JP2004027431A - 耐久性に優れるポリベンザゾール繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度80℃相対湿度80%雰囲気下で700時間暴露した後の引張強度保持率が85%以上であり、キセノン光照射100時間後の引張強度保持率が75%以上あること特徴とするポリベンザゾール繊維であって、具体的には、繊維中に鉱酸に溶解し、熱分解温度が200℃以上の高耐熱性の有機顔料で、好ましくはその分子構造中にーN=及び/又は−NH−基を有するもの、なかでもペリノン及び/又はペリレン類、フタロシアニン類、キナクリドン類、またはジオキサジン類を含んでいることを特徴とするポリベンザゾール繊維である。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温かつ高湿度下に暴露されたときに優れた耐久性を有するポリベンザゾール繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高強度、高耐熱性を有する繊維として、ポリベンゾオキサゾールもしくはポリベンゾチアゾールまたはこれらのコポリマーから構成されるポリベンザゾール繊維が知られている。
【0003】
通常、ポリベンザゾール繊維は、上記ポリマーやコポリマーと酸溶媒を含むドープを紡糸口金より押し出した後、凝固性流体(水、または水と無機酸の混合液)中に浸漬して凝固させ、さらに水洗浴中で徹底的に洗浄し大部分の溶媒を除去した後、水酸化ナトリウム等の無機塩基の水溶液槽を通り、糸中に抽出されずに残っている酸を中和した後、乾燥することによって得られる。
【0004】
この様にして製造されるポリベンザゾール繊維は上記に記載した通り、強度などの力学特性に優れ、かつ耐熱性も高いため、種々の用途に使用されているが、近年、さらに性能の向上が望まれており、特に、高温かつ高湿度下に長時間暴露された場合であっても強度を充分に維持することができるポリベンザゾール繊維が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的は、高温かつ高湿度下に長時間暴露されても強度低下の小さいポリベンザゾール繊維を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。熱分解温度が200℃以上の高耐熱性であり鉱酸に溶解する有機顔料で、好ましくはその分子構造中に−N=及び/又はNH−基を有するもの、なかでもペリノン及び/又はペリレン類、フタロシアニン類、キナクリドン類、またはジオキサジン類を糸中に含有せしめることにより、温度80℃相対湿度80%雰囲気下で700時間暴露した後の引張強度保持率が85%以上有すること、さらには、キセノン光100時間暴露後の強度保持率が75%以上有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の構成からなる。
1.温度80℃相対湿度80%雰囲気下で700時間暴露した後の引張強度保持率が85%以上あること特徴とするポリベンザゾール繊維。
2.キセノン光100時間暴露後の強度保持率が50%以上あること特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
3.熱分解温度が200℃以上の高耐熱性であり鉱酸に溶解する有機顔料を繊維中に含んでいることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
4.繊維中に含有される有機顔料がその分子構造中に−N=及び/又はNH−基を有することを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
5.繊維中に含有される有機顔料がペリノン及び/又はペリレン類であることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
6.繊維中に含有される有機顔料がフタロシアニン類であることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
7.繊維中に含有される有機顔料がキナクリドン類であることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
8.繊維中に含有される有機顔料がジオキサジン類であることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾール繊維。
以下、本発明を詳述する。
【0007】
本発明における熱分解温度が200℃以上の高耐熱性を有し鉱酸に溶解する有機顔料として不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、染色レーキ、イソインドリノン類、イソインドリン類、ジオキサジン類、ペリノン及び/又はペリレン類、フタロシアニン類、キナクリドン類等が挙げられる。その中でも分子内に−N=及び/又はNH−基を有するものが好ましく、より好ましくはジオキサジン類、ペリノン及び/又はペリレン類、フタロシアニン類、キナクリドン類である。
【0008】
ペリノン及び/又はペリレン類としては、ビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン、ビスベンズイミダゾ[2,1−b:1’、2’−j]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー6,9−ジオン、2,9−ビス(p−メトキシベンジル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ビス(p−エトキシベンジル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ビス(3,5−ジメチルベンジル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ビス(p−メトキシフェニル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ビス(p−エトキシフェニル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ビス(3,5−ジメチルフェニル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ジメチルアントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、2,9−ビス(4−フェニルアゾフェニル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリンー1,3,8,10(2H,9H)−テトロン、8,16−ピランスレンジオン等があげられる。
これらのペリノン類の1つまたは2つ以上の化合物の併用もあり得る。添加量はポリベンザゾールに対して0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜10%である。
【0009】
フタロシアニン類としては、フタロシアニン骨格を有していればその中心に配位する金属の有無および原子種は問わない。これらの化合物の具体例としては、29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅、29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32鉄、29H,31H−フタロシアニネート−N29,N30,N31,N32コバルト、29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅、オキソ(29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32),(SP−5−12)チタニウム等があげられる。また、これらのフタロシアニン骨格が1個以上のハロゲン原子、メチル基、メトキシ基等の置換基を有していてもよい。
これらのフタロシアニン類の1つまたは2つ以上の化合物の併用もあり得る。添加量はポリベンザゾールに対して0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜10%である。
【0010】
キナクリドン類としては、5,12−ジヒドロー2,9−ジメチルキノ[2,3−b]アクリジンー7,14−ジオン、5,12−ジヒドロキノ[2,3−b]アクリジンー7,14−ジオン、5,12−ジヒドロー2,9−ジクロロキノ[2,3−b]アクリジンー7,14−ジオン、5,12−ジヒドロー2,9−ジブロモキノ[2,3−b]アクリジンー7,14−ジオン等があげられる。
これらのキナクリドン類の1つまたは2つ以上の化合物の併用もあり得る。添加量はポリベンザゾールに対して0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜10%である。
【0011】
ジオキサジン類としては9,19−ジクロロ−5,15−ジエチル−5,15−ジヒドロジインドロ[2,3−c:2’,3’−n]トリフェノジオキサジン、8,18−ジクロロ−5,15−ジエチル−5,15−ジヒドロジインドロ[3,2−b:3’,2’−m]トリフェノジオキサジン等が挙げられる。これらのジオキサジン類の1つまたは2つ以上の化合物の併用もあり得る。添加量はポリベンザゾールに対して0.01%―20%、好ましくは0.1%―10%である。
【0012】
また、ペリレン類、ペリノン類、フタロシアニン類、キナクリドン類、およびジオキサジン類の2つまたは3つ以上の化合物の併用も可能である。
勿論本発明技術内容はこれらに限定されるものではない。
【0013】
本発明におけるポリベンザゾール繊維とは、ポリベンザゾールポリマーよりなる繊維をいい、ポリベンザゾール(PBZ)とは、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、またはポリベンズイミダゾール(PBI)から選ばれる1種以上のポリマーをいう。本発明においてPBOは芳香族基に結合されたオキサゾール環を含むポリマーをいい、その芳香族基は必ずしもベンゼン環である必要は無い。さらにPBOは、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)や芳香族基に結合された複数のオキサゾール環の単位からなるポリマーが広く含まれる。同様の考え方は、PBTやPBIにも適用される。また、PBO、PBT及び、またはPBIの混合物、PBO、PBT及びPBIのブロックもしくはランダムコポリマー等のような二つまたはそれ以上のポリベンザゾールポリマーの混合物、コポリマー、ブロックポリマーも含まれる。好ましくは、ポリベンザゾールは、鉱酸中、特定濃度で液晶を形成するライオトロピック液晶ポリマーである。
【0014】
PBZポリマーに含まれる構造単位としては、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択される。当該ポリマーは構造式 (a)〜(i)に記載されているモノマー単位から成る。
【化1】
【0015】
ポリベンザゾール繊維は、ポリベンザゾールポリマーの溶液(PBZポリマードープ)より製造されるが、当該ドープを調製するための好適な溶媒としては、クレゾールやそのポリマーを溶解しうる非酸化性の鉱酸が挙げられる。好適な非酸化性鉱酸の例としては、ポリリン酸、メタンスルホン酸および高濃度の硫酸あるいはそれらの混合物が挙げられる。その中でもポリリン酸及びメタンスルホン酸が、最も好ましくはポリリン酸である。
【0016】
ドープ中のポリマー濃度は、1〜30%、好ましくは1〜20%である。最大濃度は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際上の取り扱い性により限定される。それらの限界要因のために、ポリマー濃度は通常では20重量%を越えることはない。
【0017】
本発明において、好適なポリマーまたはコポリマーとドープは公知の方法で合成される。例えばWolfeらの米国特許第4,533,693号明細書(1985.8.6)、Sybertらの米国特許第4,772,678号明細書(1988.9.22)、Harrisの米国特許第4,847,350号明細書(1989.7.11)またはGregoryらの米国特許第5,089,591号明細書(1992.2.18)に記載されている。要約すると、好適なモノマーは非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気で高速撹拌及び高剪断条件のもと約60℃から230℃までの間で段階的または一定昇温速度で温度を上げることで反応させられる。
【0018】
このようにして得られるドープを紡糸口金から押し出し、空間で引き伸ばしてフィラメントに形成される。好適な製造法は先に述べた参考文献や米国特許第5,034,250号明細書に記載されている。紡糸口金を出たドープは紡糸口金と洗浄バス間の空間に入る。この空間は一般にエアギャップと呼ばれているが、空気である必要はない。この空間は、溶媒を除去すること無く、かつ、ドープと反応しない溶媒で満たされている必要があり、例えば空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
【0019】
紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避けるために洗浄され溶媒の一部が除去される。そして、更に洗浄され、適宜水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム等の無機塩基で中和され、ほとんどの溶媒は除去される。ここでいう洗浄とは、ポリベンザゾールポリマーを溶解している鉱酸に対し相溶性であり、ポリベンザゾールポリマーに対して溶媒とならない液体に繊維またはフィラメントを接触させ、ドープから酸溶媒を除去することである。好適な洗浄液体としては、水や水と酸溶媒との混合物がある。フィラメントは、好ましくは残留鉱酸濃度が8000ppm以下、更に好ましくは5000ppm以下に洗浄される。その後、フィラメントは、乾燥、熱処理、巻き取り等が必要に応じて行われる。
【0020】
本発明に係るポリベンザゾール繊維の第一の特徴は、有機顔料を含んでいることであり、これにより、温度80℃相対湿度80%雰囲気下で700時間暴露した後の引張強度保持率が85%以上を達成できる。ここでいう有機顔料は前述のごとく熱分解温度が200℃以上であり、鉱酸に溶解するものであり、好ましくはその分子構造中に−N=及び/又はNH−を有する顔料である。より好ましくは、ペリノン及び/又はペリレン類、フタロシアニン類、キナクリドン類、またはジオキサジン類である。また、鉱酸とは、メタンスルフォン酸またはポリリン酸である。
【0021】
これらの有機顔料を糸中に含有させる方法としては、特に限定されず、ポリベンザゾールの重合のいずれの段階または重合終了時のポリマードープの段階で含有させることができる。例えば、有機顔料をポリベンザゾールの原料を仕込む際に同時に仕込む方法、段階的または一定昇温速度で温度を上げて反応させている任意の時点で添加する方法、また、重合反応終了時に反応系中に添加し、撹拌混合する方法が好ましい。
【0022】
水洗後、50℃以上、通常300℃以下でフィラメントを乾燥することにより有機顔料を固定する。乾燥処理後の引っ張り強度保持率は、有機顔料を含有していないポリベンザゾール繊維に対して80%以上を有しており、乾燥処理によるポリマーへの悪影響は少ない。
【0023】
本発明に係るポリベンザゾール繊維の第二の特徴は、糸中での有機顔料が欠点となって繊維の初期強度が低下することも無く、良好に保持されることである。また、紡糸時の可紡性も良好であり、糸切れの無い良好な操業性が維持される。これは、添加した顔料が鉱酸に溶解するため、ポリマードープ中でも溶解しているためと推測される。有機顔料含有量が20%を超えるとフィラメント繊度の増加で初期の糸強度が低くなるため好ましくない。
【0024】
本発明に係るポリベンザゾール繊維の第三の特徴は、耐光性の向上である。通常、ポリベンザゾール繊維は、太陽光に長時間曝されるとその強度が低下することが知られている。例えば、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維の場合、キセノン光100時間照射により、その強度は初期強度に対して約15−30%まで低下する。これに対し、本発明の繊維中に高耐熱性有機顔料を含有せしめた繊維では、キセノン光100時間照射後の強度は初期強度に対して50%以上、好ましくは75%以上保持している。
【0025】
繊維内部における高耐熱性有機顔料の化学的な存在状態あるいはその作用については明確には分かっていない。高耐熱性有機顔料分子がポリベンザゾール繊維中のミクロボイド内に満たされているため、高温かつ高湿度下に長時間暴露されても外からの水蒸気がポリベンザゾール分子に到達しにくくなり強度低下が起こりにくくなるのか、あるいは、ポリベンザゾール繊維中に残留している鉱酸が水分により解離して放出した水素イオンを有機顔料が捕捉して系内を中性化することにより強度低下を抑制しているのか、あるいは、発達した共役系を有する高耐熱性有機顔料が繊維中で何らかの理由で発生したラジカルを捕捉して系内を安定化させているのか等が推定される。
【0026】
耐光性についても同様のことが言える。高耐熱性有機顔料の機能は、遮光効果により光照射が緩和されるのか、または、光照射により励起したポリベンザゾール分子を直ちに基底状態に戻すのか、あるいは、酸素分子との相互作用等により発生したラジカルを捕捉して系内を安定化させているのか等が推定されるが、本発明はこの考察に拘束されるものではない。
【0027】
【実施例】
以下に実例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。
【0028】
評価方法は、以下の通りである。
高温かつ高湿度下における強度低下の評価は、直径10cmの紙管に繊維を巻き付けた状態で恒温恒湿器中で高温かつ高湿度保管処理した後、サンプルを取り出し、室温にて引張試験を実施、処理前の強度に対する処理後の強度保持率で評価を行った。なお、高温高湿度下での保管試験にはヤマト科学社製Humidic Chamber 1G43Mを使用し、80℃、相対湿度80%の条件下にて700時間処理を実施した。
【0029】
糸強度測定:強度保持率は、高温高湿度保管前後の引張強度を測定し、高温高湿度保管試験後の引張強度を高温高湿度保管試験前の引張強度で除して求めた。なお、引張強度の測定は、JIS−L1013に準じて引張試験機(島津製作所製、型式AG−50KNG)を用いて測定した。
【0030】
金属濃度測定:フィラメント中の残留リン濃度は、試料をペレット状に固めて蛍光X線測定装置(フィリップスPW1404/DY685)を用いて測定し、ナトリウム濃度は中性子活性化分析法で測定した。
【0031】
光暴露試験:水冷キセノンアーク式ウェザーメーター(アトラス社製、形式Ci35A)を使用し、金属フレームにフィルムを固定して装置にセットし、内側フィルターガラスに石英、外側フィルターガラスにボロシリケート、タイプSを使用し、放射照度:0.35W/m2(at 340nm)、ブラックパネル温度:60℃±3℃、試験槽内湿度:50%±5%で100時間連続照射を行った。
【0032】
紡糸:フィラメント径が11.5μm、1.5デニールになるような条件で紡糸を行った。紡糸温度175℃で孔径180μm、孔数166のノズルからフィラメントを適当な位置で収束させてマルチフィラメントにするように配置された第1洗浄浴中に押し出した。紡糸ノズルと第1洗浄浴の間のエアギャップには、より均一な温度でフィラメントが引き伸ばされるようにクエンチチャンバーを設置した。エアギャップ長は30cmとした。60℃の空気中にフィラメントを紡出した。テークアップ速度を200m/分とし、紡糸延伸倍率を30とした。ポリベンザゾール繊維中の残留リン酸濃度が6000ppm以下になるまで水洗した。さらに、1%NaOH水溶液で10秒間中和した後30秒間水洗後、200℃で3分間乾燥して、糸を糸管に巻き取った。
【0033】
(実施例1)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。得られた30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が30dL/gのポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)ドープ2.0kgに29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅15.2gを添加して撹拌混合した。その後、前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0034】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた固有年度29dL/gのポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)ドープ2.0kgにビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン15.2gを添加して撹拌混合した。その後、前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0035】
(実施例3)
実施例1と同様にして得られた固有年度29dL/gのポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)ドープ2.0kgに9,19−ジクロロ−5,15−ジエチル−5,15−ジヒドロジインドロ[2,3−c:2’,3’−n]トリフェノジオキサジン15.2gを添加して撹拌混合した。その後、前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0036】
(実施例4)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,ビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0037】
(実施例5)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅19.4g,122%ポリリン酸2078.2を60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0038】
(実施例6)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,フタロシアニングリーン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0039】
(実施例7)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,5,12−ジヒドロ−2,9−ジメチルキノ[2,3−b]アクリジン−7,14−ジオン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が24dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0040】
(実施例8)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,ビスベンズイミダゾ[2,1−b:1’、2’−j]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー6,9−ジオン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0041】
(実施例9)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,2,9−ビス(p−メトキシベンジル)アントラ[2,1,9−def:6,5,10−d’e’f’]ジイソキノリン−1,3,8,10(2H,9H)−テトロン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0042】
(実施例10)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,5,12−ジヒドロキノ[2,3−b]アクリジン−7,14−ジオン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0043】
(実施例11)
窒素気流下、122%ポリリン酸2165.5g中に4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸252.7gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間反応せしめた。さらにこのオリゴマードープにテレフタル酸5.6gと29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅19.2gを116%ポリリン酸74.4gに添加した分散液を加えた後、170℃で5時間、200℃で10時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0044】
(実施例12)
窒素気流下、122%ポリリン酸2165.5g中に4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸252.7gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間反応せしめた。さらにこのオリゴマードープにテレフタル酸5.6gとビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン19.2gを116%ポリリン酸74.4gに添加した分散液を加えた後、170℃で5時間、200℃で10時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0045】
(実施例13)
窒素気流下、122%ポリリン酸2165.5g中に2,4−ジアミノレゾルシノール塩酸塩334.5g,テレフタル酸252.7gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間反応せしめた。さらにこのオリゴマードープにテレフタル酸5.6gの116%ポリリン酸74.4g中への分散液と3,3’−[(2−メチル−1,3−フェニレン)ジイミノ]ビス[4,5,6,7−テトラクロロ−1H−イソインドール−1−オン]19.2gの116%ポリリン酸76.8gの分散液を添加した後、170℃で5時間、200℃で10時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が27dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0046】
(実施例14)
窒素気流下、2,4−ジアミノレゾルシノール塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,8,16−ピランスレンジオン19.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0047】
(実施例15)
窒素気流下、122%ポリリン酸2165.5g中に2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール二塩酸塩384.9g,テレフタル酸252.7gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間反応せしめた。さらにこのオリゴマードープにテレフタル酸5.6gと29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅22.0gを116%ポリリン酸74.4gに添加した分散液を加えた後、170℃で5時間、200℃で5時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスチアゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0048】
(実施例16)
窒素気流下、116%ポリリン酸787.0gと五酸化二リン263gから調整したポリリン酸中に3−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸300.0gおよび29H,31H−フタロシアニネート(2−)−N29,N30,N31,N32銅12.1gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で5時間、200℃で5時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が12dL/gのポリベンゾオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0049】
(実施例17)
窒素気流下、116%ポリリン酸787.0gと五酸化二リン263gから調整したポリリン酸中に3−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸300.0gおよびフタロシアニングリーン12.1gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で5時間、200℃で5時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が11dL/gのポリベンゾオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0050】
(実施例18)
窒素気流下、116%ポリリン酸787.0gと五酸化二リン263gから調整したポリリン酸中に3−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸300.0gおよびビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン12.1gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で5時間、200℃で5時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が10dL/gのポリベンゾオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0051】
(実施例19)
窒素気流下、116%ポリリン酸787.0gと五酸化二リン263gから調整したポリリン酸中に3、4−ジアミノ安息香酸二塩酸塩440.9gおよびビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン8.1gを添加して60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して120℃で3.5時間、135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で5時間、200℃で5時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が9dL/gのポリベンゾイミダゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0052】
(比較例1)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。得られた30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が30dL/gのポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)ドープ2.0kgを用いて、前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0053】
(比較例2)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,サフラニン19.4g、122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめたところ、黒色で曳糸性の無いゴム状の塊になってしまい、紡糸できなかった。
【0054】
(比較例3)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,アニリンブラック19.4g、122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめたところ、黒色で曳糸性の無いゴム状の塊になってしまい、紡糸できなかった。
【0055】
(比較例4)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,ビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン50.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸を試みたが、紡糸ノズル直下での糸切れが頻発したため、紡糸できなかった。
【0056】
(比較例5)
窒素気流下、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩334.5g,テレフタル酸260.8g,ビスベンズイミダゾ[2,1−b:2’、1’−i]ベンゾ[lmn][3,8]フェナントロリンー8,17−ジオン3.4g,122%ポリリン酸2078.2gを60℃で30分間撹拌した後、ゆっくりと昇温して135℃で20時間、150℃で5時間、170℃で20時間反応せしめた。30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを前述の方法により紡糸した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験(80℃、80RH%)および光暴露試験を行った結果を表1に示す。
【0057】
以上の結果を表1にまとめる。表1より明らかなように、比較例と比べ、実施例のポリベンザゾール繊維は高温高湿度下に暴露した後およびキセノン光に暴露した後の強度保持率が非常に高いことがわかる。
【0058】
【表1】
【0059】
本発明によると、高温かつ高湿度下および光に長時間暴露された場合であっても強度を充分に維持することができるポリベンザゾール繊維を提供できるため、産業用資材として実用性を高め利用分野を拡大する効果が絶大である。即ち、ケーブル、電線や光ファイバー等のテンションメンバー、ロープ、等の緊張材、耐弾材等の耐衝撃用部材、手袋等の耐切創用部材、ベルト、タイヤ、靴底、ロープ、ホース、等のゴム補強材、等広範にわたる用途に使用可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明によると、高温高湿度条件および光照射下において高い耐久性を有するポリベンザゾール繊維を提供することを可能とした。
Claims (8)
- 温度80℃相対湿度80%雰囲気下で700時間暴露した後の引張強度保持率が85%以上あること特徴とするポリベンザゾール繊維。
- キセノン光100時間暴露後の強度保持率が50%以上あること特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
- 熱分解温度が200℃以上の高耐熱性であり鉱酸に溶解する有機顔料を繊維中に含んでいることを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
- 繊維中に含有される有機顔料がその分子構造中に−N=及び/又はNH−基を有することを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
- 繊維中に含有される有機顔料がペリノン及び/又はペリレン類であることを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
- 繊維中に含有される有機顔料がフタロシアニン類であることを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
- 繊維中に含有される有機顔料がキナクリドン類であることを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
- 繊維中に含有される有機顔料がジオキサジン類であることを特徴とする請求項1記載のポリベンザゾール繊維。
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