JP2004027522A - 非開削推進工法による管路敷設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】張力が直接管路にかからず、管路が伸びたり、破断することなく、長距離敷設が可能な非開削推進工法による管路敷設方法を提供することにある。
【解決手段】合成樹脂製の管本体7の外側にテンションメンバー8を縦添えして一体化した管路5を、前記テンションメンバー8を牽引することにより、前記管路5を地中に引き込んで敷設することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】合成樹脂製の管本体7の外側にテンションメンバー8を縦添えして一体化した管路5を、前記テンションメンバー8を牽引することにより、前記管路5を地中に引き込んで敷設することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、電線、光ファイバー等の通信線配管、上下水道配管、ガス配管等の非開削推進工法による管路敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に、電線、光ファイバー等の通信線配管、上下水道配管、ガス配管等を敷設する方法として、例えば、特公昭58−38598号公報に示す、小径管の案内付埋設管工法やフローモール工法が知られている。
【0003】
特公昭58−38598号公報は、地上から到達孔と圧入孔を間隔を存して設け、到達孔に設置したボーリング機によって誘導管を回転しながら圧入孔まで挿通する。次に、誘導管の先端部に埋設管を案内する先導管を接続し、圧入孔に設置したジャッキによって順次埋設管を到達孔の方向に押し進め、地中に埋設管を敷設する工法である。
【0004】
また、フローモール工法は、図6に示すように、回転するドリルヘッドaの先端から水等の流体をジェット噴射しながら地中に進入し、ロッドbを継ぎ足しながら予め掘削しておいた到達立坑cまで掘り進める。次に、図7に示すように、到達立坑cでドリルヘッドaを取り外し、埋設する管路dの管径に合わせた拡径リーマeから再度、水等の流体をジェット噴射しながらロッドbに取付けた管路dを引き込んで、発進立抗fまで敷設する工法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭58−38598号公報のものは、圧入孔に設置したジャッキによって順次埋設管を到達孔の方向に押し進めて地中に埋設管を敷設する工法であり、剛性を有する埋設管でないと敷設することができない。
【0006】
また、フローモール工法は、埋設する管路として鋼管や樹脂管などの直管の短尺管が使われているが、短尺管を継ぎ足していかなければならず、施工が煩雑である。また、短尺管を接続する継手が引き込みによる引張り荷重に耐える必要があり、長距離の引き込みは困難である。さらに、短尺管が例えば、5mであれば、5m以上の長さを持つ到達立坑を設けなればれならず、施工場所が限られるという問題がある。
【0007】
また、最近ではこれらの問題を解決するために、管路としてポリエチレンや塩化ビニル等のプラスチック製の長尺管の採用が増えている。プラスチック製の長尺管は可撓性があり、施工現場には束巻き状態で納入され、これをロッドの先端に取付けて引き込む工法が採用されている。
【0008】
この工法によれば、短尺管の継ぎ足しのような継手接続が不要であり、到達立坑も小さくすることができる。また、プラスチック製の長尺管が波付け管であれば、直管の長尺管よりも可撓性に富んでおり、小半径で曲げても座屈しないため、小回りが良く、作業性に優れているとともに、到達立坑もさらに小さくすることができる。
【0009】
しかしながら、管路を長距離引き込む場合、管と土の摩擦により、管が伸ばされてしまい、強度低下が起こったり、最悪の場合には、管が破断することもある。特に、波付け管においては、土との摩擦が直管よりも大きくなるため、長距離敷設が難しいという問題がある。
【0010】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、管路を地中に引き込む際に、管路に直接張力が加わることがなく、敷設作業中に管路が伸びたり、破断することはなく、長距離敷設が可能な非開削推進工法による管路敷設方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えして一体化した管路を、前記テンションメンバーを牽引することにより、前記管路を地中に引き込んで敷設することを特徴とする非開削推進工法による管路敷設方法にある。
【0012】
請求項2は、合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えし、さらに外被を被せて一体化した管路を、前記テンションメンバーを牽引することにより、前記管路を地中に引き込んで敷設することを特徴とする非開削推進工法による管路敷設方法にある。
【0013】
請求項1及び2によれば、地中に引き込んで敷設する際、張力が直接管路にかからないため、管本体が伸びたり、破断することなく、長距離敷設が可能となる。テンションメンバーは、1本でもよいが、引き込み時のバランスを考えて複数本とすることが望ましい。また、テンションメンバーの材質は、鋼線、ステンレス線、FRP線など、引き込み張力に十分耐え得る強度であればよい。引き込み方法として、管路を1本だけでなく、数本まとめて敷設することも可能である。
【0014】
テンションメンバーの一体化の手段としては、外被を設ける方法が容易である。
【0015】
請求項3は、請求項2の前記管本体は、可撓性を有する波付け管で、外被が被せられていることを特徴とする。
【0016】
管本体に波付け管を用いれば、可撓性が良く小さい半径で曲げることができるため、到達立坑を小さくでき、掘削工事量を減少させることが可能で、スペースのない施工現場でも対応できる。さらに、波付け管を用いた場合に、平滑な外被を設ければ、引き込み時におこる土と管路表面の摩擦が軽減されるため、引き込み張力を小さくすることができる。
【0017】
さらに、外被の材質を管本体の材料よりも低密度の材料、例えば管本体を高密度ポリエチレン、外被を低密度ポリエチレンとすれば、外被が管本体よりも柔らかいため、管路の可撓性が損なわれず、望ましい。
【0018】
また、請求項4に記載したように、管本体に波付け管を用いた場合、波付け管の谷部と外被は融着や接着せず、空間が形成されていることが望ましい。管路を曲げた場合に、谷部分で外被が離間していれば、外被は容易に伸縮できるため、可撓性がよくなり、引き込み時に小さな曲げ半径をとることが可能となるため、到達立坑を小さくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図3は、非開削推進工法による管路敷設方法の第1の実施形態を示す。図1及び図2に示す、非開削推進工法では、まず、回転するドリルヘッド1の先端から水などの流体をジェット噴射しながら、地中にロッド2を進入させ、ロッド2を継ぎ足しながら、あらかじめ掘削しておいた到達立坑3まで堀進む。
【0021】
次に、到達立坑3でロッド2からドリルヘッド1を取り外し、代わりに、埋設する管径に合わせた拡径リーマー4をロッド2に取り付ける。そして拡径リーマー4から水などの流体をジェット噴射しながら、ロッド2を引き取る。このとき、拡径リーマー4の後方に管路5を取り付けておき、ロッド2を引き取ると同時に、管路5を地中に引き込み、発進立抗6まで敷設する。
【0022】
本発明の管路敷設方法では、管路5としては、図3に示すように、プラスチック製平滑管からなる管本体7の外側に複数本、本実施形態においては2本のテンションメンバー8を周方向に等間隔となるように縦添えし、外被9で覆い一体化したものを用いている。
【0023】
管本体7は、例えば、高密度ポリエチレン製の直管であり、テンションメンバー8としてはステンレス撚線、鋼線、FRP線など、引き込み張力に十分耐え得る強度であればよい。さらに、外被9は管本体7の材料よりも柔らかい低密度ポリエチレン製として管本体7の可撓性を損なわないことが望ましい。
【0024】
このように構成された管路5を地中に引き込むときには、ロッド2の端末にテンションメンバー8を接続し、テンションメンバー8を牽引する。この方法では、テンションメンバー8を牽引して管路5を地中に引き込むので、張力はテンションメンバー8にかかる。この結果、管路5と土の摩擦により管路5、特に管本体7が伸びたり、破断するのを防止できる。
【0025】
なお、この方法によれば、管路5を1本だけでなく、数本まとめて敷設することも可能である。
【0026】
図4及び図5は第2の実施形態を示し、管路5の可撓性をよくするため、管本体7には波付け管を用いることが望ましい。この場合、外被9の材質は、管本体7の材料よりも低密度の材料とすると良い。例えば管本体7を高密度ポリエチレン、外被9を低密度ポリエチレンとすれば、外被9が管本体7よりも柔らかいため、管路5の可撓性が損なわれない利点がある。
【0027】
ところで、波付け管では土との摩擦が大きくなるため、外被9を平滑に形成したものを用いることが望ましい。外被9を平滑に形成すると、摩擦を低減できる。
【0028】
また、管本体7に波付け管を用いた場合、波付け管の谷部7aと外被9は融着や接着せず、空間が形成されていることが望ましい。管路5を曲げた場合に、谷部分7aで外被9が離間していれば、外被9は容易に伸縮できるため、可撓性がよくなり、引き込み時に小さな曲げ半径をとることが可能となるため、到達立坑3を小さくすることができる。
【0029】
以上説明したように、非開削推進工法における管路敷設で、プラスチック製の管本体5の外側にテンションメンバー8を縦添えし一体化した管路5を、テンションメンバー8を牽引することによって、地中に引き込んで敷設すれば、張力が管本体7に加わらないため、管路5が破断したり、伸びたりすることなく、長距離敷設が可能となる。また、管本体7に波付け管を用いれば、可撓性がよく小さい半径で曲げることができるため、到達立坑3を小さくでき、掘削工事量を減少させることが可能で、スペースのない施工現場でも対応可能となる。また管本体7に波付け管を用いた場合でも、外被9を平滑にすれば、引き込み時におこる土と管路表面の摩擦が軽減されるため、引き込み張力を小さくすることができ、管が伸びにくく、長距離敷設が可能となる。
【0030】
〔実施例1〕 管本体として高密度ポリエチレンよりなる内径28mm、肉厚4mmの直管を使用し、テンションメンバーとして外径2mmのステンレス撚線(破断強度3.5kN)を2本、周方向に等間隔になるように管本体に縦添えし、その外周に外被として肉厚0.6mmの低密度ポリエチレンを被覆して、図3のような管路を製造した。この管路を、非開削推進工法で100m引き込み敷設したが、管路の伸びは1%であった。但し、管路の可撓性が悪いため、2mの長さを持つ到達立坑を設けた。
【0031】
〔実施例2〕 管本体として高密度ポリエチレンよりなる内径36mm、肉厚1mmの波付き管を使用し、この管本体にテンションメンバーとして外径2mmのステンレス撚線(破断強度3.5kN)を2本、周方向に等間隔になるように管本体に縦添えし、その外周に外被として肉厚0.6mmの低密度ポリエチレンを被覆して、図4及び図5のような管路を製造した。この管路を、非開削推進工法で100m引き込み敷設したが、管路の伸びは1%であった。管路の可撓性が良いので長さ1mの到達立坑で作業が容易にできた。
【0032】
〔比較例1〕 高密度ポリエチレンよりなる内径28mm、肉厚4mmの管路の先端にクリップを取付け、非開削推進工法で100m引き込み敷設したところ、管路が20%伸びた。また、到達立坑の長さは2m以上必要であった。
【0033】
〔比較例2〕 高密度ポリエチレンよりなる内径36mm、肉厚1mmの波付け管の先端にクリップを取付け、非開削推進工法で引き込み敷設したところ、60m引き込んだ際に管路が破断した。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、非開削推進工法における管路敷設方法で、合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えし、一体化した管路を、テンションメンバーを牽引することによって、地中に引き込んで敷設すれば、張力が直接管路にかからないため、管路が伸びたり、破断することなく、長距離敷設が可能となる。
【0035】
また、管本体に波付け管を用いれば、可撓性が良く小さい半径で曲げることができるため、到達立坑を小さくでき、掘削工事量を減少させることが可能で、スペースのない施工現場でも対応できる。
【0036】
さらに、波付け管を用いた場合に、平滑な外被を設ければ、引き込み時におこる土と管路表面の摩擦が軽減されるため、引き込み張力を小さくすることができ、管が伸びたりすることがなく、長距離敷設が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の非開削推進工法による管路敷設方法を示す説明図。
【図2】同実施形態の非開削推進工法による管路敷設方法を示す説明図。
【図3】同実施形態の管路の横断面図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示し、管路の要部の斜視図。
【図5】同実施形態の管路の要部の縦断側面図。
【図6】従来のフローモール工法を示す説明図。
【図7】従来のフローモール工法を示す説明図。
【符号の説明】
5…管路
7…管本体
8…テンションメンバー
9…外被
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、電線、光ファイバー等の通信線配管、上下水道配管、ガス配管等の非開削推進工法による管路敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に、電線、光ファイバー等の通信線配管、上下水道配管、ガス配管等を敷設する方法として、例えば、特公昭58−38598号公報に示す、小径管の案内付埋設管工法やフローモール工法が知られている。
【0003】
特公昭58−38598号公報は、地上から到達孔と圧入孔を間隔を存して設け、到達孔に設置したボーリング機によって誘導管を回転しながら圧入孔まで挿通する。次に、誘導管の先端部に埋設管を案内する先導管を接続し、圧入孔に設置したジャッキによって順次埋設管を到達孔の方向に押し進め、地中に埋設管を敷設する工法である。
【0004】
また、フローモール工法は、図6に示すように、回転するドリルヘッドaの先端から水等の流体をジェット噴射しながら地中に進入し、ロッドbを継ぎ足しながら予め掘削しておいた到達立坑cまで掘り進める。次に、図7に示すように、到達立坑cでドリルヘッドaを取り外し、埋設する管路dの管径に合わせた拡径リーマeから再度、水等の流体をジェット噴射しながらロッドbに取付けた管路dを引き込んで、発進立抗fまで敷設する工法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭58−38598号公報のものは、圧入孔に設置したジャッキによって順次埋設管を到達孔の方向に押し進めて地中に埋設管を敷設する工法であり、剛性を有する埋設管でないと敷設することができない。
【0006】
また、フローモール工法は、埋設する管路として鋼管や樹脂管などの直管の短尺管が使われているが、短尺管を継ぎ足していかなければならず、施工が煩雑である。また、短尺管を接続する継手が引き込みによる引張り荷重に耐える必要があり、長距離の引き込みは困難である。さらに、短尺管が例えば、5mであれば、5m以上の長さを持つ到達立坑を設けなればれならず、施工場所が限られるという問題がある。
【0007】
また、最近ではこれらの問題を解決するために、管路としてポリエチレンや塩化ビニル等のプラスチック製の長尺管の採用が増えている。プラスチック製の長尺管は可撓性があり、施工現場には束巻き状態で納入され、これをロッドの先端に取付けて引き込む工法が採用されている。
【0008】
この工法によれば、短尺管の継ぎ足しのような継手接続が不要であり、到達立坑も小さくすることができる。また、プラスチック製の長尺管が波付け管であれば、直管の長尺管よりも可撓性に富んでおり、小半径で曲げても座屈しないため、小回りが良く、作業性に優れているとともに、到達立坑もさらに小さくすることができる。
【0009】
しかしながら、管路を長距離引き込む場合、管と土の摩擦により、管が伸ばされてしまい、強度低下が起こったり、最悪の場合には、管が破断することもある。特に、波付け管においては、土との摩擦が直管よりも大きくなるため、長距離敷設が難しいという問題がある。
【0010】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、管路を地中に引き込む際に、管路に直接張力が加わることがなく、敷設作業中に管路が伸びたり、破断することはなく、長距離敷設が可能な非開削推進工法による管路敷設方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えして一体化した管路を、前記テンションメンバーを牽引することにより、前記管路を地中に引き込んで敷設することを特徴とする非開削推進工法による管路敷設方法にある。
【0012】
請求項2は、合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えし、さらに外被を被せて一体化した管路を、前記テンションメンバーを牽引することにより、前記管路を地中に引き込んで敷設することを特徴とする非開削推進工法による管路敷設方法にある。
【0013】
請求項1及び2によれば、地中に引き込んで敷設する際、張力が直接管路にかからないため、管本体が伸びたり、破断することなく、長距離敷設が可能となる。テンションメンバーは、1本でもよいが、引き込み時のバランスを考えて複数本とすることが望ましい。また、テンションメンバーの材質は、鋼線、ステンレス線、FRP線など、引き込み張力に十分耐え得る強度であればよい。引き込み方法として、管路を1本だけでなく、数本まとめて敷設することも可能である。
【0014】
テンションメンバーの一体化の手段としては、外被を設ける方法が容易である。
【0015】
請求項3は、請求項2の前記管本体は、可撓性を有する波付け管で、外被が被せられていることを特徴とする。
【0016】
管本体に波付け管を用いれば、可撓性が良く小さい半径で曲げることができるため、到達立坑を小さくでき、掘削工事量を減少させることが可能で、スペースのない施工現場でも対応できる。さらに、波付け管を用いた場合に、平滑な外被を設ければ、引き込み時におこる土と管路表面の摩擦が軽減されるため、引き込み張力を小さくすることができる。
【0017】
さらに、外被の材質を管本体の材料よりも低密度の材料、例えば管本体を高密度ポリエチレン、外被を低密度ポリエチレンとすれば、外被が管本体よりも柔らかいため、管路の可撓性が損なわれず、望ましい。
【0018】
また、請求項4に記載したように、管本体に波付け管を用いた場合、波付け管の谷部と外被は融着や接着せず、空間が形成されていることが望ましい。管路を曲げた場合に、谷部分で外被が離間していれば、外被は容易に伸縮できるため、可撓性がよくなり、引き込み時に小さな曲げ半径をとることが可能となるため、到達立坑を小さくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図3は、非開削推進工法による管路敷設方法の第1の実施形態を示す。図1及び図2に示す、非開削推進工法では、まず、回転するドリルヘッド1の先端から水などの流体をジェット噴射しながら、地中にロッド2を進入させ、ロッド2を継ぎ足しながら、あらかじめ掘削しておいた到達立坑3まで堀進む。
【0021】
次に、到達立坑3でロッド2からドリルヘッド1を取り外し、代わりに、埋設する管径に合わせた拡径リーマー4をロッド2に取り付ける。そして拡径リーマー4から水などの流体をジェット噴射しながら、ロッド2を引き取る。このとき、拡径リーマー4の後方に管路5を取り付けておき、ロッド2を引き取ると同時に、管路5を地中に引き込み、発進立抗6まで敷設する。
【0022】
本発明の管路敷設方法では、管路5としては、図3に示すように、プラスチック製平滑管からなる管本体7の外側に複数本、本実施形態においては2本のテンションメンバー8を周方向に等間隔となるように縦添えし、外被9で覆い一体化したものを用いている。
【0023】
管本体7は、例えば、高密度ポリエチレン製の直管であり、テンションメンバー8としてはステンレス撚線、鋼線、FRP線など、引き込み張力に十分耐え得る強度であればよい。さらに、外被9は管本体7の材料よりも柔らかい低密度ポリエチレン製として管本体7の可撓性を損なわないことが望ましい。
【0024】
このように構成された管路5を地中に引き込むときには、ロッド2の端末にテンションメンバー8を接続し、テンションメンバー8を牽引する。この方法では、テンションメンバー8を牽引して管路5を地中に引き込むので、張力はテンションメンバー8にかかる。この結果、管路5と土の摩擦により管路5、特に管本体7が伸びたり、破断するのを防止できる。
【0025】
なお、この方法によれば、管路5を1本だけでなく、数本まとめて敷設することも可能である。
【0026】
図4及び図5は第2の実施形態を示し、管路5の可撓性をよくするため、管本体7には波付け管を用いることが望ましい。この場合、外被9の材質は、管本体7の材料よりも低密度の材料とすると良い。例えば管本体7を高密度ポリエチレン、外被9を低密度ポリエチレンとすれば、外被9が管本体7よりも柔らかいため、管路5の可撓性が損なわれない利点がある。
【0027】
ところで、波付け管では土との摩擦が大きくなるため、外被9を平滑に形成したものを用いることが望ましい。外被9を平滑に形成すると、摩擦を低減できる。
【0028】
また、管本体7に波付け管を用いた場合、波付け管の谷部7aと外被9は融着や接着せず、空間が形成されていることが望ましい。管路5を曲げた場合に、谷部分7aで外被9が離間していれば、外被9は容易に伸縮できるため、可撓性がよくなり、引き込み時に小さな曲げ半径をとることが可能となるため、到達立坑3を小さくすることができる。
【0029】
以上説明したように、非開削推進工法における管路敷設で、プラスチック製の管本体5の外側にテンションメンバー8を縦添えし一体化した管路5を、テンションメンバー8を牽引することによって、地中に引き込んで敷設すれば、張力が管本体7に加わらないため、管路5が破断したり、伸びたりすることなく、長距離敷設が可能となる。また、管本体7に波付け管を用いれば、可撓性がよく小さい半径で曲げることができるため、到達立坑3を小さくでき、掘削工事量を減少させることが可能で、スペースのない施工現場でも対応可能となる。また管本体7に波付け管を用いた場合でも、外被9を平滑にすれば、引き込み時におこる土と管路表面の摩擦が軽減されるため、引き込み張力を小さくすることができ、管が伸びにくく、長距離敷設が可能となる。
【0030】
〔実施例1〕 管本体として高密度ポリエチレンよりなる内径28mm、肉厚4mmの直管を使用し、テンションメンバーとして外径2mmのステンレス撚線(破断強度3.5kN)を2本、周方向に等間隔になるように管本体に縦添えし、その外周に外被として肉厚0.6mmの低密度ポリエチレンを被覆して、図3のような管路を製造した。この管路を、非開削推進工法で100m引き込み敷設したが、管路の伸びは1%であった。但し、管路の可撓性が悪いため、2mの長さを持つ到達立坑を設けた。
【0031】
〔実施例2〕 管本体として高密度ポリエチレンよりなる内径36mm、肉厚1mmの波付き管を使用し、この管本体にテンションメンバーとして外径2mmのステンレス撚線(破断強度3.5kN)を2本、周方向に等間隔になるように管本体に縦添えし、その外周に外被として肉厚0.6mmの低密度ポリエチレンを被覆して、図4及び図5のような管路を製造した。この管路を、非開削推進工法で100m引き込み敷設したが、管路の伸びは1%であった。管路の可撓性が良いので長さ1mの到達立坑で作業が容易にできた。
【0032】
〔比較例1〕 高密度ポリエチレンよりなる内径28mm、肉厚4mmの管路の先端にクリップを取付け、非開削推進工法で100m引き込み敷設したところ、管路が20%伸びた。また、到達立坑の長さは2m以上必要であった。
【0033】
〔比較例2〕 高密度ポリエチレンよりなる内径36mm、肉厚1mmの波付け管の先端にクリップを取付け、非開削推進工法で引き込み敷設したところ、60m引き込んだ際に管路が破断した。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、非開削推進工法における管路敷設方法で、合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えし、一体化した管路を、テンションメンバーを牽引することによって、地中に引き込んで敷設すれば、張力が直接管路にかからないため、管路が伸びたり、破断することなく、長距離敷設が可能となる。
【0035】
また、管本体に波付け管を用いれば、可撓性が良く小さい半径で曲げることができるため、到達立坑を小さくでき、掘削工事量を減少させることが可能で、スペースのない施工現場でも対応できる。
【0036】
さらに、波付け管を用いた場合に、平滑な外被を設ければ、引き込み時におこる土と管路表面の摩擦が軽減されるため、引き込み張力を小さくすることができ、管が伸びたりすることがなく、長距離敷設が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の非開削推進工法による管路敷設方法を示す説明図。
【図2】同実施形態の非開削推進工法による管路敷設方法を示す説明図。
【図3】同実施形態の管路の横断面図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示し、管路の要部の斜視図。
【図5】同実施形態の管路の要部の縦断側面図。
【図6】従来のフローモール工法を示す説明図。
【図7】従来のフローモール工法を示す説明図。
【符号の説明】
5…管路
7…管本体
8…テンションメンバー
9…外被
Claims (4)
- 合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えして一体化した管路を、前記テンションメンバーを牽引することにより、前記管路を地中に引き込んで敷設することを特徴とする非開削推進工法による管路敷設方法。
- 合成樹脂製の管本体の外側にテンションメンバーを縦添えし、さらに外被を被せて一体化した管路を、前記テンションメンバーを牽引することにより、前記管路を地中に引き込んで敷設することを特徴とする非開削推進工法による管路敷設方法。
- 前記管本体は、可撓性を有する波付け管で、外被が被せられていることを特徴とする請求項2記載の非開削推進工法による管路敷設方法。
- 前記波付け管の谷部と前記外被とは離間していることを特徴とする請求項3記載の非開削推進工法による管路敷設方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002181778A JP2004027522A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 非開削推進工法による管路敷設方法 |
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JP2002181778A JP2004027522A (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 非開削推進工法による管路敷設方法 |
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JP2020204212A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 鹿島建設株式会社 | 線状体設置装置及び線状体設置方法 |
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2002
- 2002-06-21 JP JP2002181778A patent/JP2004027522A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020204212A (ja) * | 2019-06-18 | 2020-12-24 | 鹿島建設株式会社 | 線状体設置装置及び線状体設置方法 |
JP7209295B2 (ja) | 2019-06-18 | 2023-01-20 | 鹿島建設株式会社 | 線状体設置装置及び線状体設置方法 |
JP7425853B2 (ja) | 2019-06-18 | 2024-01-31 | 鹿島建設株式会社 | 線状体設置装置 |
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