JP2004028512A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品の種類に応じて熱効率の良好な熱風の流れを構成できる加熱調理装置を提供する。
【解決手段】熱風循環装置9を備えた加熱調理装置において、熱風循環装置9内にルーバ60と制御モータ62から構成される流れ制御手段65を設け、加熱する食品71に応じて、ルーバ60の角度を制御して、加熱室7内部の熱風73の流れ方向を可変する。
【選択図】 図1
【解決手段】熱風循環装置9を備えた加熱調理装置において、熱風循環装置9内にルーバ60と制御モータ62から構成される流れ制御手段65を設け、加熱する食品71に応じて、ルーバ60の角度を制御して、加熱室7内部の熱風73の流れ方向を可変する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱風によって食品を調理する加熱調理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の加熱調理装置は、特開平8−12774号公報に開示されているように、上下二段に分けて調理物を配置できるオーブン庫において、オーブン庫背面の後方に熱風ファンと、オーブン庫背面の上側角皿の上下部に熱風の吹出口を備えるとともに、熱風ファンの空気を上側角皿の上部の吹出口、或いは上側角皿の下部の吹出口のいずれか片方に流れを向けるようなダンパ手段を設け、上下の角皿の調理物を加熱するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加熱調理装置は、熱風循環装置のファンを全て加熱室背面壁の後方に配設するため、加熱調理装置全体の奥行き寸法に対して、加熱室の奥行き寸法の割合が小さくなる。
【0004】
また、熱風が吹出口から加熱室の一方向に吐き出されるため、大きさや高さの異なる食品に対して焼きムラが生じ易い。
【0005】
しかも、ファンに直に加熱室内部の高温空気が流入するため、ファン自体が高温になるとともに、ファンや保持部の寿命の低下、モータの過熱や劣化などが起こり易く誤作動の原因となり易いとともに、ファン吸込部近傍に配置されるパンチング板流れ抵抗により、ファン吸込特性が悪化して循環風量が低下し、加熱室前後の風温差が生じ易い。
【0006】
さらに、ヒータが配置される風路内の風速が遅くなるため、ヒータの熱交換効率が低く大発熱を与え難い。
【0007】
また、加熱室から出た熱風が直接ファン部に流入して通過することによる熱漏洩が大きく、熱損失が生じ易い。
【0008】
また、熱風循環装置内部に食品の残骸、庫内のゴミ等の異物が混入し易いなどの課題があった。
【0009】
本願発明は、上記の課題のうち少なくとも1つを解決するために為されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、食品が配置される加熱室と、該加熱室に設けられた通風口と、前記加熱室に加熱された熱風を循環させる熱風循環装置を備え、該熱風循環装置が、少なくとも貫流ファンと、該貫流ファンの外周に沿って形成されたケーシングと、加熱室から吸い込んだ熱風の風路である空気吸込風路と、熱風を加熱室へ吐出す風路である空気吐出風路と、該空気吐出風路内に配置される熱風ヒータと、該熱風ヒータの両側を通過する風量バランスを調整する流れ制御手段で構成することにより解決される。
【0011】
また、流れ制御手段がルーバと、該ルーバに連結してルーバを回動させる制御モータにより構成したものである。
【0012】
さらに、加熱室内の食品の種類や高さ、或いは温度や焼き加減等の食品状態に応じて流れ制御手段を制御し、加熱室に吹出す熱風の向きを固定もしくは反復動作させるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に本発明の第一の実施形態の側面断面及び正面断面図を示す。
【0014】
これらの図は、本発明の加熱調理器の一例として、オーブン調理機能をもったターンテーブルレスオーブンレンジに適用したものである。
【0015】
図において、キャビネット51内側には加熱調理を行う加熱室7が設けられ、加熱室7の前面に食品71を出し入れできる開閉式のドア部52が回動可能に設けられている。
【0016】
また、加熱室7の底面にはマイクロ波透過性の高い、例えばガラス板75が設置されている。ガラス板75の下方には、マイクロ波を加熱室7に導く導波管50が配置される。
【0017】
この導波管50には、マイクロ波を拡散させる金属部材、例えば円形のアンテナ網57が配置され、その中心部が導波管50下方に配置されたアンテナモータ22の軸上に連結されている。
【0018】
ここで、このアンテナモータ22はマイクロ波加熱を行う際にその調理内容に応じて回転速度、高さ位置、駆動時間等が設定される。
【0019】
加熱室7の右側には機械室2が配置されている。この機械室2には食品71をマイクロ波加熱するために必要な部品、例えばマグネトロン20や制御基板27、冷却ファン24等が設けられている。
【0020】
また、制御基板27にはマグネトロン20やアンテナモータ22などを制御するマイコン28が搭載されている。
【0021】
加熱室7の内壁の左右両側面部には、底面と概略並行に内側に突出した加熱室7の幅サイズの調理皿70を保持する支持部74が上下二段に設けられており、調理皿70を上下二段に配置可能な構成となっている。
【0022】
加熱室7上側の略全面には平面状の上ヒータ10が、底部の前側には平面状の下ヒータ11がそれぞれ設けられ、オーブン加熱時にマイコン28の指示でON/OFF制御することにより食品71を加熱する。
【0023】
ドア部52と向かい合う加熱室7の背面壁55には通風口72が設けられている。この通風口72は多数のパンチング孔72pで形成され、支持部74の上段に配置された上調理皿70aと下段に配置された下調理皿70bの間に設けられた上通風口72aと、支持部74の下段に配置された下調理皿70bの下側位置に設けられた下通風口72bとで構成され、上通風口72aおよび下通風口72bは略加熱室7の左右幅方向に配置されている。
【0024】
通風口72の後方には、熱風循環装置9が設けられており、加熱室7に配置される食品71のオーブン調理を行うために加熱された熱風73を循環させる。
【0025】
図3に熱風循環装置9の斜視断面図を示す。
【0026】
熱風循環装置9は、前後二段に風路を構成したダクト4と、その下方に加熱室7の底面にかかるように配置された貫流ファン3と、該貫流ファン3の空気吐出風路43a内に配置される熱風ヒータ12と、ダクト4の後側の空気吐出風路43a内の上通風口72aの入口近傍に設けた流れ制御手段65から構成される。
【0027】
ダクト4の内部には仕切板40が配置され、上通風口72aとダクト4の後側に位置する空気吐出風路43a、下通風口72bとダクト4の前側に位置する空気吸込風路43bをそれぞれ分割させる構成となっている。
【0028】
このように空気吐出風路43aと空気吸込風路43bとを仕切板40により分割することにより、加熱室7からの熱風73bは下通風口72bを経て空気吸込風路43bに入り、貫流ファン3を介して空気吐出風路43aへ流れる構成となる。
【0029】
つまり、ダクト4の前側の空気吸込風路43bは貫流ファン3の吸い込み側へ、後側の空気吐出風路43aは、貫流ファン3の吐出し側へ接続されることになる。
【0030】
流れ制御手段65は、略上通風口72aの幅とほぼ同じ幅のルーバ60と、回動軸61を介してルーバ60を回動させる制御モータ62により構成される。
【0031】
ここで、図示したルーバ60は平板状であるが、流れを滑らかに、或いは強度を高めるために、ルーバ60を円弧状或いは折り曲げ部を設けた構成としても良い。
【0032】
制御モータ62はダクト4内の熱風73による熱が直に伝わらないように熱風循環装置9のダクト4の外側面に配置される。
【0033】
ここで、制御モータ62は回動角度を細かく制御できるステッピングモータでも良いし、単に決められた回動量(角度)を往復するON/OFF制御としても良い。
【0034】
ルーバ60は、制御モータ62の回動量によって熱風ヒータ12との隙間が制御される。
【0035】
図4にルーバ60の配置角度と熱風73の吐出し角度の関係を示す。
【0036】
貫流ファン(図示せず)から吹き出た熱風73は、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1と熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2とに分かれて流れ、上通風口72aより吐出される。
【0037】
ルーバ60の回動によりルーバ60と熱風ヒータ12の間隙が広い図4(a)では、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量より熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量が多くなるため、上通風口72aから吐出される熱風73aは上向き流になる。
【0038】
一方、ルーバ60と熱風ヒータ12の間隙が狭い図4(b)では、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量が熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量より多くなるため、上通風口72aから下向きの熱風73cとして吐出される。
【0039】
つまり、ルーバ60の回動(配置角度)により、図4(a)、(b)間で熱風73の流れる方向を制御できることになる。
【0040】
ルーバ60の配置角度は例えば食品71の高さに応じて制御され、高さの高い食品71には上向きの熱風73aとする図4(a)、高さの低い食品71には下向きの熱風73cとする図4(b)の流れを構成する。
【0041】
ルーバ60の配置角度(向き)の決定は加熱室7内に食品71を配置し、操作パネル(図示せず)による加熱条件選択(例えば食品71メニュー選択)によって決めればよく、制御モータ62によりルーバ60の角度を例えば一方向に固定、または一定の範囲内で間欠回動、または常時回動などの制御を行う。
【0042】
また、食品71の加熱を内部の状態を監視できる、例えば赤外線温度センサやCCDカメラなどの情報をもとに食品71の、例えば種類、大きさ、高さ、量などを検知し、その結果より制御モータ62を制御してルーバ60の配置角度を設定する構成としてもよい。
【0043】
熱風ヒータ12は空気吐出風路43aの吐出口側、すなわち、加熱室7の背面壁55外側の上通風口72aの近傍の空気吐出風路43aに配置され、ダクト4の空気吐出風路43aを通過する熱風73を加熱する。
【0044】
ここで、ヒータ12は、例えば棒状のシーズヒータ(図示せず)等でその表面に放熱フィンを設けたものであっても良い。また、棒状で無くとも、ダクト4内部に配置可能であればよく、例えばU字状もしくは面状であっても良い。さらに、例えば形状加工性が良好な石英管ヒータやセラミックヒータであってもよい。
【0045】
また、熱風循環装置9の貫流ファン3は、加熱室7幅方向に延びており、その貫流ファン3を囲むようにケーシング31が形成され、ダクト4と加熱室7の下側に跨って設けられる。
【0046】
空気吐出風路43aと略直角位置の上流側には、貫流ファン3の吸込性能を確保するための空間34が設けられる。空間34は空気吸込風路43bの断面より広く、加熱室7の底面の奥行き寸法より小さくし、加熱室7の下側に配置できる大きさでよい。空間34によって貫流ファン3の吸込側面積を拡大できるので、循環風量を十分取れる状態が確保される。
【0047】
ケーシング31側面には、貫流ファン3を回転駆動するファンモータ32が配置されている。このファンモータ32はケーシング31の外部の機械室2の後方、或いは機械室2の内部に設けられる。ファンモータ32の冷却は、機械室2内部に搭載されたファンモータ32と連動して回転する冷却ファン24の冷却空気で行う。
【0048】
加熱室7の背面壁55で、熱風循環装置9の間に設けられる通風口72のパンチング孔72pは、マイクロ波加熱時における電波洩れが生じない大きさの孔径例えばφ2〜5mm程度で、熱風循環装置9の空気吐出風路43aおよび空気吸込風路43bを遮る位置に配置される。
【0049】
以上の構成より、オーブン調理時の動作について図1から4の実施形態について、概略加熱室7幅の調理皿70を上下二段に固定配置した場合を説明する。
【0050】
例えば、クッキー等の食品71が載せられた調理皿70は、前方のドア部52を開け、加熱室7の左右壁面に設けられた支持部74をスライドさせながら加熱室7の背面壁55に調理皿70が接触するまで内部に押し込まれる。調理皿70が上下段に2枚配置された後、ドア部52を閉めオーブン調理が開始される。
【0051】
オーブン調理の開始は、食品71の加熱時間や加熱温度などの設定が終了した後、機械室2の前方の操作パネル(図示せず)上のボタンで行われる。調理が開始されると、熱風循環装置9内のファンモータ32の回転駆動により貫流ファン3が回転を始めるとともに、設定に適した加熱ができるように、制御モータ62が回転し、その食品71の調理に最適な熱風73の吐出し向きを得るようにルーバ60の配置角度を制御する。
【0052】
ファンモータ32の駆動と同時に貫流ファン3の回転によって吐出された熱風73は、ダクト4の後ろ側の空気吐出風路43aに押し込まれ、ダクト4の背面に沿って上方向に向かって流れ、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1と熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2に分かれる。
【0053】
熱風ヒータ12近傍の熱風73の流れ43a1、43a2は、空気吐出風路43aに配置された熱風ヒータ12の発熱によって温度上昇し、上通風口72aから加熱室7に向けて吐出される。
【0054】
上通風口72aから吐出される熱風73の向きは、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量と、熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量のバランスで制御される。
【0055】
例えばルーバ60と熱風ヒータ12の間隙が広ければ、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量より熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量が多くなり、上通風口72aから上向きに熱風73aが加熱室7に供給される。
【0056】
加熱室7の上通風口72aから出る熱風73は食品71の種類によって、例えば時間経過とともにルーバ60の配置角度を可変できるので、上向きの熱風73aだけでなく下向きの熱風73cも加熱室7に切り換えて供給できるし、加熱中にルーバ60を動かすことにより、上向きの熱風73aと下向きの熱風73cを自由に作ることができる。
【0057】
例えば食品71の高さが高い場合は図4(a)のようにルーバ60を回動させ熱風ヒータ12から離して間隙を広く保持することで上向きの熱風73aの流れに、逆に食品71の高さが低い場合は図4(b)のようにルーバ60を熱風ヒータ12に近づけて、下向きの熱風73cの流れにというように熱風73の流れ方向を制御することができ、食品71の高さによらず焼きムラの少ない加熱調理をすることができる。
【0058】
次に、上通風口72aから出た熱風73は、上調理皿70aと下調理皿70bに挟まれた加熱室7の内部空間を加熱室7の背面方向からドア部52方向に向かって流れ、この間に下側の調理皿70bの食品71bを加熱するとともに上調理皿70aの底面部の温度を上昇させる。
【0059】
また、上調理皿70aと下調理皿70bの間を流れた熱風73は、ドア部52と下調理皿70bの間隙を通って下方向に流れ、下調理皿70bの底面と加熱室7底面の間をドア部52側から加熱室7の背面壁55側に向かって流れ、下調理皿70bの底面を加熱する。
【0060】
加熱室7の背面壁55には下調理皿70bの下部を通過する食品71などに熱を奪われた熱風73bが熱風循環装置9に流れ込むように下通風口72bが配置されている。
【0061】
下通風口72bを通って、加熱室7から出た熱風73bはダクト4の空気吸込風路43bを通って貫流ファン3に戻り、再び貫流ファン3から空気吐出風路43aに流れる。
【0062】
このように貫流ファン3により加熱室7に吐出された上向きの熱風73a(もしくは下向きの熱風73c)は食品71などによって熱を奪われ、熱風73bとなり、下通風口72bからダクト4へ入り、ダクト4内の2つの空気吐出風路43aと空気吸込風路43bを介して循環する構成となる。
【0063】
加熱室7内部の温度は、例えば加熱室7側面に設けた熱電対やサーミスタ等の温度センサ76で感知してマイコン28で制御し、加熱室7の温度が設定値よりも高い場合、熱風ヒータ12への電力供給を下げるか止め、貫流ファン3のみを回転駆動させる。
【0064】
加熱室7内の食品71の加熱は、加熱室7上部の上ヒータ10と熱風ヒータ12と加熱室7の底部に設けられた下ヒータ11とで行われる。
【0065】
上調理皿70a上の食品71aは、表面側を上ヒータ10によって、下側から熱風73aによって加熱されるとともに、下調理皿70b上の食品71bは表面側を熱風73aによって、下側は下ヒータ11と熱風73bによってムラ無く加熱される。
【0066】
下ヒータ11は、上向きの熱風73a(もしくは下向きの熱風73c)が食品71bとの熱交換で低下した温度を補うために設けられており、熱風73bをドア部52側で再度風温上昇させるとともに、熱風73bで加熱され難い下調理皿70bの前面部を放射熱により加熱する。
【0067】
ここで、下ヒータ11は熱風73bの温度低下が微少で、熱風73bのみで下調理皿70bを十分加熱できるならば、取り付ける必要は無いし、下調理皿70bの下面の加熱を増加させる目的で、下ヒータ11を底面全体に設けた構造でもよい。或いは、下ヒータ11を導波管50内部に配置させ、より下調理皿70bとの距離を縮める構成としてもよい。
【0068】
よって、加熱室7の内部温度は3つの上ヒータ10、下ヒータ11、熱風ヒータ12がマイコン28によりON/OFFで制御される。ここで、温度センサ76は、非接触式である赤外線温度センサであれば、加熱室7の任意の壁面温度や食品71の温度を直に計測することも可能である。
【0069】
各ヒータつまり、上ヒータ10、下ヒータ11、熱風ヒータ12の制御はその発熱量、発熱時間を食品71の種類、量などを目安に設定される。
【0070】
食品71のオーブン調理では、加熱室7の壁面が高温となるため、機械室2へ熱漏洩による温度上昇を抑制するため機械室2内部の冷却ファン24が駆動される。冷却ファン24の駆動は、調理開始とともに常時或いは間欠的に行っても、例えばファンモータ32などの部品温度を検知して行ってもよい。
【0071】
本実施形態では機械室2を加熱室7の側面に設けた構造について説明したが、機械室2及び操作パネル(図示せず)が、加熱室7の底面または上面に配置した構造についても同様の構成及び効果が実現できる。
【0072】
また、本実施形態では熱風循環装置9を構成する貫流ファン3が加熱室7の底面後方に配置された例であるが、貫流ファン3を例えば、加熱室7の背面壁55の後方や上面に配置させた場合でも同様の効果が実現でき、該貫流ファン3の配置は任意である。
【0073】
また、本実施形態の流れ制御手段65は、ルーバ60を回動させる制御モータ62等から構成されるが、熱風ヒータ12の両側を流れる風量を調整させる構造であれば、例えばソレノイド等のスライド機構を空気吐出風路43a内に設置した構成等でも良い。
【0074】
図5及び図6に熱風循環装置9の流れ制御手段65の他の実施形態を示す。
【0075】
図5に示す実施形態では、制御モータ(図示せず)の回動軸61及びルーバ60を空気吐出風路43a内の熱風ヒータ12の上流に設けた構成である。
【0076】
貫流ファン(図示せず)から吹き出た熱風73aは、ルーバ60によって、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1と熱風ヒータ12の内側を通る流れ43a2に分岐されて流れ、上通風口72aより吐出される。
【0077】
その分岐された流れ43a1、43a2の風量バランスはルーバ60の配置角度によって調整される。
【0078】
例えばルーバ60が回動して熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の空気吐出風路43aを狭めると、熱風ヒータ12の内側を通る流れ43a2の風量が増加し、図4(a)と同様に上向きの熱風73aが上通風口72aより吐出されるし、反対に熱風ヒータ12の内側の流れ43a2の空気吐出風路43aを狭めると、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量が増加し、図4(b)と同様に下向きの熱風73cが上通風口72aより吐出される。
【0079】
よって、本実施形態における流れ制御手段65でも、図1と同様に加熱室7に吐出す熱風73の流れを制御し、熱効率の良好な加熱を行うことができる。
【0080】
また、ルーバ60を熱風ヒータ12と回動軸61の間に設け、回動軸61を熱風ヒータ12から離して設置できるため、回動軸61と連結される制御モータ(図示せず)への伝熱量を低減でき、制御モータの信頼性を高めることができる。
【0081】
図6に示す形態では回動軸61及びルーバ60を熱風ヒータ12の上方(流れの下流)に設けた構成であり、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の空気吐出風路43a幅を制御できるようになっている。
【0082】
本実施形態でも図5と同様に熱風ヒータ12の両側を通る流れ43a1、43a2の風量バランスを制御できることから、同様に熱効率の良好な加熱ができる。
【0083】
図7に第四の実施形態における加熱調理装置の側面断面図を示す。
【0084】
本実施形態では加熱室7内部にターンテーブルモータ80のターンテーブルモータ回転軸79を配置させ、丸型の調理皿(図示せず)も配置できる構造としたターンテーブル式オーブンレンジである。熱風循環装置9内部の構成は、図1と同様であり説明を省略する。
【0085】
加熱室7の底部にはターンテーブルモータ80により回転駆動されるターンテーブルモータ回転軸79が突出している。ターンテーブルモータ80には円形のアンテナ網(図示せず)と丸型の調理皿(図示せず)を置くことができる。
【0086】
本実施例は加熱室7の内部に調理皿70を上下二段に固定配置させた構造であるが、下調理皿70bを丸型の調理皿に替え、ターンテーブルモータ回転軸79に載せた上下二段の皿配置構造でも適用できる。
【0087】
ターンテーブルモータ回転軸79が加熱室7内に突き出た構造では、加熱室7の側面にマイクロ波の通路となる導波管(図示せず)が配置され、マグネトロン20より放射されるマイクロ波を前記導波管と連結される加熱室7側面のマイクロ波照射口56から内部に供給させる構造となっている。
【0088】
よって、貫流ファン3などから構成され、流れ制御手段65を備えた熱風循環装置9は、加熱室7内のマイクロ波照射口56の位置によらず配置させることができ、図1と同様の効果を得ることができる。
【0089】
また、熱風循環装置9を図5或いは図6に示した流れ制御手段65を備えた熱風循環装置9としても、同様に加熱室7に吐出す熱風73の吐出し角度を制御できる。
【0090】
このように、貫流ファン3から構成される熱風循環装置9に、熱風73の吐出し向きを可変できる流れ制御手段65を配置させることにより食品71の種類や量によらず、食品71の焼きムラを抑えた加熱調理ができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、食品が配置される加熱室と、該加熱室に設けられた通風口と、前記加熱室に加熱された熱風を循環させる熱風循環装置を備え、該熱風循環装置が、少なくとも貫流ファンと、該貫流ファンの外周に沿って形成されたケーシングと、加熱室から吸い込んだ熱風の風路である空気吸込風路と、熱風を加熱室に吐出す風路である空気吐出風路と、該空気吐出風路内に配置される熱風ヒータと、該熱風ヒータの両側を通過する風量バランスを調整する流れ制御手段で構成するとともに、該流れ制御手段がルーバと、該ルーバに連結してルーバを回動させる制御モータで構成し、さらに、加熱室内の食品の種類及び状態に応じて流れ制御手段を制御し、加熱室に吹出す熱風の向きを固定もしくは反復動作させることにより、食品の種類や量によらず、食品の焼きムラを抑えた加熱ができるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態における加熱調理装置の側面断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における加熱調理装置の正面断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における熱風循環装置の斜視断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における熱風循環装置の流れ制御手段の側面断面図で、ルーバの配置角度と熱風の吐出し角度の関係を示した図である。
【図5】本発明の第二の実施形態における熱風循環装置の流れ制御手段の側面断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態における熱風循環装置の流れ制御手段の側面断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態における加熱調理装置の側面断面図である。
【符号の説明】
3・・・貫流ファン
7・・・加熱室
9・・・熱風循環装置
12・・・熱風ヒータ
31・・・ケーシング
43a・・空気吐出風路
43b・・空気吸込風路
60・・・ルーバ
62・・・制御モータ
65・・・流れ制御手段
71・・・食品
72・・・通風口
73・・・熱風
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱風によって食品を調理する加熱調理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の加熱調理装置は、特開平8−12774号公報に開示されているように、上下二段に分けて調理物を配置できるオーブン庫において、オーブン庫背面の後方に熱風ファンと、オーブン庫背面の上側角皿の上下部に熱風の吹出口を備えるとともに、熱風ファンの空気を上側角皿の上部の吹出口、或いは上側角皿の下部の吹出口のいずれか片方に流れを向けるようなダンパ手段を設け、上下の角皿の調理物を加熱するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加熱調理装置は、熱風循環装置のファンを全て加熱室背面壁の後方に配設するため、加熱調理装置全体の奥行き寸法に対して、加熱室の奥行き寸法の割合が小さくなる。
【0004】
また、熱風が吹出口から加熱室の一方向に吐き出されるため、大きさや高さの異なる食品に対して焼きムラが生じ易い。
【0005】
しかも、ファンに直に加熱室内部の高温空気が流入するため、ファン自体が高温になるとともに、ファンや保持部の寿命の低下、モータの過熱や劣化などが起こり易く誤作動の原因となり易いとともに、ファン吸込部近傍に配置されるパンチング板流れ抵抗により、ファン吸込特性が悪化して循環風量が低下し、加熱室前後の風温差が生じ易い。
【0006】
さらに、ヒータが配置される風路内の風速が遅くなるため、ヒータの熱交換効率が低く大発熱を与え難い。
【0007】
また、加熱室から出た熱風が直接ファン部に流入して通過することによる熱漏洩が大きく、熱損失が生じ易い。
【0008】
また、熱風循環装置内部に食品の残骸、庫内のゴミ等の異物が混入し易いなどの課題があった。
【0009】
本願発明は、上記の課題のうち少なくとも1つを解決するために為されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、食品が配置される加熱室と、該加熱室に設けられた通風口と、前記加熱室に加熱された熱風を循環させる熱風循環装置を備え、該熱風循環装置が、少なくとも貫流ファンと、該貫流ファンの外周に沿って形成されたケーシングと、加熱室から吸い込んだ熱風の風路である空気吸込風路と、熱風を加熱室へ吐出す風路である空気吐出風路と、該空気吐出風路内に配置される熱風ヒータと、該熱風ヒータの両側を通過する風量バランスを調整する流れ制御手段で構成することにより解決される。
【0011】
また、流れ制御手段がルーバと、該ルーバに連結してルーバを回動させる制御モータにより構成したものである。
【0012】
さらに、加熱室内の食品の種類や高さ、或いは温度や焼き加減等の食品状態に応じて流れ制御手段を制御し、加熱室に吹出す熱風の向きを固定もしくは反復動作させるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に本発明の第一の実施形態の側面断面及び正面断面図を示す。
【0014】
これらの図は、本発明の加熱調理器の一例として、オーブン調理機能をもったターンテーブルレスオーブンレンジに適用したものである。
【0015】
図において、キャビネット51内側には加熱調理を行う加熱室7が設けられ、加熱室7の前面に食品71を出し入れできる開閉式のドア部52が回動可能に設けられている。
【0016】
また、加熱室7の底面にはマイクロ波透過性の高い、例えばガラス板75が設置されている。ガラス板75の下方には、マイクロ波を加熱室7に導く導波管50が配置される。
【0017】
この導波管50には、マイクロ波を拡散させる金属部材、例えば円形のアンテナ網57が配置され、その中心部が導波管50下方に配置されたアンテナモータ22の軸上に連結されている。
【0018】
ここで、このアンテナモータ22はマイクロ波加熱を行う際にその調理内容に応じて回転速度、高さ位置、駆動時間等が設定される。
【0019】
加熱室7の右側には機械室2が配置されている。この機械室2には食品71をマイクロ波加熱するために必要な部品、例えばマグネトロン20や制御基板27、冷却ファン24等が設けられている。
【0020】
また、制御基板27にはマグネトロン20やアンテナモータ22などを制御するマイコン28が搭載されている。
【0021】
加熱室7の内壁の左右両側面部には、底面と概略並行に内側に突出した加熱室7の幅サイズの調理皿70を保持する支持部74が上下二段に設けられており、調理皿70を上下二段に配置可能な構成となっている。
【0022】
加熱室7上側の略全面には平面状の上ヒータ10が、底部の前側には平面状の下ヒータ11がそれぞれ設けられ、オーブン加熱時にマイコン28の指示でON/OFF制御することにより食品71を加熱する。
【0023】
ドア部52と向かい合う加熱室7の背面壁55には通風口72が設けられている。この通風口72は多数のパンチング孔72pで形成され、支持部74の上段に配置された上調理皿70aと下段に配置された下調理皿70bの間に設けられた上通風口72aと、支持部74の下段に配置された下調理皿70bの下側位置に設けられた下通風口72bとで構成され、上通風口72aおよび下通風口72bは略加熱室7の左右幅方向に配置されている。
【0024】
通風口72の後方には、熱風循環装置9が設けられており、加熱室7に配置される食品71のオーブン調理を行うために加熱された熱風73を循環させる。
【0025】
図3に熱風循環装置9の斜視断面図を示す。
【0026】
熱風循環装置9は、前後二段に風路を構成したダクト4と、その下方に加熱室7の底面にかかるように配置された貫流ファン3と、該貫流ファン3の空気吐出風路43a内に配置される熱風ヒータ12と、ダクト4の後側の空気吐出風路43a内の上通風口72aの入口近傍に設けた流れ制御手段65から構成される。
【0027】
ダクト4の内部には仕切板40が配置され、上通風口72aとダクト4の後側に位置する空気吐出風路43a、下通風口72bとダクト4の前側に位置する空気吸込風路43bをそれぞれ分割させる構成となっている。
【0028】
このように空気吐出風路43aと空気吸込風路43bとを仕切板40により分割することにより、加熱室7からの熱風73bは下通風口72bを経て空気吸込風路43bに入り、貫流ファン3を介して空気吐出風路43aへ流れる構成となる。
【0029】
つまり、ダクト4の前側の空気吸込風路43bは貫流ファン3の吸い込み側へ、後側の空気吐出風路43aは、貫流ファン3の吐出し側へ接続されることになる。
【0030】
流れ制御手段65は、略上通風口72aの幅とほぼ同じ幅のルーバ60と、回動軸61を介してルーバ60を回動させる制御モータ62により構成される。
【0031】
ここで、図示したルーバ60は平板状であるが、流れを滑らかに、或いは強度を高めるために、ルーバ60を円弧状或いは折り曲げ部を設けた構成としても良い。
【0032】
制御モータ62はダクト4内の熱風73による熱が直に伝わらないように熱風循環装置9のダクト4の外側面に配置される。
【0033】
ここで、制御モータ62は回動角度を細かく制御できるステッピングモータでも良いし、単に決められた回動量(角度)を往復するON/OFF制御としても良い。
【0034】
ルーバ60は、制御モータ62の回動量によって熱風ヒータ12との隙間が制御される。
【0035】
図4にルーバ60の配置角度と熱風73の吐出し角度の関係を示す。
【0036】
貫流ファン(図示せず)から吹き出た熱風73は、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1と熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2とに分かれて流れ、上通風口72aより吐出される。
【0037】
ルーバ60の回動によりルーバ60と熱風ヒータ12の間隙が広い図4(a)では、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量より熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量が多くなるため、上通風口72aから吐出される熱風73aは上向き流になる。
【0038】
一方、ルーバ60と熱風ヒータ12の間隙が狭い図4(b)では、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量が熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量より多くなるため、上通風口72aから下向きの熱風73cとして吐出される。
【0039】
つまり、ルーバ60の回動(配置角度)により、図4(a)、(b)間で熱風73の流れる方向を制御できることになる。
【0040】
ルーバ60の配置角度は例えば食品71の高さに応じて制御され、高さの高い食品71には上向きの熱風73aとする図4(a)、高さの低い食品71には下向きの熱風73cとする図4(b)の流れを構成する。
【0041】
ルーバ60の配置角度(向き)の決定は加熱室7内に食品71を配置し、操作パネル(図示せず)による加熱条件選択(例えば食品71メニュー選択)によって決めればよく、制御モータ62によりルーバ60の角度を例えば一方向に固定、または一定の範囲内で間欠回動、または常時回動などの制御を行う。
【0042】
また、食品71の加熱を内部の状態を監視できる、例えば赤外線温度センサやCCDカメラなどの情報をもとに食品71の、例えば種類、大きさ、高さ、量などを検知し、その結果より制御モータ62を制御してルーバ60の配置角度を設定する構成としてもよい。
【0043】
熱風ヒータ12は空気吐出風路43aの吐出口側、すなわち、加熱室7の背面壁55外側の上通風口72aの近傍の空気吐出風路43aに配置され、ダクト4の空気吐出風路43aを通過する熱風73を加熱する。
【0044】
ここで、ヒータ12は、例えば棒状のシーズヒータ(図示せず)等でその表面に放熱フィンを設けたものであっても良い。また、棒状で無くとも、ダクト4内部に配置可能であればよく、例えばU字状もしくは面状であっても良い。さらに、例えば形状加工性が良好な石英管ヒータやセラミックヒータであってもよい。
【0045】
また、熱風循環装置9の貫流ファン3は、加熱室7幅方向に延びており、その貫流ファン3を囲むようにケーシング31が形成され、ダクト4と加熱室7の下側に跨って設けられる。
【0046】
空気吐出風路43aと略直角位置の上流側には、貫流ファン3の吸込性能を確保するための空間34が設けられる。空間34は空気吸込風路43bの断面より広く、加熱室7の底面の奥行き寸法より小さくし、加熱室7の下側に配置できる大きさでよい。空間34によって貫流ファン3の吸込側面積を拡大できるので、循環風量を十分取れる状態が確保される。
【0047】
ケーシング31側面には、貫流ファン3を回転駆動するファンモータ32が配置されている。このファンモータ32はケーシング31の外部の機械室2の後方、或いは機械室2の内部に設けられる。ファンモータ32の冷却は、機械室2内部に搭載されたファンモータ32と連動して回転する冷却ファン24の冷却空気で行う。
【0048】
加熱室7の背面壁55で、熱風循環装置9の間に設けられる通風口72のパンチング孔72pは、マイクロ波加熱時における電波洩れが生じない大きさの孔径例えばφ2〜5mm程度で、熱風循環装置9の空気吐出風路43aおよび空気吸込風路43bを遮る位置に配置される。
【0049】
以上の構成より、オーブン調理時の動作について図1から4の実施形態について、概略加熱室7幅の調理皿70を上下二段に固定配置した場合を説明する。
【0050】
例えば、クッキー等の食品71が載せられた調理皿70は、前方のドア部52を開け、加熱室7の左右壁面に設けられた支持部74をスライドさせながら加熱室7の背面壁55に調理皿70が接触するまで内部に押し込まれる。調理皿70が上下段に2枚配置された後、ドア部52を閉めオーブン調理が開始される。
【0051】
オーブン調理の開始は、食品71の加熱時間や加熱温度などの設定が終了した後、機械室2の前方の操作パネル(図示せず)上のボタンで行われる。調理が開始されると、熱風循環装置9内のファンモータ32の回転駆動により貫流ファン3が回転を始めるとともに、設定に適した加熱ができるように、制御モータ62が回転し、その食品71の調理に最適な熱風73の吐出し向きを得るようにルーバ60の配置角度を制御する。
【0052】
ファンモータ32の駆動と同時に貫流ファン3の回転によって吐出された熱風73は、ダクト4の後ろ側の空気吐出風路43aに押し込まれ、ダクト4の背面に沿って上方向に向かって流れ、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1と熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2に分かれる。
【0053】
熱風ヒータ12近傍の熱風73の流れ43a1、43a2は、空気吐出風路43aに配置された熱風ヒータ12の発熱によって温度上昇し、上通風口72aから加熱室7に向けて吐出される。
【0054】
上通風口72aから吐出される熱風73の向きは、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量と、熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量のバランスで制御される。
【0055】
例えばルーバ60と熱風ヒータ12の間隙が広ければ、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量より熱風ヒータ12とルーバ60の間隙を通る流れ43a2の風量が多くなり、上通風口72aから上向きに熱風73aが加熱室7に供給される。
【0056】
加熱室7の上通風口72aから出る熱風73は食品71の種類によって、例えば時間経過とともにルーバ60の配置角度を可変できるので、上向きの熱風73aだけでなく下向きの熱風73cも加熱室7に切り換えて供給できるし、加熱中にルーバ60を動かすことにより、上向きの熱風73aと下向きの熱風73cを自由に作ることができる。
【0057】
例えば食品71の高さが高い場合は図4(a)のようにルーバ60を回動させ熱風ヒータ12から離して間隙を広く保持することで上向きの熱風73aの流れに、逆に食品71の高さが低い場合は図4(b)のようにルーバ60を熱風ヒータ12に近づけて、下向きの熱風73cの流れにというように熱風73の流れ方向を制御することができ、食品71の高さによらず焼きムラの少ない加熱調理をすることができる。
【0058】
次に、上通風口72aから出た熱風73は、上調理皿70aと下調理皿70bに挟まれた加熱室7の内部空間を加熱室7の背面方向からドア部52方向に向かって流れ、この間に下側の調理皿70bの食品71bを加熱するとともに上調理皿70aの底面部の温度を上昇させる。
【0059】
また、上調理皿70aと下調理皿70bの間を流れた熱風73は、ドア部52と下調理皿70bの間隙を通って下方向に流れ、下調理皿70bの底面と加熱室7底面の間をドア部52側から加熱室7の背面壁55側に向かって流れ、下調理皿70bの底面を加熱する。
【0060】
加熱室7の背面壁55には下調理皿70bの下部を通過する食品71などに熱を奪われた熱風73bが熱風循環装置9に流れ込むように下通風口72bが配置されている。
【0061】
下通風口72bを通って、加熱室7から出た熱風73bはダクト4の空気吸込風路43bを通って貫流ファン3に戻り、再び貫流ファン3から空気吐出風路43aに流れる。
【0062】
このように貫流ファン3により加熱室7に吐出された上向きの熱風73a(もしくは下向きの熱風73c)は食品71などによって熱を奪われ、熱風73bとなり、下通風口72bからダクト4へ入り、ダクト4内の2つの空気吐出風路43aと空気吸込風路43bを介して循環する構成となる。
【0063】
加熱室7内部の温度は、例えば加熱室7側面に設けた熱電対やサーミスタ等の温度センサ76で感知してマイコン28で制御し、加熱室7の温度が設定値よりも高い場合、熱風ヒータ12への電力供給を下げるか止め、貫流ファン3のみを回転駆動させる。
【0064】
加熱室7内の食品71の加熱は、加熱室7上部の上ヒータ10と熱風ヒータ12と加熱室7の底部に設けられた下ヒータ11とで行われる。
【0065】
上調理皿70a上の食品71aは、表面側を上ヒータ10によって、下側から熱風73aによって加熱されるとともに、下調理皿70b上の食品71bは表面側を熱風73aによって、下側は下ヒータ11と熱風73bによってムラ無く加熱される。
【0066】
下ヒータ11は、上向きの熱風73a(もしくは下向きの熱風73c)が食品71bとの熱交換で低下した温度を補うために設けられており、熱風73bをドア部52側で再度風温上昇させるとともに、熱風73bで加熱され難い下調理皿70bの前面部を放射熱により加熱する。
【0067】
ここで、下ヒータ11は熱風73bの温度低下が微少で、熱風73bのみで下調理皿70bを十分加熱できるならば、取り付ける必要は無いし、下調理皿70bの下面の加熱を増加させる目的で、下ヒータ11を底面全体に設けた構造でもよい。或いは、下ヒータ11を導波管50内部に配置させ、より下調理皿70bとの距離を縮める構成としてもよい。
【0068】
よって、加熱室7の内部温度は3つの上ヒータ10、下ヒータ11、熱風ヒータ12がマイコン28によりON/OFFで制御される。ここで、温度センサ76は、非接触式である赤外線温度センサであれば、加熱室7の任意の壁面温度や食品71の温度を直に計測することも可能である。
【0069】
各ヒータつまり、上ヒータ10、下ヒータ11、熱風ヒータ12の制御はその発熱量、発熱時間を食品71の種類、量などを目安に設定される。
【0070】
食品71のオーブン調理では、加熱室7の壁面が高温となるため、機械室2へ熱漏洩による温度上昇を抑制するため機械室2内部の冷却ファン24が駆動される。冷却ファン24の駆動は、調理開始とともに常時或いは間欠的に行っても、例えばファンモータ32などの部品温度を検知して行ってもよい。
【0071】
本実施形態では機械室2を加熱室7の側面に設けた構造について説明したが、機械室2及び操作パネル(図示せず)が、加熱室7の底面または上面に配置した構造についても同様の構成及び効果が実現できる。
【0072】
また、本実施形態では熱風循環装置9を構成する貫流ファン3が加熱室7の底面後方に配置された例であるが、貫流ファン3を例えば、加熱室7の背面壁55の後方や上面に配置させた場合でも同様の効果が実現でき、該貫流ファン3の配置は任意である。
【0073】
また、本実施形態の流れ制御手段65は、ルーバ60を回動させる制御モータ62等から構成されるが、熱風ヒータ12の両側を流れる風量を調整させる構造であれば、例えばソレノイド等のスライド機構を空気吐出風路43a内に設置した構成等でも良い。
【0074】
図5及び図6に熱風循環装置9の流れ制御手段65の他の実施形態を示す。
【0075】
図5に示す実施形態では、制御モータ(図示せず)の回動軸61及びルーバ60を空気吐出風路43a内の熱風ヒータ12の上流に設けた構成である。
【0076】
貫流ファン(図示せず)から吹き出た熱風73aは、ルーバ60によって、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1と熱風ヒータ12の内側を通る流れ43a2に分岐されて流れ、上通風口72aより吐出される。
【0077】
その分岐された流れ43a1、43a2の風量バランスはルーバ60の配置角度によって調整される。
【0078】
例えばルーバ60が回動して熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の空気吐出風路43aを狭めると、熱風ヒータ12の内側を通る流れ43a2の風量が増加し、図4(a)と同様に上向きの熱風73aが上通風口72aより吐出されるし、反対に熱風ヒータ12の内側の流れ43a2の空気吐出風路43aを狭めると、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の風量が増加し、図4(b)と同様に下向きの熱風73cが上通風口72aより吐出される。
【0079】
よって、本実施形態における流れ制御手段65でも、図1と同様に加熱室7に吐出す熱風73の流れを制御し、熱効率の良好な加熱を行うことができる。
【0080】
また、ルーバ60を熱風ヒータ12と回動軸61の間に設け、回動軸61を熱風ヒータ12から離して設置できるため、回動軸61と連結される制御モータ(図示せず)への伝熱量を低減でき、制御モータの信頼性を高めることができる。
【0081】
図6に示す形態では回動軸61及びルーバ60を熱風ヒータ12の上方(流れの下流)に設けた構成であり、熱風ヒータ12の外側を通る流れ43a1の空気吐出風路43a幅を制御できるようになっている。
【0082】
本実施形態でも図5と同様に熱風ヒータ12の両側を通る流れ43a1、43a2の風量バランスを制御できることから、同様に熱効率の良好な加熱ができる。
【0083】
図7に第四の実施形態における加熱調理装置の側面断面図を示す。
【0084】
本実施形態では加熱室7内部にターンテーブルモータ80のターンテーブルモータ回転軸79を配置させ、丸型の調理皿(図示せず)も配置できる構造としたターンテーブル式オーブンレンジである。熱風循環装置9内部の構成は、図1と同様であり説明を省略する。
【0085】
加熱室7の底部にはターンテーブルモータ80により回転駆動されるターンテーブルモータ回転軸79が突出している。ターンテーブルモータ80には円形のアンテナ網(図示せず)と丸型の調理皿(図示せず)を置くことができる。
【0086】
本実施例は加熱室7の内部に調理皿70を上下二段に固定配置させた構造であるが、下調理皿70bを丸型の調理皿に替え、ターンテーブルモータ回転軸79に載せた上下二段の皿配置構造でも適用できる。
【0087】
ターンテーブルモータ回転軸79が加熱室7内に突き出た構造では、加熱室7の側面にマイクロ波の通路となる導波管(図示せず)が配置され、マグネトロン20より放射されるマイクロ波を前記導波管と連結される加熱室7側面のマイクロ波照射口56から内部に供給させる構造となっている。
【0088】
よって、貫流ファン3などから構成され、流れ制御手段65を備えた熱風循環装置9は、加熱室7内のマイクロ波照射口56の位置によらず配置させることができ、図1と同様の効果を得ることができる。
【0089】
また、熱風循環装置9を図5或いは図6に示した流れ制御手段65を備えた熱風循環装置9としても、同様に加熱室7に吐出す熱風73の吐出し角度を制御できる。
【0090】
このように、貫流ファン3から構成される熱風循環装置9に、熱風73の吐出し向きを可変できる流れ制御手段65を配置させることにより食品71の種類や量によらず、食品71の焼きムラを抑えた加熱調理ができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、食品が配置される加熱室と、該加熱室に設けられた通風口と、前記加熱室に加熱された熱風を循環させる熱風循環装置を備え、該熱風循環装置が、少なくとも貫流ファンと、該貫流ファンの外周に沿って形成されたケーシングと、加熱室から吸い込んだ熱風の風路である空気吸込風路と、熱風を加熱室に吐出す風路である空気吐出風路と、該空気吐出風路内に配置される熱風ヒータと、該熱風ヒータの両側を通過する風量バランスを調整する流れ制御手段で構成するとともに、該流れ制御手段がルーバと、該ルーバに連結してルーバを回動させる制御モータで構成し、さらに、加熱室内の食品の種類及び状態に応じて流れ制御手段を制御し、加熱室に吹出す熱風の向きを固定もしくは反復動作させることにより、食品の種類や量によらず、食品の焼きムラを抑えた加熱ができるなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態における加熱調理装置の側面断面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態における加熱調理装置の正面断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態における熱風循環装置の斜視断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態における熱風循環装置の流れ制御手段の側面断面図で、ルーバの配置角度と熱風の吐出し角度の関係を示した図である。
【図5】本発明の第二の実施形態における熱風循環装置の流れ制御手段の側面断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態における熱風循環装置の流れ制御手段の側面断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態における加熱調理装置の側面断面図である。
【符号の説明】
3・・・貫流ファン
7・・・加熱室
9・・・熱風循環装置
12・・・熱風ヒータ
31・・・ケーシング
43a・・空気吐出風路
43b・・空気吸込風路
60・・・ルーバ
62・・・制御モータ
65・・・流れ制御手段
71・・・食品
72・・・通風口
73・・・熱風
Claims (3)
- 食品(71)が配置される加熱室(7)と、該加熱室(7)に設けられた通風口(72)と、前記加熱室(7)に加熱された熱風(73)を循環させる熱風循環装置(9)を備え、該熱風循環装置(9)が、少なくとも貫流ファン(3)と、該貫流ファン(3)の外周に沿って形成されたケーシング(31)と、加熱室(7)から吸い込んだ熱風(73)の風路である空気吸込風路(43b)と、熱風(73)を加熱室(7)に吐出す風路である空気吐出風路(43a)と、該空気吐出風路(43a)内に配置される熱風ヒータ(12)と、該熱風ヒータ(12)の両側を通過する風量バランスを調整する流れ制御手段(65)で構成されることを特徴とする加熱調理装置。
- 請求項1記載の加熱調理装置であって、流れ制御手段(65)がルーバ(60)と、該ルーバ(60)に連結してルーバ(60)を回動させる制御モータ(62)で構成されることを特徴とする加熱調理装置。
- 請求項1ないし請求項2記載の加熱調理装置であって、加熱室(7)内の食品(71)の種類及び状態に応じて流れ制御手段(65)を制御し、加熱室(7)に吹出す熱風(73)の向きを固定もしくは反復動作させることを特徴とする加熱調理装置。
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JP2002188826A Pending JP2004028512A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 加熱調理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004028512A (ja) |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002188826A patent/JP2004028512A/ja active Pending
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