JP2004029183A - 静電像現像トナー - Google Patents

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小田 正純
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Abstract

【課題】長時間連続印刷を行っても良好な現像品質が得られ、トナー充填部に静電像現像トナーを補充した場合にも画像の地カブリや筋の発生がなく、またトナー現像において静電像現像トナーが重なりあった場合に転写効率が良好であって中抜けがなく、また長期連続印刷において現像ローラーや帯電ブレードへのトナー付着や汚染が少なく、さらにトナー補充時の部材の清掃やメンテナンスの回数を大幅に減らすことができる静電像現像トナーを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に着色剤、帯電制御剤およびワックスを含有させて重量平均粒径が7μm以上12μm以下のトナー母体粒子を形成し、その表面に金属酸化物微粒子を被覆し、さらに重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満、平均球形度が0.8以上の球状微粒子を0.5重量%以上7.0重量%以下添加して静電像現像トナーを製造する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定して鮮明な画像を維持することのできる静電像現像トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真、静電印刷などにおいて、静電像の現像は、帯電させた感光体に光像を照射することにより形成した静電画像に、着色粉末であるトナーを付着させることによって行なわれる。ここで用いられるトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とし、顔料あるいは染料などの着色剤、帯電制御剤、離形剤などの成分を有する粒子である。静電像にトナーを付着させ、現像したトナー像を熱と圧力により紙に融着させ定着させる方法が広く用いられている。
【0003】
トナーの製造方法には、大きく分けて重合法と粉砕法が挙げられる。重合法はモノマーからポリマーを重合する段階で、着色剤、帯電剤などを包含させてトナー化する方法であり、製造工程中にトナーの乾燥工程が含まれるため、エネルギー効率がよくないといった問題がある。一方、粉砕法は熱可塑性樹脂に着色剤、帯電制御剤、離形剤としてのワックスなどの添加剤を練り込み、粉砕し分級して製造するものである。粉砕法は製造方法が複雑でなく、エネルギー効率がよく、特性の安定したトナーが得られる特徴があるので広く用いられている。粉砕法によるトナーにおいては、帯電性を制御するために金属酸化物微粒子などを添加する場合が多く、その際には現像ローラー、帯電ブレードなどとの間の帯電性の微調整を必要とする。
【0004】
近年、複写画像や印写画像が高精度化され、また複写や印写の速度が向上するのに伴い、トナーの特性向上に対する要求がますます高まっている。例えば電子写真方式のコピー機やプリンターなどの現像装置においては、省資源の観点から使用済みのカートリッジの回収と使用可能な部材の再利用されるようになり、さらにはトナーカートリッジのトナーを消費した場合に、カートリッジごと交換する従来の方式に代わって、トナーカートリッジなど装置のトナー充填部にトナーの補充して複写や印写を続ける方式の装置の検討が進み、これに適したトナーが要求されるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした方式の装置においては、トナー充填部に充填されたトナーをほぼ消費した後に、トナー充填部にトナーを補充した場合に、充填部に残った小量の残トナーと追加された新しいトナーとの間の帯電量の違いにより、非印刷部にトナーが印刷されてしまう、いわゆる地カブリなどの現象が生じ、画像特性の劣化が顕著に現れることが多い。
【0006】
このような画像特性劣化は、重合トナー使用後に粉砕トナーを充填するといった異種のトナーを投入した場合だけでなく、同一トナーを充填した場合にも発生する。また補充を続けながら長期連続印刷した場合には、現像ローラや帯電ブレードにトナーの付着や、画像上に筋などの発生が起こり易いことから、この問題を別にすれば、まだ十分に使用可能なカートリッジなどトナー充填部材を交換しなければならなくなるという問題があった。
【0007】
またトナーカートリッジなどのトナー充填部の容量が大きい場合には、トナーをすべて消費する前に付着物などの発生により、画像上に地カブリや筋などが発生するため頻繁に部材の掃除や交換などのメンテナンスが行なわれる場合も少なくなかった。
【0008】
こうした問題の発生はトナーの帯電量が不適切になるためと考えられる。トナー補充後におけるトナーの帯電量が不適切であると、画像形成におけるトナーの転写にも大きな影響を及ぼす。カラー印刷を行う場合には、イエロー、シアン、マゼンタなどのカラートナーを用い、これらのトナーを重ねて画像形成することにより、さまざまの色が形成される。ところがこれらカラートナーの帯電が不適切である場合には、後から印刷されるトナーが先に印刷された上にうまく乗らなくなり、印刷されるべき色とは異なってしまうことや、文字の中央部のみ濃度の小さくなる中抜けなどの問題が発生する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、こうした問題点を解決するものであって、長時間連続印刷を行っても良好な現像品質が得られ、特にトナー充填部へトナーを補充した場合においても画像への地カブリや筋の発生がなく、またトナー現像においてトナーが重なりあった場合に転写効率が良好であって中抜けがなく、また長期連続印刷において現像ローラーや帯電ブレードへのトナー付着や汚染が少なく、さらにトナー補充時の部材の清掃やメンテナンスの回数を大幅に減らすことができる静電像現像トナーを提供するものである。
【0010】
本発明者らは、熱可塑性樹脂中に着色剤を分散した静電像現像トナーにおいて、樹脂中に着色剤、離形剤としてのワックスを添加し、混練粉砕分級の工程を経て重量平均粒子径が7μmから12μmの範囲内となるように粒径制御したトナー母体粒子に加工し、このトナー母体粒子の表面を少なくとも1種以上の金属酸化物微粒子で被覆し、さらに重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満で球形度の値が0.8以上である球状の微粒子をこのトナーに対して0.5重量%から7.0重量%添加し、分散することにより製造したトナーを用いれば、上記の問題を解決することができることを見出し、さらに研究を行った結果、本発明を完成することができた。
【0011】
本発明の静電像現像トナーは、着色剤、帯電制御剤および離形剤を含有し重量平均粒径が7μm以上12μm以下の熱可塑性樹脂トナー母体粒子が、粒子表面に金属酸化物微粒子の被覆を有し、重量平均粒径が6μmを超え25μm未満であり平均球形度が0.8以上の球状微粒子を0.5重量%以上7.0重量%以下添加されてなることを特徴とする。
【0012】
本発明において、上記球形度とは、(等体積球の表面積)/(表面積)で定義され、近似的に(円面積相当直径)/(投影像の外接最小円の直径)によって求めることができるものてある。平均球形度はこの球形度の平均値であって、粉体粒子の平均球形度の値は、例えばベツクマンコールター(株)製イメージアナライザーによって測定することにより求めることができる。
【0013】
本発明の静電像現像トナーで用いる球状微粒子としては、非晶質二酸化ケイ素粒子を用いることにより、良好な結果を得ることがができる。
【0014】
また本発明の静電像現像トナーで用いる球状微粒子としては、非晶質二酸化ケイ素粒子のほかに、架橋アクリル粒子、および架橋ポリスチレン粒子を用いた場合にも良好な結果を得ることができる。
【0015】
また本発明の静電像現像トナーで用いるトナー母体粒子としては、球形度0.75以上のものを好ましく用いることができる。このような球形度を有するトナー母体粒子は、加熱処理して樹脂を軟化させることによって製造できる。
【0016】
このような本発明の静電像現像トナーを用いれば、トナーを補充時でも地カブリのなどの画像劣化を生じることなく、良好な画像を維持し、部材の交換やクリーニングなどのメンテナンスの回数を大幅に減らすことができる。
【0017】
本発明の静電像現像トナーは、樹脂に着色剤、帯電制御剤および離形剤を添加し混合し混練し、この混練物を粉砕し分級して重量平均粒子径が7μm以上12μm以下の混練物のトナー母体粒子とし、必要に応じてこのトナー母体粒子を加熱処理して樹脂を軟化させることによって球形度を高め、この混練物粒子の表面に金属酸化物微粒子を被覆し、さらにこの金属酸化物微粒子の被覆されたトナー粒子の粉体に、上記の重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満であり平均球形度が0.8以上の粒子を0.5重量%以上7.0重量%以下添加し、分散することによって製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の静電像現像トナー母体粒子は、バインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤および離形剤を主成分とする。
【0019】
本発明の静電像現像トナーに用いるバインダー樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂が主成分として使用され、例えばポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、エポキシ樹脂など公知の樹脂が使用可能である。これらの樹脂を2種以上組み合せて用いることもできる。本発明においては、ガラス転移点が50〜75℃、軟化点が80〜160℃、数平均分子量が1000〜30000および重量平均分子量/数平均分子量が2〜100である樹脂を好ましく用いることができ、またガラス転移点50〜75℃、軟化点80〜120℃、数平均分子量2000〜30000および重量平均分子量/数平均分子量が2〜20である樹脂を好ましく用いることができる。
【0020】
これらの樹脂の中で、ポリエステル樹脂は、低温定着性、透明性等でバランスがよく、カラートナーに必要な高い透明性を得ることができるので本発明において好ましく用いることができる。ポリエステル樹脂は、下記の多価アルコール成分と多価カルボン成分とから合成することができる。
【0021】
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物等の2価アルコールを挙げることができる。また、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶分が発生しない程度に非線状化するために、3価以上の多価アルコールを使用することができる。3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0022】
また、多価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アルキルコハク酸(例えば、n−オクチルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸)等の2塩基性カルボン酸、それらの酸無水物およびアルキルエステルを挙げることができる。これらのカルボン酸に加えて、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶分が発生しない程度に非線状化するために、3塩基性以上の多塩基性カルボン酸を使用することができる。例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−カルボキシメチルプロパン、テトラ(カルボキシメチル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそれらの酸の低級アルキルエステルを用いることができる。
【0023】
本発明の静電像現像トナーに用いる着色剤としては、カーボンブラックのような黒色顔料のほか、シアン、マゼンタ、イエロー等のカラートナー用に使用される各種の顔料、染料が使用可能である。例えばフタロシアニンブルー、キナクリドン顔料、アゾレーキ顔料などが挙げられる。これらの顔料のバインダー樹脂中での分散性を向上させるために、事前に樹脂中に顔料を高濃度に分散させたマスターバッチを使用することができる。着色剤の使用量は、必要な色目にもよるが樹脂100重量部に対し、1〜15重量部が好ましく、さらには2〜10重量部がより好ましい。
【0024】
トナーに帯電を与えるための帯電制御剤としては、ホウ素ベンゾイル錯体、フェノール縮合タイプの帯電制御剤であるカリックスアレーン、サリチル酸亜鉛金属錯体、サリチル酸クロム金属錯体、サルチル酸アルミニウム金属錯体など、一般的に使用されている帯電制御剤を1種または2種以上混合して使用することができる。帯電防止剤の使用量は、樹脂100重量部に対し、0.05〜10重量部が好ましく、さらには0.1〜5重量部がより好ましい。
【0025】
トナーの定着時の熱ローラーからの印刷用紙の離形性を確保し、さらに長期連続印刷における現像ローラーの磨耗を防止し、トナーの現像ローラーや帯電ブレードへの融着を防止するために、ポリプロプレン、エステルワックス、カルナバワックス、パラフィンワックスなどの一般的なワックスのほか、高級脂肪酸、脂肪酸アミドなどを離形剤として1種または2種類以上を混合して添加することができる。離形剤の使用量は、樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、さらには1〜5重量部がより好ましい。
【0026】
これらの原料組成により、トナー母体粒子が構成される。このトナー母体粒子の製造は粉砕法および重合法のいずれでも製造できる。粉砕法においては、これら原料を周知のの装置を用い混合、混練、粉砕、分級の各プロセスを経て、トナー母体粒子を得ることができる。
【0027】
こうして得られたトナー母体粒子は、加熱処理によって球状化を施すことができる。トナーを粉砕し分級した後の加熱処理としては、例えば日本ニューマチック工業(株)製のサーヒュージングシステムなどを用いて、機械的粉砕により塑性変形を受けた熱可塑性微粒子を高温の熱風気流に接触させ、表面張力による球形化を行なうことができる。球形化のための熱風は、80℃から500℃の温度の熱風を用いることができ、150℃から400℃の熱風を用いることがより好ましい。温度が低すぎると可塑化が不十分であるため球形化が得られず、また温度が高すぎるとトナー同士が融着し、球形ではない粒子が発生する。
【0028】
このように加熱処理の温度は低すぎてもまた高すぎても球形度は低下し、上記の温度範囲で加熱処理することによつて、球形度0.750以上のトナー母体粒子を得ることができる。このトナー母体粒子の球状化は、画像濃度に影響を及ぼし、特に中間画像濃度の向上に大きな影響を及ぼす。
【0029】
このようにして、重量平均粒径7μmから12μmの粉末としてトナー母体粒子を得ることができる。本発明においては、トナー母体粒子の重量平均粒径が7μm以上12μm以下であることにより、良好な印刷画像を安定して得ることができる。
【0030】
流動性を有し、帯電特性の調整された静電像現像トナーを得るために、このようにして作製したトナー母体粒子に、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物微粒子の被覆を行う。被覆する金属酸化物微粒子は1種であってもよいし、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
このようにしてトナー母体粒子に金属酸化物微粒子を被覆したものに、重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満の球形の微粒子を、含有量が0.5重量%〜7重量%となるように添加し、分散し、本発明の静電像現像トナーを得る。
【0032】
本発明において、球形微粒子は、トナー母体粒子に上記金属酸化物微粒子を被覆する際に併せて添加し、ヘンシェルミキサーなどの粉体用の混合機にて混合することができ、この添加方法が混合工程を繰り返さずに済み、効率的である。また上記金属酸化物微粒子を被覆する前に、球状微粒子を混合機にて混合・分散してもよく、さらに上記の金属酸化物微粒子を被覆した後に、球状微粒子を混合器にて混合・分散してもよい。
【0033】
本発明において添加する球状微粒子は、球状度が0.8以上であることが必要であり、球形度が0.8よりも小さい場合には、添加球状微粒子自体がトナー充填部に残り、帯電ブレードや建造ロールなどに付着し、印刷画像に影響を及ぼすおそれがある。そのような球状微粒子の中で、球状非晶質二酸化ケイ素粒子、球状の架橋アクリル粒子、および球状の架橋ポリスチレン粒子が特に好ましい。
【0034】
添加する球状微粒子の球形度が0.8以上であると、その粒子自身も印刷用のトナーと同時に現像定着の工程を経て印刷紙上に消費され、そのような問題は発生しない。球状の非晶質二酸化ケイ素粒子、球形の架橋アクリル粒子、球形の架橋ポリスチレン粒子はいずれも無色あるいは白色であるため、印刷紙上に消費されても画像には全く影響を及ぼさない。
【0035】
ところでトナー粒子の帯電性は厳密にみれば個々の粒子によって大きく異なる。個々の粒子における帯電量のばらつき、即ち帯電量分布は、トナー粒子の表面状態の違いや粒子径の違いなど、さまざまな因子により発生する。電子写真方式の現像においては、帯電分布を持つ数多くのトナー粒子のうち、現像時における帯電ブレードや現像ロールに最も適した帯電量のトナー粒子がまず消費される。その後、それらの帯電ブレードや現像ロールと帯電が最適ではないトナーも徐々に消費されてゆくものの、最終的に現像システムと異なる帯電性を持つトナー粒子や極端に帯電性が大きいトナー粒子はトナー充填部に残る場合が多い。
【0036】
これらの残トナー粒子が残っているトナー充填部に、当初の帯電分布を持つ同種の静電像現像トナーや、別の静電像現像トナーを添加すると、適正な帯電量のトナー粒子と帯電量の適正でない残トナーとが接触することにより、帯電量がさらに不適正となり、画像に地カブリや筋が発生したり、帯電ブレードなどへのトナー粒子の付着が発生する。ところが本発明において、静電像現像トナーが上記の球状微粒子を添加され含有している場合には、球状微粒子が帯電キャリアの役目を果し、極端に帯電性の異なる残トナーの帯電を正常な帯電範囲に近づけるものと考えられる。
【0037】
そこで、残トナー粒子を残したトナー充填部に、本発明の静電像現像トナーの補充を行った場合には、球状微粒子の帯電キャリアの働きにより、帯電量に極端な違いがなくなり、連続印刷を行った場合でも、画像に地カブリや筋の発生が防止でき、また帯電ブレードなどへのトナーの付着も防止できるようになる。その結果、これまで必要であった充填部、印刷部などのクリーニングやメンテナンスの手間を大幅に減らすことができる。また帯電が均一化し、安定するので、カラー印刷のためにカラートナーを重ねて現像する際の転写効率が安定し、中抜けなどの発生のない、安定した色彩の画像が得られる。
【0038】
本発明の静電像現像トナーに添加含有させる上記球状微粒子は、重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満のものを、含有量として0.5重量%から7.0重量%となるように添加すればよい。なおこの含有量は1重量%から3重量%がさらに好ましい。この球状微粒子の添加により、上記本発明の効果を得るとともに、画像濃度やトナー消費量などに影響を及ぼさずに、良好な画像を得ることができる。
【0039】
球状微粒子の重量平均粒子径が6μm以下であると、トナー粒子自体の帯電量が大きくなりすぎ、充填部の残トナーや補充するトナー自体に付着してしまい、所要の効果が得られない。これは球状微粒子帯電キャリアの役目を果さないためである。また、粒子の重量平均粒子径が25μm以上では、トナー粒子の帯電量を適正化する効果はあるものの、感光体などの静電像形成部材にトナー粒子が付着し易くなり、フィルミングを発生する。
【0040】
またこれら球状微粒子の添加量が0.5重量%より少ないと、充填部の残トナーとの接触が起こりにくいため、帯電の効果が得られにくく、画像に地カブリを発生する。また添加量が7.0重量%よりも多いと粒子自体が現像され、実際に画像となるトナーにも多く分散されるため、見かけの画像濃度が減少する。なお、これら球状微粒子は重量平均粒子径が10μm以上20μm以下であり、その添加量が1.0重量%以上3.0重量%以下であることがさらに好ましい。
【0041】
このようにして、トナーの重量平均粒子径が7μmから12μmの範囲となるように粒径制御し、このトナーの表面を少なくとも1種以上の金属酸化物微粒子で被覆し、さらに重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満の範囲内であって、球形度が0.8以上(1.0以下)である球形の微粒子を、このトナーに対して0.5重量%から7重量%添加し、分散した静電像現像トナーを用いることにより、トナーの補充時でも地カブリなどの画像劣化が発生しない静電像現像トナーを得ることができる。
【0042】
また、このようにして得られた球状微粒子が添加され分散された静電像現像トナーは、静電像の現像において良好な画質を維持し、トナー充填部にトナーを充填しても、カブリなどの発生がなく、部材の交換やクリーニングなどのメンテナンスの回数が大幅に低減される。
【0043】
以上に述べたように、熱可塑性樹脂中に着色剤を分散した静電画像トナーのトナー母体粒子の樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、ワックスを添加し、混練粉砕分級の工程を経て、重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満の範囲内となるように粒径制御したトナー母体粒子の表面を少なくとも1種以上の金属酸化物微粒子で被覆し、さらに球状微粒子を0.5重量%から7.0重量%含有するように添加し分散して静電像現像トナーとすることにより、静電像現像トナーの補充時でも印刷される画像に地カブリなどの画像劣化を発生せずに良好な画像を維持することができ、しかも部材の交換やクリーニングなどのメンテナンス回数を低減できるなどの、優れた特性を示す。得られたトナーは転写性に優れ、特に2色または3色を重ね合せて印刷する場合、中抜けなどの発生がない。
【0044】
(実施例1)
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を使用し、マゼンタ顔料をこの樹脂100重量部に対し3重量部、ワックスとしてポリプロピレンを、この樹脂100重量部に対して3重量部添加、さらに帯電制御剤としてホウ素ベンジル酸錯体をこの樹脂100重量部に対し1重量部添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)にて混合した。
【0045】
混合後、2軸押出混練機((株)池貝製)により混練した。混練後、租粉砕、微粉砕、分級(日本ニューマチック(株)製分級機を使用)の工程を経て、重量平均粒子径10.5μmのマゼンタトナー母体粒子を作製した。
【0046】
上記と全く同じ製法で、顔料をそれぞれ、イエロー顔料、シアン顔料、およびカーボンブラックに変え、その他の原料は全く同じものを使用し、イエロートナー、シアントナーおよびブラックトナーのそれぞれ本体を作製した。各トナー母体粒子の重量平均粒子径はそれぞれ9.6μm、10.2μm、および10.3μmであった。
【0047】
得られた4色の各種類のトナー母体粒子を、加熱処理装置(日本ニューマチック(株)製SFS−03)にてそれぞれ、400℃で処理して球形化を行った。得られた各トナーの球形度をベツクマンコールター(株)製イメージアナライザーにて測定した。その結果、各トナー母体粒子の球形度は、イエロートナー母体粒子0.806、シアントナー母体粒子0.795、そしてブラックトナー母体粒子0.816であった。
【0048】
この各トナー母体粒子100重量部に対し、金属酸化物微粒子として1次粒子径0.05μmのシリカ粒子を1.0重量部加え、さらに球状微粒子として非晶質2酸化ケイ素粒子(サンスフェアH201旭化成(株)製、平均粒子径17μm)を3.0重量部加え、ミキサーで混合することにより、静電像現像トナーを完成させた。なお、球状微粒子として添加した非晶質2酸化ケイ素粒子の球形度は、ベックマンコールター(株)製のイメージアナライザーにて測定したところ、0.925であった。
【0049】
こうして得られた静電像現像トナーを、1成分現像器に投入しカラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.77、0.50、0.46、0.76と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどのトナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0050】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷した結果、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わずに、このトナーを補充し現像を行ったところ、1回目のトナー充填後と画質の変わらない画像が得られ、連続で再び印刷を行っても良好な画像が維持された。
【0051】
この印刷テストを感光体の寿命まで繰り返し行ったところ、合計25,000枚までトナー充填時の掃除なしで良好な画像が得られた。さらに印刷を終了した後、金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着はみられなかった。また現像ローラーについても観察を行ったが、ローラーの磨耗もみられなかった。
【0052】
(実施例2)
イエロー、マゼンタ,シアン、ブラックの4色のカラー静電像現像トナーを重合法により作製し、実施例1で用いたカラープリンターで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。
【0053】
得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.66、0.58、0.62、0.80と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどの静電像現像トナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0054】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷しても、トナーが充填部からなくなるまで、良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、実施例1で作製した2酸化ケイ素粒子(サンスフェアH201旭化成(株)製、平均粒子径17μm)を3.0重量部加えミキサーで混合した静電像現像トナーを補充し、引き続き印刷を行ったところ、1回目と画質の変わらない画像が得られ、連続で繰り返し印刷を行っても良好な画像が維持された。
【0055】
この印刷テストを感光体の寿命まで繰り返し行ったところ、合計25,000枚までトナー充填部の掃除なしで良好な画像が得られた。さらに印刷終了後、金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着はみられなかった。また現像ローラーについても観察を行ったが、ローラーの磨耗もみられなかった。
【0056】
(実施例3)
実施例1で作製したトナーにおいて、添加する球状微粒子を架橋アクリル粒子(WX2000、平均粒子径20μm、綜研化学(株)製)に変え、この粒子の添加量を1.5重量%に変え、その他は実施例1と全く同じ条件で印刷を行った。なお、球状微粒子として添加した架橋アクリル粒子粒子について、球形度をべクマンコールターカウンター(株)製イメージアナライザーで測定したところ、0.950であった。
【0057】
こうして得られた静電像現像トナーを、1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.55、0.51、0.68、0.67と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなど、静電像現像トナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0058】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷したところ、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、この静電像現像トナーを補充し現像を行ったところ、1回目の静電像現像トナー充填後と画質の変わらない画像が得られ、連続で再び印刷を行っても良好な画像が維持された。
【0059】
この印刷テストを感光体の寿命まで繰り返し行ったところ、合計25,000枚までトナー充填時の掃除なしで良好な画像が得られた。さらに印刷終了後、金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着はみられなかった。また現像ローラーについても観察を行ったが、ローラーの磨耗もみられなかった。
【0060】
また同じプリンターに、実施例2と同じ重合法で作製した静電像現像トナーを投入し印刷した後、画像を連続して印刷したところ、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、上記の球状微粒子を添加分散した静電像現像トナーを補充し現像を行ったところ、1回目のトナー充填後と画質の変わらない画像が得られ、連続で再び印刷を行っても良好な画像が維持された。
【0061】
これを感光体の寿命まで繰り返し行ってテストしたところ、合計25,000枚まで静電像現像トナー充填時の掃除なしで良好な画像が得られた。さらに印刷終了後、金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着はみられなかった。また現像ローラーについても観察を行ったが、ローラーの磨耗もみられなかった。
【0062】
(実施例4)
実施例1で作製した静電像現像トナーにおいて、添加する球状微粒子を架橋ポリスチレン粒子(SPG−500、平均粒子径10μm、綜研化学(株)製)に変え、この粒子の添加量を1.5重量%に変えたほかは、実施例1と全く同じ条件で印刷を行った。この球状微粒子として用いた架橋ポリスチレン粒子について、球形度をべクマンコールターカウンター(株)製イメージアナライザーで測定したところ、0.950であった。
【0063】
こうして得られた静電像現像トナーを、1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.69、0.66、0.65、0.68と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどのトナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0064】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷したところ、トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、この静電像現像トナーを補充し現像を行ったところ、1回目の静電像現像トナー充填後と画質の変わらない画像が得られ、連続で再び印刷を行っても良好な画像が維持された。
【0065】
これを感光体の寿命まで繰り返し行ってテストしたところ、合計25,000枚まで静電像現像トナー充填時の掃除なしで良好な画像が得られた。さらに印刷終了後、金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着はみられなかった。また現像ローラーについても観察を行ったが、ローラーの磨耗もみられなかった。
【0066】
また同じプリンターに、実施例2と同様に、重合トナーを投入し印刷した後、画像を連続して印刷したところ、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、上記の球状微粒子を添加分散した静電像現像トナーを補充し現像を行ったところ、1回目の静電像現像トナー充填後と画質の変わらない画像が得られ、連続で再び印刷を行っても良好な画像が維持された。
【0067】
これを感光体の寿命まで繰り返し行ってテストしたところ、合計25,000枚まで静電像現像トナー充填時の掃除なしで良好な画像が得られた。さらに印刷終了後、金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着はみられなかった。また現像ローラーについても観察を行ったが、ローラーの磨耗もみられなかった。
【0068】
(比較例1)
実施例1で作製した静電像現像トナーにおいて、球状微粒子を添加しない点以外は、実施例1と全く同じ条件で静電像現像トナーを作製し、印刷を行った。即ち、得られた静電像現像トナーを1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。
【0069】
得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.87、0.59、0.46、0.74と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどの静電像現像トナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0070】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷した結果、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、この静電像現像トナーを補充し現像を行ったところ、画像にカブリが発生し、重ね合わせの部分では中抜けが発生した。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれ、3.86、4.12、3.36、3.81であった。さらに印刷終了後ね金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着が目視でみられるほどに発生していた。
【0071】
また、実施例2で使用した重合法で作製した静電像現像トナーを投入し印刷したところ、静電像現像トナーがなくなるまでは良好な画像が維持された。約5,000枚でトナー充填部のトナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、このトナーを補充し現像を行ったところ、画像にカブリが発生し、重ね合わせの部分では中抜けが発生した。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれ、6.92、7.01、6.58、6.12であった。さらに印刷終了後ね金属ブレードを観察したところ、金属ブレードへの融着が目視でみられるほどに発生していた。
【0072】
(比較例2)
実施例1で作製した静電像現像トナーにおいて、球状微粒子を添加せず、重量平均粒子径15μmで不定形のアクリル樹脂を用いたほかは、実施例1と全く同じ条件でトナーを作製し、印刷を行った。即ち、得られた静電像現像トナーを1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。
【0073】
得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、5.87、7.59、6.45、5.74と、非常にカブリが多く発生し使用できるレベルではなかった。
【0074】
(比較例3)
実施例3で作製した静電像現像トナーにおいて、球状架橋アクリル粒子の重量平均粒径を1.8μmに変え、このほかは実施例3と全く同じ条件で印刷を行った。
【0075】
こうして得られた静電像現像トナーを、1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.57、0.41、0.77、0.81と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどのトナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0076】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷したところ、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。しかし、約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、この静電像現像トナーを補充し現像を行ったところ、画像にカブリが発生し、重ね合わせの部分では中抜けが発生した。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれ、4.96、5.12、3.96、4.83であった。
【0077】
(比較例4)
実施例3で作製した静電像現像トナーにおいて、球状架橋アクリル粒子の重量平均粒径を30μmに変え、このほかは実施例3と全く同じ条件で印刷を行った。
【0078】
即ち、得られた静電像現像トナーを1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.84、0.54、0.49、0.66と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどのトナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。しかし画像を連続して印刷したとき、感光体上に徐々に粒子が付着してゆき、その部分は現像されないため、画像に斑点が現れるフィルミングが発生した。また現像ロール、帯電ブレードを確認したところ、付着が発生してしていた。
【0079】
(比較例5)
実施例3で作製した静電像現像トナーにおいて、球状架橋アクリル粒子の添加量を0.2重量%に変え、このほかは実施例3と全く同じ条件で印刷を行った。即ち、得られた静電像現像トナーを1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。
【0080】
得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.55、0.64、0.72、0.51と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどのトナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。
【0081】
この静電像現像トナーを用いて画像を連続して印刷したところ、静電像現像トナーが充填部からなくなるまで良好な画像が維持された。しかし、約5,000枚でトナー充填部の静電像現像トナーがなくなったため、充填部の掃除を行わず、このトナーを補充し現像を行ったところ、画像にカブリが発生し、重ね合わせの部分では中抜けが発生した。得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれ、5.89、6.57、6.31、5.22であった。
【0082】
(比較例6)
実施例3で作製した静電像現像トナーにおいて、球状架橋アクリル粒子の添加量を30重量%に変え、このほかは実施例3と全く同じ条件で印刷を行った。即ち、得られたトナーを1成分現像器に投入し、カラーレーザービームプリンタで負帯電の静電画像を現像し、普通紙への転写・定着を行った。
【0083】
得られた画像の地汚れ(カブリレベル)を色差計にて測定したところ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについてそれぞれ、0.62、0.48、0.71、0.76と、非常にカブリの少ない、鮮明なものが得られた。またレッド、ブルー、グリーンなどのトナーを2色以上重ねて色を形成する部分でも、中抜けはなく、所望の色が形成された。しかし画像を連続して印刷したとき、感光体上に徐々に粒子が付着してゆき、その部分は現像されないため、画像に斑点が現れるフィルミングが発生した。また現像ロール、帯電ブレードを確認したところ、傷が発生してしていた。
【0084】
【発明の効果】
上記したように本発明によれば、熱可塑性樹脂中に着色剤を分散した静電像現像トナーにおいて、この樹脂中に着色剤、帯電制御剤、ワックスを添加し、混練、粉砕、分級の工程を経て、体積平均粒子径が7μmから12μmの範囲内となるように粒径制御してトナー母体粒子に加工し、このトナー母体粒子の表面を金属酸化物微粒子で被覆し、さらに重量平均粒子径が6μmを超え25μm未満で球形度が0.8以上の微粒子をこのトナーに対して0.5〜7.0重量%添加分散した静電像現像トナーを用いることにより、静電像現像トナーの補充時でも地カブリなどの画像劣化を生じることなく、良好な画像を維持し、部材の交換やクリーニングなどのメンテナンスの回数を大幅に減らすことができる。

Claims (5)

  1. 着色剤、帯電制御剤および離形剤を含有し重量平均粒径が7μm以上12μm以下の熱可塑性樹脂トナー母体粒子が、粒子表面に金属酸化物微粒子の被覆を有し、重量平均粒径が6μmを超え25μm未満であり平均球形度が0.8以上の球状微粒子を0.5重量%以上7.0重量%以下添加されてなることを特徴とする静電像現像トナー。
  2. 前記球状微粒子が非晶質二酸化ケイ素粒子であることを特徴とする請求項1記載の静電像現像トナー。
  3. 前記球状微粒子が架橋アクリル粒子であることを特徴とする請求項1記載の静電像現像トナー。
  4. 前記球状微粒子が架橋ポリスチレン粒子であることを特徴とする請求項1記載の静電像現像トナー。
  5. 前記トナー母体粒子が、球形度0.75以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の静電像現像トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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