JP2004023472A - 車両前方暗視システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両前方暗視システムに用いられる車載暗視カメラの小型化を図る。
【解決手段】車両前方の映像を撮影する赤外線カメラ10と、撮影された映像を表すデジタル信号の原画像Dを、デジタル画像処理にて拡大する画像変換装置25と、画像処理された映像を表示するヘッドアップディスプレイ20とから車両前方暗視システムを構成する。これにより、赤外線カメラ10のレンズの焦点距離を長くすることなく、かつ、赤外線カメラ10の入射瞳の直径を大きくすることなく、拡大された映像をヘッドアップディスプレイ20にて表示することができるので、赤外線カメラ10の小型化を図ることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】車両前方の映像を撮影する赤外線カメラ10と、撮影された映像を表すデジタル信号の原画像Dを、デジタル画像処理にて拡大する画像変換装置25と、画像処理された映像を表示するヘッドアップディスプレイ20とから車両前方暗視システムを構成する。これにより、赤外線カメラ10のレンズの焦点距離を長くすることなく、かつ、赤外線カメラ10の入射瞳の直径を大きくすることなく、拡大された映像をヘッドアップディスプレイ20にて表示することができるので、赤外線カメラ10の小型化を図ることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載暗視カメラにより撮影された車両前方の映像を車載表示装置にて表示する車両前方暗視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、夜間の車両走行時において、車両前方のうちヘッドライトの届かないような遠方(例えば、車両から約100m〜400m前方)かつ暗い場所は、運転者が肉眼で視認することは困難であり、このような視界の悪さが交通事故を誘発する原因となっていた。
そこで、近年では、上述のような視界の悪い場所の映像を、車載暗視カメラで撮影して車載表示装置にて表示することにより、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援する、車両前方暗視システムが提案されている。
そして、上記車両前方暗視システムでは遠方の映像を大きく表示させる必要があるため、従来では、車載暗視カメラのレンズに焦点距離の長い望遠レンズを採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように焦点距離の長い望遠レンズを車載暗視カメラに採用すると、車載暗視カメラが大型化してしまうといった問題が生じる。
さらに、上述のようにレンズの焦点距離を長くすると、周知の如くカメラに入射される光量が減少してしまうため、光量確保のために車載暗視カメラの入射瞳の直径を大きくしなければならず、これによっても、車載暗視カメラをより一層大型化させている。
本発明は、上記点に鑑み、車両前方暗視システムに用いられる車載暗視カメラの小型化を図ることを目的とする。また、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を効果的に表示することを他の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ(10)と、撮影された映像を表す原画像(D)を、デジタル画像処理にて拡大する画像処理手段(25)と、画像処理された映像を表示する車載表示装置(20)とから構成されることを特徴としている。
これにより、車載暗視カメラ(10)のレンズの焦点距離を長くすることなく、かつ、車載暗視カメラ(10)の入射瞳の直径を大きくすることなく、拡大された映像を車載表示装置(20)にて表示することができるので、車載暗視カメラ(10)の小型化を図ることができる。
また、本発明ではデジタル画像処理を行うため、拡大された画像に対して、ノイズを除去するメディアンフィルタその他のフィルタ処理や、アンチエイリアシング処理等の周知の画像処理を行うことができるので、車載表示装置(20)に表示させる画像を視認性の良好な画像に処理することを容易にできる。
また、請求項2に記載の発明では、画像処理手段(25)にて拡大する倍率を、車室内に備えられた倍率設定スイッチ手段(50)により設定可能にしたことを特徴としている。
これにより、乗員が、倍率設定スイッチ手段(50)を操作して拡大倍率を設定できるので、乗員の好みに応じた拡大倍率で車両前方の映像を車載表示装置(20)にて表示させることができる。
また、請求項3に記載の発明では、画像処理手段(25)による拡大は、原画像(D)のうち少なくとも中央部分の画像の拡大であり、原画像(D)のうち中央部分を除く他の部分の画像を、中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小することを特徴としている。
これによれば、原画像(D)のうち少なくとも中央部分の画像は拡大して表示されるので、遠方の映像を大きく表示させることができ、しかも、他の部分の画像は、中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小するので、単純に原画像(D)の全体を中央部分と同じ拡大倍率で拡大する場合に比べて、車載表示装置(20)にて表示させる映像を広い視野範囲の映像にすることができる。
従って、例えば、中央部分の左右両側を小さい倍率に設定すれば、車両左右方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、特に車両のカーブ走行時において、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援することを効果的にできる。
また、例えば、中央部分の上下両側を小さい倍率に設定すれば、上下方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、不整地等を走行して車両がピッチング方向に傾斜した場合であっても、傾斜していない状態時の原画像(D)の中央部分が、表示範囲から外れてしまうことを抑制できる。
ここで、上記請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発明では、原画像(D)を、車載表示装置(20)の表示領域と略同一の大きさとなるように拡大させてもよいし、請求項4に記載の発明のように、原画像(D)を車載表示装置(20)の表示領域より大きくなるように拡大し、かつ、拡大された画像(Dex)の中から表示領域に対応する部分を表示画像(Ds)として抽出し、抽出された表示画像(Ds)を車載表示装置(20)にて表示するようにしてもよい。
ところで、車両前方のうちいずれの部分を車載暗視カメラ(10)により撮影するかの調整である光軸調整に関し、従来の光軸調整では、車載暗視カメラ(10)に備えられた調整機構を操作して、カメラを機械的に回転させて行っていた。しかしながら、当該車載暗視カメラ(10)は、車両前方のうちヘッドライトの届かないような遠方(例えば、車両から約100m〜400m前方)を撮影するものであるため、調整機構による回転角度がわずかに変化するだけで撮影される場所が大きく変化してしまい、このような機械的な光軸調整では位置調整を正確に行うことが困難であるという問題があった。
これに対し、請求項5に記載の発明では、拡大された画像(Dex)の中から、いずれの部分を表示画像(Ds)として抽出するかを調整可能にしたことを特徴としているので、車載暗視カメラ(10)の光軸調整を電気的に調整することができ、従来の機械的な光軸調整に比べて、正確かつ容易に光軸調整を行うことができる。
しかも、上記請求項5に記載の発明では、拡大された画像(Dex)の中から表示画像(Ds)を抽出するので、拡大されていない画像の中から表示画像(Ds)を抽出する場合に比べて、光軸の調整代を大きく確保することができ、光軸調整範囲を大きくすることができる。
また、請求項6に記載の発明では、車両が直進走行しているときの表示画像(Ds)を直進時表示画像とし、車両がカーブ走行しているときの表示画像(Ds)をカーブ時表示画像とし、拡大された画像(Dex)のうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分から前記カーブ時表示画像を抽出することを特徴としている。
これにより、カーブ走行時には、カーブの内側の映像を広く表示させることができるので、カーブの内側の通行人や障害物等を確実に表示させることができ、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を、効果的に表示することができる。しかも、上記請求項6に記載の発明では、拡大された画像(Dex)の中から表示画像(Ds)を抽出するので、拡大されていない画像の中から表示画像(Ds)を抽出する場合に比べて、カーブする側にずらす量を大きく確保することができるので、急カーブの場合であってもカーブ内側の映像を広く表示させることを確実にできる。
また、請求項7に記載の発明では、車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ(10)と、撮影された映像を表示する車載表示装置(20)と、撮影された映像を表す原画像(D)の中から、車載表示装置(20)の表示領域に対応する部分を、車載表示装置(20)に表示する表示画像(Ds)として抽出する画像処理手段(25)とから構成され、車両が直進走行しているときの表示画像(Ds)を直進時表示画像とし、車両がカーブした道路を走行しているときの表示画像(Ds)をカーブ時表示画像とし、カーブ時表示画像を、原画像(D)のうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分から抽出したことを特徴としている。
これにより、カーブ走行時には、カーブの内側の映像を広く表示させることができるので、カーブの内側の通行人や障害物等を確実に表示させることができ、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を、効果的に表示することができる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る車両前方暗視システムを乗用車に適用した例を示しており、車両前方暗視システムは、車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ10と、撮影された映像を表示する車載表示装置としてのヘッドアップディスプレイ20とから構成されている。
【0006】
本実施形態の車載暗視カメラ10は、赤外線の受光量に比例した静電気を蓄えることにより映像を撮影する周知の赤外線カメラであり、望遠レンズ11が備えられている。この赤外線カメラ10は、当該乗用車の車室内にてフロントウインドシールド30の上縁近傍に支持されており、運転者から見てルームミラー31の背後に位置するように備えられている。
【0007】
そして、赤外線カメラ10は、フロントウインドシールド10を通して当該乗用車の前方を撮影し、撮影した映像を表すコンポジットビデオ信号Vdeを出力する。
【0008】
ヘッドアップディスプレイ20は、図2に示すごとく、表示装置Dと制御回路Eとを備えている。
【0009】
表示装置Dは、フロントウインドシールド30の下縁から当該乗用車の車室内側へ延出するインストルメントパネル40に配設されている。そして、表示装置Dは、TFT型液晶パネル21及びバックライト22を有しており、液晶パネル21は、図1にて示すごとく、インストルメントパネル40のうちの上壁部分41の開口部41a内にて水平状に支持されている。この液晶パネル21は、バックライト22からの光を受けて、後述のように駆動されて表示画面21aにて表示画像を表示し、この表示画像を表示光としてフロントウインドシールド30に入射する。これにより、フロントウインドシールド30に入射する表示光は、当該フロントウインドシールド30により、当該乗用車の運転席に着座した運転者Mの眼部に向けて図1にて図示破線Rに沿い反射されることで、フロントウインドシールド30の前方に虚像mとして結像する。
【0010】
なお、バックライト22は、液晶パネル21の裏面側に支持されており、このバックライト22は、点灯により、液晶パネル21にその裏面側から光を入射する。また、表示装置Dは、図示しないマトリックス駆動回路により、液晶パネル21を後述のように駆動する。
【0011】
制御回路Eは、図2にて示すごとく、赤外線カメラ10と表示装置Dとの間に接続されており、インターフェース23(以下、I/F23という)と、このI/F23に接続したマイクロコンピュータ24とを備えている。
【0012】
制御回路Eには、虚像mの表示倍率を設定する倍率設定スイッチ50、ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ51、および工場での光軸調整ツールとしての使用する通信装置52(詳細は後述する)からの出力信号が入力されるようになっており、これらの出力信号は、I/F23を介してマイクロコンピュータ24に入力される。なお、倍率設定スイッチ50は、車室内のうち乗員が操作できるような位置に備えられている。
【0013】
そして、これらの倍率設定スイッチ50、舵角センサ51および通信装置52からの出力信号に基づいてマイクロコンピュータ24にて演算された画像変換内容を、EEPROM等の不揮発性メモリ24aに記憶させる。
【0014】
また、当該制御回路Eには、赤外線カメラ10からのビデオ信号Vdeが入力される、画像処理手段としての画像変換装置25が備えられている。画像変換装置25は、ビデオ信号Vdeによるアナログ画像を、周知の標本化および量子化を行ってデジタル信号によるデジタル画像に変換する。
【0015】
図3(a)中の符号Dに示す直線で囲まれた部分は、上述のように変換されたデジタル画像の原画像を示している。そして、画像変換装置25には、マイクロコンピュータ24から画像変換内容の信号が入力されるようになっており、この画像変換内容の信号に応じて、画像変換装置25は原画像Dをデジタル画像変換する。
【0016】
具体的には、倍率設定スイッチ50により表示倍率が設定されている場合には、図3(b)に示すように設定された倍率に応じて原画像Dを拡大する。図3(b)中の符号Dexに示す直線で囲まれた部分は、拡大された画像を示している。このように拡大することにより、当然のことながら、原画像Dにて映し出される図3(a)に示す映像Pは、拡大された画像Dexにて映し出される映像Pexに示すように拡大されることとなる。
なお、拡大された画像Dexのうち、図3(b)中の符号Dsに囲まれた斜線部分は、虚像mとして表示可能な範囲としての表示領域に対応する部分を示しており、画像変換装置25は、原画像Dを上記表示領域より大きくなるように拡大している。また、図3に示す映像P、Pexは、符号Dsに示す矩形の表示領域中に車両前方に存在する通行人や障害物等の映像を模擬的に円形の線で示したものである。
そして、車両が直進走行しているときに抽出された図3(b)に示す表示画像Dsを直進時表示画像とし、車両がカーブ走行しているときに抽出された図3(c)に示す表示画像Dsをカーブ時表示画像とし、拡大された画像Dexのうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分からカーブ時表示画像を抽出している。
具体的には、前述の舵角センサ51からの出力信号に基づいた舵角の大きさに応じて、前述のカーブする側にずらす大きさを変化させており、舵角が大きく急カーブであるほど抽出部分を大きくずらすようにしている。
そして、画像変換装置25は、拡大された画像Dexの所定の部分から抽出された表示画像Dsをビデオ信号Vdeに変換する。そして、表示画像Dsに基づくビデオ信号Vdeを、制御回路Eに備えられたビデオ信号処理回路26に出力する。
【0017】
ビデオ信号処理回路26は、画像変換装置25からのビデオ信号Vdeをそのまま表示装置Dに出力する。また、当該ビデオ信号処理回路26は、複合同期信号CSYNCを順次形成し、制御回路Eに備えられたタイミングコントローラ27に出力する。
【0018】
タイミングコントローラ27は、ビデオ信号処理回路26から順次生ずる複合同期信号CSYNCに基づき、順次、周波数60Hzの垂直同期信号VSY及び周波数15.7kHzの水平同期信号HSYを形成しビデオ信号処理回路26に出力する。ビデオ信号処理回路26に入力される垂直同期信号VSY及び水平同期信号HSYは、ビデオ信号処理回路26における次の複合同期信号CSYNCを形成するために用いられる。
【0019】
また、タイミングコントローラ27は、順次形成する水平同期信号HSYに基づき、順次、水平スタートパルス信号HstをサンプリングクロックCと共に表示装置Dに出力する。また、タイミングコントローラ27は、順次形成する垂直同期信号VSYに基づき、順次、垂直スタートパルス信号VstをサンプリングクロックCと共に表示装置Dに出力する。
表示装置Dは、そのマトリクス駆動回路にて、タイミングコントローラ27から垂直スタートパルス信号Vstを受けると、当該垂直スタートパルス信号Vstの立ち下がり後にタイミングコントローラ27からサンプリングクロックCと共に順次出力される水平スタートパルス信号Hstを受ける。そして、表示装置Dは、そのマトリクス駆動回路により、上記垂直スタートパルス信号Vstの立ち下がりに伴い、上記各水平スタートパルス信号Hstに同期して液晶パネル20の表示画面21の図4にて図示最上側水平ラインから最下水平ラインにかけて順次左方から右方へ走査しながらビデオ信号Vdeに応じて液晶パネル20を表示するように駆動する。
【0020】
また、制御回路Eにはコモン電圧形成回路28が備えられており、当該コモン電圧形成回路28は、液晶パネル21の焼き付き防止用コモン電圧を交流的に形成し表示装置Dに出力する。
【0021】
ここで、工場での光軸調整に関し、本実施形態では、拡大された画像Dexの中から、いずれの部分を表示画像Dsとして抽出するかを調整可能にしている。具体的には、図2の符号52に示す通信装置52を用いて、拡大された画像Dexの中からの抽出場所を設定する信号を、I/F23を介してマイクロコンピュータ24に出力する。そして、マイクロコンピュータ24は、通信装置52からの抽出場所設定出力信号に基づいて、設定された部分から表示画像Dsとして抽出するように画像変換装置25を制御する。
【0022】
従って、水平方向には、図3(b)中の符号Hexに示す範囲で抽出場所を調整し、垂直方向には、図3(b)中の符号Vexに示す範囲で抽出場所を調整することにより、光軸調整を電気的に行うことを可能にしている。
【0023】
なお、上記通信装置52では、周知のBEAN等のプロトコルを用いた車内LANによる通信を利用して好適である。
【0024】
以上のように構成した本実施形態において、当該乗用車は、運転者の運転操作のもと、道路に沿い走行しているものとする。このような状態では、赤外線カメラ10は、その望遠レンズ11を通して当該乗用車の前方を撮影し、撮影した映像はコンポジットビデオ信号Vdeとして出力される。
【0025】
ついで、画像変換装置25は、前記ビデオ信号Vdeをデジタル画像に変換し、倍率設定スイッチ50により設定された倍率で原画像Dを拡大する。そして、舵角センサ51により検出されたハンドルの操舵角が略0度であり、直進走行している場合には、拡大された画像Dexのうち、予め光軸調整された部分を表示画像Dsとして抽出する。一方、カーブ走行して操舵角が略0度から変化した場合には、この操舵角の変化に合わせて、カーブする側にずらして表示画像Dsを抽出する。
【0026】
そして、このように抽出された表示画像Dsは画像変換装置25によりビデオ信号Vdeに変換され、当該ビデオ信号Vdeにより、抽出された表示画像Dsを示す映像を表示装置Dにて表示する。
【0027】
従って、このような表示画像が液晶パネル21により表示光としてフロントウインドシールド30に入射されて、当該フロントウインドシールド30の前方に結像される虚像mを運転者に視認させるので、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援することができる。
【0028】
しかも、本実施形態によれば、撮影された映像を表すデジタル信号の原画像Dを、画像変換装置25にて拡大するので、原画像Dの映像Pは、拡大された画像Dexでは映像Pexに示すように拡大されることとなり、よって、赤外線カメラ10のレンズの焦点距離を長くすることなく、かつ、赤外線カメラ10の入射瞳の直径を大きくすることなく、拡大された映像Pexを表示装置Dにて表示することができるので、赤外線カメラ10の小型化を実現できる。
なお、赤外線カメラ10が大型化すると赤外線カメラ10の重量も大きくなり、車両走行時の振動による赤外線カメラ10の揺れが大きくなってしまうと言う問題が生じる。因みに、赤外線カメラ10の受光素子に高感度の素子を適用して、焦点距離が長くなることによる光量の減少を補おうとすると、撮影された映像にノイズが多くなってしまうといった問題が生じる。しかし、本実施形態によれば上述のように赤外線カメラ10の小型化を実現でき、これらの問題を解決できる。
【0029】
また、本実施形態では、画像変換装置25にて拡大する倍率を、車室内のうち乗員が操作できるような位置に備えられた倍率設定スイッチ50により設定可能にしているので、乗員の好みに応じた拡大倍率で車両前方の映像をヘッドアップディスプレイ20にて表示させることができる。そして、このような作用効果は、倍率設定スイッチ50を操作するだけで達成され得るので、当該乗用車に対する運転者の運転姿勢を変更する必要もなくそのまま維持できる。
また、本実施形態では、拡大された画像Dexの中から、いずれの部分を表示画像Dsとして抽出するかを調整可能にしているので、赤外線カメラ10の光軸調整を電気的に調整することができ、従来の機械的な光軸調整に比べて、正確かつ容易に光軸調整を行うことができる。
しかも、本実施形態では、拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出するので、拡大されていない画像の中から表示画像Dsを抽出する場合に比べて、光軸の調整代Hex、Vexを大きく確保することができ、光軸調整範囲を大きくすることができる。
また、図3(a)に示す拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合には、水平方向における光軸調整代は符号Hに示す範囲であり、垂直方向における光軸調整代は符号Vに示す範囲であるのに対し、本実施形態では図3(b)に示す拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出するので、光軸調整代を符号Hex、Vexに示す範囲にでき、H、Vに比べて光軸調整範囲を大きくすることができる。
また、本実施形態では、拡大された画像Dexのうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分からカーブ時表示画像を抽出することにより、カーブ走行時には、カーブの内側の映像を広く表示させることができるので、カーブの内側の通行人や障害物等を確実に表示させることができ、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を、効果的に表示することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態における画像変換装置25による原画像Dの拡大では、図3(a)、(b)に示すように、倍率設定スイッチ50により設定された倍率で、原画像Dの全体を均一の倍率で拡大させているのに対し、本実施形態における画像変換装置25による拡大では、図4(a)、(b)に示すように、原画像Dのうち少なくとも中央部分の画像を倍率設定スイッチ50により設定された倍率で拡大するようにしている。そして、原画像Dのうち中央部分を除く他の部分の画像を、中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小するようにしている。
具体的には図4(a)に示すように、水平方向(図4の左右方向)の拡大率については、拡大された画像Dexのうち中央部分は拡大され、拡大された画像Dexのうち中央部分から左右両側に離れるに従って拡大倍率が小さくなり、左右両端部では、縮小されている。なお、本実施形態では中央部分の最も拡大倍率の大きい部分の倍率を1.3倍としており、左右両端部の最も拡大倍率の小さい部分の倍率を0.7倍としている。
従って、符号P1に示す円形の模擬物体は符号Pex1に示すように水平方向に1.3倍に拡大され、符号P2に示す円形の模擬物体は符号Pex2に示すように水平方向に0.7倍に縮小されることとなる。
また、図4(a)に示すように、垂直方向(図4の上下方向)の拡大率については、拡大された画像Dexのうち中央部分は拡大され、拡大された画像Dexのうち中央部分から上下両側に離れるに従って拡大倍率が小さくなり、上下両端部では、縮小されている。なお、本実施形態では中央部分の最も拡大倍率の大きい部分の倍率を1.3倍としており、上下両端部の最も拡大倍率の小さい部分の倍率を0.7倍としている。
従って、符号P1に示す円形の模擬物体は符号Pex1に示すように垂直方向に1.3倍に拡大され、符号P2に示す円形の模擬物体は符号Pex2に示すように垂直方向に0.7倍に縮小されることとなる。
図5(a)は、図3(a)および図4(a)に示す表示画像Dsによりヘッドアップディスプレイ20にて表示された実際の映像Pを示す図である。図5(b)は、第1実施形態の拡大による図3(b)に示す表示画像Dsによりヘッドアップディスプレイ20にて表示された実際の映像Pexを示す図である。図5(c)は、本実施形態の拡大による図4(b)に示す表示画像Dsによりヘッドアップディスプレイ20にて表示された実際の映像Pex1、Pex2、Pex3を示す図である。
因みに、図5に示す表示画像Dsでは車道を人が横断している状況を映し出しており、また、車道の左側に位置する電柱を映し出している。
これにより、原画像Dのうち少なくとも中央部分の画像は拡大して表示されるので、遠方の映像を大きく表示させることができ、図5(c)の映像Pex1に示すように、例えば通行人を大きく表示させることができる。
しかも、図5(b)に示す表示画像Dsでは図5(a)には表示されていた、車両左右方向の両端部の例えば電柱の映像が表示されない等、車両左右方向の視野範囲が狭くなってしまうのに対し、本実施形態では図5(c)に示すように、上記車両左右方向の両端部の例えば電柱の映像をも表示させることができ、車両左右方向の視野範囲を狭くすることなく中央部分の画像を拡大して表示可能にしている。
従って、車両左右方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、特に車両のカーブ走行時において、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援することを効果的にできる。
また、図5(b)に示す表示画像Dsでは図5(a)には表示されていた、上下方向の両端部の映像が表示されない等、上下方向の視野範囲が狭くなってしまうのに対し、本実施形態では図5(c)に示すように、上記上下方向の両端部の映像をも表示させることができ、上下方向の視野範囲を狭くすることなく中央部分の画像を拡大して表示可能にしている。これにより、上下方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、不整地等を走行して車両がピッチング方向に傾斜した場合であっても、傾斜していない状態時の原画像Dの中央部分の映像Pex1が、表示範囲から外れてしまうことを抑制できる。
(他の実施形態)
上記第1および第2実施形態の画像変換装置25によるデジタル画像処理を行うにあたり、ノイズを除去するメディアンフィルタその他のフィルタ処理や、アンチエイリアシング処理等の周知の処理を行うようにすれば、ヘッドアップディスプレイ20に表示させる画像を視認性の良好な画像に容易に処理することができ、好適である。
また、上記第1実施形態では、拡大された画像Dexの中から、カーブする側にずらして表示画像Dsを抽出しているが、原画像Dの中から、カーブする側にずらして表示画像Dsを抽出するようにしてもよい。この場合には、直進走行時には図6(a)に示すように原画像Dの略中央部分を表示画像Dsとして抽出し、カーブ走行時には図6(b)に示すように原画像Dの中央部分からカーブする側にずらし部分を表示画像Dsとして抽出する。
また、上記第1実施形態では、倍率設定スイッチ50を、車室内のうち乗員が操作できるような位置に備えて乗員に操作されるように設計しているが、本発明の実施にあたり、倍率設定スイッチ50を、工場等における車両が市場に出荷される前段階にて作業員が倍率を設定するように設計してもよい。この場合には、乗員が好みの拡大倍率に設定することはできないが、工場等にて車両出荷前にデジタル画像処理にて拡大して表示するように設定することにより、赤外線カメラ10の小型化を実現する効果は第1実施形態と同様に発揮できる。
また、上記第1実施形態では、工場の作業員が通信装置52を用いて、拡大された画像Dexの中からの抽出場所を設定可能にしているが、本発明の実施にあたり、車両乗員が操作可能なスイッチ等の抽出場所設定手段を車室内に備え、この抽出場所設定手段を乗員が操作することにより光軸調整できるようにしてもよい。
【0030】
また、本発明の実施にあたり、液晶パネル21に代えて、ELパネルを採用してもよい。
【0031】
また、本発明の実施にあたり、撮影手段としては、赤外線カメラ10に限ることなく、一般に、夜間でも撮影可能な暗視カメラを採用すればよい。
【0032】
また、本発明の実施にあたり、ヘッドアップディスプレイに限ることなく、当該乗用車のインストルメントパネル40の後壁に組み込んだ液晶パネルを有する表示システムに本発明を適用してもよい。
【0033】
また、本発明の実施にあたり、乗用車用ヘッドアップディスプレイに限ることなく、バスやトラック等の車両用ヘッドアップディスプレイに本発明を適用してもよい。
【0034】
また、上記第1および第2実施形態では、画像変換装置25をヘッドアップディスプレイ20に設けているが、本発明では画像変換装置25を設ける場所はヘッドアップディスプレイ20に限られるものではなく、例えば、車載暗視カメラ10に画像変換装置25を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略側面図である。
【図2】上記実施形態の電気回路構成を示す図である。
【図3】(a)は、拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(b)は、拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(c)は、拡大された画像Dexのうちカーブする側にずれた部分から表示画像Dsを抽出する場合を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の第2実施形態において拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(b)は、第2実施形態において拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図である。
【図5】(a)は、図3(a)および図4(a)に示す表示画像Dsにより表示された実際の映像Pを示す図であり、(b)は、図3(b)に示す表示画像Dsにより表示された実際の映像Pexを示す図であり、(c)は、図4(b)に示す表示画像Dsにより表示された実際の映像Pex1、Pex2、Pex3を示す図である。
【図6】(a)は、本発明の他の実施形態において拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(b)は、他の実施形態において拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図である。
【符号の説明】
10…赤外線カメラ(車載暗視カメラ)、
20…ヘッドアップディスプレイ(車載表示装置)、
25…画像変換装置(画像処理手段)、
D…原画像、Dex…拡大された原画像。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載暗視カメラにより撮影された車両前方の映像を車載表示装置にて表示する車両前方暗視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、夜間の車両走行時において、車両前方のうちヘッドライトの届かないような遠方(例えば、車両から約100m〜400m前方)かつ暗い場所は、運転者が肉眼で視認することは困難であり、このような視界の悪さが交通事故を誘発する原因となっていた。
そこで、近年では、上述のような視界の悪い場所の映像を、車載暗視カメラで撮影して車載表示装置にて表示することにより、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援する、車両前方暗視システムが提案されている。
そして、上記車両前方暗視システムでは遠方の映像を大きく表示させる必要があるため、従来では、車載暗視カメラのレンズに焦点距離の長い望遠レンズを採用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように焦点距離の長い望遠レンズを車載暗視カメラに採用すると、車載暗視カメラが大型化してしまうといった問題が生じる。
さらに、上述のようにレンズの焦点距離を長くすると、周知の如くカメラに入射される光量が減少してしまうため、光量確保のために車載暗視カメラの入射瞳の直径を大きくしなければならず、これによっても、車載暗視カメラをより一層大型化させている。
本発明は、上記点に鑑み、車両前方暗視システムに用いられる車載暗視カメラの小型化を図ることを目的とする。また、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を効果的に表示することを他の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ(10)と、撮影された映像を表す原画像(D)を、デジタル画像処理にて拡大する画像処理手段(25)と、画像処理された映像を表示する車載表示装置(20)とから構成されることを特徴としている。
これにより、車載暗視カメラ(10)のレンズの焦点距離を長くすることなく、かつ、車載暗視カメラ(10)の入射瞳の直径を大きくすることなく、拡大された映像を車載表示装置(20)にて表示することができるので、車載暗視カメラ(10)の小型化を図ることができる。
また、本発明ではデジタル画像処理を行うため、拡大された画像に対して、ノイズを除去するメディアンフィルタその他のフィルタ処理や、アンチエイリアシング処理等の周知の画像処理を行うことができるので、車載表示装置(20)に表示させる画像を視認性の良好な画像に処理することを容易にできる。
また、請求項2に記載の発明では、画像処理手段(25)にて拡大する倍率を、車室内に備えられた倍率設定スイッチ手段(50)により設定可能にしたことを特徴としている。
これにより、乗員が、倍率設定スイッチ手段(50)を操作して拡大倍率を設定できるので、乗員の好みに応じた拡大倍率で車両前方の映像を車載表示装置(20)にて表示させることができる。
また、請求項3に記載の発明では、画像処理手段(25)による拡大は、原画像(D)のうち少なくとも中央部分の画像の拡大であり、原画像(D)のうち中央部分を除く他の部分の画像を、中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小することを特徴としている。
これによれば、原画像(D)のうち少なくとも中央部分の画像は拡大して表示されるので、遠方の映像を大きく表示させることができ、しかも、他の部分の画像は、中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小するので、単純に原画像(D)の全体を中央部分と同じ拡大倍率で拡大する場合に比べて、車載表示装置(20)にて表示させる映像を広い視野範囲の映像にすることができる。
従って、例えば、中央部分の左右両側を小さい倍率に設定すれば、車両左右方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、特に車両のカーブ走行時において、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援することを効果的にできる。
また、例えば、中央部分の上下両側を小さい倍率に設定すれば、上下方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、不整地等を走行して車両がピッチング方向に傾斜した場合であっても、傾斜していない状態時の原画像(D)の中央部分が、表示範囲から外れてしまうことを抑制できる。
ここで、上記請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発明では、原画像(D)を、車載表示装置(20)の表示領域と略同一の大きさとなるように拡大させてもよいし、請求項4に記載の発明のように、原画像(D)を車載表示装置(20)の表示領域より大きくなるように拡大し、かつ、拡大された画像(Dex)の中から表示領域に対応する部分を表示画像(Ds)として抽出し、抽出された表示画像(Ds)を車載表示装置(20)にて表示するようにしてもよい。
ところで、車両前方のうちいずれの部分を車載暗視カメラ(10)により撮影するかの調整である光軸調整に関し、従来の光軸調整では、車載暗視カメラ(10)に備えられた調整機構を操作して、カメラを機械的に回転させて行っていた。しかしながら、当該車載暗視カメラ(10)は、車両前方のうちヘッドライトの届かないような遠方(例えば、車両から約100m〜400m前方)を撮影するものであるため、調整機構による回転角度がわずかに変化するだけで撮影される場所が大きく変化してしまい、このような機械的な光軸調整では位置調整を正確に行うことが困難であるという問題があった。
これに対し、請求項5に記載の発明では、拡大された画像(Dex)の中から、いずれの部分を表示画像(Ds)として抽出するかを調整可能にしたことを特徴としているので、車載暗視カメラ(10)の光軸調整を電気的に調整することができ、従来の機械的な光軸調整に比べて、正確かつ容易に光軸調整を行うことができる。
しかも、上記請求項5に記載の発明では、拡大された画像(Dex)の中から表示画像(Ds)を抽出するので、拡大されていない画像の中から表示画像(Ds)を抽出する場合に比べて、光軸の調整代を大きく確保することができ、光軸調整範囲を大きくすることができる。
また、請求項6に記載の発明では、車両が直進走行しているときの表示画像(Ds)を直進時表示画像とし、車両がカーブ走行しているときの表示画像(Ds)をカーブ時表示画像とし、拡大された画像(Dex)のうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分から前記カーブ時表示画像を抽出することを特徴としている。
これにより、カーブ走行時には、カーブの内側の映像を広く表示させることができるので、カーブの内側の通行人や障害物等を確実に表示させることができ、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を、効果的に表示することができる。しかも、上記請求項6に記載の発明では、拡大された画像(Dex)の中から表示画像(Ds)を抽出するので、拡大されていない画像の中から表示画像(Ds)を抽出する場合に比べて、カーブする側にずらす量を大きく確保することができるので、急カーブの場合であってもカーブ内側の映像を広く表示させることを確実にできる。
また、請求項7に記載の発明では、車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ(10)と、撮影された映像を表示する車載表示装置(20)と、撮影された映像を表す原画像(D)の中から、車載表示装置(20)の表示領域に対応する部分を、車載表示装置(20)に表示する表示画像(Ds)として抽出する画像処理手段(25)とから構成され、車両が直進走行しているときの表示画像(Ds)を直進時表示画像とし、車両がカーブした道路を走行しているときの表示画像(Ds)をカーブ時表示画像とし、カーブ時表示画像を、原画像(D)のうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分から抽出したことを特徴としている。
これにより、カーブ走行時には、カーブの内側の映像を広く表示させることができるので、カーブの内側の通行人や障害物等を確実に表示させることができ、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を、効果的に表示することができる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る車両前方暗視システムを乗用車に適用した例を示しており、車両前方暗視システムは、車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ10と、撮影された映像を表示する車載表示装置としてのヘッドアップディスプレイ20とから構成されている。
【0006】
本実施形態の車載暗視カメラ10は、赤外線の受光量に比例した静電気を蓄えることにより映像を撮影する周知の赤外線カメラであり、望遠レンズ11が備えられている。この赤外線カメラ10は、当該乗用車の車室内にてフロントウインドシールド30の上縁近傍に支持されており、運転者から見てルームミラー31の背後に位置するように備えられている。
【0007】
そして、赤外線カメラ10は、フロントウインドシールド10を通して当該乗用車の前方を撮影し、撮影した映像を表すコンポジットビデオ信号Vdeを出力する。
【0008】
ヘッドアップディスプレイ20は、図2に示すごとく、表示装置Dと制御回路Eとを備えている。
【0009】
表示装置Dは、フロントウインドシールド30の下縁から当該乗用車の車室内側へ延出するインストルメントパネル40に配設されている。そして、表示装置Dは、TFT型液晶パネル21及びバックライト22を有しており、液晶パネル21は、図1にて示すごとく、インストルメントパネル40のうちの上壁部分41の開口部41a内にて水平状に支持されている。この液晶パネル21は、バックライト22からの光を受けて、後述のように駆動されて表示画面21aにて表示画像を表示し、この表示画像を表示光としてフロントウインドシールド30に入射する。これにより、フロントウインドシールド30に入射する表示光は、当該フロントウインドシールド30により、当該乗用車の運転席に着座した運転者Mの眼部に向けて図1にて図示破線Rに沿い反射されることで、フロントウインドシールド30の前方に虚像mとして結像する。
【0010】
なお、バックライト22は、液晶パネル21の裏面側に支持されており、このバックライト22は、点灯により、液晶パネル21にその裏面側から光を入射する。また、表示装置Dは、図示しないマトリックス駆動回路により、液晶パネル21を後述のように駆動する。
【0011】
制御回路Eは、図2にて示すごとく、赤外線カメラ10と表示装置Dとの間に接続されており、インターフェース23(以下、I/F23という)と、このI/F23に接続したマイクロコンピュータ24とを備えている。
【0012】
制御回路Eには、虚像mの表示倍率を設定する倍率設定スイッチ50、ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ51、および工場での光軸調整ツールとしての使用する通信装置52(詳細は後述する)からの出力信号が入力されるようになっており、これらの出力信号は、I/F23を介してマイクロコンピュータ24に入力される。なお、倍率設定スイッチ50は、車室内のうち乗員が操作できるような位置に備えられている。
【0013】
そして、これらの倍率設定スイッチ50、舵角センサ51および通信装置52からの出力信号に基づいてマイクロコンピュータ24にて演算された画像変換内容を、EEPROM等の不揮発性メモリ24aに記憶させる。
【0014】
また、当該制御回路Eには、赤外線カメラ10からのビデオ信号Vdeが入力される、画像処理手段としての画像変換装置25が備えられている。画像変換装置25は、ビデオ信号Vdeによるアナログ画像を、周知の標本化および量子化を行ってデジタル信号によるデジタル画像に変換する。
【0015】
図3(a)中の符号Dに示す直線で囲まれた部分は、上述のように変換されたデジタル画像の原画像を示している。そして、画像変換装置25には、マイクロコンピュータ24から画像変換内容の信号が入力されるようになっており、この画像変換内容の信号に応じて、画像変換装置25は原画像Dをデジタル画像変換する。
【0016】
具体的には、倍率設定スイッチ50により表示倍率が設定されている場合には、図3(b)に示すように設定された倍率に応じて原画像Dを拡大する。図3(b)中の符号Dexに示す直線で囲まれた部分は、拡大された画像を示している。このように拡大することにより、当然のことながら、原画像Dにて映し出される図3(a)に示す映像Pは、拡大された画像Dexにて映し出される映像Pexに示すように拡大されることとなる。
なお、拡大された画像Dexのうち、図3(b)中の符号Dsに囲まれた斜線部分は、虚像mとして表示可能な範囲としての表示領域に対応する部分を示しており、画像変換装置25は、原画像Dを上記表示領域より大きくなるように拡大している。また、図3に示す映像P、Pexは、符号Dsに示す矩形の表示領域中に車両前方に存在する通行人や障害物等の映像を模擬的に円形の線で示したものである。
そして、車両が直進走行しているときに抽出された図3(b)に示す表示画像Dsを直進時表示画像とし、車両がカーブ走行しているときに抽出された図3(c)に示す表示画像Dsをカーブ時表示画像とし、拡大された画像Dexのうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分からカーブ時表示画像を抽出している。
具体的には、前述の舵角センサ51からの出力信号に基づいた舵角の大きさに応じて、前述のカーブする側にずらす大きさを変化させており、舵角が大きく急カーブであるほど抽出部分を大きくずらすようにしている。
そして、画像変換装置25は、拡大された画像Dexの所定の部分から抽出された表示画像Dsをビデオ信号Vdeに変換する。そして、表示画像Dsに基づくビデオ信号Vdeを、制御回路Eに備えられたビデオ信号処理回路26に出力する。
【0017】
ビデオ信号処理回路26は、画像変換装置25からのビデオ信号Vdeをそのまま表示装置Dに出力する。また、当該ビデオ信号処理回路26は、複合同期信号CSYNCを順次形成し、制御回路Eに備えられたタイミングコントローラ27に出力する。
【0018】
タイミングコントローラ27は、ビデオ信号処理回路26から順次生ずる複合同期信号CSYNCに基づき、順次、周波数60Hzの垂直同期信号VSY及び周波数15.7kHzの水平同期信号HSYを形成しビデオ信号処理回路26に出力する。ビデオ信号処理回路26に入力される垂直同期信号VSY及び水平同期信号HSYは、ビデオ信号処理回路26における次の複合同期信号CSYNCを形成するために用いられる。
【0019】
また、タイミングコントローラ27は、順次形成する水平同期信号HSYに基づき、順次、水平スタートパルス信号HstをサンプリングクロックCと共に表示装置Dに出力する。また、タイミングコントローラ27は、順次形成する垂直同期信号VSYに基づき、順次、垂直スタートパルス信号VstをサンプリングクロックCと共に表示装置Dに出力する。
表示装置Dは、そのマトリクス駆動回路にて、タイミングコントローラ27から垂直スタートパルス信号Vstを受けると、当該垂直スタートパルス信号Vstの立ち下がり後にタイミングコントローラ27からサンプリングクロックCと共に順次出力される水平スタートパルス信号Hstを受ける。そして、表示装置Dは、そのマトリクス駆動回路により、上記垂直スタートパルス信号Vstの立ち下がりに伴い、上記各水平スタートパルス信号Hstに同期して液晶パネル20の表示画面21の図4にて図示最上側水平ラインから最下水平ラインにかけて順次左方から右方へ走査しながらビデオ信号Vdeに応じて液晶パネル20を表示するように駆動する。
【0020】
また、制御回路Eにはコモン電圧形成回路28が備えられており、当該コモン電圧形成回路28は、液晶パネル21の焼き付き防止用コモン電圧を交流的に形成し表示装置Dに出力する。
【0021】
ここで、工場での光軸調整に関し、本実施形態では、拡大された画像Dexの中から、いずれの部分を表示画像Dsとして抽出するかを調整可能にしている。具体的には、図2の符号52に示す通信装置52を用いて、拡大された画像Dexの中からの抽出場所を設定する信号を、I/F23を介してマイクロコンピュータ24に出力する。そして、マイクロコンピュータ24は、通信装置52からの抽出場所設定出力信号に基づいて、設定された部分から表示画像Dsとして抽出するように画像変換装置25を制御する。
【0022】
従って、水平方向には、図3(b)中の符号Hexに示す範囲で抽出場所を調整し、垂直方向には、図3(b)中の符号Vexに示す範囲で抽出場所を調整することにより、光軸調整を電気的に行うことを可能にしている。
【0023】
なお、上記通信装置52では、周知のBEAN等のプロトコルを用いた車内LANによる通信を利用して好適である。
【0024】
以上のように構成した本実施形態において、当該乗用車は、運転者の運転操作のもと、道路に沿い走行しているものとする。このような状態では、赤外線カメラ10は、その望遠レンズ11を通して当該乗用車の前方を撮影し、撮影した映像はコンポジットビデオ信号Vdeとして出力される。
【0025】
ついで、画像変換装置25は、前記ビデオ信号Vdeをデジタル画像に変換し、倍率設定スイッチ50により設定された倍率で原画像Dを拡大する。そして、舵角センサ51により検出されたハンドルの操舵角が略0度であり、直進走行している場合には、拡大された画像Dexのうち、予め光軸調整された部分を表示画像Dsとして抽出する。一方、カーブ走行して操舵角が略0度から変化した場合には、この操舵角の変化に合わせて、カーブする側にずらして表示画像Dsを抽出する。
【0026】
そして、このように抽出された表示画像Dsは画像変換装置25によりビデオ信号Vdeに変換され、当該ビデオ信号Vdeにより、抽出された表示画像Dsを示す映像を表示装置Dにて表示する。
【0027】
従って、このような表示画像が液晶パネル21により表示光としてフロントウインドシールド30に入射されて、当該フロントウインドシールド30の前方に結像される虚像mを運転者に視認させるので、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援することができる。
【0028】
しかも、本実施形態によれば、撮影された映像を表すデジタル信号の原画像Dを、画像変換装置25にて拡大するので、原画像Dの映像Pは、拡大された画像Dexでは映像Pexに示すように拡大されることとなり、よって、赤外線カメラ10のレンズの焦点距離を長くすることなく、かつ、赤外線カメラ10の入射瞳の直径を大きくすることなく、拡大された映像Pexを表示装置Dにて表示することができるので、赤外線カメラ10の小型化を実現できる。
なお、赤外線カメラ10が大型化すると赤外線カメラ10の重量も大きくなり、車両走行時の振動による赤外線カメラ10の揺れが大きくなってしまうと言う問題が生じる。因みに、赤外線カメラ10の受光素子に高感度の素子を適用して、焦点距離が長くなることによる光量の減少を補おうとすると、撮影された映像にノイズが多くなってしまうといった問題が生じる。しかし、本実施形態によれば上述のように赤外線カメラ10の小型化を実現でき、これらの問題を解決できる。
【0029】
また、本実施形態では、画像変換装置25にて拡大する倍率を、車室内のうち乗員が操作できるような位置に備えられた倍率設定スイッチ50により設定可能にしているので、乗員の好みに応じた拡大倍率で車両前方の映像をヘッドアップディスプレイ20にて表示させることができる。そして、このような作用効果は、倍率設定スイッチ50を操作するだけで達成され得るので、当該乗用車に対する運転者の運転姿勢を変更する必要もなくそのまま維持できる。
また、本実施形態では、拡大された画像Dexの中から、いずれの部分を表示画像Dsとして抽出するかを調整可能にしているので、赤外線カメラ10の光軸調整を電気的に調整することができ、従来の機械的な光軸調整に比べて、正確かつ容易に光軸調整を行うことができる。
しかも、本実施形態では、拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出するので、拡大されていない画像の中から表示画像Dsを抽出する場合に比べて、光軸の調整代Hex、Vexを大きく確保することができ、光軸調整範囲を大きくすることができる。
また、図3(a)に示す拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合には、水平方向における光軸調整代は符号Hに示す範囲であり、垂直方向における光軸調整代は符号Vに示す範囲であるのに対し、本実施形態では図3(b)に示す拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出するので、光軸調整代を符号Hex、Vexに示す範囲にでき、H、Vに比べて光軸調整範囲を大きくすることができる。
また、本実施形態では、拡大された画像Dexのうち、直進時表示画像として抽出する部分よりも車両がカーブする側にずれた部分からカーブ時表示画像を抽出することにより、カーブ走行時には、カーブの内側の映像を広く表示させることができるので、カーブの内側の通行人や障害物等を確実に表示させることができ、夜間のカーブ走行時における車両前方の映像を、効果的に表示することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態における画像変換装置25による原画像Dの拡大では、図3(a)、(b)に示すように、倍率設定スイッチ50により設定された倍率で、原画像Dの全体を均一の倍率で拡大させているのに対し、本実施形態における画像変換装置25による拡大では、図4(a)、(b)に示すように、原画像Dのうち少なくとも中央部分の画像を倍率設定スイッチ50により設定された倍率で拡大するようにしている。そして、原画像Dのうち中央部分を除く他の部分の画像を、中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小するようにしている。
具体的には図4(a)に示すように、水平方向(図4の左右方向)の拡大率については、拡大された画像Dexのうち中央部分は拡大され、拡大された画像Dexのうち中央部分から左右両側に離れるに従って拡大倍率が小さくなり、左右両端部では、縮小されている。なお、本実施形態では中央部分の最も拡大倍率の大きい部分の倍率を1.3倍としており、左右両端部の最も拡大倍率の小さい部分の倍率を0.7倍としている。
従って、符号P1に示す円形の模擬物体は符号Pex1に示すように水平方向に1.3倍に拡大され、符号P2に示す円形の模擬物体は符号Pex2に示すように水平方向に0.7倍に縮小されることとなる。
また、図4(a)に示すように、垂直方向(図4の上下方向)の拡大率については、拡大された画像Dexのうち中央部分は拡大され、拡大された画像Dexのうち中央部分から上下両側に離れるに従って拡大倍率が小さくなり、上下両端部では、縮小されている。なお、本実施形態では中央部分の最も拡大倍率の大きい部分の倍率を1.3倍としており、上下両端部の最も拡大倍率の小さい部分の倍率を0.7倍としている。
従って、符号P1に示す円形の模擬物体は符号Pex1に示すように垂直方向に1.3倍に拡大され、符号P2に示す円形の模擬物体は符号Pex2に示すように垂直方向に0.7倍に縮小されることとなる。
図5(a)は、図3(a)および図4(a)に示す表示画像Dsによりヘッドアップディスプレイ20にて表示された実際の映像Pを示す図である。図5(b)は、第1実施形態の拡大による図3(b)に示す表示画像Dsによりヘッドアップディスプレイ20にて表示された実際の映像Pexを示す図である。図5(c)は、本実施形態の拡大による図4(b)に示す表示画像Dsによりヘッドアップディスプレイ20にて表示された実際の映像Pex1、Pex2、Pex3を示す図である。
因みに、図5に示す表示画像Dsでは車道を人が横断している状況を映し出しており、また、車道の左側に位置する電柱を映し出している。
これにより、原画像Dのうち少なくとも中央部分の画像は拡大して表示されるので、遠方の映像を大きく表示させることができ、図5(c)の映像Pex1に示すように、例えば通行人を大きく表示させることができる。
しかも、図5(b)に示す表示画像Dsでは図5(a)には表示されていた、車両左右方向の両端部の例えば電柱の映像が表示されない等、車両左右方向の視野範囲が狭くなってしまうのに対し、本実施形態では図5(c)に示すように、上記車両左右方向の両端部の例えば電柱の映像をも表示させることができ、車両左右方向の視野範囲を狭くすることなく中央部分の画像を拡大して表示可能にしている。
従って、車両左右方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、特に車両のカーブ走行時において、夜間の運転者の視界を補助して安全運転を支援することを効果的にできる。
また、図5(b)に示す表示画像Dsでは図5(a)には表示されていた、上下方向の両端部の映像が表示されない等、上下方向の視野範囲が狭くなってしまうのに対し、本実施形態では図5(c)に示すように、上記上下方向の両端部の映像をも表示させることができ、上下方向の視野範囲を狭くすることなく中央部分の画像を拡大して表示可能にしている。これにより、上下方向に広い視野範囲の映像を表示できるので、不整地等を走行して車両がピッチング方向に傾斜した場合であっても、傾斜していない状態時の原画像Dの中央部分の映像Pex1が、表示範囲から外れてしまうことを抑制できる。
(他の実施形態)
上記第1および第2実施形態の画像変換装置25によるデジタル画像処理を行うにあたり、ノイズを除去するメディアンフィルタその他のフィルタ処理や、アンチエイリアシング処理等の周知の処理を行うようにすれば、ヘッドアップディスプレイ20に表示させる画像を視認性の良好な画像に容易に処理することができ、好適である。
また、上記第1実施形態では、拡大された画像Dexの中から、カーブする側にずらして表示画像Dsを抽出しているが、原画像Dの中から、カーブする側にずらして表示画像Dsを抽出するようにしてもよい。この場合には、直進走行時には図6(a)に示すように原画像Dの略中央部分を表示画像Dsとして抽出し、カーブ走行時には図6(b)に示すように原画像Dの中央部分からカーブする側にずらし部分を表示画像Dsとして抽出する。
また、上記第1実施形態では、倍率設定スイッチ50を、車室内のうち乗員が操作できるような位置に備えて乗員に操作されるように設計しているが、本発明の実施にあたり、倍率設定スイッチ50を、工場等における車両が市場に出荷される前段階にて作業員が倍率を設定するように設計してもよい。この場合には、乗員が好みの拡大倍率に設定することはできないが、工場等にて車両出荷前にデジタル画像処理にて拡大して表示するように設定することにより、赤外線カメラ10の小型化を実現する効果は第1実施形態と同様に発揮できる。
また、上記第1実施形態では、工場の作業員が通信装置52を用いて、拡大された画像Dexの中からの抽出場所を設定可能にしているが、本発明の実施にあたり、車両乗員が操作可能なスイッチ等の抽出場所設定手段を車室内に備え、この抽出場所設定手段を乗員が操作することにより光軸調整できるようにしてもよい。
【0030】
また、本発明の実施にあたり、液晶パネル21に代えて、ELパネルを採用してもよい。
【0031】
また、本発明の実施にあたり、撮影手段としては、赤外線カメラ10に限ることなく、一般に、夜間でも撮影可能な暗視カメラを採用すればよい。
【0032】
また、本発明の実施にあたり、ヘッドアップディスプレイに限ることなく、当該乗用車のインストルメントパネル40の後壁に組み込んだ液晶パネルを有する表示システムに本発明を適用してもよい。
【0033】
また、本発明の実施にあたり、乗用車用ヘッドアップディスプレイに限ることなく、バスやトラック等の車両用ヘッドアップディスプレイに本発明を適用してもよい。
【0034】
また、上記第1および第2実施形態では、画像変換装置25をヘッドアップディスプレイ20に設けているが、本発明では画像変換装置25を設ける場所はヘッドアップディスプレイ20に限られるものではなく、例えば、車載暗視カメラ10に画像変換装置25を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略側面図である。
【図2】上記実施形態の電気回路構成を示す図である。
【図3】(a)は、拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(b)は、拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(c)は、拡大された画像Dexのうちカーブする側にずれた部分から表示画像Dsを抽出する場合を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の第2実施形態において拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(b)は、第2実施形態において拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図である。
【図5】(a)は、図3(a)および図4(a)に示す表示画像Dsにより表示された実際の映像Pを示す図であり、(b)は、図3(b)に示す表示画像Dsにより表示された実際の映像Pexを示す図であり、(c)は、図4(b)に示す表示画像Dsにより表示された実際の映像Pex1、Pex2、Pex3を示す図である。
【図6】(a)は、本発明の他の実施形態において拡大されていない原画像Dの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図であり、(b)は、他の実施形態において拡大された画像Dexの中から表示画像Dsを抽出する場合を示す図である。
【符号の説明】
10…赤外線カメラ(車載暗視カメラ)、
20…ヘッドアップディスプレイ(車載表示装置)、
25…画像変換装置(画像処理手段)、
D…原画像、Dex…拡大された原画像。
Claims (7)
- 車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ(10)と、
前記撮影された映像を表す原画像(D)を、デジタル画像処理にて拡大する画像処理手段(25)と、
前記画像処理された映像を表示する車載表示装置(20)とから構成されることを特徴とする車両前方暗視システム。 - 前記画像処理手段(25)にて拡大する倍率を、車室内に備えられた倍率設定スイッチ手段(50)により設定可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の車両前方暗視システム。
- 前記画像処理手段(25)による拡大は、前記原画像(D)のうち少なくとも中央部分の画像の拡大であり、
前記原画像(D)のうち前記中央部分を除く他の部分の画像を、前記中央部分の拡大倍率よりも小さい倍率で拡大または縮小することを特徴とする請求項1または2に記載の車両前方暗視システム。 - 前記画像処理手段(25)では、前記原画像(D)を前記車載表示装置(20)の表示領域より大きくなるように拡大し、かつ、前記拡大された画像(Dex)の中から前記表示領域に対応する部分を表示画像(Ds)として抽出しており、
前記抽出された表示画像(Ds)を前記車載表示装置(20)にて表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両前方暗視システム。 - 前記拡大された画像(Dex)の中から、いずれの部分を前記表示画像(Ds)として抽出するかを調整可能にしたことを特徴とする請求項4に記載の車両前方暗視システム。
- 車両が直進走行しているときの前記表示画像(Ds)を直進時表示画像とし、車両がカーブ走行しているときの前記表示画像(Ds)をカーブ時表示画像とし、
前記拡大された画像(Dex)のうち、前記直進時表示画像として抽出する部分よりも前記車両がカーブする側にずれた部分から前記カーブ時表示画像を抽出することを特徴とする請求項4または5に記載の車両前方暗視システム。 - 車両前方の映像を撮影する車載暗視カメラ(10)と、
前記撮影された映像を表示する車載表示装置(20)と、
前記撮影された映像を表す原画像(D)の中から、前記車載表示装置(20)の表示領域に対応する部分を、前記車載表示装置(20)に表示する表示画像(Ds)として抽出する画像処理手段(25)とから構成され、
車両が直進走行しているときの前記表示画像(Ds)を直進時表示画像とし、車両がカーブした道路を走行しているときの前記表示画像(Ds)をカーブ時表示画像とし、
前記カーブ時表示画像を、前記原画像(D)のうち、前記直進時表示画像として抽出する部分よりも前記車両がカーブする側にずれた部分から抽出したことを特徴とする車両前方暗視システム。
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