JP2004028350A - 冷蔵庫 - Google Patents
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- F25B2600/2511—Evaporator distribution valves
Abstract
【課題】冷凍サイクルの必要冷媒量を抑え可燃性を有する自然冷媒を使用した場合でも冷媒漏洩時の危険性が極めて小さい冷蔵庫を提供する。
【解決手段】真空断熱材1v,5v,9v,10v,12v,13vの使用により箱体吸熱量を大幅に低減することにより、冷蔵室冷却器14と冷凍室冷却器16を並列に接続した並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくして食品の保鮮性向上を図ると共に、必要冷却量の低減に伴い配管ボリュームを小さくして必要冷媒量を削減する。
【選択図】 図1
【解決手段】真空断熱材1v,5v,9v,10v,12v,13vの使用により箱体吸熱量を大幅に低減することにより、冷蔵室冷却器14と冷凍室冷却器16を並列に接続した並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくして食品の保鮮性向上を図ると共に、必要冷却量の低減に伴い配管ボリュームを小さくして必要冷媒量を削減する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを備え、冷蔵室用蒸発器により冷蔵室を冷却する場合と、冷凍室用蒸発器により冷凍室を冷却する場合とを交互に行う冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷蔵庫では、ひとつの蒸発器により温度帯の異なる冷蔵室と冷凍室とを冷却する構成となっていたため、冷蔵室と冷凍室の各室の温度制御を精度よく行うことが難しく、冷却効率に無駄があった。
【0003】
そこで近年では、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを設け、冷媒流路弁により圧縮機から吐出される冷媒を冷蔵室用蒸発器に流す場合と冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替えることによって冷蔵室と冷凍室を交互に冷却すると共に、圧縮機の回転周波数を可変して各室の温度を各室に適した温度となるように制御する構成とした冷蔵庫が提案されている。(例えば特願平9−340377号、特願平10−192028号参照)。このような冷蔵庫においては、庫内負荷に応じて冷却能力を可変するため、圧縮機のオン/オフによるサイクルロスを低減でき、起動入力や騒音を抑えることが可能である。また、更に並列切替システムの効率を高める手段としては、特開2001−91130号公報に記載された手段が知られている。
【0004】
図5には、特開2001−91130号公報に記載されている冷蔵庫の側面断面図を、図6には図5に示した冷蔵庫に配設された冷凍サイクルの回路図を示す。
図5において、冷蔵庫本体1は外箱2と内箱3との間に硬質ウレタンフォーム4を充填した周知構造の断熱箱体として構成されている。この冷蔵庫本体1内は、断熱仕切り壁5により上部の冷蔵温度帯空間6と、下部の冷凍温度帯空間7とに区画されており、これら冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7の冷気は独立し、各冷気は混合することはない構造としている。
【0005】
冷蔵室温度帯空間6は、仕切り板8により冷蔵室9と野菜室10とに仕切られ、一方、冷凍室温度帯空間7は、仕切り壁11により第1冷凍室12と第2冷凍室13とに仕切られている。上記冷蔵室9の前面には開閉式扉9aが設けられ、野菜室10、第1冷凍室12、第2冷凍室13には各々引出し式扉10a、11a、12aが設けられている。冷蔵室9の背面上部には冷蔵室用蒸発器14と冷蔵室用冷気循環ファン15とが配設されており、冷蔵室用蒸発器14で冷却された冷気が、冷蔵室用冷気循環ファン15の送風作用により、冷蔵室9および野菜室10に供給され、再び冷蔵室用蒸発器14に戻り、この過程で冷蔵室9および野菜室10が冷却される。
【0006】
また、冷凍温度帯空間7は背面に冷凍室用蒸発器16と冷凍室用冷気循環ファン17とが配設されており、冷凍室用蒸発器16で冷却された冷気が、冷凍室用冷気循環ファン17の送風作用により、第1および第2冷凍室12、13に供給され、再び冷凍室用蒸発器16に戻り、この過程で第1および第2冷凍室12,13が冷却される。また、冷蔵庫本体1の背面下部の機械室には、圧縮機18および凝縮器19などが配設されている。
【0007】
図6には、上記した冷蔵庫に配設された冷凍サイクルの回路図を示している。図6において、圧縮機18の冷媒吐出口18aは、凝縮器19を介して、流路切替手段である三方切替弁20の入口に接続されている。切替弁20の一方の出口は、冷凍キャピラリ21を介して冷凍室用蒸発器16の入口に接続されている。この蒸発器16の出口は、アキュームレータ22を介して逆止弁23の入口に接続され、逆止弁23の出口は圧縮機18の冷媒流入口18bに接続されている。また、上記切替弁20の他方の出口は、冷蔵キャピラリ24を介して冷蔵室用蒸発器14の入口に接続されており、この蒸発器14の出口は、上記逆止弁23の出口に接続されている。
【0008】
つまり、圧縮機18に対して冷蔵室用蒸発器14と冷凍室用蒸発器16とは並列に接続され、冷凍室用蒸発器16の出口は逆止弁23を介して冷蔵室用蒸発器14の出口と接続されている。
【0009】
上記構成における作用の概略とその効果を以下に示す。まず、圧縮機18が駆動された状態で切替弁20により圧縮機18から吐出される冷媒が冷蔵室用蒸発器14に流れるように冷媒流路を切り換えた状態(図6の破線矢印Aで示され、以下では、冷蔵モードという)では、圧縮機18から吐出された冷媒は周知の状態変化を行った後、冷蔵室用蒸発器14に送られ冷蔵室用蒸発器14周囲の空気を冷却する。
【0010】
このとき、冷蔵室用蒸発器14により冷却された冷気は、冷蔵室用冷気循環ファン15の送風作用により冷蔵室9および野菜室10に送られ、冷蔵室9および野菜室10が冷却される。
【0011】
また、圧縮機18が駆動された状態で切替弁20により圧縮機18から吐出される冷媒が冷凍室用蒸発器16に流れるように冷媒流路を切り換えた状態(図6の実線矢印Bで示され、以下では、冷凍モードという)では、圧縮機18から吐出された冷媒は周知の状態変化を行った後、冷凍室用蒸発器16に送られ冷凍室用蒸発器16周囲の空気を冷却する。
【0012】
このとき、冷凍室用蒸発器16により冷却された冷気は、冷凍室用冷気循環ファン17の送風作用により第1および第2冷凍室12、13に送られ、第1および第2冷凍室12、13が冷却される。
【0013】
上記作用により、冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7を各々独立に冷却するため、冷蔵室用蒸発器14は−5℃程度、冷凍室用蒸発器16は−25℃程度という冷却温度を維持することにより各々の冷却空間に適した庫内温度を効率よく提供することができ、省エネルギー効果を高めることが出来る。また、冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7を時間分割的に独立して冷却するため、一度に発生すべき冷却量を小さくすることができるため、凝縮器19の放熱量も小さくすることができる。その結果、冷凍サイクル全体の配管ボリュームをある程度小さくすることが可能となり、冷媒に可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合における冷媒漏洩時の着火危険性をある程度抑制することが可能であると考えられる。
【0014】
更に、冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7が共に予め設定された温度まで冷却された状態で圧縮機18を停止する場合には、冷蔵モードの状態で圧縮機18を停止する。冷蔵モードでは、切替弁20の作用により圧縮機18の冷媒吐出口18aと冷蔵室用蒸発器14の入口とを連通した状態となっており、圧縮機18の冷媒吐出口18aと冷凍用蒸発器16の入口との間は遮断されている。
【0015】
この状態で圧縮機18を停止すると、凝縮器19に代表される高圧側から高温冷媒が冷凍室用蒸発器16に流入することはなく、さらに、逆止弁23の作用により冷蔵室用蒸発器14から冷凍用蒸発器16への冷媒の逆流も無い。従って、冷凍室用蒸発器16には低温の冷媒が保持されることになり、冷凍室用蒸発器16の温度が必要なく上昇することを防止することができる。本作用により、冷凍サイクルのエネルギーロスを更に削減することができ、省エネルギー効果をさらに高めることが出来る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−91130号に記載されている冷蔵庫では、冷却システムを並列切替システムとし、圧縮機停止時のシステム上の工夫により冷却効率を高めることはできるものの、冷却システムの切り替えに際して停止側庫内(例えば、冷凍室冷却時の冷蔵室側庫内)の温度制御を精度良く行うことが難しく、時間的な庫内温度の変動をある程度許容せざるを得ない。
【0017】
また、冷凍室と冷蔵室を各々独立に冷却するため一度に必要となる冷却能力を小さく出来ることから必要放熱量も小さく設計することができるため、放熱系の配管ボリュームをある程度小さく設計することはできる。しかし、箱体断熱材としては硬質ウレタンフォームのみを使用しているため、吸熱量に見合う放熱量の確保と発汗防止の観点から放熱パイプのボリュームを大幅に削減することはできない。そのため、冷媒に炭化水素系の自然冷媒を用いる場合には冷媒量を十分少なく抑えることができず、万が一冷媒が冷却システムの外部に漏洩した場合の安全性に問題が生じる可能性があった。
【0018】
本発明は、上記課題に鑑み、並列切替システムを使用した場合の時間的な庫内温度の変動幅を低減すると共に、冷媒に炭化水素系の自然冷媒を使用した場合の冷媒漏洩時の危険性を回避するために少冷媒量化することを目的に、真空断熱材を使用した冷蔵庫を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明は以下のような構成とする。
【0020】
本発明の請求項1に係る冷蔵庫は、圧縮機と、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器と、冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段と、放熱を行う凝縮器とを備えた冷却システムを有し、前記冷蔵室用蒸発器と前記冷凍室用蒸発器とを並列に接続し、前記流路切替手段により前記圧縮機から吐出される冷媒を前期冷蔵室用蒸発器に流す場合と前記冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替える冷蔵庫において、箱体を構成する外箱と内箱の間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、冷媒が炭化系水素の自然冷媒であるように構成したものである。
【0021】
本発明によれば、箱体の断熱材として硬質ウレタンフォームに加えて真空断熱材を使用することにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して箱体の吸熱量を大幅に低減することが出来る。その結果、箱体吸熱量の低減による省エネルギー効果が得られると共に、並列切替システムにより冷蔵室と冷蔵室を交互に冷却する場合においても、停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくすることができる。つまり、並列切替システムにより冷却効率を高め省エネルギー効果を高めると同時に、食品の保鮮性も同時に高めることが出来る。
【0022】
また、真空断熱材の使用によって箱体吸熱量を小さくしたことにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して一度に必要な冷却量とそれに見合った放熱量を小さくすることができ、配管ボリュームを小さくすることができる。更に、発汗防止の観点からも、従来の硬質ウレタンフォームによる断熱箱体では、発汗防止を目的に放熱系配管を硬質ウレタンフォームに埋設していたが、発汗の可能性がある部分に真空断熱材を使用することにより発汗防止用に設計していた放熱系配管まで削減することが可能であるため、全体として大幅に配管ボリュームを削減することができる。その結果、冷却に必要な冷媒量を大幅に削減することが可能となり、可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合において、万が一冷媒が漏洩しても着火の危険性を極めて低くすることが出来る。
【0023】
本発明の請求項2に係る冷蔵庫は、請求項1に記載の冷蔵庫において、圧縮機を回転数可変型とするように構成したものである。
【0024】
本発明によれば、真空断熱材使用による箱体の安定時の静的な吸熱量と、ドア開閉や庫内への食品負荷投入時の最大負荷量との差異を、圧縮機の回転数により制御可能とするため、最大負荷量にあわせた設計における圧縮機の過大な気筒容積の確保による省エネルギー効果のロスや、安定時の圧縮機停止時間の増大による庫内温度の時間的変動の増大を防止することが出来る。
【0025】
また、過大な気筒容積の設計を防止できることから更に冷媒量を少なく設計することが可能となるため、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合でも、可燃性冷媒の危険性を極めて小さくすることが出来る。
【0026】
本発明の請求項3に係る冷蔵庫は、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の冷蔵庫において、外箱と内箱との間の硬質ウレタンフォームに埋設される真空断熱材の面積が、前記外箱の外表面積の50〜80%と成るように構成したものである。
【0027】
本発明によれば、外箱表面積の50〜80%の範囲で真空断熱材を配設することにより、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を高めることができ、高いコストパフォーマンスで省エネ効果を最大限に引き出すことが可能となる。その結果、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を高めることができるため、並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を更に小さくすることによる食品の保鮮性向上効果と、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合の危険性の低減効果を更に高めることが可能である。
【0028】
本発明の請求項4に係る冷蔵庫は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫において、前記真空断熱材が、無機繊維集合体からなる芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムで構成されるように構成したものである。
【0029】
本発明によれば、硬質ウレタンフォームと比較して約10倍の断熱性能を持った真空断熱材が得られるため、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を大幅に高めることが可能となる。その結果、請求項1から3に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0030】
本発明の請求項5に係る冷蔵庫は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫において、前記真空断熱材の3辺のうち、最短辺である厚み方向の辺を除く2辺の長さが200mm以上であるように構成したものである。
【0031】
本発明によれば、真空断熱材の外覆材をなすガスバリア性のフィルムを介する伝熱現象による熱リークを最小限に抑えることができ、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができるため、コストパフォーマンスが高い真空断熱材の利用が可能となる。その結果、請求項1から4に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
【0033】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における冷蔵庫を図1から図4に示す。図1には冷蔵庫の側面断面図を、図2には冷蔵庫の正面断面図を示す。図1,図2において、冷蔵庫本体1は、金属からなる外箱2とABSなどの合成樹脂からなる内箱3とから形成され、外箱1と内箱2との間に形成される空間は、真空断熱材1vを配設した後に、硬質ウレタンフォーム4が発泡充填された構成としている。本実施例では、冷蔵庫本体1の天面、両側面、底面、背面の全ての面に対して真空断熱材1vを配設している。また、野菜室10と第1冷凍室12の断熱仕切り壁5に関しても、硬質ウレタンフォーム4と真空断熱材5vで構成される。また、冷蔵室の扉9a、野菜室の扉10a、第1冷凍室の扉12a、第2冷凍室の扉13aは、各々真空断熱材9v、10v、12v、13vと硬質ウレタンフォーム4とで構成されている。
【0034】
なお、図1,2におけるそれ以外の構成部品は従来例として図示した図5と同一であり、冷凍サイクルの構成についても図6に示した冷凍サイクルと同一の並列切替システムとするため説明を省略する。但し、従来の冷蔵庫ではR134aが冷媒として使用されていることが一般的であるが、本発明の冷蔵庫においては炭化水素系の自然冷媒としてR600aイソブタンが使用されている。
【0035】
ここで、冷蔵庫本体1の側面と天面と背面における真空断熱材1vは、ホットメルト接着剤にて外箱1に接着固定して配設されており、凝縮器19の一部を構成する図示していない放熱用の高温冷媒配管を避けて外箱1と内箱2の中間で硬質ウレタンフォーム4に埋設されている。また、冷蔵庫本体1の底面における真空断熱材1vは、ホットメルト接着剤にて内箱2に接着固定して配設されている。
一方、扉9a、10a、12a、13aについては、扉の取っ手を避けて扉の外表面と内表面の中間で硬質ウレタンフォーム4に真空断熱材9v、10v、12v、13vが埋設されている。なお、真空断熱材9v、10v、12v、13vは、両面テープを貼り付けた図示していないスペーサなどにより扉外板内側に接着固定されている。
【0036】
なお、冷蔵庫本体1の断熱壁厚は、開口部の壁厚の薄い部分を含めて冷凍室12、13の冷凍領域においては25〜50mmの範囲に、また、冷蔵室9と野菜室10の冷蔵領域においては25〜40mmの範囲にしており、この断熱壁厚中に厚さ15mmの真空断熱材1vを配設している。このため、外箱1と内箱2の間に真空断熱材1vが配設された位置における硬質ウレタンフォーム4の充填される厚みは最低でも10mm以上確保されており、真空断熱材1vが硬質ウレタンフォーム4の発泡充填性を阻害することはない。
【0037】
以上のような構成により、硬質ウレタンフォーム4のみで冷蔵庫本体1と扉9a,10a,12a,13aを断熱する場合と比較して冷蔵庫全体の吸熱量を大幅に低減することが出来る。その結果、箱体吸熱量の低減による省エネルギー効果が得られると共に、並列切替システムにより冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7を交互に冷却する場合においても、停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくすることができる。つまり、並列切替システムにより冷却効率を高め省エネルギー効果を高めると同時に、食品の保鮮性も同時に高めることが出来る。
【0038】
また、真空断熱材の使用によって箱体吸熱量を小さくしたことにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して一度に必要な冷却量とそれに見合った放熱量を小さくすることができ、配管ボリュームを小さくすることができる。更に、発汗防止の観点からも、従来の硬質ウレタンフォームによる断熱箱体では、発汗防止を目的に放熱系配管を硬質ウレタンフォームに埋設していたが、発汗の可能性がある部分に真空断熱材を使用することにより発汗防止用に設計していた放熱系配管まで削減することが可能であるため、全体として大幅に配管ボリュームを削減することができる。その結果、冷却に必要な冷媒量を大幅に削減することが可能となり、可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合において、万が一冷媒が漏洩しても着火の危険性を極めて低くすることが出来る。
【0039】
また、回転数一定型の圧縮機18の場合であっても上述の効果は得られるが、圧縮機18を回転数可変型として冷凍サイクルを構成することにより、更に下記のような効果を得ることが出来る。
【0040】
つまり、真空断熱材使用による箱体の安定時の静的な吸熱量と、ドア開閉や庫内への食品負荷投入時の最大負荷量との差異を、圧縮機の回転数により制御可能とすることにより、最大負荷量に見合った圧縮機の過大な気筒容積の確保による省エネルギー効果のロスや、安定時の圧縮機停止時間の増大による庫内温度の時間的変動の増大を防止することが出来る。また、気筒容積を小さくできることから更に冷媒量を少なく設計することが可能となるため、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合でも、可燃性冷媒の危険性を極めて小さくすることが出来る。
【0041】
更に、冷蔵庫本体1の外表面積と扉9a,10a,12a,13aの表面積を合わせた冷蔵庫全体の外表面積に対する真空断熱材1v、9v、10v、12v、13vの面積の比率として被覆率を定義し、その被覆率を50〜80%の範囲とすることにより、以下のような効果を得ることが出来る。
【0042】
つまり、真空断熱材を多量に配設して被覆率を極限まで高めようとする場合、冷蔵庫本体1の図示しない構成部品や特別な構造がある部分(凹凸形状や配管,排水管の設置部など)では特殊な形態の真空断熱材が必要になると共に、真空断熱材の貼り付け作業性が非常に悪くなる。このため、概ね外箱1の表面積の80%を超えて真空断熱材1vを配設しようとしても、使用効率が悪く利用価値が飽和する箇所にまで真空断熱材を貼り付けることになり、真空断熱材の投入に対する断熱性能の向上効果が著しく低下することとなる。したがって、本実施の形態のように、外箱1の外面積に対する真空断熱材1vの被覆率を80%にとどめることによって、真空断熱材を多量に使用していくことによる効果が飽和せず、利用価値が高い状態で吸熱負荷量を効果的に抑えることができ、省エネルギー効果を高めることができる。また、80%の被覆率を実現するためには、冷蔵庫本体1の両側面,天面,背面,底面,および前面すなわち扉9a,10a,12a,13aの各表面を概ね覆うことができる大きなサイズの真空断熱材を配設することが好ましく、真空断熱材の断熱効率が良くかつ貼り付け作業性も向上する。
【0043】
以上に示したように真空断熱材の被覆率を80%にとどめることによって、真空断熱材を使用することによる吸熱量の低減効果と冷蔵庫本体1のイニシャルコストとのバランスを確保することができ、ライフサイクルコストとしての価値を高めることができる。
【0044】
なお、冷蔵庫本体1と扉9a,10a,12a,13aのうち、通過熱勾配の大きい箇所から真空断熱材を配設することにより被覆率が冷蔵庫全体の外面積の概ね50%を超える程度になれば断熱箱体の吸熱負荷量を効果的に抑え、省エネルギー効果を高めることができる。
【0045】
以上のように冷蔵庫全体表面積の50〜80%の範囲を真空断熱材で被覆することにより、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を高めることができ、高いコストパフォーマンスで省エネ効果を最大限に引き出すことが可能となる。その結果、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を高めることができるため、並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を更に小さくすることによる食品の保鮮性向上効果と、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合の危険性の低減効果を更に高めることが可能となる。
【0046】
また、図3には1v、5v、9v、10v、12v、13vとして示している真空断熱材の構造図を示す。図3において、真空断熱材は、グラスウールなどの無機繊維集合体25を加熱乾燥後に、アルミ箔により構成された金属箔層フィルム26aとアルミ蒸着を施した蒸着層フィルム26bを貼り合わせた外被材26中に挿入し、内部を真空引きして開口部を封止することにより形成されている。
【0047】
ここで、無機繊維集合体25の繊維径は0.1μm〜1.0μmの範囲のものを使用し、硬質ウレタンフォーム4の熱伝導率を0.015W/mKとしたときに、同様の測定基準による熱伝導率が0.0015W/mKである断熱材として真空断熱材1v、5v、9v、10v、12v、13vを適用している。つまり、硬質ウレタンフォーム4に比べ断熱性能が10倍高い真空断熱材1v、5v、9v、10v、12v、13vを適用している。
【0048】
なお、外被材26を構成している金属箔層フィルム26aは、表面保護層としてポリエチレンテレフタレート(12μm)、中間部にはアルミ箔(6μm)、熱シール層が高密度ポリエチレン(50μm)からなるラミネートフィルムから構成され、もう一方の面である蒸着層フィルム26bは、表面保護層がポリエチレンテレフタレート(12μm)、中間部がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物(15μm)の内側にアルミニウム蒸着を施したフィルム層,熱シール層が高密度ポリエチレン(50μm)からなるラミネートフィルムで構成されている。更に、外被材26には、耐傷つき性を向上させるために表面保護層にナイロン樹脂層を形成させている。
【0049】
本実施例の構成とすることにより、硬質ウレタンフォームと比較して約10倍の断熱性能を持った真空断熱材が得られるため、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を大幅に高めることが可能となる。その結果、真空断熱材による省エネルギー効果を大幅に高めることが可能となり、本効果によって並列切替システムを使用した場合であっても時間的な庫内温度変動幅を低減することができ、食品保鮮性を向上することが出来る。また、吸熱量の更なる低減により、必要冷媒量を更に少なく抑えることにより、可燃性を有するイソブタンが冷媒であっても冷媒漏洩時の危険性を更に低減することが出来る。
【0050】
また、無機繊維集合体25は難燃性を有しており、万が一、冷蔵庫本体1に着火した場合の安全性を、硬質ウレタンフォームのみで構成したものに比べ高めることができる。
【0051】
また、図4には真空断熱材の概略図を示している。図4においてZは真空断熱材の厚みを示しており、本実施例では15mmとしている。つまり、XおよびYの2辺で形成される面を断熱すべき熱の通過方向と垂直をなす方向に向けて真空断熱材を配設する。ここで、XおよびYで示される辺の長さを200mm以上とすることにより以下のような効果を得ることが出来る。
【0052】
つまり、真空断熱材の外被材をなすガスバリア性のフィルム26a、26bはいずれも金属性フィルム層を有することから伝熱により所謂ヒートブリッジ現象が生じる。そのため、真空断熱材の被覆面積をなすXおよびYの長さが小さすぎると真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができず、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を十分に得ることが出来ない。一方、真空断熱材の被覆面積をなす辺の長さXおよびYを200mm以上とすることにより、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことが可能であり、ヒートブリッジによる熱リークを抑制できることを実験により確認している。以上のことから、真空断熱材を構成する3辺のうち厚み方向を除く2辺の長さを200mm以上することにより、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができる。この結果、コストパフォーマンスが高い状態で真空断熱材の利用が可能となり、冷蔵庫全体の吸熱量を効果的に低減することが出来る。その結果、上述してきた実施例における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0053】
なお、冷蔵庫本体1への真空断熱材1vの配設においては、可能であれば全ての真空断熱材を外箱1に接着固定してもよいが、本実施の形態では敢えて、冷蔵庫本体1の底面に配設する真空断熱材1vは内箱2に接着固定している。
【0054】
これは、圧縮機18や凝縮器19からの放熱により概ね40℃を超える機械室の温度の影響が真空断熱材1vに至り、真空断熱材の経時的な断熱性能の低下が生じることを防止するためである。
【0055】
また、扉9a、10a、12a、13aに対しては、扉の取っ手を避けて真空断熱材9v、10v、12v、13vを中間層に埋設することにより、大きな面積の真空断熱材を貼り付けることができ、吸熱負荷量を効果的に低減することができるためである。
【0056】
また、本実施例では真空断熱材の厚みZを15mmとしたが、5〜20mm程度の範囲内であれば硬質ウレタンフォーム4の発泡充填性を阻害する危険性もなく、適切な断熱性能を発揮することが出来る。
【0057】
なお、本発明の形態では、硬質ウレタンフォーム4の熱伝導率を0.015W/mKとしたときに、真空断熱材の熱伝導率を0.0015W/mKとして1/10のものを適用したが、無機繊維集合体25の繊維径の異なるものを採用するなどし、0.0010W/mK〜0.0030W/mKとして、1/15〜1/5の比率の範囲としてもよい。これは、硬質ウレタンフォームと真空断熱材との複層断熱壁厚が比較的薄い場合において、硬質ウレタンフォームの流動性を阻害しないために真空断熱材の厚みを薄くしたとしても複層断熱壁としての断熱性能を効果的に発揮するためである。更に、高被覆率化を実現するために比較的壁厚の薄い箇所にも真空断熱材を配設し、省エネルギー効果を期待通り発揮させるためである。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、箱体の断熱材として硬質ウレタンフォームに加えて真空断熱材を使用することにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して箱体の吸熱量を大幅に低減することが出来る。その結果、箱体吸熱量の低減による省エネルギー効果が得られると共に、並列切替システムにより冷蔵室と冷凍室を交互に冷却する場合においても、停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくすることができる。つまり、並列切替システムにより冷却効率を高め省エネルギー効果を高めると同時に、食品の保鮮性も同時に高めることが出来る。
【0059】
また、真空断熱材の使用によって箱体吸熱量を小さくしたことにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して一度に必要な冷却量とそれに見合った放熱量を小さくすることができ、配管ボリュームを小さくすることができる。更に、発汗防止の観点からも、従来の硬質ウレタンフォームによる断熱箱体では、発汗防止を目的に放熱系配管を硬質ウレタンフォームに埋設していたが、発汗の可能性がある部分に真空断熱材を使用することにより発汗防止用に設計していた放熱系配管まで削減することが可能であるため、全体として大幅に配管ボリュームを削減することができる。その結果、冷却に必要な冷媒量を大幅に削減することが可能となり、可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合において、万が一冷媒が漏洩しても着火の危険性を極めて低くすることが出来る。
【0060】
また、請求項2の発明によれば、真空断熱材使用による箱体の安定時の静的な吸熱量と、ドア開閉や庫内への食品負荷投入時の最大負荷量との差異を、圧縮機の回転数により制御可能とするため、最大負荷量にあわせた設計における圧縮機の過大な気筒容積の確保による省エネルギー効果のロスや、安定時の圧縮機停止時間の増大による庫内温度の時間的変動の増大を防止することが出来る。
【0061】
また、過大な気筒容積の設計を防止できることから更に冷媒量を少なく設計することが可能となるため、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合でも、可燃性冷媒の危険性を極めて小さくすることが出来る。
【0062】
また、請求項3の発明によれば、外箱表面積の50〜80%の範囲で真空断熱材を配設することにより、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を高めることができ、高いコストパフォーマンスで省エネ効果を最大限に引き出すことが可能となる。その結果、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を高めることができるため、並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を更に小さくすることによる食品の保鮮性向上効果と、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合の危険性の低減効果を更に高めることが可能である。
【0063】
また、請求項4の発明によれば、硬質ウレタンフォームと比較して約10倍の断熱性能を持った真空断熱材が得られるため、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を大幅に高めることが可能となる。その結果、請求項1から3に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0064】
また、請求項5の発明によれば、真空断熱材の外覆材をなすガスバリア性のフィルムを介する伝熱現象による熱リークを最小限に抑えることができ、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができるため、コストパフォーマンスが高い真空断熱材の利用が可能となる。その結果、請求項1から4に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の側面断面図
【図2】同実施の形態の冷蔵庫の正面断面図
【図3】同実施の形態の真空断熱材の構造図
【図4】同実施の形態の真空断熱材の概略図
【図5】従来の冷蔵庫の側面断面図
【図6】従来の冷蔵庫の冷凍サイクル回路図
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体
1v、5v、9v、10v、12v、13v 真空断熱材
2 外箱
3 内箱
4 硬質ウレタンフォーム
6 冷蔵温度帯空間
7 冷凍温度帯空間
9 冷蔵室
12 第1冷凍室
13 第2冷凍室
14 冷蔵室用蒸発器
16 冷凍室用蒸発器
18 圧縮機
19 凝縮器
20 切替弁
25 無機繊維集合体
26 外被材
26a 金属箔層フィルム
26b 蒸着層フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを備え、冷蔵室用蒸発器により冷蔵室を冷却する場合と、冷凍室用蒸発器により冷凍室を冷却する場合とを交互に行う冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷蔵庫では、ひとつの蒸発器により温度帯の異なる冷蔵室と冷凍室とを冷却する構成となっていたため、冷蔵室と冷凍室の各室の温度制御を精度よく行うことが難しく、冷却効率に無駄があった。
【0003】
そこで近年では、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器とを設け、冷媒流路弁により圧縮機から吐出される冷媒を冷蔵室用蒸発器に流す場合と冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替えることによって冷蔵室と冷凍室を交互に冷却すると共に、圧縮機の回転周波数を可変して各室の温度を各室に適した温度となるように制御する構成とした冷蔵庫が提案されている。(例えば特願平9−340377号、特願平10−192028号参照)。このような冷蔵庫においては、庫内負荷に応じて冷却能力を可変するため、圧縮機のオン/オフによるサイクルロスを低減でき、起動入力や騒音を抑えることが可能である。また、更に並列切替システムの効率を高める手段としては、特開2001−91130号公報に記載された手段が知られている。
【0004】
図5には、特開2001−91130号公報に記載されている冷蔵庫の側面断面図を、図6には図5に示した冷蔵庫に配設された冷凍サイクルの回路図を示す。
図5において、冷蔵庫本体1は外箱2と内箱3との間に硬質ウレタンフォーム4を充填した周知構造の断熱箱体として構成されている。この冷蔵庫本体1内は、断熱仕切り壁5により上部の冷蔵温度帯空間6と、下部の冷凍温度帯空間7とに区画されており、これら冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7の冷気は独立し、各冷気は混合することはない構造としている。
【0005】
冷蔵室温度帯空間6は、仕切り板8により冷蔵室9と野菜室10とに仕切られ、一方、冷凍室温度帯空間7は、仕切り壁11により第1冷凍室12と第2冷凍室13とに仕切られている。上記冷蔵室9の前面には開閉式扉9aが設けられ、野菜室10、第1冷凍室12、第2冷凍室13には各々引出し式扉10a、11a、12aが設けられている。冷蔵室9の背面上部には冷蔵室用蒸発器14と冷蔵室用冷気循環ファン15とが配設されており、冷蔵室用蒸発器14で冷却された冷気が、冷蔵室用冷気循環ファン15の送風作用により、冷蔵室9および野菜室10に供給され、再び冷蔵室用蒸発器14に戻り、この過程で冷蔵室9および野菜室10が冷却される。
【0006】
また、冷凍温度帯空間7は背面に冷凍室用蒸発器16と冷凍室用冷気循環ファン17とが配設されており、冷凍室用蒸発器16で冷却された冷気が、冷凍室用冷気循環ファン17の送風作用により、第1および第2冷凍室12、13に供給され、再び冷凍室用蒸発器16に戻り、この過程で第1および第2冷凍室12,13が冷却される。また、冷蔵庫本体1の背面下部の機械室には、圧縮機18および凝縮器19などが配設されている。
【0007】
図6には、上記した冷蔵庫に配設された冷凍サイクルの回路図を示している。図6において、圧縮機18の冷媒吐出口18aは、凝縮器19を介して、流路切替手段である三方切替弁20の入口に接続されている。切替弁20の一方の出口は、冷凍キャピラリ21を介して冷凍室用蒸発器16の入口に接続されている。この蒸発器16の出口は、アキュームレータ22を介して逆止弁23の入口に接続され、逆止弁23の出口は圧縮機18の冷媒流入口18bに接続されている。また、上記切替弁20の他方の出口は、冷蔵キャピラリ24を介して冷蔵室用蒸発器14の入口に接続されており、この蒸発器14の出口は、上記逆止弁23の出口に接続されている。
【0008】
つまり、圧縮機18に対して冷蔵室用蒸発器14と冷凍室用蒸発器16とは並列に接続され、冷凍室用蒸発器16の出口は逆止弁23を介して冷蔵室用蒸発器14の出口と接続されている。
【0009】
上記構成における作用の概略とその効果を以下に示す。まず、圧縮機18が駆動された状態で切替弁20により圧縮機18から吐出される冷媒が冷蔵室用蒸発器14に流れるように冷媒流路を切り換えた状態(図6の破線矢印Aで示され、以下では、冷蔵モードという)では、圧縮機18から吐出された冷媒は周知の状態変化を行った後、冷蔵室用蒸発器14に送られ冷蔵室用蒸発器14周囲の空気を冷却する。
【0010】
このとき、冷蔵室用蒸発器14により冷却された冷気は、冷蔵室用冷気循環ファン15の送風作用により冷蔵室9および野菜室10に送られ、冷蔵室9および野菜室10が冷却される。
【0011】
また、圧縮機18が駆動された状態で切替弁20により圧縮機18から吐出される冷媒が冷凍室用蒸発器16に流れるように冷媒流路を切り換えた状態(図6の実線矢印Bで示され、以下では、冷凍モードという)では、圧縮機18から吐出された冷媒は周知の状態変化を行った後、冷凍室用蒸発器16に送られ冷凍室用蒸発器16周囲の空気を冷却する。
【0012】
このとき、冷凍室用蒸発器16により冷却された冷気は、冷凍室用冷気循環ファン17の送風作用により第1および第2冷凍室12、13に送られ、第1および第2冷凍室12、13が冷却される。
【0013】
上記作用により、冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7を各々独立に冷却するため、冷蔵室用蒸発器14は−5℃程度、冷凍室用蒸発器16は−25℃程度という冷却温度を維持することにより各々の冷却空間に適した庫内温度を効率よく提供することができ、省エネルギー効果を高めることが出来る。また、冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7を時間分割的に独立して冷却するため、一度に発生すべき冷却量を小さくすることができるため、凝縮器19の放熱量も小さくすることができる。その結果、冷凍サイクル全体の配管ボリュームをある程度小さくすることが可能となり、冷媒に可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合における冷媒漏洩時の着火危険性をある程度抑制することが可能であると考えられる。
【0014】
更に、冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7が共に予め設定された温度まで冷却された状態で圧縮機18を停止する場合には、冷蔵モードの状態で圧縮機18を停止する。冷蔵モードでは、切替弁20の作用により圧縮機18の冷媒吐出口18aと冷蔵室用蒸発器14の入口とを連通した状態となっており、圧縮機18の冷媒吐出口18aと冷凍用蒸発器16の入口との間は遮断されている。
【0015】
この状態で圧縮機18を停止すると、凝縮器19に代表される高圧側から高温冷媒が冷凍室用蒸発器16に流入することはなく、さらに、逆止弁23の作用により冷蔵室用蒸発器14から冷凍用蒸発器16への冷媒の逆流も無い。従って、冷凍室用蒸発器16には低温の冷媒が保持されることになり、冷凍室用蒸発器16の温度が必要なく上昇することを防止することができる。本作用により、冷凍サイクルのエネルギーロスを更に削減することができ、省エネルギー効果をさらに高めることが出来る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−91130号に記載されている冷蔵庫では、冷却システムを並列切替システムとし、圧縮機停止時のシステム上の工夫により冷却効率を高めることはできるものの、冷却システムの切り替えに際して停止側庫内(例えば、冷凍室冷却時の冷蔵室側庫内)の温度制御を精度良く行うことが難しく、時間的な庫内温度の変動をある程度許容せざるを得ない。
【0017】
また、冷凍室と冷蔵室を各々独立に冷却するため一度に必要となる冷却能力を小さく出来ることから必要放熱量も小さく設計することができるため、放熱系の配管ボリュームをある程度小さく設計することはできる。しかし、箱体断熱材としては硬質ウレタンフォームのみを使用しているため、吸熱量に見合う放熱量の確保と発汗防止の観点から放熱パイプのボリュームを大幅に削減することはできない。そのため、冷媒に炭化水素系の自然冷媒を用いる場合には冷媒量を十分少なく抑えることができず、万が一冷媒が冷却システムの外部に漏洩した場合の安全性に問題が生じる可能性があった。
【0018】
本発明は、上記課題に鑑み、並列切替システムを使用した場合の時間的な庫内温度の変動幅を低減すると共に、冷媒に炭化水素系の自然冷媒を使用した場合の冷媒漏洩時の危険性を回避するために少冷媒量化することを目的に、真空断熱材を使用した冷蔵庫を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明は以下のような構成とする。
【0020】
本発明の請求項1に係る冷蔵庫は、圧縮機と、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器と、冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段と、放熱を行う凝縮器とを備えた冷却システムを有し、前記冷蔵室用蒸発器と前記冷凍室用蒸発器とを並列に接続し、前記流路切替手段により前記圧縮機から吐出される冷媒を前期冷蔵室用蒸発器に流す場合と前記冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替える冷蔵庫において、箱体を構成する外箱と内箱の間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、冷媒が炭化系水素の自然冷媒であるように構成したものである。
【0021】
本発明によれば、箱体の断熱材として硬質ウレタンフォームに加えて真空断熱材を使用することにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して箱体の吸熱量を大幅に低減することが出来る。その結果、箱体吸熱量の低減による省エネルギー効果が得られると共に、並列切替システムにより冷蔵室と冷蔵室を交互に冷却する場合においても、停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくすることができる。つまり、並列切替システムにより冷却効率を高め省エネルギー効果を高めると同時に、食品の保鮮性も同時に高めることが出来る。
【0022】
また、真空断熱材の使用によって箱体吸熱量を小さくしたことにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して一度に必要な冷却量とそれに見合った放熱量を小さくすることができ、配管ボリュームを小さくすることができる。更に、発汗防止の観点からも、従来の硬質ウレタンフォームによる断熱箱体では、発汗防止を目的に放熱系配管を硬質ウレタンフォームに埋設していたが、発汗の可能性がある部分に真空断熱材を使用することにより発汗防止用に設計していた放熱系配管まで削減することが可能であるため、全体として大幅に配管ボリュームを削減することができる。その結果、冷却に必要な冷媒量を大幅に削減することが可能となり、可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合において、万が一冷媒が漏洩しても着火の危険性を極めて低くすることが出来る。
【0023】
本発明の請求項2に係る冷蔵庫は、請求項1に記載の冷蔵庫において、圧縮機を回転数可変型とするように構成したものである。
【0024】
本発明によれば、真空断熱材使用による箱体の安定時の静的な吸熱量と、ドア開閉や庫内への食品負荷投入時の最大負荷量との差異を、圧縮機の回転数により制御可能とするため、最大負荷量にあわせた設計における圧縮機の過大な気筒容積の確保による省エネルギー効果のロスや、安定時の圧縮機停止時間の増大による庫内温度の時間的変動の増大を防止することが出来る。
【0025】
また、過大な気筒容積の設計を防止できることから更に冷媒量を少なく設計することが可能となるため、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合でも、可燃性冷媒の危険性を極めて小さくすることが出来る。
【0026】
本発明の請求項3に係る冷蔵庫は、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の冷蔵庫において、外箱と内箱との間の硬質ウレタンフォームに埋設される真空断熱材の面積が、前記外箱の外表面積の50〜80%と成るように構成したものである。
【0027】
本発明によれば、外箱表面積の50〜80%の範囲で真空断熱材を配設することにより、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を高めることができ、高いコストパフォーマンスで省エネ効果を最大限に引き出すことが可能となる。その結果、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を高めることができるため、並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を更に小さくすることによる食品の保鮮性向上効果と、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合の危険性の低減効果を更に高めることが可能である。
【0028】
本発明の請求項4に係る冷蔵庫は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫において、前記真空断熱材が、無機繊維集合体からなる芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムで構成されるように構成したものである。
【0029】
本発明によれば、硬質ウレタンフォームと比較して約10倍の断熱性能を持った真空断熱材が得られるため、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を大幅に高めることが可能となる。その結果、請求項1から3に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0030】
本発明の請求項5に係る冷蔵庫は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫において、前記真空断熱材の3辺のうち、最短辺である厚み方向の辺を除く2辺の長さが200mm以上であるように構成したものである。
【0031】
本発明によれば、真空断熱材の外覆材をなすガスバリア性のフィルムを介する伝熱現象による熱リークを最小限に抑えることができ、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができるため、コストパフォーマンスが高い真空断熱材の利用が可能となる。その結果、請求項1から4に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
【0033】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における冷蔵庫を図1から図4に示す。図1には冷蔵庫の側面断面図を、図2には冷蔵庫の正面断面図を示す。図1,図2において、冷蔵庫本体1は、金属からなる外箱2とABSなどの合成樹脂からなる内箱3とから形成され、外箱1と内箱2との間に形成される空間は、真空断熱材1vを配設した後に、硬質ウレタンフォーム4が発泡充填された構成としている。本実施例では、冷蔵庫本体1の天面、両側面、底面、背面の全ての面に対して真空断熱材1vを配設している。また、野菜室10と第1冷凍室12の断熱仕切り壁5に関しても、硬質ウレタンフォーム4と真空断熱材5vで構成される。また、冷蔵室の扉9a、野菜室の扉10a、第1冷凍室の扉12a、第2冷凍室の扉13aは、各々真空断熱材9v、10v、12v、13vと硬質ウレタンフォーム4とで構成されている。
【0034】
なお、図1,2におけるそれ以外の構成部品は従来例として図示した図5と同一であり、冷凍サイクルの構成についても図6に示した冷凍サイクルと同一の並列切替システムとするため説明を省略する。但し、従来の冷蔵庫ではR134aが冷媒として使用されていることが一般的であるが、本発明の冷蔵庫においては炭化水素系の自然冷媒としてR600aイソブタンが使用されている。
【0035】
ここで、冷蔵庫本体1の側面と天面と背面における真空断熱材1vは、ホットメルト接着剤にて外箱1に接着固定して配設されており、凝縮器19の一部を構成する図示していない放熱用の高温冷媒配管を避けて外箱1と内箱2の中間で硬質ウレタンフォーム4に埋設されている。また、冷蔵庫本体1の底面における真空断熱材1vは、ホットメルト接着剤にて内箱2に接着固定して配設されている。
一方、扉9a、10a、12a、13aについては、扉の取っ手を避けて扉の外表面と内表面の中間で硬質ウレタンフォーム4に真空断熱材9v、10v、12v、13vが埋設されている。なお、真空断熱材9v、10v、12v、13vは、両面テープを貼り付けた図示していないスペーサなどにより扉外板内側に接着固定されている。
【0036】
なお、冷蔵庫本体1の断熱壁厚は、開口部の壁厚の薄い部分を含めて冷凍室12、13の冷凍領域においては25〜50mmの範囲に、また、冷蔵室9と野菜室10の冷蔵領域においては25〜40mmの範囲にしており、この断熱壁厚中に厚さ15mmの真空断熱材1vを配設している。このため、外箱1と内箱2の間に真空断熱材1vが配設された位置における硬質ウレタンフォーム4の充填される厚みは最低でも10mm以上確保されており、真空断熱材1vが硬質ウレタンフォーム4の発泡充填性を阻害することはない。
【0037】
以上のような構成により、硬質ウレタンフォーム4のみで冷蔵庫本体1と扉9a,10a,12a,13aを断熱する場合と比較して冷蔵庫全体の吸熱量を大幅に低減することが出来る。その結果、箱体吸熱量の低減による省エネルギー効果が得られると共に、並列切替システムにより冷蔵温度帯空間6と冷凍温度帯空間7を交互に冷却する場合においても、停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくすることができる。つまり、並列切替システムにより冷却効率を高め省エネルギー効果を高めると同時に、食品の保鮮性も同時に高めることが出来る。
【0038】
また、真空断熱材の使用によって箱体吸熱量を小さくしたことにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して一度に必要な冷却量とそれに見合った放熱量を小さくすることができ、配管ボリュームを小さくすることができる。更に、発汗防止の観点からも、従来の硬質ウレタンフォームによる断熱箱体では、発汗防止を目的に放熱系配管を硬質ウレタンフォームに埋設していたが、発汗の可能性がある部分に真空断熱材を使用することにより発汗防止用に設計していた放熱系配管まで削減することが可能であるため、全体として大幅に配管ボリュームを削減することができる。その結果、冷却に必要な冷媒量を大幅に削減することが可能となり、可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合において、万が一冷媒が漏洩しても着火の危険性を極めて低くすることが出来る。
【0039】
また、回転数一定型の圧縮機18の場合であっても上述の効果は得られるが、圧縮機18を回転数可変型として冷凍サイクルを構成することにより、更に下記のような効果を得ることが出来る。
【0040】
つまり、真空断熱材使用による箱体の安定時の静的な吸熱量と、ドア開閉や庫内への食品負荷投入時の最大負荷量との差異を、圧縮機の回転数により制御可能とすることにより、最大負荷量に見合った圧縮機の過大な気筒容積の確保による省エネルギー効果のロスや、安定時の圧縮機停止時間の増大による庫内温度の時間的変動の増大を防止することが出来る。また、気筒容積を小さくできることから更に冷媒量を少なく設計することが可能となるため、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合でも、可燃性冷媒の危険性を極めて小さくすることが出来る。
【0041】
更に、冷蔵庫本体1の外表面積と扉9a,10a,12a,13aの表面積を合わせた冷蔵庫全体の外表面積に対する真空断熱材1v、9v、10v、12v、13vの面積の比率として被覆率を定義し、その被覆率を50〜80%の範囲とすることにより、以下のような効果を得ることが出来る。
【0042】
つまり、真空断熱材を多量に配設して被覆率を極限まで高めようとする場合、冷蔵庫本体1の図示しない構成部品や特別な構造がある部分(凹凸形状や配管,排水管の設置部など)では特殊な形態の真空断熱材が必要になると共に、真空断熱材の貼り付け作業性が非常に悪くなる。このため、概ね外箱1の表面積の80%を超えて真空断熱材1vを配設しようとしても、使用効率が悪く利用価値が飽和する箇所にまで真空断熱材を貼り付けることになり、真空断熱材の投入に対する断熱性能の向上効果が著しく低下することとなる。したがって、本実施の形態のように、外箱1の外面積に対する真空断熱材1vの被覆率を80%にとどめることによって、真空断熱材を多量に使用していくことによる効果が飽和せず、利用価値が高い状態で吸熱負荷量を効果的に抑えることができ、省エネルギー効果を高めることができる。また、80%の被覆率を実現するためには、冷蔵庫本体1の両側面,天面,背面,底面,および前面すなわち扉9a,10a,12a,13aの各表面を概ね覆うことができる大きなサイズの真空断熱材を配設することが好ましく、真空断熱材の断熱効率が良くかつ貼り付け作業性も向上する。
【0043】
以上に示したように真空断熱材の被覆率を80%にとどめることによって、真空断熱材を使用することによる吸熱量の低減効果と冷蔵庫本体1のイニシャルコストとのバランスを確保することができ、ライフサイクルコストとしての価値を高めることができる。
【0044】
なお、冷蔵庫本体1と扉9a,10a,12a,13aのうち、通過熱勾配の大きい箇所から真空断熱材を配設することにより被覆率が冷蔵庫全体の外面積の概ね50%を超える程度になれば断熱箱体の吸熱負荷量を効果的に抑え、省エネルギー効果を高めることができる。
【0045】
以上のように冷蔵庫全体表面積の50〜80%の範囲を真空断熱材で被覆することにより、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を高めることができ、高いコストパフォーマンスで省エネ効果を最大限に引き出すことが可能となる。その結果、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を高めることができるため、並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を更に小さくすることによる食品の保鮮性向上効果と、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合の危険性の低減効果を更に高めることが可能となる。
【0046】
また、図3には1v、5v、9v、10v、12v、13vとして示している真空断熱材の構造図を示す。図3において、真空断熱材は、グラスウールなどの無機繊維集合体25を加熱乾燥後に、アルミ箔により構成された金属箔層フィルム26aとアルミ蒸着を施した蒸着層フィルム26bを貼り合わせた外被材26中に挿入し、内部を真空引きして開口部を封止することにより形成されている。
【0047】
ここで、無機繊維集合体25の繊維径は0.1μm〜1.0μmの範囲のものを使用し、硬質ウレタンフォーム4の熱伝導率を0.015W/mKとしたときに、同様の測定基準による熱伝導率が0.0015W/mKである断熱材として真空断熱材1v、5v、9v、10v、12v、13vを適用している。つまり、硬質ウレタンフォーム4に比べ断熱性能が10倍高い真空断熱材1v、5v、9v、10v、12v、13vを適用している。
【0048】
なお、外被材26を構成している金属箔層フィルム26aは、表面保護層としてポリエチレンテレフタレート(12μm)、中間部にはアルミ箔(6μm)、熱シール層が高密度ポリエチレン(50μm)からなるラミネートフィルムから構成され、もう一方の面である蒸着層フィルム26bは、表面保護層がポリエチレンテレフタレート(12μm)、中間部がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物(15μm)の内側にアルミニウム蒸着を施したフィルム層,熱シール層が高密度ポリエチレン(50μm)からなるラミネートフィルムで構成されている。更に、外被材26には、耐傷つき性を向上させるために表面保護層にナイロン樹脂層を形成させている。
【0049】
本実施例の構成とすることにより、硬質ウレタンフォームと比較して約10倍の断熱性能を持った真空断熱材が得られるため、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を大幅に高めることが可能となる。その結果、真空断熱材による省エネルギー効果を大幅に高めることが可能となり、本効果によって並列切替システムを使用した場合であっても時間的な庫内温度変動幅を低減することができ、食品保鮮性を向上することが出来る。また、吸熱量の更なる低減により、必要冷媒量を更に少なく抑えることにより、可燃性を有するイソブタンが冷媒であっても冷媒漏洩時の危険性を更に低減することが出来る。
【0050】
また、無機繊維集合体25は難燃性を有しており、万が一、冷蔵庫本体1に着火した場合の安全性を、硬質ウレタンフォームのみで構成したものに比べ高めることができる。
【0051】
また、図4には真空断熱材の概略図を示している。図4においてZは真空断熱材の厚みを示しており、本実施例では15mmとしている。つまり、XおよびYの2辺で形成される面を断熱すべき熱の通過方向と垂直をなす方向に向けて真空断熱材を配設する。ここで、XおよびYで示される辺の長さを200mm以上とすることにより以下のような効果を得ることが出来る。
【0052】
つまり、真空断熱材の外被材をなすガスバリア性のフィルム26a、26bはいずれも金属性フィルム層を有することから伝熱により所謂ヒートブリッジ現象が生じる。そのため、真空断熱材の被覆面積をなすXおよびYの長さが小さすぎると真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができず、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を十分に得ることが出来ない。一方、真空断熱材の被覆面積をなす辺の長さXおよびYを200mm以上とすることにより、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことが可能であり、ヒートブリッジによる熱リークを抑制できることを実験により確認している。以上のことから、真空断熱材を構成する3辺のうち厚み方向を除く2辺の長さを200mm以上することにより、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができる。この結果、コストパフォーマンスが高い状態で真空断熱材の利用が可能となり、冷蔵庫全体の吸熱量を効果的に低減することが出来る。その結果、上述してきた実施例における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0053】
なお、冷蔵庫本体1への真空断熱材1vの配設においては、可能であれば全ての真空断熱材を外箱1に接着固定してもよいが、本実施の形態では敢えて、冷蔵庫本体1の底面に配設する真空断熱材1vは内箱2に接着固定している。
【0054】
これは、圧縮機18や凝縮器19からの放熱により概ね40℃を超える機械室の温度の影響が真空断熱材1vに至り、真空断熱材の経時的な断熱性能の低下が生じることを防止するためである。
【0055】
また、扉9a、10a、12a、13aに対しては、扉の取っ手を避けて真空断熱材9v、10v、12v、13vを中間層に埋設することにより、大きな面積の真空断熱材を貼り付けることができ、吸熱負荷量を効果的に低減することができるためである。
【0056】
また、本実施例では真空断熱材の厚みZを15mmとしたが、5〜20mm程度の範囲内であれば硬質ウレタンフォーム4の発泡充填性を阻害する危険性もなく、適切な断熱性能を発揮することが出来る。
【0057】
なお、本発明の形態では、硬質ウレタンフォーム4の熱伝導率を0.015W/mKとしたときに、真空断熱材の熱伝導率を0.0015W/mKとして1/10のものを適用したが、無機繊維集合体25の繊維径の異なるものを採用するなどし、0.0010W/mK〜0.0030W/mKとして、1/15〜1/5の比率の範囲としてもよい。これは、硬質ウレタンフォームと真空断熱材との複層断熱壁厚が比較的薄い場合において、硬質ウレタンフォームの流動性を阻害しないために真空断熱材の厚みを薄くしたとしても複層断熱壁としての断熱性能を効果的に発揮するためである。更に、高被覆率化を実現するために比較的壁厚の薄い箇所にも真空断熱材を配設し、省エネルギー効果を期待通り発揮させるためである。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、箱体の断熱材として硬質ウレタンフォームに加えて真空断熱材を使用することにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して箱体の吸熱量を大幅に低減することが出来る。その結果、箱体吸熱量の低減による省エネルギー効果が得られると共に、並列切替システムにより冷蔵室と冷凍室を交互に冷却する場合においても、停止側庫内の時間的な温度変動幅を小さくすることができる。つまり、並列切替システムにより冷却効率を高め省エネルギー効果を高めると同時に、食品の保鮮性も同時に高めることが出来る。
【0059】
また、真空断熱材の使用によって箱体吸熱量を小さくしたことにより、硬質ウレタンフォームのみで箱体を断熱する場合と比較して一度に必要な冷却量とそれに見合った放熱量を小さくすることができ、配管ボリュームを小さくすることができる。更に、発汗防止の観点からも、従来の硬質ウレタンフォームによる断熱箱体では、発汗防止を目的に放熱系配管を硬質ウレタンフォームに埋設していたが、発汗の可能性がある部分に真空断熱材を使用することにより発汗防止用に設計していた放熱系配管まで削減することが可能であるため、全体として大幅に配管ボリュームを削減することができる。その結果、冷却に必要な冷媒量を大幅に削減することが可能となり、可燃性を有する炭化水素系の自然冷媒を用いた場合において、万が一冷媒が漏洩しても着火の危険性を極めて低くすることが出来る。
【0060】
また、請求項2の発明によれば、真空断熱材使用による箱体の安定時の静的な吸熱量と、ドア開閉や庫内への食品負荷投入時の最大負荷量との差異を、圧縮機の回転数により制御可能とするため、最大負荷量にあわせた設計における圧縮機の過大な気筒容積の確保による省エネルギー効果のロスや、安定時の圧縮機停止時間の増大による庫内温度の時間的変動の増大を防止することが出来る。
【0061】
また、過大な気筒容積の設計を防止できることから更に冷媒量を少なく設計することが可能となるため、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合でも、可燃性冷媒の危険性を極めて小さくすることが出来る。
【0062】
また、請求項3の発明によれば、外箱表面積の50〜80%の範囲で真空断熱材を配設することにより、真空断熱材の使用量に対する断熱効果を高めることができ、高いコストパフォーマンスで省エネ効果を最大限に引き出すことが可能となる。その結果、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を高めることができるため、並列切替システムによる停止側庫内の時間的な温度変動幅を更に小さくすることによる食品の保鮮性向上効果と、可燃性冷媒である炭化水素系冷媒が万が一冷却システム外に漏洩した場合の危険性の低減効果を更に高めることが可能である。
【0063】
また、請求項4の発明によれば、硬質ウレタンフォームと比較して約10倍の断熱性能を持った真空断熱材が得られるため、真空断熱材を使用した場合の箱体吸熱量の低減効果を大幅に高めることが可能となる。その結果、請求項1から3に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【0064】
また、請求項5の発明によれば、真空断熱材の外覆材をなすガスバリア性のフィルムを介する伝熱現象による熱リークを最小限に抑えることができ、真空断熱材本来の断熱性能を引き出すことができるため、コストパフォーマンスが高い真空断熱材の利用が可能となる。その結果、請求項1から4に記載した発明における省エネルギー効果と、時間的な庫内温度変動幅の低減による食品保鮮性の向上効果と、少冷媒化による自然冷媒漏洩時の危険性低減効果を更に高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の側面断面図
【図2】同実施の形態の冷蔵庫の正面断面図
【図3】同実施の形態の真空断熱材の構造図
【図4】同実施の形態の真空断熱材の概略図
【図5】従来の冷蔵庫の側面断面図
【図6】従来の冷蔵庫の冷凍サイクル回路図
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体
1v、5v、9v、10v、12v、13v 真空断熱材
2 外箱
3 内箱
4 硬質ウレタンフォーム
6 冷蔵温度帯空間
7 冷凍温度帯空間
9 冷蔵室
12 第1冷凍室
13 第2冷凍室
14 冷蔵室用蒸発器
16 冷凍室用蒸発器
18 圧縮機
19 凝縮器
20 切替弁
25 無機繊維集合体
26 外被材
26a 金属箔層フィルム
26b 蒸着層フィルム
Claims (5)
- 圧縮機と、冷蔵室を冷却するための冷蔵室用蒸発器と、冷凍室を冷却するための冷凍室用蒸発器と、冷媒流路を切り替える冷媒流路切替手段と、放熱を行う凝縮器とを備えた冷却システムを有し、前記冷蔵室用蒸発器と前記冷凍室用蒸発器とを並列に接続し、前記流路切替手段により前記圧縮機から吐出される冷媒を前記冷蔵室用蒸発器に流す場合と前記冷凍室用蒸発器に流す場合とを交互に切り替える冷蔵庫において、箱体を構成する外箱と内箱の間に硬質ウレタンフォームと真空断熱材とを備え、冷媒が炭化系水素の自然冷媒であることを特徴とする冷蔵庫。
- 圧縮機を回転数可変型とすることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 外箱と内箱との間の硬質ウレタンフォームに埋設される真空断熱材の面積が、前記外箱の外表面積の50〜80%を占めることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
- 前記真空断熱材が、無機繊維集合体からなる芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
- 前記真空断熱材の3辺のうち、厚み方向の辺を除く2辺の長さが200mm以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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