JP2004023126A - ファクシミリ通信装置およびファクシミリ送信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発信端末は、着信端末の状態を認識することができ、さらに、無効に回線捕捉することがなく、対応が早くなり、通信時間を節約することができるファクシミリ通信装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づき上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、ANSam信号を送信するANSam信号送信手段と、CM信号を受信するCM信号受信手段と、JM信号を送信するJM信号送信手段と、上記CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無に応じて、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する制御手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づき上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、ANSam信号を送信するANSam信号送信手段と、CM信号を受信するCM信号受信手段と、JM信号を送信するJM信号送信手段と、上記CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無に応じて、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する制御手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ通信方式、特にITU−T勧告V.8通信が可能なファクシミリ通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
1994年、ITU−Tにおいて、勧告V.8が成立し、このV.8に規定される手順をファクシミリ装置と、データ通信装置とに適用することが考えられる。このV.8による手順が適用されると、CM信号と、JM信号とのコールファンクションカテゴリで、ファクシミリ通信(発信端末からのファクシミリ送信、着信端末からのファクシミリ送信)を指定でき、または、データ通信の指定を実行する。また、CM信号のモジュレーションモードで、ファクシミリ通信のモジュレーション、データ通信のモジュレーションを指定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ファクシミリ装置では、主に、V.34通信をサポートした装置から、V.8をサポートしている。最近では、増加しつつある。
【0004】
ここで、発信端末からのCM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信が指定され、すなわち、発信端末がポーリング受信を指定した場合、発信端末と着信端末とに、ともにV.34半二重通信が可能であれば、着信端末に送信する原稿があるか否かとは無関係に、V.8プロトコルの終了後、V.34手順、V.34プライマリー電送へ移行する。
【0005】
しかし、V.34プロトコルのパラメータ交換までプロトコルが進んだ後に通信エラーになり、無効に回線を捕捉するという問題がある。
【0006】
本発明は、発信端末からのCM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信が指定され、すなわち、発信端末がポーリング受信を指定した場合に、発信端末、着信端末ともにV.34半二重通信が可能であっても、着信端末に送信する原稿が無ければ、V.8プロトコルの終了後に、V.21手順へ移行し、DIS信号によって、送信情報が無いことを発信端末に、V.34手順を実行時よりも早く知らせることが可能になり、発信端末は、着信端末の状態を認識することができ、さらに、無効に回線捕捉することがなく、対応が早くなり、通信時間を節約することができるファクシミリ通信装置およびファクシミリ送信方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づき上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、ANSam信号を送信するANSam信号送信手段と、CM信号を受信するCM信号受信手段と、JM信号を送信するJM信号送信手段と、上記CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無に応じて、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する制御手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【0008】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施例]
まず、ITU−Tによって勧告化されたV.8の手順信号について説明する。
【0009】
V.8の手順信号には、起呼メニュー信号(以下、CMという)と、CM終端子(以下、CJという)と、共通メニュー信号(以下、JMという)とが含まれている。
【0010】
CMは、起呼DCEから送信される信号であり、この信号は、主に、起呼DECで利用可能な変調方式を表示するために使用される。また、CMは、勧告V.21で定義された低域チャンネルV.21(L)によって変調された300bit/sの反復ビット列で構成されている。
【0011】
CJは、JMを検出した確認とCMの終了とを示す信号である。また、CJは、300bit/sのV.21(L)で変調され、スタートbit/sとストップbit/sとを含んでいる連続する3つの総て「0」のオクテットで構成されている。
【0012】
JMは、応答DECから送信される信号であり、この信号は、主に、起呼と応答DECとで共通した利用可能な変調方式を示すために使用される。また、JMは、勧告V.21で定義されている高域チャンネルV.21(H)によって変調された300bit/sの反復ビット列によって構成されている。
【0013】
次に、CM、CJ、JMの各信号の符号化フォーマットについて、説明する。
【0014】
CM、CJ、JMには、共通の符号化フォーマットが使用され、各信号CM、CJ、JMは、繰り返すビットシーケンスで構成されている。
【0015】
図11は、ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【0016】
1つのシーケンスは、図11に示すように、最初10個の「1」と、それに続く10ビットの同期符号と、さらに続く情報を載せたオクテットとによって構成されている。各オクテットのそれぞれには、先行するスタートビット(「0」)と、後続するストップビット(「1」)とが付加されている。
【0017】
JMには、同じV.21(H)変調を使用している勧告T.30との混乱を避けるために、そのビット配置にHDLCフラグ(01111110)が決して現れないような、符号制約条件が課せられている。
【0018】
各オクテットは、ある1つの情報カテゴリに属する。大多数の応用によって信号の簡潔さが守られれば、特別の応用のために情報カテゴリが拡張されることを、この符号化フォーマットは許容している。
【0019】
1つのシーケンスの最初の情報カテゴリは、起呼機能でなければならない。それに後続する情報カテゴリのなかでは、特に順序は規定されない。1つのカテゴリの中の総ての情報は、1オクテットまたは、必要であれば、順序が決められた1つのオクテット・シーケンスで伝達される。
【0020】
次に、カテゴリオクテットについて、説明する。
【0021】
図12は、ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【0022】
カテゴリオクテットは、新たな情報カテゴリの中では、最初に発生されるオクテットであり、このオクテットには、情報カテゴリを決定する4ビットの符号を含んでいる。
【0023】
このフォーマットは、以下のように構成され、表示されたビットは、左から右の順番で送信される。
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b3は、図12に示すように、b0を最下位ビットとしたカテゴリを形成し、ビットb4は、フラグが成立しないように「0」に設定される。また、b5〜b7は、情報カテゴリのオプションビットである。
【0024】
3つのオプションビットで特定のカテゴリを表すのに不足する場合は、カテゴリオクテットの直後に、拡張オクテットをいくつでも続けることができる。
【0025】
この拡張オクテットのフォーマットは、以下に示すように構成される。
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b2、b6およびb7は、そのときのカテゴリに追加される5つのビットである。ビットb4は、カテゴリオクテットから拡張オクテットを区別するために、「1」に設定され、b3とb5とは、フラグが成立しないように「0」に設定される。
【0026】
次に、ビットb0〜b3で決定される情報カテゴリである起呼機能、変調モード、プロトコル、GSTNアクセスについて、それぞれ図13〜図17を、説明する。
【0027】
図13は、起呼機能カテゴリ(コールファンクションカテゴリ)のビットの使用例を示す図である。
【0028】
起呼機能カテゴリ(コールファンクションカテゴリ)の中の3つのオプションビットは、図13に示すように、特定の起呼機能を指定するために、使用されている。
【0029】
図14は、ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モード(モジュレーションモード)を示す図である。
【0030】
PSTNで使用可能なVシリーズ変調モード(モジュレーションモード)は、図14に示すように、3つの符号で指定されている。使用可能であるという設定は、表示された起呼機能の中で、その変調モードが使用可能であり、しかも、遠隔DCEに対し、その能力を伝えたいと望む場合に限られる。
【0031】
図15は、ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【0032】
プロトコルカテゴリ内部の符号一覧は、図15に表されている。もし、LAPMプロトコル符号がCMで示され、それを受け取った応答DCE側が、同じくLAPMを使用したい場合には、JMでも、LAPMを表示するプロトコルオクテットが表示される。
【0033】
図16は、ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【0034】
GSTNに接続するセルラーアクセスを表示する符号は、図16に示されている。
【0035】
次に、V.34に規定されるINFO0の情報ビットについて、説明する。
【0036】
図17は、ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【0037】
INFO0は、送信能力を表示するために使用される信号であり、その信号シーケンスのビットは、図17に示すように、定義されている。
【0038】
なお、本実施例では、INFO0aは、被呼側から送出する信号であるとし、INFO0cを発呼側から送出する信号であるとする。
【0039】
次に、上記実施例について、説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1の構成を示すブロック図である。
【0041】
ファクシミリ装置FS1は、図1に示すように、電話回線2aに接続されている網制御装置(以下、NCUという。)2を備える。NCU2は、電話網をデータ通信などに使用するための回線端末へ接続する等の電話交換網の接続制御、データ通信路への切替を行い、電話回線2aと電話機4との接続、電話回線2aとハイブリッド回路6との接続を選択的に切り換える。
【0042】
NCU2と電話機4とは、信号線2bで接続され、NCU2とハイブリッド回路6とが、信号線2cで接続されている。NCU2の切換動作は、後述する制御回路20で制御される。制御回路20から信号線20aを介して与えられる制御信号が「0」であるときに、電話回線2aと電話機4との接続が行われる。これに対し、制御信号が「1」であるとき、電話回線2aとハイブリッド回路6との接続が行われる。なお、通常状態では、電話回線2aと電話機4との接続が選択されている。
【0043】
ハイブリッド回路6は、電話回線2aを介して送信される送信系からの送信信号と、電話回線2aを介して受信される受信系への受信信号とを分離する。
【0044】
送信系は、CCD(電化結合素子)などの撮像素子と、光学系によって構成されている読取回路14と、ANSam送出回路10とを有する。
【0045】
読取回路14は、主走査方向の1ライン分の画像を送信原稿から順次、読み取り、この読み取られた画像を示すデータは、信号線14aに出力される。
【0046】
ANSam送出回路10は、信号線20dを介して、制御回路20からレベル「1」の信号が与えられたときに、信号線10aにANSam信号を出力する。一方、信号線20dを介して、制御回路20からレベル「0」の信号が与えられたときに、ANSam信号を信号線10aへは出力しない。
【0047】
信号線14aを介して読取回路14から出力されたデータは、制御回路20に与えられる。制御回路20は、信号線14aを介して取り込まれたデータを符号化処理し、信号線20bを介して、上記符号化されたデータを、変復調器8に出力する。
【0048】
変復調器8は、信号線20bからの符号化されたデータを変調処理し、変調信号を生成するとともに、信号線6aを介してハイブリッド回路6から取り込まれた受信信号を復調処理し、復調データを生成する。この変調処理と復調処理とは、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34に基づいて実行される。変復調器8による変調、復調処理の内容は、信号線20cを介して制御回路20から与えられる信号によって指示され、この指示された変調、復調処理によって、伝送モードが決定される。
【0049】
変復調器8で生成された変調信号は、信号線8aを介して加算回路12に与えられる。加算回路12は、変復調器8からの変調信号と、ANSam送出回路10からのANSam信号とを加算する。この加算された信号は、信号線12aを介してハイブリッド回路6に出力され、ハイブリッド回路6は、上記加算された信号を、送信信号としてNCU2経由で電話回線2aに送出する。
【0050】
一方、受信系では、信号線2aを介して相手装置から受信した信号が、信号線6aを介してハイブリッド回路6から変復調器8に出力される。変復調器8は、上記のように、信号線6aを介して取り込まれた受信信号を復調処理し、復調データを生成する。変復調器8で生成された復調データは、信号線8bを介して制御回路20に与えられる。制御回路20は、復調データを復号化等の処理を施し、復号化されたデータは、信号線20eを介して、記録回路16に与えられる。
【0051】
記録回路16は、復号化されたデータが示す画像を、1ライン毎に順次、記録紙に記録する。
【0052】
読取回路14で読み取られたデータと、そのデータを符号化したデータと、受信したデータと、そのデータを復号化したデータとは、必要に応じてメモリ回路18に格納される。
【0053】
制御回路20は、相手先装置から情報を受信し、相手先装置へ情報を送信するための伝送制御を行う。
【0054】
この伝送制御を規定する伝送制御手順には、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34半二重の各ファクシミリ手順が用いられている。
【0055】
具体的には、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、ANSam信号送信手段と、CM信号受信手段と、JM信号送信手段とを有し、CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無によって、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する。ここで、CM信号のコールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行する。
【0056】
CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定が実行されて、着信端末に送信すべき情報があれば、V.34半二重でのポーリング送信することを許可する。
【0057】
一方、CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行し、着信端末に送信すべき情報がなければ、V.21プロトコルへ移行する。ここでは、CM信号のコールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行し、着信端末に送信すべき情報がなければ、V.34半二重でのポーリング送信することを許可しない。
【0058】
制御回路20は、上記制御を実行する。
【0059】
図2、図3、図4、図5、図6、図7は、ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS2では、信号線20aにレベル「0」の信号を出力し、CMLをオフし、ステップS4では、信号線20dにレベル「0」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力しないように設定する。
【0061】
ステップS6では、着呼が選択されたか否かを判定し、着呼が選択されないと、ステップS8が実行され、着呼が選択されると、ステップS10を実行する。
【0062】
ステップS8では、その他の処理を実行し、その他の処理を実行した後に、再びステップS2に戻る。
【0063】
ステップS10では、信号線20aにレベル「1」の信号を出力し、CMLをオンし、ステップS12では、タイマT1に35秒をセットし、ステップS14では、信号線20dにレベル「1」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力するように設定し、ステップS16では、タイマに5秒をセットする。
【0064】
ステップS18では、CM信号を受信したか否かを判断し、CM信号を受信していれば、ステップS46に進み、CM信号を受信していなければ、ステップS20に進む。
【0065】
ステップS20では、タイマがタイムオーバしたか否かを判断し、タイマがタイムオーバしていれば、ステップS22に進み、タイマがタイムオーバしていなければ、ステップS18に進む。
【0066】
ステップS22では、送信情報があるか否かを判断し、送信情報があれば、ステップS24に進み、送信情報がなければ、ステップS30に進む。
【0067】
ステップS24では、V.21のNSF/CSI/DIS信号を送信し、ここで、V.8の受信機能ありを通知し、また、DIS信号のFIFのbit9=1として送信情報ありを通知し、ステップS26では、タイマT4に3秒をセットする。
【0068】
ステップS28では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT1がタイムオーバしていれば、ステップS2に進み、タイマT1がタイムオーバしていなければ、ステップS32に進む。
【0069】
ステップS30では、V.21のNSF/CSI/DIS信号を送信し、ここで、V.8の受信機能ありを通知し、また、DIS信号のFIFのbit9=0として送信情報無しを通知する。
【0070】
ステップS32では、V.21信号でのNSS/TSI/DCS信号を受信したか否かを判断し、V.21信号でのNSS/TSI/DCS信号を受信していれば、ステップS34に進み、V.21信号でのNSS/TSI/DCS信号を受信していなければ、ステップS36に進む。
【0071】
ステップS34では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号を受信する。
【0072】
ステップS36では、V.21信号でのNSC/CIG/DTC信号を受信したか否かを判断し、V.21信号でのNSC/CIG/DTC信号を受信していれば、ステップS38に進み、V.21信号でのNSC/CIG/DTC信号を受信していなければ、ステップS40に進む。
【0073】
ステップS38では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号を送信する。
【0074】
ステップS40では、CI信号を受信したか否かを判断し、CI信号を受信していれば、ステップS14に進み、CI信号を受信していなければ、ステップS42に進む。
【0075】
ステップS42では、タイマT4がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT4がタイムオーバすれば、ステップS44に進み、タイマT4がタイムオーバしなければ、ステップS32に進む。
【0076】
ステップS44では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT1がタイムオーバすれば、ステップS2に進み、タイマT1がタイムオーバしていなければ、ステップS22に進む。
【0077】
ステップS46では、発信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されたか否かを判断し、発信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていれば、ステップS48に進み、発信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていなければ、ステップS58に進む。
【0078】
ステップS48は、JM信号を送信し、ここで、コールファンクションカテゴリで発信端末からのファクシミリ送信を指定し、また、モジュレーションモードはCM信号で有りと指定され、かつ、自機の有するモジュレーション機能(V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17、または、V.34半二重)を指定する。
【0079】
ステップS50では、CJ信号を受信する。
【0080】
ステップS52では、V.34半二重ファクシミリ通信であるか否かを判断し、V.34半二重ファクシミリ通信であれば、ステップS54に進み、V.34半二重ファクシミリ通信でなければ、ステップS56に進む。
【0081】
ステップS54では、INFO0の送信、以後、V.34手順、画信号の受信を実行し、ステップS56では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号を受信する。
【0082】
ステップS58では、着信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されたか否かを判断し、着信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていると、ステップS60に進み、着信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていなければ、ステップS2に進む。
【0083】
ステップS60では、送信すべき情報があるか否かを判断し、送信すべき情報があれば、ステップS62に進み、送信すべき情報がなければ、ステップS72に進む。
【0084】
ステップS62では、JM信号を送信し、ここで、コールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信を指定し、また、モジュレーションモードはCM信号で有りと指定され、かつ、自機の有するモジュレーション機能(V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17、または、V.34半二重)を指定する。
【0085】
ステップS64では、CJ信号を受信する。
【0086】
ステップS66では、V.34半二重ファクシミリ通信であるか否かを判断し、V.34半二重ファクシミリ通信であれば、ステップS68に進み、V.34半二重ファクシミリ通信でなければ、ステップS70に進む。
【0087】
ステップS68では、INFO0を送信した後に、V.34手順、画信号の送信を実行し、ステップS70では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号の送信を実行する。
【0088】
ステップS72では、JM信号を送信し、ここで、コールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信を指定し、また、モジュレーションモードはCM信号で有りと指定され、かつ、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17を指定し、ここで、V.34半二重を外すことが重要である。
【0089】
ステップS74では、CJ信号を受信し、ステップS76では、V.21でNSF/CSI/DIS信号を送信し、ここで、DIS信号のFIFのbit9=0として送信情報の無いことを発信端末に通知する。
【0090】
ステップS78では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号の受信があれば実行し、無ければ通信エラーとする。
【0091】
次に、上述の伝送制御手順について説明する。
【0092】
図9は、ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって発信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の一例を示す図である。
【0093】
図10は、ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって着信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の他の例を示す図である。
【0094】
まず、被呼端末からのANSam信号の受信からV.34の手順、画伝送の実行までの伝送制御手順について説明する。
【0095】
図9に示すように、被呼端末から全二重通信を可能にする信号(ANSam信号であって2100Hzを15Hzで変調した信号)が送出される。発呼側からは、V.8に基づく変調によるCM信号が送出され、このCM信号によって画伝送時に実行可能な伝送モードが被呼端末に通知される。CM信号のコールファンクションカテゴリによって発信端末からのファクシミリ送信が指定される。
【0096】
CM信号を受信した被呼端末は、CM信号で指定された伝送モードの中で受信可能な伝送モード(V.34)を発呼端末に通知し、この通知にJM信号が用いられる。
【0097】
JM信号を受信した発呼端末は、CJ信号を送出することによって、伝送モードを被呼端末に通知する。
【0098】
CJ信号送出後(V.8手順完了後50msecが経過した後)に、発呼端末は、V.34手順の実行を開始し、電話回線2aの状況をチェックするためのラインプルービング信号(先頭にINFO0cが付加されている)を送出する。被呼端末は、発呼端末からのラインプルービング信号に応答した信号(先頭にINFO0aが付加されている信号)を送出し、この信号によって以後の送出レベル、振幅レベルの補正、伝送ボーレートを、発呼端末に通知する。
【0099】
発呼端末は、ラインプルービング信号を送出してから50msecが経過した後に、ロングトレーニング信号を送出し、被呼端末は、このロングトレーニング信号に基づいて、モデムの等化器の調整、タイミング検出等を実施する。
【0100】
発呼端末は、ロングトレーニング信号を送出してから50msecが経過した後に、パラメータ交換信号を送出する。被呼端末は、パラメータ交換信号に応答した信号を送出し、この信号によって、以後のリンク補正、ビットレートを発呼端末に通知する。
【0101】
パラメータ交換信号に応答した後、被呼端末は、CSI、DIS信号を送出し、発呼端末からのTSI、DCS信号を受信するまでフラグを送出し、TSI、DCS信号を受信した後に、CFR信号を送出する。発呼端末は、CSI、DIS信号を受信した後に、TSI、DCS信号を送出し、被呼端末からのCFR信号を受信するまで、フラグを送出する。
【0102】
発呼端末は、フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送を開始し、画信号を送出する。画信号送出が終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末からは、PPS−MPS信号が送出され、被呼端末からのMCF信号を受信するまで、フラグが送出される。被呼端末は、PPS−MPS信号を受信した後に、MCF信号を送出する。
【0103】
フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送が実行され、発呼端末からは、再び、画信号が送出される。画信号送出を終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末は、PPS−EOP信号を送出し、MCF信号を受信するまでフラグを送出する。被呼端末は、PPS−EOP信号を受信した後に、MCF信号を送出する。以降、上記と同様の手順が、画伝送が終了するまで繰り返される。
【0104】
次に、着信端末からのファクシミリ送信について、説明する。
【0105】
まず、被呼端末からのANSam信号の受信からV.34の手順、画伝送の実行までの伝送制御手順について、説明する。
【0106】
図10に示すように、被呼端末から全二重通信を可能にする信号(ANSam信号であって2100Hzを15Hzで変調した信号)が送出される。発呼側からは、V.8に基づく変調によるCM信号が送出され、このCM信号によって画伝送時に実行可能な伝送モードが、被呼端末に通知される。CM信号のコールファンクションカテゴリによって着信端末からのファクシミリ送信が指定される。
【0107】
CM信号を受信した被呼端末は、CM信号で指定された伝送モードの中で送信可能な伝送モード(V.34)を発呼端末に通知し、この通知にJM信号が用いられる。
【0108】
JM信号を受信した発呼端末は、CJ信号を送出することによって、伝送モードを被呼端末に通知する。
【0109】
CJ信号を受信してから(V.8手順が完了してから)50msecが経過した後に、着呼端末は、V.34手順の実行を開始し、電話回線2aの状況をチェックするためのラインプルービング信号(先頭にINFO0aが付加されている信号)を送出する。
【0110】
発呼端末は、着呼端末からのラインプルービング信号に応答した信号(先頭にINFO0cが付加されている信号)を送出し、この信号によって、以後の送出レベル、振幅レベルの補正、伝送ボーレートを、着呼端末に通知する。着呼端末は、ランプルービング信号を送出してから50msecが経過した後に、ロングトレーニング信号を送出し、発呼端末は、このロングトレーニング信号に基づいて、モデムの等化器の調整、タイミング検出等を実施する。
【0111】
着呼端末は、ロングトレーニング信号を送出してから50msecが経過した後に、パラメータ交換信号を送出する。発呼端末は、パラメータ交換信号に応答した信号を送出し、この信号によって、以後のリンク補正、ビットレートを着呼端末に通知する。
【0112】
着呼端末からCSI、DIS信号を送信する。パラメータ交換信号に応答した後に、発呼端末は、CIG、DTC信号を送出し、着呼端末からのTSI、DCS信号を受信するまでフラグを送出し、TSI、DCS信号を受信した後に、CFR信号を送出する。着呼端末は、CIG、DTC信号を受信した後に、TSI、DCS信号を送出し、発呼端末からのCFR信号を受信するまで、フラグを送出する。
【0113】
着呼端末は、フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送を開始し、画信号を送出する。画信号送出を終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、着呼端末からは、PPS−MPS信号が送出され、発呼端末からのMCF信号を受信するまで、フラグが送出される。発呼端末は、PPS−MPS信号受信後、MCF信号を送出する。
【0114】
フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送が実行され、着呼端末からは、再び、画信号が送出される。画信号送出を終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、着呼端末は、PPS−EOP信号を送出し、MCF信号を受信するまでフラグを送出する。発呼端末は、PPS−EOP信号を受信した後に、MCF信号を送出する。以降、上記と同様の手順が画伝送が終了するまで、繰り返される。
【0115】
[第2の実施例]
第2の実施例は、第1の実施例において、CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行し、着信端末に送信すべき情報がなければ、すぐに回線断とする実施例である。
【0116】
図8は、第2の実施例の動作を示すフローチャートであり、図2〜図7に示すフローチャートと異なる部分のみを示すフローチャートである。
【0117】
ステップS80で、Noである場合、つまり、送信すべき情報がない場合、
S82では、ステップS2に戻る。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、発信端末からのCM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信が指定され、すなわち、発信端末がポーリング受信を指定した場合に、発信端末、着信端末ともにV.34半二重通信が可能であっても、着信端末に送信する原稿が無ければ、V.8プロトコルの終了後に、V.21手順へ移行し、DIS信号によって、送信情報が無いことを発信端末に、V.34手順を実行時よりも早く知らせることが可能になり、発信端末は、着信端末の状態を認識することができ、さらに、無効に回線捕捉することがなく、対応が早くなり、通信時間を節約することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1の構成を示すブロック図である。
【図2】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図3】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図4】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図5】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図6】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施例の動作を示すフローチャートであり、図2〜図7に示すフローチャートと異なる部分のみを示すフローチャートである。
【図9】ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって発信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の一例を示す図である。
【図10】ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって着信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の他の例を示す図である。
【図11】ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【図12】ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【図13】起呼機能カテゴリ(コールファンクションカテゴリ)のビットの使用例を示す図である。
【図14】ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モード(モジュレーションモード)を示す図である。
【図15】ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【図16】ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【図17】ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【符号の説明】
FS1…ファクシミリ装置、
10…ANSam信号送出回路、
12…加算回路、
14…読取回路、
16…記録回路、
18…メモリ回路、
20…制御回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ通信方式、特にITU−T勧告V.8通信が可能なファクシミリ通信方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
1994年、ITU−Tにおいて、勧告V.8が成立し、このV.8に規定される手順をファクシミリ装置と、データ通信装置とに適用することが考えられる。このV.8による手順が適用されると、CM信号と、JM信号とのコールファンクションカテゴリで、ファクシミリ通信(発信端末からのファクシミリ送信、着信端末からのファクシミリ送信)を指定でき、または、データ通信の指定を実行する。また、CM信号のモジュレーションモードで、ファクシミリ通信のモジュレーション、データ通信のモジュレーションを指定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ファクシミリ装置では、主に、V.34通信をサポートした装置から、V.8をサポートしている。最近では、増加しつつある。
【0004】
ここで、発信端末からのCM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信が指定され、すなわち、発信端末がポーリング受信を指定した場合、発信端末と着信端末とに、ともにV.34半二重通信が可能であれば、着信端末に送信する原稿があるか否かとは無関係に、V.8プロトコルの終了後、V.34手順、V.34プライマリー電送へ移行する。
【0005】
しかし、V.34プロトコルのパラメータ交換までプロトコルが進んだ後に通信エラーになり、無効に回線を捕捉するという問題がある。
【0006】
本発明は、発信端末からのCM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信が指定され、すなわち、発信端末がポーリング受信を指定した場合に、発信端末、着信端末ともにV.34半二重通信が可能であっても、着信端末に送信する原稿が無ければ、V.8プロトコルの終了後に、V.21手順へ移行し、DIS信号によって、送信情報が無いことを発信端末に、V.34手順を実行時よりも早く知らせることが可能になり、発信端末は、着信端末の状態を認識することができ、さらに、無効に回線捕捉することがなく、対応が早くなり、通信時間を節約することができるファクシミリ通信装置およびファクシミリ送信方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づき上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、ANSam信号を送信するANSam信号送信手段と、CM信号を受信するCM信号受信手段と、JM信号を送信するJM信号送信手段と、上記CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無に応じて、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する制御手段とを有するファクシミリ通信装置である。
【0008】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施例]
まず、ITU−Tによって勧告化されたV.8の手順信号について説明する。
【0009】
V.8の手順信号には、起呼メニュー信号(以下、CMという)と、CM終端子(以下、CJという)と、共通メニュー信号(以下、JMという)とが含まれている。
【0010】
CMは、起呼DCEから送信される信号であり、この信号は、主に、起呼DECで利用可能な変調方式を表示するために使用される。また、CMは、勧告V.21で定義された低域チャンネルV.21(L)によって変調された300bit/sの反復ビット列で構成されている。
【0011】
CJは、JMを検出した確認とCMの終了とを示す信号である。また、CJは、300bit/sのV.21(L)で変調され、スタートbit/sとストップbit/sとを含んでいる連続する3つの総て「0」のオクテットで構成されている。
【0012】
JMは、応答DECから送信される信号であり、この信号は、主に、起呼と応答DECとで共通した利用可能な変調方式を示すために使用される。また、JMは、勧告V.21で定義されている高域チャンネルV.21(H)によって変調された300bit/sの反復ビット列によって構成されている。
【0013】
次に、CM、CJ、JMの各信号の符号化フォーマットについて、説明する。
【0014】
CM、CJ、JMには、共通の符号化フォーマットが使用され、各信号CM、CJ、JMは、繰り返すビットシーケンスで構成されている。
【0015】
図11は、ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【0016】
1つのシーケンスは、図11に示すように、最初10個の「1」と、それに続く10ビットの同期符号と、さらに続く情報を載せたオクテットとによって構成されている。各オクテットのそれぞれには、先行するスタートビット(「0」)と、後続するストップビット(「1」)とが付加されている。
【0017】
JMには、同じV.21(H)変調を使用している勧告T.30との混乱を避けるために、そのビット配置にHDLCフラグ(01111110)が決して現れないような、符号制約条件が課せられている。
【0018】
各オクテットは、ある1つの情報カテゴリに属する。大多数の応用によって信号の簡潔さが守られれば、特別の応用のために情報カテゴリが拡張されることを、この符号化フォーマットは許容している。
【0019】
1つのシーケンスの最初の情報カテゴリは、起呼機能でなければならない。それに後続する情報カテゴリのなかでは、特に順序は規定されない。1つのカテゴリの中の総ての情報は、1オクテットまたは、必要であれば、順序が決められた1つのオクテット・シーケンスで伝達される。
【0020】
次に、カテゴリオクテットについて、説明する。
【0021】
図12は、ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【0022】
カテゴリオクテットは、新たな情報カテゴリの中では、最初に発生されるオクテットであり、このオクテットには、情報カテゴリを決定する4ビットの符号を含んでいる。
【0023】
このフォーマットは、以下のように構成され、表示されたビットは、左から右の順番で送信される。
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b3は、図12に示すように、b0を最下位ビットとしたカテゴリを形成し、ビットb4は、フラグが成立しないように「0」に設定される。また、b5〜b7は、情報カテゴリのオプションビットである。
【0024】
3つのオプションビットで特定のカテゴリを表すのに不足する場合は、カテゴリオクテットの直後に、拡張オクテットをいくつでも続けることができる。
【0025】
この拡張オクテットのフォーマットは、以下に示すように構成される。
スタートビット (0) b0 b1 b2 0 1 0 b6 b7 ストップビット (1)
ビットb0〜b2、b6およびb7は、そのときのカテゴリに追加される5つのビットである。ビットb4は、カテゴリオクテットから拡張オクテットを区別するために、「1」に設定され、b3とb5とは、フラグが成立しないように「0」に設定される。
【0026】
次に、ビットb0〜b3で決定される情報カテゴリである起呼機能、変調モード、プロトコル、GSTNアクセスについて、それぞれ図13〜図17を、説明する。
【0027】
図13は、起呼機能カテゴリ(コールファンクションカテゴリ)のビットの使用例を示す図である。
【0028】
起呼機能カテゴリ(コールファンクションカテゴリ)の中の3つのオプションビットは、図13に示すように、特定の起呼機能を指定するために、使用されている。
【0029】
図14は、ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モード(モジュレーションモード)を示す図である。
【0030】
PSTNで使用可能なVシリーズ変調モード(モジュレーションモード)は、図14に示すように、3つの符号で指定されている。使用可能であるという設定は、表示された起呼機能の中で、その変調モードが使用可能であり、しかも、遠隔DCEに対し、その能力を伝えたいと望む場合に限られる。
【0031】
図15は、ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【0032】
プロトコルカテゴリ内部の符号一覧は、図15に表されている。もし、LAPMプロトコル符号がCMで示され、それを受け取った応答DCE側が、同じくLAPMを使用したい場合には、JMでも、LAPMを表示するプロトコルオクテットが表示される。
【0033】
図16は、ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【0034】
GSTNに接続するセルラーアクセスを表示する符号は、図16に示されている。
【0035】
次に、V.34に規定されるINFO0の情報ビットについて、説明する。
【0036】
図17は、ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【0037】
INFO0は、送信能力を表示するために使用される信号であり、その信号シーケンスのビットは、図17に示すように、定義されている。
【0038】
なお、本実施例では、INFO0aは、被呼側から送出する信号であるとし、INFO0cを発呼側から送出する信号であるとする。
【0039】
次に、上記実施例について、説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1の構成を示すブロック図である。
【0041】
ファクシミリ装置FS1は、図1に示すように、電話回線2aに接続されている網制御装置(以下、NCUという。)2を備える。NCU2は、電話網をデータ通信などに使用するための回線端末へ接続する等の電話交換網の接続制御、データ通信路への切替を行い、電話回線2aと電話機4との接続、電話回線2aとハイブリッド回路6との接続を選択的に切り換える。
【0042】
NCU2と電話機4とは、信号線2bで接続され、NCU2とハイブリッド回路6とが、信号線2cで接続されている。NCU2の切換動作は、後述する制御回路20で制御される。制御回路20から信号線20aを介して与えられる制御信号が「0」であるときに、電話回線2aと電話機4との接続が行われる。これに対し、制御信号が「1」であるとき、電話回線2aとハイブリッド回路6との接続が行われる。なお、通常状態では、電話回線2aと電話機4との接続が選択されている。
【0043】
ハイブリッド回路6は、電話回線2aを介して送信される送信系からの送信信号と、電話回線2aを介して受信される受信系への受信信号とを分離する。
【0044】
送信系は、CCD(電化結合素子)などの撮像素子と、光学系によって構成されている読取回路14と、ANSam送出回路10とを有する。
【0045】
読取回路14は、主走査方向の1ライン分の画像を送信原稿から順次、読み取り、この読み取られた画像を示すデータは、信号線14aに出力される。
【0046】
ANSam送出回路10は、信号線20dを介して、制御回路20からレベル「1」の信号が与えられたときに、信号線10aにANSam信号を出力する。一方、信号線20dを介して、制御回路20からレベル「0」の信号が与えられたときに、ANSam信号を信号線10aへは出力しない。
【0047】
信号線14aを介して読取回路14から出力されたデータは、制御回路20に与えられる。制御回路20は、信号線14aを介して取り込まれたデータを符号化処理し、信号線20bを介して、上記符号化されたデータを、変復調器8に出力する。
【0048】
変復調器8は、信号線20bからの符号化されたデータを変調処理し、変調信号を生成するとともに、信号線6aを介してハイブリッド回路6から取り込まれた受信信号を復調処理し、復調データを生成する。この変調処理と復調処理とは、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34に基づいて実行される。変復調器8による変調、復調処理の内容は、信号線20cを介して制御回路20から与えられる信号によって指示され、この指示された変調、復調処理によって、伝送モードが決定される。
【0049】
変復調器8で生成された変調信号は、信号線8aを介して加算回路12に与えられる。加算回路12は、変復調器8からの変調信号と、ANSam送出回路10からのANSam信号とを加算する。この加算された信号は、信号線12aを介してハイブリッド回路6に出力され、ハイブリッド回路6は、上記加算された信号を、送信信号としてNCU2経由で電話回線2aに送出する。
【0050】
一方、受信系では、信号線2aを介して相手装置から受信した信号が、信号線6aを介してハイブリッド回路6から変復調器8に出力される。変復調器8は、上記のように、信号線6aを介して取り込まれた受信信号を復調処理し、復調データを生成する。変復調器8で生成された復調データは、信号線8bを介して制御回路20に与えられる。制御回路20は、復調データを復号化等の処理を施し、復号化されたデータは、信号線20eを介して、記録回路16に与えられる。
【0051】
記録回路16は、復号化されたデータが示す画像を、1ライン毎に順次、記録紙に記録する。
【0052】
読取回路14で読み取られたデータと、そのデータを符号化したデータと、受信したデータと、そのデータを復号化したデータとは、必要に応じてメモリ回路18に格納される。
【0053】
制御回路20は、相手先装置から情報を受信し、相手先装置へ情報を送信するための伝送制御を行う。
【0054】
この伝送制御を規定する伝送制御手順には、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34半二重の各ファクシミリ手順が用いられている。
【0055】
具体的には、相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、ANSam信号送信手段と、CM信号受信手段と、JM信号送信手段とを有し、CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無によって、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する。ここで、CM信号のコールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行する。
【0056】
CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定が実行されて、着信端末に送信すべき情報があれば、V.34半二重でのポーリング送信することを許可する。
【0057】
一方、CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行し、着信端末に送信すべき情報がなければ、V.21プロトコルへ移行する。ここでは、CM信号のコールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行し、着信端末に送信すべき情報がなければ、V.34半二重でのポーリング送信することを許可しない。
【0058】
制御回路20は、上記制御を実行する。
【0059】
図2、図3、図4、図5、図6、図7は、ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS2では、信号線20aにレベル「0」の信号を出力し、CMLをオフし、ステップS4では、信号線20dにレベル「0」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力しないように設定する。
【0061】
ステップS6では、着呼が選択されたか否かを判定し、着呼が選択されないと、ステップS8が実行され、着呼が選択されると、ステップS10を実行する。
【0062】
ステップS8では、その他の処理を実行し、その他の処理を実行した後に、再びステップS2に戻る。
【0063】
ステップS10では、信号線20aにレベル「1」の信号を出力し、CMLをオンし、ステップS12では、タイマT1に35秒をセットし、ステップS14では、信号線20dにレベル「1」の信号を出力することによって、ANSam信号を出力するように設定し、ステップS16では、タイマに5秒をセットする。
【0064】
ステップS18では、CM信号を受信したか否かを判断し、CM信号を受信していれば、ステップS46に進み、CM信号を受信していなければ、ステップS20に進む。
【0065】
ステップS20では、タイマがタイムオーバしたか否かを判断し、タイマがタイムオーバしていれば、ステップS22に進み、タイマがタイムオーバしていなければ、ステップS18に進む。
【0066】
ステップS22では、送信情報があるか否かを判断し、送信情報があれば、ステップS24に進み、送信情報がなければ、ステップS30に進む。
【0067】
ステップS24では、V.21のNSF/CSI/DIS信号を送信し、ここで、V.8の受信機能ありを通知し、また、DIS信号のFIFのbit9=1として送信情報ありを通知し、ステップS26では、タイマT4に3秒をセットする。
【0068】
ステップS28では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT1がタイムオーバしていれば、ステップS2に進み、タイマT1がタイムオーバしていなければ、ステップS32に進む。
【0069】
ステップS30では、V.21のNSF/CSI/DIS信号を送信し、ここで、V.8の受信機能ありを通知し、また、DIS信号のFIFのbit9=0として送信情報無しを通知する。
【0070】
ステップS32では、V.21信号でのNSS/TSI/DCS信号を受信したか否かを判断し、V.21信号でのNSS/TSI/DCS信号を受信していれば、ステップS34に進み、V.21信号でのNSS/TSI/DCS信号を受信していなければ、ステップS36に進む。
【0071】
ステップS34では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号を受信する。
【0072】
ステップS36では、V.21信号でのNSC/CIG/DTC信号を受信したか否かを判断し、V.21信号でのNSC/CIG/DTC信号を受信していれば、ステップS38に進み、V.21信号でのNSC/CIG/DTC信号を受信していなければ、ステップS40に進む。
【0073】
ステップS38では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号を送信する。
【0074】
ステップS40では、CI信号を受信したか否かを判断し、CI信号を受信していれば、ステップS14に進み、CI信号を受信していなければ、ステップS42に進む。
【0075】
ステップS42では、タイマT4がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT4がタイムオーバすれば、ステップS44に進み、タイマT4がタイムオーバしなければ、ステップS32に進む。
【0076】
ステップS44では、タイマT1がタイムオーバしたか否かを判断し、タイマT1がタイムオーバすれば、ステップS2に進み、タイマT1がタイムオーバしていなければ、ステップS22に進む。
【0077】
ステップS46では、発信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されたか否かを判断し、発信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていれば、ステップS48に進み、発信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていなければ、ステップS58に進む。
【0078】
ステップS48は、JM信号を送信し、ここで、コールファンクションカテゴリで発信端末からのファクシミリ送信を指定し、また、モジュレーションモードはCM信号で有りと指定され、かつ、自機の有するモジュレーション機能(V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17、または、V.34半二重)を指定する。
【0079】
ステップS50では、CJ信号を受信する。
【0080】
ステップS52では、V.34半二重ファクシミリ通信であるか否かを判断し、V.34半二重ファクシミリ通信であれば、ステップS54に進み、V.34半二重ファクシミリ通信でなければ、ステップS56に進む。
【0081】
ステップS54では、INFO0の送信、以後、V.34手順、画信号の受信を実行し、ステップS56では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号を受信する。
【0082】
ステップS58では、着信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されたか否かを判断し、着信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていると、ステップS60に進み、着信端末からのファクシミリ送信がコールファンクションカテゴリで指定されていなければ、ステップS2に進む。
【0083】
ステップS60では、送信すべき情報があるか否かを判断し、送信すべき情報があれば、ステップS62に進み、送信すべき情報がなければ、ステップS72に進む。
【0084】
ステップS62では、JM信号を送信し、ここで、コールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信を指定し、また、モジュレーションモードはCM信号で有りと指定され、かつ、自機の有するモジュレーション機能(V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17、または、V.34半二重)を指定する。
【0085】
ステップS64では、CJ信号を受信する。
【0086】
ステップS66では、V.34半二重ファクシミリ通信であるか否かを判断し、V.34半二重ファクシミリ通信であれば、ステップS68に進み、V.34半二重ファクシミリ通信でなければ、ステップS70に進む。
【0087】
ステップS68では、INFO0を送信した後に、V.34手順、画信号の送信を実行し、ステップS70では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号の送信を実行する。
【0088】
ステップS72では、JM信号を送信し、ここで、コールファンクションカテゴリで着信端末からのファクシミリ送信を指定し、また、モジュレーションモードはCM信号で有りと指定され、かつ、V.27ter、または、V.29半二重、または、V.17を指定し、ここで、V.34半二重を外すことが重要である。
【0089】
ステップS74では、CJ信号を受信し、ステップS76では、V.21でNSF/CSI/DIS信号を送信し、ここで、DIS信号のFIFのbit9=0として送信情報の無いことを発信端末に通知する。
【0090】
ステップS78では、V.21の手順、V.27ter、または、V.29、または、V.17の画信号の受信があれば実行し、無ければ通信エラーとする。
【0091】
次に、上述の伝送制御手順について説明する。
【0092】
図9は、ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって発信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の一例を示す図である。
【0093】
図10は、ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって着信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の他の例を示す図である。
【0094】
まず、被呼端末からのANSam信号の受信からV.34の手順、画伝送の実行までの伝送制御手順について説明する。
【0095】
図9に示すように、被呼端末から全二重通信を可能にする信号(ANSam信号であって2100Hzを15Hzで変調した信号)が送出される。発呼側からは、V.8に基づく変調によるCM信号が送出され、このCM信号によって画伝送時に実行可能な伝送モードが被呼端末に通知される。CM信号のコールファンクションカテゴリによって発信端末からのファクシミリ送信が指定される。
【0096】
CM信号を受信した被呼端末は、CM信号で指定された伝送モードの中で受信可能な伝送モード(V.34)を発呼端末に通知し、この通知にJM信号が用いられる。
【0097】
JM信号を受信した発呼端末は、CJ信号を送出することによって、伝送モードを被呼端末に通知する。
【0098】
CJ信号送出後(V.8手順完了後50msecが経過した後)に、発呼端末は、V.34手順の実行を開始し、電話回線2aの状況をチェックするためのラインプルービング信号(先頭にINFO0cが付加されている)を送出する。被呼端末は、発呼端末からのラインプルービング信号に応答した信号(先頭にINFO0aが付加されている信号)を送出し、この信号によって以後の送出レベル、振幅レベルの補正、伝送ボーレートを、発呼端末に通知する。
【0099】
発呼端末は、ラインプルービング信号を送出してから50msecが経過した後に、ロングトレーニング信号を送出し、被呼端末は、このロングトレーニング信号に基づいて、モデムの等化器の調整、タイミング検出等を実施する。
【0100】
発呼端末は、ロングトレーニング信号を送出してから50msecが経過した後に、パラメータ交換信号を送出する。被呼端末は、パラメータ交換信号に応答した信号を送出し、この信号によって、以後のリンク補正、ビットレートを発呼端末に通知する。
【0101】
パラメータ交換信号に応答した後、被呼端末は、CSI、DIS信号を送出し、発呼端末からのTSI、DCS信号を受信するまでフラグを送出し、TSI、DCS信号を受信した後に、CFR信号を送出する。発呼端末は、CSI、DIS信号を受信した後に、TSI、DCS信号を送出し、被呼端末からのCFR信号を受信するまで、フラグを送出する。
【0102】
発呼端末は、フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送を開始し、画信号を送出する。画信号送出が終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末からは、PPS−MPS信号が送出され、被呼端末からのMCF信号を受信するまで、フラグが送出される。被呼端末は、PPS−MPS信号を受信した後に、MCF信号を送出する。
【0103】
フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送が実行され、発呼端末からは、再び、画信号が送出される。画信号送出を終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、発呼端末は、PPS−EOP信号を送出し、MCF信号を受信するまでフラグを送出する。被呼端末は、PPS−EOP信号を受信した後に、MCF信号を送出する。以降、上記と同様の手順が、画伝送が終了するまで繰り返される。
【0104】
次に、着信端末からのファクシミリ送信について、説明する。
【0105】
まず、被呼端末からのANSam信号の受信からV.34の手順、画伝送の実行までの伝送制御手順について、説明する。
【0106】
図10に示すように、被呼端末から全二重通信を可能にする信号(ANSam信号であって2100Hzを15Hzで変調した信号)が送出される。発呼側からは、V.8に基づく変調によるCM信号が送出され、このCM信号によって画伝送時に実行可能な伝送モードが、被呼端末に通知される。CM信号のコールファンクションカテゴリによって着信端末からのファクシミリ送信が指定される。
【0107】
CM信号を受信した被呼端末は、CM信号で指定された伝送モードの中で送信可能な伝送モード(V.34)を発呼端末に通知し、この通知にJM信号が用いられる。
【0108】
JM信号を受信した発呼端末は、CJ信号を送出することによって、伝送モードを被呼端末に通知する。
【0109】
CJ信号を受信してから(V.8手順が完了してから)50msecが経過した後に、着呼端末は、V.34手順の実行を開始し、電話回線2aの状況をチェックするためのラインプルービング信号(先頭にINFO0aが付加されている信号)を送出する。
【0110】
発呼端末は、着呼端末からのラインプルービング信号に応答した信号(先頭にINFO0cが付加されている信号)を送出し、この信号によって、以後の送出レベル、振幅レベルの補正、伝送ボーレートを、着呼端末に通知する。着呼端末は、ランプルービング信号を送出してから50msecが経過した後に、ロングトレーニング信号を送出し、発呼端末は、このロングトレーニング信号に基づいて、モデムの等化器の調整、タイミング検出等を実施する。
【0111】
着呼端末は、ロングトレーニング信号を送出してから50msecが経過した後に、パラメータ交換信号を送出する。発呼端末は、パラメータ交換信号に応答した信号を送出し、この信号によって、以後のリンク補正、ビットレートを着呼端末に通知する。
【0112】
着呼端末からCSI、DIS信号を送信する。パラメータ交換信号に応答した後に、発呼端末は、CIG、DTC信号を送出し、着呼端末からのTSI、DCS信号を受信するまでフラグを送出し、TSI、DCS信号を受信した後に、CFR信号を送出する。着呼端末は、CIG、DTC信号を受信した後に、TSI、DCS信号を送出し、発呼端末からのCFR信号を受信するまで、フラグを送出する。
【0113】
着呼端末は、フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送を開始し、画信号を送出する。画信号送出を終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、着呼端末からは、PPS−MPS信号が送出され、発呼端末からのMCF信号を受信するまで、フラグが送出される。発呼端末は、PPS−MPS信号受信後、MCF信号を送出する。
【0114】
フラグを送出してから50msec経過後に、V.34による画伝送が実行され、着呼端末からは、再び、画信号が送出される。画信号送出を終了してから50msec経過後に、V.34による手順が実行され、着呼端末は、PPS−EOP信号を送出し、MCF信号を受信するまでフラグを送出する。発呼端末は、PPS−EOP信号を受信した後に、MCF信号を送出する。以降、上記と同様の手順が画伝送が終了するまで、繰り返される。
【0115】
[第2の実施例]
第2の実施例は、第1の実施例において、CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行し、着信端末に送信すべき情報がなければ、すぐに回線断とする実施例である。
【0116】
図8は、第2の実施例の動作を示すフローチャートであり、図2〜図7に示すフローチャートと異なる部分のみを示すフローチャートである。
【0117】
ステップS80で、Noである場合、つまり、送信すべき情報がない場合、
S82では、ステップS2に戻る。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、発信端末からのCM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信が指定され、すなわち、発信端末がポーリング受信を指定した場合に、発信端末、着信端末ともにV.34半二重通信が可能であっても、着信端末に送信する原稿が無ければ、V.8プロトコルの終了後に、V.21手順へ移行し、DIS信号によって、送信情報が無いことを発信端末に、V.34手順を実行時よりも早く知らせることが可能になり、発信端末は、着信端末の状態を認識することができ、さらに、無効に回線捕捉することがなく、対応が早くなり、通信時間を節約することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるファクシミリ装置FS1の構成を示すブロック図である。
【図2】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図3】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図4】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図5】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図6】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図7】ファクシミリ装置FS1の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施例の動作を示すフローチャートであり、図2〜図7に示すフローチャートと異なる部分のみを示すフローチャートである。
【図9】ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって発信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の一例を示す図である。
【図10】ファクシミリ装置FS1に適用される伝送制御手順(CM信号のコールファンクションカテゴリによって着信端末からのファクシミリ送信が指定され、これを実行する手順)の他の例を示す図である。
【図11】ITU−T勧告V.8の手順信号に含まれるプリアンブルの構成を示す図である。
【図12】ITU−T勧告V.8の手順信号の情報カテゴリを決定するカテゴリオクテットのフォームを示す図である。
【図13】起呼機能カテゴリ(コールファンクションカテゴリ)のビットの使用例を示す図である。
【図14】ITU−T勧告V.8の手順信号で指定する変調モード(モジュレーションモード)を示す図である。
【図15】ITU−T勧告V.8の手順信号のプロトコルカテゴリ内部の符号一覧を表す図である。
【図16】ITU−T勧告V.8の手順信号のGSTNに接続するセルラーアクセスを示す符号を表す図である。
【図17】ITU−T勧告によるV.34のINFO0シーケンスのビット定義を示す図である。
【符号の説明】
FS1…ファクシミリ装置、
10…ANSam信号送出回路、
12…加算回路、
14…読取回路、
16…記録回路、
18…メモリ回路、
20…制御回路。
Claims (7)
- 相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づき上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信装置において、
ANSam信号を送信するANSam信号送信手段と;
CM信号を受信するCM信号受信手段と;
JM信号を送信するJM信号送信手段と;
上記CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無に応じて、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更する制御手段と;
を有することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1において、
上記CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1または請求項2において、
上記CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定が実行され、着信端末に送信すべき情報があれば、V.34半二重でポーリング送信することを許可することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
上記CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行され、着信端末に送信すべき情報がなければ、V.21プロトコルへ移行することを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項4において、
上記CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行され、着信端末に送信すべき情報がなければ、V.34半二重でのポーリング送信することを許可しないことを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 請求項1または請求項2において、
上記CM信号のコールファンクションカテゴリで、着信端末からのファクシミリ送信の指定を実行され、着信端末に送信すべき情報がなければ、すぐに回線断とすることを特徴とするファクシミリ通信装置。 - 相手先装置との間でITU−T勧告V.8に規定される手順を実行し、その手順に基づいて、上記相手先装置との間で実行可能な画伝送モードを設定するファクシミリ通信方法において、
ANSam信号を送信するANSam信号送信段階と;
CM信号を受信するCM信号受信段階と;
JM信号を送信するJM信号送信段階と;
を有し、上記CM信号によって着信端末からのファクシミリ送信が指定されたときに、着信端末は、送信すべき情報の有無に応じて、V.8プロトコル以降のプロトコルを変更することを特徴とするファクシミリ通信方法。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2002171158A Pending JP2004023126A (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | ファクシミリ通信装置およびファクシミリ送信方法 |
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JP (1) | JP2004023126A (ja) |
-
2002
- 2002-06-12 JP JP2002171158A patent/JP2004023126A/ja active Pending
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