JP2004031703A - セラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属板を位置精度よくセラミック基板に接合できない。
【解決手段】セラミック基板1および回路パターン形状の金属板4を準備する工程と、セラミック基板1の表面に活性金属ろう材ペーストを印刷して金属板4の回路パターン形状の活性金属ろう材ペースト層2を形成する工程と、活性金属ろう材ペースト層2の表面に活性金属ろう材ペーストを部分的に塗布して複数の突起部3を形成する工程と、活性金属ろう材ペースト層2上に突起部3を介して金属板4を載置するとともに、非酸化性雰囲気中で加熱して、活性金属ろう材ペースト層2および突起部3を加熱・溶融して成る活性金属ろう材層5でセラミック基板1と金属板4とを接合する工程とを順次行なうことを特徴とするセラミック回路基板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック基板にパターン形状の金属板を活性金属ろう材層を介して接合して成るセラミック回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、パワーモジュール用基板やスイッチングモジュール用基板等の回路基板として、セラミック基板上に銀−銅合金にチタン・ジルコニウム・ハフニウムおよびこれらの水素化物の少なくとも1種を添加して成る活性金属ろう材を介して銅等から成る金属板を接合させたセラミック回路基板が用いられている。
【0003】
このようなセラミック回路基板は、セラミック基板が一般には、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・窒化珪素質焼結体・ムライト質焼結体等の電気絶縁性のセラミック材料から成っており、例えば、セラミック基板が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、以下の方法によって製作される。
【0004】
まず、セラミック基板と活性金属ろう材ペーストを準備する。
セラミック基板は、例えば、酸化アルミニウムや酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダ・可塑剤・溶剤等を添加混合して泥漿状と成すとともにこれを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術を採用して複数のセラミックグリーンシートを得た後、これらを所定寸法に形成し、さらにセラミックグリーンシートを必要に応じて上下に積層するとともに還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成し、セラミックグリーンシートを焼結一体化させることによって製作される。
【0005】
他方、活性金属ろう材ペーストは銀−銅合金粉末にチタン・ジルコニウム・ハフニウムおよびこれらの水素化物の少なくとも1種を添加して成る活性金属ろう材粉末に、有機溶剤と溶媒を添加混合することにより製作される。
【0006】
次に、セラミック基板上に、活性金属ろう材ペーストを金属板のパターン形状に印刷した後、活性金属ろう材ペーストを間に挟んで銅等から成る金属板を載置する。なお、この時、金属板の表面は活性金属ろう材ペーストの表面と全面で接触した状態となっている。そして最後に、非酸化性雰囲気中で約900℃の温度に加熱し、セラミック基板に活性金属を介して銀−銅合金から成る活性金属ろう材を接合させるとともに活性金属ろう材を金属板に接合させることによってセラミック回路基板が製作される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のセラミック回路基板の製造方法においては、金属板の表面が活性金属ろう材ペーストの表面と全面で接触していることから、昇温時の金属板の熱膨張によって、セラミック基板上の活性金属ろう材ペーストが熱膨張係数の大きい金属板に引きずられて金属板の外側にはみ出して広がってしまうとともに、金属板を位置精度よく接合できないという問題点を有していた。
【0008】
また、隣接して金属板を接合した場合、金属板間にはみ出した金属ろう材ペースト同士が接触し、金属板間を電気的に短絡させてしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、金属板をセラミック基板上に位置精度よく、強固に接合できるセラミック回路基板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック回路基板の製造方法は、セラミック基板および回路パターン形状の金属板を準備する工程と、セラミック基板の表面に活性金属ろう材ペーストを印刷して金属板の回路パターン形状の活性金属ろう材ペースト層を形成する工程と、活性金属ろう材ペースト層の表面に活性金属ろう材ペーストを部分的に塗布して複数の突起部を形成する工程と、活性金属ろう材ペースト層上に突起部を介して金属板を載置するとともに、非酸化性雰囲気中で加熱して、活性金属ろう材ペースト層および突起部を加熱・溶融して成る活性金属ろう材層でセラミック基板と金属板とを接合する工程とを順次行なうことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のセラミック回路基板の製造方法は、上記構成において、突起部の高さが0.05〜0.2mmであり、底部の直径が0.2〜1mmであり、突起部間の間隔が3〜10mmであることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のセラミック回路基板の製造方法によれば、活性金属ろう材ペースト層の表面に複数の突起部を形成し、しかる後、活性金属ろう材ペースト層上に突起部を介して金属板を載置するとともに、非酸化性雰囲気中で加熱してセラミック基板と金属板とを活性金属ろう材ペーストを加熱・溶融して成る活性金属ろう材層で接合させることから、活性金属ろう材ペーストが溶融するまでの間、金属板は突起部を介して活性金属ろう材ペースト層と接触していることから、昇温時に金属板が熱膨張したとしても、セラミック基板上の活性金属ろう材ペーストが金属板に引きずられて金属板の外側にはみ出して広がってしまうことはなく、その結果、金属板をセラミック基板上に位置精度良く接合することができる。また、隣接して金属板を接合した場合においても、金属板間に金属ろう材ペーストがはみ出すことはなく、金属ろう材ペースト同士が接触し金属板間で電気的に短絡することもない。
【0013】
また、本発明のセラミック回路基板の製造方法によれば、上記構成において、突起部の高さを0.05〜0.2mm、底部の直径を0.2〜1mm、突起部間の間隔を3〜10mmとしたことから、突起部が活性金属ろう材の溶融温度に達した時に活性金属ろう材ペースト層の溶融とほぼ同時に溶融して押し潰され、セラミック基板と金属板との間に空隙を作ることなく良好に接合することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のセラミック回路基板の製造方法を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明のセラミック回路基板の製造方法の実施の形態の一例を示す工程毎の断面図である。図1において、(a)はセラミック基板の表面に活性金属ろう材ペーストを印刷塗布して、回路パターン形状の活性金属ろう材ペースト層を形成した一例を示す断面図、(b)は活性金属ろう材ペースト層の表面に活性金属ろう材ペーストを塗布して複数の突起部を形成した一例を示す断面図、(c)は活性金属ろう材ペースト層の表面に、突起部を介して金属板を載置した一例を示す断面図、(d)はセラミック基板と金属板と活性金属ろう材層とから成るセラミック回路基板の一例を示す断面図である。
【0015】
これらの図において、1はセラミック基板、2は活性金属ろう材ペースト層、3は突起部、4は金属板、5は活性金属ろう材層、6はセラミック回路基板である。
【0016】
まず、セラミック基板1と金属板4とを準備する。なお、ここでは、2枚の金属板4を準備した例を示す。
セラミック基板1は、その厚みが0.1〜1mmであり、酸化アルミニウム質焼結体やムライト質焼結体・炭化珪素質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・窒化珪素質焼結体等の電気絶縁材料から成り、例えば、セラミック基板1が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ・可塑剤・溶剤を添加混合して泥漿状となすとともにこの混合物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、しかる後、セラミックグリーンシートに必要な打ち抜き加工を施すとともにこれを、あるいはこれを複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
【0017】
金属板4は、銅等の金属材料から成り、例えば、銅等のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって、厚さが0.05〜1mmの複数の所定の回路パターンに形成される。なお、金属板4は、これを無酸素銅で形成しておくと、無酸素銅はろう付けの際に銅の表面が銅の内部に存在する酸素により酸化されることがなく活性金属ろう材との濡れ性が良好となり、セラミック基板1への活性金属ろう材を介しての接合が強固なものとなる。従って、金属板4はこれを無酸素銅で形成することが好ましい。
【0018】
次に、活性金属ろう材ペーストを準備する。活性金属ろう材ペーストは、銀および銅粉末、または銀−銅合金粉末、あるいはこれらの混合粉末から成るろう材粉末と、チタン・ジルコニウム・ハフニウムおよびこれらの水素化物の少なくとも1種より成る活性金属粉末とから成る活性金属ろう材粉末に、適当な有機溶剤・溶媒を添加混合し、混練することによって製作される。
【0019】
なお、活性金属ろう材ペーストに融点が1200℃以上で平均粒径が1〜10μmの高融点金属粉末を5〜20重量%添加することにより、活性金属ろう材ペーストが加熱され溶融した際に高融点金属粉末とろう材との接触による抵抗によって、溶融した活性金属ろう材の粘度が高くなり、活性金属ろう材の流動を良好に抑制することができる。また、ろう材粉末の粒径は1μm未満となると、ろう材粉末の比表面積が大きくなってろう材粉末表面に形成される酸化皮膜中に多くの酸素が存在し、この酸素によって活性金属ろう材のセラミック基板1および金属板4に対する濡れ性が低下して、セラミック基板1と金属板4との接合強度が低下してしまう危険性がある。従って、ろう材粉末は、その粒径を1μm以上としておくことが好ましい。
【0020】
活性金属ろう材中の銀および銅粉末、または銀−銅合金粉末、あるいはこれらの混合粉末から成るろう材粉末は活性金属ろう材を金属板4に強固に接合する作用をなし、例えば、共晶合金から成る場合は、銀および銅がそれぞれ72重量%および28重量%含有されている共晶合金で形成されている。
【0021】
さらに、チタン・ジルコニウム・ハフニウムおよびこれらの水素化物の少なくとも1種より成る活性金属粉末は、活性金属ろう材をセラミック基板1に強固に接着する作用をなし、活性金属粉末の含有量が2重量%未満となると活性金属の絶対量が不足して活性金属ろう材をセラミック基板1に強固に接着させることが困難となる傾向があり、また5重量%を超えると活性金属ろう材層5とセラミック基板1との間に脆弱な反応層が厚く形成され、結果的に活性金属ろう材層5とセラミック基板1との接着強度が低下してしまう危険性がある。従って、活性金属粉末の含有量は2〜5重量%の範囲にしておくことが好ましい。
【0022】
次に、図1(a)に断面図で示すように、セラミック基板1の表面に活性金属ろう材ペーストを従来周知のスクリーン印刷法を用いて、例えば20〜50μmの厚みで印刷・乾燥して、金属板4の回路パターン形状の活性金属ろう材ペースト層2を形成する。
【0023】
次に、図1(b)に断面図で示すように、活性金属ろう材ペースト層2の表面に、活性金属ろう材ペーストを塗布・乾燥して、複数の突起部3を形成する。そして本発明のセラミック回路基板6の製造方法においては、このことが重要である。
【0024】
本発明のセラミック回路基板6の製造方法によれば、活性金属ろう材ペースト層2の表面に複数の突起部3を形成したことから、後述する活性金属ろう材ペースト層2上に金属板4を突起部3を介して載置するとともに、非酸化性雰囲気中で加熱してセラミック基板1と金属板4とを活性金属ろう材ペーストを加熱・溶融して成る活性金属ろう材層5を介して接合させる際に、昇温時に金属板4が熱膨張したとしても、金属板4は、加熱温度が活性金属ろう材の溶融温度まで上昇する間は突起部3で支えられて活性金属ろう材ペースト層2とは直接接触しないため、活性金属ろう材ペースト層2が金属板4の熱膨張に引きずられて広がることはなく、その結果、金属板4をセラミック基板1上に位置精度良く接合することができる。また、隣接して金属板4を接合した場合においても、金属板4間に金属ろう材ペーストがはみ出すことはなく、金属ろう材ペースト同士が接触し金属板4間で電気的に短絡することもない。
【0025】
このような突起部3は、その高さを0.05〜0.2mm、底部の直径を0.2〜1mm、突起部3間の間隔を3〜10mmで形成することが好ましい。突起部3の高さを0.05〜0.2mm、底部の直径を0.2〜1mm、突起部3間の間隔を3〜10mmで形成することにより、突起部3が活性金属ろう材の溶融温度に達した時に活性金属ろう材層2の溶融とほぼ同時に溶融して押し潰され、セラミック基板1と金属板4との間に空隙を作ることなく良好に接合することができる。
【0026】
なお、突起部3の高さが0.05mm未満の場合、金属板4と活性金属ろう材ペースト層2とが接触してしまう傾向があり、昇温時の金属板4の熱膨張により活性金属ろう材ペースト層2が金属板4に引きずられ、隣接する金属板4の間に活性金属ろう材がはみ出し、隣接する金属板4間で電気的な短絡を発生させる危険性がある。また、0.2mmを超えると、加熱した際に突起部3が潰れにくくなり、金属板4と後述する活性金属ろう材が加熱溶融して成る活性金属ろう材層5との間に隙間を発生させ、金属板4と活性金属ろう材層5の接合を妨げる危険性がある。従って、突起部3の高さは、0.05〜0.2mmにすることが重要である。
【0027】
また、突起部3の底部の直径が0.2mm未満の場合、突起部3が加熱により活性金属ろう材ペースト層2の溶融よりも早く潰れ易くなり、金属板4と活性金属ろう材ペースト層2とが活性金属ろう材ペースト層2の溶融前に接触してしまい、昇温時の金属板4の熱膨張により活性金属ろう材ペースト層2が引きずられ、隣接する金属板4の間に活性金属ろう材がはみ出し、隣接する金属板4間で電気的な短絡を発生させる危険性がある。さらに、突起部3の底部の直径が1mmを超えると、加熱した際に突起部3が潰れにくくなり、金属板4と後述する活性金属ろう材が加熱溶融して成る活性金属ろう材層5との間に隙間を発生させ、金属板4と活性金属ろう材層5の接合を妨げる危険性がある。従って、突起部3の底部の直径は、0.2〜1.0mmにすることが重要である。
【0028】
さらに、突起部3の間隔が10mmを超えると、突起部3の密度が低くなり突起部3が加熱により活性金属ろう材ペースト層2の溶融よりも早く潰れ易くなり、金属板4と活性金属ろう材ペースト層2とが活性金属ろう材ペースト層2の溶融前に接触してしまい、昇温時の金属板4の熱膨張により活性金属ろう材ペースト層2が引きずられ、隣接する金属板4の間に活性金属ろう材がはみ出し、隣接する金属板4間で電気的な短絡を発生させる危険性がある。また、突起部3の間隔が3mm未満になると、突起部3の密度が高くなり加熱した際に突起部3が潰れにくくなり、金属板4と後述する活性金属ろう材が加熱溶融して成る活性金属ろう材層5との間に隙間を発生させ、金属板4と活性金属ろう材層5の接合を妨げる危険性がある。従って、突起部3の間隔は、3〜10mmにすることが重要である。
【0029】
なお、本発明においては、突起部3の間隔とは隣接する突起部3の底面の中心間の距離を示している。また、突起部3の形状は円錐形または略円錐形状であり、先端が特に尖っている必要はなく、先端の形状は円弧状、平坦であってもよい。
【0030】
次に、図1(c)に断面図で示すように、活性金属ろう材ペースト層2上に金属板4を突起部3を介して載置する。そしてこれらを非酸化性雰囲気中で加熱することにより、図1(d)に断面図で示すように、セラミック基板1と金属板4とを活性金属ろう材ペーストを加熱・溶融して成る活性金属ろう材層5を介して接合させる。
【0031】
また、本発明のセラミック回路基板の製造方法においては、金属板4の縦または横方向の長さが4mmを超える場合、4mmを超える長さ方向において、突起部3が活性金属ろう材ペースト層2の端から2mm以上内側の領域にのみ形成されていることが好ましい。このようにすると、活性金属ろう材ペースト層2の端から2mm未満外側の領域では活性金属ろうペースト層2と金属板4とは接触することはなく、その結果、活性金属ろう材ペースト層2の端から2mm未満外側の領域は、金属板4の熱膨張に引きずられて広がることがより防止され、その結果、隣接する金属板4間で短絡することのない、より信頼性の高いセラミック回路基板6とすることができる。
【0032】
なお、金属板4の縦または横方向の長さが4mm程度の場合、金属板を4を突起部3上に安定に載置することが困難となるが、このような場合は、固定治具を用いて金属板4が突起部のみと接するようにして活性金属ろう材ペースト層2と突起部3とを溶融すればよい。
【0033】
金属板4と活性金属ろう材層5との接合は、金属板4を載置した後、活性金属ろう材ペースト層2・突起部3を、金属板4に5〜10kPaの荷重をかけながら水素ガス雰囲気や水素・窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で780℃〜900℃、10〜120分間加熱し、活性金属ろう材ペースト中の有機溶剤や溶媒・分散剤を気散させるとともに活性金属ろう材を溶融させることによって行なわれる。
【0034】
なお、セラミック回路基板6製作後、金属基板4のセラミック基板1と対向する面には、それぞれの突起部3に対応する位置に穴が形成される。これは、活性金属ろう材を溶融させる際に硬度が低くなった金属板4の表面を突起部3がその形状に押し上げることにより形成されるものであり、その直径が0.1〜2mm、深さが1〜20μmの略錐形状の穴である。
【0035】
また、金属板4の表面にニッケル等の良導電性で、かつ耐蝕性および活性金属ろう材層5との濡れ性が良好な金属をめっき法により被着させておくと、金属板4と外部電気回路との電気的接続を良好と成すとともに金属板4に半導体素子等の電子部品を強固に接着させることができる。
【0036】
さらに、ニッケルめっき層を燐(P)を8〜15重量%含有させたニッケル−燐のアモルファス合金としておくと、ニッケルめっき層の表面酸化を良好に防止することができる。なお、ニッケルめっき層に含有される燐が8重量%未満となるとニッケルめっき層は酸化しやすいニッケル−燐の多結晶構造と成って金属板4に半導体素子等の電子部品を半田等の接着材を介して強固に電気的に接続することができず、また、15重量%を超えるとニッケルめっき層を形成する際、燐が単独に、また優先的に析出してニッケル−燐のアモルファス合金を形成することができなくなる。従って、ニッケルめっき層の内部に含有される燐の量は8〜15重量%の範囲に特定され、好適には10〜15重量%の範囲が好ましい。
【0037】
なお、金属板4の表面に被着されるニッケルめっき層は、その厚みが1.5μm未満の場合、金属板4の表面をニッケルめっき層で完全に被覆することができず、金属板4の酸化腐蝕を有効に防止することができなくなり、また3μmを超えるとニッケルめっき層の内部に内在する内在応力が大きくなってセラミック基板1に反りや割れ等が発生してしまう。特にセラミック基板1の厚さが700μm以下の薄いものになった場合にはこのセラミック基板1の反りや割れ等が顕著となってしまう。従って、金属板4の表面に被着されるニッケルめっき層は、その厚みを1.5〜3μmの範囲としておくことが好ましい。
【0038】
かくして本発明のセラミック回路基板の製造方法によれば、セラミック基板上に金属板4を、隣接する金属板4間に電気的短絡を発生することなく、強固に接着させることができるセラミック回路基板を提供することが可能となる。
【0039】
(実施例)
効果の確認を行なうため、次の実験を行なった。なお、ここでは活性金属ろう材から成る突起部の形状・配置について決定した実験例を示す。
突起部の高さ・径・突起部の配置位置を変化させたセラミック回路基板を作成し、セラミック回路基製作後の、回路パターン形状の活性金属ろう材層の引きずりの有・無およびセラミック基板と金属板との間のボイドの有・無を評価した。
【0040】
なお、活性金属ろう材層の引きずりの有・無は、活性金属ろう材層の端がセラミック回路基板の製作前後で0.2mm以上変化したものを引きずり有りとした。また、ボイドの有・無は、セラミック回路基板の製作後に径が0.1mmφ以上のボイドがある場合をボイド有りとした。なお、各実施例において、基板の大きさは100mm×100mm、回路パターンの大きさは98mm×98mmとした。
【0041】
(実施例1)
突起部の高さを0.03〜0.22mmで変化させて実験を行なった。なお、この時、突起部の底部の径が0.5mm、突起部同士の間隔が5mmとなるように突起部を形成した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004031703
【0043】
実験結果より、突起の高さが、0.2mmを超えるとセラミック回路基板製作後のセラミック基板と金属板との間にボイドが発生し、0.05mm未満ではセラミック回路基板製作後の回路パターン形状の活性金属ろう材層の引きずりが発生することが判った。
【0044】
(実施例2)
次に突起部の底部の径を0.1〜1.2mmで変化させて実験を行なった。なお、この時、突起部の高さが0.1mm、突起部同士の間隔が5mmとなるように突起部を形成した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 2004031703
【0046】
実験結果より、突起部の底部の径が1.2mmを超えるとセラミック回路基板製作後のセラミック基板と金属板との間にボイドが発生した。また、0.2mm未満では突起部の形成が困難であった。
【0047】
(実施例3)
次に突起部の間隔および配置位置について、突起部の間隔を2〜12mmに変化させて実験を行なった。た。なお、この時、突起部の高さが0.1mm、突起部の径が0.5mmとなるように突起部を形成した。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 2004031703
【0049】
実験結果より、突起部の間隔が3mm未満では、接合後のセラミック基板と金属板との間にボイドが発生し、突起部の間隔が10mmを超えると接合後に活性金属ろう材層の引きずりが発生した、また、突起部の間隔が1mmの時、回路パターン端から2mm以内の部分に配置されている突起部で活性金属ろう材層の引きずりがみられた。従って、突起部の間隔は3〜10mmが好ましい。かつ、回路パターン形状の端から2mm以上内側に配置するのが好ましい。
【0050】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例ではセラミック基板がアルミニウム質焼結体で形成された例を示したが、電子部品が多量の熱を発し、この熱を効率良く除去したい場合にはセラミック基板を熱伝導率の高い窒化アルミニウム質焼結体や窒化珪素質焼結体で形成すれば良く、金属板に高速で電気信号を伝播させたい場合には、セラミック基板1を誘電率の低いムライト質焼結体で形成すれば良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明のセラミック回路基板の製造方法によれば、活性金属ろう材ペースト層の表面に複数の突起部を形成し、しかる後、活性金属ろう材ペースト層上に突起部を介して金属板を載置するとともに、非酸化性雰囲気中で加熱してセラミック基板と金属板とを活性金属ろう材ペーストを加熱・溶融して成る活性金属ろう材層で接合させることから、活性金属ろう材ペーストが溶融するまでの間、金属板は突起部を介して活性金属ろう材ペースト層と接触していることから、昇温時に金属板が熱膨張したとしても、セラミック基板上の活性金属ろう材ペーストが金属板に引きずられて金属板の外側にはみ出して広がってしまうことはなく、その結果、金属板をセラミック基板上に位置精度良く接合することができる。また、隣接して金属板を接合した場合においても、金属板間に金属ろう材ペーストがはみ出すことはなく、金属ろう材ペースト同士が接触し金属板間で電気的に短絡することもない。
【0052】
また、本発明のセラミック回路基板の製造方法によれば、上記構成において、突起部の高さを0.05〜0.2mm、底部の直径を0.2〜1mm、突起部間の間隔を3〜10mmとしたことから、突起部が活性金属ろう材の溶融温度に達した時に活性金属ろう材ペースト層の溶融とほぼ同時に溶融して押し潰され、セラミック基板と金属板との間に空隙を作ることなく良好に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明のセラミック回路基板の製造方法の工程毎の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・セラミック基板
2・・・・・・・活性金属ろう材ペースト層
3・・・・・・・突起部
4・・・・・・・金属板
5・・・・・・・活性金属ろう材層
6・・・・・・・セラミック回路基板

Claims (2)

  1. セラミック基板および回路パターン形状の金属板を準備する工程と、
    前記セラミック基板の表面に活性金属ろう材ペーストを印刷して前記金属板の回路パターン形状の活性金属ろう材ペースト層を形成する工程と、
    前記活性金属ろう材ペースト層の表面に前記活性金属ろう材ペーストを部分的に塗布して複数の突起部を形成する工程と、
    前記活性金属ろう材ペースト層上に前記突起部を介して前記金属板を載置するとともに、非酸化性雰囲気中で加熱して、前記活性金属ろう材ペースト層および前記突起部を加熱・溶融して成る活性金属ろう材層で前記セラミック基板と前記金属板とを接合する工程と
    を順次行なうことを特徴とするセラミック回路基板の製造方法。
  2. 前記突起部は高さが0.05〜0.2mmであり、底部の直径が0.2〜1mmであり、前記突起部間の間隔が3〜10mmであることを特徴とする請求項1記載のセラミック回路基板の製造方法。
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CN114380614A (zh) * 2022-01-17 2022-04-22 杨晓战 高刻蚀精度陶瓷覆金属板、制备方法及芯片封装模块

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