JP2004026834A - ヒトのケラチン繊維の酸化染色組成物 - Google Patents

ヒトのケラチン繊維の酸化染色組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】様々な色調で明色化できると同時に、強い着色を得ることができ、更には不快な臭気と頭皮への刺激性が低減された染色組成物を提供する。
【解決手段】塩基性pHの化粧品的に許容可能な水系媒体中に、酸化染料とアルカリ化剤とを含有せしめたケラチン繊維の酸化染色組成物において、アルカリ化剤として、メタケイ酸アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムから選択されるメタケイ酸塩とアルカノールアミンとを組み合わせたものを用いる。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の主題は、塩基性pHの化粧品的に許容可能な水系媒体中に少なくとも1種の酸化染料と、少なくとも1種のメタケイ酸アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムと少なくとも1種のアルカノールアミンを含むアルカリ化剤とを含有するヒトのケラチン繊維、特に毛髪を酸化染色するための組成物、及びこの組成物を用いる染色方法である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
酸化染料を含む染色組成物でヒトのケラチン繊維、特に毛髪を染色することが知られている。酸化染料は酸化染料前駆物質とカップラーを含む。
一般に酸化ベース(oxidation bases)と呼ばれる酸化染料前駆物質は、酸化製品と組み合わされて、酸化縮合プロセスにより、着色した染料化合物を生じうる無色か弱く着色した化合物である。それらは特にオルト−又はパラ−フェニレンジアミン類、オルト−又はパラ−アミノフェノール類、あるいは複素環ベースである。
【0003】
これらの酸化ベースで得られる色調を、これらベースをカップラー又は調色剤と組み合わせることにより、変化させることができ、そのカップラーは特に芳香族メタ−ジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類及びある種の複素環化合物から選択される。
酸化ベースとカップラーに使用される様々な分子により、リッチな色調パレットを得ることが可能になる。
【0004】
酸化染色方法は、酸化ベース又は酸化ベースとカップラーの混合物を酸化剤、ほとんどの場合は過酸化水素と共に繊維に塗布し、それらを作用させた後、繊維をすすぐことからなる。塗布は、一般には塩基性pHで実施されるが、繊維の染色と同時に明るくすることを可能にし、その結果、実際には、元の色よりも明るい最終の着色を得ることができる。また、繊維を明るくすることはグレイの髪の場合には均一な色を生じ、天然に着色した色の場合には色を顕著にする、つまりより明白にするという有利な効果がある。
【0005】
毛髪の明色化(lightening)は明色化の度合い又はレベルを特徴づけるトーンの高さによって評価される。「トーン」という概念は自然の色の濃さ(natural shades)の分類に基づくもので、トーンは色の濃さをその直ぐ後のもの又はその直ぐ前のものから分ける。自然の色の濃さのこの定義と分類はヘアースタイリストにはよく知られており、書物「Sciences des traitements capillaires」[ヘアートリートメントのサイエンス], Charles ZVIAK, 1988, Masson編, p215−278で刊行されている。
トーンの高さは1(黒)から10(明るいブロンド)までの範囲で、1単位が1トーンに対応する;数字が高くなればなるほど、色調が明るくなる。
【0006】
繊維の十分な明色化と100%白である毛髪の被覆を可能にしなければならない明色化酸化染色技術は、これまでアンモニア水又はモノエタノールアミンあるいはモノエタノールアミンとアンモニア水の混合物をアルカリ化剤として使用していた。
しかし、誰もが知っているように、アンモニア水には、染料の塗布の際に不快な臭気を発するという大きな欠点がある。
モノエタノールアミンは、高濃度で使用すると、しばしばチクチクする痛みの形で頭皮に刺激を生じることがある。
【0007】
しかして、この主題について多くの研究を行った結果、本出願人は、アルカリ化剤として、少なくとも1種のメタケイ酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属又はアンモニウムと少なくとも1種のアルカノールアミンの混合物を使用すると、様々な色調で所望の明色化レベルと強い着色を得ると同時に不快な臭気と上記染料の頭皮の刺激の危険性を低減することが可能であることを発見した。
この発見が本発明の基礎をなしている。
【0008】
よって、本発明の第1の主題は、塩基性pHの化粧品的に許容可能な水系媒体中に少なくとも1種の酸化染料とアルカリ化剤を含有するヒトのケラチン繊維、より特定的には毛髪を酸化染色するための組成物において、アルカリ化剤が、メタケイ酸アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムから選択される少なくとも1種のメタケイ酸塩と少なくとも1種のアルカノールアミンの組み合わせであることを特徴とする組成物である。
本発明に係る染色組成物により、染色性を完全に維持しながら、臭気が少なく刺激性が少ない製品を処方し、通常用いられているアルカノールアミンの量を特に減少させることができる。
【0009】
本発明の主題はまた上記組成物を使用するヒトのケラチン繊維、より特定的には毛髪の酸化染色方法である。
本発明の他の主題は、上述の組成物と酸化組成物の混合物を含有する、ヒトのケラチン繊維、より特定的には毛髪を酸化染色するための使用準備が整った組成物である。
「使用準備が整った(ready−to−use)組成物」という表現は、本発明の目的に対しては、そのままケラチン繊維に塗布されることが意図された組成物、つまり、使用前にそのまま保管することができ、あるいは使用直前に二つの組成物を混合することによって生じうるものを意味する。
【0010】
アルカリ化剤
アルカリ化剤として使用される少なくとも1種のメタケイ酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属又はアンモニウムと少なくとも1種のアルカノールアミンの本発明の組み合わせにより、本発明の染色組成物のpHを7.2〜13、好ましくは8.5〜11.5に調整することができなければならない。
本発明において、上記組み合わせは、組成物の全重量に対して、活性物質として、
− およそ0.1〜6重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より特定的には1〜3重量%の一又は複数のメタケイ酸塩と、
− およそ0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜6重量%、より特定的には1〜5.5重量%の一又は複数のアルカノールアミンと
を含有する。
【0011】
本発明において使用することができるメタケイ酸塩は、メタケイ酸ナトリウム、カリウム又はアンモニウムから選択されうる。好ましくは、メタケイ酸ナトリウムが使用される。
メタケイ酸ナトリウム[NaSiO]は無水化合物であるが、5又は9分子の水を持つその水和した形態としても存在しうる。
アルカノールアミンは、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ジメチルアミノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール及びトリスヒドロキシメチルアミノメタンからなる群から選択されうる。
好ましくは、モノエタノールアミンが使用される。
無水メタケイ酸塩/アルカノールアミンの重量比は有利には0.01〜100、より特定的には0.1〜10、好ましくは0.2〜2からなる。
【0012】
媒体
本発明における染色のための化粧品的に許容可能な媒体は、水、又は水には十分に溶解しないかもしれない化合物を溶解させるための少なくとも1種の有機溶媒と水との混合物からなる。有機溶媒としては、例えばC−Cアルカノール類、例えばエタノール及びイソプロパノール;グリセロール;ポリオール類及びポリオールエーテル類、例えばプロピレングリコール、プロピレングリコールのモノメチルエーテル、ジエチレングリコールのモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル、並びに芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、その類似製品及び混合物を挙げることができる。
溶媒は、染色組成物の全重量に対して好ましくはおよそ1〜40重量%、更により好ましくはおよそ5〜30重量%の範囲の割合で存在しうる。
【0013】
酸化染料
本発明において使用できる酸化染料は酸化ベース及び/又はカップラーから選択される。
好ましくは、本発明に係る組成物は少なくとも1種の酸化ベースを含む。
酸化ベースは酸化染色において一般的に知られているものから選択され、その中でも特にオルト−及びパラ−フェニレンジアミン類、複ベース、オルト−及びパラ−アミノフェノール類、次の複素環ベース並びにその酸付加塩を挙げることができる。
【0014】
特に次のものを挙げることができる:
− 以下の式(I)のパラ−フェニレンジアミン類とその酸付加塩:
【化1】
Figure 2004026834
[ここで、
− Rは、水素原子、C−Cアルキル基、モノヒドロキシ(C−Cアルキル)基、ポリヒドロキシ(C−Cアルキル)基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基、4’−アミノフェニル基、フェニル基又は窒素含有基で置換されたC−Cアルキル基を表し;
− Rは、水素原子、C−Cアルキル基、モノヒドロキシ(C−Cアルキル)基、ポリヒドロキシ(C−Cアルキル)基、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基又は窒素含有基で置換されたC−Cアルキル基を表し;
− R及びRはまたそれを担持する窒素原子と共に一又は複数のアルキル、ヒドロキシル又はウレイド基で置換されていてもよい5員又は6員の窒素含有複素環を形成することができ;
− Rは、水素原子、ハロゲン原子、例えば塩素原子、C−Cアルキル基、スルホ基、カルボキシル基、モノヒドロキシ(C−Cアルキル)基、ヒドロキシ(C−Cアルコキシ)基、アセチルアミノ(C−Cアルコキシ)基、メシルアミノ(C−Cアルコキシ)基又はカルバモイルアミノ(C−Cアルコキシ)基を表し;
− Rは、水素又はハロゲン原子又はC−Cアルキル基を表す]。
【0015】
上述の式(I)の窒素含有基としては、特にアミノ、モノ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)トリアルキルアミノ、モノヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を挙げることができる。
上述した式(I)のパラ−フェニレンジアミン類としては、より特定的には、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−メチル−1−N−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、N−(4−アミノフェニル)−3−ヒドロキシ−ピロリジン、並びにその酸付加塩を挙げることができる。
【0016】
上述した式(I)のパラ−フェニレンジアミン類としては、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルイレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、及びその酸付加塩が最も好適である。
【0017】
− (II)本発明において、「複ベース(double bases)」は、アミノ及び/又はヒドロキシル基を担持する少なくとも2つの芳香環を含む化合物を意味するものと理解される。
本発明に係る染色組成物において酸化ベースとして使用することができる複ベースとしては、特に、以下の式(II):
【化2】
Figure 2004026834
[上式中、
− Z及びZは、同一でも異なっていてもよく、結合手Y又はC−Cアルキル基で置換されうるヒドロキシル又は−NH基を表し;
− 結合手Yは、一又は複数のヒドロキシル又はC−Cアルコキシ基で置換されていてもよく、一又は複数のへテロ原子、例えば酸素、硫黄又は窒素原子及び/又は一又は複数の窒素含有基が挿入されるか又はこれを末端に有していてもよい、1〜14の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキレン鎖を表し;
− R及びRは、水素又はハロゲン原子、C−Cアルキル基、モノヒドロキシ(C−Cアルキル)基、ポリヒドロキシ(C−Cアルキル)基、アミノ(C−C)アルキル基又は結合手Yを表し;
− R、R、R、R10、R11及びR12は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、結合手Y又はC−Cアルキル基を表し;
一分子当り単一の結合手Yのみを有すると理解されるもの]
に相当する化合物及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0018】
上述した式(II)の窒素含有基として、特に、アミノ、モノ(C−C)アルキルアミノ、(C−C)ジアルキルアミノ、(C−C)トリアルキルアミノ、モノヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ、イミダゾリニウム及びアンモニウム基を挙げることができる。
上述した式(II)の複ベースとしては、特に、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン、及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
これら式(II)の複ベースの中でも、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,5−ジオキサオクタン又はそれらの酸付加塩の1つが特に好ましい。
【0019】
− (III)次の式に相当するパラ−アミノフェノール類及びその酸付加塩:
【化3】
Figure 2004026834
[上式中、
− R13は、水素原子、又はフッ素のようなハロゲン原子、C−Cアルキル、モノヒドロキシ(C−Cアルキル)、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−Cアルキル)又はヒドロキシ(C−C)アルキルアミノ(C−Cアルキル)基を表し;
− R14は、水素原子、又はフッ素のようなハロゲン原子、C−Cアルキル、モノヒドロキシ(C−Cアルキル)、ポリヒドロキシ(C−Cアルキル)、アミノ(C−Cアルキル)、シアノ(C−Cアルキル)又は(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル基を表す]。
【0020】
上述した式(III)のパラ−アミノフェノール類としては、より特定的には、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシメチルフェノール、4−アミノ−2−メトキシメチルフェノール、4−アミノ−2−アミノメチルフェノール、4−アミノ−2−(β−ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0021】
− (IV)本発明において酸化ベースとして使用することができるオルト−アミノフェノール類は、特に、2−アミノフェノール、2−アミノ−1−ヒドロキシ−5−メチルベンゼン、2−アミノ−1−ヒドロキシ−6−メチルベンゼン、5−アセトアミド−2−アミノフェノール、及びそれらの酸付加塩から選択される。
− (V)本発明に係る染色組成物に酸化ベースとして使用することができる複素環ベースとしては、より特定的にはピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体及びその酸付加塩を挙げることができる。
【0022】
ピリジン誘導体としては、より特定的には、例えば英国特許第1026978号及び同第1153196号に開示されている化合物、例えば2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、2−(β−メトキシエチル)アミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン及び3,4−ジアミノピリジン、及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0023】
ピリミジン誘導体としては、より特定的には、独国特許第2359399号;日本国特許第88−169571号;同第91−10659号、又は国際公開第96/15765号に開示されている化合物、例えば2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノピリミジン、及び仏国特許出願公開第2750048号に記載されたもののようなピラゾロピリミジン誘導体、なかでも、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;2,5−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン;ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン;2,7−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,5−ジアミン;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール;3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オール;2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イルアミノ)エタノール、2−(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミノ)エタノール、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2−[(7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、5,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、2,5,N7,N7−テトラメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3,7−ジアミン、3−アミノ−5−メチル−7−イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、それらの酸付加塩及び互変異性平衡が存在する場合にはそれらの互変異性体及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
【0024】
ピラゾール誘導体としては、より特定的には、独国特許第3843892号、同第4133957号及び国際公開第94/08969号、同第94/08970号、仏国特許出願公開第2733749号及び独国特許出願第19543988号に開示されている化合物、例えば4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−tert−ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−tert−ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、及びそれらの酸付加塩を挙げることができる。
本発明において、酸化ベースは好ましくは組成物の全重量に対しておよそ0.0005〜12重量%、更により好ましくはこの重量のおよそ0.005〜8重量%を占める。
【0025】
本発明に係る染色組成物で使用できるカップラーは、酸化染色組成物に従来から用いられているもの、つまり、メタ−アミノフェノール類、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−ジフェノール類、ナフトール類及び複素環カップラー、例えばインドール誘導体、インドリン誘導体、セサモールとその誘導体、ピリジン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、ピラゾロン類、インダゾール類、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類、ベンゾオキサゾール類、1,3−ベンゾジオキソール類、キノリン類並びにその酸付加塩である。
【0026】
これらのカップラーは、より特定的には、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−メチル−5−アミノフェノール、5−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノフェノール、2−クロロ−3−アミノ−6−メチルフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、1−アミノ−2−メトキシ−4,5−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、6−ヒドロキシインドール、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、1−H−3−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、3,6−ジメチルピラゾロ[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール及びこれらの酸付加塩から選択される。
【0027】
存在する場合、これらのカップラーは、好ましくは組成物の全重量に対しておよそ0.0001〜10重量%、更により好ましくはおよそ0.005〜5重量%を占める。
一般に、酸化ベース及びカップラーの酸付加塩は、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選択される。
また、本発明に係る組成物は、上述の酸化染料に加えて、色調を光沢に富んだものにするための直接染料を含んでもよい。その場合、これらの直接染料は、組成物の全重量の約0.001〜20%、好ましくは0.01〜10%の割合の、特に中性、カチオン性又はアニオン性のニトロ、アゾ又はアントラキノン染料から選択されうる。
【0028】
アジュバント
本発明に係る染色組成物はまた染毛組成物において常套的に使用される様々なアジュバント、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤又はその混合物、脂肪アルコール、脂肪酸、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性ポリマー又はその混合物、無機又は有機増粘剤又は増粘ポリマー、例えば非イオン性グアーガム、少なくとも一の親水性単位と少なくとも一の脂肪鎖を含む、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の会合性ポリマー、酸化防止剤又は還元剤、浸透(penetrating)剤、EDTA及びエチドロン酸のような金属イオン封鎖剤、紫外線遮蔽剤、ロウ、香料、バッファー、分散剤、コンディショニング剤、例えば変性又は未変性で、揮発性又は非揮発性のシリコーン、皮膜形成剤、真珠光沢剤、防腐剤、セラミド、疑似セラミド、植物性、鉱物性又は合成油、ビタミン又はプロビタミン、例えばパンテノール、乳白剤等々を含有してもよい。
【0029】
好ましくは、本発明の染色組成物は約0.05〜10重量%の割合で少なくとも1種のポリマーを、また0.1〜20重量%の割合で、好ましくは非イオン性である少なくとも1種の界面活性剤を含む。
好ましくは、組成物はまた約0.05〜10重量%の割合で好ましくは会合性ポリマーから選択される少なくとも1種の増粘ポリマーを含む。
還元剤又は抗酸化剤は特に亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸及びチオ乳酸及びそのアンモニウムの塩、重亜硫酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、ホモゲンチジン酸から選択され、その場合、それらは組成物の全重量に対して一般に約0.05〜3重量%の範囲の量で存在する。
【0030】
本発明の染色組成物はまたアンモニア水を含んでいてもよい。より特定的には、染色組成物中のアンモニア水の量はせいぜい2重量%(20重量%のアンモニアガスの水溶液)である。
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の染色組成物に固有の有利な特性が、考えられる添加により悪影響を全く受けないか、実質的には受けないように留意して、これらの可能な更なる化合物を選択するであろう。
【0031】
本発明に係る染色方法は次の工程を含む:使用時に、上述し、従って本発明に係る7.2〜13の範囲の塩基性pHの化粧品的に許容可能な水系媒体中に少なくとも1種の酸化染料とメタケイ酸塩とアルカノールアミンの組み合わせを含有する染色組成物を酸化組成物と混合した後、得られた混合物をケラチン繊維に塗布し、およそ3〜50分、好ましくはおよそ5〜30分作用させ、その後にケラチン繊維をすすいで、シャンプーで洗浄し、再びすすいで乾燥させる。
酸化剤と混合する前の染色組成物は様々な形態、例えば液体、クリーム又はゲル形態で、場合によっては加圧されていてもよいもの、あるいは混合後にヒトのケラチン繊維、特に毛髪の染色を実施するのに適した任意の他の形態をとりうる。
【0032】
酸化剤
酸化組成物において、酸化剤は、過酸化水素及びその場で過酸化水素を放出可能な化合物、酸化還元酵素、例えばラッカーゼ、ペルオキシダーゼ及び2電子含有オキシドレダクターゼ(例えばウリカーゼ)で、適切な場合にはその供与体又はコファクターを伴うものから選択される。
過酸化水素の使用が特に好ましい。この酸化剤は有利にはその力価がより詳細には約1〜40容量、更により好ましくは約5〜40の範囲で変わりうる過酸化水素溶液からなる。
本発明の特に好適な実施態様では、染色組成物/酸化組成物の重量比は2/1〜1/6、好ましくは1/1〜1/3からなる。
【0033】
【実施例】
次の実施例は本発明を限定しないで例証するためのものである。
実施例1−3
次の染色組成物を調製した:(量は活性物質のグラム数で表したもの)
【表1】
Figure 2004026834
【0034】
使用時に、上述の各染色組成物を20容量(6重量%)の過酸化水素溶液と同重量で混合した。
このようにして調製された混合物を、90%白髪である天然の、又はパーマがかかったグレーの毛髪の束に、30分かけて塗布した。ついで毛髪の束をすすぎ、標準的なシャンプーで洗い、再びすすいだ後、乾燥させた。
これらの混合物は、満足できる塗布性を持つ従来のものよりも臭気が顕著に少ないことが観察された。
毛髪は実施例1〜3のそれぞれについて金色のブロンド色に染色された。
メタケイ酸ナトリウムを含んでおらず、より多い量のモノエタノールアミン(染色組成物の10重量%のオーダー)を含んでいる点を除くと同一の従来の組成物と比較した場合、組成物1〜3の染色性能は維持されていた。

Claims (25)

  1. 塩基性pHの化粧品的に許容可能な水系媒体中に少なくとも1種の酸化染料とアルカリ化剤を含有するヒトのケラチン繊維、より特定的には毛髪を酸化染色するための組成物において、アルカリ化剤が、メタケイ酸アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムから選択される少なくとも1種のメタケイ酸塩と少なくとも1種のアルカノールアミンの組み合わせであることを特徴とする組成物。
  2. メタケイ酸塩がメタケイ酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. アルカノールアミンが、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ジメチルアミノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール及びトリスヒドロキシメチルアミノメタンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
  4. アルカノールアミンがモノエタノールアミンであることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  5. アルカリ化剤が、組成物の全重量に対して、活性物質として、0.1〜6重量%のメタケイ酸塩を含有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の組成物。
  6. アルカリ化剤が、組成物の全重量に対して、活性物質として、0.5〜5重量%のメタケイ酸塩を含有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. アルカリ化剤が、組成物の全重量に対して、活性物質として、1〜3重量%のメタケイ酸塩を含有することを特徴とする請求項6に記載の組成物。
  8. アルカリ化剤が、組成物の全重量に対して、活性物質として、0.1〜8重量%のアルカノールアミンを含有することを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の組成物。
  9. アルカリ化剤が、組成物の全重量に対して、活性物質として、0.5〜6重量%のアルカノールアミンを含有することを特徴とする請求項8に記載の組成物。
  10. アルカリ化剤が、組成物の全重量に対して、活性物質として、1〜5.5重量%のアルカノールアミンを含有することを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  11. そのpHが7.2〜13であることを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載の組成物。
  12. そのpHが8.5〜11.5であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 酸化染料が酸化ベース及びカップラーから選択されることを特徴とする請求項1ないし12の何れか1項に記載の組成物。
  14. 少なくとも1種の酸化ベースを含有することを特徴とする請求項13に記載の組成物。
  15. 酸化ベースが、オルト−及びパラ−フェニレンジアミン類、複ベース、オルト−及びパラ−アミノフェノール類、複素環ベース並びにその酸付加塩から選択されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
  16. カップラーが、メタ−アミノフェノール類、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−ジフェノール類、ナフトール類、インドール誘導体、インドリン誘導体、セサモールとその誘導体、ピリジン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、ピラゾロン類、インダゾール類、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類、ベンゾオキサゾール類、1,3−ベンゾジオキソール類、キノリン類並びにその酸付加塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
  17. 酸化ベースとカップラーの酸付加塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選択されることを特徴とする請求項13ないし16の何れか1項に記載の組成物。
  18. 酸化ベースが、組成物の全重量に対して0.0005〜12重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする請求項13ないし15及び17の何れか1項に記載の組成物。
  19. カップラーが、組成物の全重量に対して0.0001〜10重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする請求項13、16及び17の何れか1項に記載の組成物。
  20. 化粧品的に許容可能な水系媒体が、少なくとも1種の有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1ないし19の何れか1項に記載の組成物。
  21. 有機溶媒が組成物の全重量に対して1〜40重量%の範囲の割合で存在することを特徴とする請求項20に記載の組成物。
  22. 組成物の全重量に対して、少なくとも1種のカチオン性ポリマーを0.05〜10重量%の割合で、かつ少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を0.1〜20重量%の割合で含むことを特徴とする請求項1ないし21の何れか1項に記載の組成物。
  23. 請求項1ないし22の何れか1項に記載の組成物と酸化組成物の混合物を含有することを特徴とする、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪を酸化染色するための使用準備が整った組成物。
  24. 酸化組成物が過酸化水素を含有することを特徴とする請求項23に記載の組成物。
  25. 請求項1ないし22の何れか1項に記載の染色組成物を、使用時に酸化組成物と混合し、得られた混合物を繊維に塗布し、3〜50分、好ましくは5〜30分、作用させた後、繊維をすすぎ、シャンプーで洗浄し、再びすすいで乾燥させることを特徴とし、上記酸化組成物が過酸化水素又はその位置で過酸化水素を放出可能な化合物あるいは酸化還元酵素を含有する、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪を染色する方法。
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