JP2004026098A - 交通安全診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】疲労や走行地区の影響を受け難い物理量の値を元にドライバーの安全運転診断を行い、運転者に診断結果を通知する方法を提供する。
【解決手段】車両の加速度の3次モーメント平均値を加速度の標準偏差の3乗で割った値である歪度を求め、通信回線を通じてセンタにこの歪度を送る。センタでは車両ごとに歪度の値に基づいた安全運転診断を行い、インターネットによりカーナビゲーション装置へ送信してドライバーへ通知してドライバーへ安全運転診断を提供する。
【効果】加速度の歪度を安全診断に用いることにより、アクセル,ブレーキ回数の影響を受け難い、ドライバーの性格,車の組み合わせによる特徴を反映することができ、その人本来の安全診断が行える。また安全診断の通知により、交通事故啓蒙につながり、交通事故の低減が見込まれる。
【選択図】 図1
【解決手段】車両の加速度の3次モーメント平均値を加速度の標準偏差の3乗で割った値である歪度を求め、通信回線を通じてセンタにこの歪度を送る。センタでは車両ごとに歪度の値に基づいた安全運転診断を行い、インターネットによりカーナビゲーション装置へ送信してドライバーへ通知してドライバーへ安全運転診断を提供する。
【効果】加速度の歪度を安全診断に用いることにより、アクセル,ブレーキ回数の影響を受け難い、ドライバーの性格,車の組み合わせによる特徴を反映することができ、その人本来の安全診断が行える。また安全診断の通知により、交通事故啓蒙につながり、交通事故の低減が見込まれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転情報に基づき安全運転の評価を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の運転状態を評価するものとして、文献『自動車のアクセレレーションノイズと交通事故に関する研究』(野田宏治 他,土木学会第50回年次学術講演集,pp.338−339,1995.)のように、アクセレレーションノイズと呼ばれる、加速度の分散により危険な走行状態を抽出する方法がある。これは、加速度時系列の標準偏差を用い、この値が大きくなるとき運転が危険な状態であると判定する。
【0003】
また、文献『運転者負荷定量化手法「ステアリングエントロピー法」の開発』(中山沖彦 他,自動車技術会学術講演会前刷集,No.45−99,pp.5−8)によれば、ステアリングエントロピーと呼ばれる、ハンドル角の角速度のヒストグラムにより計算したエントロピーにより、疲労している走行状態を抽出する方法がある。この値が大きくなるとドライバーが疲労している状態と判定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加速度分散は、ドライバーと車の機械的特性の組み合わせというより、ヒヤリハット地区の走行の状態から影響を受ける傾向にあった。
【0005】
また従来のステアリングエントロピーは、運転の危険状態を直接計測するものではなく、運転者の疲労の度合いを計測していた。
【0006】
本発明の課題は、ドライバーと、車の機械的特性の組み合わせによる、場所によらない、交通安全の度合いを測ることにある。
【0007】
本発明の別の課題は、ドライバーに交通安全の度合いを通知することにより、交通安全の啓蒙を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ドライバーと、車の機械的特性の組み合わせによる、場所によらない、交通安全の度合いを測るためには、車の加速度の時系列を収集し、その加速度が分散により影響を受けない特徴量を検出することにある。この特徴量として、加速度の分布の歪み具合を示す、加速度の3乗モーメント平均を、加速度の標準偏差の3乗で割った歪度を用いればよい。この値は加速度の標準偏差の値で正規化されているため、カーブの多い場所を走行したときのブレーキアクセルの増大による影響を受け難い。またこの状態のみならず、加減速のきつさを示す加速度の標準偏差との和を用いた指標を用いる。ここで、交通安全の度合いを示す量を設定するためには、ドライバーの過去の事故回数,加速度の歪度と加速度の標準偏差を用いて、評価関数を求める。または、事故のデータが無い場合には、急加速,急減速を事故と同等とみなして、加速度の歪度,加速度の標準偏差を用いて評価関数を求めることにより実現される。
【0009】
またドライバーに交通安全の度合いを通知することにより、交通安全の啓蒙を図るためには、カーナビゲーション装置,車載端末で、上記加速度の標準偏差と歪度を計算し、さらに安全の度合いの評価関数を求め、カーナビゲーション装置,車載端末の画面に表示を行えばよい。またはカーナビゲーション装置,車載端末で取得した加速度を、携帯電話により交通安全サービスセンタへ送り、交通安全サービスセンタで上記加速度の標準偏差と歪度を計算し、さらに安全の度合いの評価関数を求め、インターネットで安全の度合いの表示を行えばよい。ここでは、カーナビゲーション装置,車載端末において、加速度の標準偏差と歪度を求めても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
交通安全診断方法とは、ドライバーと車の組み合わせによる、できるだけ走行地区の影響を受けない本来の安全の度合いを示す診断を行い、その診断をドライバーに提示することにより交通安全の啓蒙を実現するものである。以下この情報の流れを説明する。
【0011】
以下、本発明に好適な実施例を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明に係る交通安全診断方法を用いた安全運転診断システムの一実施形態である。この実施形態を説明する。このシステムでは、車3に設置されたカーナビゲーション装置4により収集された車の加速度の時系列を元に、加速度の歪度と標準偏差を計算し、携帯電話5を通じて、交通安全サービスセンタ1にある交通安全サーバ2へ伝送する。そして交通安全サービスセンタ1では、その加速度の歪度と標準偏差を元に、交通安全の度合いを計算し、その度合いを、携帯電話5を通じてカーナビゲーション装置4に伝送する。そしてカーナビゲーション装置4の画面を通じて、ドライバーに通知を行う。また、通信回線6を通じて、自宅のPC(パーソナルコンピュータ)7からも、交通安全サービスセンタ1にアクセスして安全診断の度合いを閲覧することも可能である。そしてインターネットにより、自宅のPCのみならず、会社のPCや携帯電話による閲覧も可能である。また、ドライバー毎の歪度と標準偏差は、交通安全サービスセンタ内のデータベース8に記憶され、交通安全の度合い指標の精度を向上させるために使用する。
【0013】
次に、安全診断方法の運用形態について図2で説明する。まず予め、契約ドライバー201と交通安全サービスセンタ203間で、交通安全診断の契約を結ぶ。そして交通安全サービスセンタで、ドライバーの情報を登録し、交通安全診断サービスのスタート207を行う。契約ドライバーは日または、契約した単位時間毎に、カーナビゲーション装置内で加速度時系列により、加速度の標準偏差,歪度の計算204を行う。そして、通信事業者202を介して、この歪度と標準偏差のデータ送信205,206を行い、交通安全サービスセンタへ送る。交通安全サービスセンタ内では交通安全の度合いの計算と、ドライバーへ通知するメッセージの作成208を行う。また同時に、その情報をデータベースに蓄積する。そして、その交通安全の度合いとメッセージ209は通信事業者202を介して、契約ドライバーのカーナビゲーション装置201へ伝送される。そして、契約ドライバーのカーナビゲーション装置画面に安全運転警告211の表示がされる。
【0014】
ここでの加速度の歪度,標準偏差の計算方法,交通安全の度合いの計算方法,交通安全の度合いの精度向上方法については、後述する。またカーナビゲーション装置による加速度の時系列の取得方法,警告画面についても、後述する。ここで、加速度の歪度と、標準偏差はカーナビゲーション装置4で行っているが、ここでカーナビゲーション装置から交通安全サービスセンタに送る内容を加速度とし、交通安全サービスセンタで加速度の歪度と標準偏差の計算を行っても良い。
【0015】
また安全運転診断は、交通安全サービスセンタで行うだけでなく、カーナビゲーション装置内で行ってもよい。この場合、図3に示す処理の流れで安全運転診断を行う。まずドライバーが車の電源ON31の操作を行う。この時から、車両のエンジンがONの間33,加速度の時系列の記憶32を行う。この加速度の時系列を記録する記憶テーブルの一例としては図4に示すテーブルがある。このテーブルは、記録した延べ走行時間41と、加速度を計測した計測時刻43とこれに対応する加速度の値42からなる。ここで、加速度を計測した時刻43,加速度の値42は、記録時間分用意されている。この時系列の加速度の記録は、車両エンジンがON33の間は続けられる。そしてサイドブレーキを引く等により車輌の停止が確認される場合や、あらかじめ設定した30分や1時間等の時間間隔毎に、この記録した時間内での加速度標準偏差の計算34,加速度歪度の計算
35が行われ、この計算値を元にして交通安全度合いの計算36が行われる。そしてその度合いを元に、数値とメッセージがカーナビゲーション装置の画面に表示37される。
【0016】
ここでのカーナビゲーション装置の構成は図5で示される。カーナビゲーション装置503は、ディスプレィ507,ボタン等の人間が操作するスイッチからなる入力部504,カーナビゲーション装置のプログラム,地図,加速度の時系列を一次的に記憶するメモリ502,CPU501,携帯電話などの通信装置との送受信を行うMODEM505,各種センサ508またはCPU501からの情報を映像にするI/O506,GPS受信機509,GPSアンテナ500,各種センサ508からなる。またメモリ502が揮発性メモリである場合には、この他に、過去の安全運転度合いを保持しておくための不揮発性メモリを備えていても良い。但し、上記の警告をカーナビゲーション装置内のみで行う場合には、MODEM505は必ずしも必要では無い。ここで、加速度の計測は各種センサ508のセンサ部分で行われる。この方法について述べる。センサとしては、車速パルス,加速度センサのどちらかがあるものとする。ここで車速パルスのみの場合には、車速パルスを1秒間隔(または0.5 秒などの値でも良い)で取得した時系列データを微分することにより、加速度が得られる。また加速度センサのみの場合には、加速度センサの出力を1秒間隔(または0.5 秒などの値でも良い)で取得すればよい。また各種センサ508に速度、または加速度が取得可能なセンサが無い場合には、GPS受信機509から得られる、速度を1秒間隔で取得し、その値を微分することにより加速度が得られる。またこれらの処理は、CPU501で行われる。
【0017】
次に、加速度の標準偏差の計算方法について述べる。この計算を数式1に示す。
【0018】
【数1】
【0019】
ここで、加速度は図4に示すテーブルの値である。また、加速度の時系列でなく、予め加速減速についてそれぞれ定めた閾値以上の加速減速の加速度(以下急加速,急減速と呼ぶ)を記憶している場合の、加速度の標準偏差の求め方について述べる。この場合の計算方法の一例を数式2に示す。
【0020】
【数2】
【0021】
数式2は、最小二乗により経験的に求めた近似式とする。ここでの式中にある重み係数A(1),A(2),A(3),A(4)は、予め採取した1秒毎の加速度から求めておく。具体的には、予め1秒毎の加速度を採取しておき、その値により数式1で求めた加速度分散の真値,加速度時系列データから加速減速についてそれぞれ定めた閾値以上の値を取り出してそれぞれ急加速データ,急減速データとし、このデータから急加減速頻度,急加速平均,急減速平均,急加速2乗平均,急減速2乗平均の値を計算し、最小二乗法によりこれら重み係数A(1),A(2),A(3),A(4)を予め求めておく。また重み係数A(1),
A(2),A(3),A(4)は、ニューラルネットワークを用いて関数近似を行って求めても良い。
【0022】
次に、加速度の歪度の計算方法について述べる。この計算を数式3に示す。
【0023】
【数3】
【0024】
ここで、加速度標準偏差とは数式1で計算した値である。また、加速度の時系列でなく、予め定めた加速減速の閾値以上の加速度を記憶している場合の、加速度の歪度の求め方について述べる。
【0025】
この場合の計算方法の一例を数式4に示す。
【0026】
【数4】
【0027】
数式4は、最小二乗により経験的に求めた近似式とする。ここでの式中にある重み係数B(0),B(1),B(2),B(3),B(4),B(5)は、予め採取した1秒毎の加速度から求めておく。具体的には、予め1秒毎の加速度を採取し、その値により数式3で求めた加速度分散の真値,加速度時系列から閾値以上の値を取り出し、急加減速頻度,急加速平均,急減速平均,急加速2乗平均,急減速2乗平均,急加速3乗平均,急減速3乗平均の値を計算し、最小二乗法により重み係数B(0),B(1),B(2),B(3),B(4),B(5)予め求めておく。また重み係数B(0),B(1),B(2),B(3),B(4),B(5)は、ニューラルネットを用いて関数近似を行って求めても良い。
【0028】
次に、交通安全の度合いの計算方法について述べる。交通安全の度合いとは、交通事故を起こす確率に逆比例するように設定される。これは、予めドライバーの事故歴(一年辺り何回事故を起こしたかの回数。以下、事故頻度と呼ぶ。)が得られる場合はその情報と、加速度標準偏差,加速度歪度のペアの情報を集めておき、事故頻度を加速度標準偏差と、加速度歪度の値とで説明するための関係式を求める。これにより、加速度標準偏差と加速度歪度を計測すれば、事故の頻度を推定することが可能になる。ここで加速度標準偏差は、走行地域の影響を受けやすい物理量であるが、ドライバーの性格もある程度反映した量であるため、この物理量をも含める。この関係の一例として次の、数式5による方法がある。
【0029】
【数5】
【0030】
ここで、ここでの式中にある重み係数C(0),C(1),C(2)は、予め集めておいた予めドライバーの事故歴,加速度標準偏差,加速度歪度のペアの情報から、事故歴データを事故頻度と見なして、最小二乗で求めておく。また数式5の事故頻度の逆数を交通安全の度合いとする。またここで、最小二乗でなくとも、ニューラルネットを使用して、事故頻度を出力,加速度標準偏差,加速度歪度を入力とした関数近似を行って求めても良い。また、事故歴が得られ難い場合には、事故に至る可能性の高いと考えられる急減速を事故頻度の代わりのデータとして用いて加速度標準偏差,加速度歪度をもとに上記(数5)により同様に事故頻度を推定する。
【0031】
次に、交通安全の度合いの精度を向上させる方法について述べる。この精度は、数式5の最小二乗またはニューラルネットによる学習により決定される。このため、被験者のデータ数が多くなるにつれ、精度が向上することになる。このため図1の交通安全サービスセンタのサーバに蓄えられた加速度の歪度と標準偏差の値の群を用いて再学習を行えばよい。
【0032】
また、これらの学習データが全く無い場合には簡便な方法として、事前に複数の被験者の走行データの加速度時系列データを分析して得られた敷居値を用いて、一例として以下のように設定する。加速度標準偏差が1.5km/h/sec以上でかつ、加速度歪度の絶対値が0.3 以上のときには、交通安全の度合いを0とする。またそれ以外の時には、交通安全の度合いを1と簡易的にする。
【0033】
最後に、警告画面とそのメッセージ内容について述べる。運転の加速度の分布を元に、ドライバーの性格を診断して評価を行った交通安全の度合いが、予め設定された閾値以下の場合警告を与えることにする。ここで閾値の値は1つ以上でも良い。本実施例では5段階のレベルを用意し、各レベルの境界となる4つの閾値を用意する。そして安全なレベルから順にA,B,C,D,Eと名前を付けることにする。また、加速度の加速側,減速側の分布の偏りを求めるため、加速度の歪度を求めておき、この加速度の歪度の値が減速側に大きな値を持つ場合には、そのドライバーを、加速がゆったりで、減速が急で危ないと判定し、加速側に大きな値をもつ場合には、そのドライバーを、加速が急で減速がゆったりしていると判定する。例えば、加速度の歪度が−0.3 以下の場合、0.3 以上の場合、それ以外の場合の3通りに分ける。この加速度の歪度が−0.3 以下の場合、0.3 以上の場合、それ以外の場合の3通りに分けた組み合わせと、安全なレベルの組み合わせにより、図6の診断メッセージを用意する。ここで、加速度歪度が−0.3 の場合には、加速度分布の減速の裾野が加速より広いことを意味するため、図6の61の列に示すように、「ブレーキがきつめです」のメッセージを入れる。また加速度歪度が0.3 以上の場合には、加速度分布の加速の裾野が減速より広いことを意味するため、図6の63の列に示すように「アクセルがきつめです」のメッセージを入れる。さらに、加速度歪度が−0.3 を超え、0.3 未満の場合には、加速度の分布が左右対称に近いことを意味するため、図6の
62の列に示すように、アクセルがきつい、ブレーキがきついのメッセージは入れない。また図6に示すように、安全レベルがAの場合には「安全な運転をしています」、Bの場合には「安全運転に気をつけています」、Cの場合には「普通の運転をしています」、Dの場合には「やや荒っぽい運転をしています」、Eの場合には「荒っぽい運転をしています」のメッセージを入れる。また、安全レベルが2つしか設定しない場合のメッセージは、図5のレベルAとEのみの表示とする。すなわち交通安全の度合いが閾値より安全サイド(値が大きい場合)にある場合はレベルAのメッセージ群64の中から歪度の値に応じてメッセージを出す。一方、閾値より危険サイド(値が小さい場合)にある場合はレベルEのメッセージ群65の中から歪度の値に応じてメッセージを出す。
【0034】
この診断メッセージは、交通安全サービスセンタの管理者が変更できるようにする。
【0035】
次に、安全レベルをA〜Eの5段階に分けた場合における閾値の決め方について説明する。この閾値は予め、ドライバーの被験者を集めておき、主観的な安全のレベル分けをしておく。そして各々の安全レベルにおける、交通安全の度合いの平均値を求める。この各安全レベル毎の平均値の中間地を、各安全レベルの閾値とする。例えば、レベルAの交通安全の度合いが100、レベルBの交通安全の度合いが80とする。この場合レベルAとBの閾値は90となる。
【0036】
また安全のレベルが2つである場合の閾値の決め方について説明する。ここで、安全の度合いが交通事故頻度に基づいて計算している場合には、平均的なドライバーの交通事故の頻度の逆数とする。また、安全の度合いが急減速の回数に基づいて計算している場合には、平均的なドライバーの急減速の頻度の逆数とする。ここでの平均的なドライバーは、日本全国のドライバーの平均を使用するか、または交通安全サービスセンタのサーバに蓄えられているドライバーの平均値とする。
【0037】
またこれらの警告メッセージの画面例を図7に示す。画面に表示する項目として、安全運転点数71,先月の点数のグラフ72,該当日(今日)の点数のグラフ73,メッセージ74,画面終了ボタン75からなる。ここで安全運転点数とは、安全運転の度合いを、最高値が100,最低値が0となるように、比例計算したものである。またメッセージ74は、図6に示すメッセージ群から選択したものである。ここでユーザーは画面終了ボタン75によりこの画面を閉じることができる。ここで先月の点数は、該当する日の月より、先月の安全運転点数の値を参照し、その平均値を求めて出力したものである。これの情報は、交通安全サービスセンタのデータベースか、カーナビゲーション装置のメモリ502に記憶されているものを使用する。なお、メモリ502が電源オフの際にデータが消える揮発性メモリの場合には、図示されていない不揮発性メモリに記憶されている情報を使用する。
【0038】
この警告画面を出すタイミングは、カーナビゲーション装置の場合には、あらかじめ設定した時間間隔(30分や1時間等)や車の電源を切る場合かまたは、操作ボタンにより、安全診断メニューを選択したときとする。自宅のPC7等からインターネットを介してこの警告画面を見る場合には、交通安全サービスセンタ1のウエブにアクセスして認証を受けた運転者のデータに関する画面を表示させる。また自宅のPCで安全運転の評価結果を閲覧する場合、運転日と閲覧日が異なる場合が起こりうるが、この場合は閲覧したい運転日を指定して安全運転の評価を行う。もちろんこの場合は、画面の「今日の点数」が指定した運転日である「○月×日の点数」となる。
【0039】
【発明の効果】
加速度の歪度を安全診断に用いることにより、アクセル,ブレーキ回数の影響を受け難い、ドライバーの運転の荒さ、車の組み合わせによる特徴を出すことにより、その人本来の安全運転診断が行える。また安全運転診断の通知を適宜行うことにより、利用者の安全運転啓蒙につながり、交通事故の低減が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】交通安全診断システムの概要。
【図2】交通安全診断のダイヤグラム。
【図3】カーナビゲーション装置による交通安全診断の処理。
【図4】加速度テーブル。
【図5】カーナビゲーション装置の構成。
【図6】交通安全診断のメッセージ群。
【図7】交通安全診断画面。
【符号の説明】
1…交通安全サービスセンタ、2…交通安全サーバ、3…車、4,503…カーナビゲーション装置、5…携帯電話、6…通信回線、7…PC(パーソナルコンピュータ)、8…データベース、201…契約者(カーナビゲーション装置)、202…通信事業者、203…交通安全サービスセンタ、500…GPSアンテナ、501…CPU、502…メモリ、504…入力部、505…MODEM、506…I/O、507…ディスプレィ、509…GPS受信機。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転情報に基づき安全運転の評価を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の運転状態を評価するものとして、文献『自動車のアクセレレーションノイズと交通事故に関する研究』(野田宏治 他,土木学会第50回年次学術講演集,pp.338−339,1995.)のように、アクセレレーションノイズと呼ばれる、加速度の分散により危険な走行状態を抽出する方法がある。これは、加速度時系列の標準偏差を用い、この値が大きくなるとき運転が危険な状態であると判定する。
【0003】
また、文献『運転者負荷定量化手法「ステアリングエントロピー法」の開発』(中山沖彦 他,自動車技術会学術講演会前刷集,No.45−99,pp.5−8)によれば、ステアリングエントロピーと呼ばれる、ハンドル角の角速度のヒストグラムにより計算したエントロピーにより、疲労している走行状態を抽出する方法がある。この値が大きくなるとドライバーが疲労している状態と判定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加速度分散は、ドライバーと車の機械的特性の組み合わせというより、ヒヤリハット地区の走行の状態から影響を受ける傾向にあった。
【0005】
また従来のステアリングエントロピーは、運転の危険状態を直接計測するものではなく、運転者の疲労の度合いを計測していた。
【0006】
本発明の課題は、ドライバーと、車の機械的特性の組み合わせによる、場所によらない、交通安全の度合いを測ることにある。
【0007】
本発明の別の課題は、ドライバーに交通安全の度合いを通知することにより、交通安全の啓蒙を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ドライバーと、車の機械的特性の組み合わせによる、場所によらない、交通安全の度合いを測るためには、車の加速度の時系列を収集し、その加速度が分散により影響を受けない特徴量を検出することにある。この特徴量として、加速度の分布の歪み具合を示す、加速度の3乗モーメント平均を、加速度の標準偏差の3乗で割った歪度を用いればよい。この値は加速度の標準偏差の値で正規化されているため、カーブの多い場所を走行したときのブレーキアクセルの増大による影響を受け難い。またこの状態のみならず、加減速のきつさを示す加速度の標準偏差との和を用いた指標を用いる。ここで、交通安全の度合いを示す量を設定するためには、ドライバーの過去の事故回数,加速度の歪度と加速度の標準偏差を用いて、評価関数を求める。または、事故のデータが無い場合には、急加速,急減速を事故と同等とみなして、加速度の歪度,加速度の標準偏差を用いて評価関数を求めることにより実現される。
【0009】
またドライバーに交通安全の度合いを通知することにより、交通安全の啓蒙を図るためには、カーナビゲーション装置,車載端末で、上記加速度の標準偏差と歪度を計算し、さらに安全の度合いの評価関数を求め、カーナビゲーション装置,車載端末の画面に表示を行えばよい。またはカーナビゲーション装置,車載端末で取得した加速度を、携帯電話により交通安全サービスセンタへ送り、交通安全サービスセンタで上記加速度の標準偏差と歪度を計算し、さらに安全の度合いの評価関数を求め、インターネットで安全の度合いの表示を行えばよい。ここでは、カーナビゲーション装置,車載端末において、加速度の標準偏差と歪度を求めても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
交通安全診断方法とは、ドライバーと車の組み合わせによる、できるだけ走行地区の影響を受けない本来の安全の度合いを示す診断を行い、その診断をドライバーに提示することにより交通安全の啓蒙を実現するものである。以下この情報の流れを説明する。
【0011】
以下、本発明に好適な実施例を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明に係る交通安全診断方法を用いた安全運転診断システムの一実施形態である。この実施形態を説明する。このシステムでは、車3に設置されたカーナビゲーション装置4により収集された車の加速度の時系列を元に、加速度の歪度と標準偏差を計算し、携帯電話5を通じて、交通安全サービスセンタ1にある交通安全サーバ2へ伝送する。そして交通安全サービスセンタ1では、その加速度の歪度と標準偏差を元に、交通安全の度合いを計算し、その度合いを、携帯電話5を通じてカーナビゲーション装置4に伝送する。そしてカーナビゲーション装置4の画面を通じて、ドライバーに通知を行う。また、通信回線6を通じて、自宅のPC(パーソナルコンピュータ)7からも、交通安全サービスセンタ1にアクセスして安全診断の度合いを閲覧することも可能である。そしてインターネットにより、自宅のPCのみならず、会社のPCや携帯電話による閲覧も可能である。また、ドライバー毎の歪度と標準偏差は、交通安全サービスセンタ内のデータベース8に記憶され、交通安全の度合い指標の精度を向上させるために使用する。
【0013】
次に、安全診断方法の運用形態について図2で説明する。まず予め、契約ドライバー201と交通安全サービスセンタ203間で、交通安全診断の契約を結ぶ。そして交通安全サービスセンタで、ドライバーの情報を登録し、交通安全診断サービスのスタート207を行う。契約ドライバーは日または、契約した単位時間毎に、カーナビゲーション装置内で加速度時系列により、加速度の標準偏差,歪度の計算204を行う。そして、通信事業者202を介して、この歪度と標準偏差のデータ送信205,206を行い、交通安全サービスセンタへ送る。交通安全サービスセンタ内では交通安全の度合いの計算と、ドライバーへ通知するメッセージの作成208を行う。また同時に、その情報をデータベースに蓄積する。そして、その交通安全の度合いとメッセージ209は通信事業者202を介して、契約ドライバーのカーナビゲーション装置201へ伝送される。そして、契約ドライバーのカーナビゲーション装置画面に安全運転警告211の表示がされる。
【0014】
ここでの加速度の歪度,標準偏差の計算方法,交通安全の度合いの計算方法,交通安全の度合いの精度向上方法については、後述する。またカーナビゲーション装置による加速度の時系列の取得方法,警告画面についても、後述する。ここで、加速度の歪度と、標準偏差はカーナビゲーション装置4で行っているが、ここでカーナビゲーション装置から交通安全サービスセンタに送る内容を加速度とし、交通安全サービスセンタで加速度の歪度と標準偏差の計算を行っても良い。
【0015】
また安全運転診断は、交通安全サービスセンタで行うだけでなく、カーナビゲーション装置内で行ってもよい。この場合、図3に示す処理の流れで安全運転診断を行う。まずドライバーが車の電源ON31の操作を行う。この時から、車両のエンジンがONの間33,加速度の時系列の記憶32を行う。この加速度の時系列を記録する記憶テーブルの一例としては図4に示すテーブルがある。このテーブルは、記録した延べ走行時間41と、加速度を計測した計測時刻43とこれに対応する加速度の値42からなる。ここで、加速度を計測した時刻43,加速度の値42は、記録時間分用意されている。この時系列の加速度の記録は、車両エンジンがON33の間は続けられる。そしてサイドブレーキを引く等により車輌の停止が確認される場合や、あらかじめ設定した30分や1時間等の時間間隔毎に、この記録した時間内での加速度標準偏差の計算34,加速度歪度の計算
35が行われ、この計算値を元にして交通安全度合いの計算36が行われる。そしてその度合いを元に、数値とメッセージがカーナビゲーション装置の画面に表示37される。
【0016】
ここでのカーナビゲーション装置の構成は図5で示される。カーナビゲーション装置503は、ディスプレィ507,ボタン等の人間が操作するスイッチからなる入力部504,カーナビゲーション装置のプログラム,地図,加速度の時系列を一次的に記憶するメモリ502,CPU501,携帯電話などの通信装置との送受信を行うMODEM505,各種センサ508またはCPU501からの情報を映像にするI/O506,GPS受信機509,GPSアンテナ500,各種センサ508からなる。またメモリ502が揮発性メモリである場合には、この他に、過去の安全運転度合いを保持しておくための不揮発性メモリを備えていても良い。但し、上記の警告をカーナビゲーション装置内のみで行う場合には、MODEM505は必ずしも必要では無い。ここで、加速度の計測は各種センサ508のセンサ部分で行われる。この方法について述べる。センサとしては、車速パルス,加速度センサのどちらかがあるものとする。ここで車速パルスのみの場合には、車速パルスを1秒間隔(または0.5 秒などの値でも良い)で取得した時系列データを微分することにより、加速度が得られる。また加速度センサのみの場合には、加速度センサの出力を1秒間隔(または0.5 秒などの値でも良い)で取得すればよい。また各種センサ508に速度、または加速度が取得可能なセンサが無い場合には、GPS受信機509から得られる、速度を1秒間隔で取得し、その値を微分することにより加速度が得られる。またこれらの処理は、CPU501で行われる。
【0017】
次に、加速度の標準偏差の計算方法について述べる。この計算を数式1に示す。
【0018】
【数1】
【0019】
ここで、加速度は図4に示すテーブルの値である。また、加速度の時系列でなく、予め加速減速についてそれぞれ定めた閾値以上の加速減速の加速度(以下急加速,急減速と呼ぶ)を記憶している場合の、加速度の標準偏差の求め方について述べる。この場合の計算方法の一例を数式2に示す。
【0020】
【数2】
【0021】
数式2は、最小二乗により経験的に求めた近似式とする。ここでの式中にある重み係数A(1),A(2),A(3),A(4)は、予め採取した1秒毎の加速度から求めておく。具体的には、予め1秒毎の加速度を採取しておき、その値により数式1で求めた加速度分散の真値,加速度時系列データから加速減速についてそれぞれ定めた閾値以上の値を取り出してそれぞれ急加速データ,急減速データとし、このデータから急加減速頻度,急加速平均,急減速平均,急加速2乗平均,急減速2乗平均の値を計算し、最小二乗法によりこれら重み係数A(1),A(2),A(3),A(4)を予め求めておく。また重み係数A(1),
A(2),A(3),A(4)は、ニューラルネットワークを用いて関数近似を行って求めても良い。
【0022】
次に、加速度の歪度の計算方法について述べる。この計算を数式3に示す。
【0023】
【数3】
【0024】
ここで、加速度標準偏差とは数式1で計算した値である。また、加速度の時系列でなく、予め定めた加速減速の閾値以上の加速度を記憶している場合の、加速度の歪度の求め方について述べる。
【0025】
この場合の計算方法の一例を数式4に示す。
【0026】
【数4】
【0027】
数式4は、最小二乗により経験的に求めた近似式とする。ここでの式中にある重み係数B(0),B(1),B(2),B(3),B(4),B(5)は、予め採取した1秒毎の加速度から求めておく。具体的には、予め1秒毎の加速度を採取し、その値により数式3で求めた加速度分散の真値,加速度時系列から閾値以上の値を取り出し、急加減速頻度,急加速平均,急減速平均,急加速2乗平均,急減速2乗平均,急加速3乗平均,急減速3乗平均の値を計算し、最小二乗法により重み係数B(0),B(1),B(2),B(3),B(4),B(5)予め求めておく。また重み係数B(0),B(1),B(2),B(3),B(4),B(5)は、ニューラルネットを用いて関数近似を行って求めても良い。
【0028】
次に、交通安全の度合いの計算方法について述べる。交通安全の度合いとは、交通事故を起こす確率に逆比例するように設定される。これは、予めドライバーの事故歴(一年辺り何回事故を起こしたかの回数。以下、事故頻度と呼ぶ。)が得られる場合はその情報と、加速度標準偏差,加速度歪度のペアの情報を集めておき、事故頻度を加速度標準偏差と、加速度歪度の値とで説明するための関係式を求める。これにより、加速度標準偏差と加速度歪度を計測すれば、事故の頻度を推定することが可能になる。ここで加速度標準偏差は、走行地域の影響を受けやすい物理量であるが、ドライバーの性格もある程度反映した量であるため、この物理量をも含める。この関係の一例として次の、数式5による方法がある。
【0029】
【数5】
【0030】
ここで、ここでの式中にある重み係数C(0),C(1),C(2)は、予め集めておいた予めドライバーの事故歴,加速度標準偏差,加速度歪度のペアの情報から、事故歴データを事故頻度と見なして、最小二乗で求めておく。また数式5の事故頻度の逆数を交通安全の度合いとする。またここで、最小二乗でなくとも、ニューラルネットを使用して、事故頻度を出力,加速度標準偏差,加速度歪度を入力とした関数近似を行って求めても良い。また、事故歴が得られ難い場合には、事故に至る可能性の高いと考えられる急減速を事故頻度の代わりのデータとして用いて加速度標準偏差,加速度歪度をもとに上記(数5)により同様に事故頻度を推定する。
【0031】
次に、交通安全の度合いの精度を向上させる方法について述べる。この精度は、数式5の最小二乗またはニューラルネットによる学習により決定される。このため、被験者のデータ数が多くなるにつれ、精度が向上することになる。このため図1の交通安全サービスセンタのサーバに蓄えられた加速度の歪度と標準偏差の値の群を用いて再学習を行えばよい。
【0032】
また、これらの学習データが全く無い場合には簡便な方法として、事前に複数の被験者の走行データの加速度時系列データを分析して得られた敷居値を用いて、一例として以下のように設定する。加速度標準偏差が1.5km/h/sec以上でかつ、加速度歪度の絶対値が0.3 以上のときには、交通安全の度合いを0とする。またそれ以外の時には、交通安全の度合いを1と簡易的にする。
【0033】
最後に、警告画面とそのメッセージ内容について述べる。運転の加速度の分布を元に、ドライバーの性格を診断して評価を行った交通安全の度合いが、予め設定された閾値以下の場合警告を与えることにする。ここで閾値の値は1つ以上でも良い。本実施例では5段階のレベルを用意し、各レベルの境界となる4つの閾値を用意する。そして安全なレベルから順にA,B,C,D,Eと名前を付けることにする。また、加速度の加速側,減速側の分布の偏りを求めるため、加速度の歪度を求めておき、この加速度の歪度の値が減速側に大きな値を持つ場合には、そのドライバーを、加速がゆったりで、減速が急で危ないと判定し、加速側に大きな値をもつ場合には、そのドライバーを、加速が急で減速がゆったりしていると判定する。例えば、加速度の歪度が−0.3 以下の場合、0.3 以上の場合、それ以外の場合の3通りに分ける。この加速度の歪度が−0.3 以下の場合、0.3 以上の場合、それ以外の場合の3通りに分けた組み合わせと、安全なレベルの組み合わせにより、図6の診断メッセージを用意する。ここで、加速度歪度が−0.3 の場合には、加速度分布の減速の裾野が加速より広いことを意味するため、図6の61の列に示すように、「ブレーキがきつめです」のメッセージを入れる。また加速度歪度が0.3 以上の場合には、加速度分布の加速の裾野が減速より広いことを意味するため、図6の63の列に示すように「アクセルがきつめです」のメッセージを入れる。さらに、加速度歪度が−0.3 を超え、0.3 未満の場合には、加速度の分布が左右対称に近いことを意味するため、図6の
62の列に示すように、アクセルがきつい、ブレーキがきついのメッセージは入れない。また図6に示すように、安全レベルがAの場合には「安全な運転をしています」、Bの場合には「安全運転に気をつけています」、Cの場合には「普通の運転をしています」、Dの場合には「やや荒っぽい運転をしています」、Eの場合には「荒っぽい運転をしています」のメッセージを入れる。また、安全レベルが2つしか設定しない場合のメッセージは、図5のレベルAとEのみの表示とする。すなわち交通安全の度合いが閾値より安全サイド(値が大きい場合)にある場合はレベルAのメッセージ群64の中から歪度の値に応じてメッセージを出す。一方、閾値より危険サイド(値が小さい場合)にある場合はレベルEのメッセージ群65の中から歪度の値に応じてメッセージを出す。
【0034】
この診断メッセージは、交通安全サービスセンタの管理者が変更できるようにする。
【0035】
次に、安全レベルをA〜Eの5段階に分けた場合における閾値の決め方について説明する。この閾値は予め、ドライバーの被験者を集めておき、主観的な安全のレベル分けをしておく。そして各々の安全レベルにおける、交通安全の度合いの平均値を求める。この各安全レベル毎の平均値の中間地を、各安全レベルの閾値とする。例えば、レベルAの交通安全の度合いが100、レベルBの交通安全の度合いが80とする。この場合レベルAとBの閾値は90となる。
【0036】
また安全のレベルが2つである場合の閾値の決め方について説明する。ここで、安全の度合いが交通事故頻度に基づいて計算している場合には、平均的なドライバーの交通事故の頻度の逆数とする。また、安全の度合いが急減速の回数に基づいて計算している場合には、平均的なドライバーの急減速の頻度の逆数とする。ここでの平均的なドライバーは、日本全国のドライバーの平均を使用するか、または交通安全サービスセンタのサーバに蓄えられているドライバーの平均値とする。
【0037】
またこれらの警告メッセージの画面例を図7に示す。画面に表示する項目として、安全運転点数71,先月の点数のグラフ72,該当日(今日)の点数のグラフ73,メッセージ74,画面終了ボタン75からなる。ここで安全運転点数とは、安全運転の度合いを、最高値が100,最低値が0となるように、比例計算したものである。またメッセージ74は、図6に示すメッセージ群から選択したものである。ここでユーザーは画面終了ボタン75によりこの画面を閉じることができる。ここで先月の点数は、該当する日の月より、先月の安全運転点数の値を参照し、その平均値を求めて出力したものである。これの情報は、交通安全サービスセンタのデータベースか、カーナビゲーション装置のメモリ502に記憶されているものを使用する。なお、メモリ502が電源オフの際にデータが消える揮発性メモリの場合には、図示されていない不揮発性メモリに記憶されている情報を使用する。
【0038】
この警告画面を出すタイミングは、カーナビゲーション装置の場合には、あらかじめ設定した時間間隔(30分や1時間等)や車の電源を切る場合かまたは、操作ボタンにより、安全診断メニューを選択したときとする。自宅のPC7等からインターネットを介してこの警告画面を見る場合には、交通安全サービスセンタ1のウエブにアクセスして認証を受けた運転者のデータに関する画面を表示させる。また自宅のPCで安全運転の評価結果を閲覧する場合、運転日と閲覧日が異なる場合が起こりうるが、この場合は閲覧したい運転日を指定して安全運転の評価を行う。もちろんこの場合は、画面の「今日の点数」が指定した運転日である「○月×日の点数」となる。
【0039】
【発明の効果】
加速度の歪度を安全診断に用いることにより、アクセル,ブレーキ回数の影響を受け難い、ドライバーの運転の荒さ、車の組み合わせによる特徴を出すことにより、その人本来の安全運転診断が行える。また安全運転診断の通知を適宜行うことにより、利用者の安全運転啓蒙につながり、交通事故の低減が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】交通安全診断システムの概要。
【図2】交通安全診断のダイヤグラム。
【図3】カーナビゲーション装置による交通安全診断の処理。
【図4】加速度テーブル。
【図5】カーナビゲーション装置の構成。
【図6】交通安全診断のメッセージ群。
【図7】交通安全診断画面。
【符号の説明】
1…交通安全サービスセンタ、2…交通安全サーバ、3…車、4,503…カーナビゲーション装置、5…携帯電話、6…通信回線、7…PC(パーソナルコンピュータ)、8…データベース、201…契約者(カーナビゲーション装置)、202…通信事業者、203…交通安全サービスセンタ、500…GPSアンテナ、501…CPU、502…メモリ、504…入力部、505…MODEM、506…I/O、507…ディスプレィ、509…GPS受信機。
Claims (5)
- ドライバーの交通安全診断を行う方法において、
カーナビゲーション装置または車載端末で求めた車両の移動距離と時間、あるいは車両センサで取得した車の加速度により車両の加速度の分布を求め、
この加速度の分布を元にして交通安全診断を行い、
診断結果に応じた出力を行い、運転者に注意を喚起することを特徴とする交通安全診断方法。 - 請求項1において、加速度の分布を元に交通安全診断する方法として、加速度分布の加速減速の対象度を示す統計量、もしくは加速度の分布の広がり具合を示す統計量を元にして、加速減速の強弱の癖,ブレーキ,アクセルの強さ度合いによる交通安全診断を行うことを特徴とする交通安全診断方法。
- 請求項2において、加速度分布の加速減速の対象度を示す統計量として歪度を用い、加速度の分布の広がり具合を示す統計量として、標準偏差を用いることを特徴とする交通安全診断方法。
- 請求項1において、運転者への注意の喚起として、カーナビゲーション装置または車載端末で交通安全診断を行い、該カーナビゲーション装置または車載端末の表示装置を通じて警告画面の表示を行うことを特徴とする交通安全診断方法。
- 請求項1において、運転者への注意の喚起として、カーナビゲーション装置または車載端末で取得した加速度、または加速度の標準偏差と加速度の歪度をインターネットまたは携帯電話を介して交通安全センタへ送信し、該交通安全センタにおいて診断した交通安全診断結果を受信し、警告画面の表示を行うことを特徴とする交通安全診断方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002189030A JP2004026098A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 交通安全診断方法 |
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JP2005312653A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Denso Corp | 運転者状態検出装置及びプログラム |
JP2007284049A (ja) * | 2007-03-31 | 2007-11-01 | Wataru Horikawa | エコドライブ支援装置、カーナビゲーションシステム及びエコドライブ支援プログラム |
WO2009104255A1 (ja) * | 2008-02-20 | 2009-08-27 | パイオニア株式会社 | 車両の運転評価装置、方法、及びコンピュータプログラム |
JP2011162181A (ja) * | 2010-02-05 | 2011-08-25 | Harman Becker Automotive Systems Gmbh | 加速度を決定するための自動車用システムおよび方法 |
-
2002
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