JP2004028019A - エンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃費を良くすることができ、運転者に違和感を与えることがないようにする。
【解決手段】停止条件成立判断処理手段91と、エンジン停止処理手段92と、予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段93と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、エンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段94と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段95とを有する。この場合、予測開始条件が成立しても、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合にはエンジンが直ちには始動されない。
【選択図】 図1
【解決手段】停止条件成立判断処理手段91と、エンジン停止処理手段92と、予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段93と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、エンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段94と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段95とを有する。この場合、予測開始条件が成立しても、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合にはエンジンが直ちには始動されない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両が停車している場合にエンジンを停止させ、車両を発進させるときにモータを駆動して、モータの回転をエンジンに伝達し、エンジンを再始動させるようにしたエンジン始動停止装置が提供されている。
【0003】
この場合、該エンジン始動停止装置においては、車速が零(0)であるとエンジンが停止させられ、運転者がブレーキ操作を解除すると、ブレーキ操作検出部がブレーキ操作の解除を検出し、自動的にエンジンを始動させるようになっている。この場合、運転者がアクセルペダルを踏み込んでアクセル操作を行う前にエンジンが始動されるので、車両を円滑に発進させることができる(特開2001−355481号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のエンジン始動停止装置においては、ブレーキ操作が解除されると、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合でもエンジンが始動されてしまうので、燃費が悪くなってしまう。
【0005】
そこで、ブレーキ操作が解除された後、所定の時間が経過したときにエンジンを始動するようにすると、燃費を良くすることができるが、運転者が直ちに車両を走行させたい場合、エンジンが始動されるまでにタイムラグが生じ、運転者に違和感を与えてしまう。
【0006】
すなわち、例えば、渋滞路等において、前方の車両と自車との間の距離、すなわち、車間距離を詰める場合、車両が停車させられた状態において、運転者がブレーキ操作を解除すると、エンジンが始動され、車両が走行させられ、続いて、運転者がブレーキ操作を行うと、エンジンが停止させられる。
【0007】
このようにして車間距離が詰められることになるが、無駄な始動が行われることになり、燃費、ドライバビリティ等が低下してしまう。また、車間距離を詰めた直後に、通常走行が可能になり、そのまま車両を加速させる必要が生じても、運転者がブレーキ操作を解除してから所定の時間が経過するまでエンジンが始動されないので、運転者に違和感を与えてしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のエンジン始動停止装置の問題点を解決して、燃費を良くすることができ、運転者に違和感を与えることがないエンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のエンジン始動停止装置においては、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段と、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段と、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段とを有する。
【0010】
本発明の他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記車両動作予測開始処理手段は、ブレーキ操作が解除されたときに車両動作の予測開始条件が成立したと判断する。
【0011】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかを始動条件とする。
【0012】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、運転者による運転操作状態を表す運転操作情報に基づいて車両動作を予測する。
【0013】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、車両状態を表す車両情報に基づいて車両動作を予測する。
【0014】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、車載装置から送られた道路情報に基づいて車両動作を予測する。
【0015】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、車両の前方の状態を表す前方道路状況情報に基づいて車両動作を予測する。
【0016】
本発明のエンジン始動停止方法のプログラムにおいては、コンピュータを、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段、及びエンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段として機能させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態におけるエンジン始動停止装置の機能ブロック図である。
【0019】
図において、91はエンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段、92はエンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段、93は車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段、94は、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段、95はエンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段である。
【0020】
次に、車両を駆動するための車両駆動装置について説明する。
【0021】
図2は本発明の実施の形態における車両駆動装置の要部を示す概略図である。
【0022】
図において、12は図示されないエンジンと連結されたクランクシャフト、13はドライブプレート、14は流体伝動装置としてのトルクコンバータ、25は前記クランクシャフト12と直結された電動機械としてのモータである。前記トルクコンバータ14は、センタピース15、該センタピース15と連結されたフロントカバー16、該フロントカバー16と連結されたポンプインペラ17、該ポンプインペラ17と対向させて配設され、ポンプインペラ17と共にトーラスを構成し、かつ、タービンハブ18を介して有段の変速装置の入力軸19と連結されたタービンランナ21、ステータ22、係脱自在に配設されたロックアップクラッチ装置23、及びポンプインペラ17とタービンハブ18との間を伝達されるトルク、すなわち、伝達トルクの変動を吸収するダンパ装置24を備える。
【0023】
そして、前記トルクコンバータ14において、前記エンジンから伝達された回転は、クランクシャフト12及びセンタピース15を介してフロントカバー16に伝達され、該フロントカバー16に固定されたポンプインペラ17に伝達される。この場合、該ポンプインペラ17が回転すると、トーラス内の油は、トルクコンバータ14の軸の周囲を流れ、遠心力が加わってポンプインペラ17、タービンランナ21及びステータ22間を循環し、タービンランナ21を回転させ、前記入力軸19に回転が伝達される。
【0024】
そして、車両の発進時等のように、前記ポンプインペラ17が回転を開始したばかりで、ポンプインペラ17とタービンランナ21との回転速度差が大きい場合、タービンランナ21から流れ出た油はポンプインペラ17の回転を妨げる方向に流れる。そこで、ポンプインペラ17とタービンランナ21との間に前記ステータ22が配設され、該ステータ22は、ポンプインペラ17とタービンランナ21との回転速度差が大きいときに、ポンプインペラ17の回転を助ける方向に油の流れを変換する。
【0025】
そして、前記タービンランナ21の回転速度が高くなり、前記ポンプインペラ17と前記タービンランナ21との回転速度差が小さくなると、ステータ22のブレードの表側に当たっていた油が裏側に当たるようになって、油の流れが妨げられる。そこで、前記ステータ22を一定方向にだけ回転可能にするために、前記ステータ22の内周側にワンウェイクラッチFが配設される。したがって、油がブレードの裏側に当たるようになると、ワンウェイクラッチFによってステータ22は自然に回転させられるので、前記油は円滑に循環する。
【0026】
そして、車両が発進した後、あらかじめ設定された車速が得られると、ロックアップクラッチ装置23が係合させられ、前記エンジンの回転が油を介することなく前記入力軸19に直接伝達される。
【0027】
ところで、前記モータ25は、駆動されて回転を発生させ、該回転をエンジン11伝達してエンジン11を始動したり、前記回転を図示されない駆動輪に伝達して車両を補助的に発進させたり、エンジン11を駆動することによって発生させられた回転により電力を発生させたりするために配設される。そのために、モータ25は、車両駆動装置ケース26に固定されたステータ28、該ステータ28より径方向内方において、前記センタピース15にセンタリングされて回転自在に配設されたロータ31を備え、前記ステータ28は、ステータコア32、及び該ステータコア32に巻装されたコイル33を備え、前記ロータ31は、ロータコア34、及び該ロータコア34の円周方向における複数箇所に配設された図示されない永久磁石を備える。なお、35はロータコア34及び永久磁石を挟むための板である。
【0028】
前記ロータ31はロータハブ36を介して前記センタピース15にセンタリングされ、前記ロータハブ36は、ボルトbt1によってフロントカバー16と連結されるとともに、環状プレート38及びボルトbt2を介してドライブプレート13と連結される。
【0029】
次に、前記構成の車両駆動装置の制御を行うための駆動制御装置について説明する。
【0030】
図3は本発明の実施の形態における駆動制御装置の概略図である。
【0031】
図において、11はエンジン、12はクランクシャフト、14はトルクコンバータ、25はモータ、29は該モータ25を駆動するためのモータインバータとしてのインバータ、37は駆動輪、41は、前記トルクコンバータ14を介してモータ25及びエンジン11と連結され、トルクコンバータ14から出力された回転を所定の変速比で変速する変速装置、43は、エンジン11を始動したり、車両を走行させたりするに当たり、モータ25に電力を供給するための電源となるバッテリであり、該バッテリ43はインバータ29に直流の電流を供給する。前記変速装置41と駆動輪37とは、図示されないディファレンシャル装置を介して連結される。なお、車両の補機、例えば、図示されない照明品、制御部品、空調器等の電装品に電力を供給するための電源となる図示されない補機バッテリも配設される。
【0032】
前記インバータ29の入口側に、インバータ29に印加される直流の電圧、すなわち、インバータ電圧としてのモータインバータ電圧VMを検出するために直流電圧検出部としての電圧センサ76が配設され、インバータ29とバッテリ43とを接続する直流ケーブルの所定の箇所に、インバータ29に供給される直流の電流、すなわち、モータインバータ電流IMを検出したり、回生時にバッテリ43に供給される直流の電流、すなわち、バッテリ電流Ibを検出したりするために直流電流検出部としての電流センサ78が配設される。そして、前記モータインバータ電圧VMは車両制御装置51に、モータインバータ電流IM及びバッテリ電流Ibはモータ制御装置49に送られる。また、前記バッテリ43とインバータ29との間に平滑用のコンデンサCが接続される。
【0033】
また、前記車両制御装置51は、図示されないCPU、記録装置等から成り、車両駆動装置の全体の制御を行い、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。前記車両制御装置51は、エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52に接続される。そして、前記エンジン制御装置46は、図示されないCPU、記録装置等から成り、エンジン11の制御を行うために、スロットル開度θ、バルブタイミング等の指示信号をエンジン11に送る。また、前記モータ制御装置49は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記モータ25の制御を行うために、駆動信号をインバータ29に送る。そして、前記自動変速機制御装置52は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記トルクコンバータ14及び変速装置41から成る油圧式の自動変速機の制御を行うために、ソレノイド信号等の各信号を変速装置41に送る。前記ソレノイド信号は、各変速段ごとに発生させられ、所定の変速段に対応するソレノイド信号が変速装置41に送られると、変速装置41において前記変速段が達成され、該変速段の変速比で変速が行われる。なお、前記各CPUに代えてMPU等を使用することもできる。また、前記自動変速機には、図示されない電動のオイルポンプが配設され、エンジン11が停止させられたときは、電動のオイルポンプが作動させられ、油圧が低下するのを防止する。
【0034】
前記エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52によって第1の制御装置が、前記車両制御装置51によって、第1の制御装置より上位に位置する第2の制御装置が構成される。また、前記エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52は、車両制御装置51と同様に、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。
【0035】
前記インバータ29は、前記駆動信号に従って駆動され、図示されない駆動素子としてのトランジスタをスイッチングし、力行時に主バッテリ43から直流の電流を受けて、各相の電流IMU、IMV、IMWを発生させ、該電流IMU、IMV、IMWをモータ25に供給し、回生時にモータ25から電流IMU、IMV、IMWを受けて、直流の電流を発生させ、主バッテリ43に供給する。
【0036】
そして、45は、車両の走行条件を表す車速Vを検出する車速検出部であり、前記車速Vは車両の状態、すなわち、車両状態を表す車両情報であり、前記車速検出部45によって車両状態検出部59が構成される。
【0037】
また、44はバッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出装置、72はバッテリ電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ、68、69はそれぞれ電流IMU、IMVを検出する交流電流検出部としての電流センサである。前記バッテリ残量SOC及びバッテリ電圧VBは、いずれもバッテリ43の状態、すなわち、バッテリ状態を表し、バッテリ残量検出装置44及びバッテリ電圧センサ72によってバッテリ状態検出部61が構成される。また、前記バッテリ電圧VBは車両制御装置51に送られ、電流IMU、IMVはモータ制御装置49に送られる。
【0038】
そして、53は変速操作部としての図示されないシフトレバーの位置、すなわち、シフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ、55は図示されないアクセルペダルの位置(踏込量)によって表されるアクセル開度APによりアクセル操作を検出するエンジン負荷検出部及びアクセル操作検出部としてのアクセルセンサ、62は図示されないブレーキペダルの位置(踏込量)、すなわち、ブレーキペダル位置BPによってブレーキ操作を検出する第1のブレーキ操作検出部としてのブレーキセンサ、54は図示されないブレーキシリンダのマスター圧Pmによってブレーキ操作を検出する第2のブレーキ操作検出部としての圧力センサである。なお、前記シフトポジションセンサ53によって検出されたシフトポジションSPに基づいて、運転者がニュートラルレンジ、前進走行レンジ、1速走行レンジ、2速走行レンジ、3速走行レンジ、4速走行レンジ、後進走行レンジ及びパーキングレンジのうちのどのレンジを選択したか、又は、1速〜5速のどの変速段を選択したかを知ることができる。
【0039】
前記シフトポジションSP、アクセル開度AP、ブレーキペダル位置BP及びマスター圧Pmは、いずれも、運転者による車両の運転操作状態を表す運転操作情報として車両制御装置51に送られる。シフトポジションセンサ53、圧力センサ54、アクセルセンサ55及びブレーキセンサ62によって運転操作状態検出部63が構成される。なお、前記アクセル開度APによってエンジン11に対する負荷、すなわち、エンジン負荷が表される。
【0040】
また、前記運転操作状態検出部63は、前記シフトポジションセンサ53、圧力センサ54、アクセルセンサ55及びブレーキセンサ62のほかに、運転者による操舵操作を検出するステアリングセンサ、運転者による進行方向指示を検出するウインカセンサ、運転者による加速要求を表すスロットル開度を検出するスロットル開度センサ等を運転操作情報として検出することもできる。
【0041】
そして、64は車両の前方を監視し、車両の前方の道路状況及び走行状況を表す前方道路状況情報を取得する前方監視装置、65は車両の周辺を監視し、車両の周辺の状態を表す周辺情報を取得する周辺監視装置である。前記前方監視装置64は、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ、インフラの車両監視システム等、又はそれらの組合せから成り、前方道路状況情報として車間距離、車間時間、前方車両に対する接近速度、一時停止箇所(非優先道路から優先道路への進入箇所、踏切、赤の信号が点滅する交差点等)に対する接近速度、障害物に対する接近速度等を算出するほか、車両の前方の画像をCCD、C−MOS等のカメラによって撮影し、撮影によって得られた路上標識、信号機等の画像データを処理して信号機の色等を判断したりする。また、前記周辺監視装置65は、前記カメラによって車両の周辺を撮影し、撮影によって得られたデータを処理して、周辺情報として、道路の車線を表す表示線、周辺の車両数等を検出することができる。
【0042】
車載装置 (ナビゲーション装置)66は、車両の現在地を検出する現在地検出部、道路データ等の各種のデータが記録された記録装置としてのデータ記録部、入力された情報に基づいて、データ、プログラム等に従ってコンピュータとして機能し、経路探索処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部、入力部、表示部、音声入力部、音声出力部及び通信部を備え、現在地、データ記録部のデータ等から成る道路情報を車両制御装置51に送る。
【0043】
また、前記車載装置66は、前記通信部を介して、例えば、VICSセンタから渋滞情報等の交通情報を取得し、交通情報を前記表示部に表示したり、交通情報を車両制御装置51に送ることも可能である。
【0044】
前記データ記録部は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の施設の情報が記録された施設情報データファイルから成るデータベースを備える。前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノード点に関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ記録される。前記ノードデータは、少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。
【0045】
そして、前記道路データによって、道路の構造について、幅員、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、道路の形状について、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性について、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速道等)等がそれぞれ表される。
【0046】
そして、車両制御装置51は、エンジン11の回転速度、すなわち、エンジン回転速度NEの目標値を表すエンジン目標回転速度NE* 、及びモータ25のトルク、すなわち、モータトルクTMの目標値を表すモータ目標トルクTM* を設定し、エンジン目標回転速度NE* をエンジン制御装置46に、モータ目標トルクTM* をモータ制御装置49に送る。
【0047】
本実施の形態においては、前記モータ25をスタータとして使用し、モータ25を駆動することによって発生させられた回転(モータトルクTM)をエンジン11に伝達し、エンジン11を始動することができるだけでなく、モータ25を発電機として使用し、エンジン11を駆動することによって発生させられた回転(エンジン11のトルク、すなわち、エンジントルクTE)をモータ25に伝達して、電力を発生させることができる。また、エンジン11が停止させられているときに、モータ25を駆動することによって発生させられた回転を駆動輪37に伝達して車両を走行させることもできる。
【0048】
次に、前記モータ制御装置49の動作について説明する。この場合、モータ制御装置49は、前記ロータ31(図2)の磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御を行う。
【0049】
まず、モータ制御装置49の図示されないモータ回転速度算出処理手段は、モータ回転速度算出処理を行い、ロータ位置を読み込み、該ロータ位置の変化率を算出することによってモータ25の回転速度、すなわち、モータ回転速度NMを算出する。
【0050】
続いて、モータ制御装置49の図示されないモータ制御処理手段は、モータ制御処理を行い、モータ目標トルクTM* 及びバッテリ電圧VBを読み込み、前記モータ回転速度NM、モータ目標トルクTM* 及びバッテリ電圧VBに基づいて、前記モータ制御装置49の記録装置に記録されたモータ制御用の図示されない電流指令値マップを参照し、d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* を算出し、決定する。
【0051】
また、前記モータ制御処理手段は、電流センサ68、69から電流IMU、IMVを読み込むとともに、該電流IMU、IMVに基づいて電流IMW
IMW=IMU−IMV
を算出する。なお、電流IMWを電流IMU、IMVと同様に電流センサによって検出することもできる。
【0052】
続いて、前記モータ制御処理手段の交流電流算出処理手段は、交流電流算出処理を行い、交流の電流であるd軸電流IMd及びq軸電流IMqを算出する。そのために、前記交流電流算出処理手段は、3相/2相変換を行い、電流IMU、IMV、IMWをd軸電流IMd及びq軸電流IMqに変換する。そして、前記モータ制御処理手段の交流電圧指令値算出処理手段は、交流電圧指令値算出処理を行い、前記d軸電流IMd及びq軸電流IMq、並びに前記d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* に基づいて、電圧指令値VMd* 、VMq* を算出する。また、前記モータ制御処理手段は、2相/3相変換を行い、電圧指令値VMd* 、VMq* を電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に変換し、該電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に基づいてパルス幅変調信号SU、SV、SWを算出し、該パルス幅変調信号SU、SV、SWを前記モータ制御装置49の図示されないドライブ処理手段に対して出力する。該ドライブ処理手段は、ドライブ処理を行い、パルス幅変調信号SU、SV、SWに基づいて駆動信号を前記インバータ29に送る。このようにして、フィードバック制御が行われる。
【0053】
ところで、前記車両制御装置51は、前記エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン制御装置46によってエンジン11を始動したり、停止させたりすることができるようになっている。
【0054】
図4は本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すフローチャート、図5は本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すタイムチャートである。
【0055】
この場合、前記車両制御装置51(図3)の停止条件成立判断処理手段91(図1)は、停止条件成立判断処理を行い、エンジン11の停止条件が成立したかどうかを判断する。そのために、前記停止条件成立判断処理手段91は、車速検出部45によって検出された車速Vが零(0)であるかどうかを第1の停止条件とし、アクセルセンサ55によって検出されたアクセル開度APによってアクセル操作が行われていない(アクセルオフ)であるかどうかを第2の停止条件とし、ブレーキセンサ62によって検出されたブレーキベダル位置BPによってブレーキ操作が行われている(ブレーキオン)であるかどうかを第3の停止条件とし、車速Vが零であり、アクセル操作が行われておらず、ブレーキ操作が行われていて、第1〜第3の停止条件が成立するかどうかを判断する。そして、第1〜第3の停止条件がいずれも成立する場合、前記車両制御装置51のエンジン停止処理手段92は、エンジン停止処理を行い、エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン11を停止させる。なお、前記エンジン制御装置46は、例えば、エンジン11の点火を停止したり、エンジン11への燃料の供給を停止したりしてエンジン11を停止させる。また、前記車両制御装置51は、自動変速機制御装置52にシフト信号を送り、自動変速機制御装置52の変速段を低速側にする。
【0056】
また、第1〜第3の停止条件のうちのいずれかが成立しない場合、前記車両制御装置51は、エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン11の駆動を継続する。
【0057】
例えば、エンジン11が駆動され(エンジンオン)、ブレーキ操作が行われておらず(ブレーキオフ)、アクセル操作が行われている(アクセルオン)状態で、所定の車速Vで車両を走行させているときに、所定のタイミングでアクセル操作が解除(アクセルオフ)され、ブレーキ操作が行われ、車速Vが零になり、車両が停止させられると、第1〜第3の停止条件がいずれも成立し、エンジン11が停止させられる(エンジンオフ)。
【0058】
次に、エンジン11を停止させた後に、エンジン11を再始動するときの車両制御装置51の動作について説明する。
【0059】
まず、該車両制御装置51の車両動作予測開始処理手段93は、車両動作予測開始処理を行い、車両状態検出部59、運転操作状態検出部63、前方監視装置64、周辺監視装置65、車載装置66等から各種の情報を予測情報として受け、該予測情報に基づいて、車両を発進させた後の車両動作の予測開始条件が成立したかどうかを判断する。本実施の形態においては、運転者がブレーキ操作を解除(ブレーキオフ)したことを予測開始条件としていて、車両動作予測開始処理手段93は、ブレーキペダル位置BPに基づいて、運転者がブレーキ操作を解除したかどうかによって予測開始条件が成立したかどうかを判断する。なお、運転者がブレーキ操作を解除するのに代えて、例えば、シフトレバーを操作して前進走行レンジを選択したかどうかによって予測開始条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0060】
そして、運転者がブレーキ操作を解除し、予測開始条件が成立すると、前記車両制御装置51の始動条件成立判断処理手段94は、始動条件成立判断処理を行い、エンジン11を始動するための始動条件が成立したかどうかを判断する。そのために、始動条件成立判断処理手段94の図示されない車両動作予測処理手段は、車両動作予測処理を行い、車両が発進させられた後の車両動作を予測する。続いて、前記始動条件成立判断処理手段94は、車両動作予測処理手段による予測結果に基づいて、前記ブレーキ操作の解除に伴って発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかを始動条件とし、アクセルセンサ55によって検出されたアクセル開度APが閾値APth以上であるかどうか、また、ブレーキ操作が解除されてから所定の時間が経過したかどうかを始動条件による予測が外れた場合に運転車への違和感をなくすための第1、第2の補完条件とし、車両がそのまま走行させられると予測されて始動条件が成立する場合は、車両制御装置51のエンジン始動処理手段95は、エンジン始動処理を行い、エンジン11を始動する。
【0061】
そして、車両がそのまま走行させられると予測されず(車両が直ちに停止させられると予測され)、始動条件が成立しない場合は、アクセル開度APが閾値APth以上であって第1の補完条件が成立するか、又はブレーキ操作が解除されてから所定の時間が経過して第2の補完条件が成立した場合、前記エンジン始動処理手段95はエンジン11を始動する。
【0062】
また、始動条件が成立しない場合であり、アクセル開度APが閾値APthより小さく、第1の補完条件が成立せず、ブレーキ操作が解除されてから所定の時間が経過しておらず、第2の補完条件が成立しない場合、車両制御装置51は継続してエンジン11を停止する。
【0063】
例えば、図5に示されるように、車速Vが零であり、アクセル操作が行われておらず、ブレーキ操作が行われていて、モータ25及びエンジン11のいずれも駆動されていないときに、タイミングt1でブレーキ操作が解除されると、前記車両動作予測開始処理手段93は、予測開始条件が成立したと判断し、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したかどうかを判断する。
【0064】
本実施の形態において、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立しないと判断する。そこで、モータ25に通電し、モータ25が駆動され、該モータ25によって発生させられた回転が駆動輪37に伝達され、車両は所定の車速Vで緩やかに走行させられる。その後、アクセル操作が行われなくて第1の補完条件が成立せず、また、タイミングt1から所定の時間が経過する前の、第2の補完条件が成立していないときに、タイミングt2でブレーキ操作が行われると、前記モータ25への通電が停止させられ、該モータ25が停止させられ、車両も停止させられ、車速Vが0になる。
【0065】
そして、タイミングt3で、再びブレーキ操作が解除されると、前記車両動作予測開始処理手段93は、予測開始条件が成立したと判断し、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したかどうかを判断する。
【0066】
本実施の形態において、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立しないと判断する。そこで、モータ25が再び駆動され、該モータ25によって発生させられた回転が駆動輪37に伝達され、車両は所定の車速Vで緩やかに走行させられる。その後、タイミングt4からt5までの間、アクセル操作が行われるが第1の補完条件が成立せず、また、タイミングt3から所定の時間が経過する前の、第2の補完条件が成立していないときに、タイミングt6でブレーキ操作が行われると、前記モータ25への通電が停止させられ、該モータ25が停止させられ、車両も停止させられ、車速Vが0になる。
【0067】
そして、タイミングt7で、再びブレーキ操作が解除されると、前記車両動作予測開始処理手段93は、予測開始条件が成立したと判断し、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したかどうかを判断する。
【0068】
本実施の形態において、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したと判断する。そこで、直ちにエンジン11が始動され、アクセル操作が行われるのに伴って車速Vが高くなる。
【0069】
ところで、タイミングt1、t3、t7等で、ブレーキ操作が解除されたときに、始動条件成立判断処理手段94が、始動条件が成立しないと判断したにもかかわらず、発進した車両が停止することなくそのまま走行させられる状況になることがある。
【0070】
そこで、タイミングt1、t3、t7等から所定の時間が経過していないうちに、アクセル操作が行われ、第1の補完条件が成立すると、エンジン11が始動される(エンジンオン)。それに伴って、モータ25は非駆動状態にされる。
【0071】
また、タイミングt1、t3、t7等でブレーキ操作が解除された後、アクセル操作が行われるまでに所定の時間が経過して、第2の補完条件が成立すると、エンジン11が始動され、モータ25は非駆動状態にされる。
【0072】
前記エンジン11を始動する場合、前記エンジン始動処理手段95は、エンジン11を始動するためのエンジン制御信号をエンジン制御装置46に送り、これに伴って、車両制御装置51はモータ25を駆動するためのモータ制御信号をモータ制御装置49に送り、自動変速機を作動させるためのソレノイド信号を変速装置41に送る。エンジン制御装置46は、エンジン制御信号を受けると、エンジン11を点火し、エンジン11に燃料を供給するためのエンジン駆動信号をエンジン11に送る。また、モータ制御装置49は、モータ制御信号を受けると、インバータ29に駆動信号を送る。その結果、モータ25が駆動され、エンジン11のクランキングが行われ、エンジン11が点火され、エンジン11が始動され、変速装置41が所定の変速段を達成する。
【0073】
なお、モータ25の駆動が開始されてから、エンジン11が始動されるまでの間、モータ25によって発生させられた回転は変速装置41を介して駆動輪37に伝達され、モータトルクによって車両が走行させられる。そして、エンジン11が始動されると、車両制御装置51は、モータ25を非駆動状態にするためのモータ制御信号をモータ制御装置49に送る。その結果、モータ25が非駆動状態にされる。
【0074】
このように、プレーキ操作が解除されて予測開始条件が成立したときに、車両動作が予測され、車両動作の予測結果に基づいてエンジン11を始動するようになっているので、予測開始条件が成立しても、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合にはエンジン11が直ちには始動されない。したがって、燃費を良くすることができる。
【0075】
また、予測を誤ったとしても、エンジン11の第1、第2の補完条件が成立すると、エンジン11が直ちに始動されるので、運転者が車両を走行させたいときに、エンジン11が始動されるまでにタイムラグが生じるのを防止することができる。したがって、運転者に違和感を与えることがない。
【0076】
ところで、前記始動条件において、前記ブレーキ操作の解除に伴って発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかが判断されるようになっているが、前記ブレーキ操作の解除に伴って発進させられた後の車両の動作は、前記車両動作予測処理手段によって予測される。そのために、車両動作予測処理手段は、車両動作予測処理を行い、所定の予測情報に基づいて、車両が発進させられた後の車両の動作、すなわち、車両がそのまま走行させられるか、又は直ちに停止させられるかを予測する。
【0077】
本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として運転操作情報を取得し、運転者のブレーキペダルの離し速度Vbrに基づいて、第1の予測条件が成立したかどうかを判断する。
【0078】
すなわち、車両を発進させる際の運転者のブレーキペダルからの足の離し方は、発進させる際の運転者の意図によって異なる。例えば、車間距離を詰める場合において、車両をわずかに走行させたい場合は、ブレーキペダルから足をゆっくり離し、信号待ちのときのように、車両を停車させておいて、その後、車両を発進させる場合には、ブレーキペダルから足を早く離す。
【0079】
そこで、前記車両動作予測処理手段は、圧力センサ54によって検出されたマスター圧Pmを読み込み、該マスター圧Pmが第1の値(例えば、0.5〔MPa〕)以上から、第2の値(例えば、0.1〔MPa〕)以下になるまでの時間τbを算出し、該時間τbが閾値τbth(例えば、1秒)以上であるかどうかを判断する。そして、車両動作予測処理手段は、前記時間τbが閾値τbth以上である場合、離し速度Vbrが低いと判断し、第1の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、時間τbが閾値τbthより短い場合、前記車両動作予測処理手段は、離し速度Vbrが高いと判断し、第1の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0080】
そして、前記始動条件成立判断処理手段94は、第1の予測条件が成立した場合は始動条件が成立しないと判断し、第1の予測条件が成立しない場合は始動条件が成立したと判断する。
【0081】
なお、本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、マスター圧Pmに基づいて離し速度Vbrが低いかどうかを判断するようになっているが、ブレーキセンサ62によって検出されたブレーキペダル位置BPを微分し、微分値が負の値を採り、かつ、絶対値が小さい場合に離し速度Vbrが低く、微分値が負の値を採り、かつ、絶対値が大きい場合に離し速度Vbrが高いと判断することもできる。
【0082】
また、図示されないブレーキシリンダのストロークを検出するストロークセンサを運転操作状態検出部63として配設し、ストロークの変化率によって離し速度Vbrが低いかどうかを判断することもできる。
【0083】
本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、ブレーキペダルの離し速度Vbrに基づいて、第1の予測条件が成立したかどうかを判断し、第1の予測条件が成立した場合には、車両が直ちに停止させられると予測するようになっているが、前記第1の予測条件に代えて他の各予測条件が成立したかどうかを判断して車両が直ちに停止させられると予測することもできる。
【0084】
次に、他の予測条件について説明する。
【0085】
すなわち、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として運転操作情報を取得し、アクセルペダルの踏込速度Vacに基づいて第2の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0086】
すなわち、車両を発進させる際の運転者のアクセルペダルの踏込み方は、発進させる際の運転者の意図によって異なる。例えば、車間距離を詰める場合において、車両をわずかに走行させたい場合は、アクセルペダルをゆっくり踏み込み、信号待ちのときのように、車両を停車させておいて、その後、車両を発進させる場合には、アクセルペダルを早く踏み込む。
【0087】
そこで、前記車両動作予測処理手段は、アクセルセンサ55によって検出されたアクセル開度APを読み込み、該アクセル開度APが第1の値(例えば、0〔%〕)から第2の値(例えば、5〔%〕)になるまでの時間τaを算出し、該時間τaが閾値τath(例えば、1秒)以上であるかどうかを判断する。そして、車両動作予測処理手段は、前記時間τaが閾値τath以上である場合、踏込速度Vacが低いと判断し、第2の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、時間τaが閾値τathより短い場合、前記車両動作予測処理手段は、踏込速度Vacが高いと判断し、第2の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0088】
なお、本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、アクセル開度APの変化に基づいて踏込速度Vacが低いかどうかを判断するようになっているが、アクセル開度APを微分し、微分値が正の値を採り、かつ、絶対値が小さい場合に踏込速度Vacが低く、微分値が正の値を採り、かつ、絶対値が大きい場合に踏込速度Vacが高いと判断することもできる。
【0089】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として運転操作情報を取得し、ブレーキペダル上の足置き位置に基づいて第3の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0090】
すなわち、車両を発進させる際の運転者の足の移動方法は、発進させる際の運転者の意図によって異なる。例えば、車間距離を詰める場合において、車両をわずかに走行させたい場合は、ブレーキ操作を解除した後も、足をブレーキペダル上に置いたままであり、信号待ちのときのように、車両を停車させておいて、その後、車両を発進させる場合には、足をアクセルペダル側に移動させる。
【0091】
そこで、ブレーキペダルに足位置検出部としての図示されないタッチセンサを運転操作状態検出部63として配設し、前記車両動作予測処理手段は、前記タッチセンサによって足がブレーキペダル上にあることが検出されると、第3の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、足がアクセルペダル側に移動したことが検出されると、前記車両動作予測処理手段は、第3の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0092】
なお、ブレーキペダルの部分をCCDカメラ等によって撮影し、CCDカメラ等によって取得された画像情報に基づいて、第3の予測条件が成立するかどうかを判断することができる。
【0093】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として車両情報を取得し、車両の動作履歴に基づいて第4の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0094】
すなわち、車両の動作履歴は、出発地から目的地(到着地)までの間において、順調に走行することができる場所、渋滞路であって順調に走行することができない場所等によって異なり、さらに、渋滞路であっても、車速が低いままだらだらと走行する場所、発進及び停車が繰り返される場所等によって異なる。
【0095】
そこで、前記車両動作予測処理手段は、過去5分間の車速Vの履歴を車両制御装置51に内蔵された記録装置等に記録し、一度の走行時間Tvが閾値Tvth(例えば、5〔秒〕)以下であり、車速Vの最大値Vmaxが閾値Vmaxth(例えば、10〔km/h〕)より低い場合に、第4の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、一度の走行時間が閾値Tvthより長く、車速Vの最大値Vmaxが閾値Vmaxth以上である場合に、前記車両動作予測処理手段は、第4の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0096】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として道路情報を取得し、車両の走行環境に基づいて第5の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0097】
そのために、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66から現在地及びその周囲の走行環境の情報を読み込み、現在地が、踏切、一時停止交差点、料金所等の停止箇所の手前にある場合、第5の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、現在地が停止箇所を過ぎた地点にある場合、前記車両動作予測処理手段は、第5の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0098】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として道路情報を取得し、車両の学習情報に基づいて第6の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0099】
すなわち、通勤路等においては、ほぼ同じ時刻で、かつ、同じ場所における車両の走行パターンはほぼ同じである。そこで、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66から現在地、その周囲の走行環境、時刻等の情報を読み込み、一度走行した場所で、車両が発進した後、直ちに停車する動作が行われた場合、その走行パターンを学習し、走行パターンの情報を記録装置に記録し、次に、ほぼ同じ時刻で、かつ、同じ場所を走行するときに、前記情報を読み出し、該情報に基づいて、第6の予測条件が成立するかどうかを判断し、車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりする。なお、現在地の情報を使用することなく、時刻、出発してからの経過時間、出発地からの距離等に基づいて、走行パターンを学習することもできる。
【0100】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として道路情報を取得し、渋滞情報に基づいて第7の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0101】
すなわち、渋滞路を走行している場合は、車両を発進させた後、直ちに停車させることが多い。そこで、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66から現在地、渋滞情報等を読み込み、現在走行している道路が渋滞している場合、第7の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、現在走行している道路が渋滞していない場合、前記車両動作予測処理手段は、第7の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0102】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として前方道路状況情報を取得し、前方道路状況情報のうちの信号機情報に基づいて第8の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0103】
すなわち、車両の前方の信号機の信号の色が赤である場合、車両は直ちに停車させられる。また、信号機の信号の色が青であっても、これから赤になる場合も、車両は停車させられる。そして、信号機の信号の色が赤であっても、これから青になる場合、車両は発進させられる。そこで、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66の通信部等を介して前方の信号機の信号機情報を取得し、該信号機情報に基づいて、第8の予測条件が成立するかどうかを判断し、車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりする。なお、前記前方監視装置64から信号機の色を読み込むこともできる。
【0104】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として前方道路状況情報に基づいて第9の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0105】
すなわち、前方車両が近傍にあり、かつ、停車している場合、車両は、発進させられた後、直ちに停車させられる。また、前方車両が近傍にあり、かつ、低速で走行している場合も、車両は、発進させられた後、直ちに停車させられることが多い。そこで、前記車両動作予測処理手段は、前記前方監視装置64から車間距離、車間時間、前方車両に対する接近速度等の前方道路状況情報を読み込み、該前方道路状況情報に基づいて、第9の予測条件が成立するかどうかを判断し、車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりする。
【0106】
なお、本実施の形態においては、第1〜第9の予測条件のいずれか一つが成立したかどうかにによって車両動作を予測するようになっているが、第1〜第9の予測条件のうちの複数の予測条件が成立したかどうか車両動作を予測することもできる。
【0107】
なお、前記第1〜第9の予測条件のほかに、他の予測条件に基づいて車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりすることもできる。
【0108】
例えば、アクセルペダルを弱く踏んだ場合、又はブレーキ操作が解除された後、アクセル操作が行われるまでの時間が長い場合に、車両が直ちに停止させられると予測し、アクセルペダルを強く踏んだ場合、又はブレーキ操作が解除された後、アクセル操作が行われるまでの時間が短い場合に、車両がそのまま走行させられると予測することもできる。
【0109】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 ブレーキ操作が解除されるのを待機し、ブレーキ操作が解除されるとステップS2に進む。
ステップS2 そのまま走行させられると予測されるかどうかを判断する。そのまま走行させられると予測される場合はステップS5に、そのまま走行させられると予測されない場合はステップS3に進む。
ステップS3 アクセル開度APが閾値APth以上であるかどうかを判断する。アクセル開度APが閾値APth以上である場合はステップS5に、アクセル開度APが閾値APthより小さい場合はステップS4に進む。
ステップS4 所定の時間が経過したかどうかを判断する。所定の時間が経過した場合はステップS5に進み、経過していない場合はステップS1に戻る。
ステップS5 エンジンを始動させ、処理を終了する。
【0110】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、エンジン始動停止装置においては、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段と、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段と、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段とを有する。
【0111】
この場合、予測開始条件が成立したときに、車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断し、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するようになっているので、予測開始条件が成立しても、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合にはエンジンが直ちには始動されない。したがって、燃費を良くすることができる。
【0112】
また、予測開始条件が成立した後、エンジンの始動条件が成立すると、エンジンが直ちに始動されるので、運転者が車両を走行させたいときに、エンジンが始動されるまでにタイムラグが生じるのを防止することができる。したがって、運転者に違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるエンジン始動停止装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両駆動装置の要部を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における駆動制御装置の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11 エンジン
51 車両制御装置
91 停止条件成立判断処理手段
92 エンジン停止処理手段
93 車両動作予測開始処理手段
94 始動条件成立判断処理手段
95 エンジン始動処理手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両が停車している場合にエンジンを停止させ、車両を発進させるときにモータを駆動して、モータの回転をエンジンに伝達し、エンジンを再始動させるようにしたエンジン始動停止装置が提供されている。
【0003】
この場合、該エンジン始動停止装置においては、車速が零(0)であるとエンジンが停止させられ、運転者がブレーキ操作を解除すると、ブレーキ操作検出部がブレーキ操作の解除を検出し、自動的にエンジンを始動させるようになっている。この場合、運転者がアクセルペダルを踏み込んでアクセル操作を行う前にエンジンが始動されるので、車両を円滑に発進させることができる(特開2001−355481号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のエンジン始動停止装置においては、ブレーキ操作が解除されると、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合でもエンジンが始動されてしまうので、燃費が悪くなってしまう。
【0005】
そこで、ブレーキ操作が解除された後、所定の時間が経過したときにエンジンを始動するようにすると、燃費を良くすることができるが、運転者が直ちに車両を走行させたい場合、エンジンが始動されるまでにタイムラグが生じ、運転者に違和感を与えてしまう。
【0006】
すなわち、例えば、渋滞路等において、前方の車両と自車との間の距離、すなわち、車間距離を詰める場合、車両が停車させられた状態において、運転者がブレーキ操作を解除すると、エンジンが始動され、車両が走行させられ、続いて、運転者がブレーキ操作を行うと、エンジンが停止させられる。
【0007】
このようにして車間距離が詰められることになるが、無駄な始動が行われることになり、燃費、ドライバビリティ等が低下してしまう。また、車間距離を詰めた直後に、通常走行が可能になり、そのまま車両を加速させる必要が生じても、運転者がブレーキ操作を解除してから所定の時間が経過するまでエンジンが始動されないので、運転者に違和感を与えてしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のエンジン始動停止装置の問題点を解決して、燃費を良くすることができ、運転者に違和感を与えることがないエンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のエンジン始動停止装置においては、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段と、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段と、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段とを有する。
【0010】
本発明の他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記車両動作予測開始処理手段は、ブレーキ操作が解除されたときに車両動作の予測開始条件が成立したと判断する。
【0011】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかを始動条件とする。
【0012】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、運転者による運転操作状態を表す運転操作情報に基づいて車両動作を予測する。
【0013】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、車両状態を表す車両情報に基づいて車両動作を予測する。
【0014】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、車載装置から送られた道路情報に基づいて車両動作を予測する。
【0015】
本発明の更に他のエンジン始動停止装置においては、さらに、前記始動条件成立判断処理手段は、車両の前方の状態を表す前方道路状況情報に基づいて車両動作を予測する。
【0016】
本発明のエンジン始動停止方法のプログラムにおいては、コンピュータを、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段、及びエンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段として機能させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施の形態におけるエンジン始動停止装置の機能ブロック図である。
【0019】
図において、91はエンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段、92はエンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段、93は車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段、94は、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段、95はエンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段である。
【0020】
次に、車両を駆動するための車両駆動装置について説明する。
【0021】
図2は本発明の実施の形態における車両駆動装置の要部を示す概略図である。
【0022】
図において、12は図示されないエンジンと連結されたクランクシャフト、13はドライブプレート、14は流体伝動装置としてのトルクコンバータ、25は前記クランクシャフト12と直結された電動機械としてのモータである。前記トルクコンバータ14は、センタピース15、該センタピース15と連結されたフロントカバー16、該フロントカバー16と連結されたポンプインペラ17、該ポンプインペラ17と対向させて配設され、ポンプインペラ17と共にトーラスを構成し、かつ、タービンハブ18を介して有段の変速装置の入力軸19と連結されたタービンランナ21、ステータ22、係脱自在に配設されたロックアップクラッチ装置23、及びポンプインペラ17とタービンハブ18との間を伝達されるトルク、すなわち、伝達トルクの変動を吸収するダンパ装置24を備える。
【0023】
そして、前記トルクコンバータ14において、前記エンジンから伝達された回転は、クランクシャフト12及びセンタピース15を介してフロントカバー16に伝達され、該フロントカバー16に固定されたポンプインペラ17に伝達される。この場合、該ポンプインペラ17が回転すると、トーラス内の油は、トルクコンバータ14の軸の周囲を流れ、遠心力が加わってポンプインペラ17、タービンランナ21及びステータ22間を循環し、タービンランナ21を回転させ、前記入力軸19に回転が伝達される。
【0024】
そして、車両の発進時等のように、前記ポンプインペラ17が回転を開始したばかりで、ポンプインペラ17とタービンランナ21との回転速度差が大きい場合、タービンランナ21から流れ出た油はポンプインペラ17の回転を妨げる方向に流れる。そこで、ポンプインペラ17とタービンランナ21との間に前記ステータ22が配設され、該ステータ22は、ポンプインペラ17とタービンランナ21との回転速度差が大きいときに、ポンプインペラ17の回転を助ける方向に油の流れを変換する。
【0025】
そして、前記タービンランナ21の回転速度が高くなり、前記ポンプインペラ17と前記タービンランナ21との回転速度差が小さくなると、ステータ22のブレードの表側に当たっていた油が裏側に当たるようになって、油の流れが妨げられる。そこで、前記ステータ22を一定方向にだけ回転可能にするために、前記ステータ22の内周側にワンウェイクラッチFが配設される。したがって、油がブレードの裏側に当たるようになると、ワンウェイクラッチFによってステータ22は自然に回転させられるので、前記油は円滑に循環する。
【0026】
そして、車両が発進した後、あらかじめ設定された車速が得られると、ロックアップクラッチ装置23が係合させられ、前記エンジンの回転が油を介することなく前記入力軸19に直接伝達される。
【0027】
ところで、前記モータ25は、駆動されて回転を発生させ、該回転をエンジン11伝達してエンジン11を始動したり、前記回転を図示されない駆動輪に伝達して車両を補助的に発進させたり、エンジン11を駆動することによって発生させられた回転により電力を発生させたりするために配設される。そのために、モータ25は、車両駆動装置ケース26に固定されたステータ28、該ステータ28より径方向内方において、前記センタピース15にセンタリングされて回転自在に配設されたロータ31を備え、前記ステータ28は、ステータコア32、及び該ステータコア32に巻装されたコイル33を備え、前記ロータ31は、ロータコア34、及び該ロータコア34の円周方向における複数箇所に配設された図示されない永久磁石を備える。なお、35はロータコア34及び永久磁石を挟むための板である。
【0028】
前記ロータ31はロータハブ36を介して前記センタピース15にセンタリングされ、前記ロータハブ36は、ボルトbt1によってフロントカバー16と連結されるとともに、環状プレート38及びボルトbt2を介してドライブプレート13と連結される。
【0029】
次に、前記構成の車両駆動装置の制御を行うための駆動制御装置について説明する。
【0030】
図3は本発明の実施の形態における駆動制御装置の概略図である。
【0031】
図において、11はエンジン、12はクランクシャフト、14はトルクコンバータ、25はモータ、29は該モータ25を駆動するためのモータインバータとしてのインバータ、37は駆動輪、41は、前記トルクコンバータ14を介してモータ25及びエンジン11と連結され、トルクコンバータ14から出力された回転を所定の変速比で変速する変速装置、43は、エンジン11を始動したり、車両を走行させたりするに当たり、モータ25に電力を供給するための電源となるバッテリであり、該バッテリ43はインバータ29に直流の電流を供給する。前記変速装置41と駆動輪37とは、図示されないディファレンシャル装置を介して連結される。なお、車両の補機、例えば、図示されない照明品、制御部品、空調器等の電装品に電力を供給するための電源となる図示されない補機バッテリも配設される。
【0032】
前記インバータ29の入口側に、インバータ29に印加される直流の電圧、すなわち、インバータ電圧としてのモータインバータ電圧VMを検出するために直流電圧検出部としての電圧センサ76が配設され、インバータ29とバッテリ43とを接続する直流ケーブルの所定の箇所に、インバータ29に供給される直流の電流、すなわち、モータインバータ電流IMを検出したり、回生時にバッテリ43に供給される直流の電流、すなわち、バッテリ電流Ibを検出したりするために直流電流検出部としての電流センサ78が配設される。そして、前記モータインバータ電圧VMは車両制御装置51に、モータインバータ電流IM及びバッテリ電流Ibはモータ制御装置49に送られる。また、前記バッテリ43とインバータ29との間に平滑用のコンデンサCが接続される。
【0033】
また、前記車両制御装置51は、図示されないCPU、記録装置等から成り、車両駆動装置の全体の制御を行い、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。前記車両制御装置51は、エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52に接続される。そして、前記エンジン制御装置46は、図示されないCPU、記録装置等から成り、エンジン11の制御を行うために、スロットル開度θ、バルブタイミング等の指示信号をエンジン11に送る。また、前記モータ制御装置49は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記モータ25の制御を行うために、駆動信号をインバータ29に送る。そして、前記自動変速機制御装置52は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記トルクコンバータ14及び変速装置41から成る油圧式の自動変速機の制御を行うために、ソレノイド信号等の各信号を変速装置41に送る。前記ソレノイド信号は、各変速段ごとに発生させられ、所定の変速段に対応するソレノイド信号が変速装置41に送られると、変速装置41において前記変速段が達成され、該変速段の変速比で変速が行われる。なお、前記各CPUに代えてMPU等を使用することもできる。また、前記自動変速機には、図示されない電動のオイルポンプが配設され、エンジン11が停止させられたときは、電動のオイルポンプが作動させられ、油圧が低下するのを防止する。
【0034】
前記エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52によって第1の制御装置が、前記車両制御装置51によって、第1の制御装置より上位に位置する第2の制御装置が構成される。また、前記エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52は、車両制御装置51と同様に、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。
【0035】
前記インバータ29は、前記駆動信号に従って駆動され、図示されない駆動素子としてのトランジスタをスイッチングし、力行時に主バッテリ43から直流の電流を受けて、各相の電流IMU、IMV、IMWを発生させ、該電流IMU、IMV、IMWをモータ25に供給し、回生時にモータ25から電流IMU、IMV、IMWを受けて、直流の電流を発生させ、主バッテリ43に供給する。
【0036】
そして、45は、車両の走行条件を表す車速Vを検出する車速検出部であり、前記車速Vは車両の状態、すなわち、車両状態を表す車両情報であり、前記車速検出部45によって車両状態検出部59が構成される。
【0037】
また、44はバッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出装置、72はバッテリ電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ、68、69はそれぞれ電流IMU、IMVを検出する交流電流検出部としての電流センサである。前記バッテリ残量SOC及びバッテリ電圧VBは、いずれもバッテリ43の状態、すなわち、バッテリ状態を表し、バッテリ残量検出装置44及びバッテリ電圧センサ72によってバッテリ状態検出部61が構成される。また、前記バッテリ電圧VBは車両制御装置51に送られ、電流IMU、IMVはモータ制御装置49に送られる。
【0038】
そして、53は変速操作部としての図示されないシフトレバーの位置、すなわち、シフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ、55は図示されないアクセルペダルの位置(踏込量)によって表されるアクセル開度APによりアクセル操作を検出するエンジン負荷検出部及びアクセル操作検出部としてのアクセルセンサ、62は図示されないブレーキペダルの位置(踏込量)、すなわち、ブレーキペダル位置BPによってブレーキ操作を検出する第1のブレーキ操作検出部としてのブレーキセンサ、54は図示されないブレーキシリンダのマスター圧Pmによってブレーキ操作を検出する第2のブレーキ操作検出部としての圧力センサである。なお、前記シフトポジションセンサ53によって検出されたシフトポジションSPに基づいて、運転者がニュートラルレンジ、前進走行レンジ、1速走行レンジ、2速走行レンジ、3速走行レンジ、4速走行レンジ、後進走行レンジ及びパーキングレンジのうちのどのレンジを選択したか、又は、1速〜5速のどの変速段を選択したかを知ることができる。
【0039】
前記シフトポジションSP、アクセル開度AP、ブレーキペダル位置BP及びマスター圧Pmは、いずれも、運転者による車両の運転操作状態を表す運転操作情報として車両制御装置51に送られる。シフトポジションセンサ53、圧力センサ54、アクセルセンサ55及びブレーキセンサ62によって運転操作状態検出部63が構成される。なお、前記アクセル開度APによってエンジン11に対する負荷、すなわち、エンジン負荷が表される。
【0040】
また、前記運転操作状態検出部63は、前記シフトポジションセンサ53、圧力センサ54、アクセルセンサ55及びブレーキセンサ62のほかに、運転者による操舵操作を検出するステアリングセンサ、運転者による進行方向指示を検出するウインカセンサ、運転者による加速要求を表すスロットル開度を検出するスロットル開度センサ等を運転操作情報として検出することもできる。
【0041】
そして、64は車両の前方を監視し、車両の前方の道路状況及び走行状況を表す前方道路状況情報を取得する前方監視装置、65は車両の周辺を監視し、車両の周辺の状態を表す周辺情報を取得する周辺監視装置である。前記前方監視装置64は、レーザーレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ、インフラの車両監視システム等、又はそれらの組合せから成り、前方道路状況情報として車間距離、車間時間、前方車両に対する接近速度、一時停止箇所(非優先道路から優先道路への進入箇所、踏切、赤の信号が点滅する交差点等)に対する接近速度、障害物に対する接近速度等を算出するほか、車両の前方の画像をCCD、C−MOS等のカメラによって撮影し、撮影によって得られた路上標識、信号機等の画像データを処理して信号機の色等を判断したりする。また、前記周辺監視装置65は、前記カメラによって車両の周辺を撮影し、撮影によって得られたデータを処理して、周辺情報として、道路の車線を表す表示線、周辺の車両数等を検出することができる。
【0042】
車載装置 (ナビゲーション装置)66は、車両の現在地を検出する現在地検出部、道路データ等の各種のデータが記録された記録装置としてのデータ記録部、入力された情報に基づいて、データ、プログラム等に従ってコンピュータとして機能し、経路探索処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部、入力部、表示部、音声入力部、音声出力部及び通信部を備え、現在地、データ記録部のデータ等から成る道路情報を車両制御装置51に送る。
【0043】
また、前記車載装置66は、前記通信部を介して、例えば、VICSセンタから渋滞情報等の交通情報を取得し、交通情報を前記表示部に表示したり、交通情報を車両制御装置51に送ることも可能である。
【0044】
前記データ記録部は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の施設の情報が記録された施設情報データファイルから成るデータベースを備える。前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノード点に関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路データがそれぞれ記録される。前記ノードデータは、少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。
【0045】
そして、前記道路データによって、道路の構造について、幅員、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等が、道路の形状について、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等が、道路属性について、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道、高速道等)等がそれぞれ表される。
【0046】
そして、車両制御装置51は、エンジン11の回転速度、すなわち、エンジン回転速度NEの目標値を表すエンジン目標回転速度NE* 、及びモータ25のトルク、すなわち、モータトルクTMの目標値を表すモータ目標トルクTM* を設定し、エンジン目標回転速度NE* をエンジン制御装置46に、モータ目標トルクTM* をモータ制御装置49に送る。
【0047】
本実施の形態においては、前記モータ25をスタータとして使用し、モータ25を駆動することによって発生させられた回転(モータトルクTM)をエンジン11に伝達し、エンジン11を始動することができるだけでなく、モータ25を発電機として使用し、エンジン11を駆動することによって発生させられた回転(エンジン11のトルク、すなわち、エンジントルクTE)をモータ25に伝達して、電力を発生させることができる。また、エンジン11が停止させられているときに、モータ25を駆動することによって発生させられた回転を駆動輪37に伝達して車両を走行させることもできる。
【0048】
次に、前記モータ制御装置49の動作について説明する。この場合、モータ制御装置49は、前記ロータ31(図2)の磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御を行う。
【0049】
まず、モータ制御装置49の図示されないモータ回転速度算出処理手段は、モータ回転速度算出処理を行い、ロータ位置を読み込み、該ロータ位置の変化率を算出することによってモータ25の回転速度、すなわち、モータ回転速度NMを算出する。
【0050】
続いて、モータ制御装置49の図示されないモータ制御処理手段は、モータ制御処理を行い、モータ目標トルクTM* 及びバッテリ電圧VBを読み込み、前記モータ回転速度NM、モータ目標トルクTM* 及びバッテリ電圧VBに基づいて、前記モータ制御装置49の記録装置に記録されたモータ制御用の図示されない電流指令値マップを参照し、d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* を算出し、決定する。
【0051】
また、前記モータ制御処理手段は、電流センサ68、69から電流IMU、IMVを読み込むとともに、該電流IMU、IMVに基づいて電流IMW
IMW=IMU−IMV
を算出する。なお、電流IMWを電流IMU、IMVと同様に電流センサによって検出することもできる。
【0052】
続いて、前記モータ制御処理手段の交流電流算出処理手段は、交流電流算出処理を行い、交流の電流であるd軸電流IMd及びq軸電流IMqを算出する。そのために、前記交流電流算出処理手段は、3相/2相変換を行い、電流IMU、IMV、IMWをd軸電流IMd及びq軸電流IMqに変換する。そして、前記モータ制御処理手段の交流電圧指令値算出処理手段は、交流電圧指令値算出処理を行い、前記d軸電流IMd及びq軸電流IMq、並びに前記d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* に基づいて、電圧指令値VMd* 、VMq* を算出する。また、前記モータ制御処理手段は、2相/3相変換を行い、電圧指令値VMd* 、VMq* を電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に変換し、該電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に基づいてパルス幅変調信号SU、SV、SWを算出し、該パルス幅変調信号SU、SV、SWを前記モータ制御装置49の図示されないドライブ処理手段に対して出力する。該ドライブ処理手段は、ドライブ処理を行い、パルス幅変調信号SU、SV、SWに基づいて駆動信号を前記インバータ29に送る。このようにして、フィードバック制御が行われる。
【0053】
ところで、前記車両制御装置51は、前記エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン制御装置46によってエンジン11を始動したり、停止させたりすることができるようになっている。
【0054】
図4は本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すフローチャート、図5は本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すタイムチャートである。
【0055】
この場合、前記車両制御装置51(図3)の停止条件成立判断処理手段91(図1)は、停止条件成立判断処理を行い、エンジン11の停止条件が成立したかどうかを判断する。そのために、前記停止条件成立判断処理手段91は、車速検出部45によって検出された車速Vが零(0)であるかどうかを第1の停止条件とし、アクセルセンサ55によって検出されたアクセル開度APによってアクセル操作が行われていない(アクセルオフ)であるかどうかを第2の停止条件とし、ブレーキセンサ62によって検出されたブレーキベダル位置BPによってブレーキ操作が行われている(ブレーキオン)であるかどうかを第3の停止条件とし、車速Vが零であり、アクセル操作が行われておらず、ブレーキ操作が行われていて、第1〜第3の停止条件が成立するかどうかを判断する。そして、第1〜第3の停止条件がいずれも成立する場合、前記車両制御装置51のエンジン停止処理手段92は、エンジン停止処理を行い、エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン11を停止させる。なお、前記エンジン制御装置46は、例えば、エンジン11の点火を停止したり、エンジン11への燃料の供給を停止したりしてエンジン11を停止させる。また、前記車両制御装置51は、自動変速機制御装置52にシフト信号を送り、自動変速機制御装置52の変速段を低速側にする。
【0056】
また、第1〜第3の停止条件のうちのいずれかが成立しない場合、前記車両制御装置51は、エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン11の駆動を継続する。
【0057】
例えば、エンジン11が駆動され(エンジンオン)、ブレーキ操作が行われておらず(ブレーキオフ)、アクセル操作が行われている(アクセルオン)状態で、所定の車速Vで車両を走行させているときに、所定のタイミングでアクセル操作が解除(アクセルオフ)され、ブレーキ操作が行われ、車速Vが零になり、車両が停止させられると、第1〜第3の停止条件がいずれも成立し、エンジン11が停止させられる(エンジンオフ)。
【0058】
次に、エンジン11を停止させた後に、エンジン11を再始動するときの車両制御装置51の動作について説明する。
【0059】
まず、該車両制御装置51の車両動作予測開始処理手段93は、車両動作予測開始処理を行い、車両状態検出部59、運転操作状態検出部63、前方監視装置64、周辺監視装置65、車載装置66等から各種の情報を予測情報として受け、該予測情報に基づいて、車両を発進させた後の車両動作の予測開始条件が成立したかどうかを判断する。本実施の形態においては、運転者がブレーキ操作を解除(ブレーキオフ)したことを予測開始条件としていて、車両動作予測開始処理手段93は、ブレーキペダル位置BPに基づいて、運転者がブレーキ操作を解除したかどうかによって予測開始条件が成立したかどうかを判断する。なお、運転者がブレーキ操作を解除するのに代えて、例えば、シフトレバーを操作して前進走行レンジを選択したかどうかによって予測開始条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0060】
そして、運転者がブレーキ操作を解除し、予測開始条件が成立すると、前記車両制御装置51の始動条件成立判断処理手段94は、始動条件成立判断処理を行い、エンジン11を始動するための始動条件が成立したかどうかを判断する。そのために、始動条件成立判断処理手段94の図示されない車両動作予測処理手段は、車両動作予測処理を行い、車両が発進させられた後の車両動作を予測する。続いて、前記始動条件成立判断処理手段94は、車両動作予測処理手段による予測結果に基づいて、前記ブレーキ操作の解除に伴って発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかを始動条件とし、アクセルセンサ55によって検出されたアクセル開度APが閾値APth以上であるかどうか、また、ブレーキ操作が解除されてから所定の時間が経過したかどうかを始動条件による予測が外れた場合に運転車への違和感をなくすための第1、第2の補完条件とし、車両がそのまま走行させられると予測されて始動条件が成立する場合は、車両制御装置51のエンジン始動処理手段95は、エンジン始動処理を行い、エンジン11を始動する。
【0061】
そして、車両がそのまま走行させられると予測されず(車両が直ちに停止させられると予測され)、始動条件が成立しない場合は、アクセル開度APが閾値APth以上であって第1の補完条件が成立するか、又はブレーキ操作が解除されてから所定の時間が経過して第2の補完条件が成立した場合、前記エンジン始動処理手段95はエンジン11を始動する。
【0062】
また、始動条件が成立しない場合であり、アクセル開度APが閾値APthより小さく、第1の補完条件が成立せず、ブレーキ操作が解除されてから所定の時間が経過しておらず、第2の補完条件が成立しない場合、車両制御装置51は継続してエンジン11を停止する。
【0063】
例えば、図5に示されるように、車速Vが零であり、アクセル操作が行われておらず、ブレーキ操作が行われていて、モータ25及びエンジン11のいずれも駆動されていないときに、タイミングt1でブレーキ操作が解除されると、前記車両動作予測開始処理手段93は、予測開始条件が成立したと判断し、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したかどうかを判断する。
【0064】
本実施の形態において、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立しないと判断する。そこで、モータ25に通電し、モータ25が駆動され、該モータ25によって発生させられた回転が駆動輪37に伝達され、車両は所定の車速Vで緩やかに走行させられる。その後、アクセル操作が行われなくて第1の補完条件が成立せず、また、タイミングt1から所定の時間が経過する前の、第2の補完条件が成立していないときに、タイミングt2でブレーキ操作が行われると、前記モータ25への通電が停止させられ、該モータ25が停止させられ、車両も停止させられ、車速Vが0になる。
【0065】
そして、タイミングt3で、再びブレーキ操作が解除されると、前記車両動作予測開始処理手段93は、予測開始条件が成立したと判断し、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したかどうかを判断する。
【0066】
本実施の形態において、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立しないと判断する。そこで、モータ25が再び駆動され、該モータ25によって発生させられた回転が駆動輪37に伝達され、車両は所定の車速Vで緩やかに走行させられる。その後、タイミングt4からt5までの間、アクセル操作が行われるが第1の補完条件が成立せず、また、タイミングt3から所定の時間が経過する前の、第2の補完条件が成立していないときに、タイミングt6でブレーキ操作が行われると、前記モータ25への通電が停止させられ、該モータ25が停止させられ、車両も停止させられ、車速Vが0になる。
【0067】
そして、タイミングt7で、再びブレーキ操作が解除されると、前記車両動作予測開始処理手段93は、予測開始条件が成立したと判断し、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したかどうかを判断する。
【0068】
本実施の形態において、始動条件成立判断処理手段94は始動条件が成立したと判断する。そこで、直ちにエンジン11が始動され、アクセル操作が行われるのに伴って車速Vが高くなる。
【0069】
ところで、タイミングt1、t3、t7等で、ブレーキ操作が解除されたときに、始動条件成立判断処理手段94が、始動条件が成立しないと判断したにもかかわらず、発進した車両が停止することなくそのまま走行させられる状況になることがある。
【0070】
そこで、タイミングt1、t3、t7等から所定の時間が経過していないうちに、アクセル操作が行われ、第1の補完条件が成立すると、エンジン11が始動される(エンジンオン)。それに伴って、モータ25は非駆動状態にされる。
【0071】
また、タイミングt1、t3、t7等でブレーキ操作が解除された後、アクセル操作が行われるまでに所定の時間が経過して、第2の補完条件が成立すると、エンジン11が始動され、モータ25は非駆動状態にされる。
【0072】
前記エンジン11を始動する場合、前記エンジン始動処理手段95は、エンジン11を始動するためのエンジン制御信号をエンジン制御装置46に送り、これに伴って、車両制御装置51はモータ25を駆動するためのモータ制御信号をモータ制御装置49に送り、自動変速機を作動させるためのソレノイド信号を変速装置41に送る。エンジン制御装置46は、エンジン制御信号を受けると、エンジン11を点火し、エンジン11に燃料を供給するためのエンジン駆動信号をエンジン11に送る。また、モータ制御装置49は、モータ制御信号を受けると、インバータ29に駆動信号を送る。その結果、モータ25が駆動され、エンジン11のクランキングが行われ、エンジン11が点火され、エンジン11が始動され、変速装置41が所定の変速段を達成する。
【0073】
なお、モータ25の駆動が開始されてから、エンジン11が始動されるまでの間、モータ25によって発生させられた回転は変速装置41を介して駆動輪37に伝達され、モータトルクによって車両が走行させられる。そして、エンジン11が始動されると、車両制御装置51は、モータ25を非駆動状態にするためのモータ制御信号をモータ制御装置49に送る。その結果、モータ25が非駆動状態にされる。
【0074】
このように、プレーキ操作が解除されて予測開始条件が成立したときに、車両動作が予測され、車両動作の予測結果に基づいてエンジン11を始動するようになっているので、予測開始条件が成立しても、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合にはエンジン11が直ちには始動されない。したがって、燃費を良くすることができる。
【0075】
また、予測を誤ったとしても、エンジン11の第1、第2の補完条件が成立すると、エンジン11が直ちに始動されるので、運転者が車両を走行させたいときに、エンジン11が始動されるまでにタイムラグが生じるのを防止することができる。したがって、運転者に違和感を与えることがない。
【0076】
ところで、前記始動条件において、前記ブレーキ操作の解除に伴って発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかが判断されるようになっているが、前記ブレーキ操作の解除に伴って発進させられた後の車両の動作は、前記車両動作予測処理手段によって予測される。そのために、車両動作予測処理手段は、車両動作予測処理を行い、所定の予測情報に基づいて、車両が発進させられた後の車両の動作、すなわち、車両がそのまま走行させられるか、又は直ちに停止させられるかを予測する。
【0077】
本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として運転操作情報を取得し、運転者のブレーキペダルの離し速度Vbrに基づいて、第1の予測条件が成立したかどうかを判断する。
【0078】
すなわち、車両を発進させる際の運転者のブレーキペダルからの足の離し方は、発進させる際の運転者の意図によって異なる。例えば、車間距離を詰める場合において、車両をわずかに走行させたい場合は、ブレーキペダルから足をゆっくり離し、信号待ちのときのように、車両を停車させておいて、その後、車両を発進させる場合には、ブレーキペダルから足を早く離す。
【0079】
そこで、前記車両動作予測処理手段は、圧力センサ54によって検出されたマスター圧Pmを読み込み、該マスター圧Pmが第1の値(例えば、0.5〔MPa〕)以上から、第2の値(例えば、0.1〔MPa〕)以下になるまでの時間τbを算出し、該時間τbが閾値τbth(例えば、1秒)以上であるかどうかを判断する。そして、車両動作予測処理手段は、前記時間τbが閾値τbth以上である場合、離し速度Vbrが低いと判断し、第1の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、時間τbが閾値τbthより短い場合、前記車両動作予測処理手段は、離し速度Vbrが高いと判断し、第1の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0080】
そして、前記始動条件成立判断処理手段94は、第1の予測条件が成立した場合は始動条件が成立しないと判断し、第1の予測条件が成立しない場合は始動条件が成立したと判断する。
【0081】
なお、本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、マスター圧Pmに基づいて離し速度Vbrが低いかどうかを判断するようになっているが、ブレーキセンサ62によって検出されたブレーキペダル位置BPを微分し、微分値が負の値を採り、かつ、絶対値が小さい場合に離し速度Vbrが低く、微分値が負の値を採り、かつ、絶対値が大きい場合に離し速度Vbrが高いと判断することもできる。
【0082】
また、図示されないブレーキシリンダのストロークを検出するストロークセンサを運転操作状態検出部63として配設し、ストロークの変化率によって離し速度Vbrが低いかどうかを判断することもできる。
【0083】
本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、ブレーキペダルの離し速度Vbrに基づいて、第1の予測条件が成立したかどうかを判断し、第1の予測条件が成立した場合には、車両が直ちに停止させられると予測するようになっているが、前記第1の予測条件に代えて他の各予測条件が成立したかどうかを判断して車両が直ちに停止させられると予測することもできる。
【0084】
次に、他の予測条件について説明する。
【0085】
すなわち、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として運転操作情報を取得し、アクセルペダルの踏込速度Vacに基づいて第2の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0086】
すなわち、車両を発進させる際の運転者のアクセルペダルの踏込み方は、発進させる際の運転者の意図によって異なる。例えば、車間距離を詰める場合において、車両をわずかに走行させたい場合は、アクセルペダルをゆっくり踏み込み、信号待ちのときのように、車両を停車させておいて、その後、車両を発進させる場合には、アクセルペダルを早く踏み込む。
【0087】
そこで、前記車両動作予測処理手段は、アクセルセンサ55によって検出されたアクセル開度APを読み込み、該アクセル開度APが第1の値(例えば、0〔%〕)から第2の値(例えば、5〔%〕)になるまでの時間τaを算出し、該時間τaが閾値τath(例えば、1秒)以上であるかどうかを判断する。そして、車両動作予測処理手段は、前記時間τaが閾値τath以上である場合、踏込速度Vacが低いと判断し、第2の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、時間τaが閾値τathより短い場合、前記車両動作予測処理手段は、踏込速度Vacが高いと判断し、第2の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0088】
なお、本実施の形態において、前記車両動作予測処理手段は、アクセル開度APの変化に基づいて踏込速度Vacが低いかどうかを判断するようになっているが、アクセル開度APを微分し、微分値が正の値を採り、かつ、絶対値が小さい場合に踏込速度Vacが低く、微分値が正の値を採り、かつ、絶対値が大きい場合に踏込速度Vacが高いと判断することもできる。
【0089】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として運転操作情報を取得し、ブレーキペダル上の足置き位置に基づいて第3の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0090】
すなわち、車両を発進させる際の運転者の足の移動方法は、発進させる際の運転者の意図によって異なる。例えば、車間距離を詰める場合において、車両をわずかに走行させたい場合は、ブレーキ操作を解除した後も、足をブレーキペダル上に置いたままであり、信号待ちのときのように、車両を停車させておいて、その後、車両を発進させる場合には、足をアクセルペダル側に移動させる。
【0091】
そこで、ブレーキペダルに足位置検出部としての図示されないタッチセンサを運転操作状態検出部63として配設し、前記車両動作予測処理手段は、前記タッチセンサによって足がブレーキペダル上にあることが検出されると、第3の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、足がアクセルペダル側に移動したことが検出されると、前記車両動作予測処理手段は、第3の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0092】
なお、ブレーキペダルの部分をCCDカメラ等によって撮影し、CCDカメラ等によって取得された画像情報に基づいて、第3の予測条件が成立するかどうかを判断することができる。
【0093】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として車両情報を取得し、車両の動作履歴に基づいて第4の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0094】
すなわち、車両の動作履歴は、出発地から目的地(到着地)までの間において、順調に走行することができる場所、渋滞路であって順調に走行することができない場所等によって異なり、さらに、渋滞路であっても、車速が低いままだらだらと走行する場所、発進及び停車が繰り返される場所等によって異なる。
【0095】
そこで、前記車両動作予測処理手段は、過去5分間の車速Vの履歴を車両制御装置51に内蔵された記録装置等に記録し、一度の走行時間Tvが閾値Tvth(例えば、5〔秒〕)以下であり、車速Vの最大値Vmaxが閾値Vmaxth(例えば、10〔km/h〕)より低い場合に、第4の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、一度の走行時間が閾値Tvthより長く、車速Vの最大値Vmaxが閾値Vmaxth以上である場合に、前記車両動作予測処理手段は、第4の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0096】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として道路情報を取得し、車両の走行環境に基づいて第5の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0097】
そのために、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66から現在地及びその周囲の走行環境の情報を読み込み、現在地が、踏切、一時停止交差点、料金所等の停止箇所の手前にある場合、第5の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、現在地が停止箇所を過ぎた地点にある場合、前記車両動作予測処理手段は、第5の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0098】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として道路情報を取得し、車両の学習情報に基づいて第6の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0099】
すなわち、通勤路等においては、ほぼ同じ時刻で、かつ、同じ場所における車両の走行パターンはほぼ同じである。そこで、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66から現在地、その周囲の走行環境、時刻等の情報を読み込み、一度走行した場所で、車両が発進した後、直ちに停車する動作が行われた場合、その走行パターンを学習し、走行パターンの情報を記録装置に記録し、次に、ほぼ同じ時刻で、かつ、同じ場所を走行するときに、前記情報を読み出し、該情報に基づいて、第6の予測条件が成立するかどうかを判断し、車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりする。なお、現在地の情報を使用することなく、時刻、出発してからの経過時間、出発地からの距離等に基づいて、走行パターンを学習することもできる。
【0100】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として道路情報を取得し、渋滞情報に基づいて第7の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0101】
すなわち、渋滞路を走行している場合は、車両を発進させた後、直ちに停車させることが多い。そこで、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66から現在地、渋滞情報等を読み込み、現在走行している道路が渋滞している場合、第7の予測条件が成立すると判断し、車両が直ちに停止させられると予測する。一方、現在走行している道路が渋滞していない場合、前記車両動作予測処理手段は、第7の予測条件が成立しないと判断し、車両がそのまま走行させられると予測する。
【0102】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として前方道路状況情報を取得し、前方道路状況情報のうちの信号機情報に基づいて第8の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0103】
すなわち、車両の前方の信号機の信号の色が赤である場合、車両は直ちに停車させられる。また、信号機の信号の色が青であっても、これから赤になる場合も、車両は停車させられる。そして、信号機の信号の色が赤であっても、これから青になる場合、車両は発進させられる。そこで、前記車両動作予測処理手段は、車載装置66の通信部等を介して前方の信号機の信号機情報を取得し、該信号機情報に基づいて、第8の予測条件が成立するかどうかを判断し、車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりする。なお、前記前方監視装置64から信号機の色を読み込むこともできる。
【0104】
また、前記車両動作予測処理手段は、予測情報として前方道路状況情報に基づいて第9の予測条件が成立したかどうかを判断することもできる。
【0105】
すなわち、前方車両が近傍にあり、かつ、停車している場合、車両は、発進させられた後、直ちに停車させられる。また、前方車両が近傍にあり、かつ、低速で走行している場合も、車両は、発進させられた後、直ちに停車させられることが多い。そこで、前記車両動作予測処理手段は、前記前方監視装置64から車間距離、車間時間、前方車両に対する接近速度等の前方道路状況情報を読み込み、該前方道路状況情報に基づいて、第9の予測条件が成立するかどうかを判断し、車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりする。
【0106】
なお、本実施の形態においては、第1〜第9の予測条件のいずれか一つが成立したかどうかにによって車両動作を予測するようになっているが、第1〜第9の予測条件のうちの複数の予測条件が成立したかどうか車両動作を予測することもできる。
【0107】
なお、前記第1〜第9の予測条件のほかに、他の予測条件に基づいて車両が直ちに停止させられると予測したり、車両がそのまま走行させられると予測したりすることもできる。
【0108】
例えば、アクセルペダルを弱く踏んだ場合、又はブレーキ操作が解除された後、アクセル操作が行われるまでの時間が長い場合に、車両が直ちに停止させられると予測し、アクセルペダルを強く踏んだ場合、又はブレーキ操作が解除された後、アクセル操作が行われるまでの時間が短い場合に、車両がそのまま走行させられると予測することもできる。
【0109】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 ブレーキ操作が解除されるのを待機し、ブレーキ操作が解除されるとステップS2に進む。
ステップS2 そのまま走行させられると予測されるかどうかを判断する。そのまま走行させられると予測される場合はステップS5に、そのまま走行させられると予測されない場合はステップS3に進む。
ステップS3 アクセル開度APが閾値APth以上であるかどうかを判断する。アクセル開度APが閾値APth以上である場合はステップS5に、アクセル開度APが閾値APthより小さい場合はステップS4に進む。
ステップS4 所定の時間が経過したかどうかを判断する。所定の時間が経過した場合はステップS5に進み、経過していない場合はステップS1に戻る。
ステップS5 エンジンを始動させ、処理を終了する。
【0110】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、エンジン始動停止装置においては、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段と、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段と、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段とを有する。
【0111】
この場合、予測開始条件が成立したときに、車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断し、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するようになっているので、予測開始条件が成立しても、必ずしも直ちに車両を走行させる必要がない場合にはエンジンが直ちには始動されない。したがって、燃費を良くすることができる。
【0112】
また、予測開始条件が成立した後、エンジンの始動条件が成立すると、エンジンが直ちに始動されるので、運転者が車両を走行させたいときに、エンジンが始動されるまでにタイムラグが生じるのを防止することができる。したがって、運転者に違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるエンジン始動停止装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両駆動装置の要部を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における駆動制御装置の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
11 エンジン
51 車両制御装置
91 停止条件成立判断処理手段
92 エンジン停止処理手段
93 車両動作予測開始処理手段
94 始動条件成立判断処理手段
95 エンジン始動処理手段
Claims (8)
- エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段と、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段と、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段と、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段と、エンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段とを有することを特徴とするエンジン始動停止装置。
- 前記車両動作予測開始処理手段は、ブレーキ操作が解除されたときに車両動作の予測開始条件が成立したと判断する請求項1に記載のエンジン始動停止装置。
- 前記始動条件成立判断処理手段は、発進した車両が停止することなくそのまま走行させられると予測されるかどうかを始動条件とする請求項1に記載のエンジン始動停止装置。
- 前記始動条件成立判断処理手段は、運転者による運転操作状態を表す運転操作情報に基づいて車両動作を予測する請求項1に記載のエンジン始動停止装置。
- 前記始動条件成立判断処理手段は、車両状態を表す車両情報に基づいて車両動作を予測する請求項1に記載のエンジン始動停止装置。
- 前記始動条件成立判断処理手段は、車載装置から送られた道路情報に基づいて車両動作を予測する請求項1に記載のエンジン始動停止装置。
- 前記始動条件成立判断処理手段は、車両の前方の状態を表す前方道路状況情報に基づいて車両動作を予測する請求項1に記載のエンジン始動停止装置。
- コンピュータを、エンジンの停止条件が成立したかどうかを判断する停止条件成立判断処理手段、エンジンの停止条件が成立したときにエンジンを停止させるエンジン停止処理手段、車両を発進させた後の車両動作の予測を開始する予測開始条件が成立したかどうかを判断する車両動作予測開始処理手段、予測開始条件が成立したときに車両を発進させた後の車両動作を予測し、車両動作の予測結果に基づいてエンジンの始動条件が成立したかどうかを判断する始動条件成立判断処理手段、及びエンジンの始動条件が成立したときにエンジンを始動するエンジン始動処理手段として機能させることを特徴とするエンジン始動停止方法のプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2002187956A JP2004028019A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | エンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002187956A JP2004028019A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | エンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラム |
Publications (1)
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JP2002187956A Withdrawn JP2004028019A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | エンジン始動停止装置及びエンジン始動停止方法のプログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010185437A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-08-26 | Denso Corp | アイドリングストップ制御装置 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187956A patent/JP2004028019A/ja not_active Withdrawn
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