
構成要素に分離する領域判定処理には、構成要素の分離に適した画像データの範囲の大きさが存在し、また、有彩無彩かを判定する色判定処理には、有彩無彩を判定するのに適した画像データの範囲の大きさが存在している。したがって、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことで、それぞれの処理に適した量の情報を使って処理を行うことができ、各処理における判定結果の精度が向上し、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができる。
【0172】
本発明の第2の画像処理装置は、さらに、上記領域分離手段が、領域判定処理に、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0173】
このように、領域判定処理には、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることで、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるという効果を奏する。
【0174】
本発明の第2の画像処理装置は、上記領域分離手段が、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることを特徴としている。
【0175】
各構成要素の中でも、構成要素毎に判定処理に適した大きさ画像データの範囲が存在することとなる。したがって、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることで、領域判定処理が、それぞれの構成要素の分離判定に適した大きさの画像データの範囲を用いて行われるようになり、構成要素の分離に用いる情報がより適切なものとなって、各構成要素の分離における判定精度が向上する。
【0176】
その結果、領域分離手段による領域判定処理の判定結果の精度をより一層高めることができるという効果を奏する。
【0177】
本発明の画像形成装置は、以上のように、入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置で画像処理が施された画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、上記画像処理装置が、上記した本発明の第1、第2の画像処理装置であることを特徴としている。
【0178】
本発明の第1、第2の画像処理装置では、領域分離手段による領域判定処理及び色判定処理の各判定結果の精度を高めることができるので、このような画像処理装置を備えることで、品質の良い画像を出力することができる画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【0179】
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した本発明第1、第2の画像処理装置として機能させるためのプログラムであり、また、本発明の記録媒体は、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0180】
これにより、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるので、この画像処理装置を汎用的なものとすることができ、また、コンピュータを上記した画像処理装置として機能させることができるプログラムを容易に供給することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、カラー画像処理装置における領域分離処理部の構成を示すブロック図である。
【図2】上記カラー画像処理装置を搭載するデジタルカラー複写機の構成を示すブック図である。
【図3】図3(a)〜(c)共に、上記領域分離処理部の各処理に用いられるマスクを示す説明図である。
【図4】上記領域分離処理部で実施される領域分離結果の補正処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】上記領域分離処理部で実施される領域分離結果の補正処理における構成要素補正結果判定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図6】上記領域分離処理部で実施される領域分離結果の補正処理における有彩無彩補正結果判定処理(サブルーチン)を示すフローチャートである。
【図7】上記領域分離処理部を備えた画像処理装置を、カラー画像読取装置に搭載した場合の構成を示すブロック図である。
【図8】上記領域分離処理部を備えた画像処理装置を、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載した場合の構成を示すブロック図である。
【図9】上記領域分離処理部を備えた画像処理装置を、コンピュータ30上のアプリケーションソフトウェア31に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図10】図10(a)(b)共に、上記領域分離処理部の各処理に用いられる別のマスクを示す説明図である。
【図11】本発明のその他の実施の形態を示すもので、カラー画像処理装置における領域分離処理部の構成を示すブロック図である。
【符合の説明】
4 領域分離処理部(領域分離手段)
11 カラー画像処理装置(画像処理装置)
12 カラー画像出力装置(画像出力装置)
Claims (9)
- 入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行い、かつ、これら領域判定処理の判定結果及び色判定処理の判定結果に対して、周辺の判定結果を用いて補正を施す領域分離手段を備えた画像処理装置において、
上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果を補正する場合と色判定処理の判定結果を補正する場合とで、周辺の判定結果を補正に用いる補正範囲の大きさを異ならせ、各補正に適した大きさの補正範囲で補正を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 上記領域分離手段は、領域判定処理の判定結果の補正に、色判定処理の判定結果の補正に用いる補正範囲よりも大きな補正範囲を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 上記領域分離手段が、領域判定処理の判定結果の補正においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの補正範囲を用いて補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 入力された画像データに対し、文字領域、網点領域、写真領域などの構成要素に分離する領域判定処理と、有彩か無彩かの少なくとも一方を判定する色判定処理とを行う領域分離手段を備えた画像処理装置において、
上記領域分離手段は、領域判定処理を行う場合と色判定処理を行う場合とで、処理の対象とする画像データの範囲の大きさを異ならせ、各処理に適した大きさの範囲で処理を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 上記領域分離手段は、領域判定処理に、色判定処理に用いる画像データの範囲よりも大きな画像データの範囲を用いることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 上記領域分離手段が、領域判定処理においては、さらに、構成要素に応じて少なくとも2つの大きさの画像データの範囲を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理装置。
- 入力された画像データに対して画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置で画像処理が施された画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置とを少なくとも備えた画像形成装置において、
上記画像処理装置が、請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置であることを特徴とする画像形成装置。 - コンピュータを、請求項1〜6の何れかに記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
- 請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2007194724A (ja) * | 2006-01-17 | 2007-08-02 | Ricoh Co Ltd | 投影型表示装置、書き込み画像抽出方法及びそのプログラム並びにこれが記録されたコンピュータが読み取り可能な情報記録媒体 |
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- 2002-12-27 JP JP2002381394A patent/JP2004214908A/ja not_active Withdrawn
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