JP2004019735A - ダイアフラム構造 - Google Patents

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丹羽 庸夫
Shigenobu Nishida
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Abstract

【課題】小さな弁閉止荷重で高いシール性能を得ることができるとともに、耐食性に優れたダイアフラム構造を提供すること。
【解決手段】金属ダイアフラム式電磁弁10において、コバルトニッケル合金の金属ダイアフラム11の接ガス面に対して、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)層15を形成(コーティング)して、閉弁時に、弁座42に対し、弾性を有するPFA層15介して金属ダイアフラム11を当接させる。また、金属ダイアフラム11の接ガス面の反対面のステム32との当接部分にもPFA層16を形成する。
【選択図】      図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ダイアフラム開閉弁におけるダイアフラム構造に関する。さらに詳細には、半導体製造装置のCVDやエッチャ等のガス供給システムにおいて、ウエハに各種の薄膜形成あるいは酸化還元反応を行うプロセスガス制御用の金属ダイアフラム開閉弁におけるダイアフラム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体製造装置のCVDやエッチャ等のガス供給用の開閉弁として、金属ダイアフラム開閉弁が使用されている。これは、弁室内部のデッドスペースが少ない、ガスの置換性が良い、接触部分からのパーティクルの発生が少ないといった特性を、金属ダイアフラム開閉弁が備えているからである。この金属ダイアフラム開閉弁においては、金属ダイアフラムを弁座に当接・離間させることにより、弁が開閉するようになっている。そして、弁座は、合成樹脂材あるいは金属部材により形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の金属ダイアフラム開閉弁では、次のような問題があった。まず、合成樹脂材により形成された弁座を備えるものでは、高いシール性能を得るために、高い推力で金属ダイアフラムを弁座に押しつけると、合成樹脂材がクリープを起こすおそれが高かった。そして、クリープが発生すると、その分だけ金属ダイアフラムの変位量が増大する。このような状態で、金属ダイアフラムが弁座に対して繰り返し当接・離間されるため、金属ダイアフラムにクラックなどの破損が生じやすくなってしまう。
【0004】
また、合成樹脂材が弁オリフィス(流路)に入り込み、オリフィス径が小さくなったり、弁オリフィス(流路)が完全に塞がれてしまうおそれもあった。このような状態になると、規定流量を得ることができなくなってしまう。
【0005】
特に、高温環境下やオリフィス径が小さい場合には、早期に上記の問題が発生する。つまり、高温(約200℃)の気化ガスが使用される半導体製造装置のCVDやエッチャ等のガス供給用の開閉弁として使用する場合に、特に問題となるのである。
【0006】
一方、金属部材により形成された弁座を備えるものでは、上記した合成樹脂材のクリープに起因する問題は生じない。ところが、金属部材の弁座では、高いシール性能を得るために、合成樹脂材の弁座の場合に比べ、数倍の推力で金属ダイアフラムを弁座に押しつける必要がある。このため、アクチュエータが大型化するという問題があった。また、弁座の金属ダイアフラムへの当接面に対し、高い面精度が要求される。このため、高度な加工処理を施す必要があるという問題もあった。
【0007】
さらに近年、プロセスガスの一種に高濃度のオゾンガスが使用される割合が増えており、金属ダイアフラム自体の耐食性が問題になっている。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、小さな弁閉止荷重で高いシール性能を得ることができるとともに、耐食性に優れたダイアフラム構造を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係る金属ダイアフラム構造は、金属ダイアフラムを弁座に対して当接・離間させて弁の開閉を行う金属ダイアフラム式開閉弁におけるダイアフラム構造において、金属ダイアフラムの接ガス面にフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴するものである。
【0010】
このダイアフラム構造では、金属ダイアフラムの接ガス面、言い換えると弁座に対向する面に対して、フッ素樹脂がコーティングされている。このため、閉弁時には、弁座に対してコーティングされたフッ素樹脂を介して金属ダイアフラムが当接する。そして、コーティング層は弾性を有するので、同じ弁閉止荷重であればコーティングをしていない場合に比べ、より高いシール性能が得られる。すなわち、金属ダイアフラムの接ガス面にフッ素樹脂をコーティングすることにより、小さな弁閉止荷重で高いシール性能を得ることができる。また、高いシール性能を得るために、弁座の金属ダイアフラムへの当接面に対しても、高い面精度が要求されない。このため、高度な加工処理を施す必要がない。さらに、フッ素樹脂は耐食性に優れているので、高濃度のオゾンガスを使用しても金属ダイアフラムの腐食を防ぐことができる。
【0011】
ここで、上記の構造を有する金属ダイアフラムは、素地からダイアフラム形状を成形した後に、フッ素樹脂をコーティングすることにより製造してもよいし、また、ダイアフラムの素地にフッ素樹脂をコーティングした後に、それをダイアフラム形状に形成することにより製造してもよい。また、フッ素樹脂のコーティングは、下地処理を行った後に、静電塗装やフィルム熱着プレスなどによって行えばよい。
【0012】
本発明に係るダイアフラム構造においては、金属ダイアフラムの接ガス面の反対面にもフッ素樹脂がコーティングされていることが望ましい。これにより、ステムが金属ダイアフラムを弁座に当接させるときに発生する摩擦力を低減することができるので、より小さな閉弁荷重により高いシール性能を得ることができるからである。
【0013】
なお、金属ダイアフラムの接ガス面の反対面へのフッ素樹脂のコーティングは、面全体に行うよりもステムとの当接部分だけに行うのがよい。面全体に対してコーティングを行うと、ダイアフラムの特性が悪化するおそれがあるからである。
【0014】
また、本発明に係るダイアフラム構造においては、フッ素樹脂は、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)であることが望ましい。フッ素樹脂の中で高温下における安定性が最も高く、またコーティング時にピンホールが発生し難いからである。
【0015】
また、本発明に係るダイアフラム構造においては、フッ素樹脂のコーティング厚さは、金属ダイアフラムの厚さより厚いことが望ましい。具体的には、フッ素樹脂のコーティング厚さは、100μmから300μmの範囲内とするのがよい。
【0016】
コーティング層の厚みを厚くすれば、ガスの透過に対して有利になるとともに、ピンホールも発生し難い。しかし、コーティング層が厚くなれば、金属ダイアフラムの特性(ダイアフラムの板バネ性能)が悪化するとともに、フッ素樹脂のクリープ量が増加して金属ダイアフラムの変形量が大きくなって耐久性能が悪化する。そこで、フッ素樹脂のコーティング厚さを、100μmから300μmの範囲内とすることにより、上記の様な性能悪化、ガスの透過、およびピンホールの発生を確実に防止することができる。
【0017】
また、本発明に係るダイアフラム構造においては、フッ素樹脂のコーティング層の弁座に対する当接部に凸部が形成されていることが望ましい。そして、凸部の厚さは、500μmから2000μmの範囲内とするのがよい。
【0018】
このようにフッ素樹脂のコーティング層において弁座に対する当接部を、他の部分よりも厚肉化させることにより、コーティング層のへたり寿命を長くすることができるからである。なお、金属ダイアフラムのバネ力は、周縁部分によって発生されるので、当接部に凸部を形成してもダイアフラムの特性に悪影響を与えることはない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダイアフラム構造を具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態は、本発明のダイアフラム構造を採用した金属ダイアフラム式電磁弁に関するものである。そこで、この金属ダイアフラム式電磁弁の概略構成を図1に示す。図1は、金属ダイアフラム式電磁弁10の断面図である。この金属ダイアフラム式電磁弁10は、コア組立20と、プランジャ・ステム組立30と、ボディ40と、金属ダイアフラム11とからなる。
【0020】
コア組立20は、図2に示すように、電磁コイル21と、電磁コイル21の中心孔を形成する金属パイプ22と、電磁コイル21の一端部に配置された第1コア23と、電磁コイル21の他端部に配置された第2コア24とから構成されている。第1コア23は、円板部23aとその中央から突出した突出部23bとを有している。そして、円板部23aが電磁コイル21の端部を覆い、突出部23bが金属パイプ22に挿入された状態で配置されている。また、第1コア23(円盤部23a)の背面には皿ばね27が配設されている(図1参照)。
【0021】
そして、金属パイプ22には、厚さ0.08mmの絶縁シート25が巻かれている。これにより、電磁コイル21と第1コア23および後述するプランジャ31とが電気的に絶縁されている。このように絶縁シート25を薄くすることにより、電磁コイル21から第1コア23およびプランジャ31への熱伝導が高まる。すなわち、電磁コイル21が発生する熱を、プランジャ31(さらには第2コア24)、および第1コア23へ素早く放熱させることができる。これにより、通電時における電磁コイル21の温度上昇を抑制することができる。
【0022】
一方、第2コア24は、金属パイプ22が装着される中心孔が形成された略円環形状をなし、電磁コイル21の端部を覆うようになっている。そして、この中心孔、より正確には金属パイプ22において、プランジャ31の往復動が案内されるようになっている。また、第2コア24には、後述するダイアフラム押さえ34との接触面に第1頂部24aが形成されている。この第1頂部を形成することにより、コア組立20とダイアフラム押さえ34との接続面における接触面積が小さくなる。すなわち、コア組立20とダイアフラム押さえ34との接続部を線接触とすることができる。従って、ダイアフラム押さえ34が組み込まれたプランジャ・ステム組立30から第2コア24が組み込まれたコア組立20への熱伝導が抑制されるようになっている。
【0023】
そして、第1コア23と第2コア24とは、ねじ接続部26においてねじ接続されている。すなわち、第2コア24に第1コア23を取り付けるには、第1コア23を第2コア24に対してねじ旋回させてストロークエンドまでねじ込み、必要なねじピッチ分(プランジャストローク)だけ逆にねじ旋回させることにより行われる。このように第1コア23と第2コア24とをねじ接続することにより、ねじ接続部26のねじピッチに応じたプランジャストロークを得ることができるようになっている。つまり、個々の部品精度に関係なく、組立時にプランジャストロークを調整することができるのである。また、第1コア23の背面に皿ばね27を設けていることにより、ねじ接続部26でのガタが抑制されるので、非常に精度良くプランジャストロークを調整することができるようになっている。
【0024】
プランジャ・ステム組立30は、図3に示すように、プランジャ31と、ステム32と、コイルスプリング33と、ダイアフラム押さえ34とから構成されている。プランジャ31は、電磁コイル21の励磁と消磁とにより、金属パイプ22内を往復動するものである。このプランジャ31は、略円筒状をなし、その中心にステム32の端部が挿入される挿入孔31aが形成されている。ステム32は、ダイアフラム11を弁座に当接・離間させるものである。このステム32は、金属ダイアフラム11に接する円板部32aと、プランジャ31との接続を行う接続部32bとから構成されている。なお、コイルスプリング33は、ステム32を金属ダイアフラム11側に付勢するためのものである。
【0025】
また、ダイアフラム押さえ34は、金属ダイアフラム11の外周縁を押さえるためのものである。このダイアフラム押さえ34は有底円筒状をなし、開口端部には第2頂部34aが形成されている。この第2頂部34aとボディ40との間で、金属ダイアフラム11の外周縁が挟み込まれて気密性が確保されるようになっている。また、ボディ40とダイアフラム押さえ34との接続は、第2頂部34aで行われる。このため、ボディ40とダイアフラム押さえ34との接続面における接触面積が小さい。すなわち、ボディ40とダイアフラム押さえ34との接続部が線接触となる。従って、ボディ40からダイアフラム押さえ34を備えるプランジャ・ステム組立30への熱伝導が抑制されるようになっている。また、この接続部にリング状のセラミック板などの無機質材板を配置することにより、より一層ボディ40からダイアフラム押さえ34を備えるプランジャ・ステム組立30への熱伝導を抑制することができる。
【0026】
さらに、ダイアフラム押さえ34には、第2頂部34aの部分よりも径が小さい小径部34bと、プランジャ31の径と同じ径を有し、プランジャ31に接する接続部34cとが形成されている。そして、ダイアフラム押さえ34の内部にステム32とコイルスプリング33とが収容されている。
【0027】
具体的には、ステム32の接続部32bが、ダイアフラム押さえ34を貫通して、プランジャ31の挿入孔31aに挿入されている。なお、ステム32のプランジャ31に対する挿入量は、止めネジ35によって調整されるようになっている。そして、ステム32の円板部32aとダイアフラム押さえ34の有底面との間にコイルスプリング33が介装されている。このような構成により、コイルスプリング33の力によって、ステム32はダイアフラム11を後述する弁座42に当接させる方向に付勢されるようになっている。
【0028】
図1に戻って、ボディ40は、略円筒状をなし、その内部にはダイアフラム押さえ34が装着される弁室41と、その弁室41の底面に設けられた金属部材の弁座42と、流路43とが形成されている。そして、弁室41が形成されている部分は薄肉となっている。これによって、ボディ40の放熱性が高められている。
【0029】
続いて、ダイアフラム11の構造について、図4を用いて説明する。図4は、金属ダイアフラム11の構造を示す断面図である。図4に示すように、ニッケルコバルト合金で形成された金属ダイアフラム11の接ガス面(弁座42に対向する面)の全面にパーフルオロアルコキシエチレン(PFA)がコーティングされ、PFA層15が形成されている。金属ダイアフラム11の厚さは、例えば約100μmであり、PFA層15の厚さは、例えば約150〜250μmとなっている。すなわち、PFA層15の厚さが、金属ダイアフラム11の厚さよりも1.5〜2.5倍程度厚くなっている。
【0030】
そして、PFA層15には弁座42と当接する部分に、他よりも厚いコーティングが施された凸部15aが形成されている。弁座42に対する当接部分を他の部分よりも厚肉化させて、PFA層15のへたり寿命を長くするためである。この凸部15aの厚さは、例えば500〜2000μm程度にすればよい。
【0031】
また、金属ダイアフラム11の接ガス面の反対面にも、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)がコーティングされ、PFA層16が形成されている。このPFA層16は、上記反対面の全面には形成されておらず、ステム32との当接部分にだけ形成されている。全面にPFA層16を形成すると、金属ダイアフラム11のバネ特性が変化してしまうおそれがあるからである。
【0032】
このようなダイアフラム構造は、金属ダイアフラム11の素地にPFA層15、16をコーティングした後に、PFA層がコーティングされた素地をダイアフラム形状に成形することにより製造されるようになっている。なお、PFA層15、16のコーティングは、素地に対して下地処理(ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)塗装)を行った後に、静電塗装をして焼き付けることにより行われる。
【0033】
もちろん、素地から金属ダイアフラム11の形状を成形した後に、PFA層15、16をコーティングすることもできる。また、静電塗装の代わりに熱着プレスなどによってPFA層15、16をコーティングすることもできる。
【0034】
そして、上記した構成を有するコア組立20とボディ40とが、プランジャ・ステム組立30を介して、連結ボルト12によって連結されている。これにより、ボディ40とコア組立20との間に第1空気層13が形成されている。空気の熱伝導率は非常に小さいので、第1空気層13により、ボディ40とコア組立20との熱伝導が抑制されるようになっている。
【0035】
また、ダイアフラム押さえ34に、第2頂部34aの部分よりも径が小さい小径部34bを設けているため、ダイアフラム押さえ34をボディ40に装着すると、ボディ40とダイアフラム押さえ34との間に第2空気層14が形成されている。空気の熱伝導率は非常に小さいので、第2空気層14により、ボディ40とダイアフラム押さえ24との熱伝導が抑制されるようになっている。
【0036】
なお、コア組立20の上方にはキャップ部50がボルト51によって装着されている。このキャップ部50の中心には、金属ダイアフラム式電磁弁10の内部に強制的にエア引きし真空とする接続ポート52が形成されている。あるいは、この接続ポート52にエアホースを接続しエアブロウを行うことにより、電磁コイル21の温度上昇を抑えられるようになっている。
【0037】
次に、上記のような構成を有する金属ダイアフラム式電磁弁10の動作について説明する。図1には閉鎖状態の金属ダイアフラム式電磁弁10が示され、電磁コイル21は消磁されている。そして、プランジャ31は、ステム32を介してコイルスプリング33によって下方へ押し下げられている。従って、金属ダイアフラム11(PFA層15)が弁座42に当接しており、流路43は遮断されている。このとき、金属ダイアフラム11が直接、弁座42に当接せず、弾性を有するPFA層15を介して当接する。これにより、PFAをコーティングしていない場合に比べ、コイルスプリング33のバネ力を小さくしても、同等のシール性能を得ることができる。
また、ステム32と金属ダイアフラム11は、PFA層16を介して当接している。このため、ステム32が金属ダイアフラム11を弁座42に当接させるときに発生する摩擦力が低減される。このことによっても、小さな閉弁荷重により高いシール性能を得ることができるのである。さらに、弁座42には合成樹脂材を使用していないので、流路43が塞がることもない。
【0038】
そして、電磁コイル21が励磁されると、電磁コイル21、第1コア23および第2コア24で発生する磁力によって、プランジャ31に連結されたステム32がコイルスプリング33に抗して引き上げられる。従って、金属ダイアフラム11の中央部が引き上げられ、金属ダイアフラム11が弁座42から離間する。これで、流路43が連通する。このとき、電磁コイル21、第1コア23および第2コア24で発生する磁力は、コイルスプリング33のバネ力が小さくなっているので小さくてよい。このため、電磁コイル21、第1コア23および第2コア24の小型化を図ることができる。
【0039】
ここで、金属ダイアフラム電磁弁を半導体製造装置のCVDやエッチャ等のガス供給用の開閉弁として用いると、200℃近い非常に高温の気化ガスが弁内を流れることになる。そして、高濃度のオゾンガスが流れると、従来の金属ダイアフラム弁では、ダイアフラムが腐食しやすかった。これに対し本実施の形態に係る金属ダイアフラム式電磁弁10では、金属ダイアフラム10の接ガス面に、高温下で安定しており、また耐食性の高いPFA層15が形成されているので、高温、高濃度のオゾンガスを流した場合でも金属ダイアフラム11が非常に腐食されにくい。
【0040】
以上、詳細に説明したように実施の形態に係る金属ダイアフラム式電磁弁10によれば、金属ダイアフラム11の接ガス面にPFA層15を形成しているので、閉弁時には、弁座42に対し、弾性を有するPFA層15介して金属ダイアフラム11が当接する。これにより、小さな弁閉止荷重で高いシール性能を得ることができる。また、高いシール性能を得るために、弁座43の金属ダイアフラム11への当接面に対しても、高い面精度が要求されない。さらに、PFAは耐食性に優れているので、高濃度のオゾンガスを使用しても金属ダイアフラム11が腐食されにくい。
【0041】
また、金属ダイアフラム11の接ガス面の反対面のステム32との当接部分にもPFA層16を形成しているので、ステム32が金属ダイアフラム11を弁座42に当接させるときに発生する摩擦力が低減される。このため、より小さな閉弁荷重で高いシール性能を得ることができる。
【0042】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、アクチュエータとして電磁駆動のものを例示したが、この他に、手動、単複動のエアオペレイト、電動駆動のものであってもよい。また、金属ダイアフラム11のステム32に対する当接部分にPFA層16を形成する代わりに、イミドフィルム等を貼り付けることもできる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明に係るダイアフラム構造によれば、少なくとも金属ダイアフラムの接ガス面にはフッ素樹脂がコーティングされているので、フッ素樹脂層を介して金属ダイアフラムが弁座に当接して閉弁される。これにより、小さな弁閉止荷重で高いシール性能を得ることができるとともに、耐食性を向上させることができる。また、フッ素樹脂コーティング層の弁座に対する当接部に凸部が形成されているので、フッ素樹脂コーティング層における弁座に対する当接部が他の部分よりも厚肉になっており、フッ素樹脂コーティング層のへたり寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る金属ダイアフラム式電磁弁の断面図である。
【図2】コア組立の断面図である。
【図3】プランジャ・ステム組立の断面図である。
【図4】ダイアフラムの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10  金属ダイアフラム式電磁弁
11  金属ダイアフラム
15  PFA層
15a  凸部
16    PFA層
20  コア組立
21  電磁コイル
23  第1コア
24  第2コア
30  プランジャ・ステム組立
31  プランジャ
32  ステム
34  ダイアフラム押さえ
40  ボディ
42  弁座
43  流路

Claims (7)

  1. 金属ダイアフラムを弁座に対して当接・離間させて弁の開閉を行う金属ダイアフラム式開閉弁におけるダイアフラム構造において、
    前記金属ダイアフラムの接ガス面にフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴するダイアフラム構造。
  2. 請求項1に記載するダイアフラム構造において、
    前記金属ダイアフラムの接ガス面の反対面にもフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴するダイアフラム構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載するダイアフラム構造において、
    前記フッ素樹脂は、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)であることを特徴するダイアフラム構造。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つのダイアフラム構造において、
    前記フッ素樹脂のコーティング厚さは、前記金属ダイアフラムの厚さより厚いことを特徴するダイアフラム構造。
  5. 請求項4に記載するダイアフラム構造において、
    前記フッ素樹脂のコーティング厚さは、100μmから300μmの範囲内であることを特徴するダイアフラム構造。
  6. 請求項1から請求項5に記載するいずれか1つのダイアフラム構造において、
    前記フッ素樹脂のコーティング層の前記弁座に対する当接部に凸部が形成されていることを特徴するダイアフラム構造。
  7. 請求項6に記載するダイアフラム構造において、
    前記凸部の厚さは、500μmから2000μmの範囲内であることを特徴するダイアフラム構造。
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