JP2004020812A - 定着装置・画像形成装置・ニップ形成方法 - Google Patents

定着装置・画像形成装置・ニップ形成方法 Download PDF

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藤田 貴史
Shigeo Kurotaka
黒高 重夫
Katsuhiro Echigo
越後 勝博
Jun Yura
由良 純
Hisashi Kikuchi
菊地 尚志
Atsushi Nakato
中藤 淳
Hirokazu Ikegami
池上 廣和
Satohiko Baba
馬場 聡彦
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Abstract

【課題】ウォームアップ時間が短く、均一なニップ圧を得ることができ、且つ円滑な回転による安定した搬送性が得られるようにする。
【解決手段】回転体54の内部には磁力発生手段としての磁石55が設けられ、薄肉ベルト状の回転体52の内部には磁石55の磁力により吸引されてニップNPを形成する磁性体57が設けられている。磁性体57と回転体52との間には磁性体57と回転体52間の摩擦抵抗を低減する粒状体の低摩擦材58が設けられている。未定着画像を保持した用紙36がニップNPを通され、熱と圧力を加えられて定着がなされる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着装置、該定着装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、定着装置におけるニップ形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機では、像担持体としての感光体に原稿を読み取った画像情報に基づいて静電潜像を形成し、この静電潜像を現像手段でトナー像として可視像化し、トナー像を記録材に転写した後、定着装置で定着することが行われている。トナー画像の定着方式としては、加熱定着方式、圧力定着方式、溶剤定着方式等が知られている。加熱定着方式は、トナーを熱によって溶解させ、圧力をかけて記録材に固定される方式で広く採用されている。
加熱定着方式の中で最も一般的なものは、内部にハロゲンヒータを有する金属ローラ(加熱ローラ)とこれに圧接する加圧ローラを有する構成をなし、ハロゲンヒータで加熱することで温度・圧力による定着に必要な伝熱を得るとともに記録材の搬送を兼ねる方式のものである。
加圧ローラと加熱ローラのいずれか一方をその両端部をバネ等で加圧して他方に圧接することによりニップを形成するようになっている。
【0003】
しかしながら、上記加熱定着方式では、金属ローラの熱容量が大きいためにウォームアップ時間が長いという欠点がある。ウォームアップ時間を短くするために、一般的に予熱によりローラ温度を定着時に必要な温度近辺に維持するいわゆる予熱モードが採用されているが、未使用時に多くのエネルギーを無駄に消費するという問題を抱えている。
元々のウォームアップが10秒以下程度であれば、予熱無しか従来に比べ極めて低温の予熱でユーザーはほとんど不便無く装置を使用でき、エネルギーの無駄も抑制できる。
この要請に応えるべく、金属ローラの芯金を薄肉としたり、定着部材をベルトとして熱容量を低減することが行なわれている。
【0004】
また、上記加熱定着方式では、加圧ローラと加熱ローラの一方の両端部に圧力を加えてニップを形成する方式であるため、記録材の幅方向におけるニップ圧が端部近傍と中央部では中央部が低くなり、定着性が不均一になるという問題があった。
この問題を解消すべく、特開平5−165367号公報には、加熱ローラを磁性材料で形成するとともに、加圧ローラの内部に磁力発生手段を設け、磁力によって加熱ローラを加圧ローラ側へ吸引してニップを形成する定着装置が提案されている。
この磁力によるニップ形成方式によれば、加圧ローラの軸方向全体に亘って吸引力すなわちニップ圧力が一定となるので、定着性が不均一になることを抑制することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ウォームアップ時間を短くすべく、金属ローラを極端に薄肉化すると剛性がなくなり、加圧部材との間の圧力(ニップ圧力)が維持できず、定着に必要な伝熱が不十分となり、記録材の搬送も安定しないという問題があった。
この種の定着装置では定着に必要な最低限の加圧力(ニップ圧力)が存在する。磁力発生手段による吸引力は吸引材の厚みに比例するので(後述)、特開平5−165367号公報に記載された加熱ローラを磁性体とする方式では、上記必要最低限の加圧力を確保するためには加熱ローラの厚みを十分に厚くする必要があり、そうした場合熱容量の増大を招き、結局ウォームアップ時間が長くなるという問題が一方で生じることを避けられなかった。
【0006】
この問題に対処すべく、本出願人は特願2000−00000号にて、熱容量の増大を招くことなく均一なニップ圧力を得ることができる定着装置を提案した。
これは、例えば一対の回転体のうちの一方の内部に磁石を設け、且つ他方の回転体の内部に作用部材(磁性体)を設け、磁力で磁性体を吸引することによりニップを形成するものである。
この方式によれば、回転体全体を吸引するのではなくニップを形成するのに必要な磁性体のみを吸引するので、回転体を熱容量の小さい薄肉とすることができ、回転体の剛性がなくても均一なニップ圧を得ることができる。
しかしながら、磁力により吸引される作用部材と該作用部材が設けられる回転体との間の摺動抵抗により、異音が発生したり、摩耗により耐久性が低下する懸念が生じた。
【0007】
そこで、本発明は、ウォームアップ時間が短く、均一なニップ圧を得ることができ、且つ円滑な回転による安定した搬送性が得られる定着装置、該定着装置を有する画像形成装置及びニップ形成方法の提供を、その主な目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、ニップを形成する一対の回転体を有し、トナー画像と記録媒体を上記ニップに通して加熱と加圧により定着を行う定着装置において、上記一対の回転体のうちのいずれか一方の回転体の内部に設けられる磁力発生手段と、上記一対の回転体のうちのいずれか一方の回転体の内部に設けられ上記磁力発生手段の磁力により上記ニップを形成するように作用する作用部材を有し、該作用部材と該作用部材が設けられる方の回転体(以下、「作用部材側回転体」と称する。)との間の摩擦を低減するように構成されていることとした。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が上記作用部材側回転体と対向する側の回転体の内部に設けられ、該磁力発生手段が設けられる回転体は非磁性体である、という構成を採っている。
【0010】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の定着装置において、上記作用部材と上記作用部材側回転体との間に低摩擦材が設けられている、という構成を採っている。
【0011】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の定着装置において、上記低摩擦材が転がり部材である、という構成を採っている。
【0012】
請求項5記載の発明では、請求項4記載の定着装置において、上記転がり部材が粒状体である、という構成を採っている。
【0013】
請求項6記載の発明では、請求項4記載の定着装置において、上記転がり部材が線状体である、という構成を採っている。
【0014】
請求項7記載の発明では、請求項3記載の定着装置において、上記低摩擦材が、磁性体を分散した耐熱性の液状物質である、という構成を採っている。
【0015】
請求項8記載の発明では、請求項4に記載の定着装置において、上記転がり部材に微小粒子が添加されている、という構成を採っている。
【0016】
請求項9記載の発明では、請求項5又は7記載の定着装置において、上記作用部材がメッシュ形状を有している、という構成を採っている。
【0017】
請求項10記載の発明では、請求項3記載の定着装置において、上記低摩擦材がグラファイトシートである、という構成を採っている。
【0018】
請求項11記載の発明では、請求項1又は2記載の定着装置において、上記作用部材が低摩擦材である、という構成を採っている。
【0019】
請求項12記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が磁石であり、次式で計算される温度以下(有効数字二桁)に概ね保つ、という構成を採っている。
0.24×キュリー温度−1.4×最大エネルギー積+95
【0020】
請求項13記載の発明では、請求項12記載の定着装置において、上記磁石の少なくとも一部がネオジウム合金からなり、該磁石の温度を150℃以下に保つ、という構成を採っている。
【0021】
請求項14記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が磁石であり、上記磁石が軟磁性材料からなる断面コ字形のホルダに隙間を有して収容されている、という構成を採っている。
【0022】
請求項15記載の発明では、請求項14記載の定着装置において、上記ホルダの外面に非磁性体の放熱部材が設けられている、という構成を採っている。
【0023】
請求項16記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記作用部材がパーメンジュール合金を含む、という構成を採っている。
【0024】
請求項17記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段の表面の少なくとも一部に断熱性のギャップ保持部材が設けられ、該ギャップ保持部材に上記回転体の内面が押し当てられる、という構成を採っている。
【0025】
請求項18記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が設けられる回転体は非磁性体であり、マンガン系アルミニウム合金により薄肉の管状に形成されている、という構成を採っている。
【0026】
請求項19記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記作用部材側回転体が可撓性を有し、該作用部材側回転体の内部には熱源が設けられているとともに該作用部材側回転体の変形を防止する変形防止部材が設けられている、という構成を採っている。
【0027】
請求項20記載の発明では、請求項19記載の定着装置において、上記変形防止部材が金属で形成され、該変形防止部材の抵抗値が所定値以上になった際に上記熱源への通電を遮断する、という構成を採っている。
【0028】
請求項21記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記一対の回転体のうちいずれか一方の回転体の回転を電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段を有し、該エネルギー変換手段により得られた電気エネルギーにより熱源への通電回路を駆動する、という構成を採っている。
【0029】
請求項22記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記一対の回転体のうち少なくとも一方が可撓性を有するベルト状に形成され、該ベルト状の回転体の両端部の内側と外側がリング状部材で挟み込まれて円筒形状に保持され且つ幅方向外向きのテンションを付与されている、という構成を採っている。
【0030】
請求項23記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の非画像領域に、他方の回転体との摩擦力を高める高摩擦面が設けられている、という構成を採っている。
【0031】
請求項24記載の発明では、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が上記作用部材から遠ざかるように移動可能に設けられている、という構成を採っている。
【0032】
請求項25記載の発明では、画像形成装置において、請求項1乃至24の何れか1つに記載の定着装置を有する、という構成を採っている。
【0033】
請求項26記載の発明では、一対の回転体を圧接して定着のためのニップを形成するニップ形成方法において、一方の回転体の内部に磁性体を設け、該磁性体を磁力により引き付けることによって該回転体を他方の回転体に圧接し、且つ、上記磁性体と上記一方の回転体の間の摩擦を低減することとした。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ2の概要構成を説明する。プリンタ2は、給紙装置4と、レジストローラ対6と、像担持体としての感光体ドラム8と、転写手段10と、定着装置50等を有している。
給紙装置4は、記録媒体としての用紙36が積載状態で収容される給紙トレイ14と、給紙トレイ14に収容された用紙36を最上のものから順に給送する給紙コロ16及び分離部材17等を有している。
給紙コロ16によって送り出された用紙36はレジストローラ対6で一旦停止され、斜めずれを修正された後、感光体ドラム8の回転に同期するタイミングで、すなわち、感光体ドラム8上に形成されたトナー像の先端と用紙36の搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイミングでレジストローラ対6により転写部位Nへ送られる。
【0035】
感光体ドラム8の周りには、矢印で示す回転方向順に、帯電手段としての帯電ローラ18と、光書き込み手段15と、ミラー20と、現像剤担持体としての現像スリーブ27等を備えた非磁性一成分現像方式の現像装置22と、転写手段10と、クリーニングブレード24aを備えたクリーニング手段24等が配置されている。
帯電ローラ18と現像装置22の間において、ミラー20を介して感光体ドラム8上の露光部26にレーザ光Lbが照射され、走査されるようになっている。
【0036】
プリンタ2における画像形成動作は従来と同様に行われる。すなわち、感光体ドラム8が回転を始めると、感光体ドラム8の表面が帯電ローラ18により均一に帯電され、画像情報に基づいてレーザ光Lbが露光部26に照射、走査されて作成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体ドラム8の回転により現像装置22へ移動し、ここで現像スリーブ27によりトナーが供給されて可視像化され、トナー像が形成される。
感光体ドラム8上に形成されたトナー像は、所定のタイミングで転写部位Nに進入してきた用紙36上に転写手段10による転写バイアス印加により転写される。
【0037】
トナー像を担持した用紙36は一対の回転体52と回転体54を有する定着装置50へ向けて搬送され、定着装置50で熱と圧力により定着された後、図示しない排紙トレイへ排出・スタックされる。転写部位Nで転写されずに感光体ドラム8上に残った残留トナーは、感光体ドラム8の回転に伴ってクリーニング手段24に至り、このクリーニング手段24を通過する間にクリーニングブレード24aにより掻き落とされて清掃される。
その後、感光体ドラム8上の残留電位が図示しない除電手段により除去され、次の作像工程に備えられる。
【0038】
図2に示すように、回転体54の内部には磁力発生手段としての磁石55が設けられている。磁石55は、回転体52から回転体54への熱伝導方向と直交する方向に少なくとも1組の異極が配置された構成を有しており、磁性材料(軟磁性材料)からなる断面コ字形のホルダ56に収容されている。
一方、回転体52の内部には熱源としてのハロゲンヒータ53が設けられているとともに、磁石55の磁力によりニップNPを形成するように作用する作用部材としての磁性体57が図示しない側板間に支持されて固定されている。磁性体57は円弧状に湾曲し且つ回転体52の回転軸心方向に延びる帯板形状を有しており、回転体52内で上下方向(回転体52と回転体54の中心を結ぶ方向)の移動のみが許容される状態に図示しないガイド部材で拘束されている。
ニップNP領域における磁性体57の下面側には、磁性体57と回転体52の内面との摩擦を低減する低摩擦材58が設けられている。
【0039】
図示しない駆動源により回転体54が回転駆動され、この回転により回転体52が従動回転するようになっている。回転体52の外面の適正箇所には回転体52の温度を検知するための温度検知手段としてのサーミスタ60が設けられている。サーミスタ60の検知情報は制御手段61に入力され、制御手段61はこの温度情報に基づいてハロゲンヒータ53への電力供給を制御し、定着温度を制御する。
【0040】
回転体54は非磁性体であり、厚みが0.25mmの薄肉のマンガン系アルミニウム合金管として形成されており、その表面には厚みが0.02mmのPFA樹脂層が離型層として形成されている。
回転体52は、厚みが0.09mmのポリイミドを基体として形成されており、その上に厚みが0.1mmのシリコーンゴム層が形成され、さらに厚みが0.02mmのPFA樹脂層が離型層として形成されている。すなわち、回転体52は薄肉のベルトとして形成されている。
作用部材(磁石55の磁力によって吸引される被吸引部材)としての磁性体57は厚みが0.3mmの鉄板で形成されている。
【0041】
回転体52の内側と磁性体57の摺動面に存在する低摩擦材58として、本実施形態では転がり部材としての粒状体(粉体の概念を含む)を使用している。ここで、転がり部材とは、ころがり接触を呈する部材を意味する。
粒状体の具体例としては、二硫化モリブデンやシリカ粉、表面をシリコーンコート処理した球形鉄粉等を採用することができる。表面をシリコーンコート処理する目的は、摩擦低減性の向上と防錆等である。二硫化モリブデンはその劈開性から摺動部には多用される物質であり、自動車のエンジンにも用いられることからも分かるように耐熱性にも優れている。
粒状体はニップNP領域からの移動を抑制するために磁性体であることが望ましい。
【0042】
図3に示すように、磁石55とホルダ(ヨーク)56との間には、通紙方向両側において隙間gが形成されており、磁石55とホルダ56間が連続面を形成しないようにしている。これにより強い磁力線を得ることができる。磁石55の使用方法としては、図4(a)、(b)に示すように、磁石単体としての使用も可能であるが、図3及び図4(c)〜(f)に示すように、磁性体からなるコ字形状を含むヨークを用いることで強い吸引力を得ることができる。これは、吸引力に有効な図中縦方向の磁力線が形成しやすくなるためである。
また、コ字形状は同じ材料の重量で断面二次モーメントが増大するため、吸引力による撓みにも有利であり、小型のユニットで均一な吸引力を得ることができる利点を有している。
【0043】
磁石55は、例えば1500〜3000ガウスの磁束密度を有するものを採用でき、回転体54の内側との間に0.05mmのギャップを有するように配置されている。磁石55は少なくとも一部がネオジウム合金からなり、磁石55の温度を150℃以下に保つように制御している。その理由を以下に述べる。
表1に、現在広く利用されている磁石の材料特性を示す。ネオジウム1とネオジウム2の違いは合金組成の相違であり、同じネオジウム系でも使用上限温度に差を持たせることができることを意味している。
【0044】
【表1】
Figure 2004020812
【0045】
磁石は高温で磁力が低下し、ある一定温度以上では不可逆的な永久減磁が生じてしまう。従って、磁力が低下しないように磁石の使用温度を管理する必要がある。
この温度はキュリー温度が高いほど高く、最大エネルギー積が大きいほど、すなわち強い磁石ほど低下することが知られているが、この関係を解析した結果、下記近似式で非常に一致した結果が得られた。その結果を図5に示す。
使用上限温度=0.24×キュリー温度−1.4×最大エネルギー積+95
組成・結晶構造の全く異なる磁石間でよく近似されることから、今後、さらに最大エネルギー積の大きな磁石を利用した場合もこの式に沿うと予想され、温度に留意した利用が可能となる。
磁石の温度は強制的に制御することも可能であるが、比較的安価で強力なネオジウム合金磁石でも150℃以下で利用できる。実験の結果、定着側(回転体52側)と加圧側(回転体54側)の温度差から、定着設定温度が170℃でも磁石55の温度を150℃(使用上限温度)以下に維持できることが確認された。ここでの150℃は定着設定温度ではなく、連続通紙時の最高温度を指す。定着設定温度と磁石の最高温度は放熱構造などにより大きく異なるが、概ね設定温度−20℃程度である。
【0046】
上記構成において、磁性体57は磁石55の磁力により吸引され、これによりニップNPが形成される。磁性体57は直接回転体52の内面に当接しないが、低摩擦材58が磁性体57と一体となって回転体52を押圧する。低摩擦材58は粒状体で個々独立しているため、回転体54の表面形状に追随し、回転体52の軸方向全体に亘って圧力の均一なニップNPが形成される。本実施形態では回転体52に回転体54が入り込んだ上向き凸状のニップ形状となり、用紙36の回転体52に対する分離性が高められている。
回転体52、54間の摩擦抵抗と、回転体52と磁性体57間の摩擦抵抗との差が大きいほど回転は安定する。
定着装置の駆動時、低摩擦材58により摺動抵抗が転がり抵抗に変換されて摩擦が大幅に減少し、異音もなく安定した駆動が得られることが確認された。
また、カラー画像を定着した結果、均一な画像が得られた。モノクロ画像又は無光沢なカラー画像の場合はシリコーンゴム層が無くとも均一な画像が得られた。
【0047】
図6乃至図8に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態における定着装置50Aでは、図6に示すように、転がり部材としての線状体からなる低摩擦材62を用いている。図7に示すように、低摩擦材62は、断面が円形の線状体(針状コロの概念を含む)であり、具体的には、パーメンジュール合金(本実施形態での組成はFe49%Co49%V2%)による針状コロである。低摩擦材62としては他に、鉄の針状コロやパーマロイ合金の針状コロなどでもよい。これらの場合も、鉄の場合には特に必要であるが、防錆などの目的でコーティング、表面処理を適宜行うことができる。
【0048】
図8に示すように、本実施形態では低摩擦材62中に微小粒子としてのシリカ紛63を添加している。針状コロ62同士の接触面にシリカ紛63が存在すると、針状コロ62同士が逆方向回転で直接接触する場合に比べて、その回転を仲介する作用が働くため、打消し作用が少なくなり、さらに摩擦抵抗を減じることができる。線状体はニップNP領域からの移動を抑制するために磁性体であることが望ましい。
線状体の低摩擦材62の断面形状としては、図9(a)に示す円形に限らず、楕円形状(図9(b))や図9(c)に示すような形状でもよい。要するに滑らかに連続的につながる断面形状を有していればよく、同等の摩擦低減機能が発現する。このことは粒状体においても同じことが言える。
【0049】
図10に基づいて第3の実施形態を説明する。本実施形態における定着装置50Bでは、磁性体を分散した耐熱性の液状物質による低摩擦材64を用いている。
具体的には、シリコーンオイル中にフェライトを分散した磁性流体を用いている。磁性流体としての低摩擦材64は回転体52の回転に伴って移動しようとするが、磁石55の磁力により引き付けられるため、ニップNP領域にその大部分が常に留まり、安定した摩擦低減機能が得られる。
図11に基づいて第4の実施形態を説明する。本実施形態における定着装置50Cでは、粒状体の低摩擦材58を用いているとともに、作用部材としてメッシュ形状の磁性体65を用いている。メッシュの囲い穴部分65aに粒状体が収容保持されるので、常に良好な摩擦低減機能を得ることができる。
【0050】
図12に基づいて第5の実施形態を説明する。本実施形態における定着装置50Dでは、グラファイトシートからなる低摩擦材66を用いている。グラファイトシートは低摩擦であり摺動材としても利用されているが、熱伝導率も高いため、温度の均一性にも寄与でき、より安定した画質を得ることができる。
図13に基づいて第6の実施形態を説明する。本実施形態における定着装置50Eでは、磁性体からなる粒状体67が低摩擦材を兼ねる作用部材として設けられている。具体的には粒状体として球状鉄粉を用いている。第1の実施形態で説明したように、粒状体で個々独立しているため、回転体54の表面形状に追随し、回転体52の軸方向全体に亘って圧力の均一なニップNPが形成される。
【0051】
図14に示す定着装置50Fのように、磁性体からなる線状体68を低摩擦材を兼ねる作用部材として設けてもよい(第7の実施形態)。線状体68は図6で示したものと同様であり、パーメンジュール合金(Fe49%Co49%V2%)による針状コロである。図6の場合に比べて増量している。線状体68はとしては他に、鉄の針状コロやパーマロイ合金の針状コロなどでもよい。
【0052】
図15に基づいて第8の実施形態を説明する。本実施形態における定着装置50Gでは、回転体54の代わりに回転体52と同様の構成のベルト状の回転体69を用いている。回転体52の外部には熱源70が設けられており、反射板71で加熱効率を高められている。
また、回転体69の内部には磁力発生手段として、直径0.5mmのコロ状磁石72が設けられており、回転体52の内部には低摩擦材を兼ねる作用部材としてのコロ状磁石73(直径0.5mm)が設けられている。
上下の磁石(コロ状磁石73、72)は吸引し合うようにSNの配置を逆にしている。本実施形態で示すように、熱源は必ずしも回転体52の内部に設ける必要はなく、種々の加熱方式を採用できる。
また、既述のように磁石は温度とともに磁力が低下する傾向があるので、無用に温度上昇を招かない構成が有利であり、かかる観点からコロ状磁石73が直接熱せられないように熱源70を回転体52の外部に設ける構成は有利である。
本実施形態では、上下の磁石とも回転体52、69の回転とともに自転するため、安定した駆動を得ることができる。
【0053】
ここで、作用部材(被吸引部材)の形状による吸引力の差を、図16に基づいて模式的に説明する。
同じ材料で同熱容量すなわち同体積の場合、磁石からの距離は、箔(板)<線(針)<粒状体(粉体)の順で離れる。磁力は距離が大きくなればなるほど減少するので、吸引力の観点からは板形状が有利である。しかしながら、上述したように駆動抵抗に対しては線状体、粒状体が極めて有利であるので、回転体52、54の速度、すなわち画像形成装置のプリントスピードに応じて使い分けることができる。
図17は被吸引部材の材料特性を示したグラフである。定着に必要な加圧力を磁力で得るためには、ネオジウム合金磁石などの強い磁石、飽和磁束密度の高い被吸引部材がそれぞれ望ましい。パーメンジュール合金は鋼板よりも20%程度高い飽和磁束密度を有するため、各種磁性材料の中で最も有利である。実験の結果、パーメンジュール合金の利用により、吸引力が鉄の場合に比べて約20%向上することが確認された。
また、パーメンジュール合金の場合には鉄よりも酸化しにくいため、表面処理が不要であり、この点でも本発明の作用部材として適している。なお、作用部材がパーメンジュール合金を一部含む構成でもよい。
【0054】
図18に基づいて第9の実施形態を説明する。本実施形態では、温度上昇による磁石55の磁力低下を抑制すべく、ホルダ56の外面に非磁性体の放熱部材74を設けている。
放熱部材74は、放熱機能を高めるために凹凸により表面積を増大させた形状を有している。放熱部材74としては非磁性の高熱伝導性金属が有利であり、アルミニウム合金、銅などが望ましい。実験の結果、放熱部材74を設けない場合に比べ、アルミニウム合金で磁石温度が約10℃低下し、磁力は2%ほど向上した。
【0055】
図19及び図20に基づいて第10の実施形態を説明する。本実施形態では、磁石55と作用部材間の距離をできるだけ小さくし、吸引力を高めることを目的としている。また、回転体54間のギャップを高精度に均一に維持して変動のない均一なニップ圧力を得ることを目的としている。
図19に示すように、磁石55の上面(回転体54の内面に対する対向面)には、回転体54の軸方向に間隔をおいて複数のギャップ保持部材75が固定されている。ギャップ保持部材75は、磁石55への熱移動を抑制する観点から断熱性を有する材料で線状に形成されている。
【0056】
図21に示すように、回転体54の周方向に不連続なギャップ保持部材76を設ける構成としてもよい(第11の実施形態)。この場合、回転体54との摩擦抵抗を少なくできる利点を有している。
また、図22に示すように、磁石55の上面に回転体54の軸方向に延びる収容孔55aを形成し、この収容孔55aに線状体のギャップ保持部材77を回転自在に保持する構成としてもよい(第12の実施形態)。この場合、回転体54との摩擦抵抗を大幅に少なくできる利点を有している。
【0057】
図23に基づいて第13の実施形態を説明する。薄肉ベルト状の回転体の場合、通紙ジャムなどにより回転体に強い変形力が加わると回転体は容易に変形し、内部の熱源の温度制御が不能になった場合これに触れて発火・焼損する危険がある。本実施形態はこのような不具合に対する対策例である。
回転体52の内部には、変形防止部材としてのアルミニウム製のワイヤ78、79が回転体52に非接触状態に設けられている。ワイヤ78、79はニップNPの部位と共に略三角形を形成するように配置されており、回転体52が変形しても二点鎖線で示すようにハロゲンヒータ53に接触しない状態に維持される。ワイヤ78、79の抵抗値が図示しない抵抗測定手段により制御手段61へ入力される。制御手段61は抵抗値との関係から温度を把握し、ハロゲンヒータ53の温度制御が不能になった場合の基準とし、抵抗値が一定値を超えた場合にはハロゲンヒータ53への電力供給を遮断するとともに、アラームを鳴らしたり、あるいは図示しない表示手段(例えば操作パネル液晶表示部)に表示して警告をする。変形防止部材はワイヤ78、79に限定される必要はなく、抵抗の温度係数が大きな材料であればよい。
【0058】
回転体52の外面にサーモスタットを設けてハロゲンヒータ53の温度制御が不能になった場合の安全装置としてもよいが、回転体52がベルト状で薄肉の場合にはサーモスタットが正常に作動しない懸念がある。これに比べてワイヤ78、79を設けて抵抗値を測定する構成では、確実に異常温度での通電停止を行えるとともに回転体52がハロゲンヒータ53に接触するのを防止することができる。
サーモスタットと併用して2重昇温防止構成としてもよい。
【0059】
図23に基づいて第14の実施形態を説明する。本実施形態では熱源の温度暴走に対する安全性をさらに高めることを目的としている。
回転体(52、54等)の回転力を回転力伝達手段80を介してエネルギー変換手段81に伝える。エネルギー変換手段81は回転力を電気エネルギーに変換する発電装置の構成を有し、エネルギー変換手段81により変換された電気エネルギーによりハロゲンヒータ53への通電回路としての熱源駆動回路82を駆動する。
すなわち、本実施形態では回転体の回転力によりハロゲンヒータ53への通電をオン・オフするもので、回転体が回転していないときはハロゲンヒータ53への通電はなされない。換言すれば、回転体が回転している場合しかハロゲンヒータ53は発熱しない。回転時は両回転体の熱容量と放熱により温度上昇が停止時に比べて緩やかであり、瞬時に危険な温度に到達する心配はない。これに対し、停止時は、熱容量が半減し、回転による放熱も起きないため、瞬時に危険な温度に到達する危険があり、ニップ部のみ熱容量が大きいため、その後に回転しても回転方向の温度ムラが解消しにくい。
【0060】
図25に基づいて第15の実施形態を説明する。本実施形態では薄肉のベルト状の回転体を安定駆動することを目的としている。可撓性を有する回転体83(回転体52と同様の構成)の両端部はそれぞれ内側に位置するリング状部材84と、外側に位置するリング状部材85により挟み込まれている。内側のリング状部材84は剛体としての金属パイプ84aと、金属パイプ84aの外面に設けられたゴム層84bを有している。外側のリング状部材85は、駆動力を伝達するためのギヤ部85aと、小径部85bを有しており、小径部85bには軸受86が設けられている。
矢印で示すように図示しない手段により外向きのテンションが付与されており、回転体83は寄りを生じることなく円筒形状を維持する。すなわち、常時ローラ的使用が可能となっている。
図26に示すように、一端側の外側にリング状部材85に代えて単なる円筒状のリング状部材87を設け、両端部間の内部に外向きのテンションを付与する部材88を設けるようにしてもよい(第16の実施形態)。
【0061】
図27に基づいて第17の実施形態を説明する。本実施形態では回転体間のすべりのない安定した駆動を得ることを目的としている。
回転体54の両端部外面における通紙範囲外の非画像領域には、周方向に亘って回転体52との摩擦力を高める高摩擦面89が形成されている。高摩擦面89は、回転体54の表面を例えばショットピーニングやエッチング処理などにより直接粗面化処理して形成してもよく、ゴム等の摩擦材を貼り付けて形成してもよい。
図28に示すように、回転体54の高摩擦面89に対応する回転体52の部位にも高摩擦面90を形成する構成としてもよい(第18の実施形態)。この場合、回転体52、54間のすべりを高精度に抑制することができる。
【0062】
図29に基づいて第19の実施形態を説明する。本発明では磁力でニップを形成するため、二成分現像剤の磁性キャリアやその他の磁性ゴミがニップ部に滞留し、ニップ圧の不均一が生じたり、定着に悪影響を及ぼす懸念がある。本実施形態ではこのような懸念を解消することを目的としている。
ホルダ56はガイド部材91により上下方向にスライド自在に設けられており、その下端部はアーム92に回動自在に連結されている。アーム92は、固定軸93に回動自在に支持されたレバー94の一端部に回動自在に連結され、レバー94の他端部はソレノイド95の可動ロッド95aに連結されている。
【0063】
ソレノイド95のオン・オフにより磁石55は二点鎖線で示す吸引位置と、実線で示す退避位置に選択的に位置付けられる。磁石55が退避位置に離れると、ニップ領域に対する磁力はほとんど無くなり、ニップ領域に滞留した磁性体はニップ解除により滑り落ちる。この場合、回転体52、54を回転させれば磁性体の除去率はさらに高まる。
磁石55を直線状に移動させる方式を例示したが、ホルダ56を回転させて磁石55を遠ざける構成としても同様の機能を得ることができる。
【0064】
上記各実施形態では回転体のうちの特定の一方を駆動する構成を示したが、これに限定されるものではない。
また、上記各実施形態では作用部材と磁石間の吸引力のみでニップを形成する構成としたが、従来周知の例えばローラの両端部にバネ圧をかけて他方のローラに圧接する機械的加圧機構を併用してもよい。すなわち、該機械的加圧機構により基本的な加圧力を得るようにし、磁力吸引力によって軸方向の均一性ムラを修正するようにしてもよい。
なお、上記説明では、帯電―露光―現像―転写―定着からなる電子写真プロセスで説明しているが、図30に示すように、トナーTを中間転写体96から用紙ではなく二次転写定着部材としての回転体52に転写し、転写されたトナーTを用紙36にニップ部で定着するような構成においても同様に実施することができる。図30において、符号97a、97b、97c、97dは感光体を、98a、98b、98c、98dは一次転写部材を、符号99は二次転写部材をそれぞれ示している。
【0065】
【発明の効果】
請求項1又は25記載の発明によれば、ニップを形成する一対の回転体を有し、未定着画像を保持した記録媒体を上記ニップに通して加熱と加圧により定着を行う定着装置において、上記一対の回転体のうちのいずれか一方の回転体の内部に設けられる磁力発生手段と、上記一対の回転体のうちのいずれか一方の回転体の内部に設けられ上記磁力発生手段の磁力により上記ニップを形成するように作用する作用部材を有し、該作用部材と該作用部材が設けられる方の回転体との間の摩擦を低減するように構成されていることとしたので、回転体の熱容量を増加させることなく均一なニップ圧力を得ることができるとともにウォームアップ時間を短くすることができ、且つ摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができる。
摩擦低減により回転体間の安定した回転が得られ、記録媒体のスリップの無い高画質化を実現できる。
【0066】
請求項2又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が上記作用部材側回転体と対向する側の回転体の内部に設けられ、該磁力発生手段が設けられる回転体は非磁性体である構成としたので、磁力発生手段の磁力を低減することなく利用でき、ニップ圧力を高めることができる。
【0067】
請求項3又は25記載の発明によれば、請求項1又は2記載の定着装置において、上記作用部材と上記作用部材側回転体との間に低摩擦材が設けられている構成としたので、摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができる。
【0068】
請求項4又は25記載の発明によれば、請求項3記載の定着装置において、上記低摩擦材が転がり部材である構成としたので、摺動抵抗が転がり抵抗へ変わるので摩擦を大幅に低減することができ、摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができる。
【0069】
請求項5又は25記載の発明によれば、請求項4記載の定着装置において、上記転がり部材が粒状体である構成としたので、転がり抵抗により摩擦を大幅に低減することができ、摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができるとともに粒状体の形状変化に対する追随性によりニップ圧の均一性を高めることができる。粒状体が磁性体の場合、磁力線に沿った配置が可能であるため、圧力のコントロール幅を大きくできる。
【0070】
請求項6又は25記載の発明によれば、請求項4記載の定着装置において、上記転がり部材が線状体である構成としたので、粒状体に比べて飛散などが少なく、取り扱い性が容易となる。また、長手方向に均一な圧力が得られるので安定して高画質が得られる。
線状体が磁性体の場合、磁力発生手段に対する存在密度が粒状体に比べて大きいため、より強い吸引力を得ることができる。
【0071】
請求項7又は25記載の発明によれば、請求項3記載の定着装置において、上記低摩擦材が、磁性体を分散した耐熱性の液状物質である構成としたので、摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができるとともの液状物質の形状変化に対する追随性によりニップ圧の均一性をさらに高めることができる。また、回転体の回転に伴って低摩擦材がニップ領域から移動するのを抑制することができ、低摩擦材の機能を良好に維持できる。
【0072】
請求項8又は25記載の発明によれば、請求項4に記載の定着装置において、上記転がり部材に微小粒子が添加されている構成としたので、低摩擦材の摩擦低減機能を一層高めることができる。
【0073】
請求項9又は25記載の発明によれば、請求項5又は7記載の定着装置において、上記作用部材がメッシュ形状を有している構成としたので、作用部材と磁力発生手段の距離を少なくすることができて高いニップ圧を得ることができる。また、メッシュの穴部に低摩擦材を保持できるので、回転体の回転に伴って低摩擦材がニップ領域から移動するのを抑制することができ、低摩擦材の機能を良好に維持できる。
【0074】
請求項10又は25記載の発明によれば、請求項3記載の定着装置において、上記低摩擦材がグラファイトシートである構成としたので、摺動抵抗を低減することができ、摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができるとともに高熱伝導性によりニップ部の温度ムラを大幅に低減できる。
【0075】
請求項11又は25記載の発明によれば、請求項1又は2記載の定着装置において、上記作用部材が低摩擦材である構成としたので、構成の簡易化を図ることができるとともに、低摩擦材のみであるので摺動抵抗を大幅に低減することができる。
【0076】
請求項12又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が磁石であり、式 0.24×キュリー温度−1.4×最大エネルギー積+95で計算される温度以下(有効数字二桁)に概ね保つ構成としたので、磁力発生手段の磁力低下防止の環境を容易に設定することができる。
【0077】
請求項13又は25記載の発明によれば、請求項12記載の定着装置において、上記磁石の少なくとも一部がネオジウム合金からなり、該磁石の温度を150℃以下に保つ構成としたので、低コストで大きなニップ圧力を長期に亘って得ることができる。
【0078】
請求項14又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が磁石であり、上記磁石が軟磁性材料からなる断面コ字形のホルダに隙間を有して収容されている構成としたので、作用部材の逆側に発生する磁界も作用部材側に導くことにより、より強い磁力を小さな磁石により得ることができ、強い吸引力により高画質を得ることができる。
【0079】
請求項15又は25記載の発明によれば、請求項14記載の定着装置において、上記ホルダの外面に非磁性体の放熱部材が設けられている構成としたので、磁力発生手段の磁力低下を防止でき、良好なニップ圧力を長期に亘って得ることができる。
【0080】
請求項16又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記作用部材がパーメンジュール合金を含む構成としたので、大きな吸引力を安定して得ることができ、高画質化を維持できる。
【0081】
請求項17又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段の表面の少なくとも一部に断熱性のギャップ保持部材が設けられ、該ギャップ保持部材に上記回転体の内面が押し当てられる構成としたので、最小の伝熱面積で微小ギャップを安定して得ることができる。これにより回転体の撓みを防止できるため、強い吸引力を安定して得ることができ、高画質化を維持できる。
【0082】
請求項18又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が設けられる回転体は非磁性体であり、マンガン系アルミニウム合金により薄肉の管状に形成されている構成としたので、マンガン系アルミニウム合金の永久変形に強い特性により、長期の吸引力による撓みのクリープを防止でき、安定した搬送と高画質を維持できる。
【0083】
請求項19又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記作用部材側回転体が可撓性を有し、該作用部材側回転体の内部には熱源が設けられているとともに該作用部材側回転体の変形を防止する変形防止部材が設けられている構成としたので、回転体がジャムなどにより変形しても高温の熱源に接触することが防止され、発火などの危険性を回避できる。
【0084】
請求項20又は25記載の発明によれば、請求項19記載の定着装置において、上記変形防止部材が金属で形成され、該変形防止部材の抵抗値が所定値以上になった際に上記熱源への通電を遮断する構成としたので、定着装置の暴走による発火などのトラブルを未然に防止できる。
【0085】
請求項21又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記一対の回転体のうちいずれか一方の回転体の回転を電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段を有し、該エネルギー変換手段により得られた電気エネルギーにより熱源への通電回路を駆動する構成としたので、極めて低熱容量であり瞬時に昇温可能な構成において温度制御が不能になっても発火などを防止できる。
エネルギー変換手段が故障しても熱源への通電はなされないので安全性を高めることができる。
【0086】
請求項22又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記一対の回転体のうち少なくとも一方が可撓性を有するベルト状に形成され、該ベルト状の回転体の両端部の内側と外側がリング状部材で挟み込まれて円筒形状に保持され且つ幅方向外向きのテンションを付与されている構成としたので、低熱容量な薄肉のベルト状回転体であっても、円筒形状を維持できるので直接駆動が可能であり、寄りなどの不具合も防止でき、長期に亘って安定した回転、高画質が得られる。
【0087】
請求項23又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の非画像領域に、他方の回転体との摩擦力を高める高摩擦面が設けられている構成としたので、記録媒体のスリップを高精度に抑制でき、高画質を得ることができる。
【0088】
請求項24又は25記載の発明によれば、請求項1記載の定着装置において、上記磁力発生手段が上記作用部材から遠ざかるように移動可能に設けられている構成としたので、磁性キャリアや鉄粉などがニップ部に溜まることによる画像欠陥等の問題の発生を防止できる。
【0089】
請求項26記載の発明によれば、一対の回転体を圧接して定着のためのニップを形成するニップ形成方法において、一方の回転体の内部に磁性体を設け、該磁性体を磁力により引き付けることによって該回転体を他方の回転体に圧接し、且つ、上記磁性体と上記一方の回転体の間の摩擦を低減することとしたので、回転体の熱容量を増加させることなく均一なニップ圧力を得ることができるとともにウォームアップ時間を短くすることができ、且つ摺動音の少ない滑らかな回転を得ることができる。
摩擦低減により回転体間の安定した回転が得られ、記録媒体のスリップの無い高画質化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置の概要正面図である。
【図2】定着装置の概要正面図である。
【図3】磁力発生手段の磁力線を示す図である。
【図4】磁力発生手段の配置パターンを示す図である。
【図5】永久減磁温度実測値と使用上限温度近似予測値との関係を示すグラフである。
【図6】第2の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図7】図6で示した定着装置における低摩擦材(線状体)の斜視図である。
【図8】図6で示した定着装置における低摩擦材の回転動作を示す図である。
【図9】低摩擦材の端面形状を示す図である。
【図10】第3の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図11】第4の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図12】第5の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図13】第6の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図14】第7の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図15】第8の実施形態における定着装置の要部の概要正面図である。
【図16】被吸引部材の形状と吸引力との関係を示す図である。
【図17】磁性体の種類と飽和磁束密度との関係を示すグラフである。
【図18】第9の実施形態における磁力発生手段周辺の概要正面図である。
【図19】第10の実施形態における磁力発生手段周辺の概要斜視図である。
【図20】図19で示した磁力発生手段周辺の概要正面図である。
【図21】第11の実施形態における磁力発生手段周辺の概要正面図である。
【図22】第12の実施形態における磁力発生手段周辺の概要正面図である。
【図23】第13の実施形態における定着装置の概要正面図である。
【図24】第14の実施形態における熱源駆動構成のブロック図である。
【図25】第15の実施形態における回転体の支持構成の概要断面図である。
【図26】第16の実施形態における回転体の支持構成の概要断面図である。
【図27】第17の実施形態における回転体の側面図である。
【図28】第18の実施形態における回転体の側面図である。
【図29】第19の実施形態における定着装置の要部正面図である。
【図30】本発明を適用可能な他の構成を示す概要正面図である。
【符号の説明】
NP ニップ
36 記録媒体としての用紙
52、54 回転体
53 熱源としてのハロゲンヒータ
55 磁力発生手段としての磁石
56 ホルダ
57 作用部材としての磁性体
58、62、64、66、 低摩擦材
63 微小粒子としてのシリカ粉
74 放熱部材
75 ギャップ保持部材
78、79 変形防止部材としてのワイヤ
81 エネルギー変換手段
82 通電回路としての熱源駆動回路
84、85 リング状部材
89 高摩擦面

Claims (26)

  1. ニップを形成する一対の回転体を有し、トナー画像と記録媒体を上記ニップに通して加熱と加圧により定着を行う定着装置において、
    上記一対の回転体のうちのいずれか一方の回転体の内部に設けられる磁力発生手段と、上記一対の回転体のうちのいずれか一方の回転体の内部に設けられ上記磁力発生手段の磁力により上記ニップを形成するように作用する作用部材を有し、該作用部材と該作用部材が設けられる方の回転体(以下、「作用部材側回転体」と称する。)との間の摩擦を低減するように構成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    上記磁力発生手段が上記作用部材側回転体と対向する側の回転体の内部に設けられ、該磁力発生手段が設けられる回転体は非磁性体であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2記載の定着装置において、
    上記作用部材と上記作用部材側回転体との間に低摩擦材が設けられていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3記載の定着装置において、
    上記低摩擦材が転がり部材であることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項4記載の定着装置において、
    上記転がり部材が粒状体であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項4記載の定着装置において、
    上記転がり部材が線状体であることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項3記載の定着装置において、
    上記低摩擦材が、磁性体を分散した耐熱性の液状物質であることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項4に記載の定着装置において、
    上記転がり部材に微小粒子が添加されていることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項5又は7記載の定着装置において、
    上記作用部材がメッシュ形状を有していることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項3記載の定着装置において、
    上記低摩擦材がグラファイトシートであることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1又は2記載の定着装置において、
    上記作用部材が低摩擦材であることを特徴とする定着装置。
  12. 請求項1記載の定着装置において、
    上記磁力発生手段が磁石であり、次式で計算される温度以下(有効数字二桁)に概ね保つことを特徴とする定着装置。
    0.24×キュリー温度−1.4×最大エネルギー積+95
  13. 請求項12記載の定着装置において、
    上記磁石の少なくとも一部がネオジウム合金からなり、該磁石の温度を150℃以下に保つことを特徴とする定着装置。
  14. 請求項1記載の定着装置において、
    上記磁力発生手段が磁石であり、上記磁石が軟磁性材料からなる断面コ字形のホルダに隙間を有して収容されていることを特徴とする定着装置。
  15. 請求項14記載の定着装置において、
    上記ホルダの外面に非磁性体の放熱部材が設けられていることを特徴とする定着装置。
  16. 請求項1記載の定着装置において、
    上記作用部材がパーメンジュール合金を含むことを特徴とする定着装置。
  17. 請求項1記載の定着装置において、
    上記磁力発生手段の表面の少なくとも一部に断熱性のギャップ保持部材が設けられ、該ギャップ保持部材に上記回転体の内面が押し当てられることを特徴とする定着装置。
  18. 請求項1記載の定着装置において、
    上記磁力発生手段が設けられる回転体は非磁性体であり、マンガン系アルミニウム合金により薄肉の管状に形成されていることを特徴とする定着装置。
  19. 請求項1記載の定着装置において、
    上記作用部材側回転体が可撓性を有し、該作用部材側回転体の内部には熱源が設けられているとともに該作用部材側回転体の変形を防止する変形防止部材が設けられていることを特徴とする定着装置。
  20. 請求項19記載の定着装置において、
    上記変形防止部材が金属で形成され、該変形防止部材の抵抗値が所定値以上になった際に上記熱源への通電を遮断することを特徴とする定着装置。
  21. 請求項1記載の定着装置において、
    上記一対の回転体のうちいずれか一方の回転体の回転を電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段を有し、該エネルギー変換手段により得られた電気エネルギーにより熱源への通電回路を駆動することを特徴とする定着装置。
  22. 請求項1記載の定着装置において、
    上記一対の回転体のうち少なくとも一方が可撓性を有するベルト状に形成され、該ベルト状の回転体の両端部の内側と外側がリング状部材で挟み込まれて円筒形状に保持され且つ幅方向外向きのテンションを付与されていることを特徴とする定着装置。
  23. 請求項1記載の定着装置において、
    上記一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体の非画像領域に、他方の回転体との摩擦力を高める高摩擦面が設けられていることを特徴とする定着装置。
  24. 請求項1記載の定着装置において、
    上記磁力発生手段が上記作用部材から遠ざかるように移動可能に設けられていることを特徴とする定着装置。
  25. 請求項1乃至24の何れか1つに記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  26. 一対の回転体を圧接して定着のためのニップを形成するニップ形成方法において、
    一方の回転体の内部に磁性体を設け、該磁性体を磁力により引き付けることによって該回転体を他方の回転体に圧接し、且つ、上記磁性体と上記一方の回転体の間の摩擦を低減することを特徴とするニップ形成方法。
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