JP2004031823A - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器 - Google Patents

半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器 Download PDF

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Abstract

【課題】出射波長とことなる波長を有する入射光に対して、内部で拡散させる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】n型基板1上に、n型クラッド層2、n型導波層3、n型キャリアブロック層4、活性層5、p型キャリアブロック層6、p型導波層7が順次積層されている。p型導波層7内部には、長手方向が光出射方向と平行になるようなストライプ状の一部領域を除いた部分に、n型電流ブロッキング層8が配置されている。そして、p型導波層7上には、順次p型クラッド層9、p型コンタクト層10、p側電極11が積層されている。n型基板1の下面には、n側電極12が配置されている。また、外部から入射する光の波長に対してはn型クラッド層2の屈折率が実効屈折率と等しい値を有し、出射波長の光に対してはn型クラッド層2およびp型クラッド層9が実効屈折率よりも低い屈折率を有する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1導電型の半導体基板上に順次第1導電型のクラッド層、活性層および第2導電型のクラッド層を積層した構造を有する半導体レーザ装置に関し、特に、外部から入射し、出射レーザ光と異なる波長を有する光に対して光閉じ込めをおこなわない半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ通信によってインターネット等の情報伝達がおこなわれている。光ファイバ通信は、光ファイバ中を光信号が伝送されることで情報の伝達をおこなう。光信号の長距離伝送を可能にするために従来さまざまな工夫がなされているが、長距離伝送に伴う光強度損失を0に抑制することは現時点では不可能であり、一定の割合で光信号は減衰する。したがって、減衰した光信号を増幅するための光ファイバ増幅器が必要となる。
【0003】
図12(a)は、従来技術にかかる光ファイバ増幅器のうち、後方励起方式の光ファイバ増幅器の構造を示す模式図である。信号光源101から出射された信号光は、光ファイバ中を伝送し、増幅用光ファイバ104に入射する。一方、励起光源102から出射された励起光は、励起光伝送光ファイバ105を伝送し、カプラ103を通過して増幅用光ファイバ104に入射する。EDFA(ErbiumDoped Fiber Amplifier)を用いた光ファイバ増幅器において、増幅用光ファイバ104にはエルビウムイオンが添加されており、励起光が増幅用光ファイバ104に入射することで、エルビウムイオンは高エネルギー状態に励起される。
【0004】
そして、励起された状態の増幅用光ファイバ104中に信号光が入射する際に、信号光と同一波長かつ同一位相の光が誘導放出される。したがって、信号光は増幅用光ファイバ104に入射する前に比べてその強度が増幅され、増幅信号光として光ファイバ中を伝送する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光ファイバ増幅器には、励起光源102が存在するために信号光に一定のノイズが発生するという問題を有する。上述したように、カプラ103は、信号光を伝送する光ファイバと励起光伝送光ファイバ105とを光結合させている。したがって、図12(b)に示すように、励起光が光ファイバに伝送されるだけでなく、図12(b)において点線矢印で示す信号光の一部が、カプラ103で分岐して励起光伝送光ファイバ105中を伝送し、励起光源102に入射する。
【0006】
一方、励起光源102を構成する半導体レーザ装置は、レーザ発振をおこなうための共振器構造を備える。具体的には、励起光源102を構成する半導体レーザ装置にはレーザ光出射側端面と対向した端面上に高反射膜が配置されている。そのため、カプラ103で分岐され、半導体レーザ装置に入射した一部の信号光は、高反射膜で反射されて励起光源から出射し、励起光伝送光ファイバ105を伝送してカプラ103で増幅された信号光と再び合波する。増幅用光ファイバ104で増幅された増幅信号光と、励起光源に入射した一部の信号光との間には、励起光伝送光ファイバ105および励起光源102の共振器長の分だけ光路差が存在する。したがって、カプラ103から出力される信号光は、増幅信号光と所定の位相差を有する一部の信号光からなるノイズを含むこととなる。このようなノイズの存在により、信号光を受信する側において信号の読みとりエラーが生じて情報を正確に伝送することが困難となる。
【0007】
従来の光ファイバ増幅器では、励起光源102を有する限り、このようなノイズの発生は回避することのできない問題である。そして、上述のノイズは、信号光と同一の波長を有することから、信号光と異なる波長の光を排除することでノイズ除去をおこなう従来のフィルタリング装置では除去することができない。
【0008】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされたもので、光ファイバ通信において、励起光源側にいったん分岐する信号光に起因するノイズの発生を抑制する半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、第1導電型の半導体基板上に順次第1導電型のクラッド層、活性層および第2導電型のクラッド層を積層し、出射側端面を備え、前記出射側端面から第1の波長のレーザ光を出射する半導体レーザ装置であって、前記第1導電型のクラッド層および前記第2導電型のクラッド層の第1の波長に対する屈折率は、前記第1の波長に対する実効屈折率よりも低い値を有し、外部から出射側端面を通過して入射する第2の波長の光に対して、前記第1導電型のクラッド層または前記第2導電型のクラッド層の少なくとも一方の屈折率が、前記第2の波長に対する実効屈折率と等しい若しくは該実効屈折率よりも高い値を有することを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明によれば、出射波長である第1の波長に関して、第1の導電型のクラッド層および第2の導電型のクラッド層の屈折率が、実効屈折率よりも小さいため、第1の波長の光については第1導電型のクラッド層と第2導電型のクラッド層との間に閉じ込めることができる。一方で、外部から入射される第2の波長を有する光に対しては、第2の波長に対する第1導電型のクラッド層と第2導電型のクラッド層の少なくとも一方の屈折率が実効屈折率以上の値を有するため、外部から入射される光については閉じ込めをおこなわず、高い屈折率を有するクラッド層に光を漏洩させることができる。
【0011】
また、請求項2にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1導電型のクラッド層と前記第2導電型クラッド層のうち不純物密度の高いクラッド層が、前記第2の波長に対して、実効屈折率と等しい若しくは該実効屈折率よりも高い屈折率を有することを特徴とする。
【0012】
この請求項2の発明によれば、不純物密度の高いクラッド層の前記第2の波長に対する屈折率を実効屈折率よりも高くしている。一つの手段として、屈折率の高い材料を厚く積層してクラッド層を形成することでクラッド層の屈折率を実効屈折率よりも高い値とすることが可能だが、その場合に不純物を多くドープしたクラッド層を選択することで、膜厚の増大による熱抵抗および電気抵抗の増大を抑制することができる。
【0013】
また、請求項3にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1導電型のクラッド層が、前記第2の波長に対して実効屈折率と等しい若しくは該実効屈折率よりも高い屈折率を有することを特徴とする。
【0014】
この請求項3の発明によれば、第1導電型のクラッド層の第2の波長に対する屈折率を高めている。半導体レーザ装置をレーザマウント上にジャンクションダウン構成で固定する場合、第1導電型のクラッド層の屈折率を実効屈折率よりも高くして、活性層と第2導電型のクラッド層の膜厚を増大させない構造とすれば、活性層から発生する熱の伝導に悪影響を与えない半導体レーザ装置を提供することができる。
【0015】
また、請求項4にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1の波長と前記第2の波長との差分値が、200nm以上であることを特徴とする。
【0016】
この請求項4の発明によれば、第1の波長と第2の波長との差分値が200nm以上としたため、容易に第1の波長を有する光を閉じ込め、第2の波長を有する光を漏洩させることができる。
【0017】
また、請求項5にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1の波長は950nm以上、1100nm以下であり、前記第2の波長は1500nm以上、1600nm以下であることを特徴とする。
【0018】
この請求項5の発明によれば、第1の波長が950nm以上、1100nm以下とし、第2の波長を1500nm以上、1600nm以下としため、第2の波長の光を信号光とし、第1の波長の光を励起光とした場合に信号光が外部から入射しても内部で漏洩することができる半導体レーザ装置を提供することができる。
【0019】
また、請求項6にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1の波長は980nmであり、前記第2の波長は1550nmであることを特徴とする。
【0020】
この請求項6の発明によれば、第1の波長は980nmであり、第2の波長は1550nmとしたため、光通信における励起光源に適用することが可能な半導体レーザ装置を提供することができる。
【0021】
また、請求項7にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1導電型のクラッド層と前記活性層との間に配置された第1導電型の導波層と、前記活性層と前記第2導電型のクラッド層との間に配置された第2導電型の導波層とをさらに有することを特徴とする。
【0022】
この請求項7の発明によれば、第1導電型の導波層と第2導電型の導波層とを設けることとしたため、出射するレーザ光は活性層および導波層内に閉じ込められることとなり、活性層のみを伝播する場合と比較して広い導波領域を有し、光出力密度を低減できることから光学損傷に対する耐久性を有する半導体レーザ装置を提供することができる。
【0023】
また、請求項8にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層は、量子井戸層を有することを特徴とする。
【0024】
この請求項8の発明によれば、活性層が量子井戸層を備えたこととしたため、量子閉じ込め効果により、キャリアを量子井戸層内に効率的に閉じ込めることができ、発光効率を向上させることができる。
【0025】
また、請求項9にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層は、複数の量子井戸層と、該複数の量子井戸層間に配置された障壁層とを備えることを特徴とする。
【0026】
この請求項9の発明によれば、互いに分離された複数の量子井戸層を有することとしたため、複数の量子井戸層で量子閉じ込め効果によりキャリアの閉じ込めが可能で、温度特性を向上させることができる。
【0027】
また、請求項10にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第2導電型のクラッド層は、レーザ光出射方向の直角方向の幅が前記第1導電型の基板の幅よりも狭いことを特徴とする。
【0028】
この請求項10の発明によれば、第2導電型のクラッド層の幅が狭い構造としたため、注入される電流の密度を向上させることができ、高い発光効率を有する半導体レーザ装置を提供することができる。
【0029】
また、請求項11にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1導電型の導波層と前記活性層との間に配置された第1導電型のキャリアブロック層と、前記活性層と前記第2導電型の導波層との間に配置された第2導電型のキャリアブロック層とをさらに備えることを特徴とする。
【0030】
この請求項11の発明によれば、第1導電型のキャリアブロック層および第2導電型のキャリアブロック層を設けることとしたため、注入キャリアを活性層近傍に閉じ込めてキャリアオーバーフローを抑制するとともに、導波層の膜厚を増大させることができる。これにより、温度特性を維持しつつ、高出力化が可能となる。
【0031】
また、請求項12にかかる半導体レーザモジュールは、請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとを光結合する光結合レンズ系とを備えたことを特徴とする。
【0032】
この請求項12の発明によれば、光ファイバ中を伝送してきた第2の波長を有する光が半導体レーザ装置内部で漏洩されるため、再度第2の波長を有する光を出射することがない半導体レーザモジュールを提供することができる。
【0033】
また、請求項13にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置の光出力を測定する光検出器と、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温調モジュールと、アイソレータとを、さらに備えたことを特徴とする。
【0034】
この請求項13の発明によれば、光検出器を備えたこととしたため、出射レーザ光強度を安定化させることができ、アイソレータを備えたこととしたため、半導体レーザ装置から出射されたレーザ光が、再び半導体レーザ装置内部に戻ることを防止することができる。
【0035】
また、請求項14にかかる光ファイバ増幅器は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置若しくは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを備えた励起光源と、前記第2の波長を有する信号光を伝送する光ファイバと、該光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、前記第1の波長を有し、前記励起光源から出射される励起光を増幅用光ファイバに入射させるためのカプラとを備えたことを特徴とする。
【0036】
この請求項14の発明によれば、第2の波長を有する信号光の一部がカプラを介して励起光源に入射しても、励起光源に備えられた半導体レーザ装置もしくは半導体レーザモジュールの内部において漏洩させ、再び光ファイバに戻ることはないため、信号光と同一波長のノイズ成分の発生を抑制することができる。
【0037】
また、請求項15にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記増幅用光ファイバは、エルビウムが添加されていることを特徴とする。
【0038】
この請求項15の発明によれば、増幅用光ファイバはエルビウムが添加されることとしたため、EDFAによる光増幅器を提供することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明にかかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明する。図面の記載において、同一または類似部分には同一あるいは類似の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各部分の厚みと幅の関係、各部分の大きさの比率などは、現実のものとは異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0040】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体レーザ装置について説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の構造を示す正面図であり、図2は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の構造を示す側面断面図である。
【0041】
本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、いわゆる完全分離閉じ込め構造(Decoupled Confinement Heterostructure:以下、「DCH」と言う)レーザである。すなわち、通常のダブルヘテロレーザのように、クラッド層によって光の閉じ込めとキャリアのオーバーフローを防止する構造とするのではなく、光の閉じ込めをおこなうクラッド層の他に、キャリアのオーバーフローを防止するキャリアブロック層を備えた構造を有する。
【0042】
まず、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の具体的な構造について、図1および図2を参照して説明する。本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、n型基板1上に、n型クラッド層2、n型導波層3、n型キャリアブロック層4、活性層5、p型キャリアブロック層6、p型導波層7が順次積層されている。また、p型導波層7内部には、長手方向が光出射方向と平行になるようなストライプ状の一部領域を除いた部分に、n型電流ブロッキング層8が配置されている。そして、p型導波層7上には、順次p型クラッド層9、p型コンタクト層10、p側電極11が積層されている。また、n型基板1の下面には、n側電極12が配置されている。さらに、図2で示すように、光出射側端面(図2における右側端面)上には低反射膜19が配置され、光出射側端面と対向した反射側端面(図2における左側端面)には高反射膜20が配置されている。
【0043】
n型クラッド層2およびp型クラッド層9は、活性層5におけるキャリア再結合によって生じたレーザ光の閉じ込めをおこなうためのものである。また、本実施の形態1においては、出射するレーザ光以外の所定の波長を有する光に対して光閉じ込めをおこなわない機能も有する。このことについては後に詳説する。
【0044】
n型クラッド層2およびp型クラッド層9は、活性層5、n型導波層3およびp型導波層7よりも低い屈折率を有する材料によって構成されている。実施の形態1においては、n型クラッド層2はAl0.045Ga0.955Asから構成され、膜厚は5.820μmであり、p型クラッド層9はAl0.32Ga0.68Asから構成されている。
【0045】
n型導波層3およびp型導波層7は、レーザ光を導波するためのものである。上述したように、DCH構造では、クラッド層によってキャリアのオーバーフローを抑制する必要がないため、n型導波層3およびp型導波層7の膜厚を大きく取ることができる。これによって、COD(Catastrophic Optical Damage)を抑制し、高光出力を実現している。実施の形態1においては、n型導波層3およびp型導波層7はGaAsから構成され、膜厚は0.470μmである。
【0046】
n型キャリアブロック層4およびp型キャリアブロック層6は、注入されたキャリアを活性層5内部に閉じ込め、キャリアのオーバーフローを抑制するためのものである。具体的には、n型キャリアブロック層4およびp型キャリアブロック層6は、活性層5よりもバンドギャップが大きい材料を使用し、光学的には十分に薄い膜厚を有する。そして、n型キャリアブロック層4は、n型キャリアブロック層4における小数キャリアであるホール(正孔)が下層に流出することを防止し、p型キャリアブロック層6は電子が上層に流出することを防止している。なお、本実施の形態1においては、n型キャリアブロック層4およびp型キャリアブロック層6はAl0.4Ga0.6Asから構成され、膜厚はそれぞれ0.035μmである。
【0047】
活性層5は、注入されたキャリアの再結合によってレーザ光を発生させるためのものである。具体的には、活性層5は、図1の拡大図において示すように、2個の量子井戸層14、16が、サイド障壁層13、17および障壁層15によって挟み込まれた構造からなる。量子井戸層14、16を有することで、キャリアに対して量子閉じ込め効果が生じ、高い効率でキャリアを閉じ込めることができる。量子井戸層14、16は、量子閉じ込め効果を発揮するためにきわめて薄い膜厚からなる必要があり、本実施の形態1におけるそれぞれの膜厚は、0.01μmである。また、量子井戸層14、16の組成はIn0.14Ga0.86Asからなる。さらに、サイド障壁層13、17および障壁層15はそれぞれGaAsから構成され、サイド障壁層13、17の膜厚は0.055μm、障壁層15の膜厚は0.006μmである。活性層5はこのような態様で構成されており、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、980nmの波長を有するレーザ光を出射する。なお、レーザ光は主としてn型導波層3、p型導波層7、n型キャリアブロック層4、p型キャリアブロック層6および活性層5中を導波するため、これらを総称して以下では導波領域18と言う。
【0048】
p型コンタクト層10は、p側電極11とのオーミック接触を容易にするためのものである。具体的には、p型コンタクト層10は、酸化劣化の少ないGaAsに、亜鉛(Zn)等のp型不純物を高濃度にドープして形成している。コンタクト層の膜厚は1.75μmである。
【0049】
n型電流ブロッキング層8は、注入された電流を活性層5の所望の領域にのみ電流が流れるようにするためのものである。さらに、n型電流ブロッキング層8を導波層よりも低屈折率な材料で構成することにより、実効屈折率型の導波路を形成できる。これにより、高効率な単一モード半導体レーザを構成できる。
【0050】
図2に示す低反射膜19と高反射膜20は、共振器を構成するためのものである。レーザ光を効率良く取り出すために、高反射膜20は反射率80パーセント以上、より好ましくは98パーセント以上を有する。一方、低反射膜19は、出射側端面における瞬時光学損傷を抑制するために、光反射率は5パーセント以下、好ましくは1パーセント程度の膜構造からなる。ただし、低反射膜19の光反射率は、共振器長に応じて最適化される。なお、高反射膜20とともに共振器を構成するものは、本実施の形態1では、半導体レーザ装置と光結合する光ファイバ中に設けられたファイバグレーティングとする。他に、半導体レーザ装置のn型導波層3もしくはp型導波層7の一部に周期的な溝構造を設けた分布帰還型レーザ構造や、分布ブラッグ反射型レーザ構造としてもよい。
【0051】
本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、出射波長と異なる波長を有し、外部から入射する光を半導体レーザ装置内部で漏洩する機能を有する。この機能について、以下で説明する。なお、外部から入射する光の一例として、波長1550nmの光が外部から実施の形態1にかかる半導体レーザ装置に入射する場合を考える。
【0052】
図3は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置内部における光強度分布、屈折率分布、および半導体レーザ装置の実効屈折率について示すグラフである。図3において、実線は各層の屈折率を示し、一点鎖線は光強度分布を示す。また、点線は、実効屈折率を示している。なお、図3において、各層と屈折率分布等との関係が明確になるように、グラフの下に本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の断面図を添付する。図3のグラフは、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置を構成する各層の積層方向を横軸とし、横軸の原点をn型クラッド層2とn型導波層3との境界に設定している。また、グラフの縦軸に関して、光強度は対数表示としている。
【0053】
外部から入射する光の波長は1550nmとしていることから、図3で示される各層の屈折率は、1550nmの波長の光に対する屈折率を示している。具体的には、1550nmの波長の光に対してn型クラッド層2の屈折率は3.413であり、n型導波層3およびp型導波層7の屈折率は3.436である。さらに、p型クラッド層9の屈折率は3.274である。なお、n型キャリアブロック層4およびp型キャリアブロック層6の屈折率は3.233であり、サイド障壁層13、17は3.436であり、量子井戸層14、16は3.481である。これらの値に基づいて、図3における屈折率分布が示される。
【0054】
図3に示す光強度分布および実効屈折率は、半導体レーザ装置を構成する各層の膜厚および屈折率などの具体的構造から導出することができる。以下に、その導出について説明する。
【0055】
光強度分布および実効屈折率は、所定の波動方程式の解および固有値から求められる。ここで、光強度分布および実効屈折率を導出する波動方程式は、
[∇ +[k (x,y)−β]]E(x,y)=0・・・(1)
である。ここで、レーザ光出射方向をz軸とし、各層を積層する方向(すなわち、図3における横軸の方向)をx軸としている。ここで、∇は(∂/∂,∂/∂,0)であり、E(x,y)は、座標(x,y)における電界ベクトルを示す。また、n(x,y)は、座標(x,y)における屈折率を示し、kは波数を示す。さらに、βは(1)式における電界ベクトルE(x、y)の固有値である。なお、半導体レーザ装置の構造はz方向には一様であるため、電界ベクトルE(x,y)および屈折率n(x,y)はz座標には依存しない。
【0056】
そして、(1)式を、有限遠方で電界ベクトルE(x,y)が0に漸近するという境界条件の下で解くことで電界ベクトルE(x,y)が求められ、電界ベクトルE(x,y)の強度分布から図3で示す光強度分布が得られる。また、実効屈折率Nは、(1)式から得られる固有値βを用いて、
N=β/k・・・・・・・・(2)
と表される。したがって、(2)式を用いて(1)式の固有値βから実効屈折率Nを導出することができる。本実施の形態1において、上述した各層の屈折率および膜厚の具体的数値を考慮して(1)式および(2)式を解いた結果、1550nmの波長の光に対する実効屈折率は3.413となる。
【0057】
図3のグラフで示すように、波長が1550nmの光に対して、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置では、x=0において光強度が最大値をとる。そして、x<0の領域、すなわちn型クラッド層2においても光強度は特に減少せず、x=0における値を維持している。したがって、1550nmの波長を有する光が外部から入射した場合、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置内部では、導波領域18よりもむしろn型クラッド層2において光強度は大きく、外部から入射した光は、導波領域18内に閉じ込められていないことが明らかである。すなわち、外部から入射した光は、内部から発振するレーザ光のように導波領域18内に閉じ込められず、導波領域18外部のn型クラッド層2の方へ漏洩する。
【0058】
本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、1550nmの波長を有する光に関して、n型クラッド層2の屈折率が実効屈折率と同じ値を有する構造となっている。このように、所定の波長を有する光に関して、クラッド層の屈折率が実効屈折率と比較して同等もしくは高い値を有する場合には、半導体レーザ装置は、図3の光強度分布で示すように、所定の波長を有する光を導波領域18内に閉じ込めることはない。
【0059】
次に、外部から入射する1550nmの波長の光に対する実効屈折率がn型クラッド層2の屈折率よりも大きくなく、光強度が図3で示す分布となることによる利点について説明する。図4(a)および図4(b)は、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置に対して、外部から1550nmの波長の光が低反射膜19を透過して入射した場合の半導体レーザ装置内部における光伝送の様子を示す模式図である。
【0060】
外部から低反射膜19を介して半導体レーザ装置に入射した光は通常は高反射膜20に向かって進行する。しかし、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、上述したように、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、1550nmの光を導波領域18内部に閉じ込めない構造を有する。したがって、外部から入射した光は、進行するにしたがって、n型クラッド層2の方へ漏れだし、図4(a)で示すように入射した光の大部分は、高反射膜20に到達する前にn型クラッド層2を通過して基板に放出される。また、高反射膜20にまで到達して反射した光についても、同様の議論が成立する。反射した光は、導波領域18内に閉じ込められることなく、低反射膜19にむかって進行する途中でn型クラッド層2へ漏洩し、n型クラッド層2を通過し基板に放出される。そのため、図4(b)で示すように低反射膜19から出射される光は、入射した光と比較して僅かな強度しか有さないか、全く存在しない。
【0061】
したがって、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置では、出射レーザ波長と異なる波長である1550nmの波長の光が入射した場合に、高反射膜20で反射して、再び低反射膜19から出射されることを抑制することができるという利点を有する。
【0062】
一方、外部から入射した光の再度の出射を抑制できても、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置がレーザ光出射光源として機能できないのでは半導体レーザ装置として問題がある。すなわち、半導体レーザ装置の出射レーザ光の波長である980nmの光について、導波領域18内部に光閉じ込めがおこなわれる構造となっている必要がある。以下、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置が980nmの光について、導波領域18内部に光閉じ込めをおこなうことを説明する。
【0063】
図5は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置について、出射するレーザ光の波長である980nmの光に関する光強度分布、屈折率分布および実効屈折率について示すグラフである。一般に、屈折率は波長に依存して変化するため、図5で示される屈折率分布は、図3で示した屈折率分布とは異なったものとなる。
【0064】
980nmの波長を有する光に対する各層の屈折率は、具体的には、それぞれn型クラッド層2が3.511で、n型導波層3およびp型導波層7が3.537で、n型キャリアブロック層4およびp型キャリアブロック層6が3.306である。また、p型クラッド層9の屈折率は3.352である。また、活性層5を構成するサイド障壁層13、17および障壁層15の屈折率は3.537であり、量子井戸層14、16は3.591である。
【0065】
光強度分布は、図3の場合と同様に、電界ベクトルE(x,y)について波動方程式(1)を解くことで求められる。また、実効屈折率についても、(1)式および(2)式を解くことで求められ、980nmの波長の光に対する実効屈折率は3.515であることが示される。
【0066】
既に述べたように、導波領域18内のみで出射レーザ光を伝播させるために、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置では、n型クラッド層2およびp型クラッド層9の屈折率は低い値を有する。しかし、活性層5、n型導波層3およびp型導波層7の屈折率よりも低い値であればどのような値であっても光の閉じ込めがおこるものではない。一般に、半導体レーザ装置の実効屈折率よりもn型クラッド層2およびp型クラッド層9の屈折率が低い値となった場合、半導体レーザ装置は、光閉じ込めをおこなえることが可能である。
【0067】
上述したように、980nmの波長を有する光に関して、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の実効屈折率の値が3.515であるのに対して、n型クラッド層2の屈折率は3.511であり、p型クラッド層9の屈折率は3.352である。したがって、波長980nmの光に対するn型クラッド層2およびp型クラッド層9の屈折率は実効屈折率よりも低い値となり、波長が980nmの出射レーザ光は導波領域18内に有効に閉じ込められ、誘導放出現象によりレーザ発振する。実際に図5における光強度分布を観察すると、x=0付近で最大となり、x座標の絶対値が大きくなるにつれて光強度は急激に減少しており、光が導波領域18内に閉じ込められていることが示されている。
【0068】
本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置との比較のために、従来のDCHレーザの光強度分布、屈折率分布および実効屈折率について、図6および図7に示す。ここで、図6は、従来のDCHレーザの出射波長である980nmの光に対する屈折率分布および光強度分布を示すグラフであり、図7は、1550nmの光に対する屈折率分布および光強度分布を示すグラフである。なお、図6および図7に示すグラフは、図3および図5の場合と同様に、(1)式および(2)式から光強度分布および実効屈折率を得ている。
【0069】
従来のDCHレーザは、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置と基本的に同様の構造を有するが、n型クラッド層がAl0.09Ga0.91Asで構成され、膜厚が2.5μmである点と、p型クラッド層の膜厚が0.845μmである点で相違している。
【0070】
また、光学的特性は、各波長に対するn型クラッド層の屈折率および実効屈折率が本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置と異なったものとなる。具体的には、980nmの波長に対して、n型クラッド層の屈折率は3.484であり、実効屈折率は、(1)式および(2)式より3.509となる。一方、1550nmの波長に対しては、n型クラッド層の屈折率は3.391であり、実効屈折率は3.401である。
【0071】
したがって、従来のDCHレーザは、出射波長である980nmの波長に対して、n型クラッド層およびp型クラッド層の双方の屈折率が実効屈折率よりも小さな値をとる。そして、1550nmの波長に対しても、n型クラッド層およびp型クラッド層双方の屈折率が実効屈折率よりも小さい値となる。
【0072】
双方の波長に関してn型クラッド層の屈折率が実効屈折率よりも小さい値となるため、従来のDCHレーザでは、980nmのみならず、1550nmの波長の光に対しても光閉じ込め効果が生じると考えられる。
【0073】
実際に、図6および図7の光強度分布を観察すると、従来のDCHレーザでは、980nmの光に対してはもちろん、1550nmの光に対しても光の閉じ込めが起こっている。したがって、外部から1550nmの光が入射した場合も、光は導波領域内に閉じ込められ、低反射膜19から高反射膜20まで光が減衰することなく伝わり、高反射膜20で反射して再び低反射膜19から出射する。このため、従来のDCHレーザを、たとえば、光ファイバ増幅器の励起光源に使用した場合に、1550nmの波長を有する信号光の一部が従来のDCHレーザに入射して、DCHレーザ内の反射側端面で反射して再び出射されてしまう。本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、上述したように1550nmの波長を有する光が漏洩するため、このようなことはない。
【0074】
次に、半導体レーザ装置の出射波長である980nmの光の閉じ込めについて比較する。図5に示した本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の980nmの光に関する光強度分布と、図6に示した従来のDCHレーザの980nmの光に関する光強度分布とを対比すると、従来のDCHレーザの方が光閉じ込めの効果が若干大きい。しかし、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置でも実用上は全く問題がない程度にレーザ光が導波領域内に閉じ込められている。
【0075】
したがって、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、出射波長である980nmの光については従来のDCHレーザと比較しても実用上問題ない程度に導波領域内に閉じ込めることができ、従来のDCHレーザと同等の効率でレーザ発振をおこなうことができる。
【0076】
一方、1550nmの波長の光に対しては、図3でも示したように、光は導波領域内に閉じ込められることはなく、n型クラッド層2に漏洩し、外部に放出される。したがって、従来のDCHレーザとは異なり、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、外部から入射した光を効果的に漏洩することが可能で、1550nmの光を出射側端面から出射することがないか、出射したとしてもごく微弱な光しか出射しない。
【0077】
このことから、たとえば、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置をEDFA等の光ファイバ増幅器の励起光源に使用した場合に、信号光と同一波長のノイズ成分が発生することを抑制することができる。また、外部から入射する光の存在の有無に関わらず、所定の波長のレーザ光を安定して出射することができる。
【0078】
また、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、上述したように、従来のDCHレーザと比較してn型クラッド層2の膜厚を増大させている。一般に、膜厚が増大することで半導体レーザ装置内部の電気抵抗および熱抵抗が上昇することが知られているが、本実施の形態1においては特に問題とはならない。一般に、半導体材料において、n型の不純物は比較的多くドープすることが可能であり、不純物を多くドープすることで電気伝導度および熱伝導度を向上させることが可能なためである。したがって、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、従来のDCHレーザと比較して電気抵抗および熱抵抗の観点で特に劣るといったことはない。また、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、従来のDCHレーザと比較してn型クラッド層2のアルミ組成を少なくしたため、電気抵抗および熱抵抗を抑制することができる。
【0079】
また、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、p型クラッド層9については従来のDCHレーザと同じ半導体層で構成され、膜厚を薄くしている。このような構造とすることで1550nmの波長の光に対する実効屈折率を低減しているが、副次的な効果も有する。半導体レーザ装置は通常、熱伝導性の良好なマウント上に固定され、発生する熱をマウントに逃がすことで活性層5の温度上昇を抑制している。ここで、半導体レーザ装置は、いわゆるジャンクションダウン構成によってマウント上で固定され、p側電極11がマウントと接触している。本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置ではp型クラッド層9の厚みが少なくてすむため、活性層5で発生した熱を効率良く排出することができる。
【0080】
なお、本実施の形態1において、外部から入射する光の波長を1550nmとして説明をおこなったが、光の波長は1550nmに限定されるものではない。また、半導体レーザ装置の出射波長についても、980nmに限定して解釈する必要はない。外部から入射する光が半導体レーザ装置内部で漏洩するか否かは、クラッド層の屈折率と実効屈折率との相関関係によってのみ決定され、半導体レーザ装置の出射波長には関係がないためである。すなわち、所定波長の入射光に対して、半導体レーザ装置の実効屈折率がクラッド層の屈折率と同じもしくはクラッド層の屈折率よりも低い値となるよう半導体レーザ装置の構造を設計すればよい。なお、外部から入射する光の波長と半導体レーザ装置の出射波長とが近似する場合には外部から入射する光を漏洩させることが容易ではないため、入射する光の波長と出射波長との差分値は200nm以上であることが好ましい。たとえば、半導体レーザ装置の出射波長を950nm〜1100nmとし、外部から入射する光の波長を1500nm〜1600nmとした場合には、出射レーザ光について十分な光閉じ込めを担保しつつ、外部から入射する光を漏洩させることが容易に可能となる。
【0081】
また、本実施の形態1では外部から入射する光に対して、n型クラッド層2の屈折率が実効屈折率と同じ値となるように半導体レーザ装置の構造を決定しているが、n型クラッド層2の屈折率と実効屈折率とが等しい値となる構造に限定されるのではない。入射光の波長に対するn型クラッド層2の屈折率が実効屈折率よりも高い値をとる場合でも、入射光を漏洩させることが可能である。また、各層の組成および膜厚についても、上記した値に限定されることはない。半導体レーザ装置の用途、製造コスト等に応じて半導体レーザ装置の構造を変化させることが可能である。さらに、n型クラッド層2の屈折率が実効屈折率よりも高い構造とするのではなく、入射光に対してp型クラッド層9の屈折率が実効屈折率と同等もしくは実効屈折率よりも高い値になるように半導体レーザ装置を設計しても良い。
【0082】
さらに、n型クラッド層2およびp型クラッド層9の双方の屈折率が実効屈折率よりも高い値となるように半導体レーザ装置を構成しても良い。この場合、外部から入射した光はn型クラッド層2のみならずp型クラッド層9にも漏洩されるため、より効果的に外部から入射する光を減衰させることができる。
【0083】
さらに、本実施の形態1ではn型クラッド層2を構成する半導体混晶の混晶比および膜厚を変化させることで外部から入射する光に対する実効屈折率を低下させるとともにn型クラッド層2の屈折率を大きくしているが、本発明はこの構造に限定されない。たとえば、n型導波層3もしくはp型導波層7の材質を変化させて実効屈折率を低下させても良い。すなわち、従来のレーザ装置と比較してクラッド層の屈折率を上昇させても良いし、半導体レーザ装置の実効屈折率を抑制しても本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置を実現することができる。また、実効屈折率を低下させるために、活性層5やn型導波層3等、クラッド層以外の組成や膜厚を調整しても良い。
【0084】
さらに、複数の異なる波長の光や、一定の波長帯の光が外部から入射した場合に半導体レーザ装置内部で漏洩する構造としても良い。このような半導体レーザ装置は、それぞれの波長におけるクラッド層の屈折率が、実効屈折率よりも低い値となるように構成することで実現可能である。
【0085】
また、各層を構成する半導体材料についても、上記したものに限定されない。さらに、基板の導電型もn型のみならずp型を使用しても良く、p型基板上にp型クラッド層、p型導波層等を順次積層した構造としても良い。
【0086】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置について説明する。図8は、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構造を示す概略断面図であり、図9は、図8のB−B線における断面図である。本実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、いわゆるリッジ構造を有するものであり、以下に実施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構造について説明する。なお、本実施の形態2にかかる半導体レーザ装置について、実施の形態1と類似する半導体層については同様の名称とし、特に断らない限り同様の機能を有するものとする。
【0087】
実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、図8に示すように、n型基板21上に順次n型クラッド層22、n型導波層23、活性層24、p型導波層25およびp型クラッド層26が積層されている。p型クラッド層26は、その上部領域においてメサストライプ状に加工され、p型クラッド層26の上部領域のレーザ光出射方向に対して垂直方向の幅は、n型基板21の幅よりも狭くなっている。p型クラッド層26の上端部上にはp型コンタクト層27が積層されており、p型クラッド層26およびp型コンタクト層27上面の大部分は絶縁層28によって覆われている。ここで、p型クラッド層26の上面において絶縁層28に覆われない部分は、レーザ光出射方向に長手方向を有するストライプ状の領域となっている。さらに、絶縁層28および露出しているp型コンタクト層27上にはp側電極29が配置されている。また、n型基板21の下面にはn側電極30が配置されている。
【0088】
また、活性層24は、いわゆる多重量子井戸構造を有し、下層から順に障壁層31a、量子井戸層32a、障壁層31b、量子井戸層32b、障壁層31c、量子井戸層32c、障壁層31dが積層された構造を有する。
【0089】
絶縁層28は、p側電極29から注入される電流を、半導体レーザ装置内部の一部領域にのみ流すためのものである。絶縁層28の存在により、p側電極29から注入された電流は、p型コンタクト層27上面のうち、絶縁層28が存在しない一部ストライプ状領域からのみ半導体レーザ装置内部に流入する。このように電流が流れる領域を狭めることで、高密度の電流を注入することが可能となり、発光効率を向上させている。したがって、絶縁層28は電流ブロック層の機能を有し、電流ブロック層として機能するならば絶縁性の材料で構成しなくとも良い。たとえば、n型の半導体層で構成した場合にも電流の流入を防止できる。
【0090】
このような、いわゆるリッジ構造の半導体レーザ装置に関しても、外部から入射する光を半導体レーザ装置の内部で拡散させることが可能である。実施の形態1においても説明したように、外部から入射する光の波長に対して、n型クラッド層22とp型クラッド層26の少なくともいずれか一方の屈折率が実効屈折率と同等若しくは実効屈折率よりも高くなるように半導体レーザ装置を設計すればよい。そして、出射するレーザ光の波長の光に対しては、n型クラッド層22およびp型クラッド層26の双方の屈折率が実効屈折率よりも低くなるように設計する。このような構造とすることで、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、出射波長の光については導波領域で光閉じ込めがなされ、外部から入射する光に対しては導波領域の外部に漏洩させる半導体レーザ装置を実現することができる。なお、実施の形態1の場合と同様に、出射波長の光に関してはn型クラッド層22およびp型クラッド層26の屈折率が実効屈折率よりも低い値となるような構造とすることはもちろんである。
【0091】
なお、実施の形態1のように、クラッド層に高い屈折率を有する材料を使用し、膜厚を大きくすることでクラッド層の屈折率を実効屈折率よりも高くする場合、本実施の形態2ではp型クラッド層26の屈折率を高めることが望ましい。実施の形態1と同様の手法を用いた場合、高い屈折率を有するクラッド層の膜厚を増大させることにより、クラッド層の熱抵抗および電気抵抗が増大する。しかし、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、リッジ構造を有するためにマウント上に固定する場合、n側電極30がマウント上面と接触するように固定される。マウントは、半導体レーザ装置で発生する熱を外部に放出するヒートシンクとしての機能を有するため、活性層24とn側電極30との間に位置するn型クラッド層22の熱抵抗を増大させることは得策ではない。p型クラッド層26の屈折率が実効屈折率よりも高い構造とすることで、n型クラッド層22は従来と同等の膜厚を維持することができ、放熱効率も悪化することがない。また、p型クラッド層26の屈折率を増大させ、膜厚を大きくした場合、電気抵抗の増大を抑制するために、p型クラッド層26にドープする不純物の密度を高めることが望ましい。
【0092】
このように、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置のようなDCHレーザでなく、リッジレーザの場合であっても、外部から入射する光を導波領域外部に漏洩させ、出射波長の光に対しては導波領域内に光閉じ込めをおこなうことは可能である。また、これらの2つの構造に限定されるのではなく、本発明を適用する半導体レーザ装置は、分離閉じ込め構造(SCH)レーザに適用することが可能であり、他の構造を有する半導体レーザ装置であってもよい。具体的には、キャリアの発光再結合をおこなう活性層を、活性層よりも屈折率の低いクラッド層で挟み込む構造を有する半導体レーザ装置であれば、本発明を適用することが可能である。
【0093】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態3では、実施の形態1または実施の形態2にかかる半導体レーザ装置を用いて半導体レーザモジュールを構成している。
【0094】
図10は、この発明の実施の形態3である半導体レーザモジュールの構成を示す側面断面図である。本実施の形態3にかかる半導体レーザモジュールは、上述した実施の形態1で示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置41を有する。なお、この半導体レーザ装置41は、p側電極がレーザマウント48に接合されるジャンクションダウン構成としている。半導体レーザモジュールの筐体として、セラミックなどによって形成されたパッケージ51の内部底面上に、温度制御装置としての温調モジュール50が配置される。温調モジュール50上にはベース47が配置され、このベース47上にはレーザマウント48が配置される。温調モジュール50には、図示しない電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置41の温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却器として機能する。すなわち、温調モジュール50は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。この温度制御は、具体的に、レーザマウント48上であって、半導体レーザ装置41の近傍に配置されたサーミスタ49の検出値をもとに制御され、図示しない制御装置は、通常、レーザマウント48の温度が一定に保たれるように温調モジュール50を制御する。また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置41の駆動電流を上昇させるに従って、レーザマウント48の温度が下がるように温調モジュール50を制御する。このような温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置41の出力安定性を向上させることができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、レーザマウント48は、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これは、レーザマウント48がダイヤモンドで形成されると、高電流印加時の発熱が抑制されるからである。
【0095】
ベース47上には、半導体レーザ装置41およびサーミスタ49を配置したレーザマウント48、第1レンズ42、および電流モニタ46が配置される。半導体レーザ装置41から出射されたレーザ光は、第1レンズ42、アイソレータ43、および第2レンズ44を介し、光ファイバ45上に導波される。第2レンズ44は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ51上に設けられ、外部接続される光ファイバ45に光結合される。なお、電流モニタ46は、半導体レーザ装置41の高反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0096】
ここで、この半導体レーザモジュールでは、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻らないように、半導体レーザ装置41と光ファイバ45との間にアイソレータ43を介在させている。
【0097】
また、半導体レーザ装置41を図1および図2に示す構造からなるとした場合、光ファイバ45内部にはファイバグレーティングを配置し、半導体レーザ装置41の反射側端面と共振器を形成する構造とする。この場合、アイソレータ43は半導体レーザモジュール内に配置するのではなく、インライン式にする必要がある。
【0098】
次に、実施の形態3にかかる半導体レーザモジュールの利点について説明する。上述した通り、本実施の形態3において、半導体レーザ装置41には、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置を使用している。
【0099】
半導体レーザ装置41の出射レーザ光の波長と異なる波長の光が、光ファイバ45中を伝送してきた場合、その光は第2レンズ44、第1レンズ42を通過して半導体レーザ装置41に入射する。半導体レーザ装置41に入射した光は拡散するため、半導体レーザ装置41の反射側端面で反射して再び半導体レーザ装置41から光ファイバ45へと再び光が出射されることを抑制することができる。
【0100】
また、実施の形態1においても説明したように、外部から入射した光は半導体レーザ装置導波領域からn型クラッド層へと漏洩する。半導体レーザ装置41はレーザマウント48上にジャンクションダウン構成で固着されているため、外部から入射した光は鉛直上方向に漏洩することとなる。したがって、外部から入射した光は半導体レーザ装置41の上部に放出される。下部に放出された場合、レーザマウント48との境界で反射され、再び半導体レーザ装置41に光が戻る可能性があるが、上部に放出されることでそのようなことはない。また、上方に光が放出されることで、放出された光が電流モニタ46に入射して波長のモニタリングに支障を来すこともない。
【0101】
なお、本実施の形態3にかかるレーザモジュールに関して、半導体レーザ装置41に実施の形態2にかかる半導体レーザ装置を使用しても良い。実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、リッジ構造を有するため、レーザマウント48上に固定する際には、ジャンクションダウン構造とするのではなく、n側電極とレーザマウント48とが接触する態様とすることが好ましい。
【0102】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる光ファイバ増幅器について説明する。図11は、実施の形態4にかかる光ファイバ増幅器の構造を示す模式図である。実施の形態4にかかる光ファイバ増幅器は、励起光源として機能する半導体レーザモジュール55と、信号光56を増幅する増幅用光ファイバ59と、半導体レーザモジュール55から出射された励起光を増幅用光ファイバ59に入射させるためのWDMカプラ58とを有する。また、信号光56がWDMカプラ58に入射する手前にはアイソレータ57が配置され、増幅用光ファイバ59の後にはアイソレータ60が配置されている。
【0103】
信号光56は、信号光源から出射されて光ファイバ中を伝送してきた光であって、その波長は1550nmとする。また、WDMカプラ58は、半導体レーザモジュール55から出射された励起光を増幅用光ファイバ59に出力する。また、アイソレータ57は、WDMカプラ58の方から反射してくる光を遮り、雑音等を抑える働きをする。また、アイソレータ60は、増幅用光ファイバ59を反射光から遮るためのものである。
【0104】
増幅用光ファイバ59は、本実施の形態4においてはエルビウム添加光ファイバ(EDF)を用いている。EDFは、光ファイバに対してエルビウムイオン(Er3+)を添加したもので、980nm程度もしくは1480nm程度の波長の光を吸収してエルビウムイオン中の電子が励起される性質を有する。この電子が1550nmの波長を有する信号光56を増幅する。
【0105】
半導体レーザモジュール55は、実施の形態3にかかる半導体レーザモジュールを使用している。したがって、半導体レーザモジュール55に対して外部から入射する1550nmの波長の光は、半導体レーザモジュール55中で拡散する。そして、1550nmの光は、半導体レーザモジュール55から再び出射されることがないか、信号光に影響を与えないほどの小さな光強度で出射される。
【0106】
次に、本実施の形態4にかかる光ファイバ増幅器による光増幅のメカニズムについて概説する。励起光源である半導体レーザモジュール55から出射されたレーザ光は、WDMカプラ58を通過して増幅用光ファイバ59に前方から入射する。入射したレーザ光の波長は980nmのため、レーザ光は、増幅用光ファイバ59中にドープされたエルビウムイオンに吸収されて、エルビウムイオン中の電子が励起される。
【0107】
また、信号光56は、アイソレータ57を通過して増幅用光ファイバ59に後方から入射する。上述したように、増幅用光ファイバ59にドープされたエルビウムイオンの電子は励起されており、励起された電子が有するエネルギーによって信号光56は増幅される。
【0108】
ここで、増幅された信号光56は、その一部がWDMカプラ58によって分岐され、半導体レーザモジュール55に入射する。しかし、既に述べたように半導体レーザモジュール55に搭載された半導体レーザ装置は、1550nmの光を導波領域内に閉じ込めることなく、n型クラッド層に漏洩させて基板に放出する構造を有する。したがって、半導体レーザモジュール55に入射した光は、ほとんどが反射側端面に到達せず、反射側端面に到達して反射した光も、そのほとんどがn型クラッド層に漏洩し、再び出射されることがない。一方、出射波長である980nmの波長の光は、導波領域内に閉じ込められるため、励起光の出力光源としての機能が損なわれることはない。
【0109】
したがって、本実施の形態4にかかる光ファイバ増幅器は、信号光と同一波長のノイズ成分を効果的に抑制することができる。したがって、本来の信号光と、半導体レーザモジュール55を経由することで本来の信号光と位相差を有するノイズ成分とが合波されることもなく、情報の伝達に支障をきたすこともない。
【0110】
なお、本実施の形態4においては、励起光を増幅用光ファイバ59の前方から励起する、いわゆる前方励起方式を採用しているが、この方式に限定されるものではない。たとえば、増幅する前の信号光と励起光とをあらかじめ合波した上で増幅用光ファイバ59に入射させる、いわゆる後方励起方式からなる光ファイバ増幅器であっても、本発明を適用することが可能である。後方励起方式の場合であっても、信号光の一部は励起光源を構成する半導体レーザモジュールに入射するため、反射して励起光源から信号光の一部が再び出射することを抑制する必要があるためである。
【0111】
また、本実施の形態4ではEDFAを用いて信号光の増幅をおこなっているが、本発明は、EDFA以外の励起方式を採用する光ファイバ増幅器にも適用することが可能である。たとえば、ラマン増幅器に適用することで、励起光源に含まれる半導体レーザ装置が、信号光を拡散する構造とすることでノイズ成分を抑制することが可能である。なお、ラマン増幅器に適用する場合には、波長シフトを考慮して励起光源に含まれる半導体レーザ装置の出射波長を決定する必要がある。
【0112】
さらに、本実施の形態4では実施の形態3にかかる半導体レーザモジュールを励起光源に使用しているが、信号光源に適用することも可能である。一般に、光通信において信号光源は、励起光源と同様に半導体レーザ装置を組み込んだ半導体レーザモジュールを使用する。そのため、外部から入射する光が半導体レーザ装置の反射側端面で反射して再び光ファイバ中に入射することを抑制する必要があるためである。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、出射波長である第1の波長に関して、第1の導電型のクラッド層および第2の導電型のクラッド層の屈折率が、実効屈折率よりも小さいため、第1の波長の光については第1導電型のクラッド層と第2導電型のクラッド層との間に閉じ込めることができるという効果を奏する。一方で、外部から入射される第2の波長を有する光に対しては、第2の波長に対する第1導電型のクラッド層と第2導電型のクラッド層の少なくとも一方の屈折率が実効屈折率以上の値を有するため、外部から入射される光については閉じ込めをおこなわず、高い屈折率を有するクラッド層に光を漏洩させることができるという効果を奏する。
【0114】
また、請求項2の発明によれば、不純物密度の高いクラッド層の前記第2の波長に対する屈折率を実効屈折率よりも高くしている。一つの手段として、屈折率の高い材料を厚く積層してクラッド層を形成することでクラッド層の屈折率を実効屈折率よりも高い値とすることが可能だが、その場合に不純物を多くドープしたクラッド層を選択することで、膜厚の増大による熱抵抗および電気抵抗の増大を抑制することができるという効果を奏する。
【0115】
また、請求項3の発明によれば、第1導電型のクラッド層の第2の波長に対する屈折率を高めている。半導体レーザ装置をレーザマウント上にジャンクションダウン構成で固定する場合、第1導電型のクラッド層の屈折率を実効屈折率よりも高くして、活性層と第2導電型のクラッド層の膜厚を増大させない構造とすれば、活性層から発生する熱の伝導に悪影響を与えない半導体レーザ装置を提供することができるという効果を奏する。
【0116】
また、請求項4の発明によれば、第1第1の波長と第2の波長との差分値が200nm以上としたため、容易に第1の波長を有する光を閉じ込め、第2の波長を有する光を漏洩させることができるという効果を奏する。
【0117】
また、請求項5の発明によれば、第1の波長が950nm以上、1100nm以下とし、第2の波長を1500nm以上、1600nm以下としため、第2の波長の光を信号光とし、第1の波長の光を励起光とした場合に信号光が外部から入射しても内部で漏洩することができる半導体レーザ装置を提供することができるという効果を奏する。
【0118】
また、請求項6の発明によれば、第1の波長は980nmであり、第2の波長は1550nmとする構成としたため、光通信における励起光源に適用することが可能な半導体レーザ装置を提供することができるという効果を奏する。
【0119】
また、請求項7の発明によれば、第1導電型の導波層と第2導電型の導波層とを設ける構成としたため、出射するレーザ光は活性層および導波層内に閉じ込められることとなり、活性層のみを伝播する場合と比較して広い導波領域を有し、光出力密度を低減できることから光学損傷に対する耐久性を有する半導体レーザ装置を提供することができるという効果を奏する。
【0120】
また、請求項8の発明によれば、活性層が量子井戸層を備えたこととしたため、量子閉じ込め効果により、キャリアを量子井戸層内に効率的に閉じ込めることができ、発光効率を向上させることができるという効果を奏する。
【0121】
また、請求項9の発明によれば、互いに分離された複数の量子井戸層を有する構成としたため、複数の量子井戸層で量子閉じ込め効果によりキャリアの閉じ込めが可能で、温度特性を向上させることができるという効果を奏する。
【0122】
また、請求項10の発明によれば、第2導電型のクラッド層の幅が狭い構造としたため、注入される電流の密度を向上させることができ、高い発光効率を有する半導体レーザ装置を提供することができるという効果を奏する。
【0123】
また、請求項11の発明によれば、第1導電型のキャリアブロック層および第2導電型のキャリアブロック層を設けることとしたため、注入キャリアを活性層近傍に閉じ込めてキャリアオーバーフローを抑制するとともに、導波層の膜厚を増大させることができ、温度特性を維持しつつ、高出力化できるという効果を奏する。
【0124】
また、請求項12の発明によれば、光ファイバ中を伝送してきた第2の波長を有する光が半導体レーザ装置内部で拡散されるため、再度第2の波長を有する光を出射することがない半導体レーザモジュールを提供できるという効果を奏する。
【0125】
また、請求項13の発明によれば、光検出器を備えたこととしたため、出射レーザ光強度を安定化させることができ、アイソレータを備えたこととしたため、半導体レーザ装置から出射されたレーザ光が、再び半導体レーザ装置内部に戻ることを防止することができるという効果を奏する。
【0126】
また、請求項14の発明によれば、第2の波長を有する信号光の一部がカプラを介して励起光源に入射しても、励起光源に備えられた半導体レーザ装置もしくは半導体レーザモジュールの内部において拡散させ、再び光ファイバに戻ることはないため、信号光と同一波長のノイズ成分の発生を抑制することができるという効果を奏する。
【0127】
また、請求項15の発明によれば、増幅用光ファイバはエルビウムが添加されることとしたため、EDFAによる光増幅器を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の構造を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の、1550nmの波長を有する光に対する屈折率分布、光強度分布および実効屈折率を示すグラフである。
【図4】(a)、(b)共に、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置に1550nmの波長を有する光が外部から入射した場合の、光の漏洩の態様を示す模式図である。
【図5】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の、980nmの波長を有する光に対する屈折率分布、光強度分布および実効屈折率を示すグラフである。
【図6】比較例のDCHレーザにおける980nmの波長を有する光に対する屈折率分布、光強度分布および実効屈折率を示すグラフである。
【図7】比較例のDCHレーザにおける1550nmの波長を有する光に対する屈折率分布、光強度分布および実効屈折率を示すグラフである。
【図8】実施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構造を示す正面図である。
【図9】図8のB−B線における断面図である。
【図10】実施の形態3にかかる半導体レーザモジュールの構造を示す側面断面図である。
【図11】実施の形態4にかかる光ファイバ増幅器の構造を示す模式図である。
【図12】(a)、(b)共に、従来技術にかかる光ファイバ増幅器の構造および光の伝送の態様を示す模式図である。
【符号の説明】
1、21  n型基板
2、22  n型クラッド層
3、23  n型導波層
4  n型キャリアブロック層
5、24  活性層
6  p型キャリアブロック層
7、25  p型導波層
8  p型電流ブロッキング層
9、26  p型クラッド層
10、27  p型コンタクト層
11、29  p側電極
12、30  n側電極
13、17  サイド障壁層
14、16、32a、32b、32c  量子井戸層
15、31a、31b、31c、31d  障壁層
18  絶縁領域
19、33  低反射膜
20、34  高反射膜
28  絶縁層
41  半導体レーザ装置
42  レンズ
43  アイソレータ
44  レンズ
45  光ファイバ
46  電流モニタ
47  ベース
48  レーザマウント
49  サーミスタ
50  温調モジュール
51  パッケージ
51  フィルタ
55  半導体レーザモジュール
56  信号光
57、60  アイソレータ
58  カプラ
59  増幅用光ファイバ

Claims (15)

  1. 第1導電型の半導体基板上に順次第1導電型のクラッド層、活性層および第2導電型のクラッド層を積層し、出射側端面を備え、前記出射側端面から第1の波長のレーザ光を出射する半導体レーザ装置であって、
    前記第1導電型のクラッド層および前記第2導電型のクラッド層の第1の波長に対する屈折率は、前記第1の波長に対する実効屈折率よりも低い値を有し、
    外部から出射側端面を通過して入射する第2の波長の光に対して、前記第1導電型のクラッド層または前記第2導電型のクラッド層の少なくとも一方の屈折率が、前記第2の波長に対する実効屈折率と等しい若しくは該実効屈折率よりも高い値を有することを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記第1導電型のクラッド層と前記第2導電型クラッド層のうち不純物密度の高いクラッド層が、前記第2の波長に対して、実効屈折率と等しい若しくは該実効屈折率よりも高い屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記第1導電型のクラッド層が、前記第2の波長に対して実効屈折率と等しい若しくは該実効屈折率よりも高い屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記第1の波長と前記第2の波長との差分値が、200nm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第1の波長は950nm以上、1100nm以下であり、前記第2の波長は1500nm以上、1600nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記第1の波長は980nmであり、前記第2の波長は1550nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記第1導電型のクラッド層と前記活性層との間に配置された第1導電型の導波層と、
    前記活性層と前記第2導電型のクラッド層との間に配置された第2導電型の導波層と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記活性層は、量子井戸層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記活性層は、複数の量子井戸層と、該複数の量子井戸層間に配置された障壁層とを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記第2導電型のクラッド層は、レーザ光出射方向の直角方向の幅が前記第1導電型の基板の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  11. 前記第1導電型の導波層と前記活性層との間に配置された第1導電型のキャリアブロック層と、
    前記活性層と前記第2導電型の導波層との間に配置された第2導電型のキャリアブロック層と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、
    前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとを光結合する光結合レンズ系と、
    を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  13. 前記半導体レーザ装置の光出力を測定する光検出器と、
    前記半導体レーザ装置の温度を制御する温調モジュールと、
    アイソレータと、
    を、さらに備えたことを特徴とする請求項12に記載の半導体レーザモジュール。
  14. 請求項1〜11のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置若しくは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを備えた励起光源と、
    前記第2の波長を有する信号光を伝送する光ファイバと、
    該光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、
    前記第1の波長を有し、前記励起光源から出射される励起光を増幅用光ファイバに入射させるためのカプラと、
    を備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  15. 前記増幅用光ファイバは、エルビウムが添加されていることを特徴とする請求項14に記載の光ファイバ増幅器。
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