JP2004025631A - 円板形回転工具に対する冷却・潤滑媒体等の供給部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】円板形回転工具の回転により励起される工具周囲の強い気流に影響されず、少量の冷却・潤滑媒体で大きな効果が得られる冷却・潤滑媒体等の供給部品の提供。
【解決手段】板状部材10内部に流入口5bに連なる環状流体回路5a1〜5a3を少なくとも1個穿設し、この環状流体回路を分断する位置に回転工具の少なくとも外周領域部分が通過しうる長さと幅の切り欠き溝を形成し、この切り欠き溝を回転工具の外周領域部分が通過するよう板状部材を配置するとき、分断した環状流体回路の切断口が流入口より供給された冷却媒体或いは潤滑媒体の吐出口となるものであるようにしたものである。
【選択図】 図2
【解決手段】板状部材10内部に流入口5bに連なる環状流体回路5a1〜5a3を少なくとも1個穿設し、この環状流体回路を分断する位置に回転工具の少なくとも外周領域部分が通過しうる長さと幅の切り欠き溝を形成し、この切り欠き溝を回転工具の外周領域部分が通過するよう板状部材を配置するとき、分断した環状流体回路の切断口が流入口より供給された冷却媒体或いは潤滑媒体の吐出口となるものであるようにしたものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加工機に装着され切削・切断に供される円板形回転工具を切削・切断加工中に冷却あるいは潤滑するための媒体を供給する部品に関するものである。更に詳しくは、木材加工あるいは木材加工に準ずる加工例えば樹脂,セラミック,非鉄金属等の切断に用いられる円板形回転工具に冷却あるいは潤滑のための媒体を供給する部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転する切削・切断工具特に円板形回転工具を冷却あるいは潤滑する媒体を、回転工具に供給することで回転工具の性能及び寿命を向上させうることが一般に知られている。冷却媒体・潤滑媒体を例えば丸鋸に供給する場合、従来は丸鋸の刃部,外周領域部等の所定個所にパイプの吐出口を向けて固定し、これらの媒体を前記所定個所に点滴,流下若しくは吹き出しする方法で行われていた。この方法では丸鋸の回転により励起される丸鋸周囲の強い気流により冷却・潤滑媒体の多くは所定個所を覆うまえにはじき飛ばされ、大半が無駄に消費されて冷却・潤滑作用が充分に行われないという問題があった。
【0003】
また、近年では木材、木材に準ずる加工においても冷却あるいは潤滑を目的として微量の冷却剤・潤滑剤のミストを含んだ圧縮空気を媒体として回転中の丸鋸の所定個所に吹きつけることが行われることがある。しかしながら丸鋸の回転速度の高速化に伴い媒体の無駄な消費と冷却・潤滑効果の問題は十分に解消されていない実情にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
丸鋸の露出された部位にパイプにより冷却・潤滑媒体を供給する場合、丸鋸の回転で励起される気流の影響を避けることが難しく、冷却・潤滑媒体は気流の影響をまともに受けて本来の目的(作用効果)を達成することができないという従来の技術の問題点を解消することが本発明の目的であって、少量の冷却・潤滑媒体を効果的に供給できる冷却・潤滑媒体等の供給部品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本請求項1の発明は、加工機に装着され切削・切断に供される円板形回転工具の冷却・潤滑を行うために使用する部品であって、板状部材内部に流入口に連なる環状流体回路を少なくとも1個所削設し、この環状流体回路を分断する位置に前記回転工具の少なくとも外周領域部分が通過しうる長さと幅の切り欠き溝を形成し、この切り欠き溝を前記回転工具の外周領域部分が通過するように板状部材を前記加工機に配置装着するとき、分断した環状流体回路の切断口が前記流入口より供給された冷却媒体或いは潤滑媒体の吐出口となり円板形回転工具を冷却・潤滑するものである。
【0006】
この発明によれば、板状部材の内部に、流入口と連なる環状流体回路を形成し、この回路を分断する位置に丸鋸等の円板形回転工具の外周領域が通過できる切り欠き溝を円板形回転工具の厚みに合わせて形成した冷却・潤滑媒体等の供給部品を、例えば木材の挽き割り鋸盤に円板形回転工具である例えば丸鋸が前記切り欠き溝を通過できるように装着し、環状流体回路の流入口から冷却・潤滑媒体を供給するときは、分断によって切り欠き溝に開口した吐出口から冷却・潤滑媒体が前記丸鋸の両側面に向かって吹き出す。板状部材の切り欠き溝と丸鋸側面との隙間は微少であり溝壁に設けられた吐出口から冷却・潤滑媒体が供給され、冷却・潤滑媒体は丸鋸の両側面の所定個所を覆い、丸鋸の回転方向に流れ、冷却・潤滑の充分な作用効果が得られる。
【0007】
請求項2の発明は、前記板状部材の切り欠き溝は、板状部材を前記加工機の取り付け位置に配置装着した後に該加工機に装着した前記回転工具自体により切削形成するものである。
この発明によれば、板状部材を鋸盤の所定位置に装着した後に該鋸盤の丸鋸により切り欠き溝を形成するので、切り欠き溝の形成が回転工具の位置に正確且つ容易に形成することができるとともに隙間を微少かつ均一にすることができる。
【0008】
請求項3の発明は、前記環状流体回路は、多重に削設して回転工具の半径方向の複数個所に吐出口を設けるようになしたものである。
この発明によれば、環状流体回路を多重に穿設したので、切り欠き溝によって円板形回転工具の半径方向に複数個の切断口が配列され、この複数個の吐出口から媒体を吹き出すことができ、大径の回転工具に対しても広い領域に冷却・媒体の作用効果が得られる。
【0009】
請求項4の発明は、前記環状流体回路は並列して複数削設し、並列に配置した回転工具のそれぞれに対応する吐出口を設けるようになしたものである。
この発明によれば、円板形回転工具を複数取り付けたものに対して、それぞれの工具に対応した吐出口が得られ、すべての工具を一様に冷却・潤滑する作用効果が得られる。
また、媒体供給パイプを配置するものでないので複数の回転工具の間隔が狭い場所でも容易に各回転工具に対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
円板形回転工具として本実施例では丸鋸で説明する。
図示しない丸鋸盤で三枚を同軸配列とした丸鋸と冷却・潤滑媒体の供給部品を装着した口板(歯口板)を示す図1、冷却・潤滑媒体の供給部品の板状部材を示す図2にもとづいて説明する。
【0011】
機台に回転可能で水平に軸承された工具軸1には丸鋸2が本例では3枚配置され2本のキー8によって工具軸1と一体回転可能に嵌着されており、挽き割りする厚みに対応する厚みのディスタンスカラー3によって丸鋸2A,2B;2B,2Cの間隔が保持されている。この丸鋸2を嵌着した工具軸1の上面には、木製の口板4が3枚の丸鋸2A,2B,2Cのそれぞれの上部約1/3が上面に突出可能なスリット4a,4b,4cが切り開かれて機台に固着されている。
【0012】
この丸鋸盤に使用する本発明の冷却・潤滑媒体等の供給部品の板状部材5は、丸鋸2のB矢印の回転方向に対して、被削材はA矢印方向に送材され、アップカットで作業される場合において、被削材の抜け出る側(被削材の送り方向前側)で口板4の下面に4本のボルト9により締着されている。この供給部品は図2に示すように板状部材本体5が本例ではほぼ正方形をなし、約10mmの厚みを有するプラスチック材を使用した。そして1辺寄り中央に段付貫通穴5bを穿孔し、小径穴5b2に雌ねじを刻設した。また貫通穴5bの大径穴5b1側の片面より幅約1.5mm,深さ約3mmの溝を中央の環状流体回路5a2として削設し、この両側に対称に同じ幅・深さの溝を環状流体回路5a1,5a3として削設した。
【0013】
この3本の環状流体回路5a1,5a2,5a3は3枚の丸鋸2A,2B,2Cに対応する位置に配置されるとともに、環状流体回路5a1,5a2,5a3の各々の回路の一部は板状部材本体5の前記1辺の対向辺に沿うように平行且つほぼ一直線上に位置させる。後述するが回路を分断したとき各々の切断口は丸鋸の中心よりほぼ同じ位置とすることができる。各環状流体回路5a1,5a2,5a3の両端のそれぞれ2個の流入口が集中する貫通穴5bの大径穴5b1に対し、小径穴5b2の雌ねじには冷却・潤滑媒体の供給源と接続されるL字形ジョイント7が裏面より螺装される。そして片面側より削設した3本の環状流体回路5a1,5a2,5a3の溝開放側は、平板の蓋体6が接着されて、環状流体回路5a1,5a2,5a3の溝及び貫通穴5bの大径穴5b1は塞がれる。
【0014】
このように形成された蓋体6を接着した冷却・潤滑媒体等の供給部品である板状部材10に、丸鋸2A,2B,2Cの外周領域部分が通過する切り欠き溝5c1,5c2,5c3を形成するには、板状部材10を口板4の所定位置に配置装着した後に、回転状態の丸鋸2A,2B,2Cを口板4に対し下から上へと相対的に丸鋸の側面と平行に送り丸鋸で板状部材10を切削しながら移動させることによって形成することができる。切り欠き溝の長さは環状流体回路の切断口が丸鋸の外周領域部に位置する長さである。
【0015】
切り欠き溝5c1,5c2,5c3の形成はスリットを形成していない口板4の下面に予め板状部材10を配置装着しておき、本機の丸鋸により口板4のスリットを削成するとともに、板状部材10の切り欠き溝を同時に形成することもできる。
切り欠き溝5c1,5c2,5c3を丸鋸自身によって形成するので、溝は丸鋸位置に正確に形成され、また丸鋸側面と溝との隙間は切刃チップの厚みと丸鋸本体厚との差の2分の1程度となり微小隙間とすることがき、鋸の回転により励起される気流の影響を受けずに、冷却・潤滑媒体等で丸鋸の所定個所をほぼ100%覆うことができる。
【0016】
或いは丸鋸2A,2B,2Cの切刃のチップの幅、通過させる丸鋸の外周領域長および丸鋸の固定間隔を設計図より拾い出して、板状部材10の環状流体回路の所定対応位置を分断するように、予め切り欠き溝5c1,5c2,5c3を形成しておいて口板4の下面にボルト9で締着することもできる。
固定された板状部材本体5にL形ジョイント7を裏面から螺着し、冷却・潤滑媒体供給源とパイプで接続するものである。
【0017】
丸鋸2が大径となり冷却・潤滑すべき外周領域部分が広い場合は、図5に示すように多重並列に環状流体回路11a1,11a2;11b1,11b2を削設しておき、前述の方法により丸鋸の外周領域が通過しうる切り欠き溝11c1,11c2を形成することによって、供給される冷却・潤滑媒体は丸鋸の広い外周領域部分に効率的に供給することができる。
【0018】
【発明の効果】
上述のように構成したので本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の発明は、板状部材に形成した流入口と連なる環状流体回路を分断した切断口を冷却・潤滑媒体の吐出口となしたので、円板形回転工具の回転により励起される気流の流れの影響を受けずに吐出口から吹き出される媒体を回転工具の本体に沿うように流出させることができ、効率的な冷却・潤滑作用が行われ、従来に比較して少量の媒体で無駄のない効率的な冷却・潤滑ができる。このため回転工具が高温にならず、熱変形が防止できて従来より肉厚の薄い円板形回転工具を用いることが可能となる。このことにより本材等の切断,除去部分が少なくなり、木材等の被削材の分溜まりが向上される。
【0019】
請求項2の発明は、板状部材の環状流体回路を分断する切り欠き溝の形成は、口板の所定位置に取り付けることによって回転工具自体で形成するので、溝形成が容易で且つ位置が正確で微少均一な隙間に形成できる。
【0020】
請求項3の発明は、環状流体回路を多重に形成したので大径円板形回転工具であっても充分の冷却・潤滑作用効果が得られる。
【0021】
請求項4の発明は、環状流体回路を並列に配置したそれぞれの回転工具に対応して形成したもので、板状部材に複数の独立した細い回路を接近して形成でき、従来のパイプなどのように個々の供給管の取付手段も必要ないので回転工具の間隔を自由に設定できる。そして取り付けが簡単で取付段取・保守などの時間を短縮するとこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸と口板および供給部品との関係位置を示す図で、aは側面図、bは底面図である。
【図2】冷却・潤滑媒体等の供給部品及び流体供給のジョイント説明図で、aは蓋体の半分を除去した平面図、bは板状部材のみをA−A線断面図とした側面図である。
【図3】板状部材の流入口環状流体回路の形成状態を示す図である。
【図4】図3に示す板状部材にさらに円板形回転工具の通過する切り欠き溝を形成した図である。
【図5】板状部材に多重(二重)の環状流体回路を2回路並列に形成した図である。
【図6】図5に示す板状部材にさらに円板形回転工具が通過する切り欠き溝を形成した図である。
【符号の説明】
2 丸鋸
4 口板
5 板状部材本体
5a1,5a2,5a3,11a1,11a2;11b1,11b2 環状流体回路
5b 流入口
5c1,5c2,5c3,11c1,11c2 切り欠き溝
6 蓋体
7 L形ジョイント
10 板状部材
【発明の属する技術分野】
本発明は加工機に装着され切削・切断に供される円板形回転工具を切削・切断加工中に冷却あるいは潤滑するための媒体を供給する部品に関するものである。更に詳しくは、木材加工あるいは木材加工に準ずる加工例えば樹脂,セラミック,非鉄金属等の切断に用いられる円板形回転工具に冷却あるいは潤滑のための媒体を供給する部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転する切削・切断工具特に円板形回転工具を冷却あるいは潤滑する媒体を、回転工具に供給することで回転工具の性能及び寿命を向上させうることが一般に知られている。冷却媒体・潤滑媒体を例えば丸鋸に供給する場合、従来は丸鋸の刃部,外周領域部等の所定個所にパイプの吐出口を向けて固定し、これらの媒体を前記所定個所に点滴,流下若しくは吹き出しする方法で行われていた。この方法では丸鋸の回転により励起される丸鋸周囲の強い気流により冷却・潤滑媒体の多くは所定個所を覆うまえにはじき飛ばされ、大半が無駄に消費されて冷却・潤滑作用が充分に行われないという問題があった。
【0003】
また、近年では木材、木材に準ずる加工においても冷却あるいは潤滑を目的として微量の冷却剤・潤滑剤のミストを含んだ圧縮空気を媒体として回転中の丸鋸の所定個所に吹きつけることが行われることがある。しかしながら丸鋸の回転速度の高速化に伴い媒体の無駄な消費と冷却・潤滑効果の問題は十分に解消されていない実情にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
丸鋸の露出された部位にパイプにより冷却・潤滑媒体を供給する場合、丸鋸の回転で励起される気流の影響を避けることが難しく、冷却・潤滑媒体は気流の影響をまともに受けて本来の目的(作用効果)を達成することができないという従来の技術の問題点を解消することが本発明の目的であって、少量の冷却・潤滑媒体を効果的に供給できる冷却・潤滑媒体等の供給部品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本請求項1の発明は、加工機に装着され切削・切断に供される円板形回転工具の冷却・潤滑を行うために使用する部品であって、板状部材内部に流入口に連なる環状流体回路を少なくとも1個所削設し、この環状流体回路を分断する位置に前記回転工具の少なくとも外周領域部分が通過しうる長さと幅の切り欠き溝を形成し、この切り欠き溝を前記回転工具の外周領域部分が通過するように板状部材を前記加工機に配置装着するとき、分断した環状流体回路の切断口が前記流入口より供給された冷却媒体或いは潤滑媒体の吐出口となり円板形回転工具を冷却・潤滑するものである。
【0006】
この発明によれば、板状部材の内部に、流入口と連なる環状流体回路を形成し、この回路を分断する位置に丸鋸等の円板形回転工具の外周領域が通過できる切り欠き溝を円板形回転工具の厚みに合わせて形成した冷却・潤滑媒体等の供給部品を、例えば木材の挽き割り鋸盤に円板形回転工具である例えば丸鋸が前記切り欠き溝を通過できるように装着し、環状流体回路の流入口から冷却・潤滑媒体を供給するときは、分断によって切り欠き溝に開口した吐出口から冷却・潤滑媒体が前記丸鋸の両側面に向かって吹き出す。板状部材の切り欠き溝と丸鋸側面との隙間は微少であり溝壁に設けられた吐出口から冷却・潤滑媒体が供給され、冷却・潤滑媒体は丸鋸の両側面の所定個所を覆い、丸鋸の回転方向に流れ、冷却・潤滑の充分な作用効果が得られる。
【0007】
請求項2の発明は、前記板状部材の切り欠き溝は、板状部材を前記加工機の取り付け位置に配置装着した後に該加工機に装着した前記回転工具自体により切削形成するものである。
この発明によれば、板状部材を鋸盤の所定位置に装着した後に該鋸盤の丸鋸により切り欠き溝を形成するので、切り欠き溝の形成が回転工具の位置に正確且つ容易に形成することができるとともに隙間を微少かつ均一にすることができる。
【0008】
請求項3の発明は、前記環状流体回路は、多重に削設して回転工具の半径方向の複数個所に吐出口を設けるようになしたものである。
この発明によれば、環状流体回路を多重に穿設したので、切り欠き溝によって円板形回転工具の半径方向に複数個の切断口が配列され、この複数個の吐出口から媒体を吹き出すことができ、大径の回転工具に対しても広い領域に冷却・媒体の作用効果が得られる。
【0009】
請求項4の発明は、前記環状流体回路は並列して複数削設し、並列に配置した回転工具のそれぞれに対応する吐出口を設けるようになしたものである。
この発明によれば、円板形回転工具を複数取り付けたものに対して、それぞれの工具に対応した吐出口が得られ、すべての工具を一様に冷却・潤滑する作用効果が得られる。
また、媒体供給パイプを配置するものでないので複数の回転工具の間隔が狭い場所でも容易に各回転工具に対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
円板形回転工具として本実施例では丸鋸で説明する。
図示しない丸鋸盤で三枚を同軸配列とした丸鋸と冷却・潤滑媒体の供給部品を装着した口板(歯口板)を示す図1、冷却・潤滑媒体の供給部品の板状部材を示す図2にもとづいて説明する。
【0011】
機台に回転可能で水平に軸承された工具軸1には丸鋸2が本例では3枚配置され2本のキー8によって工具軸1と一体回転可能に嵌着されており、挽き割りする厚みに対応する厚みのディスタンスカラー3によって丸鋸2A,2B;2B,2Cの間隔が保持されている。この丸鋸2を嵌着した工具軸1の上面には、木製の口板4が3枚の丸鋸2A,2B,2Cのそれぞれの上部約1/3が上面に突出可能なスリット4a,4b,4cが切り開かれて機台に固着されている。
【0012】
この丸鋸盤に使用する本発明の冷却・潤滑媒体等の供給部品の板状部材5は、丸鋸2のB矢印の回転方向に対して、被削材はA矢印方向に送材され、アップカットで作業される場合において、被削材の抜け出る側(被削材の送り方向前側)で口板4の下面に4本のボルト9により締着されている。この供給部品は図2に示すように板状部材本体5が本例ではほぼ正方形をなし、約10mmの厚みを有するプラスチック材を使用した。そして1辺寄り中央に段付貫通穴5bを穿孔し、小径穴5b2に雌ねじを刻設した。また貫通穴5bの大径穴5b1側の片面より幅約1.5mm,深さ約3mmの溝を中央の環状流体回路5a2として削設し、この両側に対称に同じ幅・深さの溝を環状流体回路5a1,5a3として削設した。
【0013】
この3本の環状流体回路5a1,5a2,5a3は3枚の丸鋸2A,2B,2Cに対応する位置に配置されるとともに、環状流体回路5a1,5a2,5a3の各々の回路の一部は板状部材本体5の前記1辺の対向辺に沿うように平行且つほぼ一直線上に位置させる。後述するが回路を分断したとき各々の切断口は丸鋸の中心よりほぼ同じ位置とすることができる。各環状流体回路5a1,5a2,5a3の両端のそれぞれ2個の流入口が集中する貫通穴5bの大径穴5b1に対し、小径穴5b2の雌ねじには冷却・潤滑媒体の供給源と接続されるL字形ジョイント7が裏面より螺装される。そして片面側より削設した3本の環状流体回路5a1,5a2,5a3の溝開放側は、平板の蓋体6が接着されて、環状流体回路5a1,5a2,5a3の溝及び貫通穴5bの大径穴5b1は塞がれる。
【0014】
このように形成された蓋体6を接着した冷却・潤滑媒体等の供給部品である板状部材10に、丸鋸2A,2B,2Cの外周領域部分が通過する切り欠き溝5c1,5c2,5c3を形成するには、板状部材10を口板4の所定位置に配置装着した後に、回転状態の丸鋸2A,2B,2Cを口板4に対し下から上へと相対的に丸鋸の側面と平行に送り丸鋸で板状部材10を切削しながら移動させることによって形成することができる。切り欠き溝の長さは環状流体回路の切断口が丸鋸の外周領域部に位置する長さである。
【0015】
切り欠き溝5c1,5c2,5c3の形成はスリットを形成していない口板4の下面に予め板状部材10を配置装着しておき、本機の丸鋸により口板4のスリットを削成するとともに、板状部材10の切り欠き溝を同時に形成することもできる。
切り欠き溝5c1,5c2,5c3を丸鋸自身によって形成するので、溝は丸鋸位置に正確に形成され、また丸鋸側面と溝との隙間は切刃チップの厚みと丸鋸本体厚との差の2分の1程度となり微小隙間とすることがき、鋸の回転により励起される気流の影響を受けずに、冷却・潤滑媒体等で丸鋸の所定個所をほぼ100%覆うことができる。
【0016】
或いは丸鋸2A,2B,2Cの切刃のチップの幅、通過させる丸鋸の外周領域長および丸鋸の固定間隔を設計図より拾い出して、板状部材10の環状流体回路の所定対応位置を分断するように、予め切り欠き溝5c1,5c2,5c3を形成しておいて口板4の下面にボルト9で締着することもできる。
固定された板状部材本体5にL形ジョイント7を裏面から螺着し、冷却・潤滑媒体供給源とパイプで接続するものである。
【0017】
丸鋸2が大径となり冷却・潤滑すべき外周領域部分が広い場合は、図5に示すように多重並列に環状流体回路11a1,11a2;11b1,11b2を削設しておき、前述の方法により丸鋸の外周領域が通過しうる切り欠き溝11c1,11c2を形成することによって、供給される冷却・潤滑媒体は丸鋸の広い外周領域部分に効率的に供給することができる。
【0018】
【発明の効果】
上述のように構成したので本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の発明は、板状部材に形成した流入口と連なる環状流体回路を分断した切断口を冷却・潤滑媒体の吐出口となしたので、円板形回転工具の回転により励起される気流の流れの影響を受けずに吐出口から吹き出される媒体を回転工具の本体に沿うように流出させることができ、効率的な冷却・潤滑作用が行われ、従来に比較して少量の媒体で無駄のない効率的な冷却・潤滑ができる。このため回転工具が高温にならず、熱変形が防止できて従来より肉厚の薄い円板形回転工具を用いることが可能となる。このことにより本材等の切断,除去部分が少なくなり、木材等の被削材の分溜まりが向上される。
【0019】
請求項2の発明は、板状部材の環状流体回路を分断する切り欠き溝の形成は、口板の所定位置に取り付けることによって回転工具自体で形成するので、溝形成が容易で且つ位置が正確で微少均一な隙間に形成できる。
【0020】
請求項3の発明は、環状流体回路を多重に形成したので大径円板形回転工具であっても充分の冷却・潤滑作用効果が得られる。
【0021】
請求項4の発明は、環状流体回路を並列に配置したそれぞれの回転工具に対応して形成したもので、板状部材に複数の独立した細い回路を接近して形成でき、従来のパイプなどのように個々の供給管の取付手段も必要ないので回転工具の間隔を自由に設定できる。そして取り付けが簡単で取付段取・保守などの時間を短縮するとこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸鋸と口板および供給部品との関係位置を示す図で、aは側面図、bは底面図である。
【図2】冷却・潤滑媒体等の供給部品及び流体供給のジョイント説明図で、aは蓋体の半分を除去した平面図、bは板状部材のみをA−A線断面図とした側面図である。
【図3】板状部材の流入口環状流体回路の形成状態を示す図である。
【図4】図3に示す板状部材にさらに円板形回転工具の通過する切り欠き溝を形成した図である。
【図5】板状部材に多重(二重)の環状流体回路を2回路並列に形成した図である。
【図6】図5に示す板状部材にさらに円板形回転工具が通過する切り欠き溝を形成した図である。
【符号の説明】
2 丸鋸
4 口板
5 板状部材本体
5a1,5a2,5a3,11a1,11a2;11b1,11b2 環状流体回路
5b 流入口
5c1,5c2,5c3,11c1,11c2 切り欠き溝
6 蓋体
7 L形ジョイント
10 板状部材
Claims (4)
- 加工機に装着され切削・切断に供される円板形回転工具の冷却・潤滑を行うために使用する部品であって、板状部材内部に流入口に連なる環状流体回路を少なくとも1個所削設し、この環状流体回路を分断する位置に前記回転工具の少なくとも外周領域部分が通過しうる長さと幅の切り欠き溝を形成し、この切り欠き溝を前記回転工具の外周領域部分が通過するように板状部材を前記加工機に配置装着するとき、分断した環状流体回路の切断口が前記流入口より供給された冷却媒体或いは潤滑媒体の吐出口となり円板形回転工具を冷却・潤滑することを特徴とする円板形回転工具に対する冷却・潤滑媒体等の供給部品。
- 前記板状部材の切り欠き溝は、板状部材を前記加工機の取り付け位置に配置装着した後に該加工機に装着した前記回転工具自体により切削形成するものである請求項1に記載の円板形回転工具に対する冷却・潤滑媒体等の供給部品。
- 前記環状流体回路は、多重に削設して回転工具の半径方向の複数個所に吐出口を設けるようになした請求項1又は2に記載の円板形回転工具に対する冷却・潤滑媒体等の供給部品。
- 前記環状流体回路は並列して複数削設し、並列に配置した回転工具のそれぞれに対応する吐出口を設けるようになした請求項1乃至3のいずれか1項に記載の円板形回転工具に対する冷却・潤滑媒体等の供給部品。
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JP2002185611A JP2004025631A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | 円板形回転工具に対する冷却・潤滑媒体等の供給部品 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101488020B1 (ko) | 2007-09-14 | 2015-01-29 | 페인툴 인텔렉츄얼 프로퍼티 에이쥐 | 절단시 작업편 및 공구를 윤활하기 위한 방법 및 장치 |
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2002
- 2002-06-26 JP JP2002185611A patent/JP2004025631A/ja active Pending
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