JP2004021094A - プロジェクタ - Google Patents

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秋山 光一
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Abstract

【課題】反射型光変調装置を利用するプロジェクタにおいて、照明領域の像を高精度に結像させて、画像の投写効率を向上させる。
【解決手段】反射型光変調装置の光入射面から入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に垂直な中心軸に対して傾斜して入射する。インテグレータロッドの光射出面における光の像を前記反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域で結像させるとともに、前記インテグレータロッドから射出される光を前記反射型光変調装置の光入射面に入射させるためのリレー光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズは、該レンズの中心軸が前記インテグレータロッドから射出される光の中心軸に対して傾斜して配置されている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像を投写表示するプロジェクタ(投写型表示装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プロジェクタでは、光源装置から射出された光(照明光)によって、光変調装置(電気光学装置とも呼ぶ)の光入射面(光照射面とも呼ぶ)が照明される。光変調装置の光入射面から入射した光は、画像信号(画像情報)に応じて変調され、光変調装置から画像を表す画像光として射出される。そして、光変調装置から射出された画像光を、投写光学系を介してスクリーン上に投写することにより画像が表示される。
【0003】
光変調装置としては、変調した画像光が反射光として光入射面から射出するタイプの反射型光変調装置と、変調した画像光が透過光として光入射面と反対側の光射出面から射出するタイプの透過型光変調装置とがある。反射型光変調装置の例としては、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD、TI社の商標)のようなマイクロミラー型光変調装置や、反射型液晶パネル等があげられる。透過型光変調装置の例としては、透過型液晶パネルがあげられる。なお、DMDは、液晶パネルに比べて光照射面に照射された光の利用効率が高い。
【0004】
1つの光変調装置を利用するプロジェクタ(「単板式プロジェクタ」とも呼ばれる。)では、例えば、次のようにしてカラー表示を実現することができる。すなわち、照明光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応する3つの色フィルタを有するカラーホイールに入射させて、照明光に含まれるRGB3原色の光を順に循環的に透過して射出させる。光変調装置の光入射面には、カラーホイールから射出された3原色の光が順に照射される。光変調装置では、光入射面から順に入射する光を、その光の色に対応する色信号に基づいて変調することにより、それぞれの色信号に対応する色成分の画像光を生成する。生成された各色の画像光の表す画像(以下、「色成分画像」とも呼ぶ。)を順に投写する。順に投写された3つの色成分画像は、人間の目の残像効果によって合成されて1つのカラー画像として見えることになる。
【0005】
なお、このように、RGB3原色の光に対応する色成分画像を順に表示させることによるカラー画像の表示を、「時分割表示」あるいは「フィールドシーケンシャル表示」とも呼ぶ。
【0006】
ここで、上記フィールドシーケンシャル表示の場合、カラーホイールを透過できない色の光が無駄となる。例えば、R光が透過されるときにはG光及びB光が、G光が透過されるときにはB光及びR光が、B光が透過されるときにはR光及びG光が無駄になる。このため、光源装置から射出された光が照明光として十分に利用されず利用効率の点で問題がある。
【0007】
このような問題を解決して光の利用効率を向上させる方法が、SOCIETY FOR INFORMATION DISPLAY 2001 INTERNATIONAL SYMPOSIUM DIGEST OF TECHNICAL PAPERS・Volume XXXII(page 1076 )に記載されたSequential Color Recaptureand Dynamic Filtering: A Method of Scrolling Color(D. Scott Dewald, Steven M. Penn, and Michael Davis)で提案されている。
【0008】
図7は、上記文献において説明されているSCR(Sequential Color Recapture)技術を用いたプロジェクタの要部を示す概略平面図である。このプロジェクタ1000(以下、「SCRプロジェクタ」と呼ぶ。)は、光源装置100と、SCR用のインテグレータロッド200(以下、「SCRインテグレータ」と呼ぶ。)と、SCR用のカラーホイール300(以下、「SCRホイール」と呼ぶ。)と、リレー光学系400と、反射ミラー500と、フィールドレンズ600と、DMD700と、投写レンズ(投写光学系)800とを、システム光軸1000axに沿って順に配置して構成されている。
【0009】
光源装置100から射出された光は、SCRインテグレータ200の光入射面202から内部に効率よく入射するように、システム光軸1000ax上の光入射面202上でほぼ集束するような集光光とされる。具体的には、光源装置110は、回転楕円面形状の反射面を有する楕円リフレクタ110と、メタルハライドランプや高圧水銀灯などの高圧放電灯が利用される光源ランプ120とで構成される。光源ランプ120は、楕円リフレクタ110の第1焦点F1に配置され、SCRインテグレータ200は、その光入射面202の中心が楕円リフレクタ110の第2焦点F2となるように配置される。このような構成とすることにより、光源装置100は、システム光軸1000ax上の光入射面202上でほぼ集束する集光光を射出することができる。なお、光源装置としては、回転放物面形状の反射面を有するリフレクタを用いたものを用いるようにしてもよい。ただし、この場合、射出される光が略平行な光となるため、光を集光するためにレンズを用いる必要がある。
【0010】
なお、光源ランプ120のアーク像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDAとし、SCRインテグレータ200の光入射面上に結像される像(以下、「2次光源像」と呼ぶ)の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDSPとし、楕円リフレクタ110の第1および第2焦点距離をf1,f2とすると、2次光源像の大きさDSPは、以下の式で表される。
【0011】
DSP=DA・f2/f1 …(1)
【0012】
上記(1)式からわかるように、第1焦点距離f1または第2焦点距離f2の異なる楕円リフレクタを適宜利用することにより、2次光源像の大きさを調整することが可能である。
【0013】
SCRインテグレータ200の光入射面202から内部に入射した光は、内部で反射しながら光射出面204から射出する。SCRインテグレータ200は、内部で反射を繰り返すことにより、光入射面202から入射した光の照度分布が一様でない場合においても、照度分布が一様な光に変換して光射出面から射出する機能を有している。
【0014】
図8は、SCRインテグレータ200を示す説明図である。図8(B)はSCRインテグレータ200の平面図を示し、図8(A)は光入射面202側の側面図を示し、図8(C)は光射出面204側の側面図を示している。SCRインテグレータ200は、光入射面202および光射出面204が略矩形状の輪郭を有する四角柱状の透光性ロッドである。本例では、透光性光射出面204の輪郭形状は、通常、DMD700の光入射面を照明する光の照明効率を考慮して、この光入射面に相似な形状とされる。例えば、DMD700の光入射面のアスペクト比(縦横比)は、約4:3あるいは約16:9であるので、光射出面204の輪郭形状も同様に約4:3あるいは約16:9となるように構成されている。
【0015】
なお、このSCRインテグレータとして、内部全体が透光性部材で形成された透光性ロッドを用いる必要は必ずしもなく、ライトトンネルと呼ばれる4つの側面の内側が反射面で覆われた中空のインテグレータロッドを用いることも可能である。すなわち、このSCRインテグレータとしては、光入射面から入射した光の照度分布が一様でない場合においても、その光の照度分布を一様な光に変換して光射出面から射出する機能を有しているロッドであればよい。
【0016】
なお、SCRインテグレータ200は、光入射面202に垂直な中心軸200axがシステム光軸1000axに一致するように配置されている。
【0017】
SCRインテグレータ200の光入射面202上には、光入射面202と接する側を反射面とする反射ミラー206が形成されている。この反射ミラー206には、光入射面202に垂直な中心軸200axを中心とする円系の開口部206aが形成されている。開口部206aを通過する光のみが光入射面202からSCRインテグレータ200の内部に入射可能である。
【0018】
従って、上記(1)式で表される2次光源像の大きさDSPは、開口部206aを効率良く通過して光入射面202からSCRインテグレータ200に入射するように、開口部206aの大きさよりも小さくなるように設定されることが好ましい。なお、反射ミラー206における光の反射機能については、後でさらに説明する。
【0019】
開口部206aの大きさは、光源装置100からSCRインテグレータ200内に入射させる光の入射効率と、後述する反射ミラー206における光の反射効率とを考慮して適宜設定される。通常、開口部206aの開口径は、反射ミラー206の長手方向の大きさに対して1/3程度の大きさに設定される。
【0020】
反射ミラー206は、開口部206aに対応する部分を除く光入射面202上にアルミニウム膜、銀膜等を形成することにより形成される。また、誘電体多層膜(コールドミラー等)を蒸着することによっても形成可能である。また、ESRフィルム(3M社製)を貼り付けることによっても形成可能である。なお、平板状の透明体(例えばガラス板)にアルミニウム膜、銀膜、誘電体多層膜、ESRフィルム等を選択的に形成したものを、光入射面202に近接配置したり、貼り合わせたりすることも可能である。
【0021】
図7のSCRインテグレータ200の光射出面204から射出された光は、SCRホイール300に入射する。
【0022】
図9は、SCRホイール300を示す説明図である。SCRホイール300は、回転軸320を中心に図示しないモータによって回転可能に構成された円板状のフィルタ面310を有している。フィルタ面310には、R,G,Bそれぞれの色フィルタの境界線(図中実線で示す曲線)が、フィルタ面310上における回転軸320上の中心点を中心にアルキメデスのスパイラルを形成するように配列形成されている。R,G,Bそれぞれの色フィルタは、それぞれ対応する色光を透過し、他の色光を反射するフィルタである。これらの色フィルタは、それぞれ対応するダイクロイック膜をフィルタ面310上にコーティングすることにより形成される。
【0023】
SCRホイール300は、フィルタ面310がSCRインテグレータ200の光射出面204に平行に近接配置される。
【0024】
SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光は、図9に破線で示したように、ある時間タイミングにおいて複数の色フィルタに入射し、それぞれ対応する色光のみを透過し、他の色光を反射する。
【0025】
図10は、SCRホイール300で反射された光について示す説明図である。例えば、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出されてSCRホイール300のフィルタ面310上に形成されたR光透過フィルタ310Rに入射した光のうち、R光は透過され、G光およびB光は反射されて光射出面204からSCRインテグレータ200の内部に再び入射する。
【0026】
この反射されたG光およびB光(以下、「GB光」と呼ぶ。)は、SCRインテグレータ200の内部で反射を繰り返しながら光入射面202の方向へ進む。光入射面202上には、反射ミラー206が形成されているので、光入射面202に到達したGB光は、反射ミラー206の開口部206aを通過する一部のGB光を除いて反射ミラー206で反射される。
【0027】
反射ミラー206で反射されたGB光はSCRインテグレータ200の内部を反射しながら光射出面204の方向へ進み、光射出面204から射出されて、再度SCRホイール300に入射する。再度SCRホイール300に入射したGB光が、透過可能な色フィルタ、例えば、G光ならばG光透過フィルタ310G、B光ならばB光透過フィルタ310Bに入射した場合には、SCRホイール300を通過して照明光として利用可能となる、一方、再度SCRホイール300に入射したGB光が、透過不可のフィルタ、すなわち、R光透過フィルタ310Rに入射した場合には、再び反射されて、透過可能なフィルタに入射して有効な光として利用されるまでSCRインテグレータ200内を繰り返し往復することになる。
【0028】
なお、上述の説明は最初にR光フィルタ310Rに入射する光の場合を例に説明しているが、他のG光透過フィルタ310GあるいはB光透過フィルタ310Bに最初に入射する光においても同様である。
【0029】
以上説明したように、SCRプロジェクタ1000では、SCRホイール300で反射されて有効に利用されなかった光を再利用することが可能となる。従って、フィールドシーケンシャル表示において発生していたカラーホイールによる光の無駄を抑制して、光源装置100から射出された光を効率良く利用することが可能である。なお、このように光を再利用する技術を、「SCR技術」と呼んでいる。
【0030】
図7のリレー光学系400は、SCRホイール300を通過したSCRインテグレータ200の光射出面204における光の像を、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で所定の結像倍率で結像する機能を有しており、少なくとも1以上のレンズにより構成することができる。なお、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で結像された光の像の領域が照明領域に相当する。なお、SCRホイール300のフィルタ面310はSCRインテグレータ200の光射出面204に近接配置されているので、リレー光学系400は、SCRホイール300を通過した光の像を所定の結像倍率で結像すると考えてもよい。なお、照明領域として結像される像(以下、「照明領域の像」とも呼ぶ。)の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)DAは、SCRインテグレータ200の光射出面の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)をDIとし、結像倍率をksとすると、以下の式で表される。
【0031】
DA=DI・ks …(2)
【0032】
なお、所定の結像倍率ksは、DMD700の光照射面を効率よく照明するように、照明領域の像の大きさ(横方向または縦方向の大きさ)DAが光入射面702の大きさにほぼ等しくなるように設定される。通常、結像倍率ksは、約1.5倍〜約2.5倍の範囲で設定される。
【0033】
反射ミラー500は、リレー光学系400から射出された光がフィールドレンズ600を介してDMD700に入射するように反射する。
【0034】
DMD700は、光入射面に入射する光を、与えられた画像信号(画像情報)に応じて各画素に対応するマイクロミラーで反射することにより、画像を表す画像光を投写レンズ800の方向に射出する機能を有する反射方向制御型光変調装置(マイクロミラー型光変調装置)である。DMD700の光入射面702から射出される画像光は、フィールドレンズ600及び投写レンズ800を介して投写される。これにより、画像光の表す画像が投写表示される。
【0035】
なお、反射ミラー500は、反射ミラー500からDMD700までのシステム光軸1000axが、DMD700の上述の反射方向を制御する機能上の制約のために、DMD700から投写レンズ800までのシステム光軸1000ax(DMD700の光入射面702に垂直な中心軸700axに一致する軸である)に対して所定の傾きを有するように配置されている。ただし、反射ミラー500は、光源装置100からリレー光学系400までの光学系の配置によっては、省略することも可能である。また、反射ミラー500は、必ずしも1枚である必要はなく、複数枚の反射ミラーを組み合わせて構成することも可能である。
【0036】
ここで、「DMD700の光入射面702」は、照射された光を画像光として利用可能な領域、すなわち、上述の各画素に対応するマイクロミラーが形成されている領域を示す。
【0037】
また、「所定の傾き」は、利用するデバイスに応じて適宜決定される。例えば、DMD700は、光入射面702に垂直な中心軸700axが紙面に平行で、DMD700の略矩形状の光入射面702の四辺のうち、比較的長い二辺が紙面に平行となるように配置されているとする。また、比較的長い二辺の対向する方向(図7の紙面に垂直な方向)を上下方向とし、紙面表側を上側と規定する。この場合において、DMD700の光入射面702に対して、右斜め下方向あるいは左斜め上方向から光を入射させる必要がある。例えば、DMD700の光入射面702に平行な平面に投影した光の中心軸が、光入射面702の中心に向かって右斜め下45度側から入射するように傾斜し、かつ、この光の中心軸と光入射面702に垂直な中心軸700axとを含む平面内で、中心軸700axに対して約24度下側から光入射面702の中心に向かって入射するように設定して、右斜め下方向から光を入射させる。
【0038】
ところで、図11は、SCRホイール300を通過した光の像を模式的に示す説明図である。SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光は、図9に破線で示したように、あるタイミングにおいて複数の色フィルタに入射する。従って、SCRホイール300を通過した光は、図11に示すように、R,G,Bの複数の色光の領域に区分される。また、SCRホイール300の回転に応じて、各色フィルタの境界は放射方向に移動するので、これに応じて、SCRホイール300を通過した光のR,G,Bの複数の色光に区分されている領域のパターンは、例えば、図11(A)および(B)に示すように、例えば、表示タイミングT=0における状態から、表示タイミングT=1における状態へと変化する。なお、表示タイミングとは、表示画像のデータを更新する単位時間を示している。
【0039】
従って、ある表示タイミングにおいて、DMD700の各画素には、その画素に照射されている光の色に応じた色成分画像に相当する画像信号を供給する必要がある。照明される光の色のパターンは、例えば、SCRホイールの回転に応じて変化する、SCRホイール300上に設けられた図示しない基準点の位置に応じて一義的に決定することが可能である。図示しない画像処理回路では、この基準点の位置を観測することにより対応する光の色のパターン情報を求めて、このパターン情報に応じた画像信号を生成して、DMD700に供給している。
【0040】
以上のように、SCRプロジェクタ1000では、画素ごとに、照射される光の色に応じた色成分画像を表示する。そして、画素ごとに表示された各画素の色成分画像が人間の目の残像効果によって合成されて1つのカラー画像として見えることになる。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】
図12は、DMD700の光入射面702を照明する実際の照明領域LA(図中一点鎖線で示す領域)を示す説明図である。DMD700の光入射面702を照明する光は、上述したように、光入射面702に垂直な中心軸700axに平行ではなく、右斜め下方向から傾斜して入射する(図中に矢印で示す。)。この場合、リレー光学系400による光の結像倍率が、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される位置に依存して変化し、図12に示すようにDMD700の光入射面702を照明する照明領域LAの像に歪みが発生することになる。また、照明領域LAの像にピントずれ(「ぼやけ」とも言う。)が発生することになる。このような、照明領域の像に歪やピントずれが発生すると、以下に示すような問題が発生する。
【0042】
図13は、照明領域LAの像に歪みやピントずれが発生する場合における問題点を示す説明図である。図13は、ある表示タイミングにおいて、DMD700の各画素に供給される画像信号を対応する色ごとに区分した状態を示している。図中に示す破線は、各画素を照明する光の複数の色光に区分された領域の境界線(以下、「色光境界線」と呼ぶ。)のうち、R光領域とB光領域との色光境界線を示している。図13(A)に示すように、R光領域とB光領域の色光境界線は、実線で示されたRの画像領域とBの画像領域の境界線に一致することが好ましい。しかしながら、照明領域の像に歪が発生すると、図13(B)に示すような色光境界線の位置がずれて照明される場合があり、図13(D)に示すように、色光境界線が歪んで照明されて、供給されている画像信号の色と照射される光の色とが異なる画素が発生する場合がある。また、照明領域の像にピントずれが発生すると、図13(C)に示すように、色光境界線がぼやけて照明される場合があり、供給されている画像信号の色と照射される光の色とが異なる画素が発生する場合がある。以上のように、供給されている画像信号の色と照射される光の色とが異なる画素が発生すると、表示画像の画質の劣化を招くという問題が発生する。
【0043】
従って、SCR技術を用いたプロジェクタでは、SCRホイールを通過した光の像を反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域上で結像させて光入射面を照明する際に、照明領域の像に発生する歪やピントずれを抑制して、照明領域の像を高精度に結像させることが望まれている。
【0044】
また、上述のように照明領域の像に歪が発生すると、DMD700の光入射面702を照明する光の照明効率が悪くなり、結果として画像の投写効率も悪くなるという問題もある。なお、この画像の投写効率の問題は、SCR技術を用いない反射型光変調装置を利用したプロジェクタにおいても、同様に発生する問題である。
【0045】
従って、反射型光変調装置の光入射面を照明する光の照明効率を向上させるために、照明領域の像に発生する歪を抑制して、照明領域の像を高精度に結像させることが望まれている。
【0046】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、反射型光変調装置を利用するプロジェクタにおいて、照明領域の像を高精度に結像させて、画像の投写効率を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。さらに、SCR技術を適用したプロジェクタにおいて、照明領域の像を高精度に結像させて、表示画像の品質を高めることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、画像を投写するプロジェクタであって、
集光光を射出する光源装置と、
前記集光光が集束する位置近傍に光入射面が位置するように配置され、前記光源装置から射出された光を均一化して射出するためのインテグレータロッドと、
光入射面から入射する光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、
前記インテグレータロッドの光射出面における光の像を前記反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域で結像させるとともに、前記インテグレータロッドから射出される光を前記反射型光変調装置の光入射面に入射させるためのリレー光学系と、
前記反射型光変調装置から射出される画像光の表す画像を投写する投写光学系と、を備え、
前記反射型光変調装置の光入射面から入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に垂直な中心軸に対して傾斜して入射しており、
前記リレー光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズは、該レンズの中心軸が前記インテグレータロッドから射出される光の中心軸に対して傾斜して配置されていることを特徴とする。
【0048】
反射型光変調装置の光入射面に垂直な中心軸に対して傾斜して入射する光によって照明される反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域(照明領域)の像には、入射する光の傾斜に応じて歪みやピントずれ等が発生することが一般的である。しかしながら、上記発明のプロジェクタにおいては、リレー光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズの中心軸を、インテグレータロッドから射出される光の中心軸に対して傾斜させて配置しているので、例えば、このレンズの中心軸の傾斜を、反射型光変調装置の光入射面に入射する光の傾斜に応じて設定することにより、照明領域の像に発生する歪みやピントずれを抑制することができる。この結果、照明領域の像を高精度に結像させて、画像の投写効率を向上させることが可能となる。
【0049】
例えば、上記発明のプロジェクタにおいて、
前記反射型光変調装置の略矩形状の輪郭を有する光入射面の四辺のうち、比較的長い対向する二辺に垂直な方向を上下方向と規定し、
前記反射型光変調装置の光入射面に入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に向かって前記上下方向を基準として右斜め下方向から入射しており、
前記レンズの中心軸は、前記インテグレータロッドの光射出面から射出される光の中心軸に対して、該光の進行方向に向いて前記上下方向を基準として左斜め上方向に傾斜して配置されていることが好ましい。
【0050】
あるいは、上記発明のプロジェクタにおいて、
前記反射型光変調装置の略矩形状の輪郭を有する光入射面の四辺のうち、比較的長い対向する二辺に垂直な方向を上下方向と規定し、
前記反射型光変調装置の光入射面に入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に向かって前記上下方向を基準として左斜め下方向から入射しており、
前記レンズの中心軸は、前記インテグレータロッドの光射出面から射出される光の中心軸に対して、該光の進行方向に向いて前記上下方向を基準として右斜め上方向に傾斜して配置されていることも好ましい。
【0051】
なお、前記リレー光学系は、前記インテグレータロッドの光射出面における光の像を、前記反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域上で結像するための少なくとも2群のレンズ群を有しており、
前記少なくとも1枚のレンズは、前記少なくとも2群のレンズ群のうち、前記インテグレータロッドに最も近いレンズ群に含まれていることが好ましい。
【0052】
インテグレータロッドに最も近いレンズ群に含まれている少なくとも1枚のレンズの中心軸の傾斜を、反射型光変調装置の光入射面に入射する光の傾斜に応じて調整するようにすれば、照明領域の形状に発生する歪みやピントずれを、比較的容易に抑制することが可能となる。なお、レンズ群に含まれるレンズは、1枚であっても複数枚であってもよい。
【0053】
上記発明のプロジェクタにおいて、
さらに、前記インテグレータロッドの光射出面に近接して配置されたカラーホイールを備え、
前記インテグレータロッドの光入射面には、前記光源装置から射出される集光光の中心軸を略中心とする開口部と、前記開口部の外周側に位置し、前記インテグレータロッド内の前記光射出面側から前記光入射面側に向かって進む光を反射する反射面とを有する反射ミラーが形成されており、
前記カラーホイールは、所望の色光を透過し他の色光を反射する反射型色フィルタが、前記インテグレータロッドから射出された光を複数の色光に区分して透過するようにスパイラル状に複数形成され、前記カラーホイールが前記インテグレータロッドの光射出面から射出される光の中心軸に略平行な回転軸を中心に回転することにより、前記カラーホイールを透過する光に含まれる複数の色光の区分領域が循環的に変化するように構成されていることが好ましい。
【0054】
上記構成にすれば、SCR技術を利用したプロジェクタを構成することができる。ここで、上述したように、SCR技術を利用したプロジェクタにおいては、反射型光変調装置の照明領域の像に発生する歪みやピントずれを抑制して、カラーホイールを通過した光に含まれる複数の色光の区分領域の境界線を、高精度に結像させることが望まれている。従って、上記構成のSCR技術を利用したプロジェクタにおいて、リレー光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズの中心軸を、インテグレータ光学系から射出される光の中心軸に対して傾斜するように配置すれば、照明領域の像に発生する歪みやピントずれを抑制して、照明領域の像を高精度に結像させることができるので、その効果はより大きい。
【0055】
【発明の実施の形態】
A.実施例:
図1は、本発明の実施例に係るプロジェクタを示す概略平面図である。プロジェクタ1000Aは、従来例で説明したSCRプロジェクタ1000のリレー光学系400をリレー光学系400Aに置き換えた点を除いて同じ構成を有している。なお、反射ミラー500を除く各構成要素100,200,300,400A,600,700,800は、SCRプロジェクタに最低限必要な構成要素を示しており、各構成要素間に反射ミラーやレンズ等の種々の光学要素を適宜配置することが可能である。各構成要素の機能は従来例と全く同じであるので、以下では、図2および図3を用いてリレー光学系400Aについて特に説明を加える。
【0056】
図2は、SCRプロジェクタ1000Aの一部を、リレー光学系400Aを中心に拡大して示す概略平面図であり、図3は、図2のリレー光学系400Aを光の進行方向に向かって右側から見た概略側面図である。ここで、図2および図3は、説明を容易にするため、反射ミラー500を円板状に簡略化した形状で表すとともに、反射を無視して示している。また、SCRホイール300も、円板状に簡略化した形状で示している。
【0057】
図2におけるDMD700は、光入射面702に垂直な中心軸700axが紙面に平行で、DMD700の略矩形状の光入射面702の四辺のうち、比較的長い二辺が紙面に平行となるように配置された状態を示している。なお、比較的長い二辺の対向する方向(図2の紙面に垂直な方向)を上下方向とし、紙面表側を上側と規定する。
【0058】
また、図2および図3では、各レンズの曲面をわかり易くするために、補助線(レンズの中心軸から放射状に伸びる線および曲面の高さを表す閉曲線(いわゆる等高線))を付加して示している。
【0059】
リレー光学系400Aは、2つのレンズ群410,420を備えている。第1のレンズ群410と第2のレンズ群420のうち、第1のレンズ群410は、負のレンズパワーを有する1つのメニスカス凹レンズで構成されている。第2のレンズ群420は、SCRホイール300側から順に配列される、正のレンズパワーを有する2つのメニスカス凸レンズ422,424と、両凹レンズ426と、両凸レンズ428とで構成されている。
【0060】
リレー光学系400Aは、SCRインテグレータ200(図1)の光射出面204における光の像を、DMD700の光入射面702を少なくとも含む領域上で照明領域として結像させる。リレー光学系400Aに含まれる2つのレンズ群のうち、第2のレンズ群420が、主に、SCRインテグレータ200の光射出面204における光の像を、照明領域として結像させるための結像機能を司る。一方、第1のレンズ群410は、主に、DMD700を照明する光の傾斜に起因して発生する、照明領域として結像される光の像(照明領域の像)の歪みやピントずれを抑制するための補償機能を司る。この補償は、DMD700の光入射面702から、光入射面702に垂直な中心軸700axに対して傾斜して入射する光の中心軸の傾斜状態に応じて、メニスカス凹レンズ410の中心軸410axを、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の中心軸に対して傾斜させることにより行われる。なお、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の中心軸は、SCRインテグレータ200の光射出面204に垂直な中心軸200axに等しいので、以下では、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の中心軸の符号を200axとして説明する場合もある。
【0061】
図2および図3の例では、DMD700の光入射面702に対して、右斜め下方向から光を入射させており、これに応じて、第1のレンズ群であるメニスカス凹レンズ410は、その中心軸410axが、SCRインテグレータ200から射出される光の中心軸200axに対して、光の進行方向に向かって左斜め上方向に傾斜するように配置されている。
【0062】
以上のように、本実施例のSCRプロジェクタ1000Aにおいては、DMD700の光入射面702を照明する光の中心軸が、光入射面702に垂直な中心軸700axに対して傾斜して入射する場合において、リレー光学系400Aの第1のレンズ群であるメニスカス凹レンズ410の中心軸410axを、SCRインテグレータ200から射出される光の中心軸200axに対して傾斜させて配置している。これにより、光入射面702に入射する光の傾斜に応じて、メニスカス凹レンズ410の中心軸410axを傾斜させれば、DMD700の光入射面702を照明する照明領域の像に発生する歪みやピントずれを抑制することができる。この結果、照明領域の像を高精度に結像させて、画像の投写効率を向上させることが可能となる。また、カラーホイールを通過した光に含まれる複数の色光の区分領域の境界線を含む照明領域の像を高精度に結像させて、表示画像の品質を高めることが可能となる。
【0063】
B.変形例:
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0064】
B1.変形例1:
図4は、変形例としてのプロジェクタ1000Bの一部を、リレー光学系400Bを中心に拡大して示す概略平面図である。図4は、DMD700の光入射面702に対して左斜め下方向から光を入射させる場合におけるリレー光学系400Bを示している。
【0065】
なお、この変形例におけるSCRプロジェクタ1000Bは、上記DMD700の光入射面702に対して入射する光の傾斜方向に応じて、反射ミラーの配置や反射射方向、およびリレー光学系の構成が変更されている点を除いて、上記実施例のプロジェクタ1000A(図1)と同じであるので、全体の図示および説明を省略する。
【0066】
また、図4のリレー光学系400Bを光の進行方向に向かって左側からみた概略側面図が、光の進行方向が反対となる点を除いて図3と同じであるので、この側面図の図示も省略する。
【0067】
図4は、図2と同様に、説明を容易にするため、反射ミラー500を円板状に簡略化した形状で表すとともに、反射を無視して示している。また、カラーホイール300も、円板状に簡略化した形状で示している。
【0068】
また、図4では、各レンズの曲面をわかり易くするために、補助線(レンズの中心軸から放射状に伸びる線および曲面の高さを表す閉曲線(いわゆる等高線))を付加して示している。
【0069】
図4におけるDMD700も、図2と同様に、光入射面702に垂直な中心軸700axが紙面に平行で、DMD700の略矩形状の光入射面702の四辺のうち、比較的長い二辺が紙面に平行となるように配置された状態を示している。ただし、本例におけるDMD700は、図2におけるDMD700の上下を180度反転させた状態で配置したものである。なお、本例においても、比較的長い二辺の対向する方向(図4の紙面に垂直な方向)を上下方向とし、紙面表側を上側と規定する。
【0070】
ここで、図2におけるDMD700の上下を反転させて配置した場合には、DMD700の光入射面702に対して、右斜め下方向あるいは左斜め上方向からではなく、左斜め下方向あるいは右斜め上方向から光を入射させる必要がある。すなわち、本例のSCRプロジェクタ1000Bにおけるリレー光学系400B(図4)は、図2におけるDMD700の上下を反転させて、DMD700の光入射面702に対して左斜め下方向から光を入射させる場合の構成を示している。
【0071】
このリレー光学系400Bは、図2のリレー光学系400Aと比較すればわかるように、DMD700の光入射面702に垂直な中心軸700axに対して左右対称に配置されている点を除いてリレー光学系400Aと全く同じである。すなわち、リレー光学系400Bは、リレー光学系400Aの第1のレンズ群410および第2のレンズ群420と左右対称な第1のレンズ群410Bおよび第2のレンズ群420Bを備えている。
【0072】
第2のレンズ群420Bは、リレー光学系400Aの第2のレンズ群420を構成する2つのメニスカス凸レンズ422,424と、両凹レンズ426と、両凸レンズ428と、左右対称な2つのメニスカス凸レンズ422B,424Bと、両凹レンズ426Bと、両凸レンズ428Bを備えている。
【0073】
また、第1のレンズ群410Bは、リレー光学系400Aの第1のレンズ群410であるメニスカス凹レンズと左右対対称なメニスカス凹レンズを備えている。さらに、第1のレンズ群であるメニスカス凹レンズ410Bは、その中心軸410Baxがリレー光学系400の第1のレンズ群であるメニスカス凹レンズ410の中心軸410axと左右対称となるように配置されている。具体的には、第1のレンズ群であるメニスカス凹レンズ410Bの中心軸410Baxは、SCRインテグレータの光射出面204から射出される光の中心軸200axに対して、光の進行方向に向かって右斜め上方向に傾斜するように配置されている。
【0074】
リレー光学系400Bを有する本変形例のSCRプロジェクタ1000Bにおいても、DMD700の光入射面702を照明する光の中心軸が、光入射面702に垂直な中心軸700axに対して傾斜して入射する場合において、リレー光学系400Bの第1のレンズ群であるメニスカス凹レンズ410Bの中心軸410Baxを、SCRインテグレータ200から射出される光の中心軸200axに対して傾斜させて配置している。これにより、光入射面702に入射する光の傾斜に応じて、メニスカス凹レンズ410Bの中心軸410Baxを傾斜させれば、光入射面702を照明する照明領域の像に発生する歪みやピントずれを抑制することができる。この結果、照明領域の像を高精度に結像させて、画像の投写効率を向上させることが可能となる。また、カラーホイールを通過した光に含まれる複数の色光の区分領域の境界線を含む照明領域の像を高精度に結像させて、表示画像の品質を高めることが可能となる。
【0075】
なお、図2および図4では、説明を容易にするために、反射ミラー500における反射を無視して示している。このため、上記説明では、本変形例のリレー光学系400B(図4)が、実施例のリレー光学系400A(図2)とDMD700の光入射面に垂直な中心軸700axに対して左右方向で対称であるとして説明している。しかしながら、実際に反射ミラー500を備えている場合、DMD700の光入射面に垂直な中心軸700axに対し左右方向で対称とはならない。反射ミラー500を備える実際の場合には、図1に示した光源装置100から反射ミラー500までのシステム光軸1000ax、あるいは、SCRインテグレータ200から射出面204に垂直な中心軸200ax(光射出面204から射出される光の中心軸)に対して左右方向で対称となるように配置される。
【0076】
B2.変形例2:
図5は、他の変形例としてのプロジェクタ1000Cの一部を、リレー光学系400Cを中心に拡大して示す概略平面図であり、図6は、図5のリレー光学系400Cを光の進行方向に向かって右側から見た概略側面図である。なお、この変形例におけるSCRプロジェクタ1000Cは、リレー光学系の構成が変更されている点を除いて、上記実施例のプロジェクタ1000A(図1)と同じであるので、全体の図示および説明を省略する。
【0077】
図5および図6も、図2および図3と同様に、説明を容易にするため、反射ミラー500を円板状に簡略化した形状で表すとともに、反射を無視して示している。また、カラーホイール300も、円板状に簡略化した形状で示している。
【0078】
また、図5および図6では、図2および図3と同様に、各レンズの曲面をわかり易くするために、補助線(レンズの中心軸から放射状に伸びる線および曲面の高さを表す閉曲線(いわゆる等高線))を付加して示している。
【0079】
図5におけるDMD700も、図2と同様に、光入射面702に垂直な中心軸700axが紙面に平行で、DMD700の略矩形状の光入射面702の四辺のうち、比較的長い二辺が紙面に平行となるように配置された状態を示している。なお、本例においても、比較的長い二辺の対向する方向(図5の紙面に垂直な方向)を上下方向とし、紙面表側を上側と規定する。
【0080】
このリレー光学系400Cは、実施例のリレー光学系400A(図2および図3)と同様に、第1のレンズ群410Cと、第2のレンズ群420Cとを備えている。第1のレンズ群410Cは、SCRホイール300側から順に配列される、正のレンズパワーを有するメニスカス凸レンズ912と負のレンズパワーを有するメニスカス凹レンズ914とで構成されている。第2のレンズ群420Cは、SCRホイール300側から順に配列される、2つの両凸レンズ922,924と、メニスカス凸レンズ926と、両凹レンズ928と、両凸レンズ930と、メニスカス凸レンズ932とで構成されている。
【0081】
第2のレンズ群420Cは、実施例のリレー光学系400Aにおける第2のレンズ群420と同様に、主に、SCRインテグレータ200の光射出面204の光の像を、照明領域として結像させるための結像機能を司る。第1のレンズ群410Cは、実施例のリレー光学系400Aにおける第1のレンズ群410と同様に、主に、DMD700を照明する光の傾斜によって、照明領域として結像される光の像(照明領域の像)に発生する歪みやピントずれを抑制するための補償機能を司る。この補償は、同様に、DMD700の光入射面702から、光入射面702に垂直な中心軸700axに対して傾斜して入射する光の中心軸の傾斜状態に応じて、第1のレンズ群410Cの中心軸410Cax、すなわち、メニスカス凸レンズ912の中心軸912axおよびメニスカス凹レンズ914の中心軸914axを、SCRインテグレータ200の光射出面204から射出される光の中心軸200axに対して傾斜させることにより行われる。
【0082】
リレー光学系400Cを有する本変形例のSCRプロジェクタ1000Cにおいても、DMD700の光入射面702を照明する光の中心軸が、光入射面702に垂直な中心軸700axに対して傾斜して入射する場合において、リレー光学系400Cの第1のレンズ群410Cの中心軸410Caxを、SCRインテグレータ200から射出される光の中心軸200axに対して傾斜させて配置している。これにより、光入射面702に入射する光の傾斜に応じて、第1のレンズ群410Cの中心軸410Caxを傾斜させれば、光入射面702を照明する照明領域の像に発生する歪みやピントずれを抑制することができる。この結果、照明領域の像を高精度に結像させて、画像の投写効率を向上させることが可能となる。また、カラーホイールを通過した光に含まれる複数の色光の区分領域の境界線を含む照明領域の像を高精度に結像させて、表示画像の品質を高めることが可能となる。
【0083】
なお、本変形例では、実施例と同様に、DMD700の光入射面702に対して右斜め下方向から光を入射させる場合の例を示しているが、変形例1と同様に、DMD700の光入射面702に対して左斜め下方向から光を入射させるようにすることも可能である。
【0084】
B3.変形例3:
リレー光学系を構成する第2のレンズ群の構成は、上述の実施例や変形例に限定されるものではなく、主に結像機能を司ることが可能なものであれば、構成するレンズの枚数や、レンズの種類、レンズの組み合わせは、どのようなものであってもよい。また、第1のレンズ群の構成も、主に補償機能を司ることが可能なものであれば、構成するレンズの枚数や、レンズの種類、レンズの組み合わせは、どのようなものであってもよい。
【0085】
B4.変形例4:
【0086】
上記実施例や変形例では、リレー光学系を、第1のレンズ群と、第2のレンズ群で構成し、インテグレータロッドに最も近い第1のレンズ群に含まれる少なくとも1枚のレンズの中心軸を傾斜させて、照明領域の像に発生する歪みやピントずれを補償する場合を例に説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、第2のレンズ群に含まれる少なくとも1枚のレンズの中心軸を傾斜させるようにしてもよい。すなわち、リレー光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズの中心軸を傾斜させて、DMDを照明する光の傾斜によって発生する、照明領域の像の歪みやピントずれを抑制するようにすればよい。
【0087】
ただし、インテグレータロッドに最も近い第1のレンズ群に含まれる少なくとも1枚のレンズの中心軸を傾斜させるほうが、DMDを照明する光の傾斜によって発生する照明領域の像の歪みやピントずれを比較的容易に抑制することが可能である。
【0088】
B5.変形例5:
上記実施例や変形例では、リレー光学系を2群のレンズ群で構成する例を示しているが、これに限定されるものではなく、3群以上のレンズ群を有する構成としてもよい。
【0089】
B6.変形例6:
上記実施例や変形例では、反射型光変調装置としてDMDを備えているプロジェクタを例に説明しているが、例えば、1つの反射型液晶パネルを備えるプロジェクタにも本発明を適用することが可能であり、種々の反射型変調装置を利用したプロジェクタにも本発明を適用することが可能である。
【0090】
B7.変形例7:
上記実施例や変形例では、SCR技術を利用したプロジェクタを例に説明しているが、これを利用しないプロジェクタにも本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプロジェクタを示す概略平面図である。
【図2】SCRプロジェクタ1000Aの一部を、リレー光学系400Aを中心に拡大して示す概略平面図である。
【図3】図2のリレー光学系400Aを光の進行方向に向かって右側から見た概略側面図である。
【図4】変形例としてのプロジェクタ1000Bの一部を、リレー光学系400Bを中心に拡大して示す概略平面図である。
【図5】他の変形例としてのプロジェクタ1000Cの一部を、リレー光学系400Cを中心に拡大して示す概略平面図である。
【図6】図5のリレー光学系400Cを光の進行方向に向かって右側から見た概略側面図である。
【図7】SCR技術を用いたプロジェクタの要部を示す概略平面図である。
【図8】SCRインテグレータ200を示す説明図である。
【図9】SCRホイール300を示す説明図である。
【図10】SCRホイール300で反射された光について示す説明図である。
【図11】SCRホイール300を通過した光の像を模式的に示す説明図である。
【図12】DMD700の光入射面702を照明する実際の照明領域LAを示す説明図である。
【図13】照明領域LAの像に歪みやピントずれが発生する場合における問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1000…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000A…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000B…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000C…プロジェクタ(SCRプロジェクタ)
1000ax…システム光軸
100…光源装置
110…楕円リフレクタ
120…光源ランプ
200…SCRインテグレータ(SCR用のインテグレータロッド)
200ax…中心軸
202…光入射面
204…光射出面
206…反射ミラー
300…SCRホイール(SCR用のカラーホイール)
310…フィルタ面
310R…R光透過フィルタ
310G…G光透過フィルタ
310B…B光透過フィルタ
320…回転軸
400…リレー光学系
500…反射ミラー
600…フィールドレンズ
700…DMD
700ax…中心軸
702…光入射面
800…投写レンズ(投写光学系)
400A…リレー光学系
410…第1のレンズ群(メニスカス凹レンズ)
410ax…中心軸
420…第2のレンズ群
422,424…メニスカス凸レンズ
426…両凹レンズ
428…両凸レンズ
400B…リレー光学系
410B…第1のレンズ群(メニスカス凹レンズ)
410Bax…中心軸
420B…第2のレンズ群
422B,424B…メニスカス凸レンズ
426B…両凹レンズ
428B…両凸レンズ
400C…リレー光学系
410C…第1のレンズ群
410Cax…中心軸
912…メニスカス凸レンズ
912ax…中心軸
914…メニスカス凹レンズ
914ax…中心軸
420C…第2のレンズ群
922,924…両凸レンズ
926…メニスカス凸レンズ
928…両凹レンズ
930…両凸レンズ
932…メニスカス凸レンズ

Claims (5)

  1. 画像を投写するプロジェクタであって、
    集光光を射出する光源装置と、
    前記集光光が集束する位置近傍に光入射面が位置するように配置され、前記光源装置から射出された光を均一化して射出するためのインテグレータロッドと、
    光入射面から入射する光を、与えられた画像信号に応じて反射して画像を表す画像光として射出する反射型光変調装置と、
    前記インテグレータロッドの光射出面における光の像を前記反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域で結像させるとともに、前記インテグレータロッドから射出される光を前記反射型光変調装置の光入射面に入射させるためのリレー光学系と、
    前記反射型光変調装置から射出される画像光の表す画像を投写する投写光学系と、を備え、
    前記反射型光変調装置の光入射面から入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に垂直な中心軸に対して傾斜して入射しており、
    前記リレー光学系に含まれる少なくとも1枚のレンズは、該レンズの中心軸が前記インテグレータロッドから射出される光の中心軸に対して傾斜して配置されている、プロジェクタ。
  2. 請求項1記載のプロジェクタであって、
    前記反射型光変調装置の略矩形状の輪郭を有する光入射面の四辺のうち、比較的長い対向する二辺に垂直な方向を上下方向と規定し、
    前記反射型光変調装置の光入射面に入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に向かって前記上下方向を基準として右斜め下方向から入射しており、
    前記レンズの中心軸は、前記インテグレータロッドの光射出面から射出される光の中心軸に対して、該光の進行方向に向いて前記上下方向を基準として左斜め上方向に傾斜して配置されている、プロジェクタ。
  3. 請求項1記載のプロジェクタであって、
    前記反射型光変調装置の略矩形状の輪郭を有する光入射面の四辺のうち、比較的対向する二辺に垂直な方向を上下方向と規定し、
    前記反射型光変調装置の光入射面に入射する光は、該光の中心軸が前記反射型光変調装置の光入射面に向かって前記上下方向を基準として左斜め下方向から入射しており、
    前記レンズの中心軸は、前記インテグレータロッドの光射出面から射出される光の中心軸に対して、該光の進行方向に向いて前記上下方向を基準として右斜め上方向に傾斜して配置されている、プロジェクタ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプロジェクタであって、
    前記リレー光学系は、前記インテグレータロッドの光射出面における光の像を、前記反射型光変調装置の光入射面を少なくとも含む領域上で結像するための少なくとも2群のレンズ群を有しており、
    前記少なくとも1枚のレンズは、前記少なくとも2群のレンズ群のうち、前記インテグレータロッドに最も近いレンズ群に含まれている、プロジェクタ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプロジェクタであって、
    さらに、前記インテグレータロッドの光射出面に近接して配置されたカラーホイールを備え、
    前記インテグレータロッドの光入射面には、前記光源装置から射出される集光光の中心軸を略中心とする開口部と、前記開口部の外周側に位置し、前記インテグレータロッド内の前記光射出面側から前記光入射面側に向かって進む光を反射する反射面とを有する反射ミラーが形成されており、
    前記カラーホイールは、所望の色光を透過し他の色光を反射する反射型色フィルタが、前記インテグレータロッドから射出された光を複数の色光に区分して透過するようにスパイラル状に複数形成され、前記カラーホイールが前記インテグレータロッドの光射出面から射出される光の中心軸に略平行な回転軸を中心に回転することにより、前記カラーホイールを透過する光に含まれる複数の色光の区分領域が循環的に変化するように構成されている、プロジェクタ。
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JP (1) JP2004021094A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007537461A (ja) * 2004-03-11 2007-12-20 トムソン ライセンシング 偏光回復及び集積を伴う複数のランプ照明システム
JP2011059317A (ja) * 2009-09-09 2011-03-24 Mitsubishi Electric Corp 投写型表示装置
JP2011164611A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Lg Innotek Co Ltd プロジェクター

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