JP2004029650A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性のある保護膜を備える。
【解決手段】液晶を挟持する一対の基板と、少なくとも反射領域を有する複数の画素とを備えた液晶表示装置であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の上に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する第1の膜と、
前記第1の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第1の膜よりも上層に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する反射膜と、
前記反射膜と分離され、前記反射膜と同じ材料で同時に形成される第2の膜と、
前記第2の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第2の膜よりも上層に形成された保護膜とを有し、
前記第1の膜が無機膜であり、前記保護膜が無機保護膜である。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶を挟持する一対の基板と、少なくとも反射領域を有する複数の画素とを備えた液晶表示装置であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の上に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する第1の膜と、
前記第1の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第1の膜よりも上層に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する反射膜と、
前記反射膜と分離され、前記反射膜と同じ材料で同時に形成される第2の膜と、
前記第2の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第2の膜よりも上層に形成された保護膜とを有し、
前記第1の膜が無機膜であり、前記保護膜が無機保護膜である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に係り、特に、少なくとも光反射型モードで用いることのできる液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも光反射型モードで用いることのできる液晶表示装置は、その画素領域において形成される画素電極がたとえばアルミニウム等の光反射効率の良好な材料で形成されている。
【0003】
すなわち、液晶を介して対向配置される各基板のうち一方の基板の液晶側の面に、並設された複数のゲート信号線とこれら各ゲート信号線に交差して並設された複数のドレイン信号線が形成され、これら各信号線によって囲まれた領域を画素領域としている。
【0004】
そして、これら各画素領域には、ゲート信号線からの走査信号の供給によって動作するスイッチング素子と、このスイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極を少なくとも備えて画素を構成している。
【0005】
ここで、該画素電極は、画素領域の一部あるいは全域に光反射効率の良好な材料で形成され、他方の基板の液晶側の面に形成された透光性の対向電極との間に液晶を挟んで電界を発生せしめるようになっている。
【0006】
なお、該画素電極が画素領域の全域に形成されている場合に全反射型の液晶表示装置として用いられ、画素領域の一部に形成されている場合に一部反射型(一部透過型)の液晶表示装置として用いられるようになっている。
【0007】
一部反射型においては、画素領域のうち光反射効率の良好な画素電極が形成されている部分以外の他の領域に前記画素電極と電気的に接続された透光性の他の画素電極も形成され、この部分において光透過型として機能するようになっている。
【0008】
また、このような構成の液晶表示装置において、光反射効率の良好な画素電極が直接形成される下層の絶縁膜に凹部が形成される場合があり、この凹部によって該画素電極の表面に凹凸を顕在化させたものが知られている。
該画素電極によって反射される反射光を該凹凸によって充分散乱させるためである。
【0009】
そして、光反射効率の良好な画素電極が直接形成される下層の前記絶縁膜の材料としてたとえば樹脂等からなる有機材料層を用いたものが知られている。
前記絶縁膜として有機材料層を用いることにより、その表面に形成された凹部の角が滑らかになりいわゆるsinカーブに近い凹凸が形成され、これが前記画素電極における反射光の散乱に都合がよいからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された液晶表示装置は、前記スイッチング素子の液晶との直接の接触を回避するために形成される保護膜がその機能を充分に発揮できなくなってしまうことが指摘されるに至った。
すなわち、前記保護膜によって耐湿あるいは汚染物質の侵入防止等が充分に確保されず、該スイッチング素子の特性の劣化等が発生することが見出された。
【0011】
この理由は、光反射効率の良好な画素電極が直接形成される下層の前記絶縁膜の材料として有機材料層を用いた場合に、前記保護膜の材料としてやはり有機材料層を用いざるを得ないからである。
仮に、保護膜の材料として無機材料を用いると、その成膜の際の熱処理によって前記画素電極の下層の前記絶縁膜が約250℃で変形してしまうことになるからである。
【0012】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的は、信頼性のある保護膜を有する液晶表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
手段1.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、液晶を挟持する一対の基板と、少なくとも反射領域を有する複数の画素とを備えた液晶表示装置であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の上に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する第1の膜と、
前記第1の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第1の膜よりも上層に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する反射膜と、
前記反射膜と分離され、前記反射膜と同じ材料で同時に形成される第2の膜と、
前記第2の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第2の膜よりも上層に形成された保護膜とを有し、
前記第1の膜が無機膜であり、前記保護膜が無機保護膜であることを特徴とするものである。
【0015】
手段2.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1の構成を前提とし、前記第2の膜は前記画素に映像信号を伝えるドレイン信号線を含み、
前記無機保護膜は前記ドレイン信号線を覆っていることを特徴とするものである。
【0016】
手段3.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1または2のうちいずれかの構成を前提とし、前記複数の画素の各画素はスイッチング素子を備え、前記無機保護膜は前記スイッチング素子を覆っていることを特徴とするものである。
【0017】
手段4.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1から3のうちいずれかの構成を前提とし、前記一方の基板の上に周辺回路を有し、前記第2の膜は前記周辺回路に用いられている膜を含み、前記無機保護膜は前記周辺回路に用いられている前記第2の膜を覆っていることを特徴とするものである。
【0018】
手段5.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段4の構成を前提とし、前記周辺回路はスイッチング素子を備え、前記無機保護膜は前記周辺回路のスイッチング素子を覆っていることを特徴とするものである。
【0019】
手段6.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段4、5のうちいずれかの構成を前提とし、前記周辺回路は前記液晶の存在する領域に配置されていることを特徴とするものである。
【0020】
手段7.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし6のうちいずれかの構成を前提とし、前記無機保護膜は、前記反射膜の少なくとも一部を覆っていることを特徴とするものである。
【0021】
手段8.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし7のうちいずれかの構成を前提とし、前記無機保護膜は、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜であることを特徴とするものである。
【0022】
手段9.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし8のうちいずれかの構成を前提とし、前記一対の基板の表示面側に配置されたフロントライトを有することを特徴とするものである。
【0023】
手段10.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし9のうちいずれかの構成を前提とし、前記複数の画素は透過領域を有するとともに、前記一対の基板の表示面側と反対側に配置されたバックライトを有することを特徴とするものである。
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0024】
手段11.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし10のうちいずれかの構成を前提とし、前記無機保護膜と重畳する位置に前記一対の基板の間のギャップを保持するスペーサを有することを特徴とするものである。
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による液晶表示装置の実施例を図面を用いて説明をする。
【0026】
実施例1.
《全体の概略構成》
図2は本発明による液晶表示装置のうち液晶表示パネルPNLの一実施例を示す全体の概略構成図である。
同図は、液晶を介して対向配置される各基板のうち一方の基板SUB1の液晶側の面の構成の一実施例を示した平面図である。
同図において、前記基板SUB1の液晶側の面には、そのx方向に延在しy方向に並設されたゲート信号線GLとy方向に延在しx方向に並設されたドレイン信号線DLとが形成されている。
【0027】
各ゲート信号線GLと各ドレイン信号線DLとで囲まれた領域は画素領域を構成するとともに、これら各画素領域のマトリクス状の集合体は液晶表示部ARを構成するようになっている。
【0028】
各画素領域には、図3に示すように、その片側のゲート信号線GLからの走査信号によって作動される薄膜トランジスタTFTと、この薄膜トランジスタTFTを介して片側のドレイン信号線DLからの映像信号が供給される画素電極PXが形成されて画素を構成している。そして、この画素電極PXと他方のゲート信号線GLとの間には容量素子Caddが接続されている。この容量素子Caddは画素電極PXに供給された映像信号を比較的長い時間蓄積させるため等に設けられたものである。なお、このような容量素子Caddを用いるかわりに、別途容量信号線を形成し、画素電極PXとの間で容量素子を形成してもよい。
該薄膜トランジスタTFTはその半導体層がたとえば多結晶のSi(p−Si)から構成されたものとなっている。
【0029】
また、画素電極PXは、他方の基板の液晶側の面に各画素領域に共通に形成した対向電極(図示せず)との間に電界を発生させ、この電界によって液晶の光透過率を制御させるようになっている。
【0030】
前記ゲート信号線GLのそれぞれの一端は基板SUB1の周辺にまで及んで延在され、その延在端は基板SUB1の表面に形成された周辺回路の一つである走査信号駆動回路Vに接続されるようになっている。この垂直走査駆動回路Vは多数のMIS(metal insulator semiconductor)型トランジスタとそれらを接続させる配線層を有している。
【0031】
同様に、前記ドレイン信号線DLのそれぞれの一端も基板SUB1の周辺に及ぶまで延在され、その延在端は該基板SUB1の表面に形成された周辺回路の一つである映像信号駆動回路Heに接続されるようになっている。この映像信号駆動回路Heも多数のMIS型トランジスタとそれらを接続させる配線層を有している。
【0032】
ここで、前記走査信号駆動回路Vおよび映像信号駆動回路Heを構成するMIS型トランジスタは、その半導体層が画素における前記薄膜トランジスタTFTのそれと同様に多結晶層で形成されている。このため、該MIS型トランジスタの形成においては画素の薄膜トランジスタの形成と並行してなされるのが通常である。
前記各ゲート信号線GLは、走査信号駆動回路Vからの走査信号によって、その一つが順次選択されるようになっている。
【0033】
また、前記各ドレイン信号線DLのそれぞれには、映像信号駆動回路Heによって、前記ゲート信号線GLの選択のタイミングに合わせて映像信号が供給されるようになっている。
【0034】
なお、このように構成された基板SUB1の液晶側の面には、他の基板(図示せず)が、液晶を介して前記液晶表示部ARの領域あるいは前記走査信号駆動回路Vおよび映像信号駆動回路Heの領域をも含んで対向配置されている。
この基板はその周辺において形成されたシール材によって前記基板SUB1と固着されている。該シール材は前記液晶を封入する機能をも有している。
【0035】
《画素の構成》
図1(a)は上述した画素の構成の一実施例を示す平面図である。また、図1(b)は図1(a)のb−b線における断面図、図1(c)は図1(a)のc−c線における断面図を示している。
ここで、この画素はその全域に及んで光反射領域となっており、このため液晶表示装置はその光源として外来光を利用するいわゆる反射型として構成されている。
また、この理由から基板SUB1は透明であってもよいが、不透明の材料で構成されていてもよい。
【0036】
図1において、まず、基板SUB1の表面の画素領域の図中左下にはたとえばポリシリコン層からなる半導体層PSが形成されている。この半導体層PSはたとえばプラズマCVD装置によって成膜したアモルファスSi膜をエキシマレーザによって多結晶化したものである。
この半導体層PSは後述する薄膜トランジスタTFTの半導体層として形成されるようになっている。
【0037】
そして、このように半導体層PSが形成された基板SUB1の表面には、該半導体層PSをも覆ってたとえばシリコン酸化膜(たとえばSiO2)あるいはシリコン窒化膜(たとえばSiN)からなる第1絶縁膜GIが形成されている。
この第1絶縁膜GIは前記薄膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜として機能するようになっている。
【0038】
そして、第1絶縁膜GIの上面には、図中x方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線GLが形成され、このゲート信号線GLは後述するドレイン信号線DLとともに矩形状の画素領域を画するようになっている。
【0039】
なお、このゲート信号線GLは耐熱性を有する導電膜であればよく、たとえばAl、Cr、Ta、TiW等が選択される。この実施例ではゲート信号線GLとしてたとえばTiWが用いられている。
このゲート信号線GLはその一部が画素領域内に延在され、前記半導体層PSに交差するようにして重畳されている。このゲート信号線GLの延在部は薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTとして形成されている。
【0040】
なお、このゲート信号線GLの形成後は、第1絶縁膜GIを介して不純物のイオン打ち込みをし、前記半導体層PSにおいて前記ゲート電極GTの直下を除く領域を導電化させることによって、薄膜トランジスタTFTのソース領域およびドレイン領域が形成されるようになっている。
【0041】
前記ゲート信号線GLをも被って前記第1絶縁膜GIの上面には第2絶縁膜INがたとえばシリコン酸化膜(たとえばSiO2)あるいはシリコン窒化膜(たとえばSiN)からなる無機材料層によって形成されている。
【0042】
そして、この第2絶縁膜INは各画素領域において多数の凹部DNTが散在的に形成されている。この凹部DNTは、次に示すように、該第2絶縁膜IN上に形成する画素電極PXの表面に凹凸を形成するためである。
【0043】
すなわち、該第2絶縁膜INの上面には、画素領域のほぼ全域を占めるようにして画素電極PXが形成され、その表面には凹凸が形成される。前記第2絶縁膜INの凹部DNTが画素電極PXの表面に顕在化されるからである。
【0044】
この画素電極PXの材料としてたとえばアルミゥウム、TiWを下地層としたアルミニウム、MoSiを下地層としたアルミニウムが用いられている。アルミニウムがポリシリコン層と直接に接触するとたとえば400℃以上のプロセス温度では導通不良を生ずる場合があることから、上述のような下地層を形成することが有効となる。
【0045】
この画素電極PXは反射膜を兼ね、それが形成された領域において、すなわち画素領域のほぼ全域にわたって光反射部を形成するようになっている。
この画素電極PXは前記薄膜トランジスタTFTに近接する部分において、前記第2絶縁膜INおよび第1絶縁膜GIに形成されたコンタクトホールCH1を通して前記半導体層PSの一端側の領域に接続されている。
【0046】
画素電極PXに接続される半導体層PSの領域は薄膜トランジスタTFTのソース領域(画素電極PXと接続される側をソース領域とこの明細書では定義する)に相当する部分となっており、これに対して該薄膜トランジスタTFTのドレイン領域は前記ゲート電極GTと重畳される部分を間にして他端側の半導体層PSの領域に形成され、この部分にてコンタクトホールCH2を通して後述するドレイン信号線DLに接続されるようになっている。
【0047】
また、第2絶縁層INの上面には、図中y方向に延在しx方向に並設されるドレイン信号線DLが形成されている。このドレイン信号線DLは前述したゲート信号線GLとで画素領域を画するようになっている。
【0048】
ドレイン信号線DLは、前記画素電極PXと同様に、たとえばアルミニウム、TiWを下地層としたアルミニウム、MoSiを下地層としたアルミニウムが用いられている。アルミニウムがポリシリコン層と直接に接触するとたとえば400℃以上のプロセス温度では導通不良を生ずる場合があることから、上述のような下地層を形成することが有効となる。
このドレイン信号線DLはその一部が前記コンタクトホールCH2を通して前記薄膜トランジスタTFTのドレイン領域に接続されている。
【0049】
そして、第2絶縁膜INの上面には、前記画素電極PXの周辺を除く中央部に開口を有する保護膜(第3絶縁膜)PSVが形成されている。この保護膜PSVはたとえばシリコン酸化膜(たとえばSiO2)あるいはシリコン窒化膜(SiN)からなる無機材料層により形成されている。
このため、この保護膜PSVは薄膜トラジスタTFTはもちろんのこと、ドレイン信号線DLをも充分に被った構成となっている。
【0050】
また、図示していないが、該保護膜PSVおよびこの保護膜PSVの開口から露出された画素電極PXを被って配向膜が形成されている。この配向膜は液晶と直接に接触し該液晶の分子の初期配向を決定するようになっている。
このように構成された液晶表示装置は、まず第2絶縁膜INを無機材料層で構成したものとなっている。
【0051】
このため、画素電極PXおよびドレイン信号線DLの形成後に形成する保護膜PSVは無機材料層で構成することができる。上述したように第2絶縁膜INを有機材料層とした場合、該有機材料層は保護膜PSVを無機材料層で構成する際にその熱処理で変形してしまうからである。
【0052】
これにより、前記保護膜PSVはその下層に配置される薄膜トランジスタTFTに対して耐湿が向上でき、また異物の侵入を信頼性よく防止でき、該薄膜トランジスタTFTの特性劣化を回避することができる。
同様に、ドレイン信号線DLも前記保護膜PSVによって保護され、その腐食等の不都合を回避することができる。
【0053】
この場合において、第2絶縁膜INを無機材料層で構成したため、その表面に形成する凹凸は有機材料層と比較した場合に滑らかに形成することは困難となるが、たとえば該凹凸の数を増大させる等をすることによって解決することができる。
【0054】
《信号駆動回路》
図4は、上述した走査信号駆動回路Vあるいは映像信号駆動回路Heの形成領域の一部における断面図を示している。
走査信号駆動回路Vあるいは映像信号駆動回路Heはそのいずれも相補型に接続された一対のMIS型トランジスタが多数接続された構成を有し、図4は、このうち一対のMIS型トランジスタを構成するp型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRを示している。
【0055】
ここで、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRは、いずれも各画素領域の薄膜トランジスタTFTと同様の層構造によって形成されている。
このため、薄膜トランジスタTFTと同材料からなる層は該薄膜トランジスタTFTの形成と並行して形成されるようになっている。
【0056】
したがって、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRにおける第2絶縁膜INは液晶表示部ARの第2絶縁膜INと同一の材料で構成されている。
【0057】
また、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRを相補的に接続させる配線層WLは画素領域の薄膜トランジスタTFTの画素電極PXおよびドレイン信号線DL等と同一の材料で構成されている。
さらに、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRを被う保護膜PSVは液晶表示部ARの保護膜PSVと同一の材料で構成されている。
【0058】
なお、配線層WLは相補的に接続する目的以外にも回路の構成要素同士の配線にも用いられている。また、本実施例のようにn型とp型を混在させるのではなく、n型またはp型のいずれか一方のみを用いてもよい。この場合にも配線層WLは存在する。
【0059】
《製造方法》
図5(a)ないし(d)は、前記液晶表示装置のうち基板SUB1の液晶側の面の構成の製造方法の一実施例を示す工程図で、図1(b)に示す部分に対応している。
以下、工程順に説明する。
【0060】
工程1.(図5(a))
基板SUB1の液晶側の面に多結晶からなるi型の半導体層PSを薄膜トランジスタTFTの形成領域に形成する。その後、この半導体層PSをも被って第1絶縁膜膜GIを形成する。
【0061】
工程2.(図5(b))
第1絶縁膜GIにゲート信号線GLを形成する。このゲート信号線GLの一部には延在部を有し、その延在部が前記半導体層PSを跨ぐようにして形成されることにより、薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTが形成される。
【0062】
そして、前記ゲート電極GTをマスクとしてn型不純物をドーピングする。該n型不純物はゲート電極GTの直下の領域を除く他の半導体層PSの領域にドープされてソース領域およびドレイン領域を形成する。これにより、該薄膜トラジスタTFTはn型MISトランジスタとして形成されることになる。
【0063】
なお、この後、実際には、前記走査信号駆動回路V等の周辺回路にはn型MISトランジスタの他にp型MISトランジスタも含まれていることから、このp型MISトランジスタの形成領域におけるp型不純物のドーピング時に、該周辺回路のn型MISトランジスタおよび画素領域における前記薄膜トランジスタTFTの形成領域はその全域にわたってたとえばフォトレジスト膜によってマスクされることになる。
その後、ゲート信号線GL(ゲート電極GT)をも被って第2絶縁膜INを形成する。
【0064】
工程3.(図5(c))
前記第2絶縁膜INおよびその下層の第1絶縁膜GIを貫通する孔を形成することによりコンタクトホールCH1、CH2を形成する。コンタクトホールCH1は薄膜トランジスタTFTのソース領域の一部を露出させ、コンタクトホールCH2は該薄膜トランジスタTFTのドレイン領域の一部を露出させる。
この場合、前記第2絶縁膜INのほぼ全域にわたって散在された多数の凹部DNTも同時に形成する。
コンタクトホールCH1、CH2および前記凹部DNTの形成は、たとえばハーフ露光技術を用いることによって同時に形成することができる。
【0065】
すなわち、第2絶縁膜INの孔開けのマスクとなるフォトレジスト膜に露光強度に差をもたせた露光を行い、前記コンタクトホールCH1、CH2に相当する部分には完全な孔開けを行なうとともに、前記凹部DNTに相当する部分には孔開けには至らない凹部を形成する。そして、このように形成された前記フォトレジスト膜を用いて前記第2絶縁膜INを選択エッチングする。
しかしこれに限定されることはなく、フォトリソグラフィ技術による選択エッチングを2回に分けて行なうようにしても同様の結果を得ることができる。
【0066】
工程4.(図5(d))
前記第2絶縁膜INをも被うようにして金属層を形成し、これをフォトリソグラフィ技術による選択エッチングをすることにより、ドレイン信号線DL(およびドレイン電極)、および画素電極PX(およびソース電極)を形成する。
この場合、画素電極PXは第2絶縁膜INの表面に形成した凹部DNTが顕在化し表面に多数の凹凸が形成されるようになる。
【0067】
なお、ドレイン信号線DLは前記コンタクトホールCH2を通して薄膜トランジスタTFTのドレイン領域と接続され、画素電極PXは前記コンタクトホールCH1を通して薄膜トランジスタTFTのソース領域と接続されるようになる。
その後、前記ドレイン信号線DLおよび画素電極PXをも被って保護膜PSVを形成し、この保護膜PSVに、該画素電極PXの周辺を除く中央部を露出させるための孔開けを施す。
【0068】
本実施例によれば、反射膜として機能し凹凸を有する画素電極PXと、この反射膜と分離され、反射膜と同時に形成される第2の膜(たとえばドレイン信号線DLや周辺回路の配線層WLなど)を備える、すなわち、反射膜と第2の膜を同一工程で形成することにより、工程数を削減できる。
【0069】
また、反射膜及び第2の膜は第2絶縁膜INよりも上層に形成される。その際に、第2絶縁膜INを無機膜で形成することによって、第2の膜と少なくとも一部が重畳し、第2の膜よりも上層に形成する保護膜PSVを成膜に高温を必要とする無機膜とすることが可能になるので、有機膜の場合に比べて水分や汚染物質の浸入を効果的に防止できる。これによって、信頼性の高い保護が可能となる。特に、周辺回路を液晶中に配置した場合には無機材料の保護膜PSVで覆うことが重要になる。
さらに、有機膜形成プロセスには新たな装置が必要になるが、本実施例では有機膜を必要としないので生産設備にかかるコストを低減できる。
【0070】
また、画素領域あるいは周辺回路における薄膜トランジスタTFTを無機材料の保護膜PSVで覆うことができるので信頼性の高い保護が可能になる。
また、無機材料の保護膜PSVで覆うことによって、表示のために液晶の駆動が不要な部分(例えばドレイン信号線DL、画素領域や周辺回路の薄膜トランジスタTFT、周辺回路の配線層WL、反射膜の少なくとも一部(例えば画素電極PXの凹凸の形成されていない部分やドレイン電極など)など)において液晶が反応してしまう(駆動されてしまう)のを低減できるので、画質が向上するという効果もある。
【0071】
《フロントライト》
上述した液晶表示パネルPNLは、上述したように全反射型と称されるものであることから、たとえば太陽光のような外来光等を光源として用いることもできるが、図6に示すように、該液晶表示パネルPNLの前方(観察者に対して)にフロントライトFLを配置させるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0072】
すなわち、図6に示すように、該フロントライトFLは、少なくとも液晶表示パネルPNLの液晶表示部ARに対向して配置される導光板CLと、この導光板CLの少なくとも一辺の端壁面に配置されるたとえば冷陰極線管CTと、この冷陰極線管からの光を該端壁面側へ反射させる反射板RFとから構成されている。
【0073】
導光板CL内に照射された冷陰極線管CTからの光は、液晶表示パネルPNLと対向する面から出射され、該液晶表示パネルPNLの各画素の画素電極PXに反射され、前記導光板CLを通して観察者の眼EYに至るようになる。
なお、光源としては冷陰極線管CTのかわりに発光ダイオード(LED)などを用いてもよい。
【0074】
実施例2.
図7は、本発明による液晶表示装置の画素の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1の場合と比較して異なる構成は、その画素領域において、画素領域が2つに区分され、一方の領域を光透過領域、他方の領域を光反射領域として形成され、いわゆる光透過モードと光反射モードを切り替えて使用できるようになっている。
【0075】
すなわち、画素領域の一部に形成される光反射領域には、図1の場合と同様に、光反射効率の良好な材料からなる画素電極PX(R)が形成され、他の部分に形成される光透過領域には、たとえばITO (Indium Tin Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)、IZO (Indium Zinc Oxide)、SnO2(酸化スズ)、In2O3(酸化インジウム)等の透光性の材料からなる画素電極PX(T)が形成されている。
【0076】
光透過領域の画素電極PX(T)は、光反射領域の画素電極PX(R)と重ね合わされて形成され、これにより該画素電極PX(R)と電気的に接続されて構成されている。
【0077】
この場合にあっても、光反射領域の画素電極PX(R)はその下層の無機材料からなる第2絶縁膜INの表面に形成された凹部DNTによって表面に凹凸が形成され、また、保護膜PSVの材料として無機材料が用いられている。
また、図8は、このような画素構成を有する液晶表示パネルPNLとモジュール化されるバックライトBLの配置構成を示した図である。
【0078】
該バックライトBLは液晶表示パネルPNLの背面(観察者に対して)に配置され、光透過モードにおいて、該バックライトBLからの光は各画素の光透過領域の画素電極PX(T)を通して観察者の眼に至るようになる。また、光反射モードにおいては、たとえば太陽等の外来光が各画素の光反射領域の画素電極PX(R)に反射されて観察者の眼EYに至るようになる。
【0079】
ここで、バックライトBLの構成は図6に示したフロントライトFLの構成とほぼ同様となっている。光源に発光ダイオード(LED)を用いることができる点も同様である。
【0080】
実施例3.
この実施例では、上述した各実施例の構成を前提として、基板SUB1側あるいは該基板SUB1と対向する他の基板側に支柱状のスペーサを設け、このスペーサは光反射機能を有する画素電極PX、PX(R)の形成領域を回避した他の領域に位置づけられるようにして形成したことにある。特に、保護膜PSVと重畳する位置に配置するのが効果的である。
【0081】
ここで、支柱状のスペーサとは、基板の表面に形成した材料層をフォトリソグラフィ技術で選択エッチングすることにより形成されるスペーサで、所定の位置に所定の高さで形成できる効果を有するものである。
【0082】
支柱状のスペーサが形成される個所は、有機膜と比べて膜質の硬い無機材料の第2絶縁膜INおよび無機材料の保護膜PSVが重畳されて表面が比較的平坦な部分であることから、有機膜を使った場合に比べてスペーサがめり込み難くなり該支柱状のスペーサによって基板SUB1および該基板SUB1と対向する他の基板とのギャップ出しの精度の向上が図れるという効果を奏する。
【0083】
また、他の実施例として、基板SUB1および該基板SUB1と対向する他の基板とのギャップ出しのスペーサとしていわゆるビーズ状のものを用いてもよいことはもちろんである。
【0084】
ビーズ状のスペーサの幾つかは凹凸のある画素電極PX、PX(R)上にも配置されるが、その領域以外の部分(特に保護膜PSVと重畳する位置)にも配置されて、上述したと同様の理由でギャップ出しの精度の向上が図れるからである。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による液晶表示装置によれば、信頼性に優れた保護膜を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置の画素の一実施例を示す構成図である。
【図2】
本発明による液晶表示装置の一実施例を示す構成図である。
【図3】
本発明による液晶表示装置の画素の一実施例を示す等価回路図である。
【図4】
本発明による液晶表示装置の周辺回路の一実施例を示す断面図である。
【図5】
本発明による液晶表示装置の製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図6】
本発明による液晶表示装置の液晶表示パネルとフロントライトの位置関係を示
す構成図である。
【図7】
本発明による液晶表示装置の画素の他の実施例を示す構成図である。
【図8】
本発明による液晶表示装置の液晶表示パネルとバックライトの位置関係を示す
構成図である。
【符号の説明】
SUB1……基板、GL……ゲート信号線、GT……ゲート電極、DL……ドレイン信号線、TFT……薄膜トランジスタ、PX……画素電極、GI……第1絶縁膜、IN……第2絶縁膜、PSV……保護膜、DNT……凹部、V……走査信号駆動回路、He……映像信号駆動回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に係り、特に、少なくとも光反射型モードで用いることのできる液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも光反射型モードで用いることのできる液晶表示装置は、その画素領域において形成される画素電極がたとえばアルミニウム等の光反射効率の良好な材料で形成されている。
【0003】
すなわち、液晶を介して対向配置される各基板のうち一方の基板の液晶側の面に、並設された複数のゲート信号線とこれら各ゲート信号線に交差して並設された複数のドレイン信号線が形成され、これら各信号線によって囲まれた領域を画素領域としている。
【0004】
そして、これら各画素領域には、ゲート信号線からの走査信号の供給によって動作するスイッチング素子と、このスイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極を少なくとも備えて画素を構成している。
【0005】
ここで、該画素電極は、画素領域の一部あるいは全域に光反射効率の良好な材料で形成され、他方の基板の液晶側の面に形成された透光性の対向電極との間に液晶を挟んで電界を発生せしめるようになっている。
【0006】
なお、該画素電極が画素領域の全域に形成されている場合に全反射型の液晶表示装置として用いられ、画素領域の一部に形成されている場合に一部反射型(一部透過型)の液晶表示装置として用いられるようになっている。
【0007】
一部反射型においては、画素領域のうち光反射効率の良好な画素電極が形成されている部分以外の他の領域に前記画素電極と電気的に接続された透光性の他の画素電極も形成され、この部分において光透過型として機能するようになっている。
【0008】
また、このような構成の液晶表示装置において、光反射効率の良好な画素電極が直接形成される下層の絶縁膜に凹部が形成される場合があり、この凹部によって該画素電極の表面に凹凸を顕在化させたものが知られている。
該画素電極によって反射される反射光を該凹凸によって充分散乱させるためである。
【0009】
そして、光反射効率の良好な画素電極が直接形成される下層の前記絶縁膜の材料としてたとえば樹脂等からなる有機材料層を用いたものが知られている。
前記絶縁膜として有機材料層を用いることにより、その表面に形成された凹部の角が滑らかになりいわゆるsinカーブに近い凹凸が形成され、これが前記画素電極における反射光の散乱に都合がよいからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された液晶表示装置は、前記スイッチング素子の液晶との直接の接触を回避するために形成される保護膜がその機能を充分に発揮できなくなってしまうことが指摘されるに至った。
すなわち、前記保護膜によって耐湿あるいは汚染物質の侵入防止等が充分に確保されず、該スイッチング素子の特性の劣化等が発生することが見出された。
【0011】
この理由は、光反射効率の良好な画素電極が直接形成される下層の前記絶縁膜の材料として有機材料層を用いた場合に、前記保護膜の材料としてやはり有機材料層を用いざるを得ないからである。
仮に、保護膜の材料として無機材料を用いると、その成膜の際の熱処理によって前記画素電極の下層の前記絶縁膜が約250℃で変形してしまうことになるからである。
【0012】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的は、信頼性のある保護膜を有する液晶表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
手段1.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、液晶を挟持する一対の基板と、少なくとも反射領域を有する複数の画素とを備えた液晶表示装置であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の上に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する第1の膜と、
前記第1の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第1の膜よりも上層に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する反射膜と、
前記反射膜と分離され、前記反射膜と同じ材料で同時に形成される第2の膜と、
前記第2の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第2の膜よりも上層に形成された保護膜とを有し、
前記第1の膜が無機膜であり、前記保護膜が無機保護膜であることを特徴とするものである。
【0015】
手段2.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1の構成を前提とし、前記第2の膜は前記画素に映像信号を伝えるドレイン信号線を含み、
前記無機保護膜は前記ドレイン信号線を覆っていることを特徴とするものである。
【0016】
手段3.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1または2のうちいずれかの構成を前提とし、前記複数の画素の各画素はスイッチング素子を備え、前記無機保護膜は前記スイッチング素子を覆っていることを特徴とするものである。
【0017】
手段4.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1から3のうちいずれかの構成を前提とし、前記一方の基板の上に周辺回路を有し、前記第2の膜は前記周辺回路に用いられている膜を含み、前記無機保護膜は前記周辺回路に用いられている前記第2の膜を覆っていることを特徴とするものである。
【0018】
手段5.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段4の構成を前提とし、前記周辺回路はスイッチング素子を備え、前記無機保護膜は前記周辺回路のスイッチング素子を覆っていることを特徴とするものである。
【0019】
手段6.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段4、5のうちいずれかの構成を前提とし、前記周辺回路は前記液晶の存在する領域に配置されていることを特徴とするものである。
【0020】
手段7.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし6のうちいずれかの構成を前提とし、前記無機保護膜は、前記反射膜の少なくとも一部を覆っていることを特徴とするものである。
【0021】
手段8.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし7のうちいずれかの構成を前提とし、前記無機保護膜は、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜であることを特徴とするものである。
【0022】
手段9.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし8のうちいずれかの構成を前提とし、前記一対の基板の表示面側に配置されたフロントライトを有することを特徴とするものである。
【0023】
手段10.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし9のうちいずれかの構成を前提とし、前記複数の画素は透過領域を有するとともに、前記一対の基板の表示面側と反対側に配置されたバックライトを有することを特徴とするものである。
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0024】
手段11.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1ないし10のうちいずれかの構成を前提とし、前記無機保護膜と重畳する位置に前記一対の基板の間のギャップを保持するスペーサを有することを特徴とするものである。
なお、本発明は以上の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による液晶表示装置の実施例を図面を用いて説明をする。
【0026】
実施例1.
《全体の概略構成》
図2は本発明による液晶表示装置のうち液晶表示パネルPNLの一実施例を示す全体の概略構成図である。
同図は、液晶を介して対向配置される各基板のうち一方の基板SUB1の液晶側の面の構成の一実施例を示した平面図である。
同図において、前記基板SUB1の液晶側の面には、そのx方向に延在しy方向に並設されたゲート信号線GLとy方向に延在しx方向に並設されたドレイン信号線DLとが形成されている。
【0027】
各ゲート信号線GLと各ドレイン信号線DLとで囲まれた領域は画素領域を構成するとともに、これら各画素領域のマトリクス状の集合体は液晶表示部ARを構成するようになっている。
【0028】
各画素領域には、図3に示すように、その片側のゲート信号線GLからの走査信号によって作動される薄膜トランジスタTFTと、この薄膜トランジスタTFTを介して片側のドレイン信号線DLからの映像信号が供給される画素電極PXが形成されて画素を構成している。そして、この画素電極PXと他方のゲート信号線GLとの間には容量素子Caddが接続されている。この容量素子Caddは画素電極PXに供給された映像信号を比較的長い時間蓄積させるため等に設けられたものである。なお、このような容量素子Caddを用いるかわりに、別途容量信号線を形成し、画素電極PXとの間で容量素子を形成してもよい。
該薄膜トランジスタTFTはその半導体層がたとえば多結晶のSi(p−Si)から構成されたものとなっている。
【0029】
また、画素電極PXは、他方の基板の液晶側の面に各画素領域に共通に形成した対向電極(図示せず)との間に電界を発生させ、この電界によって液晶の光透過率を制御させるようになっている。
【0030】
前記ゲート信号線GLのそれぞれの一端は基板SUB1の周辺にまで及んで延在され、その延在端は基板SUB1の表面に形成された周辺回路の一つである走査信号駆動回路Vに接続されるようになっている。この垂直走査駆動回路Vは多数のMIS(metal insulator semiconductor)型トランジスタとそれらを接続させる配線層を有している。
【0031】
同様に、前記ドレイン信号線DLのそれぞれの一端も基板SUB1の周辺に及ぶまで延在され、その延在端は該基板SUB1の表面に形成された周辺回路の一つである映像信号駆動回路Heに接続されるようになっている。この映像信号駆動回路Heも多数のMIS型トランジスタとそれらを接続させる配線層を有している。
【0032】
ここで、前記走査信号駆動回路Vおよび映像信号駆動回路Heを構成するMIS型トランジスタは、その半導体層が画素における前記薄膜トランジスタTFTのそれと同様に多結晶層で形成されている。このため、該MIS型トランジスタの形成においては画素の薄膜トランジスタの形成と並行してなされるのが通常である。
前記各ゲート信号線GLは、走査信号駆動回路Vからの走査信号によって、その一つが順次選択されるようになっている。
【0033】
また、前記各ドレイン信号線DLのそれぞれには、映像信号駆動回路Heによって、前記ゲート信号線GLの選択のタイミングに合わせて映像信号が供給されるようになっている。
【0034】
なお、このように構成された基板SUB1の液晶側の面には、他の基板(図示せず)が、液晶を介して前記液晶表示部ARの領域あるいは前記走査信号駆動回路Vおよび映像信号駆動回路Heの領域をも含んで対向配置されている。
この基板はその周辺において形成されたシール材によって前記基板SUB1と固着されている。該シール材は前記液晶を封入する機能をも有している。
【0035】
《画素の構成》
図1(a)は上述した画素の構成の一実施例を示す平面図である。また、図1(b)は図1(a)のb−b線における断面図、図1(c)は図1(a)のc−c線における断面図を示している。
ここで、この画素はその全域に及んで光反射領域となっており、このため液晶表示装置はその光源として外来光を利用するいわゆる反射型として構成されている。
また、この理由から基板SUB1は透明であってもよいが、不透明の材料で構成されていてもよい。
【0036】
図1において、まず、基板SUB1の表面の画素領域の図中左下にはたとえばポリシリコン層からなる半導体層PSが形成されている。この半導体層PSはたとえばプラズマCVD装置によって成膜したアモルファスSi膜をエキシマレーザによって多結晶化したものである。
この半導体層PSは後述する薄膜トランジスタTFTの半導体層として形成されるようになっている。
【0037】
そして、このように半導体層PSが形成された基板SUB1の表面には、該半導体層PSをも覆ってたとえばシリコン酸化膜(たとえばSiO2)あるいはシリコン窒化膜(たとえばSiN)からなる第1絶縁膜GIが形成されている。
この第1絶縁膜GIは前記薄膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜として機能するようになっている。
【0038】
そして、第1絶縁膜GIの上面には、図中x方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線GLが形成され、このゲート信号線GLは後述するドレイン信号線DLとともに矩形状の画素領域を画するようになっている。
【0039】
なお、このゲート信号線GLは耐熱性を有する導電膜であればよく、たとえばAl、Cr、Ta、TiW等が選択される。この実施例ではゲート信号線GLとしてたとえばTiWが用いられている。
このゲート信号線GLはその一部が画素領域内に延在され、前記半導体層PSに交差するようにして重畳されている。このゲート信号線GLの延在部は薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTとして形成されている。
【0040】
なお、このゲート信号線GLの形成後は、第1絶縁膜GIを介して不純物のイオン打ち込みをし、前記半導体層PSにおいて前記ゲート電極GTの直下を除く領域を導電化させることによって、薄膜トランジスタTFTのソース領域およびドレイン領域が形成されるようになっている。
【0041】
前記ゲート信号線GLをも被って前記第1絶縁膜GIの上面には第2絶縁膜INがたとえばシリコン酸化膜(たとえばSiO2)あるいはシリコン窒化膜(たとえばSiN)からなる無機材料層によって形成されている。
【0042】
そして、この第2絶縁膜INは各画素領域において多数の凹部DNTが散在的に形成されている。この凹部DNTは、次に示すように、該第2絶縁膜IN上に形成する画素電極PXの表面に凹凸を形成するためである。
【0043】
すなわち、該第2絶縁膜INの上面には、画素領域のほぼ全域を占めるようにして画素電極PXが形成され、その表面には凹凸が形成される。前記第2絶縁膜INの凹部DNTが画素電極PXの表面に顕在化されるからである。
【0044】
この画素電極PXの材料としてたとえばアルミゥウム、TiWを下地層としたアルミニウム、MoSiを下地層としたアルミニウムが用いられている。アルミニウムがポリシリコン層と直接に接触するとたとえば400℃以上のプロセス温度では導通不良を生ずる場合があることから、上述のような下地層を形成することが有効となる。
【0045】
この画素電極PXは反射膜を兼ね、それが形成された領域において、すなわち画素領域のほぼ全域にわたって光反射部を形成するようになっている。
この画素電極PXは前記薄膜トランジスタTFTに近接する部分において、前記第2絶縁膜INおよび第1絶縁膜GIに形成されたコンタクトホールCH1を通して前記半導体層PSの一端側の領域に接続されている。
【0046】
画素電極PXに接続される半導体層PSの領域は薄膜トランジスタTFTのソース領域(画素電極PXと接続される側をソース領域とこの明細書では定義する)に相当する部分となっており、これに対して該薄膜トランジスタTFTのドレイン領域は前記ゲート電極GTと重畳される部分を間にして他端側の半導体層PSの領域に形成され、この部分にてコンタクトホールCH2を通して後述するドレイン信号線DLに接続されるようになっている。
【0047】
また、第2絶縁層INの上面には、図中y方向に延在しx方向に並設されるドレイン信号線DLが形成されている。このドレイン信号線DLは前述したゲート信号線GLとで画素領域を画するようになっている。
【0048】
ドレイン信号線DLは、前記画素電極PXと同様に、たとえばアルミニウム、TiWを下地層としたアルミニウム、MoSiを下地層としたアルミニウムが用いられている。アルミニウムがポリシリコン層と直接に接触するとたとえば400℃以上のプロセス温度では導通不良を生ずる場合があることから、上述のような下地層を形成することが有効となる。
このドレイン信号線DLはその一部が前記コンタクトホールCH2を通して前記薄膜トランジスタTFTのドレイン領域に接続されている。
【0049】
そして、第2絶縁膜INの上面には、前記画素電極PXの周辺を除く中央部に開口を有する保護膜(第3絶縁膜)PSVが形成されている。この保護膜PSVはたとえばシリコン酸化膜(たとえばSiO2)あるいはシリコン窒化膜(SiN)からなる無機材料層により形成されている。
このため、この保護膜PSVは薄膜トラジスタTFTはもちろんのこと、ドレイン信号線DLをも充分に被った構成となっている。
【0050】
また、図示していないが、該保護膜PSVおよびこの保護膜PSVの開口から露出された画素電極PXを被って配向膜が形成されている。この配向膜は液晶と直接に接触し該液晶の分子の初期配向を決定するようになっている。
このように構成された液晶表示装置は、まず第2絶縁膜INを無機材料層で構成したものとなっている。
【0051】
このため、画素電極PXおよびドレイン信号線DLの形成後に形成する保護膜PSVは無機材料層で構成することができる。上述したように第2絶縁膜INを有機材料層とした場合、該有機材料層は保護膜PSVを無機材料層で構成する際にその熱処理で変形してしまうからである。
【0052】
これにより、前記保護膜PSVはその下層に配置される薄膜トランジスタTFTに対して耐湿が向上でき、また異物の侵入を信頼性よく防止でき、該薄膜トランジスタTFTの特性劣化を回避することができる。
同様に、ドレイン信号線DLも前記保護膜PSVによって保護され、その腐食等の不都合を回避することができる。
【0053】
この場合において、第2絶縁膜INを無機材料層で構成したため、その表面に形成する凹凸は有機材料層と比較した場合に滑らかに形成することは困難となるが、たとえば該凹凸の数を増大させる等をすることによって解決することができる。
【0054】
《信号駆動回路》
図4は、上述した走査信号駆動回路Vあるいは映像信号駆動回路Heの形成領域の一部における断面図を示している。
走査信号駆動回路Vあるいは映像信号駆動回路Heはそのいずれも相補型に接続された一対のMIS型トランジスタが多数接続された構成を有し、図4は、このうち一対のMIS型トランジスタを構成するp型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRを示している。
【0055】
ここで、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRは、いずれも各画素領域の薄膜トランジスタTFTと同様の層構造によって形成されている。
このため、薄膜トランジスタTFTと同材料からなる層は該薄膜トランジスタTFTの形成と並行して形成されるようになっている。
【0056】
したがって、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRにおける第2絶縁膜INは液晶表示部ARの第2絶縁膜INと同一の材料で構成されている。
【0057】
また、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRを相補的に接続させる配線層WLは画素領域の薄膜トランジスタTFTの画素電極PXおよびドレイン信号線DL等と同一の材料で構成されている。
さらに、p型MISトランジスタPTRとn型MISトランジスタNTRを被う保護膜PSVは液晶表示部ARの保護膜PSVと同一の材料で構成されている。
【0058】
なお、配線層WLは相補的に接続する目的以外にも回路の構成要素同士の配線にも用いられている。また、本実施例のようにn型とp型を混在させるのではなく、n型またはp型のいずれか一方のみを用いてもよい。この場合にも配線層WLは存在する。
【0059】
《製造方法》
図5(a)ないし(d)は、前記液晶表示装置のうち基板SUB1の液晶側の面の構成の製造方法の一実施例を示す工程図で、図1(b)に示す部分に対応している。
以下、工程順に説明する。
【0060】
工程1.(図5(a))
基板SUB1の液晶側の面に多結晶からなるi型の半導体層PSを薄膜トランジスタTFTの形成領域に形成する。その後、この半導体層PSをも被って第1絶縁膜膜GIを形成する。
【0061】
工程2.(図5(b))
第1絶縁膜GIにゲート信号線GLを形成する。このゲート信号線GLの一部には延在部を有し、その延在部が前記半導体層PSを跨ぐようにして形成されることにより、薄膜トランジスタTFTのゲート電極GTが形成される。
【0062】
そして、前記ゲート電極GTをマスクとしてn型不純物をドーピングする。該n型不純物はゲート電極GTの直下の領域を除く他の半導体層PSの領域にドープされてソース領域およびドレイン領域を形成する。これにより、該薄膜トラジスタTFTはn型MISトランジスタとして形成されることになる。
【0063】
なお、この後、実際には、前記走査信号駆動回路V等の周辺回路にはn型MISトランジスタの他にp型MISトランジスタも含まれていることから、このp型MISトランジスタの形成領域におけるp型不純物のドーピング時に、該周辺回路のn型MISトランジスタおよび画素領域における前記薄膜トランジスタTFTの形成領域はその全域にわたってたとえばフォトレジスト膜によってマスクされることになる。
その後、ゲート信号線GL(ゲート電極GT)をも被って第2絶縁膜INを形成する。
【0064】
工程3.(図5(c))
前記第2絶縁膜INおよびその下層の第1絶縁膜GIを貫通する孔を形成することによりコンタクトホールCH1、CH2を形成する。コンタクトホールCH1は薄膜トランジスタTFTのソース領域の一部を露出させ、コンタクトホールCH2は該薄膜トランジスタTFTのドレイン領域の一部を露出させる。
この場合、前記第2絶縁膜INのほぼ全域にわたって散在された多数の凹部DNTも同時に形成する。
コンタクトホールCH1、CH2および前記凹部DNTの形成は、たとえばハーフ露光技術を用いることによって同時に形成することができる。
【0065】
すなわち、第2絶縁膜INの孔開けのマスクとなるフォトレジスト膜に露光強度に差をもたせた露光を行い、前記コンタクトホールCH1、CH2に相当する部分には完全な孔開けを行なうとともに、前記凹部DNTに相当する部分には孔開けには至らない凹部を形成する。そして、このように形成された前記フォトレジスト膜を用いて前記第2絶縁膜INを選択エッチングする。
しかしこれに限定されることはなく、フォトリソグラフィ技術による選択エッチングを2回に分けて行なうようにしても同様の結果を得ることができる。
【0066】
工程4.(図5(d))
前記第2絶縁膜INをも被うようにして金属層を形成し、これをフォトリソグラフィ技術による選択エッチングをすることにより、ドレイン信号線DL(およびドレイン電極)、および画素電極PX(およびソース電極)を形成する。
この場合、画素電極PXは第2絶縁膜INの表面に形成した凹部DNTが顕在化し表面に多数の凹凸が形成されるようになる。
【0067】
なお、ドレイン信号線DLは前記コンタクトホールCH2を通して薄膜トランジスタTFTのドレイン領域と接続され、画素電極PXは前記コンタクトホールCH1を通して薄膜トランジスタTFTのソース領域と接続されるようになる。
その後、前記ドレイン信号線DLおよび画素電極PXをも被って保護膜PSVを形成し、この保護膜PSVに、該画素電極PXの周辺を除く中央部を露出させるための孔開けを施す。
【0068】
本実施例によれば、反射膜として機能し凹凸を有する画素電極PXと、この反射膜と分離され、反射膜と同時に形成される第2の膜(たとえばドレイン信号線DLや周辺回路の配線層WLなど)を備える、すなわち、反射膜と第2の膜を同一工程で形成することにより、工程数を削減できる。
【0069】
また、反射膜及び第2の膜は第2絶縁膜INよりも上層に形成される。その際に、第2絶縁膜INを無機膜で形成することによって、第2の膜と少なくとも一部が重畳し、第2の膜よりも上層に形成する保護膜PSVを成膜に高温を必要とする無機膜とすることが可能になるので、有機膜の場合に比べて水分や汚染物質の浸入を効果的に防止できる。これによって、信頼性の高い保護が可能となる。特に、周辺回路を液晶中に配置した場合には無機材料の保護膜PSVで覆うことが重要になる。
さらに、有機膜形成プロセスには新たな装置が必要になるが、本実施例では有機膜を必要としないので生産設備にかかるコストを低減できる。
【0070】
また、画素領域あるいは周辺回路における薄膜トランジスタTFTを無機材料の保護膜PSVで覆うことができるので信頼性の高い保護が可能になる。
また、無機材料の保護膜PSVで覆うことによって、表示のために液晶の駆動が不要な部分(例えばドレイン信号線DL、画素領域や周辺回路の薄膜トランジスタTFT、周辺回路の配線層WL、反射膜の少なくとも一部(例えば画素電極PXの凹凸の形成されていない部分やドレイン電極など)など)において液晶が反応してしまう(駆動されてしまう)のを低減できるので、画質が向上するという効果もある。
【0071】
《フロントライト》
上述した液晶表示パネルPNLは、上述したように全反射型と称されるものであることから、たとえば太陽光のような外来光等を光源として用いることもできるが、図6に示すように、該液晶表示パネルPNLの前方(観察者に対して)にフロントライトFLを配置させるようにしてもよいことはいうまでもない。
【0072】
すなわち、図6に示すように、該フロントライトFLは、少なくとも液晶表示パネルPNLの液晶表示部ARに対向して配置される導光板CLと、この導光板CLの少なくとも一辺の端壁面に配置されるたとえば冷陰極線管CTと、この冷陰極線管からの光を該端壁面側へ反射させる反射板RFとから構成されている。
【0073】
導光板CL内に照射された冷陰極線管CTからの光は、液晶表示パネルPNLと対向する面から出射され、該液晶表示パネルPNLの各画素の画素電極PXに反射され、前記導光板CLを通して観察者の眼EYに至るようになる。
なお、光源としては冷陰極線管CTのかわりに発光ダイオード(LED)などを用いてもよい。
【0074】
実施例2.
図7は、本発明による液晶表示装置の画素の他の実施例を示す構成図で、図1に対応した図となっている。
図1の場合と比較して異なる構成は、その画素領域において、画素領域が2つに区分され、一方の領域を光透過領域、他方の領域を光反射領域として形成され、いわゆる光透過モードと光反射モードを切り替えて使用できるようになっている。
【0075】
すなわち、画素領域の一部に形成される光反射領域には、図1の場合と同様に、光反射効率の良好な材料からなる画素電極PX(R)が形成され、他の部分に形成される光透過領域には、たとえばITO (Indium Tin Oxide)、ITZO(Indium Tin Zinc Oxide)、IZO (Indium Zinc Oxide)、SnO2(酸化スズ)、In2O3(酸化インジウム)等の透光性の材料からなる画素電極PX(T)が形成されている。
【0076】
光透過領域の画素電極PX(T)は、光反射領域の画素電極PX(R)と重ね合わされて形成され、これにより該画素電極PX(R)と電気的に接続されて構成されている。
【0077】
この場合にあっても、光反射領域の画素電極PX(R)はその下層の無機材料からなる第2絶縁膜INの表面に形成された凹部DNTによって表面に凹凸が形成され、また、保護膜PSVの材料として無機材料が用いられている。
また、図8は、このような画素構成を有する液晶表示パネルPNLとモジュール化されるバックライトBLの配置構成を示した図である。
【0078】
該バックライトBLは液晶表示パネルPNLの背面(観察者に対して)に配置され、光透過モードにおいて、該バックライトBLからの光は各画素の光透過領域の画素電極PX(T)を通して観察者の眼に至るようになる。また、光反射モードにおいては、たとえば太陽等の外来光が各画素の光反射領域の画素電極PX(R)に反射されて観察者の眼EYに至るようになる。
【0079】
ここで、バックライトBLの構成は図6に示したフロントライトFLの構成とほぼ同様となっている。光源に発光ダイオード(LED)を用いることができる点も同様である。
【0080】
実施例3.
この実施例では、上述した各実施例の構成を前提として、基板SUB1側あるいは該基板SUB1と対向する他の基板側に支柱状のスペーサを設け、このスペーサは光反射機能を有する画素電極PX、PX(R)の形成領域を回避した他の領域に位置づけられるようにして形成したことにある。特に、保護膜PSVと重畳する位置に配置するのが効果的である。
【0081】
ここで、支柱状のスペーサとは、基板の表面に形成した材料層をフォトリソグラフィ技術で選択エッチングすることにより形成されるスペーサで、所定の位置に所定の高さで形成できる効果を有するものである。
【0082】
支柱状のスペーサが形成される個所は、有機膜と比べて膜質の硬い無機材料の第2絶縁膜INおよび無機材料の保護膜PSVが重畳されて表面が比較的平坦な部分であることから、有機膜を使った場合に比べてスペーサがめり込み難くなり該支柱状のスペーサによって基板SUB1および該基板SUB1と対向する他の基板とのギャップ出しの精度の向上が図れるという効果を奏する。
【0083】
また、他の実施例として、基板SUB1および該基板SUB1と対向する他の基板とのギャップ出しのスペーサとしていわゆるビーズ状のものを用いてもよいことはもちろんである。
【0084】
ビーズ状のスペーサの幾つかは凹凸のある画素電極PX、PX(R)上にも配置されるが、その領域以外の部分(特に保護膜PSVと重畳する位置)にも配置されて、上述したと同様の理由でギャップ出しの精度の向上が図れるからである。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による液晶表示装置によれば、信頼性に優れた保護膜を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置の画素の一実施例を示す構成図である。
【図2】
本発明による液晶表示装置の一実施例を示す構成図である。
【図3】
本発明による液晶表示装置の画素の一実施例を示す等価回路図である。
【図4】
本発明による液晶表示装置の周辺回路の一実施例を示す断面図である。
【図5】
本発明による液晶表示装置の製造方法の一実施例を示す工程図である。
【図6】
本発明による液晶表示装置の液晶表示パネルとフロントライトの位置関係を示
す構成図である。
【図7】
本発明による液晶表示装置の画素の他の実施例を示す構成図である。
【図8】
本発明による液晶表示装置の液晶表示パネルとバックライトの位置関係を示す
構成図である。
【符号の説明】
SUB1……基板、GL……ゲート信号線、GT……ゲート電極、DL……ドレイン信号線、TFT……薄膜トランジスタ、PX……画素電極、GI……第1絶縁膜、IN……第2絶縁膜、PSV……保護膜、DNT……凹部、V……走査信号駆動回路、He……映像信号駆動回路。
Claims (11)
- 液晶を挟持する一対の基板と、少なくとも反射領域を有する複数の画素とを備えた液晶表示装置であって、
前記一対の基板のうち一方の基板の上に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する第1の膜と、
前記第1の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第1の膜よりも上層に形成され、少なくとも前記反射領域において凹凸を有する反射膜と、
前記反射膜と分離され、前記反射膜と同じ材料で同時に形成される第2の膜と、
前記第2の膜と少なくとも一部が重畳し、前記第2の膜よりも上層に形成された保護膜とを有し、
前記第1の膜が無機膜であり、前記保護膜が無機保護膜であることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記第2の膜は前記画素に映像信号を伝えるドレイン信号線を含み、
前記無機保護膜は前記ドレイン信号線を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記複数の画素の各画素はスイッチング素子を備え、
前記無機保護膜は前記スイッチング素子を覆っていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。 - 前記一方の基板の上に周辺回路を有し、
前記第2の膜は前記周辺回路に用いられている膜を含み、
前記無機保護膜は前記周辺回路に用いられている前記第2の膜を覆っていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の液晶表示装置。 - 前記周辺回路はスイッチング素子を備え、
前記無機保護膜は前記周辺回路のスイッチング素子を覆っていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。 - 前記周辺回路は前記液晶の存在する領域に配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載の液晶表示装置。
- 前記無機保護膜は、前記反射膜の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記無機保護膜は、シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜であることを特徴とする請求項1から7のうち何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記一対の基板の表示面側に配置されたフロントライトを有することを特徴とする請求項1から8のうち何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記複数の画素は透過領域を有するとともに、前記一対の基板の表示面側と反対側に配置されたバックライトを有することを特徴とする請求項1から9のうち何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記無機保護膜と重畳する位置に前記一対の基板の間のギャップを保持するスペーサを有することを特徴とする請求項1から10のうちいずれかに記載の液晶表示装置。
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JP2002189624A JP2004029650A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 液晶表示装置 |
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Cited By (2)
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JP2008227442A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-09-25 | Mitsubishi Electric Corp | 薄膜トランジスタアレイ基板、その製造方法、及び表示装置 |
US7764342B2 (en) | 2007-06-21 | 2010-07-27 | Hitachi Displays, Ltd. | Liquid crystal display apparatus |
-
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- 2002-06-28 JP JP2002189624A patent/JP2004029650A/ja active Pending
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