JP2004028579A - 水使用状況監視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】既に設置されている水道設備における蛇口、給水装置など各水栓ごとの使用水量の測定を簡単に行うことができる水使用状況監視システムを提案すること。
【解決手段】水使用状況監視システム1では、振動センサ6の検出出力に基づき、水栓使用検知器4が各水栓21の開閉を検出して開閉時間を記録し、使用水量解析器3が水道メータ22から得られるパルス信号に基づき時間毎の使用水量を記録し、これらの記録データに基づき各水栓21での水使用量を各時間毎に求める。水道メータ22が機械式の場合には、そのパイロットの回転に基づきパルス信号を生成して、使用水量解析器3に供給するパルス発生器7を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】水使用状況監視システム1では、振動センサ6の検出出力に基づき、水栓使用検知器4が各水栓21の開閉を検出して開閉時間を記録し、使用水量解析器3が水道メータ22から得られるパルス信号に基づき時間毎の使用水量を記録し、これらの記録データに基づき各水栓21での水使用量を各時間毎に求める。水道メータ22が機械式の場合には、そのパイロットの回転に基づきパルス信号を生成して、使用水量解析器3に供給するパルス発生器7を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓の水使用量を監視するための水使用状況監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭などの水使用者からの水使用量に関する相談、疑問に対応するために、水道設備における蛇口、給水装置などに取り付けられている各水栓毎の使用水量を測定して、水使用の実態を調査する場合がある。
【0003】
各水栓毎に水使用状況を調べるためには、水道設備の元水栓などに取り付けてある水道メータにより総使用水量を測定すると共に、各水栓に繋がる配管の途中に取付けた個別の流量メータにより、各水栓での個別の水使用量を測定すればよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、一般家庭では、蛇口、給水装置などの各水栓に繋がる配管が既に建物の中に設置されている。このため、水使用の実態調査を行う場合、配管に流量メータを取付けるために建物を部分的に壊したりする必要があり、作業性も悪く、簡単に行うことができない。
【0005】
また、既に設定してある水道メータが機械式の場合には、電子式水道メータのように、流量変化をパルス信号として取り出すことができないので、電子式水道メータに交換する必要があり、そのまま、機械式水道メータを用いる場合は、目視で測定する必要があるので、データ測定に手間がかかる。
【0006】
さらには、各水栓での使用水量の積算値を計測できるが、各水栓の使用時間帯などについては検出できないので、各時間帯毎の各水栓での水使用状況を知ることができないという問題もある。
【0007】
本発明の課題は、既に設置されている水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓毎の使用水量の測定を簡単に行うことができる水使用状況監視システムを提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓での水使用状況を監視する水使用状況監視システムにおいて、
主水管に取り付けた水道メータと、
この水道メータから水の流量およびその変化を示すパルス信号を受信し、受信したパルス数を単位時間毎に積算し、積算値を時間情報と共に記録する使用水量解析器と、
前記主水管から分岐している各分岐管に取り付けた各水栓の振動を検出する振動センサと、
この振動センサの検出出力に基づき、前記水栓の開閉を検出し、開閉時間を記録する水栓使用検知器と、
前記使用水量解析器および前記水栓使用検出器の記録データに基づき、各水栓での水の使用状況を解析する記録データ処理装置とを有していることを特徴としている。
【0009】
本発明では、振動センサの検出出力に基づき、各水栓の開閉を検出して開閉時間を記録するようにしている。従って、水栓使用検知器により記録されている開閉時間と、使用水量解析器により記録されている時間毎の使用水量とに基づき、各水栓での水使用量を各時間毎に求めることができる。
【0010】
ここで、水道メータが機械式の水道メータの場合には、電子式水道メータとは異なり前記パルス信号が発生しない。この場合には、前記機械式の水道メータの表示部に配置されているパイロットの回転に基づき前記パルス信号を生成して、前記使用水量解析器に供給するパルス発生器を用いればよい。このパルス発生器は、前記パイロットに光を照射し、当該パイロットで反射した反射光を検出して、前記パイロットの回転をパルス信号に変換する構成とすればよい。
【0011】
また、この場合、前記パルス発生器を水道メータの表示部に簡単に着脱できるようにするためには、当該パルス発生器を、パルス発生器本体と、このパルス発生器本体を前記機械式の水道メータの表示部に対して着脱可能な状態で取り付ける取り付け治具とを備えた構成とし、前記取り付け治具を、前記機械式の水道メータの表示部ケースに対してねじ止め固定する第1固定部と、前記機械式の水道メータの表示部における前記パイロットに対峙した表示面部分に、前記パルス発生器本体を押し付けて固定する第2固定部とを備えた構成とすればよい。
【0012】
次に、前記水栓使用検知器による消費電力を抑制するためには、前記振動センサからの検出信号を第1のサンプリング間隔で監視し、前記水栓が開いたことを検出してから当該水栓が閉じたことが検出されるまでの間は、短い第2のサンプリング間隔で監視するように構成すればよい。
【0013】
また、この水栓使用検知器による水栓開閉の検知がノイズによって影響されることなく精度良く行わせるためには、前記水栓が開いたことが検出された場合には、前記第2のサンプリング間隔で同一の検出結果が複数回連続して検出された場合にのみ、前記水栓が開いたことの検出結果を確定させるようにすればよい。同様に、前記水栓が閉じたことが検出された場合には、前記第1のサンプリング間隔で同一の結果が複数回連続して検出された場合にのみ、前記水栓が閉じたことの検出結果を確定させるようにすればよい。
【0014】
一方、前記水栓使用検知器および前記使用水量解析器の防水性を高めるためには、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えた構成とすることが望ましい。
【0015】
次に本発明は上記の水使用状況監視システムに用いるのに適した使用水量解析器に関するものであり、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は上記の水使用状況監視システムに用いるのに適した水栓使用検知器に関するものであり、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明を適用した水使用状況監視システムの実施の形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は本発明を適用した水使用状況監視システムの一例を示す概略ブロック図である。本例の水使用状況監視システム1は、一般家庭などの水道設備2における各蛇口などの水栓21の水使用量を監視するものであり、主水管20に取り付けた水道メータ22と、この水道メータ22から水の流量およびその変化を示すパルス信号を受信し、受信したパルス数を単位時間毎に積算し、積算値を時間情報と共に記録する使用水量解析器3と、主水管20から分岐している各分岐管23に取り付けた各水栓21の振動を検出する振動センサ6と、この振動センサ6の検出出力に基づき、各水栓21の開閉を検出し、開閉時間を記録する水栓使用検知器4と、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データに基づき、各水栓での水の使用状況を解析する記録データ処理装置5とを有している。
【0019】
使用水量解析器3は、全体として扁平な箱型の防水ケース31と、この防水ケース31の表面に形成された液晶表示面32およびスイッチ操作面33を備えている。防水ケース31は、水道メータ22との間がケーブル3aで接続され、記録データ処理装置5との間もケーブル3bで接続されている。水栓使用検知器4も、全体として扁平な箱型の防水ケース41と、この防水ケース41の表面に形成された液晶表示面42およびボタン操作面43を備えている。この防水ケース41は、各水栓21に取付けられた振動センサ6にケーブル4aで接続され、記録データ処理装置5との間もケーブル4bで接続されている。
【0020】
ここで、水道メータ22が電子式の場合には、流量およびその変化がパルス信号として出力されるので、その信号を使用水量解析器3にそのまま取り込み記録することができる。しかし、水道メータ22が機械式の場合は、流量変化がパルス信号として出力されないので、このままでは水道メータの測定結果を使用水量解析器3に取り込むことができない。この場合には、図1において想像線で示すように、水道メータ22に対して、着脱可能な状態で、パルス発生器であるパイロット検出用アタッチメント7を取付けてパルス信号を取り出し、使用水量解析器3に取り込むようにしている。
【0021】
(振動センサ)
図2は水栓21に取り付けた振動センサ6を示す側面図および正面図である。振動センサ6は、固定具60によって、水栓21が取り付けられている蛇口管21aに対して着脱可能な状態で取り付けられている。固定具60は、可撓性の金属バンド61と、この金属バンド61を環状に連結しているバックル62と、金属バンド61の環を伸縮させるための調整ねじ63とから構成され、バックル62の表面に振動センサ6が固定されている。金属バンド61を蛇口管21aに緊結すると、蛇口管21aの振動がバックル62を介して振動センサ6に確実に伝達する。従って、水栓21を開閉する際の振動を、蛇口管21aを介して振動センサ6で検出可能である。
【0022】
(パイロット検出用アタッチメント)
図3(a)および(b)は、パイロット検出用アタッチメント7を示す正面図および断面図である。パイロット検出用アタッチメント7は、機械式の水道メータ22の表示部22aに配置されているパイロット22bの回転に基づきパルス信号を生成して、使用水量解析器3に供給するパルス発生器であり、パルス発生器本体71と、このパルス発生器本体71を機械式水道メータ22の表示部22aに対して着脱可能で取付ける取り付け治具72とを備えている。
【0023】
パルス発生器本体71は、筒状の本体ケース73と、この本体ケース73に内蔵された受発光素子74とを備えている。本体ケース73は、下端部分に大径のフランジ部75が形成されている。フランジ部75は、水道メータの表示部22aの表示部ケース22cの内側に嵌まり、底面が表示部22aの表示面部分22dに載るようになっている。このフランジ部75の底面開口を通して、受発光素子74からパイロット22bに光が照射される。
【0024】
受発光素子74は、発光ダイオードを光源として、その光をパイロット22bに照射し、反射された光を検知してパイロット22bの回転をパルス出力に変換するものである。例えば、パイロットの1回転あたり、8パルス出力される。また、受発光素子74は、使用水量解析器3にケーブル7aを介して接続され、使用水量解析器3へパルス信号を送るとともに、使用水量解析器3に内蔵された電池から電源供給される。
【0025】
取り付け治具72は、機械式水道メータ22の表示部ケース22cに対して第1のねじ76でねじ止め固定する第1固定部77と、表示部ケース22cに配置された本体ケース73の上面を第2のねじ78によって押さえて、パイロット22bに対峙した表示面部分22dにパルス発生器71を押付けて固定する第2固定部79とを備えている。
【0026】
このパイロット検出用アタッチメント7を機械式の水道メータ22に取付けると、パルス発生器本体71によってパイロットの回転をパルス信号として取り出すことができる。また、パルス発生器本体71は、取り付け治具72を用いることにより、水道メータ22に対する着脱も簡単である。
【0027】
(使用水量解析器)
図4は、使用水量解析器3の回路構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、使用水量解析器3は、マイクロコンピュータ(MPU)300を中心として回路構成されている。マイクロコンピュータ300には、水道メータ22またはパイロット検出用アタッチメント7からのパルス信号を取込むためのパルス入力用インタフェース301、記録データ処理装置5にデータを送るためのRS232Cインタフェース302、液晶303、電源スイッチ304、設定確認スイッチ305、設定変更スイッチ306、開始スイッチ307、外部タイマ素子308、メモリ(SRAM)309、メイン電池310が接続されている。また、メイン電源310の予備電源としてのバックアップ用電池311と、水道メータ22が機械式の場合に取付けるパイロット検出用アタッチメント7に電源供給するためのアタッチメント用電池312も備えている。メイン電池310、バックアップ用電池311、およびアタッチメント用電池312は、それぞれ専用の電源スイッチ313、314、315を介して接続されている。また、メイン電池310は、ある電圧まで低下すると、切換えスイッチ316によってバックアップ電池311に切換えられるようになっている。
【0028】
これらの回路部品は、図1に示した防水ケース31に内蔵されており、防水ケース31の液晶表示面32には、液晶303が配置されている。図5は、液晶303を全点灯表示した様子を示す説明図である。
【0029】
この図を参照すると、液晶303は、使用水量解析器3における動作状態および設定値を表示するものであり、6桁の数字で表される設定値/現在時刻/エラー表示用表示部303aを中心にして、その回りに、電池電圧警告表示部303b、記録中/記録完了マーク表示部303c、パルス検出表示部303d、通信マーク表示部303e、設定マーク303f、データ記録経過日数表示部303gを表示するようになっている。
【0030】
また、図4に示した複数のスイッチのうち、電源スイッチ304、設定確認スイッチ305、設定変更スイッチ306、開始スイッチ307の4つのスイッチは、磁力により開閉可能なリードスイッチとなっている。これらのスイッチは、図1に示した防水ケース31のスイッチ操作面33にマグネットを近づけることにより操作を行うことができる。よって、防水ケース31のスイッチ操作面33には、スイッチ操作用の穴等を形成しなくてもよいので、使用水量解析器3の防水性を高めることができる。
【0031】
このように構成された使用水量解析器3では、開始スイッチ307を操作することにより、記録を開始することができる。また、設定変更スイッチ306で記録開始日時を設定することにより、設定した日時に自動的に記録を開始することができる。この設定変更スイッチ306では、データを区別化するための調査コード、現在日時等を設定することができる。
【0032】
記録が開始されると、電子式水道メータ22またはパイロット検出用アタッチメント7から出力されるパルス数をマイクロコンピュータ300において1秒間隔で積算する。1秒間隔で積算したパルス積算数をメモリ309において1ヶ月以上記録する。
【0033】
記録したパルス積算数は、RS232Cインタフェース302を介して記録データ処理装置5に転送される。また、RS232Cインタフェース302を介して記録データ処理装置5の側から使用水量解析器3の設定を行うこともできる。
【0034】
(水栓使用検知器4)
次に、水栓使用検知器4について説明する。図6は、水栓使用検知器4の回路構成を示す概略ブロック図である。水栓使用検知器4は、マイクロコンピュータ(MPU)400を中心として構成されている。マイクロコンピュータ400には、水栓21に取付けた振動センサ6からの出力信号を取込むためのセンサ信号入力インタフェース401、記録データ処理装置5にデータを送るRS232Cインタフェース402、液晶(LCD)403、電源スイッチ404、記録開始スイッチ405、設定確認スイッチ406、設定変更スイッチ407、外部タイマ素子408、メモリ(SRAM)409、メイン電池410が接続されている。さらに、メイン電池410の予備電源としてのバックアップ用電池411も備えている。メイン電池410、バックアップ用電池411は、それぞれ専用の電源スイッチ412、413を介して接続されている。メイン電池410は、ある電圧まで低下すると、切換えスイッチ414によって自動的にバックアップ電池411に切換えられるようになっている。
【0035】
また、センサ信号入力インタフェース401は、感度調節回路415を備えており、この感度調節回路415により調整されてマイクロコンピュータ400に入力される信号は、基準電圧生成回路416に接続されたコンパレータ417を介するものと、コンパレータ417を通らずにマイクロコンピュータ400でA/D変換されるものの2通りになっている。
【0036】
これらの回路部品は、図1に示した防水ケース41に内蔵されており、防水ケース41の液晶表示部42には、液晶403が配置されている。図7は、液晶403を全点灯表示した様子を示す説明図である。
【0037】
この図に示すように、液晶403は、水栓使用検知器4における動作状態および設定値を表示するものであり、6桁の数字で表される設定値/現在時刻/エラー表示用表示部403aを中心にして、その回りに、メイン電池電圧低下警告表示部403b、記録中/記録完了マーク表示部403c、センサ信号検出表示部403d、通信マーク表示部403e、設定マーク表示部403f、データ記録経過日数表示部403gを表示するようになっている。
【0038】
また、図6に示した複数のスイッチうち、電源スイッチ404、記録開始スイッチ405、設定確認スイッチ406、および、設定変更スイッチ407は、押しボタンスイッチとなっている。これらのスイッチについても、上記の使用水量解析器3において使用している磁力により開閉可能なリードスイッチを用いれば、防水ケース41のボタン操作面43にスイッチ操作用の穴等を形成しなくてもよいので、水栓使用検知器4の防水性を高めることができる。
【0039】
このように構成された水栓使用検知器4は、記録開始スイッチ405を操作することにより、記録を開始することができる。また、設定変更スイッチ407で記録開始日時を設定することにより、設定した日時に自動的に記録を開始することができる。この設定変更スイッチ407では、感度調節回路415に入力するセンサ信号の増幅率の設定値、データを区別化するための識別番号、現在日時等を設定することができる。
【0040】
記録が開始されると、水栓21に取付けられた振動センサ6からの出力信号により、水栓21の開いた時刻および水栓の閉じた時刻をメモリ409において1ヶ月以上記録する。
【0041】
この水栓使用検知器4では、通常、振動センサ6からの検出信号を第1のサンプリング間隔、例えば、500ms間隔で監視している。一方、振動センサ6からの検出信号によって、水栓21が開いたことを検出してから水栓21が閉じたことが検出されるまでの間は、第1のサンプリング間隔よりも短い第2のサンプリング間隔、例えば、100ms間隔で監視する。このように、第1および第2のサンプリング間隔を切換えて水栓21を監視することにより、消費電力を抑制している。
【0042】
また、水栓使用検知器4による水栓21の開閉検知が、水栓の開閉とは別の振動ノイズによって影響されることがないように、水栓21が開いたことが検出された場合には、第1のサンプリング間隔から切換えられた短い間隔の第2のサンプリング間隔で連続して10回振動を検出した場合にのみ、水栓21が開いたとして検出結果を確定する。
【0043】
同様に、水栓21が閉じたことを検出した際は、第2のサンプリング間隔から切換えられ、第2のサンプリング間隔より長い間隔の第1のサンプリング間隔で連続して3回停止を検出した場合のみ、水栓21が閉じたことの検出結果を確定する。
【0044】
記録された水栓の開閉時刻は、RS232Cインタフェース402を介して記録データ処理装置5に転送される。また、RS232Cインタフェース402によって、記録データ処理装置5の側から水栓使用検知器4の設定を行うこともできる。
【0045】
(記録データ処理装置)
使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データは、記録データ処理装置5によって解析され、各水栓21での水の使用状態が明らかになる。
【0046】
記録データ処理装置5は、解析ソフトを用いて、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データをそれぞれ解析し、時間的な水使用状況をグラフ、数値によって表すことができる。また、解析ソフトにより、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データを融合処理して、各水栓21の使用時刻および使用水量を求めて、いつ、どの水栓が使用されたのかをグラフ、数値等により時系列的に表すこともできる。さらに、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の設定時刻がずれているときは、データ取り込み時に補正する。
【0047】
このように構成された水使用状況監視システム1は、使用水量解析器3が記録する流量データと、水栓使用検知器4が記録する各水栓21の振動データとを記録データ処理装置5で処理する。水栓使用検知器4が各水栓21の振動を記録することによって、各水栓21の使用時間が求められる。この各水栓21の使用時間における水栓21の使用水量は、使用水量解析器3の流量データから求める。また、同じ時間帯に複数の水栓21が使用されていた場合は、振動レベルによって、各水栓21の使用水量を求めることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水使用状況監視システムは、水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓での水使用状況を監視するために、使用水量解析器が記録する水道メータの流量データと、水栓使用検知器が記録する各水栓の振動データとを記録データ処理装置で処理する。水栓使用検知器が各水栓の振動を記録することによって、各水栓の使用時間が求められる。この各水栓の使用時間と、使用水量解析器により記録されている時間毎の使用水量とに基づき、各水栓での水使用量を各時間毎に求めることができる。
【0049】
水栓使用検知器に用いる各水栓の振動を記録するための振動センサは、水栓の外側に取付けているだけなので、建物を壊したりすることなく簡単に取り付けることができる。また、使用水量解析器は、水道メータが機械式の場合にもパルス発生器を取付けることにより、電子式水道メータと同様に、流量変化をパルス信号として取込むことができる。従って、既に設置されている水道設備においても、使用水量の測定を簡単にできる。
【0050】
次に、本発明の使用水量解析器および水栓使用検知器では、防水ケースの外側からその操作面にマグネットを近づけることにより内部の磁気駆動式のスイッチを切り換えることができるので、従来の押しボタンスイッチなどに比べて防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した水使用状況監視システムの一例を示す概略ブロック図である。
【図2】(a)および(b)は、図1における水栓に取付けられた振動センサを示す側面図および正面図である。
【図3】(a)および(b)は、図1における水道設備の水道メータが機械式の場合に用いるパイロット検出用アタッチメントを示す正面図および断面図である。
【図4】図1の水使用状況監視システムにおける使用水量解析器の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図5】図4の使用水量解析器の液晶表示を示す説明図である。
【図6】図1の水使用状況監視システムにおける水栓使用検知器の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図7】図6の水栓使用検知器の液晶表示を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水使用状況監視システム
2 水道設備
3 使用水量解析器
4 水栓使用検知器
5 記録データ処理装置
6 振動センサ
7 パイロット検出用アタッチメント
21 水栓
22 水道メータ
22a 表示部
22b パイロット
22c 表示部ケース
22d 表示面部分
60 固定具
61 金属バンド
62 バックル
63 調整ねじ
71 パルス発生器本体
72 取り付け治具
73 本体ケース
74 受発光素子
75 フランジ部
76 第1のねじ
77 第1固定部
78 第2のねじ
79 第2固定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓の水使用量を監視するための水使用状況監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭などの水使用者からの水使用量に関する相談、疑問に対応するために、水道設備における蛇口、給水装置などに取り付けられている各水栓毎の使用水量を測定して、水使用の実態を調査する場合がある。
【0003】
各水栓毎に水使用状況を調べるためには、水道設備の元水栓などに取り付けてある水道メータにより総使用水量を測定すると共に、各水栓に繋がる配管の途中に取付けた個別の流量メータにより、各水栓での個別の水使用量を測定すればよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、一般家庭では、蛇口、給水装置などの各水栓に繋がる配管が既に建物の中に設置されている。このため、水使用の実態調査を行う場合、配管に流量メータを取付けるために建物を部分的に壊したりする必要があり、作業性も悪く、簡単に行うことができない。
【0005】
また、既に設定してある水道メータが機械式の場合には、電子式水道メータのように、流量変化をパルス信号として取り出すことができないので、電子式水道メータに交換する必要があり、そのまま、機械式水道メータを用いる場合は、目視で測定する必要があるので、データ測定に手間がかかる。
【0006】
さらには、各水栓での使用水量の積算値を計測できるが、各水栓の使用時間帯などについては検出できないので、各時間帯毎の各水栓での水使用状況を知ることができないという問題もある。
【0007】
本発明の課題は、既に設置されている水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓毎の使用水量の測定を簡単に行うことができる水使用状況監視システムを提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓での水使用状況を監視する水使用状況監視システムにおいて、
主水管に取り付けた水道メータと、
この水道メータから水の流量およびその変化を示すパルス信号を受信し、受信したパルス数を単位時間毎に積算し、積算値を時間情報と共に記録する使用水量解析器と、
前記主水管から分岐している各分岐管に取り付けた各水栓の振動を検出する振動センサと、
この振動センサの検出出力に基づき、前記水栓の開閉を検出し、開閉時間を記録する水栓使用検知器と、
前記使用水量解析器および前記水栓使用検出器の記録データに基づき、各水栓での水の使用状況を解析する記録データ処理装置とを有していることを特徴としている。
【0009】
本発明では、振動センサの検出出力に基づき、各水栓の開閉を検出して開閉時間を記録するようにしている。従って、水栓使用検知器により記録されている開閉時間と、使用水量解析器により記録されている時間毎の使用水量とに基づき、各水栓での水使用量を各時間毎に求めることができる。
【0010】
ここで、水道メータが機械式の水道メータの場合には、電子式水道メータとは異なり前記パルス信号が発生しない。この場合には、前記機械式の水道メータの表示部に配置されているパイロットの回転に基づき前記パルス信号を生成して、前記使用水量解析器に供給するパルス発生器を用いればよい。このパルス発生器は、前記パイロットに光を照射し、当該パイロットで反射した反射光を検出して、前記パイロットの回転をパルス信号に変換する構成とすればよい。
【0011】
また、この場合、前記パルス発生器を水道メータの表示部に簡単に着脱できるようにするためには、当該パルス発生器を、パルス発生器本体と、このパルス発生器本体を前記機械式の水道メータの表示部に対して着脱可能な状態で取り付ける取り付け治具とを備えた構成とし、前記取り付け治具を、前記機械式の水道メータの表示部ケースに対してねじ止め固定する第1固定部と、前記機械式の水道メータの表示部における前記パイロットに対峙した表示面部分に、前記パルス発生器本体を押し付けて固定する第2固定部とを備えた構成とすればよい。
【0012】
次に、前記水栓使用検知器による消費電力を抑制するためには、前記振動センサからの検出信号を第1のサンプリング間隔で監視し、前記水栓が開いたことを検出してから当該水栓が閉じたことが検出されるまでの間は、短い第2のサンプリング間隔で監視するように構成すればよい。
【0013】
また、この水栓使用検知器による水栓開閉の検知がノイズによって影響されることなく精度良く行わせるためには、前記水栓が開いたことが検出された場合には、前記第2のサンプリング間隔で同一の検出結果が複数回連続して検出された場合にのみ、前記水栓が開いたことの検出結果を確定させるようにすればよい。同様に、前記水栓が閉じたことが検出された場合には、前記第1のサンプリング間隔で同一の結果が複数回連続して検出された場合にのみ、前記水栓が閉じたことの検出結果を確定させるようにすればよい。
【0014】
一方、前記水栓使用検知器および前記使用水量解析器の防水性を高めるためには、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えた構成とすることが望ましい。
【0015】
次に本発明は上記の水使用状況監視システムに用いるのに適した使用水量解析器に関するものであり、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は上記の水使用状況監視システムに用いるのに適した水栓使用検知器に関するものであり、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明を適用した水使用状況監視システムの実施の形態を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は本発明を適用した水使用状況監視システムの一例を示す概略ブロック図である。本例の水使用状況監視システム1は、一般家庭などの水道設備2における各蛇口などの水栓21の水使用量を監視するものであり、主水管20に取り付けた水道メータ22と、この水道メータ22から水の流量およびその変化を示すパルス信号を受信し、受信したパルス数を単位時間毎に積算し、積算値を時間情報と共に記録する使用水量解析器3と、主水管20から分岐している各分岐管23に取り付けた各水栓21の振動を検出する振動センサ6と、この振動センサ6の検出出力に基づき、各水栓21の開閉を検出し、開閉時間を記録する水栓使用検知器4と、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データに基づき、各水栓での水の使用状況を解析する記録データ処理装置5とを有している。
【0019】
使用水量解析器3は、全体として扁平な箱型の防水ケース31と、この防水ケース31の表面に形成された液晶表示面32およびスイッチ操作面33を備えている。防水ケース31は、水道メータ22との間がケーブル3aで接続され、記録データ処理装置5との間もケーブル3bで接続されている。水栓使用検知器4も、全体として扁平な箱型の防水ケース41と、この防水ケース41の表面に形成された液晶表示面42およびボタン操作面43を備えている。この防水ケース41は、各水栓21に取付けられた振動センサ6にケーブル4aで接続され、記録データ処理装置5との間もケーブル4bで接続されている。
【0020】
ここで、水道メータ22が電子式の場合には、流量およびその変化がパルス信号として出力されるので、その信号を使用水量解析器3にそのまま取り込み記録することができる。しかし、水道メータ22が機械式の場合は、流量変化がパルス信号として出力されないので、このままでは水道メータの測定結果を使用水量解析器3に取り込むことができない。この場合には、図1において想像線で示すように、水道メータ22に対して、着脱可能な状態で、パルス発生器であるパイロット検出用アタッチメント7を取付けてパルス信号を取り出し、使用水量解析器3に取り込むようにしている。
【0021】
(振動センサ)
図2は水栓21に取り付けた振動センサ6を示す側面図および正面図である。振動センサ6は、固定具60によって、水栓21が取り付けられている蛇口管21aに対して着脱可能な状態で取り付けられている。固定具60は、可撓性の金属バンド61と、この金属バンド61を環状に連結しているバックル62と、金属バンド61の環を伸縮させるための調整ねじ63とから構成され、バックル62の表面に振動センサ6が固定されている。金属バンド61を蛇口管21aに緊結すると、蛇口管21aの振動がバックル62を介して振動センサ6に確実に伝達する。従って、水栓21を開閉する際の振動を、蛇口管21aを介して振動センサ6で検出可能である。
【0022】
(パイロット検出用アタッチメント)
図3(a)および(b)は、パイロット検出用アタッチメント7を示す正面図および断面図である。パイロット検出用アタッチメント7は、機械式の水道メータ22の表示部22aに配置されているパイロット22bの回転に基づきパルス信号を生成して、使用水量解析器3に供給するパルス発生器であり、パルス発生器本体71と、このパルス発生器本体71を機械式水道メータ22の表示部22aに対して着脱可能で取付ける取り付け治具72とを備えている。
【0023】
パルス発生器本体71は、筒状の本体ケース73と、この本体ケース73に内蔵された受発光素子74とを備えている。本体ケース73は、下端部分に大径のフランジ部75が形成されている。フランジ部75は、水道メータの表示部22aの表示部ケース22cの内側に嵌まり、底面が表示部22aの表示面部分22dに載るようになっている。このフランジ部75の底面開口を通して、受発光素子74からパイロット22bに光が照射される。
【0024】
受発光素子74は、発光ダイオードを光源として、その光をパイロット22bに照射し、反射された光を検知してパイロット22bの回転をパルス出力に変換するものである。例えば、パイロットの1回転あたり、8パルス出力される。また、受発光素子74は、使用水量解析器3にケーブル7aを介して接続され、使用水量解析器3へパルス信号を送るとともに、使用水量解析器3に内蔵された電池から電源供給される。
【0025】
取り付け治具72は、機械式水道メータ22の表示部ケース22cに対して第1のねじ76でねじ止め固定する第1固定部77と、表示部ケース22cに配置された本体ケース73の上面を第2のねじ78によって押さえて、パイロット22bに対峙した表示面部分22dにパルス発生器71を押付けて固定する第2固定部79とを備えている。
【0026】
このパイロット検出用アタッチメント7を機械式の水道メータ22に取付けると、パルス発生器本体71によってパイロットの回転をパルス信号として取り出すことができる。また、パルス発生器本体71は、取り付け治具72を用いることにより、水道メータ22に対する着脱も簡単である。
【0027】
(使用水量解析器)
図4は、使用水量解析器3の回路構成を示す概略ブロック図である。この図に示すように、使用水量解析器3は、マイクロコンピュータ(MPU)300を中心として回路構成されている。マイクロコンピュータ300には、水道メータ22またはパイロット検出用アタッチメント7からのパルス信号を取込むためのパルス入力用インタフェース301、記録データ処理装置5にデータを送るためのRS232Cインタフェース302、液晶303、電源スイッチ304、設定確認スイッチ305、設定変更スイッチ306、開始スイッチ307、外部タイマ素子308、メモリ(SRAM)309、メイン電池310が接続されている。また、メイン電源310の予備電源としてのバックアップ用電池311と、水道メータ22が機械式の場合に取付けるパイロット検出用アタッチメント7に電源供給するためのアタッチメント用電池312も備えている。メイン電池310、バックアップ用電池311、およびアタッチメント用電池312は、それぞれ専用の電源スイッチ313、314、315を介して接続されている。また、メイン電池310は、ある電圧まで低下すると、切換えスイッチ316によってバックアップ電池311に切換えられるようになっている。
【0028】
これらの回路部品は、図1に示した防水ケース31に内蔵されており、防水ケース31の液晶表示面32には、液晶303が配置されている。図5は、液晶303を全点灯表示した様子を示す説明図である。
【0029】
この図を参照すると、液晶303は、使用水量解析器3における動作状態および設定値を表示するものであり、6桁の数字で表される設定値/現在時刻/エラー表示用表示部303aを中心にして、その回りに、電池電圧警告表示部303b、記録中/記録完了マーク表示部303c、パルス検出表示部303d、通信マーク表示部303e、設定マーク303f、データ記録経過日数表示部303gを表示するようになっている。
【0030】
また、図4に示した複数のスイッチのうち、電源スイッチ304、設定確認スイッチ305、設定変更スイッチ306、開始スイッチ307の4つのスイッチは、磁力により開閉可能なリードスイッチとなっている。これらのスイッチは、図1に示した防水ケース31のスイッチ操作面33にマグネットを近づけることにより操作を行うことができる。よって、防水ケース31のスイッチ操作面33には、スイッチ操作用の穴等を形成しなくてもよいので、使用水量解析器3の防水性を高めることができる。
【0031】
このように構成された使用水量解析器3では、開始スイッチ307を操作することにより、記録を開始することができる。また、設定変更スイッチ306で記録開始日時を設定することにより、設定した日時に自動的に記録を開始することができる。この設定変更スイッチ306では、データを区別化するための調査コード、現在日時等を設定することができる。
【0032】
記録が開始されると、電子式水道メータ22またはパイロット検出用アタッチメント7から出力されるパルス数をマイクロコンピュータ300において1秒間隔で積算する。1秒間隔で積算したパルス積算数をメモリ309において1ヶ月以上記録する。
【0033】
記録したパルス積算数は、RS232Cインタフェース302を介して記録データ処理装置5に転送される。また、RS232Cインタフェース302を介して記録データ処理装置5の側から使用水量解析器3の設定を行うこともできる。
【0034】
(水栓使用検知器4)
次に、水栓使用検知器4について説明する。図6は、水栓使用検知器4の回路構成を示す概略ブロック図である。水栓使用検知器4は、マイクロコンピュータ(MPU)400を中心として構成されている。マイクロコンピュータ400には、水栓21に取付けた振動センサ6からの出力信号を取込むためのセンサ信号入力インタフェース401、記録データ処理装置5にデータを送るRS232Cインタフェース402、液晶(LCD)403、電源スイッチ404、記録開始スイッチ405、設定確認スイッチ406、設定変更スイッチ407、外部タイマ素子408、メモリ(SRAM)409、メイン電池410が接続されている。さらに、メイン電池410の予備電源としてのバックアップ用電池411も備えている。メイン電池410、バックアップ用電池411は、それぞれ専用の電源スイッチ412、413を介して接続されている。メイン電池410は、ある電圧まで低下すると、切換えスイッチ414によって自動的にバックアップ電池411に切換えられるようになっている。
【0035】
また、センサ信号入力インタフェース401は、感度調節回路415を備えており、この感度調節回路415により調整されてマイクロコンピュータ400に入力される信号は、基準電圧生成回路416に接続されたコンパレータ417を介するものと、コンパレータ417を通らずにマイクロコンピュータ400でA/D変換されるものの2通りになっている。
【0036】
これらの回路部品は、図1に示した防水ケース41に内蔵されており、防水ケース41の液晶表示部42には、液晶403が配置されている。図7は、液晶403を全点灯表示した様子を示す説明図である。
【0037】
この図に示すように、液晶403は、水栓使用検知器4における動作状態および設定値を表示するものであり、6桁の数字で表される設定値/現在時刻/エラー表示用表示部403aを中心にして、その回りに、メイン電池電圧低下警告表示部403b、記録中/記録完了マーク表示部403c、センサ信号検出表示部403d、通信マーク表示部403e、設定マーク表示部403f、データ記録経過日数表示部403gを表示するようになっている。
【0038】
また、図6に示した複数のスイッチうち、電源スイッチ404、記録開始スイッチ405、設定確認スイッチ406、および、設定変更スイッチ407は、押しボタンスイッチとなっている。これらのスイッチについても、上記の使用水量解析器3において使用している磁力により開閉可能なリードスイッチを用いれば、防水ケース41のボタン操作面43にスイッチ操作用の穴等を形成しなくてもよいので、水栓使用検知器4の防水性を高めることができる。
【0039】
このように構成された水栓使用検知器4は、記録開始スイッチ405を操作することにより、記録を開始することができる。また、設定変更スイッチ407で記録開始日時を設定することにより、設定した日時に自動的に記録を開始することができる。この設定変更スイッチ407では、感度調節回路415に入力するセンサ信号の増幅率の設定値、データを区別化するための識別番号、現在日時等を設定することができる。
【0040】
記録が開始されると、水栓21に取付けられた振動センサ6からの出力信号により、水栓21の開いた時刻および水栓の閉じた時刻をメモリ409において1ヶ月以上記録する。
【0041】
この水栓使用検知器4では、通常、振動センサ6からの検出信号を第1のサンプリング間隔、例えば、500ms間隔で監視している。一方、振動センサ6からの検出信号によって、水栓21が開いたことを検出してから水栓21が閉じたことが検出されるまでの間は、第1のサンプリング間隔よりも短い第2のサンプリング間隔、例えば、100ms間隔で監視する。このように、第1および第2のサンプリング間隔を切換えて水栓21を監視することにより、消費電力を抑制している。
【0042】
また、水栓使用検知器4による水栓21の開閉検知が、水栓の開閉とは別の振動ノイズによって影響されることがないように、水栓21が開いたことが検出された場合には、第1のサンプリング間隔から切換えられた短い間隔の第2のサンプリング間隔で連続して10回振動を検出した場合にのみ、水栓21が開いたとして検出結果を確定する。
【0043】
同様に、水栓21が閉じたことを検出した際は、第2のサンプリング間隔から切換えられ、第2のサンプリング間隔より長い間隔の第1のサンプリング間隔で連続して3回停止を検出した場合のみ、水栓21が閉じたことの検出結果を確定する。
【0044】
記録された水栓の開閉時刻は、RS232Cインタフェース402を介して記録データ処理装置5に転送される。また、RS232Cインタフェース402によって、記録データ処理装置5の側から水栓使用検知器4の設定を行うこともできる。
【0045】
(記録データ処理装置)
使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データは、記録データ処理装置5によって解析され、各水栓21での水の使用状態が明らかになる。
【0046】
記録データ処理装置5は、解析ソフトを用いて、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データをそれぞれ解析し、時間的な水使用状況をグラフ、数値によって表すことができる。また、解析ソフトにより、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の記録データを融合処理して、各水栓21の使用時刻および使用水量を求めて、いつ、どの水栓が使用されたのかをグラフ、数値等により時系列的に表すこともできる。さらに、使用水量解析器3および水栓使用検出器4の設定時刻がずれているときは、データ取り込み時に補正する。
【0047】
このように構成された水使用状況監視システム1は、使用水量解析器3が記録する流量データと、水栓使用検知器4が記録する各水栓21の振動データとを記録データ処理装置5で処理する。水栓使用検知器4が各水栓21の振動を記録することによって、各水栓21の使用時間が求められる。この各水栓21の使用時間における水栓21の使用水量は、使用水量解析器3の流量データから求める。また、同じ時間帯に複数の水栓21が使用されていた場合は、振動レベルによって、各水栓21の使用水量を求めることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の水使用状況監視システムは、水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓での水使用状況を監視するために、使用水量解析器が記録する水道メータの流量データと、水栓使用検知器が記録する各水栓の振動データとを記録データ処理装置で処理する。水栓使用検知器が各水栓の振動を記録することによって、各水栓の使用時間が求められる。この各水栓の使用時間と、使用水量解析器により記録されている時間毎の使用水量とに基づき、各水栓での水使用量を各時間毎に求めることができる。
【0049】
水栓使用検知器に用いる各水栓の振動を記録するための振動センサは、水栓の外側に取付けているだけなので、建物を壊したりすることなく簡単に取り付けることができる。また、使用水量解析器は、水道メータが機械式の場合にもパルス発生器を取付けることにより、電子式水道メータと同様に、流量変化をパルス信号として取込むことができる。従って、既に設置されている水道設備においても、使用水量の測定を簡単にできる。
【0050】
次に、本発明の使用水量解析器および水栓使用検知器では、防水ケースの外側からその操作面にマグネットを近づけることにより内部の磁気駆動式のスイッチを切り換えることができるので、従来の押しボタンスイッチなどに比べて防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した水使用状況監視システムの一例を示す概略ブロック図である。
【図2】(a)および(b)は、図1における水栓に取付けられた振動センサを示す側面図および正面図である。
【図3】(a)および(b)は、図1における水道設備の水道メータが機械式の場合に用いるパイロット検出用アタッチメントを示す正面図および断面図である。
【図4】図1の水使用状況監視システムにおける使用水量解析器の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図5】図4の使用水量解析器の液晶表示を示す説明図である。
【図6】図1の水使用状況監視システムにおける水栓使用検知器の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図7】図6の水栓使用検知器の液晶表示を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水使用状況監視システム
2 水道設備
3 使用水量解析器
4 水栓使用検知器
5 記録データ処理装置
6 振動センサ
7 パイロット検出用アタッチメント
21 水栓
22 水道メータ
22a 表示部
22b パイロット
22c 表示部ケース
22d 表示面部分
60 固定具
61 金属バンド
62 バックル
63 調整ねじ
71 パルス発生器本体
72 取り付け治具
73 本体ケース
74 受発光素子
75 フランジ部
76 第1のねじ
77 第1固定部
78 第2のねじ
79 第2固定部
Claims (8)
- 水道設備における蛇口、給水装置などの各水栓での水使用状況を監視する水使用状況監視システムにおいて、
主水管に取り付けた水道メータと、
この水道メータから水の流量およびその変化を示すパルス信号を受信し、受信したパルス数を単位時間毎に積算し、積算値を時間情報と共に記録する使用水量解析器と、
前記主水管から分岐している各分岐管に取り付けた各水栓の振動を検出する振動センサと、
この振動センサの検出出力に基づき、前記水栓の開閉を検出し、開閉時間を記録する水栓使用検知器と、
前記使用水量解析器および前記水栓使用検出器の記録データに基づき、各水栓での水の使用状況を解析する記録データ処理装置とを有している水使用状況監視システム。 - 請求項1において、
機械式の前記水道メータと、
この機械式の水道メータの表示部に配置されているパイロットの回転に基づき前記パルス信号を生成して、前記使用水量解析器に供給するパルス発生器とを有しており、
このパルス発生器は、前記パイロットに光を照射し、当該パイロットで反射した反射光を検出して、前記パイロットの回転をパルス信号に変換することを特徴とする水使用状況監視システム。 - 請求項2において、
前記パルス発生器は、パルス発生器本体と、このパルス発生器本体を前記機械式の水道メータの表示部に対して着脱可能な状態で取り付ける取り付け治具とを備えており、
前記取り付け治具は、前記機械式の水道メータの表示部ケースに対してねじ止め固定する第1固定部と、前記機械式の水道メータの表示部における前記パイロットに対峙した表示面部分に、前記パルス発生器本体を押し付けて固定する第2固定部とを備えていることを特徴とする水使用状況監視システム。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記水栓使用検知器は、前記振動センサからの検出信号を第1のサンプリング間隔で監視し、前記水栓が開いたことを検出してから当該水栓が閉じたことが検出されるまでの間は、短い第2のサンプリング間隔で監視することを特徴とする水使用状況監視システム。 - 請求項4において、
前記水栓使用検知器は、前記水栓が開いたことが検出されると、前記第2のサンプリング間隔で同一の検出結果が複数回連続して検出された場合にのみ、前記水栓が開いたことの検出結果を確定させ、
前記水栓が閉じたことが検出されると、前記第1のサンプリング間隔で同一の結果が複数回連続して検出された場合にのみ、前記水栓が閉じたことの検出結果を確定させることを特徴とする水使用状況監視システム。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記水栓使用検知器および前記使用水量解析器は、防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴とする水使用状況監視システム。 - 水道メータから水の流量およびその変化を示すパルス信号を受信し、受信したパルス数を単位時間毎に積算し、積算値を時間情報と共に記録する使用水量解析器であって、
防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴とする使用水量解析器。 - 水栓の開閉に伴う振動を検出する振動センサの検出出力に基づき、前記水栓の開閉を検出し、その開閉時間を記録する水栓使用検知器であって、
防水ケースと、この防水ケースの内部に配置された磁力により開閉可能なスイッチとを備えていることを特徴とする水栓使用検知器。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070424 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070820 |