JP2004026656A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とパール顔料を含有することを特徴とする化粧料、好ましくは、結晶構造と透明性を有する無機物が、石英、合成石英、水晶、アメジスト、エメラルド、サファイア、ルビー、ガーネット、ルチルから選ばれ、それを粉砕して得られた無機粉末の平均一次粒子径が3〜20μmの範囲にあることを特徴とする上記の化粧料によって達成される。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とパール顔料を配合することで、小じわやキメを隠蔽し目立たなくする効果と肌のしみやくすみをぼかす効果に優れ、さらに自然なつやを有し、肌に近い質感の化粧塗膜が得られ、肌色がきれいに見え、感触にも優れることを特徴とする化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、透明性無機粉末を化粧料で利用する試みとしては宝石の微粉末を化粧料に配合することが行われている。例えば特表昭63−501362号公報には宝石の純粋粉末とキャリヤー材からなる装飾用の化粧用組成物が開示されている。しかしながら、同公報では宝石として透明性のあるエメラルドと不透明なトルコ石を同列に扱っており透明性に関心を払っていないこと、そして宝石自体の宝飾性を以って製品の付加価値を得ているため、光学的な特性については何も検討がされていないことが判る。また、特開平10−120520号公報では鉱物入りの化粧品が開示されているが、これも透明な石英と不透明なトルコ石を同列に扱っていること、その効果がマイルド感といった感触についてであり、光学的な特性については記載がないことが判る。また、ダイヤモンド粉末については従来多くの技術が開示されている。例えば特開平6−157263号公報には赤外線をカットする粉体としてダイヤモンド粉末やダイヤモンド被覆粉体の利用法が記載されている。これらの公報の記載内容をまとめると、結晶構造と透明性を有する無機粉末が可視光領域で光学的に優れた特徴を有することは見出されていないことが判る。
【0003】
一方、近年肌の色相トラブルやキメ、皺を自然に隠す方法の検討が盛んに行われている。シリコーンエラストマーはこの中でも効果的な素材であるが、製剤によっては配合できる量に限度があるため、無機粉末で効果的な素材の探求が行われている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明人らはこれらの問題に鑑み、その対策方法を鋭意検討してきたところ、水晶など一部の宝石に代表される透明性無機粉末が入射光を多方向に拡散させ小じわやキメの隠蔽効果と肌のしみやくすみのぼかし効果が得られること、そして化粧塗膜の厚み方向に段階的に光の散乱層が形成されることで光が段階的に拡散され、光学的に深みのある肌に近い質感の化粧塗膜が得られることを見出した。そして、この技術は既存のパール顔料と組み合わせて用いるとより効果的に発揮され、塗膜の彩度の向上や、塗膜が肌に近い自然なつやを有する質感を持つことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、第1の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とパール顔料を含有することを特徴とする化粧料である。
【0006】
第2の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末が、主として珪素、アルミニウム、酸素、クロムから選ばれる2種以上の元素を含むことを特徴とする上記の化粧料である。
【0007】
第3の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物が、石英、合成石英、水晶、アメジスト、エメラルド、サファイア、ルビー、ガーネット、ルチルから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の化粧料である。
【0008】
第4の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の平均一次粒子径が3〜20μmの範囲にあることを特徴とする上記の化粧料である。
【0009】
第5の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の形状が不定形または球形であることを特徴とする上記の化粧料である。
【0010】
第6の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末がさらに表面処理されていることを特徴とする上記の化粧料である。
【0011】
第7の本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の含有量が0.1〜50質量%の範囲にあることを特徴とする上記の化粧料である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とは、無機粉末であって、結晶構造を有しており、光学的に透明性の高いものを指す。本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末としては、主として珪素、アルミニウム、チタン、酸素、クロム、鉄、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウムから選ばれる2種以上の元素を含むことが好ましく、特に主として珪素、アルミニウム、酸素、クロムから選ばれる2種以上の元素を含むことが好ましい。結晶は単結晶体であっても多結晶体であっても構わない。本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末は、一般には一次粒子径として100μm以上に成長、結晶化した無機素材を粉砕、磨砕または研磨することで得られ、直接クラスターから粒子成長させ、粉砕などの行為を経ないで得られた粉末は、格子欠陥等があり粉末の工学特性が劣り、本発明の粉末には該当しない。本発明で言う透明とは、未粉砕の段階の無機物の外観が透明〜半透明であることを指す。尚、本発明で透明性を有する無機物とは、天然または合成の原石鉱物そのもので原石を透して文字等が判読できる程度の透明性を有する物以外に原石が表面の傷等によって原石では透明性がないが表面を研磨し傷等の表面部分を除くことによって透明性が現われてくる物も本発明で言う透明性を有する物に相当する。特に、未粉砕の段階の無機材料に赤色レーザー光をあてた時に、レーザー光が拡散する現象がみられる素材が最も好ましい。本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末は、上記の基準を満たしていれば特に限定されず、合成または天然の宝石を機械的に粉砕したものが好ましい。この際、合成または天然の宝石の大きさ(長径)は0.1mm〜100cmの幅にあるものを使用することが好ましい。これは0.1mm未満の宝石は不純物が多かったり、結晶性が悪いなどの問題を抱えていることが多く、また、100cmを超えると粉砕するまでの手間がかかりすぎる問題がある。これらの結晶構造と透明性を有する無機物の例としては、例えば、ガーネット、スピネル、スカポライト、ルチル、ジルコン、ベスビアナイト、エメラルド、アクアマリン、ヘリオドール、ゴーシェナイト、モルガナイト、レッドベリル、水晶、アメジスト、シトリン、ローズクォーツ、ブラウンクォーツ、ミルキィクォーツ、カルセドニー、ルビー、サファイア、パパラッチャ、フェナカイト、トパーズ、クリソベリル、アレキサンドライト、アレキサンドライト、エンスタタイト、シリマナイト、ハイパーシン、ペリドート、リシア輝石、チタナイト、石英、合成石英等が挙げられる。この内特に石英、合成石英、水晶、アメジスト、エメラルド、サファイア、ルビー、ガーネット、ルチルから選ばれる1種以上であることが好ましい。これらの無機物は人工的に供給できるため、鉛、ヒ素、放射線などの影響が少なく、化粧品的に好ましい品質を与えることが可能で、かつ供給が安定しているメリットがある。また、アメジスト、ガーネットといった素材を使用することも可能である。特に水晶(アメジスト)や石英は硬度が比較的小さく、粉砕が容易であること、価格が安価であることから好まく、ガーネットは供給が豊富で安価であるメリットがある。但し、ダイヤモンドは透明な結晶を持つ宝石として有名であるが、硬度が高すぎ、粉砕や研磨による粒子径のコントロールが効きにくく、光学特性に優れた領域の粉末が得られにくいことから好ましくない。また宝石であって結晶性を有する透明性無機粉末であってもアパタイト(燐灰石)やカルサイト(方解石)のように表面処理をしても湿度のある大気中では安定性に欠けるものや、セルサイト(白鉛鉱)のように化粧品の原料成分として適当でない元素から成っているもの、トルマリン(ホウ珪酸塩)のように後化工の熱等により色が変化しやすいものは除外される。
【0013】
従来、化粧料で用いられている、シリカやアルミナといった本発明で訴求しているのと同じ元素でできた素材と本発明との違いについて以下に解説する。化粧料では従来、シリカ、アルミナといった素材を多用してきた。これらの素材の元素構成は上記の結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末で訴求している珪素、アルミニウム、酸素から選ばれる2種以上の元素を含んでおり、内容が一致している部分がある。しかしながら、こうした素材の多くは、粒子を砕くのではなく成長させることで得られており、非結晶状であり、内部に格子欠陥などを多く抱えているために半透明性〜不透明性である。これらの粉末は従来多用されているだけでなく、光学的にも本発明の求める効果が実効が得られる程度には有していないことから、本発明では通常化粧料に使用されるシリカ(球状シリカを含む)、アルミナ、ジルコニアといった粉末は含まれない。また、酸化チタンや酸化亜鉛も通常化粧料に使用されるものには結晶構造を有しているものが多いが、粉末の外観が非透明性であるため本発明の求める光学効果が得られないことから除外される。従って、本発明で用いることができる酸化チタン(ルチル)という場合は、単結晶体もしくはその粉砕物を示す。ガラスについても結晶性を有する結晶化ガラスは本発明に該当するが、一般の非晶質ガラスは該当しない。
【0014】
本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末は、平均一次粒子径が3〜20μmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは5〜15μmの範囲が挙げられる。平均一次粒子径が3μm未満では、粉砕に必要なエネルギー量が大きくなり、コストが高くなる他、結晶性が失われて(粉体は微粒子化していくと表面がアモルファス化してしまう)光学的な特性が失われてしまう場合がある。また、平均一次粒子径が20μmを超えると、化粧料に配合した際に感触にざらつき感がでてくる場合がある。
【0015】
本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の製造方法としては、上記無機材料の単結晶、多結晶体をジェットミルやハンマーミル、ボールミル、カッターミル、ビーズミル、マイクロス(奈良機械製作所製)などの乾式または湿式の粉砕機・磨砕機を用いて微粉砕する方法や、これらの装置を組み合わせて用いる方法などがある。また、ターボスクリーナー、吸引ふるい、振動ふるいなどのメッシュを用いて分級すると製品の光学特性を向上させることができる。本発明では粒子の形状に特に制限はないが、粒子の形状が不定形または球形であると光学的な光拡散特性が向上するため好ましい。また、粒度分布については、体積平均粒子径で見た時に、粒度分布はシャープであってもブロードであっても構わない。粒度分布がシャープであるとマット感は少なく、光沢性のある化粧料が得られる傾向があり、粒度分布がブロードであると光の拡散および散乱効果が強くなり、しわや小じわの隠蔽効果が強くなるが、相対的にマット感も強くなる傾向がある。
【0016】
こうして得られた結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末は、その表面が撥水化処理または親水化処理の表面処理がされていることが好ましい。表面処理することによって、小じわやキメを隠蔽し目立たなくする効果、肌のしみやくすみをぼかす効果、自然なつやの持続性を高めることができる。撥水化表面処理の例としては、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などを単独もしくは複数組み合わせたものが挙げられるが、特にアルキルシラン化合物で処理したシラン処理が好ましく、その中でも特にオクチルシラン処理が好ましい。この場合の処理量としては、透明性無機粉末の質量に対して0.5〜15質量%の範囲にあるものが好ましい。また、シリコーン処理も好ましく、たとえばメチルハイドロジェンポリシロキサン(例:信越化学工業製KF99P)やジメチル基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(例:信越化学工業製KF9901、HRS−2)、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン(例:信越化学工業製KF9902)による処理およびその焼き付け処理が挙げられる。さらに、撥水化表面処理に先立ってシリカやアルミナ、ジルコニアといった無機酸化物にて表面処理してから、撥水化処理することも好ましい。また、親水化表面処理としては、例えば無機酸化物処理、寒天、アルギン酸およびその塩、ヒアルロン酸およびその塩、デオキシリボ核酸およびその塩、プルラン、ガーガム、ジェランガム、ポリアクリル酸およびその塩などの水溶性または水膨潤性粘剤による表面処理などが挙げられる。表面処理の量としては、例えば結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜30質量部が挙げられる。
【0017】
本発明で用いる結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末は、化粧料中に0.1〜99質量%配合することが好ましく、特に好ましくは0.1〜50質量%の範囲が挙げられる。配合量が0.1質量%未満であると本発明の光学効果が得られない場合がある。
【0018】
本発明では、上記の結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末と共にパール顔料を配合することによって、光学特性がさらに向上する。本発明で用いるパール顔料としては、化粧料で一般的に使用される光輝性を有する顔料が挙げられる。例えば、魚鱗箔、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆着色雲母、低次酸化チタン被覆雲母、雲母、酸化チタン被覆合成雲母、酸化チタン被覆板状シリカ、中空板状酸化チタン、酸化鉄被覆雲母、板状酸化鉄(MIO)、アルミニウムフレーク、ステンレスフレーク、酸化チタン被覆板状アルミナ、真珠殻、金箔、金蒸着樹脂フィルム、金属蒸着樹脂フィルムなどが挙げられるが、特に限定されない。この内、日常用のファンデーションや乳液などの化粧品に使用する場合には、特に酸化チタン被覆合成雲母等の低光輝性のパール顔料を用いることが好ましく、またレジャー用の化粧品、口紅、アイシャドウなどのポイントメイク用に用いる場合には高光輝性のパール顔料と組み合わせて用いることが好ましい。パール顔料は前記同様各種の表面処理が行われていてもいなくても構わないが、特にN−アシル化リジン、寒天、デオキシリボ核酸およびその塩から選ばれる素材で表面処理されていることが好ましい。
【0019】
本発明で用いるパール顔料の大きさとしては、粒子ごとの最大径が1〜100μmの範囲に入るものが好ましく、より好ましくは1〜35μmの範囲に入るものが好ましい。本発明で用いるパール顔料は前記と同様の表面処理がされていてもいなくても構わない。本発明で用いるパール顔料は、化粧料中に0.01〜90質量%配合することが好ましく、より好ましくは0.1〜30質量%が挙げられる。
【0020】
本発明では、上記の結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とパール顔料以外に、通常化粧料に配合される各種の顔料、紫外線吸収剤、油剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防菌防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を使用することができる。
【0021】
本発明で用いられ顔料としては化粧料で用いられる種々の顔料が使用可能であり、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられる。具体的には、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン等)、ポリメルシルセスキオキサン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体等が挙げられる。これらの顔料も前記同様に各種の表面処理が行われていてもいなくても構わない。
【0022】
また、紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸 2−エチルヘキシル、オクチルトリアゾン、ジメトキシケイ皮酸イソオクタン酸グリセリドや、これらの高分子誘導体、シラン誘導体等が挙げられる。
【0023】
また、有機系紫外線吸収剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。
有機系紫外線吸収剤は微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウムなどの無機系の紫外線散乱剤と併用して用いるとその紫外線防御効果をより高めることができる。また、本発明で紫外線吸収剤を使用する場合には、結晶性を有する透明性無機粉末を一度焼成処理したものを用いることが好ましい場合がある。この処理が必要なものとしては、特に珪素を骨格中に有するものが該当する。石英末などはこの処理を実施しないで紫外線吸収剤と接触させると紫外線吸収剤の変色に起因すると考えられる黄色〜紫色の発色が生じる場合がある。尚、用いた透明性無機粉末の種類によっては焼成により無機粉末自体の発色が強くなる場合もある。焼成の条件としては、300〜1000℃、好ましくは500〜800℃の温度範囲で、0.1〜24時間焼成する条件が挙げられる。焼成はガス式、電気式などの焼成炉を用いることが可能である。
【0024】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0025】
粘剤、樹脂の例としては、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素化シリコーン樹脂、カチオン化シリコーン樹脂などのシリコーン化合物、アラビアゴム、トラガカント、アラビノガラクタン、ローカストビーンガム(キャロブガム)、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、シリコーン化プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子やポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料では、各種の生理活性成分を配合してあることが好ましい。本発明で用いる生理活性成分とは、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤(ラジカル捕捉剤)、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、皮膚着色剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。
【0027】
これらの成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0028】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、ザルコシン、N−メチル−L−セリン等のアミノ酸誘導体、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、ラフィノースなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロ酢酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニオチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸などが挙げられる。
【0029】
これらの生理活性成分の化粧料への配合割合は、その活性成分の効果発現濃度によるが、一般的には化粧料の総量%に対して、植物エキス等の場合は乾燥残分換算で、0.05〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15質量%が好ましい。尚、生理活性成分は1種または2種以上を組み合わせて配合することが好ましい。
【0030】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0031】
また、保湿剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マンニトール、ヒアルロン酸およびその塩、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等のグリコール類、多価アルコール類および多糖類等が挙げられる。
【0032】
本発明の化粧料としては特に限定は無いがスキンケア製品、頭髪製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、紫外線防御製品等が好ましいものとして挙げられる。例えば、乳液、クリーム、ローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アクネ対策化粧料、エッセンスなどの基礎化粧料、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、マスカラ、チーク、ネイルカラー、口紅などのメイクアップ化粧料、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、セット剤、育毛剤、デオドラント、香水などがあげられる。また、製品の形態についても特に限定は無いが液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状等に適用が可能である。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明する。
また、実施例及び比較例で得られた化粧料の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0034】
[皮膚有用性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。尚、評価としては、小じわやキメの隠蔽効果、肌のしみやくすみのぼかし効果、肌になじむ自然なつやがあるか、肌色がきれいに見えるか、感触(塗布感の良悪)について実施した。
【0035】
【0036】
製造例1(結晶性透明アメジストパウダーの製造)
直径5mm〜1cmの外観が透明なアメジスト(紫水晶)をハンマーを用いて粗粉砕した後、ジェットミルを使用して微粉砕し、さらに50μm以上の粒子をメッシュで分級して除去し、平均一次粒子径が15μmの不定形の形状を持つパウダーを得た。このパウダーをヘキサン中でメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いてパウダー質量比3質量%で被覆し、溶媒を除去した後、130℃で5時間加熱処理し、シリコーン処理アメジストパウダーを得た。
【0037】
製造例2(結晶性透明石英パウダーの製造)
直径0.1mm〜1mmの外観が透明な光ファイバー原料用石英末を、ジェットミルを使用して微粉砕し、平均一次粒子径が10μmの不定形の形状を持つパウダーを得た。このパウダーをヘキサン中でメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いてパウダー質量比3質量%で被覆し、溶媒を除去した後、130℃で5時間加熱処理し、シリコーン処理石英パウダーを得た。
【0038】
製造例3(非晶性不透明石英粉末の製造)
外観が白色で非晶質(ガラス質)の光ファイバー用石英粉末であり、平均一次粒子径が1.0μmの市販品石英粉末(アドマテックス社製SO−C3)をヘキサン中でメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いてパウダー質量比3質量%で被覆し、溶媒を除去した後、130℃で5時間加熱処理し、シリコーン処理石英粉末を得た。
【0039】
実施例1
表2に示す処方と製造方法にてパウダーアイシャドウを製造した。以下表中の配合量の単位は質量%である。
【0040】
【0041】
[製造方法]
油性成分を加熱混合し、事前に混合した粉体成分の上からゆっくりと加え、さらに攪拌した後、60メッシュを通し、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
【0042】
比較例1
実施例1のシリコーン処理アメジストパウダー(製造例1)の代わりに実施例1で用いたのと同じタルクを用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。(結晶性を有する透明性無機粉末を配合しなかった時の例)
【0043】
実施例2
表3に示す処方と製造方法にてパウダーファンデーションを製造した。尚、シリコーン処理方法としては、製造例2で用いたのと同様の方法を用いて行った。
【0044】
【0045】
[製造方法]
油性成分を加熱混合し、事前に混合した粉体成分の上からゆっくりと加え、さらに攪拌した後、60メッシュを通し、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
【0046】
比較例2
実施例2で用いたシリコーン処理石英パウダー(製造例2)の代わりに製造例3で製造したシリコーン処理石英粉末を用いた他は全て実施例2と同様にして製品を得た。
(用いた石英の結晶性、非結晶性による違いの例)
【0047】
比較例3
実施例2で用いたシリコーン処理石英パウダー(製造例2)の代わりにシリコーン処理タルク(シリコーン処理は製造例2に準ず)を用いた他は全て実施例2と同様にして製品を得た。
【0048】
比較例4
実施例2で用いたシリコーン処理低光輝性酸化チタン被覆合成雲母(緑色系)の代わりにシリコーン処理タルク(シリコーン処理は製造例2に準ず)を用いた他は全て実施例2と同様にして製品を得た。
【0049】
実施例および比較例について評価を行った結果を以下に示す。
【0050】
【0051】
表4の結果から本発明の実施例は比較例と比べて小じわやきめが目立ちにくく、肌のしみやくすみが自然な感じで目立たなくなり、肌になじむ自然なつやがあり、肌色がきれいに見え、感触にも優れていることが判る。これに対して比較例1は結晶構造と透明性を有する無機粉末を配合しなかった時の比較例であるが、本発明の目的としている効果が発現できていないことが判る。比較例2は同じ石英素材で結晶性、非結晶性による違いを確認したものであるが、非結晶性になっただけで光学特性が大きく変化していることが判る。比較例4はパール顔料を配合しなかったものであるが、実施例2に較べ、隠蔽効果、ぼかし効果、自然なつやで劣っていた。また、パネラーの自己評価だけでなく、本発明の実施例と比較例の使用時の目視外観所見からも、本発明の実施例はパール剤の強い光沢感をよりマイルドにする効果(自然なつや)があることが確認された。
【0052】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とパール顔料を配合することで、小じわやきキメの隠蔽効果と、肌のしみやくすみのぼかし効果に優れ、さらに自然なつやを有する肌に近い質感の化粧塗膜が得られ、肌色がきれいに見え、感触にも優れることを特徴とする化粧料が得られることは明らかである。
Claims (7)
- 結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末とパール顔料を含有することを特徴とする化粧料。
- 結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末が、主として珪素、アルミニウム、酸素、クロムから選ばれる2種以上の元素を含むことを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- 結晶構造と透明性を有する無機物が、石英、合成石英、水晶、アメジスト、エメラルド、サファイア、ルビー、ガーネット、ルチルから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- 結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の平均一次粒子径が3〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の化粧料。
- 結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の形状が不定形または球形であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の化粧料。
- 結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末がさらに表面処理されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。
- 結晶構造と透明性を有する無機物を粉砕して得られる無機粉末の含有量が0.1〜50質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の化粧料。
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