JP2003309327A - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器 - Google Patents

半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器

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JP2003309327A
JP2003309327A JP2003037298A JP2003037298A JP2003309327A JP 2003309327 A JP2003309327 A JP 2003309327A JP 2003037298 A JP2003037298 A JP 2003037298A JP 2003037298 A JP2003037298 A JP 2003037298A JP 2003309327 A JP2003309327 A JP 2003309327A
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Yasushi Oki
泰 大木
Naoki Tsukiji
直樹 築地
Jiyunji Yoshida
順自 吉田
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力の半導体レーザ装置を実現する。 【解決手段】 基板1上に順次下部クラッド層2、下部
SCH層3、量子井戸層4、上部SCH層5、第1の上
部クラッド層6を積層した構造を有する。第1の上部ク
ラッド層6上には、レーザ光出射方向に長手方向を有す
るストライプ形状の第2の上部クラッド層8および電流
ブロック層9が積層されている。第2の上部クラッド層
8および電流ブロック層9の上には順次第3の上部クラ
ッド層10、コンタクト層11が積層され、コンタクト
層11上にはp側電極12が配置されている。また、基
板1裏面にはn側電極13が配置されている。電流ブロ
ック層9は第2の上部クラッド層8と異なる導電型を有
することで電流を狭窄し、電流ブロック層9を含む領域
の実効屈折率が上部クラッド層8を含む領域の実行屈折
率よりも低い値をとることで、水平方向の光閉じ込めを
おこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に順次積層
された下部クラッド層、活性層、第1の上部クラッド層
を備え、所定波長のレーザ光を出射する半導体レーザ装
置に関し、特に水平方向の弱い光閉じ込めを特徴とする
ことで高出力化を実現する半導体レーザ装置、半導体レ
ーザモジュールおよび光ファイバ増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットをはじめとする光
通信の発展に伴い、長距離に渡って光信号を伝送するた
めに、伝送用光ファイバの途中に光ファイバ増幅器を配
置することが広くおこなわれている。この光ファイバ増
幅器は、光ファイバ中を信号光が伝送する途上におい
て、強度の低下した信号光を増幅することによって信号
光の強度を回復する。具体的には、エルビウムを添加し
た光ファイバ(以下、「EDF」と言う)を用いて増幅
する光ファイバ増幅器や、ラマン増幅を利用した光ファ
イバ増幅器などが提案され、実用化されている。ここ
で、いずれの光ファイバ増幅器でも、励起光源に半導体
レーザ装置を使用して信号光を励起する構造を有し、光
ファイバ増幅器の増幅利得は、励起光源の光出力ととも
に増加する。そのため、励起光源として使用される半導
体レーザ装置は、発光効率が高く、高出力のものが必要
とされている。このような観点から励起光源に使用する
半導体レーザ装置として、図22に示す埋め込みヘテロ
構造レーザ(以下、「BHレーザ」と言う)や、図23
に示すリッジ構造レーザが実用化されている。
【0003】BHレーザは分離閉じ込めヘテロ(SC
H)構造を有しており、図22に示すように、n型基板
101上に順次下部クラッド層102、下部SCH層1
03、量子井戸層104、上部SCH層105を積層
し、下部クラッド層102の上部と、下部クラッド層1
02上に順次積層した下部SCH層103、量子井戸層
104、上部SCH層105からなる活性層とをメサ形
状に加工した後に、このメサ形状に隣接してp型電流ブ
ロック層107、n型電流ブロック層108を積層する
ことで電流ブロック層を形成している。電流ブロック層
には注入電流を遮蔽する機能があるため、電流ブロック
層の存在により注入された電流を狭窄して活性層に注入
されるキャリア密度を向上させ、閾値電流値を低減し、
発光効率を高めている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】一方、リッジ構造レーザは、図23に示す
ように、下部SCH層113、量子井戸層114、上部
SCH層115からなる活性層上に積層された上部クラ
ッド層116の上部領域をメサ形状に加工することで活
性層に注入されるキャリア密度を向上させている。具体
的には、注入されたキャリアは、メサ形状に加工された
部分を通過し、活性層のうち、メサ形状の下部領域に集
中的に流入することとなる。したがって、注入したキャ
リアが活性層全体に拡散することが抑制され、メサ形状
の下部領域にのみキャリアが集中させることでキャリア
密度を向上させている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開平06−037388号公報(第3
−4頁、第1図)
【特許文献2】特開平11−340558号公報(第3
−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以下、BHレーザおよ
びリッジ構造レーザについて水平方向の光強度分布領域
の拡大が困難である理由について説明する。
【0007】BHレーザは、図22で示すように、活性
層に隣接して電流ブロック層が配置されている。活性層
と電流ブロック層とは一般に異なる半導体材料で構成さ
れる。活性層を含んだ第1領域の実効屈折率が層方向の
電流閉じ込めから決定されると、実効屈折率差は第2領
域である電流ブロック層の半導体材料で決定されること
になる。屈折率を操作するパラメータが材料の選択とい
うことしかないので、実効屈折率の微妙な制御には適さ
ない。また、電流ブロック層の半導体材料は、埋め込み
成長の容易さ、熱抵抗などから決定され、材料選択の自
由度は少ない。
【0008】InP基板を用いたBHレーザを例にとっ
てみると、電流ブロック層には、InPが用いられるこ
とがほとんどである。InPは、InP基板に格子整合
する半導体材料の中でもっとも屈折率が小さいので、実
効屈折率差を小さくするには限界があり、結果としてW
cを大きくするにも制約が生じ、高出力化に最適とは言
えない。
【0009】一方、実効屈折率差を小さくするために
は、活性層を含んだ第1領域の実効屈折率を小さくする
こともできる。しかし、その場合には、層方向の光の閉
じ込め、電流の閉じ込めが弱くなり、高電流注入時のキ
ャリアオーバーフローが顕著になるなど高出力化の妨げ
となる現象が現れる。
【0010】一方、リッジ構造レーザは、上部クラッド
層116がリッジ状に形成された構造を有する。したが
って、リッジストライプに隣接した領域には半導体層は
存在しない。リッジ構造レーザでは、リッジ領域以外の
上部クラッド層の膜厚で実効屈折率を制御している。上
部クラッド層の膜厚とリッジ幅を個別に制御するのは容
易ではないため、実効屈折率差の微妙な調整が困難とい
う問題が生じる。
【0011】また、高出力化には、活性層近傍で発生し
た熱の放熱が問題である。半導体レーザ装置は、放熱性
を向上させるため、ジャンクションダウン方式でレーザ
マウントに固定されることが好ましい。リッジ構造レー
ザでは、絶縁層118の熱抵抗が大きいため、ジャンク
ションダウン方式とした場合の放熱性向上の効果が小さ
い。また、リッジ部分自体がジャンクションダウン方式
に不都合となる場合もある。以上のようにリッジ構造レ
ーザでは、高出力化に重要な放熱性に問題が生じる場合
がある。
【0012】本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みて、
高い光出力を実現できる半導体レーザ装置、半導体レー
ザ装置を利用した半導体レーザモジュールおよび半導体
レーザ装置を励起光源とした光ファイバ増幅器を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、半導体基板
上に積層された下部クラッド層および上部クラッド層
と、該二つのクラッド層間に積層された活性層とを備え
た半導体レーザ装置であって、前記活性層から1200
nm以上、1600nm以下の波長であって出力が80
mW以上のレーザ光を出射し、前記下部クラッド層およ
び前記上部クラッド層の少なくとも一方の内部領域にお
いて、電流を遮蔽する電流ブロック層と、該電流ブロッ
ク層に隣接して配置されて前記レーザ光の出射方向にス
トライプ形状を有し、電流を通過させる電流通過層とを
備え、前記電流ブロック層によって水平方向の光分布を
制御することを特徴とする。
【0014】この請求項1の発明によれば、電流ブロッ
ク層が電流遮蔽機能とともに水平方向の光分布を制御す
ることとしたため、水平方向の光閉じ込めが弱い半導体
レーザ装置を実現できる。
【0015】また、請求項2にかかる半導体レーザ装置
は、InP基板上に積層された下部クラッド層および上
部クラッド層と、該二つのクラッド層間に積層された活
性層とを備えた半導体レーザ素子であって、前記下部ク
ラッド層および前記上部クラッド層の少なくとも一方の
内部領域において、InPを含み電流を遮蔽する電流ブ
ロック層と、該電流ブロック層に隣接して配置されて前
記レーザ光の出射方向にストライプ形状を有し、電流を
通過させる電流通過層とを備え、前記電流ブロック層に
よって水平方向の光分布を制御することを特徴とする。
【0016】また、請求項3にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記電流通過層の短手方向の
幅は、2.5μm以上、7.0μm以下であることを特
徴とする。
【0017】また、請求項4にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記活性層から1200nm
以上、1600nm以下の波長であって出力が80mW
以上のレーザ光を出射することを特徴とする。
【0018】また、請求項5にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記半導体基板がInP基板
であり、前記電流ブロック層がGaxIn1-xAsy1-y
(0<x≦1、0<y≦1)を含むことを特徴とする。
【0019】また、請求項6にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記電流通過層を含む領域の
実効屈折率と前記電流ブロック層を含む領域の実効屈折
率の差分値は、0.01以下であることを特徴とする。
【0020】また、請求項7にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、光出射方向の長さが800μ
m以上、3200μm以下であることを特徴とする。
【0021】また、請求項8にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記電流ブロック層は、前記
電流通過層の導電型と異なる導電型の半導体層を含むこ
とを特徴とする。
【0022】この請求項8の発明によれば、電流ブロッ
ク層が電流通過層の導電型と異なる導電型の半導体層を
含む。そのため、レーザ発振時には電流ブロック層と第
1のクラッド層との間に逆バイアスが印加され、注入電
流を遮蔽することができる。
【0023】また、請求項9にかかる半導体レーザ装置
は、上記の発明において、前記電流ブロック層は、前記
電流通過層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する
ことを特徴とする。
【0024】この請求項9の発明によれば、電流ブロッ
ク層が電流通過層よりも高い不純物濃度を有することか
ら、キャリアのプラズマ効果によって、電流ブロック層
の屈折率が第2のクラッド層よりも低くすることができ
る。
【0025】また、請求項10にかかる半導体レーザ装
置は、上記の発明において、前記電流ブロック層の不純
物濃度は、1.5×1018cm-3以上、9×1018cm
-3以下であることを特徴とする。
【0026】また、請求項11にかかる半導体レーザ装
置は、上記の発明において、前記電流ブロック層に含ま
れる半導体材料は、出射されるレーザ光のエネルギーよ
りも大きな禁制帯幅を有することを特徴とする。
【0027】また、請求項12にかかる半導体レーザ装
置は、上記の発明において、前記電流ブロック層は、レ
ーザ光出射方向側面近傍における屈折率が前記電流通過
層近傍における屈折率よりも低いことを特徴とする。
【0028】また、請求項13にかかる半導体レーザ装
置は、上記の発明において、前記電流ブロック層は、半
導体絶縁層を含むことを特徴とする。
【0029】また、請求項14にかかる半導体レーザ装
置は、上記の発明において、前記活性層は、順次積層さ
れた下部SCH層、量子井戸層、上部SCH層を備えた
ことを特徴とする。
【0030】また、請求項15にかかる半導体レーザモ
ジュールは、請求項1〜14のいずれか一つに記載の半
導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射され
たレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体
レーザ装置と前記光ファイバとを光結合する光結合レン
ズ系と、少なくとも前記半導体レーザ装置と光結合レン
ズ系とを収納するパッケージとを備えたことを特徴とす
る。
【0031】また、請求項16にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装
置の光出力を測定する光検出器と、前記半導体レーザ装
置の温度を制御する温調モジュールと、アイソレータと
をさらに備えたことを特徴とする。
【0032】また、請求項17にかかる光ファイバ増幅
器は、請求項1〜14のいずれか一つに記載の半導体レ
ーザ装置若しくは請求項15または16に記載の半導体
レーザモジュールを備えた励起光源と、信号光を伝送す
る光ファイバと、該光ファイバと接続された増幅用光フ
ァイバと、前記励起光源から出射される励起光を増幅用
光ファイバに入射させるためのカプラとを備えたことを
特徴とする。
【0033】また、請求項18にかかる光ファイバ増幅
器は、上記の発明において、前記増幅用光ファイバは、
ラマン増幅により光を増幅することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明に
かかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよ
び光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明す
る。図面の記載において同一または類似部分には同一あ
るいは類似な符号を付している。また、図面は模式的な
ものであり、層の厚みと幅との関係、各層の厚みの比率
などは現実のものとは異なることに留意する必要があ
る。さらに、図面の相互間においても互いの寸法の関係
や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんであ
る。
【0035】(実施の形態1)実施の形態1にかかる半
導体レーザ装置について説明する。本実施の形態1にか
かる半導体レーザ装置は、いわゆるSAS(Self Align
ed Structure:自己整合構造)型レーザであり、電流ブ
ロック層が電流狭窄機能のみならず、水平方向の光閉じ
込めを制御する機能を有する。図1は、実施の形態1に
かかる半導体レーザ装置の正面図を示し、図2は、図1
のA−A線における断面図である。以下、実施の形態1
にかかる半導体レーザ装置の構造について、図1および
図2を参照して説明する。
【0036】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置
は、基板1上に順次下部クラッド層2、下部SCH層
3、量子井戸層4、上部SCH層5、第1の上部クラッ
ド層6を積層した構造を有する。第1の上部クラッド層
6上の一部領域上には、レーザ光出射方向に長手方向を
有するストライプ形状であって電流通過層として機能す
る第2の上部クラッド層8が積層され、第1の上部クラ
ッド層6上であって、第2の上部クラッド層8が積層さ
れていない領域には、電流ブロック層9が積層されてい
る。第2の上部クラッド層8および電流ブロック層9の
上には順次第3の上部クラッド層10、コンタクト層1
1が積層され、コンタクト層11上にはp側電極12が
配置されている。また、基板1裏面にはn側電極13が
配置されている。さらに、図2で示すように、光出射側
端面(図2における右側端面)上には低反射膜15が配
置され、光出射側端面と対向した反射側端面(図2にお
ける左側端面)には高反射膜16が配置されている。
【0037】基板1および下部クラッド層2は、n型の
不純物がドープされたInPからなる。量子井戸層4は
少なくとも1つ以上の量子井戸構造を有し、下部SCH
層3、量子井戸層4、上部SCH層5は、1つの量子井
戸層の場合は、全体でグレーテッドインデックス分離閉
じ込め単一量子井戸(GRIN−SCH−SQW)活性
層、2つ以上の量子井戸層の場合は、全体でグレーテッ
ドインデックス分離閉じ込め多重量子井戸(GRIN−
SCH−MQW)活性層を構成する。GRIN−SCH
構造は、好ましくはリニアGRIN−SCHであると
し、下部SCH層3および上部SCH層5の膜厚は30
〜40nmである。GRIN−SCH構造を有すること
で、キャリアがより効率的に層方向に閉じ込められ、活
性層により効率的にキャリアを注入することが可能とな
る。多重量子井戸構造の量子井戸層は5層からなり、基
板に対して1パーセントの圧縮歪みを有するものからな
っている。なお、バリア層には引張り歪み構造を採用し
た補償構造を用いることで、より大きな量子井戸層の歪
に対しても結晶性を損なうことがない半導体レーザ装置
を実現することができる。また、量子井戸層4から出射
されるレーザ光の波長は1200nm〜1600nmで
ある。さらに、レーザ光の強度は80mW以上、望まし
くは150mW以上、さらに望ましくは250mW以上
である。これは、後述する光ファイバ増幅器の励起光源
として本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置を使用
することを可能にするためである。
【0038】第1の上部クラッド層6、第2の上部クラ
ッド層8、第3の上部クラッド層10はそれぞれ上部ク
ラッド層として機能する。また、本実施の形態1にかか
る半導体レーザ装置において、第1の上部クラッド層
6、第2の上部クラッド層8、第3の上部クラッド層1
0はいずれもp型の導電型を有するInPからなる。第
2の上部クラッド層8は、上記したように電流通過層と
しての機能も有する。電流通過層とは、外部から注入さ
れた電流を層方向に通過させる領域のことであり、注入
された電流は、活性層のうち電流通過層、すなわち第2
の上部クラッド層8の下部領域に流入する。
【0039】コンタクト層11は、第3の上部クラッド
層10とp側電極12とをオーミック接触させるための
ものである。コンタクト層11は、高濃度のp型不純物
がドープされており、これによりオーミック接触を実現
している。
【0040】図2に示す高反射膜16は、共振器を構成
するためのものである。したがって、高反射膜16は、
反射率80パーセント以上、好ましくは90パーセント
以上、さらに好ましくは98パーセント以上の光反射率
を有する。一方、低反射膜15は、出射側端面における
レーザ光の反射を防止するためのものである。したがっ
て、低反射膜15は反射率の低い膜構造からなり、光反
射率は5パーセント以下、望ましくは1パーセント程度
の膜構造からなる。ただし、低反射膜15の光反射率
は、共振器長に応じて最適化されるため、これら以外の
値を有する場合もある。なお、高反射膜16と低反射膜
15の間隔、すなわち本実施の形態1にかかる半導体レ
ーザ装置のレーザ光出射方向の長さは800μm〜32
00μmであることが望ましい。
【0041】電流ブロック層9は、p側電極12から注
入された電流を狭窄し、水平方向に関して量子井戸層4
におけるキャリア密度を向上させるためのものである。
p側電極12から注入された電流が内部を通過すること
を防止するため、電流ブロック層9の導電型はn型であ
る。電流ブロック層9の導電型がn型であるため、第1
の上部クラッド層6、電流ブロック層9、第3の上部ク
ラッド層10による積層構造はpnp接合となることか
ら、電流ブロック層9に電流が流れこむことはない。本
実施の形態1においては、電流ブロック層9の膜厚は、
0.5μm程度である。
【0042】電流ブロック層9は、高ドープなn型の導
電型を有するInPによって形成されている。実施の形
態1において、電流ブロック層9は、第2の上部クラッ
ド層8と同様にInPを材料とする。ただし、ドープし
た不純物の濃度が、電流ブロック層9の方が、第2の上
部クラッド層8よりも大きくなるように形成されてい
る。そのため、出射されるレーザ光に対する実効屈折率
も異なる。ここで、電流ブロック層9が存在する領域の
実効屈折率と第2のクラッド層8が存在する領域の実効
屈折率との差分値が0.01以下、より好ましくは8×
10-3以下となるよう、電流ブロック層9の不純物濃度
を制御することが望ましい。なお、電流ブロック層9に
ドープされる不純物濃度は1.5×1018cm-3〜9×
1018cm -3、より好ましくは1.5×1018cm-3
5×1018cm-3であることが望ましい。
【0043】次に、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置の水平方向の光閉じ込めについて説明する。本実
施の形態1にかかる半導体レーザ装置において、光閉じ
込めは、主として実効屈折率の差によっておこなわれ
る。ここで、量子井戸層4から出射されるレーザ光は、
層方向にある程度の広がりを有するため、水平方向の閉
じ込めを考える際には、下部SCH層3、量子井戸層
4、上部SCH層5のみならず、それらの上下の領域に
おける水平方向の屈折率分布についても考慮する必要が
ある。特に、第1の上部クラッド層6の膜厚は0.1μ
m程度であるため、電流ブロック層9は量子井戸層4の
近傍に位置し、量子井戸層4から等距離にある第2の上
部クラッド層8とは屈折率が異なれば、水平方向の光閉
じ込めについて影響を与える。
【0044】半導体層の屈折率は、半導体層を構成する
材料の組成のみならず、ドープされた不純物濃度の大き
さによっても変化することが知られている。したがっ
て、第2の上部クラッド層8と電流ブロック層9とが同
じ材料から構成されていても、不純物濃度を変化させる
ことで水平方向の光閉じ込めをおこなうことができる。
具体的には、不純物濃度が上昇すると、キャリアのプラ
ズマ効果により屈折率が低減するため、電流ブロック層
9の屈折率は、第2の上部クラッド層8の屈折率よりも
低い値となる。したがって、実施の形態1にかかる半導
体レーザ装置は、水平方向に関して光を閉じ込める構造
となっている。
【0045】図3に示すように半導体レーザ装置の断面
を3つの領域に分け、それぞれの実効屈折率を対比する
ことで水平方向の光の閉じ込めについて解析することが
できる。図3に示すように半導体レーザ装置の断面を3
つの領域に分け導波モードを解析する手法を等価屈折率
法という。これは、水平方向の光閉じ込めを第1領域1
8、第2領域19、20の実効屈折率を持つプレーナ導
波路に等価的に置き換えて評価する方法である。この手
法は近似ではあるが、導波路が層方向の厚さに比べて水
平方向に広く、水平方向には比較的穏やかな変化をする
場合には精度の高い解析ができることが知られている。
ここで、第2領域19および第2領域20は、同一の構
造からなるため、実効屈折率も同一の値を有する。ま
た、第2領域19および第2領域20を第1領域18と
比較すると、第1領域18における第2の上部クラッド
層8に対応した領域に、さらに屈折率の低い電流ブロッ
ク層9が配置されている。したがって、実効屈折率を比
較した場合、第1領域18に比べて第2領域19および
第2領域20の実効屈折率は低くなる。
【0046】本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置
における水平方向の光強度分布について、図4を参照し
て説明する。図4(a)は、従来のBHレーザにおける
水平方向の光強度分布を模式的に表し、図4(b)は、
本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置における水平
方向の光強度分布を模式的に表している。また、曲線l
1および曲線l1'は実効屈折率の水平方向の分布を示
し、曲線l2および曲線l 2'は水平方向の光強度分布を
示す。
【0047】上述したように、水平方向の光閉じ込め
は、水平方向における実効屈折率の差に起因して生じ
る。また、光閉じ込めの程度は、第1領域18の実効屈
折率と、第2領域19および第2領域20の実効屈折率
との差分値によって決定される。ここで、第1領域18
と第2領域19および第2領域20との構造上の差異
は、第2の上部クラッド層8が電流ブロック層9に置き
換えられたのみである。したがって、実効屈折率の差分
値は、電流ブロック層9が配置される位置、電流ブロッ
ク層9の膜厚および屈折率によって決定され、水平方向
の光閉じ込めの程度もこれらによって決定される。一般
に、実効屈折率の差分値が大きい値をとる場合には水平
方向の光閉じ込めが強くなり、高次の水平方向の導波モ
ードがカットオフされる幅Wcが小さくなるため、高出
力化が困難となる。一方、実効屈折率の差分値が小さな
値をとる場合には水平方向の光閉じ込めが弱くなり、W
cが大きくなるため、高出力化が可能となる。
【0048】また、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置は、電流ブロック層9が周囲のクラッド層と同様
にInPを材料として形成されている。このことによる
利点について、以下に説明する。
【0049】一般に、半導体層の禁制帯幅は半導体の組
成によって決定され、導電型とは無関係であることか
ら、電流ブロック層9と第2の上部クラッド層8の禁制
帯幅は等しい値となる。本実施の形態1にかかる半導体
レーザ装置は、量子井戸層4がGaInAsPによって
構成されており、出射するレーザ波長は、量子井戸層4
における量子準位に基づいて決定される。電流ブロック
層9の禁制帯幅が出射光のエネルギーよりも狭い場合、
電流ブロック層9に漏れ出した光は吸収される。本実施
の形態1では、電流ブロック層9がInPで形成される
ため、量子準位が出射光のエネルギーよりも広く、光が
吸収されることなく外部に出射され、高出力の半導体レ
ーザ装置を実現することが可能となる。さらに、光吸収
による水平方向の光閉じ込めの効果を考慮する必要がな
いため、半導体レーザ装置の構造を設計する際に電流ブ
ロック層9の不純物濃度および位置、膜厚についてのみ
パラメータを変化させることで弱い光閉じ込めを実現す
ることができる。
【0050】また、電流ブロック層9と第2の上部クラ
ッド層8とがともにGaInAsPと比較して熱抵抗の
小さいInPからなるため、電流注入によって生じる熱
を効率的に拡散することが可能となる。一般に半導体レ
ーザ装置はジャンクションダウン方式により、レーザマ
ウントとp側電極12とが接触するように固定され、発
生した熱は主としてp側電極12を介して放出される。
ここで、熱の通り道となる第2の上部クラッド層8およ
び電流ブロック層9とが熱抵抗の小さい材料からなるこ
とから、効率良く熱を外部に排出することができる。効
率良く熱を排出できる場合には、量子井戸層4の温度上
昇を抑制することができ、大電流を注入しても、もはや
光出力が増大しなくなる熱飽和を抑制することができ
る。したがって、効率良く熱を放出する機能を有するこ
とで、高出力の半導体レーザ装置を提供することができ
る。
【0051】なお、従来のBHレーザやリッジ構造レー
ザのように、水平方向の光閉じ込めを弱めるために他の
特性を犠牲にすることは望ましくない。以下で、本実施
の形態1にかかる半導体レーザ装置が水平方向の光閉じ
込めを弱くする施策を取ったときでも、電流ブロック層
9の電流狭窄機能が低下したり、層方向の光閉じ込めに
影響を与えたりすることがないことを説明する。
【0052】本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置
において、電流ブロック層9は、電流狭窄機能を発揮す
るために設けられたものである。ここで、上述したよう
に、電流ブロック層9はn型不純物がドープされ、p型
不純物がドープされた第3の上部クラッド層10、第1
の上部クラッド層6との間でpnp接合が成立してい
る。また、電流ブロック層9の屈折率を変化させるため
に、不純物の濃度を変化させるが、同一導電型のドーパ
ントを使用する限り電流ブロック層9の導電型が変化す
ることはない。pnp接合の存在により、p側電極12
から注入された電流は、電流ブロック層9には流入せ
ず、第2の上部クラッド層8のみを通過して量子井戸層
4に到達する。
【0053】電流狭窄機能の制御のためには、電流ブロ
ック層9と第1、第3の上部クラッド層6、10の膜
厚、不純物濃度を操作する。一方、水平方向の光閉じ込
め制御のために、本実施の形態1では、電流ブロック層
9の膜厚と不純物濃度、第1の上部クラッド層6の膜厚
という3つのパラメータを主に操作する。このように、
操作できるパラメータが多いため、まず電流狭窄機能の
ためのパラメータを決め、その後、光閉じ込め制御のた
めにパラメータを操作しても比較的自由に、かつ電流狭
窄機能を損なうことなく操作することができる。したが
って、pnp接合が成立する限り、電流ブロック層9が
注入電流を狭窄することは可能であり、電流ブロック層
9の位置、膜厚を変化させることによって電流ブロック
層9に電流が流入することはない。
【0054】もっとも、たとえば、第1の上部クラッド
層6を省略して電流ブロック層9、第2の上部クラッド
層8を上部SCH層5と接触した構造とした場合、電流
ブロック層9が配置された領域における層方向のpnp
接合は成立しなくなり、電流を狭窄することはできなく
なる。ただし、第3の上部クラッド層10を省略した場
合には、電流ブロック層9と第1の上部クラッド層6の
間で層方向にnp接合が成立する。本実施の形態1にか
かる半導体レーザ装置は、p側電極12を陽極としてい
るため、np接合には逆バイアスが印加されることとな
り、電流ブロック層9に電流が流入することはない。よ
って、第1の上部クラッド層6を省略することはできな
いが、第3の上部クラッド層10を省略することは可能
である。
【0055】次に、電流ブロック層9の位置、膜厚およ
び屈折率を変化した場合の、層方向の光閉じ込めに与え
る影響について説明する。光が発生する量子井戸層4に
対して電流ブロック層9は上方に配置されているため、
電流ブロック層9の構造を変化させた場合には層方向の
光閉じ込めに対しても影響が及ぶ。しかし、上述した等
価屈折率法では、導波路が層方向の厚さに比べて水平方
向に広く、水平方向には比較的穏やかな変化をする場合
には精度の高い解析ができることが知られている。よっ
てこの等価屈折率法にしたがって導波モードを考える限
りでは、電流ブロック層9が第1領域の実効屈折率に及
ぼす影響はほとんどなく、層方向の光閉じ込めの変化も
ほとんどないと近似できる。
【0056】以上の説明から、水平方向の光閉じ込めを
低減するために電流ブロック層9の位置、膜厚、屈折率
を最適化した場合に半導体レーザ装置の他の特性に影響
を与えることはない。したがって、本発明によれば、層
方向の光閉じ込めとは独立に水平方向の光閉じ込めを設
計できるという特徴を有しているので、高出力動作時に
適した層構造を用いることで素子の性能を最大限に発揮
することが可能である。
【0057】次に、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置の製造方法について、図5および図6を参照して
説明する。図5および図6は、本実施の形態1にかかる
半導体レーザ装置の製造工程を示す図である。
【0058】まず、図5(a)に示すように、基板1上
に順次下部クラッド層2、下部SCH層3、量子井戸層
4、上部SCH層5、第1の上部クラッド層6、エッチ
ングストップ層23、n型InP層21を積層する。こ
れらの半導体層を積層するにあたっては、MOCVD(M
etalOrganic Chemical Vapor Deposition)法を用いる
が、その他にCVD(Chemical Vapor Deposition)法、
MBE(Molecular Beam Epitaxy)法等を用いてエピタキ
シャル成長してもよい。
【0059】そして、図5(b)に示すように、第2の
上部クラッド層8を形成する予定の領域に開口部を有す
るSiNxマスクパターン22を形成する。具体的に
は、まず、プラズマCVD法等を用いて、厚さ100〜
200nm程度のSiNx膜をInP層21の全面に成
膜する。そして、スピンコート法によってSiNx膜の
全面にレジストを塗布する。レジストを塗布した後、フ
ォトリソグラフィ法により所望の開口部を有するレジス
トパターンを形成する。レジストパターンを形成後、R
IE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチン
グ)装置を用いて、開口部に露出したSiNxをエッチ
ングする。SiNx膜をエッチング後、有機溶媒洗浄、
酸素プラズマアッシングをおこない、レジストを除去す
ると開口部を有するSiNxマスクパターン22が現れ
る。
【0060】その後、SiNxマスクパターン22をマ
スクとしてn型InP層21をエッチングする。エッチ
ングの態様はケミカルエッチングとするが、RIE装置
によるドライエッチングその他の手段をとることも可能
である。本実施の形態1においては、InPに選択性を
有するエッチャントを用いてケミカルエッチングをおこ
なう。エッチングストップ層23は、厚さ5nm程度、
バンドギャップ組成波長1.1μm程度のGaInAs
Pから構成されているため、本工程ではエッチングスト
ップ層23はエッチングされず、下層に位置する第1の
上部クラッド層6がエッチングされることはない。その
後、GaInAsPに選択性を有するエッチャント、ま
たは選択性のないエッチャントを時間制御して用いて、
第2の上部クラッド層8を形成する予定の領域に残存す
るエッチングストップ層23を除去することが好まし
い。これにより、図5(c)で示すように、電流ブロッ
ク層9が形成され、第2の上部クラッド層8を積層する
ための空隙が形成される。そして、以後の工程で第1の
上部クラッド層6および電流ブロック層9上に半導体層
を積層するために、SiNxマスクパターン22を除去
するとともに、第1の上部クラッド層6および電流ブロ
ック層9の表面を清浄化する。なお、上述した工程では
SiNxをマスクパターンとして用いたが、レジストを
マスクに用いても良い。
【0061】そして、第1の上部クラッド層6および電
流ブロック層9上にp型InPを積層する。本工程によ
って、図6(a)に示すように、電流ブロック層9に挟
まれた領域に第2の上部クラッド層8が形成され、第2
の上部クラッド層8および電流ブロック層9上に第3の
上部クラッド層10が形成される。
【0062】その後、第3の上部クラッド層10上にコ
ンタクト層11を積層する。また、蒸着またはスパッタ
法、CVD法等によって金属膜を堆積することによっ
て、p側電極12およびn側電極13を形成する。な
お、n側電極13を形成する前に、素子の厚さ調整のた
め、基板裏面の研磨をおこなう。以上で、図6(b)に
示すように、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置を
製造することができる。
【0063】なお、電流ブロック層9および第2の上部
クラッド層8は以下のように形成しても良い。図7は、
本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の他の製造方
法の工程の一部について示す図である。上記した製造工
程と同様に第1の上部クラッド層6まで積層したあと、
さらにエッチングストップ層24bおよびp型InP層
24を積層する。その後、図7(a)に示すように、p
型InP層24上に電流ブロック層9形成予定領域に開
口部を有するSiNxマスクパターン25を形成してp
型InP層24をエッチングする。これにより、図7
(b)に示すようにp型InP層24はメサ形状に加工
され、第2の上部クラッド層8が形成される。ここで、
エッチングストップ層24bが存在することにより、p
型InP層24よりも下層に位置する第1の上部クラッ
ド層6はエッチングされることはないが、p型InP層
24の加工の後に行われるエッチングストップ層24b
の除去に伴って、第1の上部クラッド層6の上端領域の
一部は除去される。
【0064】その後、第1の上部クラッド層6上に電流
ブロック層を積層し、残存するSiNxマスクパターン
25を除去することで、図7(c)に示すような構造を
得る。その後、順次第3の上部クラッド層10、コンタ
クト層11、p側電極12、n側電極13を形成するこ
とで実施の形態1にかかる半導体レーザ装置が得られ
る。
【0065】この他にも、イオン注入によって電流ブロ
ック層9を形成する方法がある。この場合、電流ブロッ
ク層9の不純物濃度を水平方向に変化させることで、水
平方向に弱い光閉じ込めをおこなうのに適した屈折率分
布を水平方向に与えることができる。不純物をイオン注
入によってドープした場合、たとえばマスキングパター
ンを変えて数回イオン注入して、水平方向に不純物濃度
を容易に変化させることができるためである。これによ
り、たとえば、電流ブロック層9内において、第2の上
部クラッド層8との境界近傍では第2の上部クラッド層
8と同じ不純物濃度にして、光出射方向側面近傍に不純
物を高い濃度でドープして低屈折率領域を設けることも
可能である。また、端部に近づくにしたがって、不純物
濃度が連続的に高くなる構造とすることも可能である。
【0066】また、イオン注入を用いた場合、エッチン
グ工程を省略することができること、コンタクト層11
まで真空雰囲気中で連続成長させることが可能であるこ
とから、製造工程を簡略化することができる。同時に、
各層を積層する途上において、結晶表面が大気中にさら
されることを極力抑制することが可能となり、不純物が
付着することを防止でき、良質の結晶を得ることができ
る。
【0067】本願発明者等は、実際に本実施の形態1に
かかる半導体レーザ装置を製造し、その特性について調
べている。具体的には、図7に示す製造方法を用いて、
第2の上部クラッド層8の短手方向の幅(以下、「スト
ライプ幅」と称する)を変化させ、消費電力等の特性の
変化および従来技術にかかるBHレーザの特性との比較
を行っている。なお、以下の測定において、ストライプ
幅は、第2の上部クラッド層8の断面形状が台形状をな
す場合には、かかる台形の下底の長さと定義する。
【0068】測定した半導体レーザ装置の特性として
は、一定電流値を流した際の消費電力および無効電力、
一定電流値を注入した際に出射するレーザ光の輝度、お
よびキンクの発生する電流値である。以下、図8〜図1
2を参照しつつ、測定結果について説明する。なお、図
8〜図12で比較対照として示す従来技術にかかるBH
レーザは、ストライプ幅が2.5μmのものとしてい
る。また、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置お
よび従来技術にかかるBHレーザの共振器長は1300
μmとする。そして、半導体レーザ装置は後述する半導
体レーザモジュールの構造ではなく、チップ単位で測定
しており、発振するレーザ光は連続光ではなく、パルス
光とする。さらに、測定時において半導体レーザ装置の
温度が20℃を維持するよう温度制御がなされている。
【0069】図8は、本実施の形態にかかる半導体レー
ザ装置の消費電力に関してストライプ幅に対する依存性
を示すグラフである。なお、グラフ中における直線は従
来技術にかかるBHレーザの値を示す。
【0070】図8に示すように、本実施の形態1にかか
る半導体レーザ装置は、900mAの電流を注入した際
の消費電力について、ストライプ幅が増加するにつれて
低下することが示されている。このため、ストライプ幅
が2.8μm程度の場合には従来とほぼ同等の消費電力
の値を有するが、ストライプ幅が増加するにつれて向こ
う電力の値は低下し、ストライプ幅が7.0μmまで増
加した場合には、3μmの場合と比較して消費電力の値
が30%程度低下する。
【0071】また、図9は、注入電流値を900mAと
した場合における、レーザ発振に寄与しない無効電力の
変化を示すグラフである。なお、図9において、プロッ
トした点は本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の
無効電力の値を示し、直線は従来技術にかかるBHレー
ザの値を示す。
【0072】図9に示すように、本実施の形態1にかか
る半導体レーザ装置の無効電力の値はストライプ幅が
2.8μm程度の場合には従来のBHレーザとほぼ同等
の値を有するが、ストライプ幅が増加するにつれて無効
電力の値は低下し、ストライプ幅が7.0μmまで増加
した場合には、ストライプ幅が2.8μmの場合と比較
して無効電力の値が29%程度低下する。
【0073】さらに、図10は、注入電流値を900m
Aとした場合における、出射されたレーザ光の強度のス
トライプ幅に対する依存性を示すグラフである。なお、
図10において、プロットした点は本実施の形態1にか
かる半導体レーザ装置から出射するレーザ光の強度分布
を示し、直線は従来のBHレーザの出射レーザ光の強度
を示す。
【0074】図10に示すように、本実施の形態1にか
かる半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の強度
は、若干の例外はあるものの全体として従来のBHレー
ザのレーザ光の強度を上回っている。さらに、本実施の
形態1にかかる半導体レーザ装置のレーザ光の強度は、
ストライプ幅の全範囲に渡って従来のBHレーザにおけ
るレーザ光の強度を上回っており、優れた発光効率を有
することが明らかである。
【0075】また、図11は、キンクが生じる電流値の
ストライプ幅に対する依存性を示すグラフである。な
お、図11において、プロットした点は本実施の形態1
にかかる半導体レーザ装置をレーザ発振させた場合に電
流−光強度曲線が不連続となる電流の値を示す。また、
従来技術にかかるBHレーザについては図示を省略した
が、ストライプ幅が2.5μmの場合に1000mA以
下の電流値でキンクが生じる。さらに、本測定において
は、一般に半導体レーザ装置に対して注入される電流範
囲に対応して測定電流範囲を0mAから1000mAの
間としており、かかる電流範囲を超えた電流値でキンク
を生じるケースについては、一律に1000mAの点に
プロットされている。
【0076】図11に示すように、実施の形態1にかか
る半導体レーザ装置では、ストライプ幅が5.8μm以
下の場合には、キンクを生じる電流値は、1000mA
よりも大きな値となることが示されている。従って、本
実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、ストライプ
幅を増加させても通常用いられる電流範囲においてキン
クの発生を防止することが可能であり、キンクが生じる
ことのない、出力が安定した半導体レーザ装置を実現す
ることが可能である。以上、図8〜図11に示した測定
結果から、ストライプ幅として好ましいのは2.5μm
以上、7.0μm以下、より好ましいのは2.8μm以
上、7.0μm以下、さらに好ましいストライプ幅は
2.8μm以上、5.8μm以下となる。
【0077】以上、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置について説明したが、本発明は必ずしも上記のよ
うな構造に限定されず、電流ブロック層9を他の材料で
形成することで上記した効果を得ることが可能である。
たとえば、電流ブロック層9をn型の導電型を有するG
xIn1-xAsy1-y(0<x≦1、0<y≦1)によ
って形成することが可能である。
【0078】さらに、電流ブロック層9を半導体絶縁層
によって形成してもよい。この場合、InPに不純物と
して鉄をドープすることによって電流ブロック層9を形
成することができる。また、AlInAsなどAlを含
む材料を選択酸化することにより形成したAlOxで電
流ブロック層9を形成することもできる。
【0079】また、本実施の形態1にかかる半導体レー
ザ装置を構成する各層の導電型を逆にしても良い。すな
わち、基板1、下部クラッド層2、電流ブロック層9を
p型とし、第1の上部クラッド層6、第2の上部クラッ
ド層8、第3の上部クラッド層10、コンタクト層11
をn型の半導体材料からなるものとしても良い。
【0080】また、第2の上部クラッド層8を配置する
位置について、必ずしも中央付近に配置する必要はな
い。第2の上部クラッド層8を中央から移動した領域に
配置しても水平方向の光閉じ込めが弱い半導体レーザ装
置を実現することは可能である。ただし、出射光の対称
性の観点からは、第2の上部クラッド層8を中央に配置
し、中心に対して対称な位置に電流ブロック層9が配置
されることが望ましい。
【0081】さらに、第1の上部クラッド層6、第2の
上部クラッド層8、第3の上部クラッド層10の出射波
長に対する屈折率を、互いに異なる構造としても良い。
たとえば、層方向の光閉じ込めの程度を制御するため
に、第1の上部クラッド層6、第2の上部クラッド層
8、第3の上部クラッド層10の順に屈折率が低くなる
よう各クラッド層を構成する材料を選択しても良い。こ
のように各クラッド層の屈折率を変化させた場合でも、
水平方向の光閉じ込めを電流ブロック層9によって制御
することが可能である。
【0082】なお、実施の形態1にかかる半導体レーザ
装置において、共振器長を1000μm、第2のクラッ
ド層8の水平方向の幅を4μm、低反射膜15の反射率
を1.5パーセント、高反射膜16の反射率を98パー
セントとしたとき、光出力400mWが得られた。なお
前述したように、低反射膜15の反射率は共振器長に応
じて最適化される。より長い共振器長の場合には、より
低い反射率の時に高出力化に対して最適設計となる。
【0083】(実施の形態2)次に、実施の形態2にか
かる半導体レーザ装置について説明する。図12は、実
施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構造を示す正面
図である。実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、
電流ブロック層を下部クラッド層中に配置された構造を
有する。以下に、実施の形態2にかかる半導体レーザ装
置の構造について、図12を参照して詳説する。なお、
実施の形態2にかかる半導体レーザ装置において、実施
の形態1にかかる半導体レーザ装置と同一または類似の
符号については、以下で特に断らない限り同等の機能を
有し同等の作用をするものとする。
【0084】実施の形態2にかかる半導体レーザ装置
は、基板26上に第3の下部クラッド層27が積層され
ている。第3の下部クラッド層27上の中央領域上に
は、光出射方向に長手方向を有するストライプ形状の第
2の下部クラッド層28が積層されている。また、第3
の下部クラッド層27上であって、第2の下部クラッド
層28が積層されていない領域には、電流ブロック層2
9が積層されている。そして、第2の下部クラッド層2
8および電流ブロック層29上には、順次第1の下部ク
ラッド層30、下部SCH層3、量子井戸層4、上部S
CH層5、上部クラッド層31、コンタクト層32が積
層されている。また、コンタクト層32上にはn側電極
33が配置され、基板26の裏面にはp側電極34が配
置されている。なお、出射側端面には低反射膜が配置さ
れ、反射側端面には高反射膜が配置されているのは実施
の形態1の場合と同様である。
【0085】基板26は、p型の導電型を有するInP
からなる。また、第3の下部クラッド層27、第2の下
部クラッド層28、第1の下部クラッド層30もp型の
導電型を有し、逆に上部クラッド層31、コンタクト層
32はn型の導電型を有する。
【0086】本実施の形態2にかかる半導体レーザ装置
のように、p型の導電型を有する基板を用いた場合、電
流ブロック層29を基板26と量子井戸層4との間に積
層することで次の利点がある。すなわち、電流ブロック
層29を量子井戸層4よりも下層のp型のクラッド層内
に配置することで、上層のn型のクラッド層内に配置し
た場合に比して注入電流の水平方向の広がりを抑制する
ことができる。
【0087】なお、電流ブロック層29は、第2の下部
クラッド層28と異なる半導体材料からなるとしても良
いし、同一の半導体材料で構成して不純物濃度を異なる
ものとしても良い。すなわち、出射されるレーザ光の波
長に対して、第2の下部クラッド層28の屈折率よりも
電流ブロック層29の屈折率が低い値となるように構成
されていればよい。また、大小関係を維持したままで、
互いの屈折率の差分値が小さくなるよう電流ブロック層
29の組成もしくは不純物濃度を調整することで、水平
方向の光閉じ込めが弱くなる構造とすることが好まし
い。
【0088】また、電流ブロック層29が量子井戸層4
とp側電極34との間に配置される構造としたことで、
電流ブロック層29を構成する半導体材料にかかわら
ず、半導体レーザ装置の内部で発生した熱を効率良く外
部に放出することができる。既に述べたように、半導体
レーザ装置はレーザマウント上にジャンクションダウン
方式で固定されるため、半導体レーザ装置内部で発生し
た熱は、n側電極33を介してレーザマウントへ放出さ
れる。したがって、本実施の形態2にかかる半導体レー
ザ装置では、電流ブロック層29の存在によって放熱性
が悪化するといったことはない。そのため、電流ブロッ
ク層29を構成する材料の選択の余地が広くなるという
利点がある。以上の理由により、実施の形態2にかかる
半導体レーザ装置は、電流ブロック層29の構造につい
て、他の特性を犠牲にすることなく、水平方向の光閉じ
込めの制御の観点のみから決定でき、その結果、高い光
出力を有する半導体レーザ装置を実現することができ
る。
【0089】(実施の形態3)次に、実施の形態3にか
かる半導体レーザ装置について説明する。図13は、実
施の形態3にかかる半導体レーザ装置の構造を示す正面
図である。実施の形態3にかかる半導体レーザ装置は、
上部クラッド層および下部クラッド層双方の内部に電流
ブロック層が配置された構造を有する。以下、本実施の
形態3にかかる半導体レーザ装置の構造について、図1
3を適宜参照して説明する。
【0090】本実施の形態3にかかる半導体レーザ装置
は、基板1上に、第3の下部クラッド層36を積層す
る。第3の下部クラッド層36上の中央付近の一部領域
上には、光出射方向に長手方向を有するストライプ形状
の第2の下部クラッド層37が積層され、第2の下部ク
ラッド層37が配置されていない領域上には下部電流ブ
ロック層38が積層されている。第2の下部クラッド層
37および下部電流ブロック層38上には順次第1の下
部クラッド層39、下部SCH層3、量子井戸層4、上
部SCH層5、第1の上部クラッド層40が積層されて
いる。さらに、第1の上部クラッド層40上の中央付近
の一部領域上には、光出射方向に長手方向を有するスト
ライプ形状の第2の上部クラッド層41が積層され、第
2の上部クラッド層41が積層されていない領域上には
上部電流ブロック層42が積層されている。第2の上部
クラッド層41および上部電流ブロック層42上には順
次第3の上部クラッド層43、コンタクト層11が積層
されている。また、コンタクト層11の上部にはp側電
極12が配置され、基板1の裏面にはn側電極13が配
置されているのは実施の形態1〜3と同様である。
【0091】下部電流ブロック層38および上部電流ブ
ロック層42は、いずれも電流の狭窄と水平方向の光閉
じ込めをおこなうためのものである。したがって、下部
電流ブロック層38はp型の導電型の半導体層からな
り、出射レーザ光の波長に対して、第2の下部クラッド
層37よりも低い屈折率を有する。一方、上部電流ブロ
ック層42は、n型の導電型の半導体層からなり、出射
レーザ光の波長に対して、第2の上部クラッド層41よ
りも低い屈折率を有する。ここで、下部電流ブロック層
38および上部電流ブロック層42を構成する半導体材
料は、GaxIn1 -xAsy1-yからなるとしても良い
し、InPであって不純物が高濃度にドープされている
ものでもよい。
【0092】このように、本実施の形態3にかかる半導
体レーザ装置は、量子井戸層4を上下に挟み込むよう
に、上部電流ブロック層42と下部電流ブロック層38
とを備える。したがって、本実施の形態3では、水平方
向の屈折率を制御する半導体層が2つ設けられているこ
とになる。複数の半導体層によって水平方向の光閉じ込
めの制御をおこなうことができ、光閉じ込めの調整が容
易となる。
【0093】(実施の形態4)次に、実施の形態4にか
かる半導体レーザモジュールについて説明する。本実施
の形態4では、実施の形態1〜3にかかる半導体レーザ
装置を用いて半導体レーザモジュールを構成している。
【0094】図14は、この発明の実施の形態4である
半導体レーザモジュールの構成を示す側面断面図であ
る。本実施の形態4にかかる半導体レーザモジュール
は、上述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装
置に対応する半導体レーザ装置52を有する。なお、こ
の半導体レーザ装置52は、基板と反対側がレーザマウ
ント48に接合されるジャンクションダウン構成として
いる。半導体レーザモジュールの筐体として、セラミッ
クなどによって形成されたパッケージ51の内部底面上
に、温度制御装置としての温調モジュール50が配置さ
れる。温調モジュール50上にはベース47が配置さ
れ、このベース47上にはレーザマウント48が配置さ
れる。温調モジュール50には、図示しない電流が与え
られ、その極性によって冷却および加熱をおこなうが、
主として冷却器として機能する。温度制御は、具体的
に、レーザマウント48上であって、半導体レーザ装置
52近傍に配置されたサーミスタ49の検出値を基に制
御され、図示しない制御装置は、通常、レーザマウント
48の温度が一定に保たれるように温調モジュール50
を制御する。
【0095】また、半導体レーザ装置52の温度上昇に
よる発振波長ずれを防止するように温調モジュール50
を制御することもできる。すなわち、温調モジュール5
0は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場
合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の
波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温
度に制御する。この場合、図示しない制御装置は、半導
体レーザ装置52の駆動電流を上昇させるにしたがっ
て、レーザマウント48の温度が下がるように温調モジ
ュール50を制御する。
【0096】このような温度制御をおこなうことによっ
て、半導体レーザ装置52の出力安定性を向上させるこ
とができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、レー
ザマウント48は、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝
導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これ
は、レーザマウント48がダイヤモンドで形成される
と、高電流印加時の発熱が抑制されるからである。
【0097】ベース47上には、半導体レーザ装置52
およびサーミスタ49を配置したレーザマウント48、
第1レンズ53、および光検出器46が配置される。半
導体レーザ装置52から出射されたレーザ光は、第1レ
ンズ53、アイソレータ54、および第2レンズ44を
介し、光ファイバ45上に導波される。第2レンズ44
は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ51上に設
けられ、外部接続される光ファイバ45に光結合され
る。なお、光検出器46は、半導体レーザ装置52の高
反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。光結合系は図
14に示されたような2つのレンズを用いた方式でも良
いし、ファイバの先端をレンズ加工したものを用いるこ
ともできる。
【0098】ここで、この半導体レーザモジュールで
は、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻
らないように、半導体レーザ装置52と光ファイバ45
との間にアイソレータ54を介在させている。
【0099】光ファイバ45内部にはファイバグレーテ
ィングを配置し、半導体レーザ装置52の反射側端面と
共振器を形成する構造とすることも可能である。この場
合、半導体レーザ装置の出射側端面の反射率はなるべく
小さく、好ましくは0.1パーセント程度とし、ファイ
バグレーティングの特性は反射率1.5パーセント程
度、半値幅1.5nm程度とすることがファイバ端出力
の最適化の観点から好適である。このとき、半導体レー
ザモジュールのファイバ端出力として340mW程度が
得られた。アイソレータ54を配置する場合は半導体レ
ーザモジュール内に配置するのではなく、ファイバグレ
ーティングよりも光の出射方向側に配置したインライン
式にする必要がある。
【0100】(実施の形態5)次に、実施の形態5にか
かる光ファイバ増幅器について説明する。この実施の形
態5では、上述した実施の形態4に示した半導体レーザ
モジュールをラマン増幅器に適用したものである。
【0101】図15は、この発明の実施の形態5である
ラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマ
ン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図15
において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態4
に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レ
ーザモジュール60a〜60dを用いた構成となってい
る。
【0102】各半導体レーザモジュール60a、60b
は、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モ
ードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力
し、各半導体レーザモジュール60c、60dは、偏波
面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有
するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここ
で、半導体レーザモジュール60a、60bが発振する
レーザ光は、同一波長である。また、半導体レーザモジ
ュール60c、60dが発振するレーザ光は、同一波長
であるが半導体レーザモジュール60a、60bが発振
するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が
偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61
a、61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光と
して出力するようにしている。
【0103】各偏波合成カプラ61a、61bから出力
された、異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ
62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDM
カプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用
ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増
幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、
ラマン増幅される。
【0104】増幅用ファイバ64内においてラマン増幅
された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およ
びアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67
に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号
光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を
出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力す
る。
【0105】制御回路68は、入力された一部の増幅信
号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60d
のレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増
幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック
制御する。
【0106】この実施の形態5に示したラマン増幅器で
は、実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置が内蔵
された半導体レーザモジュール60aを用いるようにし
ているので、半導体レーザモジュールから出射されるレ
ーザ光の強度を高めることができる。
【0107】なお、図15に示したラマン増幅器では、
偏波合成カプラ61a、61bを用いているが、図16
に示すように半導体レーザモジュール60a、60cか
ら、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WD
Mカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場
合、半導体レーザモジュール60a、60cの偏波面
は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるよう
に入射する。
【0108】また、図15および図16に示したラマン
増幅器は、後方励起方式であるが、前方励起方式であっ
ても、双方向励起方式であっても、安定したラマン増幅
をおこなうことができる。
【0109】たとえば、図17は、前方励起方式を採用
したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図1
7に示したラマン増幅器は、図15に示したラマン増幅
器にWDMカプラ65'をアイソレータ63の近傍に設
けている。このWDMカプラ65'には、半導体レーザ
モジュール60a〜60d、偏波合成カプラ61a、6
1bおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体
レーザモジュール60a'〜60d'、偏波合成カプラ6
1a'、61b'およびWDMカプラ62'を有した回路
が接続され、WDMカプラ62'から出力される励起光
を信号光と同じ方向に出力する前方励起をおこなう。
【0110】同様に、図18は、前方励起方式を採用し
たラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図18
に示したラマン増幅器は、図16に示したラマン増幅器
にWDMカプラ65'をアイソレータ63の近傍に設け
ている。このWDMカプラ65'には、半導体レーザモ
ジュール60a、60cおよびWDMカプラ62にそれ
ぞれ対応した半導体レーザモジュール60a'、60c'
およびWDMカプラ62'を有した回路が接続され、W
DMカプラ62'から出力される励起光を信号光と同じ
方向に出力する前方励起をおこなう。
【0111】また、図19は、双方向励起方式を採用し
たラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図19
に示したラマン増幅器は、図15に示したラマン増幅器
の構成に、図17に示したWDMカプラ65'、半導体
レーザモジュール60a'〜60d'、偏波合成カプラ6
1a'、61b'およびWDMカプラ62'をさらに設
け、後方励起と前方励起とをおこなう。
【0112】同様に、図20は、双方向励起方式を採用
したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図2
0に示したラマン増幅器は、図16に示したラマン増幅
器の構成に、図18に示したWDMカプラ65'、半導
体レーザモジュール60a'、60c'およびWDMカプ
ラ62'をさらに設け、後方励起と前方励起とをおこな
う。
【0113】上述した図15〜図20に示したラマン増
幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用する
ことができる。図21は、図15〜図20に示したラマ
ン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示
すブロック図である。
【0114】図21において、複数の送信機Tx1〜T
xnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器
80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約さ
れる。この光ファイバ85の伝送路上には、図17〜図
20に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅
器81、83が距離に応じて配置され、減衰した光信号
を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号は、
光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信号
に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信され
る。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号
を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multipl
exer)が挿入される場合もある。
【0115】なお、上述した実施の形態5では、実施の
形態1〜3に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形
態4に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用
の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、た
とえば、EDFAなどの励起用光源として用いることが
できるのは明らかである。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜7、請
求項9〜13の発明によれば、電流ブロック層が電流遮
蔽機能とともに水平方向の光分布を制御することとした
ため、電流ブロック層によって水平方向の光閉じ込めが
弱い半導体レーザ装置を実現できる。したがって、水平
方向に光強度分布領域を拡大することができるため、高
出力化が容易であるという効果を奏する。また、層方向
の光閉じ込めとは無関係に水平方向の屈折率を制御する
ことができるため、水平方向の光強度分布を自由に拡大
することができるという効果も奏する。また、素子抵
抗、熱抵抗を小さくできることにより、発光領域の温度
上昇を抑制し、低消費電力、高い信頼性の半導体レーザ
装置を実現できるという効果も奏する。
【0117】さらに、高出力の半導体レーザ装置におい
ては、COD(Catastrophic Optical Damage)の発生を
抑制することも重要である。そのためには、半導体レー
ザ装置内部における光密度を低減することが望ましい。
あまりにも強く光を閉じ込めた場合、一部に光が集中す
ることで光が集中した領域における光密度が所定の値を
超えることによって、CODが発生するおそれがあるた
めである。請求項1〜7、請求項9〜13の発明によれ
ば、水平方向の光閉じ込めが弱い半導体レーザ装置を実
現できるため、発光領域における光密度を低くすること
ができ、CODの発生を抑制することができる。COD
の発生を抑制することで、高出力、高信頼性の半導体レ
ーザ装置を実現できるという効果を奏する。
【0118】また、請求項8の発明によれば、電流ブロ
ック層の屈折率を不純物濃度によって制御することとし
たため、屈折率変化の自由度が向上し、水平方向の光強
度分布を自由に制御して高出力の半導体レーザ装置を実
現できるという効果を奏する。
【0119】また、請求項14、請求項15の発明によ
れば、光ファイバに対して高出力のレーザ光を出射する
ことのできる半導体レーザモジュールを実現できるとい
う効果を奏する。
【0120】また、請求項16、請求項17の発明によ
れば、励起光源に高出力の半導体レーザ装置を使用する
ことができ、増幅利得の大きな光ファイバ増幅器を実現
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の構造
を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の水平
方向の光閉じ込めを説明するための図である。
【図4】(a)は、従来の半導体レーザ装置の水平方向
の光強度分布について示すグラフであり、(b)は、本
実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の水平方向の光
強度分布について示すグラフである。
【図5】(a)〜(c)は、実施の形態1にかかる半導
体レーザ装置の製造工程を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、実施の形態1にかかる半導
体レーザ装置の製造工程を示す図である。
【図7】(a)〜(c)は、実施の形態1にかかる半導
体レーザ装置の別の製造方法について、一部の工程を示
す図である。
【図8】ストライプ幅の変動に対する消費電力の変化を
測定した結果を示すグラフである。
【図9】ストライプ幅の変動に対する無効電力の変化を
測定した結果を示すグラフである。
【図10】ストライプ幅の変動に対する出射されるレー
ザ光の強度の変化を測定した結果を示すグラフである。
【図11】ストライプ幅の変動に対するキンク発生電流
値の変化を測定した結果を示すグラフである。
【図12】実施の形態2にかかる半導体レーザ装置の構
造を示す正面図である。
【図13】実施の形態3にかかる半導体レーザ装置の構
造を示す正面図である。
【図14】実施の形態4にかかる半導体レーザモジュー
ルの構造を示す側面断面図である。
【図15】実施の形態5にかかる光ファイバ増幅器の構
成を示すブロック図である。
【図16】実施の形態5にかかる光ファイバ増幅器の応
用例を示すブロック図である。
【図17】実施の形態5にかかる光ファイバ増幅器の変
形例であって、前方励起方式を採用した光ファイバ増幅
器の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示した光ファイバ増幅器の応用例を
示すブロック図である。
【図19】実施の形態5にかかる光ファイバ増幅器の変
形例であって、双方向励起方式を採用した光ファイバ増
幅器の構成を示すブロック図である。
【図20】図19に示した光ファイバ増幅器の応用例を
示すブロック図である。
【図21】実施の形態5にかかる光ファイバ増幅器を用
いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック図で
ある。
【図22】従来のBHレーザの構造を示す概略斜視図で
ある。
【図23】従来のリッジ構造レーザの構造を示す概略斜
視図である。
【符号の説明】
1、26 基板 2 下部クラッド層 3 下部SCH層 4 量子井戸層 5 上部SCH層 6 第1の上部クラッド層 8 第2の上部クラッド層 9、29 電流ブロック層 10 第3の上部クラッド層 11、32 コンタクト層 12、34 p側電極 13、33 n側電極 15 低反射膜 16 高反射膜 18 第1領域 19 第2領域 20 第2領域 21 n型InP層 22 SiNxマスクパターン 23 エッチングストップ層 24 p型InP層 25 SiNxマスクパターン 27 第3の下部クラッド層 28 第2の下部クラッド層 30 第1の下部クラッド層 31 上部クラッド層 36 第3の下部クラッド層 37 第2の下部クラッド層 38 下部電流ブロック層 39 第1の下部クラッド層 40 第1の上部クラッド層 41 第2の上部クラッド層 42 上部電流ブロック層 43 第3の上部クラッド層 44 第2レンズ 45 光ファイバ 46 光検出器 47 ベース 48 レーザマウント 49 サーミスタ 50 温調モジュール 51 パッケージ 52 半導体レーザ装置 53 第1レンズ 54 アイソレータ 60a、60b、60c、60d 半導体レーザモジュ
ール 61a、61b 偏波合成カプラ 62 カプラ 63 アイソレータ 64 増幅用ファイバ 65 カプラ 66 アイソレータ 67 モニタ光分配用カプラ 68 制御回路 70 信号光出力ファイバ 71 偏波面保持ファイバ 71a 偏波面保持ファイバ 80 光合波器 81、83 ラマン増幅器 84 光分波器 85 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/50 610 H01S 5/50 610 (72)発明者 吉田 順自 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA01 AA03 AA07 AA45 AA75 AA76 AA77 AB13 AB27 AB28 BA01 CA12 CB02 FA02 FA07 FA08 FA25

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に積層された下部クラッド
    層および上部クラッド層と、該二つのクラッド層間に積
    層された活性層とを備えた半導体レーザ装置であって、 前記活性層から1200nm以上、1600nm以下の
    波長であって出力が80mW以上のレーザ光を出射し、 前記下部クラッド層および前記上部クラッド層の少なく
    とも一方の内部領域において、電流を遮蔽する電流ブロ
    ック層と、該電流ブロック層に隣接して配置されて前記
    レーザ光の出射方向にストライプ形状を有し、電流を通
    過させる電流通過層とを備え、前記電流ブロック層によ
    って水平方向の光分布を制御することを特徴とする半導
    体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 InP基板上に積層された下部クラッド
    層および上部クラッド層と、該二つのクラッド層間に積
    層された活性層とを備えた半導体レーザ素子であって、 前記下部クラッド層および前記上部クラッド層の少なく
    とも一方の内部領域において、InPを含み電流を遮蔽
    する電流ブロック層と、該電流ブロック層に隣接して配
    置されて前記レーザ光の出射方向にストライプ形状を有
    し、電流を通過させる電流通過層とを備え、前記電流ブ
    ロック層によって水平方向の光分布を制御することを特
    徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記電流通過層のストライプ幅は、2.
    5μm以上、7.0μm以下であることを特徴とする請
    求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記活性層から1200nm以上、16
    00nm以下の波長であって出力が80mW以上のレー
    ザ光を出射することを特徴とする請求項2または3に記
    載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板がInP基板であり、前
    記電流ブロック層がGaxIn1-xAsy1-y(0<x≦
    1、0<y≦1)を含むことを特徴とする請求項1に記
    載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記電流通過層を含む領域の実効屈折率
    と前記電流ブロック層を含む領域の実効屈折率の差分値
    は、0.01以下であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 光出射方向の長さが800μm以上、3
    200μm以下であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記電流ブロック層は、前記電流通過層
    の導電型と異なる導電型の半導体層を含むことを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体レーザ
    装置。
  9. 【請求項9】 前記電流ブロック層は、前記電流通過層
    の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有することを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体レー
    ザ装置。
  10. 【請求項10】 前記電流ブロック層の不純物濃度は、
    1.5×1018cm -3以上、9×1018cm-3以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載
    の半導体レーザ装置。
  11. 【請求項11】 前記電流ブロック層に含まれる半導体
    材料は、出射されるレーザ光のエネルギーよりも大きな
    禁制帯幅を有することを特徴とする請求項1〜10のい
    ずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 前記電流ブロック層は、レーザ光出射
    方向側面近傍における屈折率が前記電流通過層近傍にお
    ける屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1〜11
    のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 前記電流ブロック層は、半導体絶縁層
    を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つ
    に記載の半導体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 前記活性層は、順次積層された下部S
    CH層、量子井戸層、上部SCH層を備えたことを特徴
    とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の半導体レ
    ーザ装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一つに記載
    の半導体レーザ装置と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
    導波する光ファイバと、 前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとを光結合する
    光結合レンズ系と、 少なくとも前記半導体レーザ装置と前記光結合レンズ系
    とを収納するパッケージと、 を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  16. 【請求項16】 前記半導体レーザ装置の光出力を測定
    する光検出器と、 前記半導体レーザ装置の温度を制御する温調モジュール
    と、 アイソレータと、 をさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の半
    導体レーザモジュール。
  17. 【請求項17】 請求項1〜14のいずれか一つに記載
    の半導体レーザ装置若しくは請求項15または16に記
    載の半導体レーザモジュールを備えた励起光源と、 信号光を伝送する光ファイバと、 該光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、 前記励起光源から出射される励起光を増幅用光ファイバ
    に入射させるためのカプラと、 を備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  18. 【請求項18】 前記増幅用光ファイバは、ラマン増幅
    により光を増幅することを特徴とする請求項17に記載
    の光ファイバ増幅器。
JP2003037298A 2002-02-14 2003-02-14 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器 Pending JP2003309327A (ja)

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WO2005104318A1 (ja) * 2004-04-23 2005-11-03 Mitsubishi Chemical Corporation 半導体発光装置
JP2007158353A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Korea Electronics Telecommun 埋め込み型リッジ導波路レーザダイオード

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