JP2004028016A - ベーンポンプ - Google Patents

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JP2004028016A
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JP
Japan
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rotor
side plate
shaft
pressure
vane pump
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JP2002187871A
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Yasuhiko Niitsuma
新妻 安彦
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】径方向のテンション等がかかることでシャフトがたわみ、それによってロータがサイドプレートに対してスライドしたとしても、衝撃の発生を防止することのできるベーンポンプを提供することである。
【解決手段】ベーン5間に形成される室が、ロータ4の回転に応じて吐出穴14に直接連通する前に、圧力導入溝15を介して吐出穴14に連通するベーンポンプにおいて、上記ロータ4のサイドプレート12に接する側面16の直径D2を、ロータ4の外径D1よりも小さくし、シャフトに径方向の偏心荷重が入力されたときに、シャフトのたわみとともにロータ4がサイドプレート12に対してスライドした状態において、このスライドしたロータ4の側面が対向する位置よりも外側に、上記圧力導入溝15が位置する構成にした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3〜図5に従来のベーンポンプを示す。
図3に示すように、ボディ1の側面をカバー2で塞いでいるが、このボディ1のボアa内には、図4に示すように楕円形の内壁3aを有するカムリング3を設けている。このカムリング3内には、ロータ4を設けるとともに、このロータ4に複数のベーン5を放射状に配置して、しかも出没自在に組み込んでいる。
また、上記ボディ1及びカバー2の内周には、軸穴6a,6bを形成するとともに、ボディ1側の軸穴6aに第1軸受部材7を設け、カバー2側の軸穴6bには第2軸受部材8を設けている。そして、これら第1軸受部材7と第2軸受部材8とによって、シャフト9を回転自在に支持している。
【0003】
このシャフト9は、上記ロータ4の中心部分を貫通しているが、この貫通した部分にセレーション10を形成し、このセレーション10を介してロータ4を固定している。
また、このシャフト9の他端側には、図示していないプーリを固定するとともに、このプーリに駆動ベルトを介してエンジンや電動モータ等の駆動源を連係している。
したがって、駆動ベルトを介して駆動源の回転がプーリに伝達されると、このプーリとともにシャフト9が回転して、シャフト9とともにロータ4が回転する。
なお、上記ボディ1には、オイルシール11を設け、このオイルシール11によってシャフト9の周囲をシールするようにしている。
【0004】
上記カムリング3およびロータ4の側面には、サイドプレート12を設けている。そして、上記ロータ4は、カバー2とサイドプレート12との間で、ロータ4の回転に抵抗が発生しない程度の微少なクリアランスを有した状態で保持されている。
上記サイドプレート12には、一対の吐出穴14を形成し、これら吐出穴14を介してボディ1内に形成した高圧室13に吐出油を導くようにしている。また、この高圧室13内に導いた高圧の作用によって、サイドプレート12を積極的にロータ4側に移動させるようにしている。そして、吐出圧が高圧になればなる程、サイドプレート12とロータ4とのクリアランスを小さくすることで、吐出効率の低下を防止するようにしている。
なお、図4中、符号pは位置決めピンであり、この位置決めピンpによってボディ1に対するカムリング3の位置を規制している。
【0005】
また、図5に示すように、サイドプレート12のロータ4側の側面には、圧力導入溝15,15を形成している。そして、これら圧力導入溝15,15の一端を、上記吐出穴14,14の周方向片側に開放している。このようにした圧力導入溝15,15は、急激な圧力変動によって生じる騒音を防止するためのものであるが、その詳しい作用については後で説明する。
【0006】
次に、このベーンポンプの作用を説明する。
図示していない駆動源の作動により、シャフト9を図4中k方向に回転させると、このシャフト9とともにロータ4が回転する。ロータ4が回転すると、遠心力によってベーン5が突出し、その先端がカムリング3の内壁3aに押し付けられる。ただし、これらベーン5の先端が押し付けられるカムリング3の内壁3aというのは、図4に示すように楕円形をしているため、この内壁3aの形状に応じてベーン5が、ロータ4に対し、吐出、収納工程を繰り返す。
【0007】
また、ベーン5の先端がカムリング3の内壁3aに押し付けられることによって、各ベーン5間に独立した室が構成されるが、これら室の容積というのは、ロータ4の回転に応じて変化する。すなわち、図4の一点鎖線Aで示す吸い込み部分では、ロータ4の回転に伴って室の容積が拡大するが、一点鎖線Bで示す部分では、室の容積が縮小する。
そして、室の容積が拡大するときに、この室内に作動油が吸い込まれる。この作動油を吸い込む一点鎖線Aの範囲を吸い込み行程とする。
また、室の容積が縮小するときに、この室内の作動油が圧縮される。この作動油を圧縮する一点鎖線Bの範囲を吐出行程とする。
【0008】
以上のように、ロータ4が回転することにより、吸い込み行程と吐出行程とが交互に繰り返されるが、吸い込み行程において室内に吸い込んだ作動油を、吐出行程において室の容積を縮小することで、サイドプレート12に形成した吐出穴14,14を介して高圧室13に導く。そして、この高圧室13に導いた圧油は、図示していない通路を介して外部に吐出される。
また、圧油を高圧室13に導くことによって、サイドプレート12を積極的にロータ4側に移動させるようにしている。そして、吐出圧が高圧になればなる程、サイドプレート12とロータ4とのクリアランスを小さくすることで、吐出効率の低下を防止するようにしている。
【0009】
上記したように、高圧室13というのは非常に高圧になっているが、それに連通する吐出穴14も高圧になっている。このように高圧になっている吐出穴14,14に、ベーン5の間に形成される各室がいきなり連通すると、室内の圧力が急激に上昇して衝撃が発生する。そこで、ベーン5の間に形成される室を、上記圧力導入溝15,15を介して吐出穴14,14に事前に連通させるようにしている。すなわち、圧力導入溝15,15を介して吐出穴14,14側の高圧を少しずつベーン5間の室に導くことにより、各室内の圧力をある程度高めてから、吐出穴14,14に連通させるようにしている。このようにすれば、急激な圧力変動が生じないので、衝撃も発生しない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のベーンポンプにおいて、駆動ベルトのテンションが、プーリを介してシャフト9に作用すると、第1,第2軸受部材7,8とシャフト9とのクリアランスや、シャフト9自体の剛性等により、第1,第2軸受部材7,8を支持点としてシャフト9が反ることでシャフト9がたわむ。このシャフト9のたわみは僅かであるが、そのたわみに応じてロータ4の軸芯が径方向にずれる。ロータ4の軸芯が径方向にずれると、図4に示すように、サイドプレート12に対してロータ4がスライドし、このロータ4が2点鎖線で示す正規の位置から破線で示す位置に移動する。このようにロータ4が破線の位置に移動すると、一方の圧力導入溝15がロータ4の側面によって塞がれてしまう。圧力導入溝15が塞がれてしまうと、この圧力導入溝15の機能が発揮されなくなるので、衝撃が発生を防止できなくなる。
この発明の目的は、シャフト9に径方向のテンション等がかかることでこのシャフト9がたわみ、それによってロータ4がサイドプレート12に対してスライドしたとしても、衝撃の発生を防止することのできるベーンポンプを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ボディと、このボディ内に組み込んだカムリングと、このカムリング内に回転自在に組み込んだロータと、このロータの周囲に出没自在に設けた複数のベーンと、一方側に上記ロータを結合するとともに、他方側に駆動源を連係するシャフトと、吐出圧の作用によって上記ロータの側面に押し付けられるサイドプレートと、このサイドプレートに形成するとともに、高圧を吐出ポート側に導く吐出穴と、サイドプレートのロータ側の側面であって上記吐出穴に一端を開放した圧力導入溝とを備え、ベーン間に形成される室が、ロータの回転に応じて吐出穴に直接連通する前に、上記圧力導入溝を介して吐出穴に連通するベーンポンプにおいて、上記ロータのサイドプレートに接する側面の直径を、このロータの外径よりも小さくし、シャフトに径方向の偏心荷重が入力されたときに、シャフトのたわみとともにロータがサイドプレートに対してスライドした状態において、このスライドしたロータの側面が対向する位置よりも外側に、上記圧力導入溝が位置する構成にしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示すこの発明の一実施形態は、サイドプレート12に接するロータ4の側面16の直径D2を、このロータ4の外径D1より小さくしたものであり、それ以外の構成については上記従来例と全く同じである。したがって、以下では、従来と同じ構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0013】
上記したように、ロータ4は、その外径D1よりもサイドプレート12に接する側面16の直径D2を小さくしている。具体的には、図2に示すように、ロータ4の側面16と外周面17との交わる部分に傾斜面18を環状に形成し、この傾斜面18によって、ロータ4の側面16の直径D2を、ロータ4の外径D1よりも小さくするようにしている。
【0014】
また、上記ロータ4の側面16の直径D2というのは、次の条件に基づいて決めている。すなわち、駆動源側のテンションが図示していないプーリに作用してシャフト9がたわむと、このシャフト9に固定したロータ4が、サイドプレート12に対してスライドするが、このスライドしたロータ4の側面16によって、サイドプレート12に形成した圧力導入溝15が塞がれない大きさに側面16の直径D2を設定している。つまり、スライドしたロータ4の側面16が対向する位置よりも外側に、上記圧力導入溝16が位置するようにしている。
【0015】
そのため、駆動源側のテンションによってシャフト9がたわみ、サイドプレート12に対してロータ4がスライドしたとしても、圧力導入溝15がロータ4の側面16によって塞がれることがない。
したがって、圧力導入溝15の機能が常に発揮されて、衝撃の発生を防止することができる。
【0016】
なお、駆動源側のテンションは、本ベーンポンプを車体に装着した後に、初めて発生するものであり、ベーンポンプすなわちサイドプレート12に対して上記テンションの方向やその力の大きさが変わるものではない。そのため、サイドプレート12に対するロータ4のスライド方向およびスライド量を予め予測できる。したがって、圧力導入溝15を設ける位置は、容易に決定できる。
【0017】
また、上記実施形態では、シャフト9を第1,第2軸受部材7,8により支持しているが、ボディ1内に設けた第1軸受部材7のみで、シャフト9が支持された構造であってもよい。すなわち、このような構造においても、テンションによるロータ4のスライド方向及びスライド量は、容易に予測ができるので、この予測に基づいて圧力導入溝15を設ける位置を決定することができる。
【0018】
一方、この実施形態では、傾斜面18を形成することによって、ロータ4の側面16の直径D2をその外径D1よりも小さくしているが、傾斜面18を形成する代わりに、環状の凹部を側面16の外径側に形成することによって、この側面16の直径D2を外径D1よりも小さくするようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】
この発明によれば、サイドプレートに接するロータの側面の直径を、このロータの外径よりも小さくすることにより、シャフトのたわみとともにロータがサイドプレートに対してスライドした状態でも、圧力導入溝が、スライドしたロータの側面が対向する位置よりも外側に位置する構成にした。
したがって、圧力導入溝が塞がれることがなく、この圧力導入溝の機能が常に発揮されて、衝撃の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の断面図である。
【図2】ロータ4とサイドプレート12との関係を示す説明図である。
【図3】従来例の断面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視図である。
【図5】サイドプレート12の側面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 カムリング
4 ロータ
5 ベーン
9 シャフト
12 サイドプレート
14 吐出穴
15 圧力導入溝
16 ロータ4の側面
D1 ロータ4の外径
D2 ロータ4の側面16の直径

Claims (1)

  1. ボディと、このボディ内に組み込んだカムリングと、このカムリング内に回転自在に組み込んだロータと、このロータの周囲に出没自在に設けた複数のベーンと、一方側に上記ロータを結合するとともに、他方側に駆動源を連係するシャフトと、吐出圧の作用によって上記ロータの側面に押し付けられるサイドプレートと、このサイドプレートに形成するとともに、高圧を吐出ポート側に導く吐出穴と、サイドプレートのロータ側の側面であって上記吐出穴に一端を開放した圧力導入溝とを備え、ベーン間に形成される室が、ロータの回転に応じて吐出穴に直接連通する前に、上記圧力導入溝を介して吐出穴に連通するベーンポンプにおいて、上記ロータのサイドプレートに接する側面の直径を、このロータの外径よりも小さくし、シャフトに径方向の偏心荷重が入力されたときに、シャフトのたわみとともにロータがサイドプレートに対してスライドした状態において、このスライドしたロータの側面が対向する位置よりも外側に、上記圧力導入溝が位置する構成にしたことを特徴とするベーンポンプ。
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