JP2004020331A - ガスセンサの保護装置及びガスセンサの保護装置を備える燃料電池システム - Google Patents
ガスセンサの保護装置及びガスセンサの保護装置を備える燃料電池システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004020331A JP2004020331A JP2002174623A JP2002174623A JP2004020331A JP 2004020331 A JP2004020331 A JP 2004020331A JP 2002174623 A JP2002174623 A JP 2002174623A JP 2002174623 A JP2002174623 A JP 2002174623A JP 2004020331 A JP2004020331 A JP 2004020331A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- hydrogen
- sensor
- concentration
- detected
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
Abstract
【解決手段】酸素極側の出口側配管14に、検出対象濃度範囲の上限が相対的に高く設定された上流側水素センサ15aと、上流側水素センサ15aから下流側にずれた位置において出口側配管14を2つの分岐配管14a,14bに分岐し、何れか一方にのみオフガスを流通させる切替弁14Aと、検出対象濃度範囲の上限が相対的に低く設定され、一方の分岐配管14aに取り付けられた下流側水素センサ15bとを備えた。制御装置2は、燃料電池10の作動時に上流側水素センサ15aにより検出されるオフガス中の水素の濃度が所定濃度を超える場合に、切替弁14Aによって、オフガスの流通路を一方の分岐配管14aから他方の分岐配管14bへと切り替え、下流側水素センサ15bへのオフガスの流通を遮断する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサの保護装置及びガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
【0003】
このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池において、従来、例えば特開平6−223850号公報に開示された燃料電池の保護装置のように、燃料電池の酸素極側の排出系に水素センサを備え、この水素センサによって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検知したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている。
また、水素センサとしては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、水素が白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗の差異に応じて、水素ガスの濃度を検出するガス接触燃焼式の水素センサが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなガス接触燃焼式の水素センサにおいては、所定の検出対象濃度範囲が設定されており、例えば、この検出対象濃度範囲以外の濃度の水素ガスに対しては、検出誤差が過剰に増大したり、検出が困難に場合がある。
一方、ガス接触燃焼式の水素センサが、検出対象濃度範囲の上限を超える過剰に高濃度の水素ガスに曝されると、単に検出信号が飽和状態に到達するばかりでなく、感度低下等の劣化状態となる場合がある。
ここで、例えば上述した燃料電池の保護装置を燃料電池車両等の車両に搭載した場合には、この車載状態において、さらには車両の走行時等における燃料電池の運転状態において、水素ガスの濃度検出を継続しつつ、感度低下等の劣化が生じることを防止することが望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、過剰に高濃度の被検出ガスに曝されることでガスセンサの劣化が生じることを防止することが可能なガスセンサの保護装置及びガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のガスセンサの保護装置は、被検出ガスに対する検出対象濃度範囲の上限が異なる複数のガスセンサ(例えば、後述する実施の形態での上流側水素センサ15a及び下流側水素センサ15b)を、前記検出対象濃度範囲の上限が高い前記ガスセンサほど前記被検出ガスの流通方向の上流側に位置するように配置してなり、前記流通方向の上流側の前記ガスセンサにより検出される前記被検出ガスの濃度が所定濃度を超える場合に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサへの前記被検出ガスの流通を停止する保護手段(例えば、後述する実施の形態での切替弁14A、開閉弁31)を備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成のガスセンサの保護装置によれば、被検出ガスの流通方向における上流側のガスセンサの検出値に対する所定濃度を、例えば下流側のガスセンサに対する検出対象濃度範囲の上限値に設定することにより、下流側のガスセンサが過剰に高濃度の被検出ガスに曝されることを防止することができる。
【0007】
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサの保護装置は、被検出ガスに対する検出対象濃度範囲の上限が異なる複数のガスセンサ(例えば、後述する実施の形態での上流側水素センサ15a及び下流側水素センサ15b)を、前記検出対象濃度範囲の上限が高い前記ガスセンサほど前記被検出ガスの流通方向の上流側に位置するように配置してなり、前記流通方向の上流側の前記ガスセンサにより検出される前記被検出ガスの濃度が所定濃度を超える場合に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサへ流通する前記被検出ガスの濃度を低減する保護手段(例えば、後述する実施の形態でのエアーコンプレッサー12a)を備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成のガスセンサの保護装置によれば、被検出ガスの流通方向における上流側のガスセンサの検出値に対する所定濃度を、例えば下流側のガスセンサに対する検出対象濃度範囲の上限値に設定することにより、下流側のガスセンサが過剰に高濃度の被検出ガスに曝されることを防止することができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の本発明のガスセンサの保護装置は、前記保護手段の作動以後に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサにより検出される前記被検出ガスの濃度が安定したか否かを判定する判定手段(例えば、後述する実施の形態でのステップS04)と、前記判定手段の判定結果にて、安定したと判定された場合に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサの電源を停止する通電停止手段(例えば、後述する実施の形態でのステップS05)とを備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成のガスセンサの保護装置によれば、被検出ガスの流通方向の上流側に配置されたガスセンサによる濃度検出の結果に応じて保護手段を作動し、下流側のガスセンサへの被検出ガスの流通を停止、あるいは、被検出ガスを低濃度化した場合であっても、例えば直ちに下流側のガスセンサの電源を停止せずに、この下流側のガスセンサの雰囲気における被検出ガスの濃度が安定した後に電源を停止する。これにより、例えば上流側のガスセンサでの検出から適宜の時間差をおいて下流側のガスセンサへと高濃度の被検出ガスが流通してくる場合であっても、下流側のガスセンサが高濃度の被検出ガスに曝されている状態で電源が停止されてしまうことを防止することができ、感度低下等の劣化が生じることを防止することができる。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明のガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムは、反応ガスとして、水素を燃料極へ供給し、酸素を酸素極へ供給し、電気化学反応によって発電する燃料電池(例えば、後述する実施の形態での燃料電池10)と、前記燃料電池の酸素極から排出されるオフガスを流通させるカソードオフガス流通管(例えば、後述する実施の形態での出口側配管14)とを備え、前記カソードオフガス流通管に設けられ、前記オフガス中の水素を検出する水素センサを備え、前記水素センサにより検出される水素の濃度が所定濃度を超える場合に、前記水素センサへの前記オフガスの流通を停止する保護手段(例えば、後述する実施の形態でのステップS02)を備えることを特徴としている。
【0012】
上記構成のガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムによれば、カソードオフガス配管内を流通するオフガス中に所定濃度を超える水素が検出されると、保護手段は、例えば、閉塞弁を作動させ、カソードオフガス配管に対してガス検出室を閉塞する、あるいは、切替弁を作動させ、水素センサを迂回するバイパス流通管に被検出ガスを流通させる。水素センサによって水素の濃度が所定濃度を超えたことを検知したときに保護手段を作動させるので、水素センサが過剰に高濃度の水素に曝されることを防止することができる。さらに、燃料電池システムの水素濃度が所定濃度になるまで水素センサにより監視することができ、燃料電池システムを停止する等の適切な処理を行うことが可能となる。
【0013】
また、請求項5に記載の本発明のガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムは、反応ガスとして、水素を燃料極へ供給し、酸素供給手段(例えば、後述する実施の形態でのエアーコンプレッサー12a)により酸素を酸素極へ供給し、電気化学反応によって発電する燃料電池(例えば、後述する実施の形態での燃料電池10)と、前記燃料電池の酸素極から排出されるオフガスを流通させるカソードオフガス流通管(例えば、後述する実施の形態での出口側配管14)とを備え、前記カソードオフガス流通管に設けられ、前記オフガス中の水素を検出する水素センサを備え、前記水素センサにより検出される水素の濃度が所定濃度を超える場合に、前記酸素供給手段による前記酸素の供給量を増大させることで、前記水素センサへ流通する前記オフガス中の水素の濃度を低減する保護手段(例えば、後述する実施の形態での制御装置2)を備えることを特徴としている。
【0014】
上記構成のガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムによれば、カソードオフガス配管内を流通するオフガス中に所定濃度を超える水素が検出されると、保護手段は、例えばエアーコンプレッサー等をなす酸素供給手段による酸素供給量を増大させ、オフガス中の水素濃度を低減する。水素センサによって水素の濃度が所定濃度を超えたことを検知したときに保護手段を作動させるので、水素センサが過剰に高濃度の水素に曝されることを防止することができる。さらに、燃料電池システムの水素濃度が所定濃度になるまで水素センサにより監視し続けることができる。しかも、この場合には、水素センサを保護するための保護手段として、特別な構成を新たに加える必要無しに、単に、燃料電池システムに備えられた酸素供給手段を適宜に制御するだけで、容易に、水素センサを保護することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るガスセンサの保護装置及びガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスセンサの保護装置(以下、単に、保護装置と呼ぶ)1は、例えば、燃料電池10と、燃料電池10に接続された各配管11,…,14のうち、酸素極側の入口側配管12に設けられ、燃料電池10の酸素極に酸素を含む空気を供給するエアーコンプレッサー12aとを備える燃料電池システム10aに具備されており、制御装置2と、記憶装置3と、酸素極側の出口側配管14に設けられた上流側水素センサ15aと、出口側配管14に設けられた切替弁14Aを介して分岐された一方の分岐配管14aに設けられた下流側水素センサ15bとを備えて構成され、特に、下流側水素センサ15bを保護するものである。
【0016】
燃料電池10は、例えば電気自動車等の車両の動力源として搭載されており、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管11から供給された水素などの燃料ガスは、触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスを含む空気がエアーコンプレッサー12aから入口側配管12を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管13、14から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
【0017】
ここで、酸素極側の出口側配管14には、例えばオフガス中に含まれる各ガスの熱伝導率の差異を利用して水素を検知する気体熱伝導式水素センサ等のように、検出対象濃度範囲の上限が相対的に高く設定された上流側水素センサ15aと、この上流側水素センサ15aから下流側にずれた位置において出口側配管14を2つの分岐配管14a,14bに分岐し、何れか一方にのみオフガスを流通させる切替弁14Aと、例えばガス接触燃焼式の水素センサ等のように、検出対象濃度範囲の上限が相対的に低く設定され、一方の分岐配管14aに取り付けられた下流側水素センサ15bとが備えられている。そして、各水素センサ15a,15bにより酸素極側の出口側配管14から水素ガスが排出されていないことを監視している。
なお、上流側水素センサ15aの検出対象濃度範囲は、下流側水素センサ15bの検出対象濃度範囲と、少なくとも一部の範囲が重なり合うように設定され、上流側水素センサ15aの上限は、下流側水素センサ15bの上限よりも、例えば2倍程度高い濃度に設定されている。
【0018】
例えば図2に示すように、上流側水素センサ15aよりも検出対象濃度範囲の上限が相対的に低い下流側水素センサ15bは、一方の分岐配管14aの長手方向に沿って長い直方形状のケース19を備えている。ケース19は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部20を備えている。フランジ部20にはカラー17を取り付けてあり、例えば図3に示すように、このカラー17内にボルト21を挿入して、一方の分岐配管14aの取付座16に締め付け固定されるようになっている。
【0019】
例えば図3に示すように、ケース19の下面には、一方の分岐配管14aの貫通孔に外側から挿通される筒状部22が形成されている。ケース19内には図示しない回路基板が設けられ、この回路基板に後述する検出素子29と温度補償素子30が接続されている。筒状部22の内部はガス検出室24として形成され、筒状部22の端部がガス導入部25として開口形成されている。
【0020】
また、筒状部22の外周面にはシール材26が取り付けられ、一方の分岐配管14aの貫通孔の内周壁に密接して気密性を確保している。そして、この筒状部22の内部に検出素子29と温度補償素子30とが装着されている。
検出素子29と温度補償素子30は回路基板に接続されガス検出室24内で同一高さで所定間隔を隔てて一対設けられたものである。
検出素子29は周知の素子であって、被検出ガスである水素が白金等の触媒に接触した際に燃焼する熱を利用し、水素の燃焼により高温となった検出素子29と雰囲気温度下の温度補償素子30との間に電気抵抗の差が生ずることを利用し、水素ガス濃度を検出するガス接触燃焼式のガスセンサである。
【0021】
ここで、例えば図2に示すように、上記ガス検出室24内には検出素子29と温度補償素子30との間に、両者を遮るようにしてオフガスの流入方向に沿って立てられた状態で矩形板状のヒータ27が配置されている。このヒータ27はガス検出室24内を加熱するもので、放熱面27Cを検出素子29と温度補償素子30とに指向した状態で配置されている。つまりヒータ27は各面が放熱面27Cとして構成されている。このヒータ27により流入する被検出ガスが検出素子29と温度補償素子30とに振り分けられるようにして均等に分配される。
また、ガス検出室24にはガス検出室24内の温度を検出する温度センサ28が取り付けられている。
【0022】
制御装置2は、酸素極側の出口側配管14に取り付けられた上流側水素センサ15aと、一方の分岐配管14aに取り付けられた下流側水素センサ15bとに接続され、各水素センサ15a,15bから出力される検出信号に基づいて、オフガス中に含まれる水素の濃度を検出すると共に、後述するように、燃料電池10の作動時等に上流側水素センサ15aにより検出されるオフガス中の水素の濃度が所定濃度を超える場合に、切替弁14Aによって、オフガスの流通路を一方の分岐配管14aから他方の分岐配管14bへと切り替え、下流側水素センサ15bへのオフガスの流通を遮断する。
【0023】
本実施の形態によるガスセンサの保護装置1及びガスセンサの保護装置1を備える燃料電池システム10aは上記構成を備えており、次に、この燃料電池システム10aの作動時におけるガスセンサの保護装置1の動作について添付図面を参照しながら説明する。
以下に、燃料電池システム10aの作動時において、切替弁14Aにより酸素極側のオフガスの流通路を一方の分岐配管14aに設定し、上流側水素センサ15a及び下流側水素センサ15bから出力される各検出信号に基づき、オフガス中に含まれる水素の濃度を検出する状態にて実行する一連の処理について説明する。
【0024】
先ず、図4に示すステップS01においては、酸素極側の出口側配管14に配置された上流側水素センサ15aから出力される検出値に基づき、オフガス中の水素濃度が所定濃度を超えたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS01の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
なお、上流側水素センサ15aの検出値に基づく水素濃度に対して設定される所定濃度は、例えば下流側水素センサ15bの検出対象濃度範囲の上限を超える値や、例えば下流側水素センサ15bが曝されると所定の程度を超える劣化が生じる濃度の値等とされている。
【0025】
そして、ステップS02においては、切替弁14Aを作動させ、オフガスの流通路を一方の分岐配管14aから他方の分岐配管14bへと切り替え、下流側水素センサ15bへのオフガスの流通を遮断する。
そして、ステップS03においては、下流側水素センサ15bの通電を停止する処理を実行するか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
ステップS04においては、下流側水素センサ15bの検出値に基づき、オフガス中の水素濃度が所定の閾濃度以下の値に安定したか否かを判定する。
ステップS04での判定結果が「NO」の場合には、ステップS04の処理を繰り返す。
一方、ステップS04での判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進み、下流側水素センサ15bへの通電を停止して、一連の処理を終了する。ここで、下流側水素センサ15bの検出値に基づく水素濃度に対して設定される所定の閾濃度は、例えば下流側水素センサ15bの検出対象濃度範囲の下限以下の値や、例えば下流側水素センサ15bが曝された際に生じる劣化が無視できる濃度の値等とされている。
【0026】
以下に、燃料電池システム10aの作動時において、切替弁14Aにより酸素極側のオフガスの流通路を他方の分岐配管14bに設定し、上流側水素センサ15aから出力される検出信号に基づき、オフガス中に含まれる水素の濃度を検出する状態にて実行する一連の処理について説明する。
【0027】
先ず、図5に示すステップS11においては、酸素極側の出口側配管14に配置された上流側水素センサ15aから出力される検出値に基づき、オフガス中の水素濃度が所定濃度以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS11の処理を繰り返す。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
ステップS12においては、タイマの計数を開始する。
そして、ステップS13においては、タイマの計数値が所定値を超えたか否かを判定する。
ステップS13での判定結果が「NO」の場合には、ステップS13の処理を繰り返す。
一方、ステップS13での判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進む。
なお、タイマの計数値に対して設定される所定値は、例えば切替弁14Aにより酸素極側のオフガスの流通路が一方の分岐配管14aに設定されている状態で、酸素極側の出口側配管14から一方の分岐配管14aへと流通するオフガスが、少なくとも上流側水素センサ15aから下流側水素センサ15bまで到達するのに要する時間等とされている。
【0028】
次に、ステップS14においては、下流側水素センサ15bの通電が停止されている場合には、通電を開始する。
そして、ステップS15においては、切替弁14Aを作動させ、オフガスの流通路を他方の分岐配管14bから一方の分岐配管14aへと切り替え、下流側水素センサ15bへのオフガスの流通を開始し、上流側水素センサ15a及び下流側水素センサ15bから出力される各検出信号に基づき、オフガス中に含まれる水素の濃度を検出する状態に移行して、一連の処理を終了する。
【0029】
上述したように、本実施の形態によるガスセンサの保護装置1によれば、燃料電池10の酸素極側から排出されるオフガスの流通方向に対して、ガス接触燃焼式の水素センサをなす下流側水素センサ15bの上流側に、この下流側水素センサ15bよりも検出対象濃度範囲の上限が相対的に高い気体熱伝導式水素センサをなす上流側水素センサ15aを配置し、下流側水素センサ15bへのオフガスの流通を遮断可能な切替弁14A及び分岐配管14bを備えたことにより、上流側水素センサ15aでの検出結果に基づいて、下流側水素センサ15bが通電状態において過剰に高濃度の水素に曝されることを防止することができる。さらに、上流側水素センサ15aによって燃料電池システム10aの水素濃度を監視し続けることができる。
しかも、下流側水素センサ15bに対する通電停止は、下流側水素センサ15bにより検出されるオフガス中の水素濃度が所定の閾濃度以下の値に安定した後に実行されることから、例えば上流側水素センサ15aにて検出された高濃度の水素を含むオフガスが、切替弁14Aの作動完了以前に下流側水素センサ15bへ到達した場合であっても、この高濃度の水素に曝された状態で通電停止が実行されてしまうことを確実に防止することができる。
しかも、本実施の形態によるガスセンサの保護装置1を備える燃料電池システム10aによれば、下流側水素センサ15bへのオフガスの流通が遮断された後であっても、燃料電池10の作動を停止することなく、上流側水素センサ15aによりオフガス中に含まれる水素の濃度検出を継続することができる。
【0030】
なお、上述した本実施の形態においては、酸素極側の出口側配管14を2つの分岐配管14a,14bに分岐するとしたが、これに限定されず、例えば図6に示す本実施形態の変形例のように、出口側配管14内にて、上流側水素センサ15aから下流側にずれた位置に下流側水素センサ15bを配置し、下流側水素センサ15bの筒状部22の開口部を閉塞し、ガス検出室24内を密閉可能な開閉弁31を備えてもよい。
すなわち、燃料電池システム10aの作動時において、開閉弁31を開状態とし、上流側水素センサ15a及び下流側水素センサ15bから出力される各検出信号に基づき、オフガス中に含まれる水素の濃度を検出する状態にて、上流側水素センサ15aにより検出されるオフガス中の水素の濃度が所定濃度を超える場合には、先ず、開閉弁31を閉状態としてガス検出室24内を密閉する。そして、検出素子29での接触燃焼反応によってガス検出室24内のオフガスに含まれる水素を徐々に消費し、下流側水素センサ15bの検出値が所定の閾濃度以下の値に安定した後に、必要に応じて、下流側水素センサ15bの通電を停止する。
【0031】
なお、上述した本実施の形態においては、ステップS04〜ステップS05に示すように、下流側水素センサ15bの検出値に基づき、オフガス中の水素濃度が所定の閾濃度以下の値に安定した後に下流側水素センサ15bへの通電を停止するとしたが、これに限定されず、上流側水素センサ15aから出力される検出値に基づき、オフガス中の水素濃度が所定濃度を超えた場合には、直ちに、例えば切替弁14Aの作動と同時に下流側水素センサ15bへの通電を停止してもよい。この場合には、少なくとも下流側水素センサ15bが上流側水素センサ15aよりも所定距離以上、例えば、高濃度の水素を含むオフガスが上流側水素センサ15aを通過した時点から、上流側水素センサ15aから出力される検出値に基づき、オフガス中の水素濃度が所定濃度を超えたと判定され、切替弁14Aの作動指令が制御装置2から出力され、実際に、切替弁14Aの作動が完了する時点までの時間においてオフガスが流通する距離以上だけ下流側に配置されていればよい。
【0032】
また、上述した本実施形態の変形例においては、下流側水素センサ15bのガス検出室24内を密閉する開閉弁31を省略してもよい。この場合には、例えば下流側水素センサ15bへのオフガスの流通を遮断する代わりに、エアーコンプレッサー12aにより燃料電池10の酸素極側に供給される空気量を増大し、単位体積あたりのオフガスに対する水素濃度を低減する。
また、上述した本実施形態においては、複数の各水素センサ15a,15bを備えるとしたが、これに限定されず、単一の水素センサのみを備えてもよい。この場合、燃料電池システム10aに具備される保護装置1によれば、水素センサが過剰に高濃度の水素に曝されることを防止することができると共に、燃料電池システム10aの水素濃度が所定濃度になるまで水素センサにより監視することができ、燃料電池システム10aでの発電を停止し、異常状態の発生を報知する等の適切な処理を行うことが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガスセンサの保護装置によれば、被検出ガスの流通方向における上流側のガスセンサの検出値に対する所定濃度を、例えば下流側のガスセンサに対する検出対象濃度範囲の上限よりも低い値に設定することにより、下流側のガスセンサが過剰に高濃度の被検出ガスに曝されることを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明のガスセンサの保護装置によれば、上流側のガスセンサでの検出から適宜の時間差をおいて下流側のガスセンサへと高濃度の被検出ガスが流通してくる場合であっても、下流側のガスセンサが高濃度の被検出ガスに曝されている状態で電源が停止されてしまうことを防止することができ、感度低下等の劣化が生じることを防止することができる。
【0034】
また、本発明のガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムによれば、燃料電池システムの水素濃度を監視しつつ、水素センサが過剰に高濃度の水素に曝されることを防止することができる。
さらに、請求項5に記載の本発明のガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムによれば、水素センサを保護するための保護手段として、特別な構成を新たに加える必要無しに、単に、燃料電池システムに備えられた酸素供給手段を適宜に制御するだけで、容易に水素センサを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムの要部構成図である。
【図2】図1に示す下流側水素センサの平面図である。
【図3】図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。
【図4】図1に示すガスセンサの保護装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示すガスセンサの保護装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の変形例に係るガスセンサの保護装置を備える燃料電池システムの要部構成図である。
【符号の説明】
1 ガスセンサの保護装置
2 制御装置(保護手段)
10 燃料電池
10a 燃料電池システム
12a エアーコンプレッサー(保護手段、酸素供給手段)
14 出口側配管(カソードオフガス流通管)
14a,14b 分岐配管
14A 切替弁(保護手段)
15a 上流側水素センサ(ガスセンサ)
15b 下流側水素センサ(ガスセンサ)
24 ガス検出室
29 検出素子
30 温度補償素子(補償素子)
31 開閉弁(保護手段)
ステップS02 保護手段
ステップS04 判定手段
ステップS05 通電停止手段
Claims (5)
- 被検出ガスに対する検出対象濃度範囲の上限が異なる複数のガスセンサを、前記検出対象濃度範囲の上限が高い前記ガスセンサほど前記被検出ガスの流通方向の上流側に位置するように配置してなり、
前記流通方向の上流側の前記ガスセンサにより検出される前記被検出ガスの濃度が所定濃度を超える場合に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサへの前記被検出ガスの流通を停止する保護手段を備えることを特徴とするガスセンサの保護装置。 - 被検出ガスに対する検出対象濃度範囲の上限が異なる複数のガスセンサを、前記検出対象濃度範囲の上限が高い前記ガスセンサほど前記被検出ガスの流通方向の上流側に位置するように配置してなり、
前記流通方向の上流側の前記ガスセンサにより検出される前記被検出ガスの濃度が所定濃度を超える場合に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサへ流通する前記被検出ガスの濃度を低減する保護手段を備えることを特徴とするガスセンサの保護装置。 - 前記保護手段の作動以後に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサにより検出される前記被検出ガスの濃度が安定したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果にて、安定したと判定された場合に、前記流通方向の下流側の前記ガスセンサの電源を停止する通電停止手段と
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のガスセンサの保護装置。 - 反応ガスとして、水素を燃料極へ供給し、酸素を酸素極へ供給し、電気化学反応によって発電する燃料電池と、前記燃料電池の酸素極から排出されるオフガスを流通させるカソードオフガス流通管とを備え、前記カソードオフガス流通管に設けられ、前記オフガス中の水素を検出する水素センサを備え、
前記水素センサにより検出される水素の濃度が所定濃度を超える場合に、前記水素センサへの前記オフガスの流通を停止する保護手段を備えることを特徴とするガスセンサの保護装置を備える燃料電池システム。 - 反応ガスとして、水素を燃料極へ供給し、酸素供給手段により酸素を酸素極へ供給し、電気化学反応によって発電する燃料電池と、前記燃料電池の酸素極から排出されるオフガスを流通させるカソードオフガス流通管とを備え、前記カソードオフガス流通管に設けられ、前記オフガス中の水素を検出する水素センサを備え、
前記水素センサにより検出される水素の濃度が所定濃度を超える場合に、前記酸素供給手段による前記酸素の供給量を増大させることで、前記水素センサへ流通する前記オフガス中の水素の濃度を低減する保護手段を備えることを特徴とするガスセンサの保護装置を備える燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002174623A JP3836404B2 (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | ガスセンサの保護装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002174623A JP3836404B2 (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | ガスセンサの保護装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004020331A true JP2004020331A (ja) | 2004-01-22 |
JP3836404B2 JP3836404B2 (ja) | 2006-10-25 |
Family
ID=31173539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002174623A Expired - Fee Related JP3836404B2 (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | ガスセンサの保護装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3836404B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005150007A (ja) * | 2003-11-19 | 2005-06-09 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
JP2008053112A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174623A patent/JP3836404B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005150007A (ja) * | 2003-11-19 | 2005-06-09 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
JP4604479B2 (ja) * | 2003-11-19 | 2011-01-05 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システムにおける電解質膜の劣化判定方法 |
JP2008053112A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3836404B2 (ja) | 2006-10-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4434525B2 (ja) | 燃料電池の異常検出方法 | |
EP1505386B1 (en) | Gas sensor operation method | |
JP5114904B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP5214906B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JPH06223850A (ja) | 固体高分子電解質燃料電池の運転保護システム | |
JP2007040755A (ja) | ガスセンサ | |
JP2006153598A (ja) | ガス検出装置およびガス検出素子の制御方法 | |
JP2004179127A (ja) | 燃料電池システムのセンサ代替推定制御装置 | |
JP3746778B2 (ja) | ガスセンサの制御装置 | |
JP3905800B2 (ja) | 燃料電池の保護装置 | |
JP3839360B2 (ja) | ガスセンサの較正方法 | |
JP4083652B2 (ja) | ガスセンサの制御装置 | |
JP2002124290A (ja) | 燃料電池システム | |
JP3836403B2 (ja) | ガス検出方法 | |
JP3836404B2 (ja) | ガスセンサの保護装置 | |
JP2004055205A (ja) | 燃料電池システム | |
JP4919609B2 (ja) | 燃料電池を用いた給電装置 | |
JP3936223B2 (ja) | 水素検出装置 | |
JP3844723B2 (ja) | ガスセンサの結露防止構造 | |
JP3833560B2 (ja) | 水素検出装置 | |
WO2008007740A1 (fr) | Système de piles à combustible | |
JP2005100705A (ja) | 燃料電池の始動方法 | |
JP3875163B2 (ja) | ガスセンサの状態判定装置 | |
JP4131801B2 (ja) | 燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法 | |
JP3987016B2 (ja) | ガスセンサの制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041130 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060425 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060718 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060726 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |