JP2004022894A - 多数個取りセラミック基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平板状のセラミック母基板1の両主面に、このセラミック母基板1を複数の区画に区分する分割溝2がセラミック母基板1の外周から離間して形成されているとともに、分割溝2の両端と外周との間に分割溝2より幅が広くかつ分割溝2より深さの深い非貫通穴4が互いに上下に重ならない位置に分割溝2と連通して形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子や抵抗、コンデンサ等の電子素子が搭載される小型のセラミック基板を多数個集約的に製作するようになした多数個取りセラミック基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、半導体素子や抵抗、コンデンサ等の電子素子が搭載されるセラミック基板は電子機器の小型化、薄型化に伴ってその形状が極めて小型なものとなってきている。そのため、この小型のセラミック基板に半導体素子や抵抗等の電子部品を搭載する場合、小型のセラミック基板はその形状が小型で取扱い難いため、通常は小型のセラミック基板を多数個集約させた状態、即ち、多数個取りセラミック基板と成した状態で各小型のセラミック基板上に半導体素子等を搭載するようになしている。
【0003】
なお、前記多数個取りセラミック基板は例えば大型のセラミック母基板の両主面に幅および深さが略一定の分割溝を、その端部がセラミック母基板の外周より内側となるようにして入れ、該分割溝によって大型のセラミック母基板を所望する大きさの複数個の区画に区分したものであり、各区画には半導体素子等の電子素子の電極が接続されるメタライズ配線層が被着形成されており、半導体素子や抵抗等の電子素子をその電極が前記メタライズ配線層に接続されるようにして搭載した後、大型のセラミック母基板を前記分割溝に沿って撓折し、それによって半導体素子や抵抗等の電子素子が搭載された個々の小型セラミック基板が一度に多数個得られるようにしたものである。
【0004】
また、このような多数個取りセラミック基板は、セラミック母基板用のセラミックグリーンシートを準備するとともに、該セラミックグリーンシートの両主面にカッター刃や金型等により幅および深さが一定の分割溝用の切り込みを各区画を区分するがごとく入れ、それを高温で焼成することによって製作されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大型のセラミック母基板を分割溝によって複数の区画に区分して成る従来の多数個取りセラミック基板は、その分割溝が同じ幅で形成されており、そのため分割溝内の側面と端面との間に略直角の角が形成された状態となっていた。そして、このセラミック母基板に例えば搬送時や電子素子を搭載する際等に外部から力が印加されると、その力が分割溝内の側面と端面との間に形成された略直角の角に集中して作用し、その角部を起点としてセラミック母基板に不用意に割れが発生し、その結果、大型のセラミック母基板の各区画に半導体素子や抵抗等の電子素子を正確、且つ確実に搭載するのが不可能となるという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、搬送時や電子素子を搭載する際等に外部から力が印加されても、分割溝の端部を起点として不用意に割れが発生することがなく、それにより大型のセラミック母基板の各区画に半導体素子や抵抗等の電子素子を正確、且つ確実に搭載することが可能な多数個取りセラミック基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の多数個取りセラミック基板は、平板状のセラミック母基板の両主面に、該セラミック母基板を複数の区画に区分する分割溝が前記セラミック母基板の外周から離間して形成されているとともに、前記各分割溝の両端と前記外周との間に前記分割溝より幅が広くかつ前記分割溝より深さの深い非貫通穴が互いに上下に重ならない位置に前記分割溝と連通して形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の多数個取りセラミック基板によれば、平板状のセラミック母基板の両主面に、該セラミック母基板を複数の区画に区分する分割溝が前記セラミック母基板の外周から離間して形成されているとともに、前記各分割溝の両端と前記外周との間に前記分割溝より幅が広くかつ前記分割溝より深さの深い非貫通穴が互いに上下に重ならない位置に前記分割溝と連通して形成されていることから、搬送時や電子素子を搭載する際等に外部から力が印加されたとしても、その力は、上下の分割溝と連通して形成されている非貫通穴で良好に分散されて、分割溝の端部を起点としてセラミック母基板に不用意に割れが発生することを有効に防止することができる。また、非貫通穴は上下に重ならない位置に形成されていることから、非貫通穴の形成領域においてセラミック母基板の強度が大きく低下することがない。したがって、セラミック母基板の各区画に半導体素子や抵抗等の電子素子を正確、かつ確実に搭載することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。図1、図2はそれぞれ本発明の多数個取りセラミック基板の実施の形態の一例を示す上面図および断面図であり、図中、1はセラミック母基板、2は分割溝、3はメタライズ配線層、4は非貫通穴である。
【0010】
セラミック母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体やムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラス−セラミックス等の電気絶縁性のセラミック材料から成り、小型のセラミック基板を多数個同時集約的に製作するための母材として機能する。そして、各小型のセラミック基板の上面に半導体素子や抵抗、コンデンサ等の電子素子が搭載される。
【0011】
なお、セラミック母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のセラミック原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤、可塑剤、分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、高温(約1500〜1800℃)で焼成することによって製作される。
【0012】
また、セラミック母基板1は、その両主面に該セラミック母基板1を複数の区画に区分するごとく分割溝2が格子状に形成されており、分割溝2で区分された各区画の上面や下面にはメタライズ配線層3が被着されている。メタライズ配線層3は、小型のセラミック基板に搭載される電子素子を外部電気回路基板に電気的に接続するための導電路として機能し、タングステンやモリブデン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成り、セラミック母基板1用のセラミックグリーンシートにスクリーン印刷法によりメタライズ配線層3用のメタライズペーストを印刷塗布しておくとともにこれをセラミック母基板1用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって各区画の上面や下面に被着形成される。そして、各区画に電子素子をその電極がメタライズ配線層3に電気的に接続されるようにして搭載するとともに、セラミック母基板1を分割溝2に沿って撓折することによって、多数個の電子装置が同時集約的に製作される。
【0013】
セラミック母基板1の両主面に形成された分割溝2は、セラミック母基板1を所望する小型のセラミック基板の形状に対応した大きさの複数の区画に区分するとともに各区画に電子素子を搭載した後、セラミック母基板1を撓折して多数個の小型セラミック基板となす際、その撓折を容易かつ正確とする作用を為し、その両端がセラミック母基板1の外周から離間するようにして形成されており、その幅は0.1〜1mm程度であり、その深さは0.05〜1mm程度である。なお、このような分割溝2は、断面がV字状の刃先を有するカッター刃や金型をセラミック母基板1用のセラミックグリーンシートに押し付けて切り込みを入れておくことによってセラミック母基板1の両主面に格子状に形成される。
【0014】
さらに、本発明の多数個取りセラミック基板においては、分割溝2の両端とセラミック母基板1の外周との間に、分割溝2よりも幅が広くかつ分割溝2よりも深さが深い略円形の非貫通穴4が互いに上下に重ならない位置に分割溝2と連通するようにして形成されている。この非貫通穴4は、セラミック母基板1に搬送時や電子素子を搭載する際等に外部から力が印加された場合に、分割溝2の両端に印加される応力を緩和分散させる作用をなし、このように分割溝2の両端とセラミック母基板1の外周との間に分割溝2より幅が広くかつ分割溝2より深さの深い非貫通穴4が互いに上下に重ならない位置に分割溝2と連通して形成されていることから、セラミック母基板1に搬送時や電子素子を搭載する際等に外部から力が印加されたとしても、その力は上下の分割溝2と連通して形成されている非貫通穴4で良好に分散されて、分割溝2の端部を起点としてセラミック母基板1が不用意に割れることを有効に防止することができる。さらに、非貫通穴4は上下に重ならない位置に形成されていることから、非貫通穴4の形成領域においてセラミック母基板1の強度が大きく低下することがない。したがって、本発明の多数個取りセラミック基板によれば、セラミック母基板1の各区画に半導体素子や抵抗等の電子素子を正確、かつ確実に搭載するのが可能となる。なお、このような非貫通穴4は、分割溝2の両端に印加される応力を良好に分散させるためには円形であることが好ましく、その幅は分割溝2の幅の2倍以上であることが好ましい。また、このような非貫通穴4は、セラミック母基板1用のセラミックグリーンシートのいくつかに非貫通穴4用の略円形の貫通孔を打ち抜いておくことによって分割溝2の両端とセラミック母基板1の外周との間に分割溝2と連通するように形成される。
【0015】
かくして本発明の多数個取りセラミック基板によれば、分割溝2によって区分された各区画に半導体素子や抵抗等の電子素子を例えば自動機等を使用して搭載した後、分割溝2に沿って撓折され、これによって製品としての小型セラミック基板の個々に分離される。
【0016】
なお、本発明は上述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば上述の実施の形態例では非貫通穴4は略円形としたが、非貫通穴4は略四角形としてもよく、その他の形状であってもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の多数個取りセラミック基板によれば、平板状のセラミック母基板の両主面に、該セラミック母基板を複数の区画に区分する分割溝が前記セラミック母基板の外周から離間して形成されているとともに、前記各分割溝の両端と前記外周との間に前記分割溝より幅が広くかつ前記分割溝より深さの深い非貫通穴が互いに上下に重ならない位置に前記分割溝と連通して形成されていることから、搬送時や電子素子を搭載する際等に外部から力が印加されたとしても、その力は上下の分割溝と連通して形成されている非貫通穴で良好に分散されて、分割溝の端部を起点としてセラミック母基板に不用意に割れが発生することを有効に防止することができる。また、非貫通穴は上下に重ならない位置に形成されていることから、非貫通穴の形成領域においてセラミック母基板の強度が大きく低下することはない。したがって、セラミック母基板の各区画に半導体素子や抵抗等の電子素子を正確、かつ確実に搭載することが可能な多数個取りセラミック基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多数個取りセラミック基板の実施の形態の一例を示す上面図である。
【図2】図1に示す多数個取りセラミック基板のX−Xにおける断面図である。
【符号の説明】
1・・・セラミック母基板
2・・・分割溝
3・・・メタライズ配線層
4・・・非貫通穴
Claims (1)
- 平板状のセラミック母基板の両主面に、該セラミック母基板を複数の区画に区分する分割溝が前記セラミック母基板の外周から離間して形成されているとともに、前記各分割溝の両端と前記外周との間に前記分割溝より幅が広くかつ前記分割溝より深さの深い非貫通穴が互いに上下に重ならない位置に前記分割溝と連通して形成されていることを特徴とする多数個取りセラミック基板。
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JP2002177392A JP3840146B2 (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 多数個取りセラミック基板 |
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