JP2004024626A - 保湿マスク - Google Patents
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Abstract
【課題】繰り返し手洗いを行っても布地(10)がほつれず、肌触りがよく、かつ安価に製造できる保湿マスクを提供する。
【解決手段】布地本体(2)の輪郭とスリット(6)若しくは抜き孔(5、7)の周縁で、顔面と対向しない表面側(2a)に、樹脂バインダー(3)を付着し、手洗いを繰り返しても、これらの輪郭や周縁から織り糸がほつれることを防止する。樹脂バインダー(3)は、薄肉かつ細幅で周縁に付着できるので、周縁での可撓性を損なわず、凹凸に波打つことがなく、顔面にフィットする。
【選択図】 図1
【解決手段】布地本体(2)の輪郭とスリット(6)若しくは抜き孔(5、7)の周縁で、顔面と対向しない表面側(2a)に、樹脂バインダー(3)を付着し、手洗いを繰り返しても、これらの輪郭や周縁から織り糸がほつれることを防止する。樹脂バインダー(3)は、薄肉かつ細幅で周縁に付着できるので、周縁での可撓性を損なわず、凹凸に波打つことがなく、顔面にフィットする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、美容液などの保湿液を含浸する布地で顔面を覆い、顔肌に潤いを与える保湿マスクに関し、更に詳しくは、保湿液を何度も含ませて再利用できる保湿マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顔面の乾燥を防ぎ、顔肌に潤いを与えるために、布地を顔の輪郭に合わせて裁断した布地本体に、美容液などの保湿液を含浸させ、顔面に覆う保湿マスクが知られている。
【0003】
この従来の保湿マスクは、布地に不織布等の安価な材料を用いて、保湿液を含浸させたものであり、1度使用させた後は廃棄する使い捨てのものであった。しかしながら、安価な材料を用いるものであっても、ほぼ毎日使用するものであることから、継続して使用すると割高になるものであった。
【0004】
そこで、使用した後にハンカチやタオルのように、洗って汚れを落とし、再び使用する際に保湿液を含ませ、再利用する保湿マスクが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の保湿マスクは、上述のように布地から顔の輪郭に合わせて裁断し、また、目、鼻孔、口などが保湿マスクで遮断されないように、これらの部位にスリット若しくは抜き孔を穿設するものであるが、再利用のために繰り返して洗うと、裁断部である輪郭や、スリット若しくは抜き孔の周縁で、布地がほつれてしまうものであった。
【0006】
布地がほつれると、見栄えがよくないばかりか、顔面を覆い使用する際に、ほつれた織糸が顔面に触れて不快感が生じる。そこで、再利用する保湿マスクには、輪郭や、スリット若しくは抜き孔の周縁で、ほつれ防止加工を施す必要があった。
【0007】
布地のほつれ防止加工としては、ステッチ縫いが一般的であるが、縫製は手作業であり、手間と時間がかかるためにコスト高となるものであった。
【0008】
また、縫製により、輪郭やスリット若しくは抜き孔の周縁が屈曲して波打ち、更に、顔面を覆う裏面にも、縫い目が生じるので、顔肌に触り不快感を生じさるという問題があった。
【0009】
また、ほつれ防止加工として、輪郭やスリット若しくは抜き孔の周縁にバイアステープを縫い付ける方法も知られているが、同様にバイアステープを貼り付けたり、縫い付ける作業が必要となり、コスト高となるものであった。
【0010】
また、布地は、顔肌に密着させるために、薄くして可撓性のある布地を用いているが、バイアステープを縫い付けることによって波打ち、ごわごわとした不快感を与えるとともに、波打つことにより、周囲に隙間が生じてしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、上述問題に鑑みてなされたもので、繰り返し手洗いを行っても布地がほつれず、肌触りがよく、かつ安価に製造できる保湿マスクを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的に鑑み、請求項1に係る保湿マスクは、保湿液を含浸する布地で、顔面を覆う輪郭形状に形成された布地本体の、目、鼻孔、口の少なくともいずれかの対応部位にスリット若しくは抜き孔が穿設された保湿マスクにおいて、
布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁で、顔面と対向しない表面側に、樹脂バインダーを付着することを特徴とする。
【0013】
布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁に、樹脂バインダーを付着するので、周縁で裁断された織り糸が樹脂バインダーで固定され、手洗いを繰り返しても、ほつれない。
【0014】
また、樹脂バインダーは、薄肉かつ細幅で周縁に付着できるので、周縁での可撓性を損なわず、凹凸に波打つことがなく、顔面にフィットする。
【0015】
樹脂バインダーは、顔面と対向しない表面側に付着されるので、顔肌にあたって不快感を生じさせることもない。
【0016】
請求項2に係る保湿マスクは、一面に、顔面を覆う輪郭形状とスリット若しくは抜き孔の輪郭形状に沿って帯状の樹脂バインダーを付着した布地を、帯状の樹脂バインダーに沿って裁断し、布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁に沿って、樹脂バインダーを付着することを特徴とする。
【0017】
顔面を覆う輪郭形状とスリット若しくは抜き孔の周縁に沿って、樹脂バインダーを付着させるので、布地本体と、スリット若しくは抜き孔を裁断して形成する際に、これらの周縁に樹脂バインダーが付着される。
【0018】
請求項3に係る保湿マスクは、樹脂バインダーが、油性インクであり、油性インクを布地に印刷して付着させることを特徴とする。
【0019】
樹脂バインダーの付着作業を印刷で行うことができるので、同一形状の保湿マスクを安価に量産できる。
【0020】
また、種々の色合いの油性インクを用いて、輪郭と目、鼻孔、口の周縁の色調を選択できるので、購買欲を惹起させるデザインとすることができる。
【0021】
請求項4に係る保湿マスクは、保湿液を含浸する布地が、綿糸を平織りする工程で真珠の微粉を含有させた生地であることを特徴とする。
【0022】
綿糸を平織りした生地であるので浸潤性と可撓性に優れ、また、真珠の微粉を含有するので、活性酸素による顔肌の酸化が防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る保湿マスク1を、図1乃至図3を用いて説明する。図1は、保湿マスク1の正面図、図2は、同背面図、図3は、保湿マスク1の一部省略拡大中央縦断面図である。
【0024】
図に示すように、保湿マスク1は、綿糸を平織りした生地を、顔面の輪郭形状に合わせてほぼ円形に切り抜いた布地本体2と、布地本体2の表面2a(図1に示す正面)側に付着された樹脂バインダーである油性インク3とで構成されている。
【0025】
布地本体2の厚さは、充分な可撓性を有し肌触りを良好とするために、綿糸を平織りした生地を用いて薄いものとしている。一方、薄い生地であっても、綿糸を平織りしているので、化粧液などの保湿液を含浸し、充分湿潤性が保てるものとなっている。また、ここでは、真珠の微粉を綿糸に塗布して織り込むなどの方法で、素材となる生地に真珠の微粉を含有させている。
【0026】
布地本体2の輪郭形状は、顔面の全体を覆うように、ほぼ円形となっているが、図1、図2に示すように、円形の輪郭に対し左右対称となる7箇所の位置に切欠き4を形成し、凹凸のある顔面に対して、周囲が隙間なく密着するようにしている。
【0027】
布地本体2の中央には、顔面を覆った際の目、鼻孔、口に対応する部位に、それぞれ一対の目出し孔5、5、スリット6、口孔7が穿設されている。スリット6は、鼻の輪郭に合わせたU字状に形成され、顔面に布地本体2を覆うと、スリット6で仕切られた内方が鼻に当接して切り起こされ、鼻孔が外部に臨むようになっている。
【0028】
図1乃至図3に示すように、油性インク3は、これらの目出し孔5、5、スリット6、口孔7の周縁と、布地本体2の輪郭に沿って、布地本体2の表面側2aにのみ帯状に付着されている。布地本体2への付着は、本実施の形態では、布地本体2の裁断前に油性インク3を印刷で付着させる。
【0029】
図4は、図1乃至図3に示す保湿マスク1を製造する工程で、油性インク3を付着した中間加工品を示す正面図であり、綿糸を平織りした生地10に、布地本体2の輪郭形状と、目出し孔5、5、スリット6、口孔7の各輪郭形状となる部位に沿って幅6mm前後の帯状の油性インク3を印刷している。油性インク3の印刷は、Tシャツなどの衣類に油性インクによる模様を付着させる際に用いられるいわゆるSOLプリントで印刷される。このSOLプリントによれば、油性インク3が印刷された領域においても、ある程度の通気性が保たれる。
【0030】
油性インク3は、印刷後、2乃至3分間高温で加熱処理され、この処理により布地本体2表面の印刷部位に固着され、保湿マスク1を洗っても布地本体2から落ちにくくなってる。
【0031】
その後、帯状に印刷された油性インク3の帯状のほぼ中間の裁断線8(図4に示す破線)に沿って、図示しないプレス機で裁断し、生地10から布地本体2を打ち抜く。この裁断により、図1、図2に示すように、ほぼ円形の輪郭形状で目出し孔5、5、スリット6、口孔7が穿設され、裁断したこれらの周縁に沿って油性インク3が付着する保湿マスク1が得られる。布地本体2を構成する綿糸の裁断により切断された端部は、油性インク3を表面側2aから付着することにより、互いに周囲の端部と付着し、ほつれることがない。
【0032】
本発明で用いられる樹脂バインダーは、再利用するために保湿マスク1を繰り返して洗っても流れ落ちないように耐水性が求められるが、この油性インク3の他、布地本体2の裁断面から織糸がほつれないように固定するものであれば、アクリル系その他のゴムラテックス、天然ゴムラテックス、これらの混合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール等の熱可塑性剤、接着剤など種々のものを用いることができる。
【0033】
また、これらの樹脂バインダーを付着させる方法としても、印刷の他、スプレー法、ディッピング法等の他、熱可塑性剤であれば、塗布した後に加熱して固着させる方法など適宜方法を採用できる。
【0034】
このようにして得られた保湿マスク1は、化粧液などの保湿液を布地本体2に浸し、就寝時などに顔面に載せて使用する。その際に、目出し孔5、5、スリット6、口孔7が穿設されているので、不自由なく呼吸し、また、見たり話すことができる。
【0035】
保湿液を含浸させた保湿マスク1で顔面を覆うと、顔肌に布地本体2が密着し、保湿液が付着するので、肌の乾燥を防ぐことができる。また、布地本体2は、真珠の微粉を含有するので、真珠の微粉が活性酸素による肌の酸化を防ぎ、肌の老化を防止できる。
【0036】
使用後は、顔面から付着する汚れ、保湿液を手洗いで洗い流し、乾燥させた後、再び保湿液を浸して再利用する。
【0037】
本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、例えば、布地本体2は、顔面に密着する程度の可撓性があり、保湿液を含浸する生地であれば、綿糸を平織りした生地に限らず、絹など他の生地を切り抜いて形成してもよい。
【0038】
また、布地本体2の輪郭形状は、顔面を覆う形状として種々の形状とすることができる。
【0039】
更に、布地本体2に、必ずしも目出し孔5、5、スリット6、口孔7の全てを穿設する必要はなく、そのいずれかのみ(例えば、鼻孔に対応するスリット6のみ)を穿設するものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、樹脂バインダーを付着するので、再利用のために繰り返して洗浄しても、輪郭や、スリット若しくは抜き孔の周縁から、ほつれることがない。
【0041】
また、樹脂バインダーを付着するだけで、ほつれ防止加工を施すことができるので、安価に加工できる。
【0042】
更に、樹脂バインダーは布地本体の可撓性を損なうことなく薄肉で付着できるので、その輪郭やスリット若しくは抜き孔の周縁が波打つことない。その結果、保湿マスクは、顔面に密着し、保湿マスクで覆った顔肌が外部に触れないので、保湿効果が高められる。
【0043】
更に、樹脂バインダーは、顔面に直接触れることがないので、不快感を与えない。
【0044】
また、請求項2の発明によれば、帯状の樹脂バインダーに沿って裁断するだけで、布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁に沿って、樹脂バインダーを付着できるので、付着工程を大幅に簡略化でき、付着漏れがない。
【0045】
更に、樹脂バインダーが付着された表面側から裁断すれば、裁断面に樹脂バインダーの一部が付着し、より効果的に裁断面からのほつれを防止できる。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、樹脂バインダーの付着作業を印刷で行うことができるので、同一形状の保湿マスクを安価に画一的に量産できる。
【0047】
更に、透明や種々の色合いの油性インクを用いて、輪郭と目、鼻孔、口の周縁の色調を選択できるので、樹脂バインダーの付着部分を目立たなくさせたり、逆に購買欲を惹起させるデザインとすることができる。
【0048】
また、請求項4の発明によれば、布地が、綿糸を平織りした生地であるので浸潤性と可撓性に優れ、また、真珠の微粉を含有する布地本体が顔肌に触れるので、活性酸素による顔肌の酸化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保湿マスク1の正面図である。
【図2】保湿マスク1の背面図である。
【図3】保湿マスク1のスリット6と口孔7で切断した一部省略拡大中央縦断面図である。
【図4】保湿マスク1を製造する工程で、油性インク3を付着した生地10を示す正面図である。
【符号の説明】
1 保湿マスク
2 布地本体
2a 布地本体の表面側
3 油性インク(樹脂バインダー)
5 目出し孔(抜き孔)
6 スリット
7 口孔(抜き孔)
10 生地(布地)
【発明の属する技術分野】
本発明は、美容液などの保湿液を含浸する布地で顔面を覆い、顔肌に潤いを与える保湿マスクに関し、更に詳しくは、保湿液を何度も含ませて再利用できる保湿マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顔面の乾燥を防ぎ、顔肌に潤いを与えるために、布地を顔の輪郭に合わせて裁断した布地本体に、美容液などの保湿液を含浸させ、顔面に覆う保湿マスクが知られている。
【0003】
この従来の保湿マスクは、布地に不織布等の安価な材料を用いて、保湿液を含浸させたものであり、1度使用させた後は廃棄する使い捨てのものであった。しかしながら、安価な材料を用いるものであっても、ほぼ毎日使用するものであることから、継続して使用すると割高になるものであった。
【0004】
そこで、使用した後にハンカチやタオルのように、洗って汚れを落とし、再び使用する際に保湿液を含ませ、再利用する保湿マスクが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の保湿マスクは、上述のように布地から顔の輪郭に合わせて裁断し、また、目、鼻孔、口などが保湿マスクで遮断されないように、これらの部位にスリット若しくは抜き孔を穿設するものであるが、再利用のために繰り返して洗うと、裁断部である輪郭や、スリット若しくは抜き孔の周縁で、布地がほつれてしまうものであった。
【0006】
布地がほつれると、見栄えがよくないばかりか、顔面を覆い使用する際に、ほつれた織糸が顔面に触れて不快感が生じる。そこで、再利用する保湿マスクには、輪郭や、スリット若しくは抜き孔の周縁で、ほつれ防止加工を施す必要があった。
【0007】
布地のほつれ防止加工としては、ステッチ縫いが一般的であるが、縫製は手作業であり、手間と時間がかかるためにコスト高となるものであった。
【0008】
また、縫製により、輪郭やスリット若しくは抜き孔の周縁が屈曲して波打ち、更に、顔面を覆う裏面にも、縫い目が生じるので、顔肌に触り不快感を生じさるという問題があった。
【0009】
また、ほつれ防止加工として、輪郭やスリット若しくは抜き孔の周縁にバイアステープを縫い付ける方法も知られているが、同様にバイアステープを貼り付けたり、縫い付ける作業が必要となり、コスト高となるものであった。
【0010】
また、布地は、顔肌に密着させるために、薄くして可撓性のある布地を用いているが、バイアステープを縫い付けることによって波打ち、ごわごわとした不快感を与えるとともに、波打つことにより、周囲に隙間が生じてしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、上述問題に鑑みてなされたもので、繰り返し手洗いを行っても布地がほつれず、肌触りがよく、かつ安価に製造できる保湿マスクを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的に鑑み、請求項1に係る保湿マスクは、保湿液を含浸する布地で、顔面を覆う輪郭形状に形成された布地本体の、目、鼻孔、口の少なくともいずれかの対応部位にスリット若しくは抜き孔が穿設された保湿マスクにおいて、
布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁で、顔面と対向しない表面側に、樹脂バインダーを付着することを特徴とする。
【0013】
布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁に、樹脂バインダーを付着するので、周縁で裁断された織り糸が樹脂バインダーで固定され、手洗いを繰り返しても、ほつれない。
【0014】
また、樹脂バインダーは、薄肉かつ細幅で周縁に付着できるので、周縁での可撓性を損なわず、凹凸に波打つことがなく、顔面にフィットする。
【0015】
樹脂バインダーは、顔面と対向しない表面側に付着されるので、顔肌にあたって不快感を生じさせることもない。
【0016】
請求項2に係る保湿マスクは、一面に、顔面を覆う輪郭形状とスリット若しくは抜き孔の輪郭形状に沿って帯状の樹脂バインダーを付着した布地を、帯状の樹脂バインダーに沿って裁断し、布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁に沿って、樹脂バインダーを付着することを特徴とする。
【0017】
顔面を覆う輪郭形状とスリット若しくは抜き孔の周縁に沿って、樹脂バインダーを付着させるので、布地本体と、スリット若しくは抜き孔を裁断して形成する際に、これらの周縁に樹脂バインダーが付着される。
【0018】
請求項3に係る保湿マスクは、樹脂バインダーが、油性インクであり、油性インクを布地に印刷して付着させることを特徴とする。
【0019】
樹脂バインダーの付着作業を印刷で行うことができるので、同一形状の保湿マスクを安価に量産できる。
【0020】
また、種々の色合いの油性インクを用いて、輪郭と目、鼻孔、口の周縁の色調を選択できるので、購買欲を惹起させるデザインとすることができる。
【0021】
請求項4に係る保湿マスクは、保湿液を含浸する布地が、綿糸を平織りする工程で真珠の微粉を含有させた生地であることを特徴とする。
【0022】
綿糸を平織りした生地であるので浸潤性と可撓性に優れ、また、真珠の微粉を含有するので、活性酸素による顔肌の酸化が防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る保湿マスク1を、図1乃至図3を用いて説明する。図1は、保湿マスク1の正面図、図2は、同背面図、図3は、保湿マスク1の一部省略拡大中央縦断面図である。
【0024】
図に示すように、保湿マスク1は、綿糸を平織りした生地を、顔面の輪郭形状に合わせてほぼ円形に切り抜いた布地本体2と、布地本体2の表面2a(図1に示す正面)側に付着された樹脂バインダーである油性インク3とで構成されている。
【0025】
布地本体2の厚さは、充分な可撓性を有し肌触りを良好とするために、綿糸を平織りした生地を用いて薄いものとしている。一方、薄い生地であっても、綿糸を平織りしているので、化粧液などの保湿液を含浸し、充分湿潤性が保てるものとなっている。また、ここでは、真珠の微粉を綿糸に塗布して織り込むなどの方法で、素材となる生地に真珠の微粉を含有させている。
【0026】
布地本体2の輪郭形状は、顔面の全体を覆うように、ほぼ円形となっているが、図1、図2に示すように、円形の輪郭に対し左右対称となる7箇所の位置に切欠き4を形成し、凹凸のある顔面に対して、周囲が隙間なく密着するようにしている。
【0027】
布地本体2の中央には、顔面を覆った際の目、鼻孔、口に対応する部位に、それぞれ一対の目出し孔5、5、スリット6、口孔7が穿設されている。スリット6は、鼻の輪郭に合わせたU字状に形成され、顔面に布地本体2を覆うと、スリット6で仕切られた内方が鼻に当接して切り起こされ、鼻孔が外部に臨むようになっている。
【0028】
図1乃至図3に示すように、油性インク3は、これらの目出し孔5、5、スリット6、口孔7の周縁と、布地本体2の輪郭に沿って、布地本体2の表面側2aにのみ帯状に付着されている。布地本体2への付着は、本実施の形態では、布地本体2の裁断前に油性インク3を印刷で付着させる。
【0029】
図4は、図1乃至図3に示す保湿マスク1を製造する工程で、油性インク3を付着した中間加工品を示す正面図であり、綿糸を平織りした生地10に、布地本体2の輪郭形状と、目出し孔5、5、スリット6、口孔7の各輪郭形状となる部位に沿って幅6mm前後の帯状の油性インク3を印刷している。油性インク3の印刷は、Tシャツなどの衣類に油性インクによる模様を付着させる際に用いられるいわゆるSOLプリントで印刷される。このSOLプリントによれば、油性インク3が印刷された領域においても、ある程度の通気性が保たれる。
【0030】
油性インク3は、印刷後、2乃至3分間高温で加熱処理され、この処理により布地本体2表面の印刷部位に固着され、保湿マスク1を洗っても布地本体2から落ちにくくなってる。
【0031】
その後、帯状に印刷された油性インク3の帯状のほぼ中間の裁断線8(図4に示す破線)に沿って、図示しないプレス機で裁断し、生地10から布地本体2を打ち抜く。この裁断により、図1、図2に示すように、ほぼ円形の輪郭形状で目出し孔5、5、スリット6、口孔7が穿設され、裁断したこれらの周縁に沿って油性インク3が付着する保湿マスク1が得られる。布地本体2を構成する綿糸の裁断により切断された端部は、油性インク3を表面側2aから付着することにより、互いに周囲の端部と付着し、ほつれることがない。
【0032】
本発明で用いられる樹脂バインダーは、再利用するために保湿マスク1を繰り返して洗っても流れ落ちないように耐水性が求められるが、この油性インク3の他、布地本体2の裁断面から織糸がほつれないように固定するものであれば、アクリル系その他のゴムラテックス、天然ゴムラテックス、これらの混合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール等の熱可塑性剤、接着剤など種々のものを用いることができる。
【0033】
また、これらの樹脂バインダーを付着させる方法としても、印刷の他、スプレー法、ディッピング法等の他、熱可塑性剤であれば、塗布した後に加熱して固着させる方法など適宜方法を採用できる。
【0034】
このようにして得られた保湿マスク1は、化粧液などの保湿液を布地本体2に浸し、就寝時などに顔面に載せて使用する。その際に、目出し孔5、5、スリット6、口孔7が穿設されているので、不自由なく呼吸し、また、見たり話すことができる。
【0035】
保湿液を含浸させた保湿マスク1で顔面を覆うと、顔肌に布地本体2が密着し、保湿液が付着するので、肌の乾燥を防ぐことができる。また、布地本体2は、真珠の微粉を含有するので、真珠の微粉が活性酸素による肌の酸化を防ぎ、肌の老化を防止できる。
【0036】
使用後は、顔面から付着する汚れ、保湿液を手洗いで洗い流し、乾燥させた後、再び保湿液を浸して再利用する。
【0037】
本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、例えば、布地本体2は、顔面に密着する程度の可撓性があり、保湿液を含浸する生地であれば、綿糸を平織りした生地に限らず、絹など他の生地を切り抜いて形成してもよい。
【0038】
また、布地本体2の輪郭形状は、顔面を覆う形状として種々の形状とすることができる。
【0039】
更に、布地本体2に、必ずしも目出し孔5、5、スリット6、口孔7の全てを穿設する必要はなく、そのいずれかのみ(例えば、鼻孔に対応するスリット6のみ)を穿設するものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、樹脂バインダーを付着するので、再利用のために繰り返して洗浄しても、輪郭や、スリット若しくは抜き孔の周縁から、ほつれることがない。
【0041】
また、樹脂バインダーを付着するだけで、ほつれ防止加工を施すことができるので、安価に加工できる。
【0042】
更に、樹脂バインダーは布地本体の可撓性を損なうことなく薄肉で付着できるので、その輪郭やスリット若しくは抜き孔の周縁が波打つことない。その結果、保湿マスクは、顔面に密着し、保湿マスクで覆った顔肌が外部に触れないので、保湿効果が高められる。
【0043】
更に、樹脂バインダーは、顔面に直接触れることがないので、不快感を与えない。
【0044】
また、請求項2の発明によれば、帯状の樹脂バインダーに沿って裁断するだけで、布地本体の輪郭とスリット若しくは抜き孔の周縁に沿って、樹脂バインダーを付着できるので、付着工程を大幅に簡略化でき、付着漏れがない。
【0045】
更に、樹脂バインダーが付着された表面側から裁断すれば、裁断面に樹脂バインダーの一部が付着し、より効果的に裁断面からのほつれを防止できる。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、樹脂バインダーの付着作業を印刷で行うことができるので、同一形状の保湿マスクを安価に画一的に量産できる。
【0047】
更に、透明や種々の色合いの油性インクを用いて、輪郭と目、鼻孔、口の周縁の色調を選択できるので、樹脂バインダーの付着部分を目立たなくさせたり、逆に購買欲を惹起させるデザインとすることができる。
【0048】
また、請求項4の発明によれば、布地が、綿糸を平織りした生地であるので浸潤性と可撓性に優れ、また、真珠の微粉を含有する布地本体が顔肌に触れるので、活性酸素による顔肌の酸化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保湿マスク1の正面図である。
【図2】保湿マスク1の背面図である。
【図3】保湿マスク1のスリット6と口孔7で切断した一部省略拡大中央縦断面図である。
【図4】保湿マスク1を製造する工程で、油性インク3を付着した生地10を示す正面図である。
【符号の説明】
1 保湿マスク
2 布地本体
2a 布地本体の表面側
3 油性インク(樹脂バインダー)
5 目出し孔(抜き孔)
6 スリット
7 口孔(抜き孔)
10 生地(布地)
Claims (4)
- 保湿液を含浸する布地(10)で、顔面を覆う輪郭形状に形成された布地本体(2)の、目、鼻孔、口の少なくともいずれかの対応部位にスリット(6)若しくは抜き孔(5、7)が穿設された保湿マスクにおいて、
布地本体(2)の輪郭とスリット(6)若しくは抜き孔(5、7)の周縁で、顔面と対向しない表面側(2a)に、樹脂バインダー(3)を付着することを特徴とする保湿マスク。 - 一面に、顔面を覆う輪郭形状とスリット(6)若しくは抜き孔(5、7)の輪郭形状に沿って帯状の樹脂バインダー(3)を付着した布地(10)を、帯状の樹脂バインダー(3)に沿って裁断し、
布地本体(2)の輪郭とスリット(6)若しくは抜き孔(5、7)の周縁に沿って、樹脂バインダー(3)を付着することを特徴とする請求項1記載の保湿マスク。 - 樹脂バインダー(3)は、油性インクであり、油性インクを布地(10)に印刷して付着させることを特徴とする請求項2に記載の保湿マスク。
- 保湿液を含浸する布地(10)は、綿糸を平織りする工程で真珠の微粉を含有させた生地であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保湿マスク。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-06-26 JP JP2002186673A patent/JP2004024626A/ja active Pending
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