JP2004023124A - ファクシミリ通信装置およびファクシミリ通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができるファクシミリ通信装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】V.8手順を実行した後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、上記V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】V.8手順を実行した後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、上記V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ通信方式、特にITU−T勧告V.8通信が可能なファクシミリ通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
1994年、ITU−Tにおいて、勧告V.8が成立し、このV.8に規定されている手順を、ファクシミリ装置に適用することが考えられる。
【0003】
上記V.8による手順が適用されるファクシミリ装置は、V.34に規定されている手順、画伝送をサポートするファクシミリ装置が対象とされている。ここで、その後、上記V.8において、V.17の記載はあるものの、明確には通信が決められていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、受信機がV.34通信をサポートし、着信時に、ANSam信号を送信し、送信機から、V.34通信不可を指定されたCM信号を受信した場合、明確にその後のV.8通信手順が決まっていないので、V.21のDIS信号で送信するDIS信号の受信可能変復調の決定が不明確であるという問題がある。
【0005】
一方、将来的には、V.8手順後に、V.21手順が一般に普及されることが予想される。
【0006】
ここで、V.34通信、V.8通信を独立して考え、通信制御を実行することが提案されていないという大きな問題がある。
【0007】
本発明は、V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができるファクシミリ通信装置およびファクシミリ通信方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方式において、V.8手順を実行した後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、上記V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【0009】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施例]
まず、ITU−Tによって勧告化されたV.8の手順信号について説明する。
【0010】
図12は、ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【0011】
図13は、ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【0012】
図14は、起呼機能オクテットのビットの使用例を示す図である。
【0013】
図15は、ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モードを示す図である。
【0014】
図16は、ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【0015】
図17は、ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【0016】
V.8の手順信号には、起呼メニュー信号(以下、「CM」という)と、CM終端子(以下、「CJ」という)と、共通メニュー信号(以下、「JM」という)とが含まれている。
【0017】
CMは、起呼DCEから送信される信号であり、この信号は、主に起呼DECで利用可能な変調方式を表示するために使用される。CMは、勧告V.21で定義された低域チャンネルV.21(L)によって変調された300bit/sの反復ビット列で構成されている。
【0018】
CJは、JMを検出した確認とCMの終了とを示す信号である。CJは、300bit/sのV.21(L)で変調され、スタートbit/sとストップbit/sとを含み、連続する3つの総て「0」のオクテットで構成されている。
【0019】
JMは、応答DECから送信される信号であり、この信号は、主に起呼および応答DECで共通した利用可能な変調方式を示すために使用されている。JMは、勧告V.21で定義されている高域チャンネルV.21(H)によって変調された300bit/sの反復ビット列で構成されている。
【0020】
次に、CM、CJ、JMの各信号の符号化フォーマットについて説明する。
【0021】
CM、CJ、JMには、共通の符号化フォーマットが使用され、各信号CM、CJ、JMは、繰り返すビットシーケンスで構成されている。1つのシーケンスは、最初10個の「1」と、それに続く10ビットの同期符号と、さらに続く情報を載せたオクテットとによって構成されている。各オクテットのそれぞれには、先行するスタートビット(「0」)と、後続するストップビット(「1」)とが付加される。
【0022】
JMには、同じV.21(H)変調を使用している勧告T.30との混乱を避けるために、そのビット配置に、HDLCフラグ(01111110)が決して現れないような、符号制約条件が課せられている。
【0023】
各オクテットは、ある1つの情報カテゴリに属する。大多数の応用によって信号の簡潔さが守られるならば、特別の応用のため、情報カテゴリが拡張されることを、この符号化フォーマットは許容している。
【0024】
1つのシーケンスの最初の情報カテゴリは、起呼機能でなければならない。この起呼機能に後続する情報カテゴリのなかでは、その順序は特に規定されていない。1つのカテゴリの中の総ての情報は、1オクテットまたは、必要であれば、順序が決められた1つのオクテット・シーケンスによって伝達される。
【0025】
次に、カテゴリオクテットについて、図13を参照しながら説明する。
【0026】
図13には、ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームが示されている。
【0027】
カテゴリオクテットは、新たな情報カテゴリの中では最初に発生されるオクテットであり、このオクテットには、情報カテゴリを決定する4ビットの符号を含んでいる。このフォーマットは、以下のように構成され、表示されたビットは、左から右の順番で送信される。
【0028】
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b3は、図13に示すように、b0を最下位ビットとするカテゴリを形成し、ビットb4は、フラグが成立しないように「0」に設定される。また、b5〜b7は、情報カテゴリのオプションビットである。
【0029】
3つのオプションビットで、特定のカテゴリを表すのに不足する場合は、カテゴリオクテットの直後に、拡張オクテットをいくつでも続けることができる。
【0030】
この拡張オクテットのフォーマットは、以下に示すように構成されている。
【0031】
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b2、b6、b7は、そのときのカテゴリに追加される5つのビットである。ビットb4は、カテゴリオクテットから拡張オクテットを区別するために、「1」に設定され、b3とb5とは、フラグが成立しないように「0」に設定される。
【0032】
次に、ビットb0〜b3で決定される情報カテゴリである起呼機能、変調モード、プロトコル、GSTNアクセスについて、それぞれ図14〜図18を参照しながら説明する。
【0033】
起呼機能オクテットの中の3つのオプションビットは、図14に示すように、bit5、bit6、bit7で規定している特定の起呼機能を指定するために、使用されている。
【0034】
GSTNで使用可能なVシリーズ変調モードは、図15に示すように、3つの符号で指定されている。使用可能であるという設定は、表示された起呼機能の中で、その変調モードが使用可能であり、しかも遠隔DCEに対し、その能力を伝えたいと望む場合に限られる。
【0035】
ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧が、図16に示されている。もし、LAPMプロトコル符号がCMで示され、それを受け取った応答DCE側が同じくLAPMを使用したい場合、JMでも、LAPMを表示するプロトコルオクテットが表示される。
【0036】
ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号が、図17に示されている。
【0037】
次に、V.34に規定されているINFO0の情報ビットについて説明する。
【0038】
図18は、ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【0039】
INFO0は、送信能力を表示するために使用される信号であり、その信号シーケンスのビットは、図18に示すように、定義されている。
【0040】
なお、本実施例では、INFO0aは、被呼側から送出する信号であるとし、INFO0cは、発呼側から送出する信号であるとする。
【0041】
本発明の第1の実施例について図を参照しながら説明する。
【0042】
図1は、本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1を示すブロック図である。
【0043】
ファクシミリ装置FS1において、NCU2は、電話回線2aに接続されている網制御装置であり、電話網をデータ通信等に使用するために、回線端末へ接続する等の電話交換網の接続制御、データ通信路への切替を行い、電話回線2aと電話機4との接続、および電話回線2aとハイブリッド回路6との接続を選択的に切り換える。
【0044】
NCU2と電話機4とは、信号線2bで接続され、NCU2とハイブリッド回路6とは、信号線2cで接続されている。NCU2の切換動作は、後述する制御回路20で制御される。制御回路20から信号線20aを介して与えられる制御信号が「0」であるときに、電話回線2aと電話機4とが接続される。これに対し、上記制御信号が「1」であるとき、電話回線2aとハイブリッド回路6とが接続される。なお、通常状態では、電話回線2aと電話機4との接続が選択されている。
【0045】
ハイブリッド回路6は、電話回線2aを介して送信される送信系からの送信信号と、電話回線2aを介して受信される受信系への受信信号とを分離する。
【0046】
送信系は、CCD(電化結合素子)などの撮像素子と光学系とによって構成されている読取回路14と、ANSam送出回路10とを有する。
【0047】
読取回路14は、送信原稿から主走査方向の1ライン分の画像を、順次、読取り、この読み取られた画像を示すデータが、信号線14aに出力される。
【0048】
ANSam送出回路10は、制御回路20から信号線20dを介して、レベル「1」の信号が与えられたときに、信号線10aにANSam信号を出力する。これに対し、制御回路20から信号線20dを介して、レベル「0」の信号が与えられたときに、ANSam信号が信号線10aへは出力されない。
【0049】
読取回路14から信号線14aを介して出力されたデータは、制御回路20に与えられる。制御回路20は、信号線14aを介して取り込まれたデータについて符号化処理を施し、この符号化されたデータは、信号線20bを介して、変復調器8に出力される。
【0050】
変復調器8は、信号線20bから受けた符号化されたデータについて変調処理を施し、変調信号を生成するとともに、ハイブリッド回路6から、信号線6aを介して取り込まれた受信信号について復調処理し、復調データを生成する。
【0051】
この変調処理と復調処理とは、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34に基づいて、実行される。変復調器8による変調、復調処理の内容は、制御回路20から信号線20cを介して与えられる信号によって指示され、この指示された変調、復調処理によって、伝送モードが決定される。
【0052】
変復調器8で生成された変調信号は、信号線8aを介して、加算回路12に与えられる。加算回路12は、変復調器8からの変調信号と、ANSam送出回路10からのANSam信号とを加算する。この加算された信号は、信号線12aを介して、ハイブリッド回路6に出力され、ハイブリッド回路6は、上記加算された信号を、送信信号としてNCU2経由で電話回線2aに送出する。
【0053】
これに対し、受信系では、NCU2経由で、相手装置から受信した信号が、信号線6aを介して、ハイブリッド回路6から変復調器8に出力される。変復調器8は、上記のように、信号線6aを介して取り込まれた受信信号について復調処理し、復調データを生成する。変復調器8で生成された復調データは、信号線8bを介して、制御回路20に与えられる。制御回路20は、復調データについて復号化等の処理をし、復号化されたデータは、信号線20eを介して、記録回路16に与えられる。
【0054】
記録回路16は、復号化されたデータが示す画像を、1ライン毎に順次、記録紙に記録する。読取回路14で読み取られたデータ、そのデータを符号化したデータ、受信したデータ、そのデータを復号化したデータは、必要に応じてメモリ回路18に格納される。
【0055】
制御回路20は、相手先装置からの情報を受信し、相手先装置へ情報を送信するための伝送制御を行う。
【0056】
この伝送制御を規定する伝送制御手順には、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34の各手順が用いられている。
【0057】
制御回路20は、具体的には、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方式において、V.8手順後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止する手段と、V.8手順の実行を禁止する手段とを有する。
【0058】
そして、V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止することが選択されていると、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行し、また、V.8手順の実行を禁止することが選択されていると、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する。
【0059】
図2〜図8は、ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS2では、信号線20aにレベル「0」の信号を出力し、CMLをオフし、ステップS4では、信号線20dにレベル「0」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力しないように設定する。
【0061】
ステップS6では、操作部の情報を入力し、V.34通信の禁止の登録が選択されたか否かを判断し、V.34通信の禁止の登録が選択されていれば、ステップS8に進み、V.34通信の禁止の登録が選択されていなければ、ステップS10に進む。
【0062】
ステップS8では、V.34通信を禁止する/しないを、メモリ18に登録し、ここで、デフォルト値は、禁止しないと登録する。
【0063】
ステップS10では、操作部の情報を入力し、V.8通信の禁止の登録が選択されたか否かを判断し、V.8通信の禁止の登録が選択されていれば、ステップS12に進み、V.8通信の禁止の登録が選択されていなければ、ステップS14に進む。
【0064】
ステップS12では、V.8通信を禁止する/しないを、メモリ18に登録し、ここで、デフォルト値は、禁止しないと登録する。
【0065】
ステップS14では、着呼が選択されたか否かを判定し、着呼が選択されないと、ステップS16が実行され、着呼が選択されると、ステップS20が実行される。
【0066】
ステップS16では、発呼が選択されたか否かを判定し、発呼が選択されないと、ステップS18が実行され、発呼が選択されると、ステップS66が実行される。
【0067】
ステップS18では、その他の処理が実行され、この処理を実行した後に、再びステップS2に戻る。
【0068】
ステップS20では、信号線20aにレベル「1」の信号を出力し、CMLをオンし、ステップS22では、タイマT1に35秒をセットし、ステップS24では、メモリ18に格納されている情報を入力し、V.8通信の禁止が選択されているか否かを判断し、V.8通信の禁止が選択されていれば、ステップS26に進み、V.8通信の禁止が選択されていなければ、ステップS40に進む。
【0069】
ステップS26では、CED信号を送信し、ステップS28では、V.21信号での(NSF/CSI/)DIS信号を送信し、ここで、V.8の受信機能無しを通知し、ステップS30では、タイマT4に3秒をセットする。
【0070】
ステップS32では、V.21信号での(TSI/)DCS信号を受信したか否かを判断し、V.21信号での(TSI/)DCS信号を受信していれば、ステップS38に進み、V.21信号での(TSI/)DCS信号を受信していなければ、ステップS34に進む。
【0071】
ステップS34では、タイマT4がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT4がタイムオーバしていれば、ステップS36に進み、タイマT4がタイムオーバしていなければ、ステップS32に進む。
【0072】
ステップS36では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT1がタイムオーバしていれば、ステップS2に進み、タイマT1がタイムオーバしていなければ、ステップS28に進む。
【0073】
ステップS38では、以後、V.21手順、V.27ter、V.29、V.17画伝送に基づいた通信を実行し、ステップS40では、タイマに5秒をセットし、ステップS42では、信号線20dにレベル「1」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力するように設定する。
【0074】
ステップS44では、CM信号を受信したか否かを判断し、CM信号を受信していれば、ステップS48に進み、ANSam信号の送信を止めた後、S50に進み、CM信号を受信していなければ、ステップS46に進む。
【0075】
ステップS46では、タイマがタイムオーバしたか否かを判断し、タイマがタイムオーバしていれば、ANSam信号の送信を止めた後、S28に進み、タイマがタイムオーバしていなければ、ステップS44に進む。
【0076】
ステップS50では、メモリ18に格納されている情報を入力し、V.34通信の禁止が選択されているか否かを判断し、V.34通信の禁止が選択されていれば、スッテップS52に進み、V.34通信の禁止が選択されていなければ、ステップS58に進む。
【0077】
ステップS52では、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信が可能なCM信号であるか否かを判断し、上記各手順を実行可能なCM信号であれば、ステップS54に進み、上記各手順を実行可能なCM信号でなければ、ステップS2に進む。
【0078】
ステップS54では、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信可能なJM信号を送信し、ステップS56は、CJ信号を受信する。
【0079】
ステップS58では、V.34半二重通信可能なCM信号であるか否かを判断し、V.34半二重通信可能なCM信号であれば、ステップS60に進み、V.34半二重通信可能なCM信号でなければ、ステップS52に進む。
【0080】
ステップS60では、V.34半二重通信可能なJM信号を送信し、ステップS62では、CJ信号を受信し、ステップS64では、V.34の手順、画伝送を実行し、ステップS66では、信号線20aにレベル「1」の信号を出力し、CMLをオンし、ステップS68では、発呼回路を使用し、指定された宛先へ発呼する。
【0081】
ステップS70では、操作部の情報を入力し、V.8通信の禁止が選択されたか否かを判断し、V.8通信の禁止が選択されていれば、ステップS72に進み、V.8通信の禁止が選択されていなければ、ステップS82に進み、ステップS72では、タイマ1に35秒をセットする。
【0082】
ステップS74では、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信したか否かを判断し、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していれば、ステップS78に進み、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していなければ、ステップS76に進む。
【0083】
ステップS76では、初期識別信号の受信タイマがタイムオーバしたか否かを判断し、初期識別信号の受信タイマがタイムオーバしていれば、ステップS2に進み、初期識別信号の受信タイマがタイムオーバしていなければ、ステップS74に進む。
【0084】
ステップS78では、V.21信号でのTSI/DCS信号を送信し、ステップS80では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画伝送を実行し、ステップS82では、タイマ1に35秒をセットし、ステップS84では、FLGに0をセットする。
【0085】
ステップS86では、ANSam信号を受信したか否かを判断し、ANSam信号を受信していれば、ステップS88に進み、ANSam信号を受信していなければ、ステップS106に進む。
【0086】
ステップS88では、メモリ18に格納されている情報を入力し、V.34通信の禁止が選択されているか否かを判断し、V.34通信の禁止が選択されていれば、ステップS90に進み、V.34通信の禁止が選択されていなければ、ステップS96に進む。
【0087】
ステップS90では、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信可能なCM信号を送信し、ステップS92では、JM信号を受信し、ステップS94では、CJ信号を送信し、ステップS96では、V.34半二重、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信可能なCM信号を送信し、ステップS98では、JM信号を受信し、ステップS100では、CJ信号を送信する。
【0088】
ステップS102では、受信したJM信号に基づいて判断し、V.34の半二重通信が可能であるか否かを判断し、V.34の半二重通信が可能であれば、ステップS104に進み、V.34の半二重通信が可能でなければ、ステップS72に進む。
【0089】
ステップS104では、CJ信号を送信した後に、V.34の手順、画伝送を実行する。
【0090】
ステップS106では、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信したか否かを判断し、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していれば、ステップS110に進み、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していなければ、ステップS108に進む。
【0091】
ステップS108では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、YESであるとS2に進み、NOであるとS92に進む。
【0092】
ステップS110では、V.8の受信機能があるか否かを判断し、V.8の受信機能があれば、ステップS112に進み、V.8の受信機能がなければ、ステップS78に進む。
【0093】
ステップS112では、FLGが0であるか否かを判断し、FLGが0であれば、ステップS114に進み、FLGが0でなければ、ステップS78に進む。
【0094】
ステップS114では、FLGに1をセットし、ステップS116では、CI信号を送信する。
【0095】
次に、上記伝送制御手順について、説明する。
【0096】
図9は、ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.34伝送制御手順の一例を示す図(V.8、V.34通信ともに禁止でない)である。
【0097】
図10は、ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例(V.34通信のみ禁止である)を示す図である。
【0098】
図11は、ファクシミリ装置FS1に適用されるV.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例(V.8通信の禁止である)を示す図である。
【0099】
図11(1)は、発呼端末でV.8通信を禁止する場合を示す図であり、図11(2)は、被呼端末でV.8通信を禁止する場合を示す図である。
【0100】
まず、V.8通信が禁止で無く、V.34通信が禁止でない場合における動作(つまり、V.34手順、V.34画伝送を実行する動作)について説明する。また、被呼端末からのANSam信号の受信からV.34の手順、画伝送の実行までの伝送制御手順について、説明する。
【0101】
図9に示すように、被呼端末から全二重通信を可能にする信号(ANSam信号であって2100Hzを15Hzで変調した信号)が送出される。発呼側からは、V.8に基づく変調によるCM信号が送出され、このCM信号によって画伝送時に実行可能な伝送モードが、被呼端末に通知される。
【0102】
CM信号を受信した被呼端末は、CM信号で指定された伝送モードの中で受信可能な伝送モード(V.34)を、発呼端末に通知し、この通知にJM信号が用いられる。
【0103】
JM信号を受信した発呼端末は、CJ信号を送出することによって、伝送モードを被呼端末に通知する。
【0104】
CJ信号送出後(すなわちV.8手順完了後)に、50msecが経過すると、発呼端末は、V.34手順の実行を開始し、電話回線2aの状況をチェックするためのラインプルービング信号(先頭にINFO0cが付加されている)を送出する。被呼端末は、発呼端末からのラインプルービング信号に応答した信号(先頭にINFO0aが付加されている)を送出し、この信号によって、以後の送出レベル、振幅レベルの補正、伝送ボーレートを、発呼端末に通知する。
【0105】
発呼端末は、ラインプルービング信号を送出してから、50msecが経過した後に、ロングトレーニング信号を送出し、被呼端末は、このロングトレーニング信号に基づいて、モデムの等化器の調整、タイミング検出等を実施する。
【0106】
発呼端末は、ロングトレーニング信号を送出してから、50msecが経過した後に、パラメータ交換信号を送出する。被呼端末は、パラメータ交換信号に応答した信号を送出し、この信号によって、以後のリンク補正、ビットレートを、発呼端末に通知する。
【0107】
パラメータ交換信号に応答した後、被呼端末は、CSI、DIS信号を送出し、発呼端末からのTSI、DCS信号を受信するまで、フラグを送出し、TSI、DCS信号を受信した後に、CFR信号を送出する。発呼端末は、CSI、DIS信号を受信した後に、TSI、DCS信号を送出し、被呼端末からのCFR信号を受信するまで、フラグを送出する。
【0108】
発呼端末は、フラグを送出してから、50msec経過後に、V.34による画伝送を開始し、画信号を送出する。画信号の送出を終了してから、50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末からは、PPS−MPS信号が送出され、被呼端末からのMCF信号を受信するまで、フラグが送出される。被呼端末は、PPS−MPS信号を受信した後に、MCF信号を送出する。
【0109】
フラグを送出してから、50msec経過後に、V.34による画伝送が実行され、発呼端末からは、再び、画信号が送出される。画信号の送出が終了してから、50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末は、PPS−EOP信号を送出し、MCF信号を受信するまでフラグを送出する。被呼端末は、PPS−EOP信号を受信した後に、MCF信号を送出する。以降、同様の手順が、画伝送が終了するまで繰り返される。
【0110】
次に、V.34通信のみが禁止(V.8通信は禁止でない)である動作について説明する。被呼端末からANSam信号を受信してから、V.21の手順、V.17の画伝送の実行までの伝送制御手順について、説明する。
【0111】
図10に示すように、まず、被呼端末は、ANSamを送信し、発呼端末は、V.34半二重通信不可能なCM信号(V.21、V.27ter、V.29半二重、V.17通信は可能)を送信する。このときに、受信機は、ANSam信号の送信を中断し、V.34半二重通信不可能なJM信号(V.21、V.27ter、V.29半二重、V.17通信は可能)を送信する。送信機は、JM信号に応答し、CJ信号を送信する。受信機は、CJ信号を受信すると、V.27ter、V.29、V.17の受信機能は有り、V.8受信機能は無しを示すDIS信号を、V.21で送信する。
【0112】
送信機は、V.17送信を、DCS信号によって指定する。
【0113】
次に、V.34通信が禁止であり、V.8通信が禁止である動作について、説明する。
【0114】
図11は、V.34通信が禁止であり、V.8通信が禁止である動作を示すフローチャートである。
【0115】
図11(1)は、発呼端末が上記設定である動作を示すフローチャートであり、被呼端末からANSam信号を受信してから、V.21の手順、V.17の画伝送の実行までの伝送制御手順を示す図である。
【0116】
図11(1)に示すように、まず、被呼端末は、ANSamを送信する。発呼端末は、このANSam信号に応答しない。被呼端末は、ANSamの送信が終了すると、V.27ter、V.29、V.17の受信機能は有り、V.8受信機能は有りを示すDIS信号を、V.21で送信する。発呼端末は、V.17送信を、DCS信号によって指定する。
【0117】
図11(2)は、被呼端末が上記設定である動作を示すフローチャートである。図11(2)に示すように、まず、被呼端末は、CED信号を送信し、続いて、V.27ter、V.29、V.17の受信機能は有り、V.8受信機能は無しを示すDIS信号を、V.21で送信する。発呼端末は、V.17送信を、DCS信号によって指定する。
【0118】
上記実施例によれば、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方式において、V.8手順後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止する手段と、V.8手順の実行を禁止する手段とを有するので、V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができる。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1のブロック図である。
【図2】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図3】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図4】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図5】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図6】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図8】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図9】ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.34伝送制御手順の一例を示す図(V.8、V.34通信ともに禁止でない)である。
【図10】ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例(V.34通信のみ禁止である)を示す図である。
【図11】ファクシミリ装置FS1に適用されるV.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例を示す図である。
【図12】ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【図13】ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【図14】起呼機能オクテットのビットの使用例を示す図である。
【図15】ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モードを示す図である。
【図16】ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【図17】ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【図18】ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【符号の説明】
FS1…ファクシミリ装置、
10…ANSam送出回路、
14…読取回路、
16…記録回路、
18…メモリ回路、
20…制御回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ通信方式、特にITU−T勧告V.8通信が可能なファクシミリ通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
1994年、ITU−Tにおいて、勧告V.8が成立し、このV.8に規定されている手順を、ファクシミリ装置に適用することが考えられる。
【0003】
上記V.8による手順が適用されるファクシミリ装置は、V.34に規定されている手順、画伝送をサポートするファクシミリ装置が対象とされている。ここで、その後、上記V.8において、V.17の記載はあるものの、明確には通信が決められていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、受信機がV.34通信をサポートし、着信時に、ANSam信号を送信し、送信機から、V.34通信不可を指定されたCM信号を受信した場合、明確にその後のV.8通信手順が決まっていないので、V.21のDIS信号で送信するDIS信号の受信可能変復調の決定が不明確であるという問題がある。
【0005】
一方、将来的には、V.8手順後に、V.21手順が一般に普及されることが予想される。
【0006】
ここで、V.34通信、V.8通信を独立して考え、通信制御を実行することが提案されていないという大きな問題がある。
【0007】
本発明は、V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができるファクシミリ通信装置およびファクシミリ通信方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方式において、V.8手順を実行した後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、上記V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【0009】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施例]
まず、ITU−Tによって勧告化されたV.8の手順信号について説明する。
【0010】
図12は、ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【0011】
図13は、ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【0012】
図14は、起呼機能オクテットのビットの使用例を示す図である。
【0013】
図15は、ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モードを示す図である。
【0014】
図16は、ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【0015】
図17は、ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【0016】
V.8の手順信号には、起呼メニュー信号(以下、「CM」という)と、CM終端子(以下、「CJ」という)と、共通メニュー信号(以下、「JM」という)とが含まれている。
【0017】
CMは、起呼DCEから送信される信号であり、この信号は、主に起呼DECで利用可能な変調方式を表示するために使用される。CMは、勧告V.21で定義された低域チャンネルV.21(L)によって変調された300bit/sの反復ビット列で構成されている。
【0018】
CJは、JMを検出した確認とCMの終了とを示す信号である。CJは、300bit/sのV.21(L)で変調され、スタートbit/sとストップbit/sとを含み、連続する3つの総て「0」のオクテットで構成されている。
【0019】
JMは、応答DECから送信される信号であり、この信号は、主に起呼および応答DECで共通した利用可能な変調方式を示すために使用されている。JMは、勧告V.21で定義されている高域チャンネルV.21(H)によって変調された300bit/sの反復ビット列で構成されている。
【0020】
次に、CM、CJ、JMの各信号の符号化フォーマットについて説明する。
【0021】
CM、CJ、JMには、共通の符号化フォーマットが使用され、各信号CM、CJ、JMは、繰り返すビットシーケンスで構成されている。1つのシーケンスは、最初10個の「1」と、それに続く10ビットの同期符号と、さらに続く情報を載せたオクテットとによって構成されている。各オクテットのそれぞれには、先行するスタートビット(「0」)と、後続するストップビット(「1」)とが付加される。
【0022】
JMには、同じV.21(H)変調を使用している勧告T.30との混乱を避けるために、そのビット配置に、HDLCフラグ(01111110)が決して現れないような、符号制約条件が課せられている。
【0023】
各オクテットは、ある1つの情報カテゴリに属する。大多数の応用によって信号の簡潔さが守られるならば、特別の応用のため、情報カテゴリが拡張されることを、この符号化フォーマットは許容している。
【0024】
1つのシーケンスの最初の情報カテゴリは、起呼機能でなければならない。この起呼機能に後続する情報カテゴリのなかでは、その順序は特に規定されていない。1つのカテゴリの中の総ての情報は、1オクテットまたは、必要であれば、順序が決められた1つのオクテット・シーケンスによって伝達される。
【0025】
次に、カテゴリオクテットについて、図13を参照しながら説明する。
【0026】
図13には、ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームが示されている。
【0027】
カテゴリオクテットは、新たな情報カテゴリの中では最初に発生されるオクテットであり、このオクテットには、情報カテゴリを決定する4ビットの符号を含んでいる。このフォーマットは、以下のように構成され、表示されたビットは、左から右の順番で送信される。
【0028】
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b3は、図13に示すように、b0を最下位ビットとするカテゴリを形成し、ビットb4は、フラグが成立しないように「0」に設定される。また、b5〜b7は、情報カテゴリのオプションビットである。
【0029】
3つのオプションビットで、特定のカテゴリを表すのに不足する場合は、カテゴリオクテットの直後に、拡張オクテットをいくつでも続けることができる。
【0030】
この拡張オクテットのフォーマットは、以下に示すように構成されている。
【0031】
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b2、b6、b7は、そのときのカテゴリに追加される5つのビットである。ビットb4は、カテゴリオクテットから拡張オクテットを区別するために、「1」に設定され、b3とb5とは、フラグが成立しないように「0」に設定される。
【0032】
次に、ビットb0〜b3で決定される情報カテゴリである起呼機能、変調モード、プロトコル、GSTNアクセスについて、それぞれ図14〜図18を参照しながら説明する。
【0033】
起呼機能オクテットの中の3つのオプションビットは、図14に示すように、bit5、bit6、bit7で規定している特定の起呼機能を指定するために、使用されている。
【0034】
GSTNで使用可能なVシリーズ変調モードは、図15に示すように、3つの符号で指定されている。使用可能であるという設定は、表示された起呼機能の中で、その変調モードが使用可能であり、しかも遠隔DCEに対し、その能力を伝えたいと望む場合に限られる。
【0035】
ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧が、図16に示されている。もし、LAPMプロトコル符号がCMで示され、それを受け取った応答DCE側が同じくLAPMを使用したい場合、JMでも、LAPMを表示するプロトコルオクテットが表示される。
【0036】
ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号が、図17に示されている。
【0037】
次に、V.34に規定されているINFO0の情報ビットについて説明する。
【0038】
図18は、ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【0039】
INFO0は、送信能力を表示するために使用される信号であり、その信号シーケンスのビットは、図18に示すように、定義されている。
【0040】
なお、本実施例では、INFO0aは、被呼側から送出する信号であるとし、INFO0cは、発呼側から送出する信号であるとする。
【0041】
本発明の第1の実施例について図を参照しながら説明する。
【0042】
図1は、本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1を示すブロック図である。
【0043】
ファクシミリ装置FS1において、NCU2は、電話回線2aに接続されている網制御装置であり、電話網をデータ通信等に使用するために、回線端末へ接続する等の電話交換網の接続制御、データ通信路への切替を行い、電話回線2aと電話機4との接続、および電話回線2aとハイブリッド回路6との接続を選択的に切り換える。
【0044】
NCU2と電話機4とは、信号線2bで接続され、NCU2とハイブリッド回路6とは、信号線2cで接続されている。NCU2の切換動作は、後述する制御回路20で制御される。制御回路20から信号線20aを介して与えられる制御信号が「0」であるときに、電話回線2aと電話機4とが接続される。これに対し、上記制御信号が「1」であるとき、電話回線2aとハイブリッド回路6とが接続される。なお、通常状態では、電話回線2aと電話機4との接続が選択されている。
【0045】
ハイブリッド回路6は、電話回線2aを介して送信される送信系からの送信信号と、電話回線2aを介して受信される受信系への受信信号とを分離する。
【0046】
送信系は、CCD(電化結合素子)などの撮像素子と光学系とによって構成されている読取回路14と、ANSam送出回路10とを有する。
【0047】
読取回路14は、送信原稿から主走査方向の1ライン分の画像を、順次、読取り、この読み取られた画像を示すデータが、信号線14aに出力される。
【0048】
ANSam送出回路10は、制御回路20から信号線20dを介して、レベル「1」の信号が与えられたときに、信号線10aにANSam信号を出力する。これに対し、制御回路20から信号線20dを介して、レベル「0」の信号が与えられたときに、ANSam信号が信号線10aへは出力されない。
【0049】
読取回路14から信号線14aを介して出力されたデータは、制御回路20に与えられる。制御回路20は、信号線14aを介して取り込まれたデータについて符号化処理を施し、この符号化されたデータは、信号線20bを介して、変復調器8に出力される。
【0050】
変復調器8は、信号線20bから受けた符号化されたデータについて変調処理を施し、変調信号を生成するとともに、ハイブリッド回路6から、信号線6aを介して取り込まれた受信信号について復調処理し、復調データを生成する。
【0051】
この変調処理と復調処理とは、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34に基づいて、実行される。変復調器8による変調、復調処理の内容は、制御回路20から信号線20cを介して与えられる信号によって指示され、この指示された変調、復調処理によって、伝送モードが決定される。
【0052】
変復調器8で生成された変調信号は、信号線8aを介して、加算回路12に与えられる。加算回路12は、変復調器8からの変調信号と、ANSam送出回路10からのANSam信号とを加算する。この加算された信号は、信号線12aを介して、ハイブリッド回路6に出力され、ハイブリッド回路6は、上記加算された信号を、送信信号としてNCU2経由で電話回線2aに送出する。
【0053】
これに対し、受信系では、NCU2経由で、相手装置から受信した信号が、信号線6aを介して、ハイブリッド回路6から変復調器8に出力される。変復調器8は、上記のように、信号線6aを介して取り込まれた受信信号について復調処理し、復調データを生成する。変復調器8で生成された復調データは、信号線8bを介して、制御回路20に与えられる。制御回路20は、復調データについて復号化等の処理をし、復号化されたデータは、信号線20eを介して、記録回路16に与えられる。
【0054】
記録回路16は、復号化されたデータが示す画像を、1ライン毎に順次、記録紙に記録する。読取回路14で読み取られたデータ、そのデータを符号化したデータ、受信したデータ、そのデータを復号化したデータは、必要に応じてメモリ回路18に格納される。
【0055】
制御回路20は、相手先装置からの情報を受信し、相手先装置へ情報を送信するための伝送制御を行う。
【0056】
この伝送制御を規定する伝送制御手順には、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34の各手順が用いられている。
【0057】
制御回路20は、具体的には、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方式において、V.8手順後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止する手段と、V.8手順の実行を禁止する手段とを有する。
【0058】
そして、V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止することが選択されていると、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行し、また、V.8手順の実行を禁止することが選択されていると、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する。
【0059】
図2〜図8は、ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS2では、信号線20aにレベル「0」の信号を出力し、CMLをオフし、ステップS4では、信号線20dにレベル「0」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力しないように設定する。
【0061】
ステップS6では、操作部の情報を入力し、V.34通信の禁止の登録が選択されたか否かを判断し、V.34通信の禁止の登録が選択されていれば、ステップS8に進み、V.34通信の禁止の登録が選択されていなければ、ステップS10に進む。
【0062】
ステップS8では、V.34通信を禁止する/しないを、メモリ18に登録し、ここで、デフォルト値は、禁止しないと登録する。
【0063】
ステップS10では、操作部の情報を入力し、V.8通信の禁止の登録が選択されたか否かを判断し、V.8通信の禁止の登録が選択されていれば、ステップS12に進み、V.8通信の禁止の登録が選択されていなければ、ステップS14に進む。
【0064】
ステップS12では、V.8通信を禁止する/しないを、メモリ18に登録し、ここで、デフォルト値は、禁止しないと登録する。
【0065】
ステップS14では、着呼が選択されたか否かを判定し、着呼が選択されないと、ステップS16が実行され、着呼が選択されると、ステップS20が実行される。
【0066】
ステップS16では、発呼が選択されたか否かを判定し、発呼が選択されないと、ステップS18が実行され、発呼が選択されると、ステップS66が実行される。
【0067】
ステップS18では、その他の処理が実行され、この処理を実行した後に、再びステップS2に戻る。
【0068】
ステップS20では、信号線20aにレベル「1」の信号を出力し、CMLをオンし、ステップS22では、タイマT1に35秒をセットし、ステップS24では、メモリ18に格納されている情報を入力し、V.8通信の禁止が選択されているか否かを判断し、V.8通信の禁止が選択されていれば、ステップS26に進み、V.8通信の禁止が選択されていなければ、ステップS40に進む。
【0069】
ステップS26では、CED信号を送信し、ステップS28では、V.21信号での(NSF/CSI/)DIS信号を送信し、ここで、V.8の受信機能無しを通知し、ステップS30では、タイマT4に3秒をセットする。
【0070】
ステップS32では、V.21信号での(TSI/)DCS信号を受信したか否かを判断し、V.21信号での(TSI/)DCS信号を受信していれば、ステップS38に進み、V.21信号での(TSI/)DCS信号を受信していなければ、ステップS34に進む。
【0071】
ステップS34では、タイマT4がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT4がタイムオーバしていれば、ステップS36に進み、タイマT4がタイムオーバしていなければ、ステップS32に進む。
【0072】
ステップS36では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT1がタイムオーバしていれば、ステップS2に進み、タイマT1がタイムオーバしていなければ、ステップS28に進む。
【0073】
ステップS38では、以後、V.21手順、V.27ter、V.29、V.17画伝送に基づいた通信を実行し、ステップS40では、タイマに5秒をセットし、ステップS42では、信号線20dにレベル「1」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力するように設定する。
【0074】
ステップS44では、CM信号を受信したか否かを判断し、CM信号を受信していれば、ステップS48に進み、ANSam信号の送信を止めた後、S50に進み、CM信号を受信していなければ、ステップS46に進む。
【0075】
ステップS46では、タイマがタイムオーバしたか否かを判断し、タイマがタイムオーバしていれば、ANSam信号の送信を止めた後、S28に進み、タイマがタイムオーバしていなければ、ステップS44に進む。
【0076】
ステップS50では、メモリ18に格納されている情報を入力し、V.34通信の禁止が選択されているか否かを判断し、V.34通信の禁止が選択されていれば、スッテップS52に進み、V.34通信の禁止が選択されていなければ、ステップS58に進む。
【0077】
ステップS52では、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信が可能なCM信号であるか否かを判断し、上記各手順を実行可能なCM信号であれば、ステップS54に進み、上記各手順を実行可能なCM信号でなければ、ステップS2に進む。
【0078】
ステップS54では、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信可能なJM信号を送信し、ステップS56は、CJ信号を受信する。
【0079】
ステップS58では、V.34半二重通信可能なCM信号であるか否かを判断し、V.34半二重通信可能なCM信号であれば、ステップS60に進み、V.34半二重通信可能なCM信号でなければ、ステップS52に進む。
【0080】
ステップS60では、V.34半二重通信可能なJM信号を送信し、ステップS62では、CJ信号を受信し、ステップS64では、V.34の手順、画伝送を実行し、ステップS66では、信号線20aにレベル「1」の信号を出力し、CMLをオンし、ステップS68では、発呼回路を使用し、指定された宛先へ発呼する。
【0081】
ステップS70では、操作部の情報を入力し、V.8通信の禁止が選択されたか否かを判断し、V.8通信の禁止が選択されていれば、ステップS72に進み、V.8通信の禁止が選択されていなければ、ステップS82に進み、ステップS72では、タイマ1に35秒をセットする。
【0082】
ステップS74では、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信したか否かを判断し、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していれば、ステップS78に進み、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していなければ、ステップS76に進む。
【0083】
ステップS76では、初期識別信号の受信タイマがタイムオーバしたか否かを判断し、初期識別信号の受信タイマがタイムオーバしていれば、ステップS2に進み、初期識別信号の受信タイマがタイムオーバしていなければ、ステップS74に進む。
【0084】
ステップS78では、V.21信号でのTSI/DCS信号を送信し、ステップS80では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画伝送を実行し、ステップS82では、タイマ1に35秒をセットし、ステップS84では、FLGに0をセットする。
【0085】
ステップS86では、ANSam信号を受信したか否かを判断し、ANSam信号を受信していれば、ステップS88に進み、ANSam信号を受信していなければ、ステップS106に進む。
【0086】
ステップS88では、メモリ18に格納されている情報を入力し、V.34通信の禁止が選択されているか否かを判断し、V.34通信の禁止が選択されていれば、ステップS90に進み、V.34通信の禁止が選択されていなければ、ステップS96に進む。
【0087】
ステップS90では、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信可能なCM信号を送信し、ステップS92では、JM信号を受信し、ステップS94では、CJ信号を送信し、ステップS96では、V.34半二重、V.21、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17通信可能なCM信号を送信し、ステップS98では、JM信号を受信し、ステップS100では、CJ信号を送信する。
【0088】
ステップS102では、受信したJM信号に基づいて判断し、V.34の半二重通信が可能であるか否かを判断し、V.34の半二重通信が可能であれば、ステップS104に進み、V.34の半二重通信が可能でなければ、ステップS72に進む。
【0089】
ステップS104では、CJ信号を送信した後に、V.34の手順、画伝送を実行する。
【0090】
ステップS106では、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信したか否かを判断し、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していれば、ステップS110に進み、V.21の(NSF/CSI/)DIS信号を受信していなければ、ステップS108に進む。
【0091】
ステップS108では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、YESであるとS2に進み、NOであるとS92に進む。
【0092】
ステップS110では、V.8の受信機能があるか否かを判断し、V.8の受信機能があれば、ステップS112に進み、V.8の受信機能がなければ、ステップS78に進む。
【0093】
ステップS112では、FLGが0であるか否かを判断し、FLGが0であれば、ステップS114に進み、FLGが0でなければ、ステップS78に進む。
【0094】
ステップS114では、FLGに1をセットし、ステップS116では、CI信号を送信する。
【0095】
次に、上記伝送制御手順について、説明する。
【0096】
図9は、ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.34伝送制御手順の一例を示す図(V.8、V.34通信ともに禁止でない)である。
【0097】
図10は、ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例(V.34通信のみ禁止である)を示す図である。
【0098】
図11は、ファクシミリ装置FS1に適用されるV.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例(V.8通信の禁止である)を示す図である。
【0099】
図11(1)は、発呼端末でV.8通信を禁止する場合を示す図であり、図11(2)は、被呼端末でV.8通信を禁止する場合を示す図である。
【0100】
まず、V.8通信が禁止で無く、V.34通信が禁止でない場合における動作(つまり、V.34手順、V.34画伝送を実行する動作)について説明する。また、被呼端末からのANSam信号の受信からV.34の手順、画伝送の実行までの伝送制御手順について、説明する。
【0101】
図9に示すように、被呼端末から全二重通信を可能にする信号(ANSam信号であって2100Hzを15Hzで変調した信号)が送出される。発呼側からは、V.8に基づく変調によるCM信号が送出され、このCM信号によって画伝送時に実行可能な伝送モードが、被呼端末に通知される。
【0102】
CM信号を受信した被呼端末は、CM信号で指定された伝送モードの中で受信可能な伝送モード(V.34)を、発呼端末に通知し、この通知にJM信号が用いられる。
【0103】
JM信号を受信した発呼端末は、CJ信号を送出することによって、伝送モードを被呼端末に通知する。
【0104】
CJ信号送出後(すなわちV.8手順完了後)に、50msecが経過すると、発呼端末は、V.34手順の実行を開始し、電話回線2aの状況をチェックするためのラインプルービング信号(先頭にINFO0cが付加されている)を送出する。被呼端末は、発呼端末からのラインプルービング信号に応答した信号(先頭にINFO0aが付加されている)を送出し、この信号によって、以後の送出レベル、振幅レベルの補正、伝送ボーレートを、発呼端末に通知する。
【0105】
発呼端末は、ラインプルービング信号を送出してから、50msecが経過した後に、ロングトレーニング信号を送出し、被呼端末は、このロングトレーニング信号に基づいて、モデムの等化器の調整、タイミング検出等を実施する。
【0106】
発呼端末は、ロングトレーニング信号を送出してから、50msecが経過した後に、パラメータ交換信号を送出する。被呼端末は、パラメータ交換信号に応答した信号を送出し、この信号によって、以後のリンク補正、ビットレートを、発呼端末に通知する。
【0107】
パラメータ交換信号に応答した後、被呼端末は、CSI、DIS信号を送出し、発呼端末からのTSI、DCS信号を受信するまで、フラグを送出し、TSI、DCS信号を受信した後に、CFR信号を送出する。発呼端末は、CSI、DIS信号を受信した後に、TSI、DCS信号を送出し、被呼端末からのCFR信号を受信するまで、フラグを送出する。
【0108】
発呼端末は、フラグを送出してから、50msec経過後に、V.34による画伝送を開始し、画信号を送出する。画信号の送出を終了してから、50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末からは、PPS−MPS信号が送出され、被呼端末からのMCF信号を受信するまで、フラグが送出される。被呼端末は、PPS−MPS信号を受信した後に、MCF信号を送出する。
【0109】
フラグを送出してから、50msec経過後に、V.34による画伝送が実行され、発呼端末からは、再び、画信号が送出される。画信号の送出が終了してから、50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末は、PPS−EOP信号を送出し、MCF信号を受信するまでフラグを送出する。被呼端末は、PPS−EOP信号を受信した後に、MCF信号を送出する。以降、同様の手順が、画伝送が終了するまで繰り返される。
【0110】
次に、V.34通信のみが禁止(V.8通信は禁止でない)である動作について説明する。被呼端末からANSam信号を受信してから、V.21の手順、V.17の画伝送の実行までの伝送制御手順について、説明する。
【0111】
図10に示すように、まず、被呼端末は、ANSamを送信し、発呼端末は、V.34半二重通信不可能なCM信号(V.21、V.27ter、V.29半二重、V.17通信は可能)を送信する。このときに、受信機は、ANSam信号の送信を中断し、V.34半二重通信不可能なJM信号(V.21、V.27ter、V.29半二重、V.17通信は可能)を送信する。送信機は、JM信号に応答し、CJ信号を送信する。受信機は、CJ信号を受信すると、V.27ter、V.29、V.17の受信機能は有り、V.8受信機能は無しを示すDIS信号を、V.21で送信する。
【0112】
送信機は、V.17送信を、DCS信号によって指定する。
【0113】
次に、V.34通信が禁止であり、V.8通信が禁止である動作について、説明する。
【0114】
図11は、V.34通信が禁止であり、V.8通信が禁止である動作を示すフローチャートである。
【0115】
図11(1)は、発呼端末が上記設定である動作を示すフローチャートであり、被呼端末からANSam信号を受信してから、V.21の手順、V.17の画伝送の実行までの伝送制御手順を示す図である。
【0116】
図11(1)に示すように、まず、被呼端末は、ANSamを送信する。発呼端末は、このANSam信号に応答しない。被呼端末は、ANSamの送信が終了すると、V.27ter、V.29、V.17の受信機能は有り、V.8受信機能は有りを示すDIS信号を、V.21で送信する。発呼端末は、V.17送信を、DCS信号によって指定する。
【0117】
図11(2)は、被呼端末が上記設定である動作を示すフローチャートである。図11(2)に示すように、まず、被呼端末は、CED信号を送信し、続いて、V.27ter、V.29、V.17の受信機能は有り、V.8受信機能は無しを示すDIS信号を、V.21で送信する。発呼端末は、V.17送信を、DCS信号によって指定する。
【0118】
上記実施例によれば、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方式において、V.8手順後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と、V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止する手段と、V.8手順の実行を禁止する手段とを有するので、V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができる。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、V.34手順、V.34画伝送の実行、また、V.8手順後に、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行、また、V.8手順を実行せずにV.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送の実行を、ユーザ設定によって確実に実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1のブロック図である。
【図2】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図3】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図4】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図5】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図6】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図8】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図9】ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.34伝送制御手順の一例を示す図(V.8、V.34通信ともに禁止でない)である。
【図10】ファクシミリ装置FS1に適用されるV.8、V.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例(V.34通信のみ禁止である)を示す図である。
【図11】ファクシミリ装置FS1に適用されるV.21、V.27ter、または、V.29、または、V.17伝送制御手順の一例を示す図である。
【図12】ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【図13】ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【図14】起呼機能オクテットのビットの使用例を示す図である。
【図15】ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モードを示す図である。
【図16】ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【図17】ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【図18】ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【符号の説明】
FS1…ファクシミリ装置、
10…ANSam送出回路、
14…読取回路、
16…記録回路、
18…メモリ回路、
20…制御回路。
Claims (5)
- 相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、上記手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、
上記V.8手順を実行した後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と;
上記V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する手段と;
を有することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1において、
上記V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止する手段と;
上記V.8手順の実行を禁止する手段と;
を有することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1または請求項2において、
上記V.34半二重プライマリーチャネルの実行を禁止することが選択されていると、上記V.8手順後に、上記V.21手順、上記V.27ter、または、上記V.29、または、上記V.17画伝送を実行することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
上記V.8手順の実行を禁止することが選択されていると、上記V.8手順を実行せずに、上記V.21手順、上記V.27ter、または、上記V.29、または、上記V.17画伝送を実行する手段を有することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方法において、
上記V.8手順を実行した後に、V.34手順、V.34半二重プライマリーチャネル伝送を実行、または、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する段階と;
上記V.8手順を実行せずに、V.21手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17画伝送を実行する段階と;
を有することを特徴とするファクシミリ通信方法。
Priority Applications (1)
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JP2002171156A JP2004023124A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | ファクシミリ通信装置およびファクシミリ通信方法 |
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- 2002-06-12 JP JP2002171156A patent/JP2004023124A/ja active Pending
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