JP2004027427A - 合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、繊維長さ方向の線径斑が小さく、ひいては織物表面の平滑性を高くすることが可能な合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法の提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の合成樹脂モノフィラメントは、直接紡糸延伸法により得られた合成樹脂モノフィラメントであって、糸長300m中の線径斑が0.25%以下であり、その線径斑の波形をフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の合成樹脂モノフィラメントは、直接紡糸延伸法により得られた合成樹脂モノフィラメントであって、糸長300m中の線径斑が0.25%以下であり、その線径斑の波形をフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、従来よりも長さ方向の線径斑の改善され、特に抄紙用織物に代表される織物用途に適した合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業用織物、特に抄紙用織物分野では、製紙速度の高速化に伴い、ステンレスや青銅金などの金属繊維に替えて、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維が多く用いられるようになっている。そして、特に優れた線径精度や寸法安定性が要求される抄紙用織物には、ポリエステルモノフィラメントが多く用いられている。
【0003】
しかしながら、最近の抄紙用織物においては、織物表面の平滑性の向上に対する要求が益々厳しくなっていることから、そこで用いられるモノフィラメントには、繊維長さ方向の線径斑が小さいという特性が求められている。
【0004】
繊維長さ方向の線径斑が小さい延伸糸を得るための具体的方法として、特開昭48−56917号公報には、供給ローラー側のローラー表面粗度を最大粗さで0.4S以下にする方法が、また、特開平6−33334号公報には、供給ローラーと延伸ローラーの表面粗度を0.1S〜2.0Sの鏡面仕上げローラーとし、かつ両ローラー間の延伸糸条と供給ローラーの糸離れ点におけるローラー回転方向の接線とのなす角度を3°〜15°とする方法が提案されている。
【0005】
これらの従来方法は、いずれも延伸時のスリップを防止して、延伸点を固定することにより、繊維長さ方向の線径斑を小さくせんとするものであるが、これらの方法を用いてもなお、線径斑を十分な程度にまで解決するにはに至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、長さ方向の線径均一性が高く、特定の変動成分からなる線径斑が事実上存在せず、特に抄紙用織物に代表される織物用途に適した合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の合成樹脂モノフィラメントは、平均線径が100〜500μmである合成樹脂モノフィラメントであって、下記の方法により測定した糸長300m中の線径斑が0.25%以下であり、その線径斑の波形を下記の方法によりフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることを特徴とするものである。
【0008】
ただし、線径斑は、アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用し、モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定して、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータについて、マイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それら値から線径斑CV値を下記式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
【0009】
また、線径斑の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Ppfの測定に際しては、まず、上記モノフィラメントの長さ方向線径斑測定時に得られた線径データを、0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。このFFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0010】
【数5】
【0011】
式中、xk:線径(μm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、0<k、
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
【0012】
【数6】
【0013】
また、かかる合成樹脂モノフィラメントの製造方法は、合成樹脂を紡糸口金から溶融押出し、紡出糸条をただちに冷却媒体浴に導き冷却・固化した後、引取ローラーにより前記冷却媒体浴から引上げ、次いで冷却糸条を連続して延伸装置に導いて延伸、必要により熱セットすることによりモノフィラメントを製造するに際し、前記引取ローラーの下記の方法により測定した1分間当たりの軸回転変動率を0.08%以下とし、かつこの軸回転数変動率の波形をフーリエ解析した際の0.2Hz以上の周波数におけるスペクトルピーク強度Pprを0.025以下とすることを特徴とするものである。
【0014】
ただし、引取ローラーの軸回転変動率は、小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを引取ローラーの駆動軸に設置して、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから、表計算ソフトにより、平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
【0015】
また、ローラー軸回転数変動率の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Pprの測定に際しては、まず、上記ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データを0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0016】
【数7】
【0017】
式中、xk:ローラー回転数(rpm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、 0<k、n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
【0018】
【数8】
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、モノフィラメントの製造工程の各工程を見直し、モノフィラメントの長さ方向線径斑を生じる原因について、鋭意検討し、その結果、未延伸時に存在している長さ方向の線径斑が、延伸後の線径均一性に強く影響を与えることを見出した。すなわち、長さ方向の線径斑が小さいモノフィラメントを得るためには、未延伸糸の長さ方向の線径斑を小さくすることが特に重要であることを見出したのである。さらに、未延伸糸条の長さ方向線径斑を引き起こす主原因として、直接紡糸延伸法における引取ローラーの回転数変動が関係していることをつきとめた。
【0020】
そして、引取ローラーの回転数変動をさらに詳細に解析したところ、変動成分には特定の周期性を持たない(原因を特定できない)ノイズ的な変動成分と、ローラー系を構成するギア、回転軸などの回転に起因する周期性変動成分が含まれていることを突き止めた。さらには、ノイズ的、周期的それぞれの変動成分の和が引取ローラーの回転数変動として現れ、それは未延伸糸条の長さ方向の線径斑変動として転写され、ひいては延伸されたモノフィラメントの長さ方向の線径均一性を低下させていることを見出し、本発明に至ったものである。
【0021】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0022】
本発明の合成樹脂モノフィラメントは、主として直接紡糸延伸法により得られたものであり、その平均線径が100〜500μm、好ましくは150〜400μmの範囲にあるものである。
【0023】
本発明の合成樹脂モノフィラメントは、レーザー外径測定器により測定した糸長300m中の長さ方向の線径斑が0.25%以下であり、好ましくは0.23%以下、さらに好ましくは0.20%以下であり、従来公知の方法で得られた合成樹脂モノフィラメントに比較して、長さ方向の線径均一性が極めて高く、特定の変動成分からなる線径斑が事実上存在しないという優れた性能を有するものである。
【0024】
線径斑が0.25%を越える合成樹脂モノフィラメントは、例えば抄紙用の織物にした際に、織物表面の平滑性が低下し、この織物を使用して得られた紙の表面の平滑性も低下するという問題があったが、本発明の合成樹脂モノフィラメントによれば、そのような問題点をすべて解消することが可能である。
【0025】
なお、線径斑は、アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用し、モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定して、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータについて、マイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それらの値から線径斑CV値を下記式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
【0026】
また、本発明の合成樹脂モノフィラメントは、レーザー外径測定器により測定した糸長300m中の線径斑の波形をフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることをも特徴とするものである。
【0027】
つまり、引取ローラーの周期性回転数変動により未延伸糸条に発生した線径変動は、延伸され波長12.5(m)以下の周期性線径変動として観察される。波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1を超えると、例えばこのモノフィラメントを抄紙用の織物にした際に、織物表面に周期的な欠点を生じ、この織物を使用して得られた紙の表面にも周期的な欠点が発生するという問題があったが、本発明の合成樹脂モノフィラメントによれば、そのような問題点を解消することが可能である。
【0028】
なお、線径斑の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Ppfの測定に際しては、まず、上記モノフィラメントの長さ方向線径斑測定時に得られた線径データを、0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。このFFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる(フーリエ変換の理論については「技術者の数学1」初版[共立出版株式会社 共立全書516]に、FFT処理の手法については「光工学」初版[共立出版株式会社]に記載がある)。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0029】
【数9】
【0030】
式中、xk:線径(μm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、0<k、
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
【0031】
【数10】
【0032】
本発明のモノフィラメントを形成する合成樹脂については特に制限はなく、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル類またはその共重合体、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6/66共重合体などのポリアミド樹脂またはその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリイミドなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0033】
そして、本発明の合成樹脂モノフィラメントは、上記の優れた特性を生かして、工業用織物、特に抄紙用織物の経糸および/または緯糸に使用することにより、特に優れた織物表面の平滑性を得ることができる。
【0034】
次に、上記の特性を有する合成樹脂モノフィラメントの製造方法について説明する。
【0035】
本発明の合成樹脂モノフィラメントは、合成樹脂を紡糸口金から溶融押出し、紡出糸条をただちに冷却媒体浴に導き冷却・固化した後、引取ローラーにより前記冷却媒体浴から引上げ、次いで冷却糸条(未延伸糸条)を連続して延伸装置に導いて延伸、必要により熱セットすることからなる直接紡糸延伸法により製造される。
【0036】
上記の冷却媒体としては、通常水が一般的であるが、水以外のたとえばポリエチレングリコール、トリクロルエチレンおよびグリセリンなどの有機溶媒を使用することもできる。
【0037】
冷却媒体浴から引き上げられたられた未延伸糸条は、連続して延伸ローラーにより延伸装置に導かれ、1回ないしは数回の延伸を受けた後、必要に応じて熱セットされることにより製品となるが、延伸用の加熱媒体としては、温水、水蒸気、ポリエチレングリコールおよび加熱空気などを使用することができる。
【0038】
また、引取ローラーおよび延伸ローラーには多筒タイプのゴデットローラーが使用される。通常、引取ローラーの直径は100〜500mmである。
【0039】
ここで、本発明の長さ方向の線径斑が小さい合成樹脂モノフィラメントを得るためには、未延伸糸条の長さ方向の線径斑を小さくすることが特に重要である。未延伸糸条の線径斑は、紡糸口金から紡出された溶融糸条が冷却・固化された時点の線径斑であり、固化点近傍での糸条の速度変動に起因する溶融糸条の線径変動は、未延伸糸条の線径斑を引き起こすことになる。そして、その未延伸糸条の線径斑を引き起こす主原因には引取ローラーの回転数変動が関係していることが判明した。
【0040】
そこで、フーリエ解析を用いて引取ローラーの回転数変動をさらに詳細に解析したところ、変動成分には特定の周期性を持たない(原因を特定できない)ノイズ的な変動成分と、ローラー系を構成するギアや回転軸などの回転に起因する周期性変動成分が含まれていることが突き止められた。
【0041】
そのことから、本発明の合成樹脂モノフィラメントの製造方法においては、上記の方法により測定した1分間当たりのローラーの回転変動率を0.08%以下にする必要がある。引取ローラーの回転変動率が0.08%を越えると、ローラー回転変動における特定の周期性を持たないノイズ的な変動成分の影響により固化点の変動が大きくなり、未延伸糸条の線径斑が大きくなる。
【0042】
引取ローラーの軸回転変動率は、小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを引取ローラーの駆動軸に設置して、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから、表計算ソフトにより、平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
【0043】
一方、引取ローラーの軸回転数変動波形を、上記した方法によりフーリエ解析した際の0.2Hz以上の周波数におけるスペクトルピーク強度Pprが0.025以下であることも必要であり、好ましくは0.015以下、さらに好ましくは0.01以下である。ローラー軸回転数変動にスペクトルピーク強度Pprが0.025を超えるような周期性回転数変動が存在すると、ローラー駆動装置を構成するギアや回転軸などの回転に起因する周期性変動成分の影響により固化点の変動が大きくなり、未延伸糸条の線径斑が大きくなるため好ましくない。
【0044】
ローラー軸回転数変動率の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度 Pprの測定に際しては、まず、上記ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データを0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0045】
【数11】
【0046】
式中、xk:ローラー回転数(rpm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、 0<k、n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
【0047】
【数12】
【0048】
このような線径斑の大きい未延伸糸条からは、いかにその後均一に延伸しようとも、本発明の目的とするような長さ方向に均一性に優れた合成樹脂モノフィラメントを得ることはできない。
【0049】
上述したとおり、ローラー駆動系はモーター以外に多数のギア、軸および軸受けなどから構成されており、それら個々の回転精度バラツキの合計が最終的なローラーの回転変動として現れる。通常、市販のローラー駆動系には、本発明で要求するレベルの回転精度に対する配慮は行われておらず、本発明の要求に沿う回転精度の引取ローラーを得るためには、ギア歯面を浸炭焼入・焼戻し後の研削によりギアの寸法精度等級を上げてバックラッシを小さくする方法、回転軸の調整、軸受けの精度等級を上げる方法などの特別の調整を施すことが必要である。
【0050】
かくして、本発明の製造方法によれば、上記したように、長さ方向の線径均一性が極めて高く、特定の変動成分からなる線径斑が事実上存在しないという優れた性能を有する合成樹脂モノフィラメントを得ることができ、この合成樹脂モノフィラメントは、工業用織物、特に抄紙用織物の経糸および/または緯糸として極めて有用であり、かかる用途に使用することにより、表面平滑性が極めて優れた織物を得ることができる。
【0051】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0052】
まず、本実施例および比較例で行った各物性評価方法について説明する。
[平均線径]
アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用した。モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定し、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径Dを算出した。
[線径斑]
アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用した。モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定し、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それら値から線径斑CV値を式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
[モノフィラメントの長さ方向線径斑のフーリエ解析]
上記の長さ方向線径斑測定時に得られた線径データをパーソナルコンピュータに取り込んだ。データは0.1秒間隔で1024点サンプリングし、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。FFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる(フーリエ変換の理論については「技術者の数学1」初版[共立出版株式会社 共立全書516]に、FFT処理の手法については「光工学」初版[共立出版株式会社]に記載がある)。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0053】
【数13】
【0054】
式中、xk:線径(μm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、0<k、
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
【0055】
【数14】
【0056】
[引取ローラー軸回転変動率]
小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを使用した。引取ローラーの駆動軸にMP−810Bを設置し、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから表計算ソフトにより平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
[引取ローラー軸回転数変動のフーリエ解析]
上記の引取ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データをパーソナルコンピュータに取り込んだ。データは0.1秒間隔で1024点サンプリングし、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0057】
【数15】
【0058】
式中、xk:ローラー回転数(rpm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、 0<k、n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
【0059】
【数16】
【0060】
[固有粘度IV]
オストワルド粘度計を用いてオルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解した溶液の相対粘度ηr を25℃で測定し、近似式IV=0.0242ηr +0.2634によりIVを算出した。
【0061】
但し ηr =(t×d)/(t0 ×d0 )
t :溶液の落下時間(秒)
t0 :オルソクロロフェノールの落下時間(秒)
d :溶液の密度(g/cc)
d0 :オルソクロロフェノールの密度(g/cc)。
【0062】
[実施例1]
固有粘度1.05のポリエチレンテレフタレート(PET)を、直径40mmのエクストルーダー紡糸機により290℃で溶融し、口金から溶融押出した紡出糸条を直ちに75℃の冷却温水浴中に導いた。
【0063】
ここで、紡出糸条を引き取る際に使用する引取ローラーとしては、回転変動率が0.05%となるように回転軸調整、駆動ギアの研磨による高精度化、バックラッシの調整などを特別に施したものを使用した。なお、口金の1孔当たりの吐出量は6.7g/分であった。
【0064】
冷却後の未延伸糸条について、通常の延伸方法に従って5.0倍に延伸を行い、平均線径240μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0065】
このポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果とその時の紡糸条件を表1に示す。
【0066】
上記の方法により、線径斑0.16%、スペクトルピーク強度0.07のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントが得られた。
【0067】
[実施例2]
固有粘度1.05のポリエチレンテレフタレート(PET)を、直径40mmのエクストルーダー紡糸機により290℃で溶融し、口金から溶融押出した紡出糸条を直ちに75℃の冷却温水浴中に導いた。
【0068】
ここで、紡出糸条を引き取る際に使用する引取ローラーとしては、回転変動率が0.06%となるように回転軸調整、駆動ギアの研磨による高精度化、バックラッシの調整などを特別に施したものを使用した。なお、口金の1孔当たりの吐出量は8.45g/分であった。
【0069】
冷却後の未延伸糸条について、通常の延伸方法に従って5.3倍に延伸を行い、平均線径265μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0070】
このポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果と、その時の紡糸条件を表1に示す。
【0071】
上記の方法により、線径斑0.18%、スペクトルピーク強度0.08のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントが得られた。
【0072】
[比較例1]
特別な高精度化処理を施していない引取ローラー(軸回転変動率は0.12%であった)を用いた以外は、実施例1と同様にして直径240μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0073】
この際のモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果と、その時の紡糸条件を表1に併せて示す。
【0074】
上記の方法によれば、線径斑が0.35%と大きく、スペクトルピーク強度も0.19と大きいポリエチレンテレフタレートモノフィラメントしか得られなかった。
【0075】
[比較例2]
特別な高精度化処理を施していない他の引取ローラー(軸回転変動率は0.14%であった)を用いた以外は、実施例2と同様にして直径265μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0076】
この際のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果と、その時の紡糸条件を表1に併せて示す。
【0077】
上記の方法によれば、線径斑0.39%と大きく、スペクトルピーク強度も0.21と大きいポリエチレンテレフタレートモノフィラメントしか得られなかった。
【0078】
【表1】
【0079】
表1から明らかなように、実施例1、2により得られるモノフィラメントは、回転変動率に対して、比較例1、2により得られたモノフィラメントに比較して、長さ方向の線径均一性が極めて優れるものであることがわかる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、長さ方向の線径斑を改善でき、抄紙用織物などの平面平滑性に対する要求が高い工業用織物に使用できる合成樹脂モノフィラメントを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、従来よりも長さ方向の線径斑の改善され、特に抄紙用織物に代表される織物用途に適した合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業用織物、特に抄紙用織物分野では、製紙速度の高速化に伴い、ステンレスや青銅金などの金属繊維に替えて、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維が多く用いられるようになっている。そして、特に優れた線径精度や寸法安定性が要求される抄紙用織物には、ポリエステルモノフィラメントが多く用いられている。
【0003】
しかしながら、最近の抄紙用織物においては、織物表面の平滑性の向上に対する要求が益々厳しくなっていることから、そこで用いられるモノフィラメントには、繊維長さ方向の線径斑が小さいという特性が求められている。
【0004】
繊維長さ方向の線径斑が小さい延伸糸を得るための具体的方法として、特開昭48−56917号公報には、供給ローラー側のローラー表面粗度を最大粗さで0.4S以下にする方法が、また、特開平6−33334号公報には、供給ローラーと延伸ローラーの表面粗度を0.1S〜2.0Sの鏡面仕上げローラーとし、かつ両ローラー間の延伸糸条と供給ローラーの糸離れ点におけるローラー回転方向の接線とのなす角度を3°〜15°とする方法が提案されている。
【0005】
これらの従来方法は、いずれも延伸時のスリップを防止して、延伸点を固定することにより、繊維長さ方向の線径斑を小さくせんとするものであるが、これらの方法を用いてもなお、線径斑を十分な程度にまで解決するにはに至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、長さ方向の線径均一性が高く、特定の変動成分からなる線径斑が事実上存在せず、特に抄紙用織物に代表される織物用途に適した合成樹脂モノフィラメントおよびその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の合成樹脂モノフィラメントは、平均線径が100〜500μmである合成樹脂モノフィラメントであって、下記の方法により測定した糸長300m中の線径斑が0.25%以下であり、その線径斑の波形を下記の方法によりフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることを特徴とするものである。
【0008】
ただし、線径斑は、アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用し、モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定して、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータについて、マイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それら値から線径斑CV値を下記式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
【0009】
また、線径斑の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Ppfの測定に際しては、まず、上記モノフィラメントの長さ方向線径斑測定時に得られた線径データを、0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。このFFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0010】
【数5】
【0011】
式中、xk:線径(μm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、0<k、
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
【0012】
【数6】
【0013】
また、かかる合成樹脂モノフィラメントの製造方法は、合成樹脂を紡糸口金から溶融押出し、紡出糸条をただちに冷却媒体浴に導き冷却・固化した後、引取ローラーにより前記冷却媒体浴から引上げ、次いで冷却糸条を連続して延伸装置に導いて延伸、必要により熱セットすることによりモノフィラメントを製造するに際し、前記引取ローラーの下記の方法により測定した1分間当たりの軸回転変動率を0.08%以下とし、かつこの軸回転数変動率の波形をフーリエ解析した際の0.2Hz以上の周波数におけるスペクトルピーク強度Pprを0.025以下とすることを特徴とするものである。
【0014】
ただし、引取ローラーの軸回転変動率は、小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを引取ローラーの駆動軸に設置して、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから、表計算ソフトにより、平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
【0015】
また、ローラー軸回転数変動率の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Pprの測定に際しては、まず、上記ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データを0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0016】
【数7】
【0017】
式中、xk:ローラー回転数(rpm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、 0<k、n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
【0018】
【数8】
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、モノフィラメントの製造工程の各工程を見直し、モノフィラメントの長さ方向線径斑を生じる原因について、鋭意検討し、その結果、未延伸時に存在している長さ方向の線径斑が、延伸後の線径均一性に強く影響を与えることを見出した。すなわち、長さ方向の線径斑が小さいモノフィラメントを得るためには、未延伸糸の長さ方向の線径斑を小さくすることが特に重要であることを見出したのである。さらに、未延伸糸条の長さ方向線径斑を引き起こす主原因として、直接紡糸延伸法における引取ローラーの回転数変動が関係していることをつきとめた。
【0020】
そして、引取ローラーの回転数変動をさらに詳細に解析したところ、変動成分には特定の周期性を持たない(原因を特定できない)ノイズ的な変動成分と、ローラー系を構成するギア、回転軸などの回転に起因する周期性変動成分が含まれていることを突き止めた。さらには、ノイズ的、周期的それぞれの変動成分の和が引取ローラーの回転数変動として現れ、それは未延伸糸条の長さ方向の線径斑変動として転写され、ひいては延伸されたモノフィラメントの長さ方向の線径均一性を低下させていることを見出し、本発明に至ったものである。
【0021】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0022】
本発明の合成樹脂モノフィラメントは、主として直接紡糸延伸法により得られたものであり、その平均線径が100〜500μm、好ましくは150〜400μmの範囲にあるものである。
【0023】
本発明の合成樹脂モノフィラメントは、レーザー外径測定器により測定した糸長300m中の長さ方向の線径斑が0.25%以下であり、好ましくは0.23%以下、さらに好ましくは0.20%以下であり、従来公知の方法で得られた合成樹脂モノフィラメントに比較して、長さ方向の線径均一性が極めて高く、特定の変動成分からなる線径斑が事実上存在しないという優れた性能を有するものである。
【0024】
線径斑が0.25%を越える合成樹脂モノフィラメントは、例えば抄紙用の織物にした際に、織物表面の平滑性が低下し、この織物を使用して得られた紙の表面の平滑性も低下するという問題があったが、本発明の合成樹脂モノフィラメントによれば、そのような問題点をすべて解消することが可能である。
【0025】
なお、線径斑は、アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用し、モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定して、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータについて、マイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それらの値から線径斑CV値を下記式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
【0026】
また、本発明の合成樹脂モノフィラメントは、レーザー外径測定器により測定した糸長300m中の線径斑の波形をフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることをも特徴とするものである。
【0027】
つまり、引取ローラーの周期性回転数変動により未延伸糸条に発生した線径変動は、延伸され波長12.5(m)以下の周期性線径変動として観察される。波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1を超えると、例えばこのモノフィラメントを抄紙用の織物にした際に、織物表面に周期的な欠点を生じ、この織物を使用して得られた紙の表面にも周期的な欠点が発生するという問題があったが、本発明の合成樹脂モノフィラメントによれば、そのような問題点を解消することが可能である。
【0028】
なお、線径斑の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Ppfの測定に際しては、まず、上記モノフィラメントの長さ方向線径斑測定時に得られた線径データを、0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。このFFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる(フーリエ変換の理論については「技術者の数学1」初版[共立出版株式会社 共立全書516]に、FFT処理の手法については「光工学」初版[共立出版株式会社]に記載がある)。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0029】
【数9】
【0030】
式中、xk:線径(μm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、0<k、
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
【0031】
【数10】
【0032】
本発明のモノフィラメントを形成する合成樹脂については特に制限はなく、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル類またはその共重合体、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6/66共重合体などのポリアミド樹脂またはその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・フッ化ビニリデン共重合体などのフッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリイミドなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0033】
そして、本発明の合成樹脂モノフィラメントは、上記の優れた特性を生かして、工業用織物、特に抄紙用織物の経糸および/または緯糸に使用することにより、特に優れた織物表面の平滑性を得ることができる。
【0034】
次に、上記の特性を有する合成樹脂モノフィラメントの製造方法について説明する。
【0035】
本発明の合成樹脂モノフィラメントは、合成樹脂を紡糸口金から溶融押出し、紡出糸条をただちに冷却媒体浴に導き冷却・固化した後、引取ローラーにより前記冷却媒体浴から引上げ、次いで冷却糸条(未延伸糸条)を連続して延伸装置に導いて延伸、必要により熱セットすることからなる直接紡糸延伸法により製造される。
【0036】
上記の冷却媒体としては、通常水が一般的であるが、水以外のたとえばポリエチレングリコール、トリクロルエチレンおよびグリセリンなどの有機溶媒を使用することもできる。
【0037】
冷却媒体浴から引き上げられたられた未延伸糸条は、連続して延伸ローラーにより延伸装置に導かれ、1回ないしは数回の延伸を受けた後、必要に応じて熱セットされることにより製品となるが、延伸用の加熱媒体としては、温水、水蒸気、ポリエチレングリコールおよび加熱空気などを使用することができる。
【0038】
また、引取ローラーおよび延伸ローラーには多筒タイプのゴデットローラーが使用される。通常、引取ローラーの直径は100〜500mmである。
【0039】
ここで、本発明の長さ方向の線径斑が小さい合成樹脂モノフィラメントを得るためには、未延伸糸条の長さ方向の線径斑を小さくすることが特に重要である。未延伸糸条の線径斑は、紡糸口金から紡出された溶融糸条が冷却・固化された時点の線径斑であり、固化点近傍での糸条の速度変動に起因する溶融糸条の線径変動は、未延伸糸条の線径斑を引き起こすことになる。そして、その未延伸糸条の線径斑を引き起こす主原因には引取ローラーの回転数変動が関係していることが判明した。
【0040】
そこで、フーリエ解析を用いて引取ローラーの回転数変動をさらに詳細に解析したところ、変動成分には特定の周期性を持たない(原因を特定できない)ノイズ的な変動成分と、ローラー系を構成するギアや回転軸などの回転に起因する周期性変動成分が含まれていることが突き止められた。
【0041】
そのことから、本発明の合成樹脂モノフィラメントの製造方法においては、上記の方法により測定した1分間当たりのローラーの回転変動率を0.08%以下にする必要がある。引取ローラーの回転変動率が0.08%を越えると、ローラー回転変動における特定の周期性を持たないノイズ的な変動成分の影響により固化点の変動が大きくなり、未延伸糸条の線径斑が大きくなる。
【0042】
引取ローラーの軸回転変動率は、小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを引取ローラーの駆動軸に設置して、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから、表計算ソフトにより、平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
【0043】
一方、引取ローラーの軸回転数変動波形を、上記した方法によりフーリエ解析した際の0.2Hz以上の周波数におけるスペクトルピーク強度Pprが0.025以下であることも必要であり、好ましくは0.015以下、さらに好ましくは0.01以下である。ローラー軸回転数変動にスペクトルピーク強度Pprが0.025を超えるような周期性回転数変動が存在すると、ローラー駆動装置を構成するギアや回転軸などの回転に起因する周期性変動成分の影響により固化点の変動が大きくなり、未延伸糸条の線径斑が大きくなるため好ましくない。
【0044】
ローラー軸回転数変動率の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度 Pprの測定に際しては、まず、上記ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データを0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0045】
【数11】
【0046】
式中、xk:ローラー回転数(rpm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、 0<k、n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
【0047】
【数12】
【0048】
このような線径斑の大きい未延伸糸条からは、いかにその後均一に延伸しようとも、本発明の目的とするような長さ方向に均一性に優れた合成樹脂モノフィラメントを得ることはできない。
【0049】
上述したとおり、ローラー駆動系はモーター以外に多数のギア、軸および軸受けなどから構成されており、それら個々の回転精度バラツキの合計が最終的なローラーの回転変動として現れる。通常、市販のローラー駆動系には、本発明で要求するレベルの回転精度に対する配慮は行われておらず、本発明の要求に沿う回転精度の引取ローラーを得るためには、ギア歯面を浸炭焼入・焼戻し後の研削によりギアの寸法精度等級を上げてバックラッシを小さくする方法、回転軸の調整、軸受けの精度等級を上げる方法などの特別の調整を施すことが必要である。
【0050】
かくして、本発明の製造方法によれば、上記したように、長さ方向の線径均一性が極めて高く、特定の変動成分からなる線径斑が事実上存在しないという優れた性能を有する合成樹脂モノフィラメントを得ることができ、この合成樹脂モノフィラメントは、工業用織物、特に抄紙用織物の経糸および/または緯糸として極めて有用であり、かかる用途に使用することにより、表面平滑性が極めて優れた織物を得ることができる。
【0051】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0052】
まず、本実施例および比較例で行った各物性評価方法について説明する。
[平均線径]
アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用した。モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定し、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径Dを算出した。
[線径斑]
アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用した。モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定し、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それら値から線径斑CV値を式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
[モノフィラメントの長さ方向線径斑のフーリエ解析]
上記の長さ方向線径斑測定時に得られた線径データをパーソナルコンピュータに取り込んだ。データは0.1秒間隔で1024点サンプリングし、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。FFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる(フーリエ変換の理論については「技術者の数学1」初版[共立出版株式会社 共立全書516]に、FFT処理の手法については「光工学」初版[共立出版株式会社]に記載がある)。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0053】
【数13】
【0054】
式中、xk:線径(μm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、0<k、
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
【0055】
【数14】
【0056】
[引取ローラー軸回転変動率]
小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを使用した。引取ローラーの駆動軸にMP−810Bを設置し、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから表計算ソフトにより平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
[引取ローラー軸回転数変動のフーリエ解析]
上記の引取ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データをパーソナルコンピュータに取り込んだ。データは0.1秒間隔で1024点サンプリングし、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
【0057】
【数15】
【0058】
式中、xk:ローラー回転数(rpm)、Xn:フーリエ変換、j:虚数単位、 0<k、n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
【0059】
【数16】
【0060】
[固有粘度IV]
オストワルド粘度計を用いてオルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解した溶液の相対粘度ηr を25℃で測定し、近似式IV=0.0242ηr +0.2634によりIVを算出した。
【0061】
但し ηr =(t×d)/(t0 ×d0 )
t :溶液の落下時間(秒)
t0 :オルソクロロフェノールの落下時間(秒)
d :溶液の密度(g/cc)
d0 :オルソクロロフェノールの密度(g/cc)。
【0062】
[実施例1]
固有粘度1.05のポリエチレンテレフタレート(PET)を、直径40mmのエクストルーダー紡糸機により290℃で溶融し、口金から溶融押出した紡出糸条を直ちに75℃の冷却温水浴中に導いた。
【0063】
ここで、紡出糸条を引き取る際に使用する引取ローラーとしては、回転変動率が0.05%となるように回転軸調整、駆動ギアの研磨による高精度化、バックラッシの調整などを特別に施したものを使用した。なお、口金の1孔当たりの吐出量は6.7g/分であった。
【0064】
冷却後の未延伸糸条について、通常の延伸方法に従って5.0倍に延伸を行い、平均線径240μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0065】
このポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果とその時の紡糸条件を表1に示す。
【0066】
上記の方法により、線径斑0.16%、スペクトルピーク強度0.07のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントが得られた。
【0067】
[実施例2]
固有粘度1.05のポリエチレンテレフタレート(PET)を、直径40mmのエクストルーダー紡糸機により290℃で溶融し、口金から溶融押出した紡出糸条を直ちに75℃の冷却温水浴中に導いた。
【0068】
ここで、紡出糸条を引き取る際に使用する引取ローラーとしては、回転変動率が0.06%となるように回転軸調整、駆動ギアの研磨による高精度化、バックラッシの調整などを特別に施したものを使用した。なお、口金の1孔当たりの吐出量は8.45g/分であった。
【0069】
冷却後の未延伸糸条について、通常の延伸方法に従って5.3倍に延伸を行い、平均線径265μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0070】
このポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果と、その時の紡糸条件を表1に示す。
【0071】
上記の方法により、線径斑0.18%、スペクトルピーク強度0.08のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントが得られた。
【0072】
[比較例1]
特別な高精度化処理を施していない引取ローラー(軸回転変動率は0.12%であった)を用いた以外は、実施例1と同様にして直径240μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0073】
この際のモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果と、その時の紡糸条件を表1に併せて示す。
【0074】
上記の方法によれば、線径斑が0.35%と大きく、スペクトルピーク強度も0.19と大きいポリエチレンテレフタレートモノフィラメントしか得られなかった。
【0075】
[比較例2]
特別な高精度化処理を施していない他の引取ローラー(軸回転変動率は0.14%であった)を用いた以外は、実施例2と同様にして直径265μmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを得た。
【0076】
この際のポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの線径斑ならびに引取ローラーの回転変動を評価した結果と、その時の紡糸条件を表1に併せて示す。
【0077】
上記の方法によれば、線径斑0.39%と大きく、スペクトルピーク強度も0.21と大きいポリエチレンテレフタレートモノフィラメントしか得られなかった。
【0078】
【表1】
【0079】
表1から明らかなように、実施例1、2により得られるモノフィラメントは、回転変動率に対して、比較例1、2により得られたモノフィラメントに比較して、長さ方向の線径均一性が極めて優れるものであることがわかる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、長さ方向の線径斑を改善でき、抄紙用織物などの平面平滑性に対する要求が高い工業用織物に使用できる合成樹脂モノフィラメントを提供することができる。
Claims (2)
- 平均線径が100〜500μmである合成樹脂モノフィラメントであって、下記の方法により測定した糸長300m中の線径斑が0.25%以下であり、その線径斑の波形を下記の方法によりフーリエ解析した際に得られる周波数から換算した波長12.5(m)以下のスペクトルピーク強度Ppfが0.1以下であることを特徴とする合成樹脂モノフィラメント。
ただし、線径斑は、アンリツ(株)製レーザー外径測定器KL−151Aを使用し、モノフィラメント試料300mを150m/分の速度で測定して、KL−151Aのアナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした1200点のデータについて、マイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」により平均線径D、標準偏差σd を算出し、それらの値から線径斑CV値を下記式CV=σd /D×100で求め、百分率で表した。
また、線径斑の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Ppfの測定に際しては、まず、上記モノフィラメントの長さ方向線径斑測定時に得られた線径データを、0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。このFFT処理により、周波数(Hz)に対する強度分布が得られる。さらに、得られた周波数を変動成分の波長(m)に変換する(1÷周波数(Hz)×150m/分÷60秒/分)ことで、線径斑を形成する変動成分の波長に対する強度分布が得られる。ここで、取り込んだデータに下記式(I)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
n<N−1、N=1024
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pf は下記式(II)で表すことができる。
- 合成樹脂を紡糸口金から溶融押出し、紡出糸条をただちに冷却媒体浴に導き冷却・固化した後、引取ローラーにより前記冷却媒体浴から引上げ、次いで冷却糸条を連続して延伸装置に導いて延伸、必要により熱セットすることによりモノフィラメントを製造するに際し、前記引取ローラーの下記の方法により測定した1分間当たりの軸回転変動率を0.08%以下とし、かつこの軸回転数変動率の波形をフーリエ解析した際の0.2Hz以上の周波数におけるスペクトルピーク強度Pprを0.025以下とすることを特徴とするモノフィラメントの製造方法。
ただし、引取ローラーの軸回転変動率は、小野測器(株)製電磁式回転検出器MP−810Bを引取ローラーの駆動軸に設置して、ローラー軸回転速度変動を1分間測定し、アナログ出力電圧をキーエンス(株)製データ収集器NR−1000により測定周期0.1秒でサンプリングした。サンプリングした600点のデータから、表計算ソフトにより、平均線径V、標準偏差σv を算出し、それら値から回転変動率CV値を式CV=σv /V×100で求め、百分率で表した。
また、ローラー軸回転数変動率の波形のフーリエ解析によるスペクトルピーク強度Pprの測定に際しては、まず、上記ローラー軸回転数変動定と同様の方法で得られた線径データを0.1秒間隔で1024点サンプリングし、パーソナルコンピュータに取り込んだ。次に、取り込んだデータをマイクロソフト社製表計算ソフト「Excel」の高速フーリエ変換(FFT)機能により処理した。ここで、取り込んだデータに下記式(III)のようにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度を求めた。
そして、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、スペクトル強度Pr は下記式(IX)で表すことができる。
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-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002186145A patent/JP2004027427A/ja active Pending
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