JP2004019936A - バルブ用アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】弁の角度制御を正確に行うことができ、弁の開閉位置を正確に検出し、構造の簡素化により、小型化と軽量化並びにコストの削減化を可能としたバルブ用アクチュエータを提供すること。
【解決手段】モータ3からの回転力を、ケーシング1a内に配設した内接噛合遊星歯車減速機構7を介して出力軸8に減速して伝達し、該出力軸8の回転により弁体を回動開閉させるバルブ用アクチュエータ1において、前記歯車減速機構7には、出力軸8を所定角度内に回動制御するためのストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部12を設けたバルブ用アクチュエータである。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁に搭載するためのバルブ用アクチュエータであって、特に、電動モータ等を動力源とし、減速機構を介してボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁の弁軸を回転操作する構造のアクチュエータにおいて、電動操作時、及び手動操作時における弁の角度制御を正確に行うことを可能にしたバルブ用アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ボールバルブやバタフライバルブ等に搭載する減速機構を内蔵したバルブ用アクチュエータが各種提案されている。
従来のバルブ用アクチュエータは、モータからの回転力を減速して出力軸に伝達するために、出力軸とモータの回転軸との間に平歯車列を多段等に噛合して連結配設した減速機構を有しており、該減速機構を介することにより、モータからの回転力を減速して出力軸に伝達し、該出力軸と連結した弁軸に伝達して、弁体であるボールやジスクを開閉操作していた。しかし、前記減速機構を内蔵したバルブ用アクチュエータにあっては、多数の平歯車を多段等に噛合して連結配設した構造であるため、出力軸とモータの回転軸との間に広いスペースを確保しなければならず、アクチュエータの大型化につながると共に、構造が複雑になり、かつ部品点数も多くなるため、コスト的にも問題を有していた。
【0003】
そこで、前記問題を解決するものとして、例えば、特開2002−115748号公報が開示されている。
特開2002−115748号公報では、少ない歯車数で大きな減速比を得ることができる減速機構を内蔵したアクチュエータが記載されている。
前記減速機構は、ハウジング外へ回転を伝える出力軸の周りに同軸に設けられ、モータによって前記出力軸と相対的に回転することができると共に、回転軸に対して偏心した外周円を持った偏心体と、外内周が前記出力軸と同軸になっており、内周面に沿って内歯車を有し、ハウジングに対して出力軸の周りに回転することができる円環状太陽内歯車と、前記偏心体の外周円と同軸になった内孔円と外周にある外歯車とを持った遊星外歯車であって、前記偏心体と相対回転可能に外挿して設けられ、外歯車を前記円環状太陽内歯車に部分的に噛合わせて太陽内歯車の内周に沿って公転運動をすることができるようになっているものと、前記遊星外歯車の自転を前記出力軸に伝える回転伝達機構と、前記円環状太陽内歯車のハウジングに対する回転を拘束及び開放することができる回転断続機構とからなる減速機構を内蔵するものであり、アクチュエータのコンパクト化を可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来(例えば、特開2002−115748号公報など)の少ない歯車数で大きな減速比を得ることができる減速機構を内蔵したアクチュエータにあっては、モータからの回転力を前記減速機構を介して出力軸に伝達する場合、該出力軸を所定角度の範囲で回動規制する機械的手段を有していないため、例えば、カムによりリミットスイッチの接点を押圧してオン・オフ操作する際に、カムとリミットスイッチとの相対的な位置関係にズレなどが生じている場合や、リミットスイッチの誤作動が生じた場合には、所定の弁開度の範囲内で弁体の開閉を停止することができずに、流体の誤供給を生じる恐れがあり、さらに、停電時等において手動操作を行なう場合にも同様の問題を有していた。
なお、この従来技術における回転断続機構は、円環状太陽内歯車のハウジングに対する回転を拘束及び開放するものであり、電動操作時、或いは手動操作時において、出力軸の回転角度の範囲を規制するものではない。
【0005】
本発明は、前記の実情に鑑みて開発に至ったものであり、その目的とするところは、ボールバルブ、バタフライバルブ等の回転弁に搭載するためのバルブ用アクチュエータであって、特に、電動モータ等を動力源とし、少ない歯車数で大きな減速比を得ることができる内接噛合遊星歯車減速機構を介してボールバルブ、バタフライバルブなどの弁軸を回転操作する構造のアクチュエータにおいて、弁の角度制御を正確に行うことを可能にすると共に、弁の開閉位置を正確に検出し、さらに、構造の簡素化により、小型化と軽量化並びにコストの削減化を可能としたバルブ用アクチュエータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、モータからの回転力を、ケーシング内に配設した内接噛合遊星歯車減速機構を介して出力軸に減速して伝達し、該出力軸の回転によりバルブ弁体を回動開閉させるバルブ用アクチュエータにおいて、前記歯車減速機構は、モータからの回転力の伝達により回転する偏心体と、該偏心体を介して揺動回転可能に設けた外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車と、前記外歯歯車の揺動回転から自転回転を取り出して出力軸に伝える回転伝達機構と、該回転伝達機構を介して連結された出力軸とからなり、該歯車減速機構には前記出力軸を所定角度内に回動制御するためのストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部を設けたバルブ用アクチュエータである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記回転伝達機構は、外歯歯車に形成された内ピン孔と、該内ピン孔内を遊嵌する内ピンと、該内ピンを一体又は別体に形成したピンフランジとからなり、該ピンフランジに、前記ストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部を形成し、該角度位置決め部が当接して係止するための回動規制部をベース体に設けたバルブ用アクチュエータである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記出力軸に、前記ストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部を形成し、該角度位置決め部が当接して係止するための回動規制部をベース体に設けたバルブ用アクチュエータである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明におけるバルブ用アクチュエータの一実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1及び図2に示すように、本発明のバルブ用アクチュエータ1は、ケーシング1aと、該ケーシング1a内(本実施形態ではベース体2上)に配設された電動モータ3と、該電動モータ3の回転軸に設けられたピニオンギヤ4と噛合する中間歯車5と、該中間歯車5と噛合する歯車であって、出力軸と同軸上に配設された入力歯車6と、前記電動モータ3からの回転力を前記中間歯車5、入力歯車6を介して伝達される内接噛合遊星歯車減速機構7と、該歯車減速機構7を介して減速された回転力により回転する出力軸8とから構成されている。
【0010】
前記歯車減速機構7は、前記出力軸8と同軸上に配設されており、その構成は、前記入力歯車6が挿入固着される偏心体9と、該偏心体9を介して揺動回転可能に設けた外歯歯車10と、ベース体2などの固定側に固定され、前記外歯歯車10と内接噛合する内歯歯車11と、前記外歯歯車10の揺動回転から自転回転を取り出して出力軸8に伝えると共に、前記出力軸8を所定角度内に回動制御するためのストッパ部(角度位置決め部)12を有する回転伝達機構13と、該回転伝達機構13を介して連結された出力軸8とから構成されている。
また、前記回転伝達機構13には前記出力軸8を所定角度内に回動制御するための手段として、図示しない凹部状の係合部位(角度位置決め部)等を設けてもよい。
【0011】
前記偏心体9は、出力軸8に対し、ベアリング14を介して相対回転可能に配置されており、図3に示すように、偏心した偏心部9aの中心は出力軸8から偏心量eだけ偏心している。
該偏心体9の偏心部9a外周部位にはベアリング15を設けており、該ベアリング15を介して外歯歯車10が回転自在に設けられている。
該外歯歯車10は、外周にトロコイド系歯形10aを有しており、該外歯歯車10と内接噛合する内歯歯車11は、ベース体2に固定されており、外歯歯車10と相隣接する内周に円弧歯形11aを有している。また、内歯歯車11は、ベース体2に一体に形成してもよい。
【0012】
本実施形態においては、前記したように、外周にトロコイド系歯形10aを有する外歯歯車10と、該外歯歯車10と内接噛合する内歯歯車11は、相隣接する内周に円弧歯形11aを有しているが、これに限定されることはなく、トロコイド系歯形10aを有する外歯歯車10と、内歯に相当する外ピン(図示せず)を外歯歯車10と内接噛合する内周に設けた内歯歯車(図示せず)とからなるものでも良く、さらにその他の内接噛合遊星歯車機構でも良い。
【0013】
また、前記回転伝達機構13は、外歯歯車10に形成された複数の内ピン孔10bと、該内ピン孔10b内を遊嵌する内ピン16と、該内ピン16を挿入孔17に挿入固着したピンフランジ18とから構成されている。
また、内ピン16をピンフランジ18上面に一体形成することも可能である。前記ピンフランジ18は、出力軸8に取付固定されており、該ピンフランジ18の外周部位にはベアリング18aを設けている。
また、ピンフランジ18の下面には、出力軸8を所定角度内に回動制御するためのストッパ部12を一体又は別体に設けている。
本実施形態においては、ピンフランジ18の下面にストッパ部12を設けているがこれに限定されることなく、その他、適宜位置に設けてもよい。
【0014】
また、ベース体2に形成された出力軸挿通孔2aの上端周縁部位には、回転時に前記ストッパ部12が当接して係止するための回動規制部19を切欠き形成して設けている。
本実施形態では、図4に示すように、90°(回動範囲)とストッパ部の厚み分の角度を有する平面視扇形状に切欠き形成して設けた回動規制部19であり、該回動規制部19に前記ストッパ部12を嵌入設置して、該回動規制部19の回動範囲内(本実施形態では90°)、即ち、係止面(係止部)19aと係止面(係止部)19aとの間において回動可能に設けられており、回転時には、前記回動規制部19の係止面(係止部)19aに前記ストッパ部12が当接係止して、出力軸8を所定角度内に回動制御している。
また、本実施形態では、回動範囲を90°としているが、180°としてもよい。
また、前記回動規制部19は、本実施形態に限定されることなく、ストッパ部12の配置、形状(例えば、ピン形状等)などにあわせて適宜の構造(例えば、円弧状溝等)に形成することができる。
【0015】
前記したように、出力軸8を所定角度内に回動制御するための手段として、ピンフランジ18にストッパ部(角度位置決め部)12を形成しているが、出力軸8を所定角度内に回動制御するための手段として、前記ピンフランジ18の下面、或は外周部位などの適宜位置に、図示しない凹部状の係合部位(角度位置決め部)等を設けることも可能である。
【0016】
この場合、ベース体2に形成された出力軸挿通孔2aの上端周縁部位には、回転時に前記した凹部状の係合部位に形成された係止面(係止部)が当接して係止するための凸部状の回動規制部(図示せず)を形成する。
前記した凹部状の係合部位は、ピンフランジ18の下面を90°(回動範囲)と前記した凸部状の回動規制部の厚み分の角度を有する平面視扇形状に切欠き形成して設けた凹部からなり、該係合部位に前記した凸部状の回動規制部を嵌入設置して、回動範囲内(90°)において回動可能に設け、回転時には、前記した凹部状の係合部位の係止面(係止部)が前記した凸部状の回動規制部に当接係止して、出力軸8を所定角度内に回動制御するのもであり、回動範囲は90°でもよく、或は180°としてもよい。
また、前記した凹部状の係合部位は、前記した構造に限定されることなく、回動規制部の配置、形状(例えば、ピン形状等)などにあわせて適宜の構造(例えば、円弧状溝等)に形成することができる。
【0017】
他の実施例として、図1に示すように、出力軸8の外周部位にストッパ部12′を一体又は別体に突出形成して設け、ベース体2に形成された出力軸挿通孔2aの上端周縁部位を平面視扇形状に切欠き形成して設けられた回動規制部19に、前記ストッパ部12′を嵌入設置することで、出力軸8を所定角度内に回動制御するようにしてもよい。
【0018】
さらに、他の実施例として、出力軸8を所定角度内に回動制御するための手段として、前記出力軸8の外周部位に、図示しない凹部状の係合部位(角度位置決め部)等を設けることも可能であり、ベース体2に形成された出力軸挿通孔2aの上端周縁部位などの適宜位置に、回転時に前記した凹部状の係合部位に形成された係止面(係止部)が当接して係止するための凸部状の回動規制部(図示せず)を内周方向に突出形成して設けることも可能である。
【0019】
ベース体2上に配設された電動モータ3が駆動すると、該電動モータ3の回転軸に設けられたピニオンギヤ4が回転すると共に、該ピニオンギヤ4と噛合する中間歯車5を介して、出力軸8と同軸上に配設された入力歯車6が回転する。該入力歯車6は、出力軸8と同軸上に配設された偏心体9に取付固定されており、入力歯車6に伝達された回転力により、偏心体9が回転する。
該偏心体9の回転により、外歯歯車10は出力軸8の周りで揺動回転をしようとするが、ベース体2等の固定側に固定された内歯歯車11によって回転が拘束され、該外歯歯車10は前記内歯歯車11に内接噛合しながら揺動する。
【0020】
例えば、外歯歯車10の歯数をN、内歯歯車11の歯数をN+1とすると、歯数差は1となり、偏心体9の1回転毎に外歯歯車10はベース体2等の固定側に固定された内歯歯車11に対して1歯分ずれることになる。即ち、自転回転が生じる。これにより、偏心体9の1回転が外歯歯車10の−1/Nの回転に減速されたことになる。
【0021】
前記外歯歯車10の回転は、該外歯歯車10に形成された内ピン孔10b及び内ピン16の隙間によって揺動成分が吸収され、自転回転が前記内ピン16を介してピンフランジ18へ伝達され、該ピンフランジ18と連結された出力軸8へ伝達される。
したがって、外歯歯車10の自転回転−1/Nの回転が出力軸8へ伝達されることになり、該出力軸8と連結された弁軸20を回転させる。
【0022】
また、前記歯車減速機構7に設けられた、本実施形態においては、ピンフランジ18の下面に一体または別体に設けられたストッパ部12と、該ストッパ部12が当接して係止する回動規制部19がベース体2に設けられており、特に、手動操作時において、例えば、アクチュエータカバー上部に突出形成された手動操作部(図示せず)を介して出力軸8を回転操作すると、前記ストッパ部12が回動規制部19の係止面(係止部)19aに当接係止して、出力軸8を所定角度内(本実施形態では90°)に回動制御している。
【0023】
また、出力軸8は上方に延設されており、該出力軸8上部位には、図示しないカム、及びリミットスイッチなどの弁開度検出部材が配置されており、さらに図示しない手動操作機構を適宜位置に設けている。
また、本発明のバルブ用アクチュエータにおいて、中間開度可能であることはむろんである。
【0024】
次に、前記の実施形態の作用を説明する。
本発明におけるバルブ用アクチュエータ1は、ベース体2上に配設された電動モータ3からの回転力を減速して出力軸8へ伝達する手段として、偏心部9aを有する偏心体9と、該偏心体9を介して揺動回転可能に設けた外歯歯車10と、該外歯歯車10と内接噛合する内歯歯車11と、前記外歯歯車10の揺動回転から自転回転を取り出して、出力軸8に伝える回転伝達機構13と、該回転伝達機構13を介して連結された出力軸8とから構成される内接噛合遊星歯車減速機構7を出力軸8と同軸上に配設することで、小さなスペースで大きな減速比を得ることができ、さらに、その他の電子部品を内蔵するための有効スペースを確保することを可能にしている。
【0025】
また、前記回転伝達機構13には、出力軸8を所定角度内に回動制御するためのストッパ部(角度位置決め部)12を設けており、特に、手動操作時において、例えば、アクチュエータカバー上部に突出形成された手動操作部(図示せず)を介して出力軸8を回転操作すると、前記ストッパ部12が回動規制部19の係止面(係止部)19aに当接係止して、出力軸8を所定角度内に回動制御するので、バルブ弁体(図示せず)の正確な開閉操作を可能にしている。
【0026】
このように、減速機構の出力軸を直接回動規制しているので、規制角度がずれることなく、正確な弁開閉操作を可能にしている。
さらに、本発明におけるバルブ用アクチュエータ1の歯車減速機構7は、減速比が非常に高いことから、出力軸8側からの負荷に対しては逆転しにくい構成であるので、バルブ弁体をストッパ当接位置において、ストッパ機構と歯車減速機構7による逆転防止機能により、出力軸8を介して位置保持を行うことができる。
【0027】
本実施形態においては、前記ストッパ部12をピンフランジ18の下面に一体又は別体に設け、或いは図示するように、前記ストッパ部12′を出力軸の外周部位に一体又は別体に設けると共に、ベース体2に形成された出力軸挿通孔2aの上端周縁部位には、出力軸8の回転時に前記ストッパ部12、或いは12′が当接して係止するための回動規制部19を切欠き形成して設けることで、該歯車減速機構7の外径の配置内でストッパ機構を有することになり、ストッパ機構を設置するためのスペースをあらたに設ける必要がない。
【0028】
とりわけ、図1に示すストッパ部12のように、ピンフランジ18の下面に一体にストッパ部を設けることにより、ストッパ部12がピンフランジ18により補強されるので、高出力となる出力軸の回動規制に好適である。
また、前記回動規制部19は本実施形態に限定されることなく、ストッパ部12の配置、形状(例えば、ピン形状等)にあわせて適宜の構造(例えば、円弧状溝等)に形成することが可能である。
【0029】
さらに、出力軸8を所定角度内に回動制御するための手段として、前記ピンフランジ18の下面、或は外周部位などの適宜位置に、図示しない凹部状の係合部位(角度位置決め部)等を設けることも可能であり、さらに、前記出力軸8の外周部位に、図示しない凹部状の係合部位(角度位置決め部)等を設けることも可能でる。
【0030】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によると、電動モータからの回転力を減速して出力軸へ伝達する手段として、偏心部を有する偏心体と、該偏心体を介して揺動回転可能に設けた外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車と、前記外歯歯車の揺動回転から自転回転を取り出して、出力軸に伝える回転伝達機構と、該回転伝達機構を介して連結された出力軸とから構成される内接噛合遊星歯車減速機構を出力軸と同軸上に配設したことにより、減速機構を内蔵したアクチュエータのコンパクト化が可能となり、さらに出力軸を所定角度内に回動制御するための角度位置決め部を前記歯車減速機構内に設けたことにより、さらにコンパクト化が可能となると共に、構造の簡素化により、軽量化並びにコストの削減化を可能にした。
【0031】
さらに、電動操作時において、カムによりリミットスイッチの接点を押圧してオン・オフ操作する際に、カムとリミットスイッチとの相対的な位置関係にズレなどが生じている場合や、リミットスイッチの誤作動が生じた場合には、所定の弁開度の範囲内で弁体の開閉を停止することができずに、流体の誤供給を生じる恐れがあったが、前記角度位置決め部を設けたことにより、所定範囲以上に回動しないため、前記のような問題を解消した。
【0032】
さらに、停電時等において手動操作を行なう場合にも、前記角度位置決め部を設けたことにより、弁開度を正確に規制することが可能となり、弁の開閉位置を正確に検出することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるバルブ用アクチュエータに内蔵する内接噛合遊星歯車減速機構の分離斜視図である。
【図2】本発明におけるバルブ用アクチュエータの正面断面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】ストッパ部(角度位置決め部)と回動規制部との作用説明図である。
【符号の説明】
1 バルブ用アクチュエータ
1a ケーシング
2 ベース体
3 モータ
7 内接噛合遊星歯車減速機構
8 出力軸
9 偏心体
10 外歯歯車
10a 内ピン孔
11 内歯歯車
12,12′ ストッパ部(角度位置決め部)
13 回転伝達機構
16 内ピン
18 ピンフランジ
19 回転規制部

Claims (3)

  1. モータからの回転力を、ケーシング内に配設した内接噛合遊星歯車減速機構を介して出力軸に減速して伝達し、該出力軸の回転により弁体を回動開閉させるバルブ用アクチュエータにおいて、前記歯車減速機構は、モータからの回転力の伝達により回転する偏心体と、該偏心体を介して揺動回転可能に設けた外歯歯車と、該外歯歯車と内接噛合する内歯歯車と、前記外歯歯車の揺動回転から自転回転を取り出して出力軸に伝える回転伝達機構と、該回転伝達機構を介して連結された出力軸とからなり、該歯車減速機構には前記出力軸を所定角度内に回動制御するためのストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部を設けたことを特徴とするバルブ用アクチュエータ。
  2. 前記回転伝達機構は、外歯歯車に形成された内ピン孔と、該内ピン孔内を遊嵌する内ピンと、該内ピンを一体又は別体に形成したピンフランジとからなり、該ピンフランジに、前記ストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部を形成し、該角度位置決め部が当接して係止するための回動規制部をベース体に設けた請求項1に記載のバルブ用アクチュエータ。
  3. 前記出力軸に、前記ストッパ部又は係合部位等の角度位置決め部を形成し、該角度位置決め部が当接して係止するための回動規制部をベース体に設けた請求項1に記載のバルブ用アクチュエータ。
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