JP2004027657A - ブラインド開閉制御装置 - Google Patents
ブラインド開閉制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004027657A JP2004027657A JP2002185721A JP2002185721A JP2004027657A JP 2004027657 A JP2004027657 A JP 2004027657A JP 2002185721 A JP2002185721 A JP 2002185721A JP 2002185721 A JP2002185721 A JP 2002185721A JP 2004027657 A JP2004027657 A JP 2004027657A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blind
- control device
- closing control
- slat
- hanging
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Blinds (AREA)
Abstract
【課題】採光する位置を鉛直方向に選択することを可能にし、しかも採光部分と遮光部分との境界を自由に設定可能にしたブラインド開閉制御装置を提供する。
【解決手段】複数本のラダーコード2をヘッドボックス1から鉛直方向に垂下し、これらラダーコード2の横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラット3を互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置であって、ラダーコード2に対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸12X,12Yと、ヘッドボックス1の外部に装着されて引き糸12X,12Yを吊り下げる複数の吊下部材11A,11B,11Cと、引き糸12X,12Yを吊下部材11A〜11Cを介して引き上げた状態で係止する係止装置20とを備えたブラインド開閉制御装置を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】複数本のラダーコード2をヘッドボックス1から鉛直方向に垂下し、これらラダーコード2の横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラット3を互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置であって、ラダーコード2に対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸12X,12Yと、ヘッドボックス1の外部に装着されて引き糸12X,12Yを吊り下げる複数の吊下部材11A,11B,11Cと、引き糸12X,12Yを吊下部材11A〜11Cを介して引き上げた状態で係止する係止装置20とを備えたブラインド開閉制御装置を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚のスラットを水平方向に保持した横型ブラインドの開閉状態を制御する装置に関し、さらに詳しくは、採光する位置を鉛直方向に選択することを可能にし、しかも採光部分と遮光部分との境界を自由に設定可能にしたブラインド開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の横型ブラインドは、窓枠上部に取り付けたヘッドボックスの左右からそれぞれラダーコードを鉛直方向に垂下し、これら左右一対のラダーコードによって水平方向に延長する複数枚のスラットを所定の間隔で互いに平行に保持し、この状態からラダーコードを操作することにより複数枚のスラットを同時に旋回させて開閉を行うようになっている。
【0003】
ところで、オフィス等において、窓からの光によってコンピュータ画面が見え難くなったり、或いは窓越しに情報が漏洩することを防止するために、採光する位置を鉛直方向に選択することが可能であれば、必要部分だけで採光しながら、それ以外の部分では遮光するという理想的な環境を実現することができる。
【0004】
このような要求に対して、実公昭62−3517号公報に記載のブラインドでは、ヘッドボックスから独立操作可能な2系統のラダーコードを垂下し、これら2系統のラダーコードに取り付けた上下のスラット群をそれぞれ独立に操作することにより、採光する位置を鉛直方向に選択可能にしている。
【0005】
しかしながら、上記ブラインドでは2系統のラダーコードに上下のスラット群を取り付けて両者を独立に操作する構造を有しているため、採光部分と遮光部分との境界を必要に応じて変更できないという問題があった。すなわち、窓からの光によるコンピュータ画面の見え難さや窓越しに情報が漏洩する環境は、オフィスの設計や机の配置に応じて種々異なるので、採光部分と遮光部分との境界が固定されたブラインドでは個々のオフィスに合わせた理想的な採光を実現することは不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、採光する位置を鉛直方向に選択することを可能にし、しかも採光部分と遮光部分との境界を自由に設定可能にしたブラインド開閉制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のブラインド開閉制御装置は、複数本のラダーコードをヘッドボックスから鉛直方向に垂下し、これらラダーコードの横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラットを互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置であって、
前記ラダーコードに対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸と、前記ヘッドボックスの外部に装着されて前記引き糸を吊り下げる複数の吊下部材と、前記引き糸を前記吊下部材を介して引き上げた状態で係止する係止装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、ヘッドボックスに対して複数の吊下部材を装着し、これら吊下部材から吊り下げた複数本の引き糸をラダーコードに対して任意の高さ位置で連結する。そして、ラダーコードの操作によってブラインド全体としての開閉を行う一方で、前記引き糸の引き上げ操作によって任意の高さ位置より下側のスラットだけを部分的に開閉することにより、採光する位置を鉛直方向に選択することができる。また、引き糸の連結位置を変更すれば採光部分と遮光部分との境界を自由に設定することができる。しかも、このブラインド開閉制御装置は、既存のブラインドに対して容易に取り付けることができる。
【0009】
係止装置としては、底側ほど狭くなるV字状の溝部を有し、引き糸を溝部に挟み込んで係止するものが好ましく、特に、吊下部材の1つに連結されて引き糸の後端部を案内する筒部と、該筒部に付設されて底側ほど狭くなるV字状の溝部とを有し、引き糸を溝部に挟み込んで係止するものが好ましい。このような係止装置は、簡単な構造でありながら引き糸を確実に係止し、ブラインドの外観を損なうこともない。引き糸が独立した2系統の引き糸を含み、吊下部材がそれぞれ2系統の引き糸を吊り下げる場合、係止装置は2系統の引き糸を個別に係止するものであると良い。
【0010】
本発明では、引き糸の途中に、少なくとも互いに噛み合う雄ねじ部と雌ねじ部を含む中継部材を介在させると良い。このような中継部材は、引き糸の分割を可能にするためブラインドへの取り付け作業を容易にし、更には引き糸の長さの微調整を可能にする。
【0011】
また、本発明では、吊下部材から吊り下がる引き糸をスラットの幅方向外側に案内する上側ガイドプレートと、スラットの幅方向外側を通る引き糸をスラットの幅方向中央側に案内する下側ガイドプレートとを付属品として付加することが好ましい。一般に、スラットは昇降用コードを挿入するための開口部を備えているが、これら開口部内に引き糸を挿入した場合、その引き糸はラダーコードとの連結部において開口部からスラットの幅方向外側へ広がるようになり、引き上げ操作時にスラットの旋回動作を円滑にする。そこで、最上位のスラットに上側ガイドプレートを装着し、最上位のスラットより下側のスラットに下側ガイドプレートを装着し、スラットの幅方向外側を通る引き糸をスラットの幅方向中央側にいったん案内してからラダーコードに連結することで、開口部が存在しない部分においてもスラットの旋回動作を円滑にすることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態からなるブラインド開閉制御装置をブラインドに装着した状態を示すものである。このブラインド開閉制御装置は、図1に示すように、ヘッドボックス1から一対の縦糸と複数の横糸からなる複数本のラダーコード2を鉛直方向に垂下し、これらラダーコード2の横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラット3を互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置である。
【0014】
ヘッドボックス1には、ラダーコード2の一方の縦糸を巻き取ると同時に他方の縦糸を巻き解く不図示のドライブシャフトが軸支されている。このドライブシャフトはヘッドボックス1に設置された操作バー4を捻ることで回転するようになっている。そのため、操作バー4を一方向に捻ると、ラダーコード2の一方の縦糸が巻き取られ、他方の縦糸が巻き解かれるので、複数枚のスラット3は同時に水平軸廻りの同一方向に傾斜角度を変化させながら旋回することになる。
【0015】
各スラット3にはラダーコード2の近傍位置にそれぞれ開口部3aが設けられており、この開口部3a内にヘッドボックス1から下方に延長する昇降用コード5が挿入されている。昇降用コード5の先端はラダーコード2の先端と共にボトムレール6に接続されている。一方、昇降用コード5の後端部はストッパー7を介してヘッドボックス1の外側に引き出されている。そのため、昇降用コード5を操作することでスラット3をボトムレール6と共にヘッドボックス1側に引き上げることができる。
【0016】
ヘッドボックス1の外部には、概ねL字状に成形された3個の吊下部材11A,11B,11Cがそれぞれラダーコード2に対応する位置に装着されている。これら吊下部材11A〜11Cは、ヘッドボックス1に対して、接着剤で接着しても良く、ネジで固定しても良く、或いは、裏面に粘着剤を付着させた面ファスナーを介して貼り付けても良い。吊下部材の設置数は、特に限定されるものではなく、スラットの長さ等に応じて適宜選択すれば良い。
【0017】
吊下部材11A〜11Cは、それぞれ2系統の引き糸12X,12Yを吊り下げている。これら2系統の引き糸12X,12Yの先端はラダーコード2に対して任意の高さ位置で連結される。また、2系統の引き糸12X,12Yは吊下部材11A〜11Cを介して引き上げられ、その状態でそれぞれ後述する係止装置20によって係止される。
【0018】
次に、上記ブラインド開閉制御装置の細部について図2〜図13を用いて説明する。図2及び図3は図1のA部を示し、図4及び図5は図1のB部を示し、図6及び図7は図1のC部を示し、図8及び図9は図1のD部を示し、図10は図1のE部を示すものである。また、図11及び図12は引き糸の係止装置を示し、図13は引き糸の中継部材を示すものである。
【0019】
図2〜図5に示すように、吊下部材11Aはガイドピン13を備え、このガイドピン13に引き糸12X,12Yが掛け回されている。吊下部材11Aから吊り下がる引き糸12X,12Yは、各スラット3の開口部3aを通り、ラダーコード2の縦糸に対して任意の高さ位置で連結されている。これら引き糸12X,12Yはラダーコード2への連結部においてリング14によって束ねられている。また、引き糸12X,12Yの先端にはそれぞれ弾性力に基づいてラダーコード2を挟み込むコイル状のクリップ15が取り付けられている。そのため、引き糸12X,12Yはラダーコード2に対する連結位置を必要に応じて変更することができる。2系統の引き糸12X,12Yは、同一の高さ位置でラダーコード2に連結しても良く、或いは、互いに異なる高さ位置でラダーコード2に連結しても良い。また、引き糸12X,12Yのラダーコード2への連結手段は、上記クリップ15のように小型で強固な連結を可能にするものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0020】
図6〜図9に示すように、吊下部材11Bはガイドピン13を備え、このガイドピン13に引き糸12X,12Yが掛け回されている。吊下部材11Bから吊り下がる引き糸12X,12Yは、最上位のスラット3に装着された上側ガイドプレート16Aと、それより下側の任意のスラット3に装着された下側ガイドプレート16Bを介して、ラダーコード2の縦糸に対して任意の高さ位置で連結されている。上側ガイドプレート16Aは中央部にガイドピン17を備え、吊下部材11Bから吊り下がる引き糸12X,12Yをガイドピン17に掛け回してスラット3の幅方向外側に案内するようになっている。下側ガイドプレート16Bは中央部にガイドピン17を備え、スラット3の幅方向外側を通る引き糸12X,12Yをガイドピン17に掛け回してスラット3の幅方向中央側に案内するようになっている。ガイドプレート16A,16Bはいずれも上面側及び下面側にスラット3に対する係止爪18を備え、互いに共通の構造を有している。
【0021】
上記ガイドプレート16A,16Bを用いて引き糸12X,12Yをスラット3の幅方向中央側にいったん案内してからラダーコード2に連結した場合、図9に示すように、引き糸12X,12Yはラダーコード2との連結部においてスラット3の幅方向中央側から外側へ広がるようになり、引き上げ操作時にスラット3の旋回動作を円滑にする。
【0022】
図10に示すように、吊下部材11Cはガイドピン13とガイドフック19を備え、これらガイドピン13とガイドフック19に引き糸12X,12Yが掛け回されている。但し、図10は理解を容易にするために係止装置を取り除いた状態を示すものである。ガイドフック19を通る引き糸12X,12Yの一部はそのまま垂下され、残りは吊下部材11A,11Bに導かれる。吊下部材11Cから吊り下がる引き糸12X,12Yは、各スラット3の開口部3aを通り、ラダーコード2の縦糸に対して任意の高さ位置で連結される。
【0023】
図11に示すように、係止装置20は、吊下部材11Cのガイドピン13に連結されて引き糸12X,12Yの後端部を案内する筒部21と、該筒部21に付設されて底側ほど狭くなるV字状の溝部22とを有している。つまり、図12に示すように、筒部21の先端部には、引き糸12X,12Yを通すための2つの開口部23が形成され、その開口部23の近傍にV字状の溝部22が配置されている。そのため、引き糸12X,12Yを引っ張りながら溝部22に挿入すると、スラット3の自重によって戻ろうとする引き糸12X,12Yが溝部22に挟み込まれて係止される。なお、図11は引き糸12X,12Yを共に引っ張った状態を示すものである。
【0024】
このような係止装置11は、簡単な構造でありながら引き糸12X,12Yを確実に係止し、ブラインドの外観を損なうこともない。また、2系統の引き糸12X,12Yの後端部にはそれぞれつまみ24X,24Yが取り付けられているので、これら2系統の引き糸12X,12Yを個別に操作し、個別に係止することが可能である。
【0025】
引き糸12X,12Yの途中には、複数の中継部材25が介在し、これら中継部材25を介して引き糸12X,12Yが系統毎に束ねられている。図13に示すように、中継部材25は引き糸に繋がる左右の雄ねじ部26と中央の雌ねじ部27を含み、これら雄ねじ部26と雌ねじ部27とが互いに噛み合うようになっている。このような中継部材25は、引き糸12X,12Yの分割を可能にするためブラインドへの取り付け作業を容易にし、更には引き糸12X,12Yの長さの微調整を可能にする。この中継部材は1つの雄ねじ部と1つの雌ねじ部とを組み合わせたものであっても良い。
【0026】
上述のように構成されるブラインドを操作する場合、ストッパー7を解除して昇降用コード5を操作することによりボトムレール6を垂下させ、図1に示すように複数枚のスラット3を所定の間隔をおいて水平に配置する。そして、操作バー4の操作によって複数枚のスラット3を水平軸廻りに旋回させることにより、ブラインド全体としての開閉を行う。
【0027】
一方、ブラインドを部分的に開閉する場合、後付けされたブラインド開閉制御装置の引き糸12X,12Yを適宜操作すれば良い。例えば、ブラインドの上側部分を開けた状態にする一方で下側部分を閉めた状態にする場合、図14又は図15に示す操作を行う。即ち、図14(a)のようにブラインド全体を開けた状態にした後、図14(b)のように引き糸12Xを引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを閉めた状態にする。或いは、図15(a)のようにブラインド全体を開けた状態にした後、図15(b)のように引き糸12Yを引き上げることにより、引き糸12Yとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを閉めた状態にする。
【0028】
また、ブラインドの上側部分を閉めた状態にする一方で下側部分を開けた状態にする場合、図16又は図17に示す操作を行う。即ち、図16(a)のように引き糸12Xの連結部が下側になるようにスラット3を旋回させてブラインド全体を閉めた状態にした後、図16(b)のように引き糸12Xを引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを開けた状態にする。或いは、図17(a)のように引き糸12Yの連結部が下側になるようにスラット3を旋回させてブラインド全体を閉めた状態にした後、図17(b)のように引き糸12Yを引き上げることにより、引き糸12Yとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを開けた状態にする。
【0029】
上記引き糸12X,12Yは共にブラインドの部分的な開閉を可能にするのでいずれか一方を備えていれば良い。但し、本実施形態のように互いに異なる縦糸に連結した2系統の引き糸12X,12Yを設けた場合、部分開閉時におけるスラット3の傾斜方向を適切に設定することができる。例えば、図14〜図17において、ブラインドが図中の左側から日差しを受ける場合は図14と図17の操作を行うようにし、図中の右側から日差しを受ける場合は図15と図16の操作を行うようにすれば良い。
【0030】
上述のようにヘッドボックス1に対して複数の吊下部材11A〜11Cを装着し、これら吊下部材11A〜11Cから吊り下げた複数本の引き糸12X,12Yをラダーコード2に対して任意の高さ位置で連結するので、ラダーコード2の操作によってブラインド全体としての開閉を行う一方で、引き糸12X,12Yの引き上げ操作によってブラインドを部分的に開閉することができる。
【0031】
また、引き糸12X,12Yの下端はラダーコード2の縦糸に対して連結自在に構成されているので、その連結位置を変更するだけで採光部分と遮光部分との境界を自由に設定することができる。従って、オフィスの設計や机の配置等に基づいて採光部分と遮光部分を任意に選択することにより、光によってコンピュータ画面が見え難くなったり、窓越しに情報が漏洩するなどの不都合を回避しながら適度な光を採り入れることが可能になる。
【0032】
上記ブラインド開閉制御装置では、2系統の引き糸12X,12Yをラダーコード2の互いに異なる縦糸に対して互いに異なる高さ位置で連結することが可能である。この場合、更に複雑な開閉制御が可能になる。例えば、ブラインドの上側部分と下側部分を開けた状態にする一方で中央部分だけを閉めた状態にする場合、図18に示す操作を行う。即ち、図18(a)のようにブラインド全体を開けた状態にした後、図18(b)のように引き糸12X,12Yを共に引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置及び引き糸12Yとラダーコード2との連結位置の間のスラット3だけを閉めた状態にする。また、ブラインドの上側部分と下側部分を閉めた状態にする一方で中央部分だけを開けた状態にする場合、図19に示す操作を行う。即ち、図19(a)のようにブラインド全体を閉めた状態にした後、図19(b)のように引き糸12X,12Yを共に引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置及び引き糸12Yとラダーコード2との連結位置の間のスラット3だけを開けた状態にする。
【0033】
このように2系統の引き糸12X,12Yの下端をラダーコード2の互いに異なる縦糸に対して互いに異なる高さ位置で連結し、かつ2系統の引き糸12X,12Yを独立操作可能にした場合、オフィス等における部分遮光の要望に応じて採光部分と遮光部分との選択を更に複雑に行うことができる。勿論、採光部分と遮光部分の大きさは、引き糸12X,12Yのラダーコード2への連結位置に基づいて任意に設定することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数本のラダーコードをヘッドボックスから鉛直方向に垂下し、これらラダーコードの横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラットを互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御するために、ラダーコードに対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸と、ヘッドボックスの外部に装着されて前記引き糸を吊り下げる複数の吊下部材と、前記引き糸を前記吊下部材を介して引き上げた状態で係止する係止装置とを備えたブラインド開閉制御装置を設けたから、引き糸の引き上げ操作によって下側のスラットだけを部分的に開閉し、採光位置を鉛直方向に選択することができ、しかもオフィス等における要求に応じて採光部分と遮光部分との境界を自由に設定することができる。また、本発明のブラインド開閉制御装置は、既存のブラインドに対して容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるブラインド開閉制御装置をブラインドに装着した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のA部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図3】図1のA部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図4】図1のB部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図5】図1のB部を斜め上方から見た状態を示す斜視投影図である。
【図6】図1のC部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図7】図1のC部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図8】図1のD部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図9】図1のD部を斜め上方から見た状態を示す斜視投影図である。
【図10】図1のE部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図11】図1の係止装置を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図12】図1の係止装置の要部を斜視図である。
【図13】図1の中継部材を分解した状態を示す斜視図である。
【図14】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全開状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を開けたまま下側部分を閉めた状態を示す要部側面図である。
【図15】図1のブラインドの他の開閉操作を示すものであり、(a)は全開状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を開けたまま下側部分を閉めた状態を示す要部側面図である。
【図16】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全閉状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を閉めたまま下側部分を開けた状態を示す要部側面図である。
【図17】図1のブラインドの他の開閉操作を示すものであり、(a)は全閉状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を閉めたまま下側部分を開けた状態を示す要部側面図である。
【図18】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全開状態を示す要部側面図、(b)は上側部分と下側部分を開けたまま中央部分だけを閉めた状態を示す要部側面図である。
【図19】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全閉状態を示す要部側面図、(b)は上側部分と下側部分を閉めたまま中央部分だけを開けた状態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドボックス
2 ラダーコード
3 スラット
11A,11B,11C 吊下部材
12X,12Y 引き糸
16A 上側ガイドプレート
16B 下側ガイドプレート
20 係止装置
21 筒部
22 溝部
25 中継部材
26 雄ねじ部
27 雌ねじ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚のスラットを水平方向に保持した横型ブラインドの開閉状態を制御する装置に関し、さらに詳しくは、採光する位置を鉛直方向に選択することを可能にし、しかも採光部分と遮光部分との境界を自由に設定可能にしたブラインド開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の横型ブラインドは、窓枠上部に取り付けたヘッドボックスの左右からそれぞれラダーコードを鉛直方向に垂下し、これら左右一対のラダーコードによって水平方向に延長する複数枚のスラットを所定の間隔で互いに平行に保持し、この状態からラダーコードを操作することにより複数枚のスラットを同時に旋回させて開閉を行うようになっている。
【0003】
ところで、オフィス等において、窓からの光によってコンピュータ画面が見え難くなったり、或いは窓越しに情報が漏洩することを防止するために、採光する位置を鉛直方向に選択することが可能であれば、必要部分だけで採光しながら、それ以外の部分では遮光するという理想的な環境を実現することができる。
【0004】
このような要求に対して、実公昭62−3517号公報に記載のブラインドでは、ヘッドボックスから独立操作可能な2系統のラダーコードを垂下し、これら2系統のラダーコードに取り付けた上下のスラット群をそれぞれ独立に操作することにより、採光する位置を鉛直方向に選択可能にしている。
【0005】
しかしながら、上記ブラインドでは2系統のラダーコードに上下のスラット群を取り付けて両者を独立に操作する構造を有しているため、採光部分と遮光部分との境界を必要に応じて変更できないという問題があった。すなわち、窓からの光によるコンピュータ画面の見え難さや窓越しに情報が漏洩する環境は、オフィスの設計や机の配置に応じて種々異なるので、採光部分と遮光部分との境界が固定されたブラインドでは個々のオフィスに合わせた理想的な採光を実現することは不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、採光する位置を鉛直方向に選択することを可能にし、しかも採光部分と遮光部分との境界を自由に設定可能にしたブラインド開閉制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のブラインド開閉制御装置は、複数本のラダーコードをヘッドボックスから鉛直方向に垂下し、これらラダーコードの横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラットを互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置であって、
前記ラダーコードに対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸と、前記ヘッドボックスの外部に装着されて前記引き糸を吊り下げる複数の吊下部材と、前記引き糸を前記吊下部材を介して引き上げた状態で係止する係止装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、ヘッドボックスに対して複数の吊下部材を装着し、これら吊下部材から吊り下げた複数本の引き糸をラダーコードに対して任意の高さ位置で連結する。そして、ラダーコードの操作によってブラインド全体としての開閉を行う一方で、前記引き糸の引き上げ操作によって任意の高さ位置より下側のスラットだけを部分的に開閉することにより、採光する位置を鉛直方向に選択することができる。また、引き糸の連結位置を変更すれば採光部分と遮光部分との境界を自由に設定することができる。しかも、このブラインド開閉制御装置は、既存のブラインドに対して容易に取り付けることができる。
【0009】
係止装置としては、底側ほど狭くなるV字状の溝部を有し、引き糸を溝部に挟み込んで係止するものが好ましく、特に、吊下部材の1つに連結されて引き糸の後端部を案内する筒部と、該筒部に付設されて底側ほど狭くなるV字状の溝部とを有し、引き糸を溝部に挟み込んで係止するものが好ましい。このような係止装置は、簡単な構造でありながら引き糸を確実に係止し、ブラインドの外観を損なうこともない。引き糸が独立した2系統の引き糸を含み、吊下部材がそれぞれ2系統の引き糸を吊り下げる場合、係止装置は2系統の引き糸を個別に係止するものであると良い。
【0010】
本発明では、引き糸の途中に、少なくとも互いに噛み合う雄ねじ部と雌ねじ部を含む中継部材を介在させると良い。このような中継部材は、引き糸の分割を可能にするためブラインドへの取り付け作業を容易にし、更には引き糸の長さの微調整を可能にする。
【0011】
また、本発明では、吊下部材から吊り下がる引き糸をスラットの幅方向外側に案内する上側ガイドプレートと、スラットの幅方向外側を通る引き糸をスラットの幅方向中央側に案内する下側ガイドプレートとを付属品として付加することが好ましい。一般に、スラットは昇降用コードを挿入するための開口部を備えているが、これら開口部内に引き糸を挿入した場合、その引き糸はラダーコードとの連結部において開口部からスラットの幅方向外側へ広がるようになり、引き上げ操作時にスラットの旋回動作を円滑にする。そこで、最上位のスラットに上側ガイドプレートを装着し、最上位のスラットより下側のスラットに下側ガイドプレートを装着し、スラットの幅方向外側を通る引き糸をスラットの幅方向中央側にいったん案内してからラダーコードに連結することで、開口部が存在しない部分においてもスラットの旋回動作を円滑にすることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態からなるブラインド開閉制御装置をブラインドに装着した状態を示すものである。このブラインド開閉制御装置は、図1に示すように、ヘッドボックス1から一対の縦糸と複数の横糸からなる複数本のラダーコード2を鉛直方向に垂下し、これらラダーコード2の横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラット3を互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置である。
【0014】
ヘッドボックス1には、ラダーコード2の一方の縦糸を巻き取ると同時に他方の縦糸を巻き解く不図示のドライブシャフトが軸支されている。このドライブシャフトはヘッドボックス1に設置された操作バー4を捻ることで回転するようになっている。そのため、操作バー4を一方向に捻ると、ラダーコード2の一方の縦糸が巻き取られ、他方の縦糸が巻き解かれるので、複数枚のスラット3は同時に水平軸廻りの同一方向に傾斜角度を変化させながら旋回することになる。
【0015】
各スラット3にはラダーコード2の近傍位置にそれぞれ開口部3aが設けられており、この開口部3a内にヘッドボックス1から下方に延長する昇降用コード5が挿入されている。昇降用コード5の先端はラダーコード2の先端と共にボトムレール6に接続されている。一方、昇降用コード5の後端部はストッパー7を介してヘッドボックス1の外側に引き出されている。そのため、昇降用コード5を操作することでスラット3をボトムレール6と共にヘッドボックス1側に引き上げることができる。
【0016】
ヘッドボックス1の外部には、概ねL字状に成形された3個の吊下部材11A,11B,11Cがそれぞれラダーコード2に対応する位置に装着されている。これら吊下部材11A〜11Cは、ヘッドボックス1に対して、接着剤で接着しても良く、ネジで固定しても良く、或いは、裏面に粘着剤を付着させた面ファスナーを介して貼り付けても良い。吊下部材の設置数は、特に限定されるものではなく、スラットの長さ等に応じて適宜選択すれば良い。
【0017】
吊下部材11A〜11Cは、それぞれ2系統の引き糸12X,12Yを吊り下げている。これら2系統の引き糸12X,12Yの先端はラダーコード2に対して任意の高さ位置で連結される。また、2系統の引き糸12X,12Yは吊下部材11A〜11Cを介して引き上げられ、その状態でそれぞれ後述する係止装置20によって係止される。
【0018】
次に、上記ブラインド開閉制御装置の細部について図2〜図13を用いて説明する。図2及び図3は図1のA部を示し、図4及び図5は図1のB部を示し、図6及び図7は図1のC部を示し、図8及び図9は図1のD部を示し、図10は図1のE部を示すものである。また、図11及び図12は引き糸の係止装置を示し、図13は引き糸の中継部材を示すものである。
【0019】
図2〜図5に示すように、吊下部材11Aはガイドピン13を備え、このガイドピン13に引き糸12X,12Yが掛け回されている。吊下部材11Aから吊り下がる引き糸12X,12Yは、各スラット3の開口部3aを通り、ラダーコード2の縦糸に対して任意の高さ位置で連結されている。これら引き糸12X,12Yはラダーコード2への連結部においてリング14によって束ねられている。また、引き糸12X,12Yの先端にはそれぞれ弾性力に基づいてラダーコード2を挟み込むコイル状のクリップ15が取り付けられている。そのため、引き糸12X,12Yはラダーコード2に対する連結位置を必要に応じて変更することができる。2系統の引き糸12X,12Yは、同一の高さ位置でラダーコード2に連結しても良く、或いは、互いに異なる高さ位置でラダーコード2に連結しても良い。また、引き糸12X,12Yのラダーコード2への連結手段は、上記クリップ15のように小型で強固な連結を可能にするものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0020】
図6〜図9に示すように、吊下部材11Bはガイドピン13を備え、このガイドピン13に引き糸12X,12Yが掛け回されている。吊下部材11Bから吊り下がる引き糸12X,12Yは、最上位のスラット3に装着された上側ガイドプレート16Aと、それより下側の任意のスラット3に装着された下側ガイドプレート16Bを介して、ラダーコード2の縦糸に対して任意の高さ位置で連結されている。上側ガイドプレート16Aは中央部にガイドピン17を備え、吊下部材11Bから吊り下がる引き糸12X,12Yをガイドピン17に掛け回してスラット3の幅方向外側に案内するようになっている。下側ガイドプレート16Bは中央部にガイドピン17を備え、スラット3の幅方向外側を通る引き糸12X,12Yをガイドピン17に掛け回してスラット3の幅方向中央側に案内するようになっている。ガイドプレート16A,16Bはいずれも上面側及び下面側にスラット3に対する係止爪18を備え、互いに共通の構造を有している。
【0021】
上記ガイドプレート16A,16Bを用いて引き糸12X,12Yをスラット3の幅方向中央側にいったん案内してからラダーコード2に連結した場合、図9に示すように、引き糸12X,12Yはラダーコード2との連結部においてスラット3の幅方向中央側から外側へ広がるようになり、引き上げ操作時にスラット3の旋回動作を円滑にする。
【0022】
図10に示すように、吊下部材11Cはガイドピン13とガイドフック19を備え、これらガイドピン13とガイドフック19に引き糸12X,12Yが掛け回されている。但し、図10は理解を容易にするために係止装置を取り除いた状態を示すものである。ガイドフック19を通る引き糸12X,12Yの一部はそのまま垂下され、残りは吊下部材11A,11Bに導かれる。吊下部材11Cから吊り下がる引き糸12X,12Yは、各スラット3の開口部3aを通り、ラダーコード2の縦糸に対して任意の高さ位置で連結される。
【0023】
図11に示すように、係止装置20は、吊下部材11Cのガイドピン13に連結されて引き糸12X,12Yの後端部を案内する筒部21と、該筒部21に付設されて底側ほど狭くなるV字状の溝部22とを有している。つまり、図12に示すように、筒部21の先端部には、引き糸12X,12Yを通すための2つの開口部23が形成され、その開口部23の近傍にV字状の溝部22が配置されている。そのため、引き糸12X,12Yを引っ張りながら溝部22に挿入すると、スラット3の自重によって戻ろうとする引き糸12X,12Yが溝部22に挟み込まれて係止される。なお、図11は引き糸12X,12Yを共に引っ張った状態を示すものである。
【0024】
このような係止装置11は、簡単な構造でありながら引き糸12X,12Yを確実に係止し、ブラインドの外観を損なうこともない。また、2系統の引き糸12X,12Yの後端部にはそれぞれつまみ24X,24Yが取り付けられているので、これら2系統の引き糸12X,12Yを個別に操作し、個別に係止することが可能である。
【0025】
引き糸12X,12Yの途中には、複数の中継部材25が介在し、これら中継部材25を介して引き糸12X,12Yが系統毎に束ねられている。図13に示すように、中継部材25は引き糸に繋がる左右の雄ねじ部26と中央の雌ねじ部27を含み、これら雄ねじ部26と雌ねじ部27とが互いに噛み合うようになっている。このような中継部材25は、引き糸12X,12Yの分割を可能にするためブラインドへの取り付け作業を容易にし、更には引き糸12X,12Yの長さの微調整を可能にする。この中継部材は1つの雄ねじ部と1つの雌ねじ部とを組み合わせたものであっても良い。
【0026】
上述のように構成されるブラインドを操作する場合、ストッパー7を解除して昇降用コード5を操作することによりボトムレール6を垂下させ、図1に示すように複数枚のスラット3を所定の間隔をおいて水平に配置する。そして、操作バー4の操作によって複数枚のスラット3を水平軸廻りに旋回させることにより、ブラインド全体としての開閉を行う。
【0027】
一方、ブラインドを部分的に開閉する場合、後付けされたブラインド開閉制御装置の引き糸12X,12Yを適宜操作すれば良い。例えば、ブラインドの上側部分を開けた状態にする一方で下側部分を閉めた状態にする場合、図14又は図15に示す操作を行う。即ち、図14(a)のようにブラインド全体を開けた状態にした後、図14(b)のように引き糸12Xを引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを閉めた状態にする。或いは、図15(a)のようにブラインド全体を開けた状態にした後、図15(b)のように引き糸12Yを引き上げることにより、引き糸12Yとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを閉めた状態にする。
【0028】
また、ブラインドの上側部分を閉めた状態にする一方で下側部分を開けた状態にする場合、図16又は図17に示す操作を行う。即ち、図16(a)のように引き糸12Xの連結部が下側になるようにスラット3を旋回させてブラインド全体を閉めた状態にした後、図16(b)のように引き糸12Xを引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを開けた状態にする。或いは、図17(a)のように引き糸12Yの連結部が下側になるようにスラット3を旋回させてブラインド全体を閉めた状態にした後、図17(b)のように引き糸12Yを引き上げることにより、引き糸12Yとラダーコード2との連結位置より下側のスラット3だけを開けた状態にする。
【0029】
上記引き糸12X,12Yは共にブラインドの部分的な開閉を可能にするのでいずれか一方を備えていれば良い。但し、本実施形態のように互いに異なる縦糸に連結した2系統の引き糸12X,12Yを設けた場合、部分開閉時におけるスラット3の傾斜方向を適切に設定することができる。例えば、図14〜図17において、ブラインドが図中の左側から日差しを受ける場合は図14と図17の操作を行うようにし、図中の右側から日差しを受ける場合は図15と図16の操作を行うようにすれば良い。
【0030】
上述のようにヘッドボックス1に対して複数の吊下部材11A〜11Cを装着し、これら吊下部材11A〜11Cから吊り下げた複数本の引き糸12X,12Yをラダーコード2に対して任意の高さ位置で連結するので、ラダーコード2の操作によってブラインド全体としての開閉を行う一方で、引き糸12X,12Yの引き上げ操作によってブラインドを部分的に開閉することができる。
【0031】
また、引き糸12X,12Yの下端はラダーコード2の縦糸に対して連結自在に構成されているので、その連結位置を変更するだけで採光部分と遮光部分との境界を自由に設定することができる。従って、オフィスの設計や机の配置等に基づいて採光部分と遮光部分を任意に選択することにより、光によってコンピュータ画面が見え難くなったり、窓越しに情報が漏洩するなどの不都合を回避しながら適度な光を採り入れることが可能になる。
【0032】
上記ブラインド開閉制御装置では、2系統の引き糸12X,12Yをラダーコード2の互いに異なる縦糸に対して互いに異なる高さ位置で連結することが可能である。この場合、更に複雑な開閉制御が可能になる。例えば、ブラインドの上側部分と下側部分を開けた状態にする一方で中央部分だけを閉めた状態にする場合、図18に示す操作を行う。即ち、図18(a)のようにブラインド全体を開けた状態にした後、図18(b)のように引き糸12X,12Yを共に引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置及び引き糸12Yとラダーコード2との連結位置の間のスラット3だけを閉めた状態にする。また、ブラインドの上側部分と下側部分を閉めた状態にする一方で中央部分だけを開けた状態にする場合、図19に示す操作を行う。即ち、図19(a)のようにブラインド全体を閉めた状態にした後、図19(b)のように引き糸12X,12Yを共に引き上げることにより、引き糸12Xとラダーコード2との連結位置及び引き糸12Yとラダーコード2との連結位置の間のスラット3だけを開けた状態にする。
【0033】
このように2系統の引き糸12X,12Yの下端をラダーコード2の互いに異なる縦糸に対して互いに異なる高さ位置で連結し、かつ2系統の引き糸12X,12Yを独立操作可能にした場合、オフィス等における部分遮光の要望に応じて採光部分と遮光部分との選択を更に複雑に行うことができる。勿論、採光部分と遮光部分の大きさは、引き糸12X,12Yのラダーコード2への連結位置に基づいて任意に設定することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数本のラダーコードをヘッドボックスから鉛直方向に垂下し、これらラダーコードの横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラットを互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御するために、ラダーコードに対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸と、ヘッドボックスの外部に装着されて前記引き糸を吊り下げる複数の吊下部材と、前記引き糸を前記吊下部材を介して引き上げた状態で係止する係止装置とを備えたブラインド開閉制御装置を設けたから、引き糸の引き上げ操作によって下側のスラットだけを部分的に開閉し、採光位置を鉛直方向に選択することができ、しかもオフィス等における要求に応じて採光部分と遮光部分との境界を自由に設定することができる。また、本発明のブラインド開閉制御装置は、既存のブラインドに対して容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるブラインド開閉制御装置をブラインドに装着した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のA部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図3】図1のA部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図4】図1のB部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図5】図1のB部を斜め上方から見た状態を示す斜視投影図である。
【図6】図1のC部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図7】図1のC部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図8】図1のD部を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図9】図1のD部を斜め上方から見た状態を示す斜視投影図である。
【図10】図1のE部を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図11】図1の係止装置を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図12】図1の係止装置の要部を斜視図である。
【図13】図1の中継部材を分解した状態を示す斜視図である。
【図14】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全開状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を開けたまま下側部分を閉めた状態を示す要部側面図である。
【図15】図1のブラインドの他の開閉操作を示すものであり、(a)は全開状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を開けたまま下側部分を閉めた状態を示す要部側面図である。
【図16】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全閉状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を閉めたまま下側部分を開けた状態を示す要部側面図である。
【図17】図1のブラインドの他の開閉操作を示すものであり、(a)は全閉状態を示す要部側面図、(b)は上側部分を閉めたまま下側部分を開けた状態を示す要部側面図である。
【図18】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全開状態を示す要部側面図、(b)は上側部分と下側部分を開けたまま中央部分だけを閉めた状態を示す要部側面図である。
【図19】図1のブラインドの開閉操作を示すものであり、(a)は全閉状態を示す要部側面図、(b)は上側部分と下側部分を閉めたまま中央部分だけを開けた状態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドボックス
2 ラダーコード
3 スラット
11A,11B,11C 吊下部材
12X,12Y 引き糸
16A 上側ガイドプレート
16B 下側ガイドプレート
20 係止装置
21 筒部
22 溝部
25 中継部材
26 雄ねじ部
27 雌ねじ部
Claims (6)
- 複数本のラダーコードをヘッドボックスから鉛直方向に垂下し、これらラダーコードの横糸上に水平方向に延長する複数枚のスラットを互いに平行に保持したブラインドの開閉状態を制御する装置であって、
前記ラダーコードに対して任意の高さ位置で連結される複数本の引き糸と、前記ヘッドボックスの外部に装着されて前記引き糸を吊り下げる複数の吊下部材と、前記引き糸を前記吊下部材を介して引き上げた状態で係止する係止装置とを備えたブラインド開閉制御装置。 - 前記係止装置は、底側ほど狭くなるV字状の溝部を有し、前記引き糸を前記溝部に挟み込んで係止する請求項1に記載のブラインド開閉制御装置。
- 前記係止装置は、前記吊下部材の1つに連結されて前記引き糸の後端部を案内する筒部と、該筒部に付設されて底側ほど狭くなるV字状の溝部とを有し、前記引き糸を前記溝部に挟み込んで係止する請求項1に記載のブラインド開閉制御装置。
- 前記引き糸が独立した2系統の引き糸を含み、前記吊下部材がそれぞれ2系統の引き糸を吊り下げ、前記係止装置が2系統の引き糸を個別に係止する請求項1〜3のいずれかに記載のブラインド開閉制御装置。
- 前記引き糸の途中に、少なくとも互いに噛み合う雄ねじ部と雌ねじ部を含む中継部材を介在させた請求項1〜4のいずれかに記載のブラインド開閉制御装置。
- 前記吊下部材から吊り下がる引き糸を前記スラットの幅方向外側に案内する上側ガイドプレートと、前記スラットの幅方向外側を通る引き糸を前記スラットの幅方向中央側に案内する下側ガイドプレートとを備えた請求項1〜5のいずれかに記載のブラインド開閉制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002185721A JP2004027657A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | ブラインド開閉制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002185721A JP2004027657A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | ブラインド開閉制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004027657A true JP2004027657A (ja) | 2004-01-29 |
Family
ID=31181265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002185721A Pending JP2004027657A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | ブラインド開閉制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004027657A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006022532A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-26 | Tachikawa Blind Mfg Co Ltd | 日射遮蔽装置 |
JP2006241859A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Nichibei Co Ltd | ブラインド |
WO2015163417A1 (ja) * | 2014-04-25 | 2015-10-29 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
JP2016041868A (ja) * | 2014-08-18 | 2016-03-31 | 立川ブラインド工業株式会社 | 電動横型ブラインド及びプログラム |
JP2016141996A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
KR20160134115A (ko) * | 2015-05-14 | 2016-11-23 | (주)블라인드팩토리 | 영역별 블라인드 슬랫 조절 장치 |
JP2017044047A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド及びコード調整装置 |
JP2018066164A (ja) * | 2016-10-18 | 2018-04-26 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002185721A patent/JP2004027657A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006022532A (ja) * | 2004-07-07 | 2006-01-26 | Tachikawa Blind Mfg Co Ltd | 日射遮蔽装置 |
JP2006241859A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Nichibei Co Ltd | ブラインド |
JP4504842B2 (ja) * | 2005-03-03 | 2010-07-14 | 株式会社ニチベイ | ブラインド |
JPWO2015163417A1 (ja) * | 2014-04-25 | 2017-04-20 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
WO2015163417A1 (ja) * | 2014-04-25 | 2015-10-29 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
CN106232929A (zh) * | 2014-04-25 | 2016-12-14 | 立川窗饰工业株式会社 | 横式百叶窗 |
CN106232929B (zh) * | 2014-04-25 | 2019-12-27 | 立川窗饰工业株式会社 | 横式百叶窗 |
JP2016041868A (ja) * | 2014-08-18 | 2016-03-31 | 立川ブラインド工業株式会社 | 電動横型ブラインド及びプログラム |
JP2016141996A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
KR20160134115A (ko) * | 2015-05-14 | 2016-11-23 | (주)블라인드팩토리 | 영역별 블라인드 슬랫 조절 장치 |
KR101712142B1 (ko) * | 2015-05-14 | 2017-03-03 | (주)블라인드팩토리 | 영역별 블라인드 슬랫 조절 장치 |
JP2017044047A (ja) * | 2015-08-28 | 2017-03-02 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド及びコード調整装置 |
JP2018066164A (ja) * | 2016-10-18 | 2018-04-26 | 立川ブラインド工業株式会社 | 横型ブラインド |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100959028B1 (ko) | 제직물로 만들어진 블라인드지 및 그 블라인드지의 제조 방법 및 그 블라인드지를 적용한 블라인드 | |
US20100294438A1 (en) | Roman shade system | |
US4880044A (en) | Spacer devices | |
WO2016137045A1 (ko) | 롤 스크린을 갖는 다기능 이중 롤 블라인드 및 그에 사용되는 롤 스크린 | |
US20070235147A1 (en) | Roman or hobble shade | |
KR20180046770A (ko) | 횡방향 블라인드용 하단 웨이트장치 | |
JP6703026B2 (ja) | 横型ブラインド | |
US20070000618A1 (en) | Roman blind assembly | |
US6318439B1 (en) | Blind with portions selectable for introducing or shielding light | |
JP2004027657A (ja) | ブラインド開閉制御装置 | |
WO2014204059A1 (ko) | 코드줄 내장형 로만쉐이드 | |
JP3691373B2 (ja) | ブラインド | |
KR102555945B1 (ko) | 조망부를 갖춘 로만쉐이드 커튼 | |
JP2000337051A (ja) | ブラインド | |
JP4729271B2 (ja) | 日射遮蔽装置の遮蔽材操作装置 | |
JP2019082085A (ja) | 横型ブラインド | |
JP2004197311A (ja) | ブラインド開閉制御装置 | |
JP6837803B2 (ja) | 昇降コード位置調整機構および日射遮蔽装置 | |
JP2000002066A (ja) | ブラインドの開閉操作用紐 | |
JP6889584B2 (ja) | たくし上げシェード | |
KR20110004340A (ko) | 횡 방향부분 개폐가 가능한 블라인드 | |
JP7193995B2 (ja) | 遮蔽装置 | |
JP2019027176A (ja) | 日射遮蔽装置 | |
JPH10148073A (ja) | 引上げ式折畳カーテンに用いるピッチ保持コード及びそれを用いる引上げ式折畳カーテン装置 | |
JP4820496B2 (ja) | 日射遮蔽装置の遮蔽材昇降装置 |