JP2004028850A - パターン検出装置 - Google Patents

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Hideki Komatsuda
小松田 秀基
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Abstract

【課題】被検光学系が発する蛍光の影響を受けることのないパターン検出装置を提供することである。
【解決手段】被検光学系12に対して200nm以下の波長の光を供給する光供給手段と、被検光学系12を介した光に基づき、被検光学系12の状態を示すパターンを発生させる光学系18〜22と、光学系により発生させたパターンを観察するパターン観察面上に配置された波長シフト手段24と、波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づくパターンを撮像する撮像手段32とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レンズやミラー等の被検光学系の面形状や波面収差の状態を示すパターンを検出するパターン検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の高集積化、高密度化が進められている。半導体集積回路の線幅を細くし、回路パターンを更に精密なものとするために、半導体集積回路製造用の露光装置におけるフォトリソグラフィ解像度の更なる向上が求められている。露光装置のフォトリソグラフィ解像度を向上させるために、露光装置で用いられる露光光は、これまでにg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ光(248nm)へと短波長化が進められており、現在、波長200nmよりも短波長の波長域の露光光、即ちArFエキシマレーザ光(193nm)、F2レーザ光(157.6nm)へと更なる短波長化が図られている。
【0003】
ここで露光装置においては、露光光が短波長化することにより投影レンズを構成する光学素子の中のいくつかの光学素子の硝材として、短波長域において光透過率が極めて高い蛍石が用いられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投影レンズの露光波長による波面計測は、露光装置用の投影レンズの加工において必須の工程になっている。しかしながら露光光の波長が200nm以下、例えば、F2レーザ光の波長である157.6nm等の場合には、蛍石により形成された投影レンズを構成する光学素子から多くの蛍光が発生する。また、CCDは、F2レーザ光の波長である157.6nmの光よりも、この光により発生した蛍光のほうに高い感度を有するため、蛍光が実質的に強力なフレアとなり、波面計測が困難になる。
【0005】
従って、この蛍光の影響を除去するために、特開2001−189270号公報に開示されているように、フィルタにより蛍光をカットすることが提案されているが、CCDのカバーガラス等のフィルタ後の硝材からも蛍光が発生するため、波面計測における蛍光の影響を完全に除去することはできなかった。
【0006】
この発明の課題は、被検光学系が発する蛍光の影響を受けることのないパターン検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパターン検出装置は、被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給する光供給手段と、前記被検光学系を介した前記光に基づき、前記被検光学系の状態を示すパターンを発生させる光学系と、前記光学系により発生させた前記パターンを観察するパターン観察面上に配置された波長シフト手段と、前記波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく前記パターンを撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この請求項1記載のパターン検出装置によれば、パターン観察面上に配置された波長シフト手段により、波長シフト手段に入射する光の波長をシフトさせるため、撮像手段において、波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく被検光学系の状態を示すパターンを撮像することができる。
【0009】
また、請求項2記載のパターン検出装置は、被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給する光供給手段と、前記光供給手段により供給された光に基づく前記被検光学系の波面収差の情報を干渉パターンに変換する光学系と、前記光学系により発生させた前記干渉パターンを観察するパターン観察面上に配置された波長シフト手段と、前記波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく前記干渉パターンを撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この請求項2記載のパターン検出装置によれば、パターン観察面上に配置された波長シフト手段により、波長シフト手段に入射する光の波長をシフトさせ、撮像手段において、波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく被検光学系の波面収差の状態を示す干渉パターンを撮像する。従って、被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給した場合において、この供給された光に基づいて、被検光学系において発生する蛍光の影響を受けることなく干渉パターンの撮像を行うことができる。
【0011】
また、請求項3記載のパターン検出装置は、前記波長シフト手段が、入射した光の波長を長波長側にシフトさせる蛍光板であることを特徴とする。この請求項3記載のパターン検出装置によれば、波長シフト手段が入射した光の波長を長波長側にシフトさせる蛍光板であることから、撮像手段において、波長シフト手段により感度の高い波長領域にシフトされた光に基づいて干渉パターン等、光学系により発生させたパターンの撮像を行うことができる。
【0012】
また、請求項4記載のパターン検出装置は、前記波長シフト手段と前記撮像素子との間にリレー光学系を更に備えることを特徴とする。この請求項4記載のパターン検出装置によれば、波長シフト手段と撮像素子との間にリレー光学系を備えるため、パターン検出装置の設計自由度を高めることができる。
【0013】
また、請求項5記載のパターン検出装置は、前記被検光学系が、蛍石により形成された光学素子を有し、前記リレー光学系は、少なくとも蛍石の蛍光波長の光を遮断するフィルタを有することを特徴とする。
【0014】
この請求項5記載のパターン検出装置によれば、被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給した場合において、この供給された光に基づいて、被検光学系において発生した蛍石の蛍光波長の光をフィルタにより遮断するため、被被検光学系において発生する蛍光の影響を受けることなく干渉パターン等、光学系により発生させたパターンの撮像を行うことができる。
【0015】
また、請求項6記載のパターン検出装置は、前記被検光学系が、露光装置に備えられる投影レンズであることを特徴とする。この請求項6記載のパターン検出装置によれば、露光光として200nm以下の波長の光を用いる投影レンズの露光波長による波面計測を、発生した蛍光の影響を受けることなく行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかるパターン検出装置としての干渉計の構成図である。
【0017】
F2レーザ光源1から発した光束は、レンズ2を介することにより平行光束とされピンホール板4へ導かれる。図2には、ピンホール板4の形状が示されており、ピンホール板4の中央部にピンホール4aが設けられている。レンズ2によりピンホール板4へ導かれた光束は、ピンホール4aを通過することにより収差を有さない球面波になる。
【0018】
ピンホール4aから発した光は、レンズ6により平行光束とされハーフミラー8に入射する。ハーフミラー8により図中上方に反射された光は、光学系10を介して被検レンズ12に導かれる。この実施の形態においては、被検レンズ12として、露光装置に用いられる投影レンズが用いられている。この投影レンズは、露光光としてF2レーザ光を用いるものであり、投影レンズを構成する光学素子の中のいくつかの光学素子の硝材として、短波長域において光透過率が極めて高い蛍石が用いられている。ここで、ピンホール4aと被検レンズ12が像面、もしくは物体面として想定している面は、共役な位置に配置される。なお、ハーフミラー8に換えて偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いてもよい。この場合には、ハーフミラー8と光学系10との間等に、λ/4板を設けることが必要になる。
【0019】
被検レンズ12を透過した光は、ほぼ歪のない球面鏡14により反射され、再び被検レンズ12を透過する。このように光が被検レンズ12を2回、透過することで、ピンホール4aを射出した時点では、無収差の球面波であった光が被検レンズ12の波面収差の倍の歪をもつことになる。
【0020】
被検レンズ12から射出された光は、光学系10を介してハーフミラー8に入射する。ハーフミラー8を透過した光は、レンズ16を介して回折格子18に導かれる。回折格子18を通過した光は、被検レンズ12の波面収差の情報を保持したまま複数本の光束に分岐し、この分岐した光束がピンホール及び開口を有する板状部材20に導かれる。図3には、板状部材20の形状が示されており、板状部材の中心部を挟んでピンホール20a及び開口20bが設けられている。
【0021】
この干渉計においては、回折格子18において分岐された光束のうち0次光の光束をピンホール20aに通過させ、1次光の光束を開口20bに通過させる。なお、干渉縞のコントラストを上げるためには、2つの光束の光強度は等しいことが好ましいが、通常は、0次光の光束の方が1次光の光束よりも光強度が強いため、光が通過することにより極端に光強度が低下するピンホール20aに0次光の光束を通過させる。
【0022】
ピンホール20aを通過した0次光の光束及び開口20bを通過した1次光の光束は、レンズ22を介して波長シフト手段を構成する蛍光板24に導かれる。この蛍光板24は、ピンホール20aを通過した0次光の光及び開口20bを通過した1次光の光により干渉パターンが発生する観察面上に配置される。この蛍光板24においては、発生した干渉パターンと同一の形状で蛍光を発する。
【0023】
ここで蛍光板には、蛍石とは異なる波長の蛍光を発する硝材を使用する。具体的には、蛍石は、157.6nmの波長の光を受けると300〜500nm程度の青白い光を発するため、600〜700nm程度の赤い光を発する硝材、例えば石英ガラス、石英ガラスに微量の不純物を含ませた硝材が望ましい。また、蛍光板は、F2レーザの波長、即ち157.6nmの波長の光に対して透過率が低いことが望ましい。透過率が低い場合には、硝材の表面近傍のみで蛍光を発するため、干渉縞の像がデフォーカスしてボケることがない。
【0024】
蛍光板24により発生した蛍光、即ち波長シフトされた光は、リレー光学系を介してCCD32に導かれ、干渉パターンの撮像が行われる。即ち、レンズ26を介してフィルタ28に導かれ、蛍光板24において発生した蛍光のみを透過させ、被検光学系を通過した本来の波長の光、及び途中の光学系が励起されて発した蛍光(蛍石の蛍光波長の光)を遮断する。ここでフィルタとしては、300〜500nmで透過率が低く、600〜700nmの透過率が高いフィルタ、例えば干渉フィルタ、色ガラスフィルタ等が望ましい。
【0025】
フィルタを透過した光は、レンズ30を介してCCD32に導かれ、干渉パターンの撮像が行われる。即ち、蛍光板24において発生した蛍光に基づく干渉パターンの撮像を行う。ここで、図4に示すように、CCD32の感度は、600nm近傍でピークとなる。従って、蛍光板24により発生した蛍光(波長600〜700nmの蛍光)、即ち、CCDの感度の高い波長にシフトされた光に基づいて、干渉パターンの撮像を行うため、被検光学系において発生する蛍光の影響を受けることなく干渉パターンの撮像を行うことができる。
【0026】
なお、上述の実施の形態においては、リレー光学系中にフィルタ28を備えているが、蛍光板24において発する蛍光が十分に強い場合には、フィルタ28を設ける必要はない。
【0027】
また、上述の実施の形態においては、光源にFレーザ光源を用いているが、この発明を波長200nm以下の光を供給する光供給手段を有する干渉計等のパターン検出装置に適用することにより、供給した光に基づいて発生した蛍光の影響を受けることなくパターンの検出を行うことができる。
【0028】
【発明の効果】
この発明のによれば、パターン観察面上に配置された波長シフト手段により、波長シフト手段に入射する光の波長をシフトさせるため、撮像手段において、波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく被検光学系の状態を示すパターンを撮像することができる。
【0029】
また、パターン観察面上に配置された波長シフト手段により、波長シフト手段に入射する光の波長をシフトさせ、撮像手段において、波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく被検光学系の波面収差の状態を示す干渉パターンを撮像するため、被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給した場合において、この供給された光に基づいて、被検光学系において発生する蛍光の影響を受けることなく干渉パターンの撮像を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる干渉計の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態にかかる干渉計に用いられるピンホール板を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態にかかる干渉計に用いられるピンホール及び開口を有する板状部材を示す図である。
【図4】CCDの感度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光源
4 ピンホール板
8 ハーフミラー
12 被検光学系(投影レンズ)
18 回折格子
20 板状部材
24 蛍光板
28 フィルタ
32 撮像手段

Claims (6)

  1. 被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給する光供給手段と、
    前記被検光学系を介した前記光に基づき、前記被検光学系の状態を示すパターンを発生させる光学系と、
    前記光学系により発生させた前記パターンを観察するパターン観察面上に配置された波長シフト手段と、
    前記波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく前記パターンを撮像する撮像手段と
    を備えることを特徴とするパターン検出装置。
  2. 被検光学系に対して200nm以下の波長の光を供給する光供給手段と、
    前記光供給手段により供給された光に基づく前記被検光学系の波面収差の情報を干渉パターンに変換する光学系と、
    前記光学系により発生させた前記干渉パターンを観察するパターン観察面上に配置された波長シフト手段と、
    前記波長シフト手段によりシフトされた波長の光に基づく前記干渉パターンを撮像する撮像手段と
    を備えることを特徴とするパターン検出装置。
  3. 前記波長シフト手段は、入射した光の波長を長波長側にシフトさせる蛍光板であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパターン検出装置。
  4. 前記波長シフト手段と前記撮像素子との間にリレー光学系を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のパターン検出装置。
  5. 前記被検光学系は、蛍石により形成された光学素子を有し、前記リレー光学系は、少なくとも蛍石の蛍光波長の光を遮断するフィルタを有することを特徴とする請求項4記載のパターン検出装置。
  6. 前記被検光学系は、露光装置に備えられる投影レンズであることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のパターン検出装置。
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JP2005043353A (ja) * 2003-07-05 2005-02-17 Carl Zeiss Smt Ag 偏光固有調査方法、光学的結像システムおよび校正方法
JP2009541065A (ja) * 2006-06-29 2009-11-26 エコール ポリテクニック フェムト秒レーザービームを用いてターゲットを加工するための方法及び装置

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