JP4604479B2 - 燃料電池システムにおける電解質膜の劣化判定方法 - Google Patents

燃料電池システムにおける電解質膜の劣化判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池システムにおいて燃料電池を構成する電解質膜の劣化状況を判断するための技術に関し、特に、車両用燃料電池システムのように運転状態が常に変動する燃料電池システムに用いて好適な技術に関する。
燃料電池は、プロトン伝導性の電解質膜を挟んで一対の電極が配置された構造を有している。燃料電池の特性は主に電解質膜の種類によって決まり、現在では、固体高分子型(PEM)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、及び固体酸化物型(SOFC)が知られている。
燃料電池による発電の仕組みは、以下の(1)式及び(2)式によって説明することができる。まず、アノードでは、水素を含む燃料ガスが供給されると、以下の(1)式の化学反応が生じて水素イオンが生成される。
2 → 2H++2e- ・・・(1)
生成された水素イオンは電解質膜を通ってカソードに供給される。カソードでは、酸素を含む酸化ガスが供給されると、以下の(2)式の化学反応が生じ、アノードで生成された水素イオンと酸素から水が生成される。
(1/2)O2+2H++2e- → H2O ・・・(2)
上記の反応がアノードとカソードの双方で連続して起きることで、アノードとカソードとの間に起電力が発生する。
アノードを流れる燃料ガスとカソードを流れる酸化ガスは、電解質膜によって分離されているが、一部の燃料ガスはアノード側からカソード側に電解質膜を透過し、逆に一部の酸化ガスはカソード側からアノード側に電解質膜を透過している。電解質膜を透過するガスの量、すなわちクロスリーク量は、電解質膜の劣化が進むにつれて増大する。クロスリーク量が増大すると、カソード側からアノード側に漏れ出した酸化ガスによってアノードを流通する燃料ガスが希釈されてしまい、その分、燃料電池の発電性能が低下してしまう。したがって、所望の燃料電池の性能を得るためには、電解質膜の劣化状況に応じてガス供給量を制御する必要がある。例えば、特許文献1に記載された従来技術では、燃料極(アノード)側流路の下流部分を流通する燃料極側ガス、すなわちアノードオフガスの酸素濃度を検出し、検出した酸素濃度が高くなるほど、燃料極側ガスの供給量を増大させるようにしている。
特開2001−273915号公報 特開平3−101061号公報
ところで、常に定常運転されている固定型の燃料電池システムであれば、電解質膜の劣化状況は比較的容易に判断することができる。定常運転中は、アノードへの燃料ガスの供給量もカソードへの酸化ガスの供給量も一定であり、且つ、燃料電池の負荷も一定であるので、アノードから排出されるアノードオフガス中の酸素濃度は、カソード側からアノード側への酸素の透過量が多いほど、すなわち、電解質膜が劣化しているほど高くなる。したがって、上記従来技術のように単にアノードオフガス中の酸素濃度を検出するだけでも、電解質膜の劣化状況に応じたガス供給量の制御が可能となる。
しかしながら、車両用の燃料電池システムのように、運転状態によって燃料電池の負荷や各電極へのガス供給量が変化する燃料電池システムでは、アノードオフガス中の酸素濃度は運転状態によって変化する。例えば、燃料電池システムが停止すると各電極へのガス供給も停止するが、電解質膜を透過してのカソード側からアノード側への酸素の拡散は続いているため、アノードオフガス中の酸素濃度は次第に高くなっていく。つまり、運転状態が変化する燃料電池システムでは、アノードオフガス中の酸素濃度と電解質膜の劣化状況とは必ずしも対応しない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、運転状態が常に一定ではなく定常状態から変化するような状況でも、電解質膜の劣化状況を正確に判断できるようにした燃料電池システムにおける電解質膜の劣化判定方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、一対の電極間に電解質膜を備えた燃料電池を含み、一方の電極には第1のガス成分を含むガスを流通させ、他方の電極には前記第1のガス成分とは異なる第2のガス成分を含むガスを流通させることで発電するように構成された燃料電池システムにおける前記電解質膜の劣化判定方法であって、
所定の定常状態から前記燃料電池の負荷、或いは前記各電極におけるガス流量が変化したかどうかを開始条件として判定するステップと、
前記開始条件が満たされた場合、前記他方の電極から排出されるオフガスの排出通路の第1の検出位置において前記オフガスに含まれる前記第1のガス成分の濃度を検出し、その検出濃度が所定濃度になるまでの時間T1を測定するステップと、
前記開始条件が満たされた場合、前記排出通路の前記第1の検出位置とは異なる第2の検出位置において前記オフガスに含まれる前記第1のガス成分の濃度を検出し、その検出濃度が所定濃度になるまでの時間T2を測定するステップと、
前記時間T1と時間T2との時間差ΔTを演算するステップと、
前記時間差ΔTを指標値として前記電解質膜の劣化状況を判定するステップと、
を含むことを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、前記指標値と所定の警告判定値とを比較し、前記出力信号が前記警告判定値に達したときには警告信号を出力するステップをさらに含むことを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記電解質膜は固体高分子膜であることを特徴としている。
電解質膜が劣化すると、一方の電極側から他方の電極側へ電解質膜を透過して第1のガス成分が漏れ出し、他方の電極から排出されるオフガス中には第1のガス成分が検出される。燃料電池の負荷が変化したとき、或いは各電極におけるガス流量が変化したとき、オフガス中の第1のガス成分の濃度も変化するが、その変化速度は、一方の電極側から他方の電極側への第1のガス成分の透過量が多いほど、すなわち電解質膜の劣化が進んでいるほど大きくなる。大きい濃度変化であれば一つのガスセンサによっても検出することができるが、微小な濃度変化の場合には一つのガスセンサでは測定誤差のために正確な検出は困難である。これに対し、オフガスの排出通路における異なる2つの位置で第1のガス成分の濃度をそれぞれ検出し、各位置における検出濃度が所定濃度になるまでの時間T1,T2をそれぞれ測定することで、その時間差ΔTから濃度の変化速度の大小を正確に判断することが可能になる。したがって、第1の発明によれば、前記の時間差ΔTを演算し、それを指標値として電解質膜の劣化状況を判定することで、運転状態が常に一定ではなく定常状態から変化するような状況でも、電解質膜の劣化状況を正確に判断することが可能になる。
また、第2の発明によれば、電解質膜の劣化が進んだときには警告信号が出力されるので、使用者は電解質膜の劣化がさらに進む前に何らかの処置を施すことが可能になる。
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態としての燃料電池システムの概略構成図である。図1に示すように、本燃料電池システムは、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化ガスの供給を受けて発電する燃料電池10を備えている。
燃料電池10は、一対の電極、すなわちアノード12とカソード14によってプロトン伝導性の電解質膜16を挟んだ構造を有している。本燃料電池システムにかかる燃料電池10としては、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、或いは固体酸化物型等、何れの型の燃料電池も採用することができるが、ここでは、比較的作動温度の低い固体高分子型が採用されているものとし、電解質膜16としては固体高分子膜が用いられているものとする。
アノード12には、燃料ガスを供給するためのアノードエアライン20と、アノード12からの排出ガス、すなわち、アノードオフガスを排出するためのアノードオフガスライン22が接続されている。同様に、カソード14には、酸化ガスを供給するためのカソードエアライン24と、カソード14からの排出ガス、すなわち、カソードオフガスを排出するためのカソードオフガスライン26が接続されている。アノードオフガスライン22には、アノードオフガスの流れ方向に沿って2つの酸素センサ30,32が配置されカソードオフガスライン26には、カソードオフガスの流れ方向に沿って2つの水素センサ34,36が配置されている。
酸素センサ30,32は、アノードオフガスに含まれる酸素の濃度に応じた信号を出力するセンサであり、水素センサ34,36は、カソードオフガスに含まれる水素の濃度に応じた信号を出力するセンサである。2つの酸素センサ30,32は、同じ酸素濃度のガスに対して同じ大きさの信号が出力されるように調整されている。また、2つの水素センサ34,36も、同じ水素濃度のガスに対して同じ大きさの信号が出力されるように調整されている。
これらの酸素センサ30,32や水素センサ34,36は、燃料電池10の電解質膜16の劣化状況の判断に用いられる。具体的には、2つの酸素センサ30,32からの出力信号に基づいて、及び/又は、2つの水素センサ34,36からの出力信号に基づいて、電解質膜16の劣化状況を検出することができる。以下では、2つの酸素センサ30,32からの出力信号に基づいて電解質膜16の劣化状況を判断する方法について説明する。
図2及び図3は、2つの酸素センサ30,32の出力信号(酸素濃度)と電解質膜16の劣化状況との関係を説明するための図であり、燃料電池システムが定常状態で運転している状態からある時点で停止した場合の、各酸素センサ30,32の出力信号の時間変化を示している。図中、実線で示すのが上流側(アノード12に近い側)に配置された酸素センサ30の出力信号の時間変化であり、二点鎖線で示すのが下流側(アノード12から遠い側)に配置された酸素センサ32の出力信号の時間変化である。また、図2は電解質膜16の初期状態における各酸素センサ30,32の出力信号の時間変化を示し、図3は電解質膜16の劣化が進んだ後における各酸素センサ30,32の出力信号の時間変化を示している。
まず、燃料電池システムが定常状態で運転している場合、アノードエアライン20からアノード12には一定流量の燃料ガスが供給され、カソードエアライン24からカソード14には一定流量の酸化ガスが供給される。また、アノード12での水素消費量(時間あたり消費量)及びカソード14での酸素消費量は、燃料電池10の発電量、すなわち燃料電池10にかかる負荷に応じて変化するが、定常状態では燃料電池10にかかる負荷は一定のため、水素消費量及び酸素消費量は一定となる。アノード12への水素供給量と消費量が一定であることから、アノード12側からカソード14側への水素の透過量(時間あたり透過量)も一定であり、同様に、カソード14側からアノード12側への酸素の透過量も一定となる。したがって、定常状態では、アノードオフガス中の酸素濃度は一定のまま推移し、図2及び図3に示すように、2つの酸素センサ30,32の出力信号はともに一定値を示す。
次に、燃料電池システムが停止すると、アノードエアライン20からアノード12への燃料ガスの供給も、カソードエアライン24からカソード14への酸化ガスの供給も停止される。また、燃料電池10の発電の停止に伴い、アノード12での水素の消費、及びカソード14での酸素の消費も停止する。その一方で、アノード12側とカソード14側との水素分圧及び酸素分圧の差にともない、アノード12側からカソード14側への水素の透過、及び、カソード14側からアノード12側への酸素の透過は継続して起きている。カソード14側からアノード12側に電解質膜16を透過してきた酸素は、アノードオフガスライン22に沿って拡散していく。このため、アノードオフガスライン22内の酸素濃度は、アノード12に近い側から順に次第に高くなっていき、図2及び図3に示すように、まず、アノード12に近い上流側の酸素センサ30の出力信号が上昇し始め、遅れてアノード12から遠い下流側の酸素センサ32の出力信号が上昇し始める。その結果、上流側の酸素センサ30の出力信号が所定値(図中に点線で示す)に達した時点T1(図2では時点T1A、図3では時点T1B)から、下流側の酸素センサ32の出力信号が所定値に達する時点T2(図2では時点T2A、図3では時点T2B)までには、時間差ΔT(図2では時間差ΔTA、図3では時間差ΔTB)が発生する。
上記の時間差は、電解質膜16を透過する酸素の透過量、すなわち、電解質膜16の劣化状況に相関している。電解質膜16の劣化が進むとカソード14側からアノード12側への酸素の透過量が増大し、アノードオフガスライン22内の酸素の拡散速度は速くなる。その結果、アノードオフガスライン22上の離れた二点における酸素濃度が同一濃度に達するまでの時間差は、拡散速度が速いほど、すなわち、電解質膜16の劣化が進んでいるほど短くなる。図2に示す電解質膜16の初期状態における時間差ΔTAと図3に示す電解質膜16の劣化後における時間差ΔTBとでは、ΔTBのほうがΔTAよりも短い。つまり2つの酸素センサ30,32の出力信号がある基準値になるまでの時間差ΔTは電解質膜16の劣化状況を示す指標値となり、この時間差ΔTを求めることで、電解質膜16の劣化状況を正確に判断することが可能になる。
なお、図4は運転距離(若しくは運転時間)と上記の時間差ΔTとの関係を予想した図である。運転距離(若しくは運転時間)が長くなるにつれて時間差ΔTは短くなっていき、やがて、所定の判定値Cを下回ると考えられる。例えば、この判定値Cを警告用の判定値とすることで、燃料電池システムの使用者に電解質膜16が劣化していることを早期に知らせることが可能になり、使用者は、システムが運転不能になる前に、セルの交換等、何らかの処置を施すことができるようになる。警告用判定値Cは、電解質膜16の初期状態での時間差Aを考慮して決定する。
上記の説明では、2つの酸素センサ30,32からの出力信号に基づいて電解質膜16の劣化状況を判断しているが、同様な方法により、2つの水素センサ34,36からの出力信号に基づいて電解質膜16の劣化状況を判断することもできる。また、2つの酸素センサ30,32と2つの水素センサ34,36の双方を用いて電解質膜16の劣化状況を総合的に判断してもよい。
また、ここでは、燃料電池システムが定常状態での運転から停止に至った場合を想定して電解質膜16の劣化状況の判断方法について説明したが、これは具体的な説明のための一例にすぎない。アノードオフガス中の酸素濃度、或いはカソードオフガス中の水素濃度が一定値から変化する状況、すなわち、所定の定常状態から燃料電池10の負荷、或いはアノード12及びカソード14におけるガス流量が変化した状況であれば、2つの酸素センサ30,32の出力信号がある一定値になるまでの時間差を検出することで、及び/又は、2つの水素センサ34,36の出力信号がある一定値になるまでの時間差を検出することで、電解質膜16の劣化状況を正確に判断することができる。
本燃料電池システムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、各酸素センサ30,32の出力信号、及び各水素センサ34,36の出力信号が供給される。また、ECU40の出力側には、警告装置42が接続されている。警告装置は音や光によって、燃料電池システムの使用者に異常を知らせるための装置であり、例えば本燃料電池システムが車両用燃料電池システムの場合には、警告装置42は車室のインパネに配置されている。本燃料電池システムでは、ECU40によって図5のフローチャートで示すルーチンが実行されることにより、上記のような判断方法で電解質膜16の劣化状況が判断されるようになっている。以下、図5に示すフローチャートを参照しながら、ECU40が行う電解質膜16の劣化状況の判断処理について説明する。なお、ここでは、簡単のために、酸素センサ30,32からの出力信号に基づいて電解質膜16の劣化状況が判断されるものとする。
先ず、最初のステップでは、燃料電池システムの運転状態が定常状態になっているか否か判定される(ステップ100)。アノードエアやカソードエアの流量が変化している場合や、燃料電池10への負荷が変化している場合にはNOルートに進み、定常状態になるまでステップ100の判定が繰り返される。
燃料電池システムの運転状態が定常状態になった場合には、今度は、アノードエアやカソードエアの流量が変化したか、或いは、燃料電池10にかかる負荷が変化したか否かが判定される(ステップ110)。何れも変化していない場合には、未だ定常状態にあるものとしてNOルートに進み、変化が生じるまでステップ110の判定が繰り返される。
ステップ110の判定の結果、アノードエアやカソードエアの流量が変化した場合、或いは、燃料電池10にかかる負荷が変化した場合(例えば、上記のようにシステムが停止した場合)には、ECU40内のタイマによる計測がスタートされる(ステップ120)。
ステップ130では、上流側の酸素濃度センサ30の出力が所定の基準値に達したか判定され、基準値に達したときには、ステップ140において、そのときのタイマの計測値T1がECU40内のメモリに記憶される。続くステップ150では、下流側の酸素濃度センサ32の出力が基準値に達したか判定され、基準値に達したときには、ステップ160において、そのときのタイマの計測値T2がECU40内のメモリに記憶される。
ステップ140,160で記憶された2つの計測値T1,T2は引き算され、その時間差ΔT(ΔT=T2−T1)が算出される(ステップ170)。ステップ170で算出された時間差ΔTは所定の警告判定値Cと比較される(ステップ180)。なお、ステップ180における警告判定値Cやステップ130,150における基準値は、定常状態からの変化の状況毎(例えば、車両用燃料電池システムであれば、運転停止に伴い発電が停止した状況の他、加速に伴い発電量が急増した状況等)にマップに記憶されており、その状況に応じた値がマップから読み出されるようになっている。
ステップ180での比較の結果、今回算出された時間差ΔTが警告判定値ΔT0よりも長い場合には、電解質膜16の劣化は警告するほどは進んでいないものと判定され、ステップ100の処理に戻される。これに対し時間差ΔTが警告判定値ΔT0よりも短い場合には、電解質膜16の劣化は警告レベルまで進んでいると判定され、ECU40から警告装置42に警告信号が出力される(ステップ190)。警告装置42は、警告信号の供給を受けて例えば警告ランプを点灯させる。
上記のような処理が実行されることにより、本燃料電池システムによれば、運転状態が常に一定ではなく定常状態から変化するような状況でも、電解質膜16の劣化状況を正確に判断することが可能になる。特に、電解質膜16の劣化が進んだときには警告装置42から警告が発せられるので、使用者は電解質膜16の劣化がさらに進む前に何らかの処置を施すことも可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施の形態では、判断された劣化状況に基づいて警告を発しているが、劣化状況に応じて最適な制御方法を選択することも可能である。例えば、電解質膜16の劣化が進むとアノード12での水素濃度が低下し、また、カソード14での酸素濃度も低下するので、電解質膜16の劣化状況に応じて、より具体的には、劣化状況を示す指標値である時間差ΔTが短くなるほどアノードエアやカソードエアの流量を増大させるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、電解質膜16の劣化状況を示す指標値として、2つの酸素センサ30,32の出力信号がある基準値になるまでの時間差ΔTを求めているが、同一時点における2つの酸素センサ30,32の出力信号の差を用いることもできる。所定の定常状態から燃料電池10の負荷、或いはアノード12及びカソード14におけるガス流量が変化したとき、その後の同一時点における2つの酸素センサ30,32の出力信号の差は、電解質膜16の劣化が進むほど大きくなる。
さらに、上述の実施の形態では、アノードオフガスライン22に2つの酸素センサ30,32を配置しているが、より多数の酸素センサを並べて配置してもよい。カソードオフガスライン26に配置する水素センサの数についても同様である。このようにより多数のセンサを配置する場合には、例えば、最上流のセンサの出力信号がある基準値に達してから、下流の各センサの出力信号が基準値に達するまでの時間差をそれぞれ求めることで、電解質膜16劣化状況をより正確に判断することが可能になる。
本発明の実施の形態としての燃料電池システムの概略構成を示す図である。 図1のシステムに備えられる2つの酸素センサの出力信号と電解質膜の劣化状況との関係を説明するための図であり、電解質膜の初期状態に対応する図である。 図1のシステムに備えられる2つの酸素センサの出力信号と電解質膜の劣化状況との関係を説明するための図であり、電解質膜の劣化後に対応する図である。 図1のシステムに備えられる2つの酸素センサの出力信号がある基準値になるまでの時間差の運転距離(若しくは運転時間)による変化を示す図である、 本発明の実施の形態において実行される電解質膜の劣化状況を判断するためのルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池
12 アノード
14 カソード
16 電解質膜
20 アノードエアライン
22 アノードオフガスライン
24 カソードエアライン
26 カソードオフガスライン
30,32 酸素センサ
34,36 水素センサ
40 ECU
42 警報装置

Claims (2)

  1. 一対の電極間に電解質膜を備えた燃料電池を含み、一方の電極には第1のガス成分を含むガスを流通させ、他方の電極には前記第1のガス成分とは異なる第2のガス成分を含むガスを流通させることで発電するように構成された燃料電池システムにおける前記電解質膜の劣化判定方法であって、
    所定の定常状態から前記燃料電池の負荷、或いは前記各電極におけるガス流量が変化したかどうかを開始条件として判定するステップと、
    前記開始条件が満たされた場合、前記他方の電極から排出されるオフガスの排出通路の第1の検出位置において前記オフガスに含まれる前記第1のガス成分の濃度をガスセンサにより検出し、その検出濃度が所定濃度になるまでの時間T1を測定するステップと、
    前記開始条件が満たされた場合、前記排出通路の前記第1の検出位置とは異なる第2の検出位置において前記オフガスに含まれる前記第1のガス成分の濃度をガスセンサにより検出し、その検出濃度が所定濃度になるまでの時間T2を測定するステップと、
    前記時間T1と時間T2との時間差ΔTを演算するステップと、
    前記時間差ΔTを指標値として前記電解質膜の劣化状況を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする燃料電池システムにおける電解質膜の劣化判定方法。
  2. 前記指標値と所定の警告判定値とを比較し、前記指標値が前記警告判定値に達したときには警告信号を出力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムにおける電解質膜の劣化判定方法。
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